JPH0413378Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 エンジンよりの排気ガスの消音をマフラ内部で
行うに当つて、排気ガス流路でささいな流れの乱
れがあつても気流音を発生することになる。そこ
で、本考案は、この気流音をも低減できるように
改良したマフラ内部構造に関するものである。

従来の技術 従来における排気ガスの消音装置としては、排
気ガス流路断面積を変化させることにより流れ
の、拡張、収縮をさせ、これによつて圧力変動を
変えて消音させるマフラがある。このようなマフ
ラには、エンジンからの排気ガスを導入する導入
管の管径より大径の拡張室及び共鳴室が設けら
れ、さらに該拡張室及び共鳴室の軸方向には、通
管及びマフラ外への排気管である消音尾管が設け
られている。導入管をもつて拡張室に導入された
排気ガスは、拡張室と共鳴室、及び通管と消音尾
管とをへて外気中へ排出されるが、その流路中の
拡張室および共鳴室などにおいて消音させられる
ものであつた。

このような従来のマフラ内部構造においては、
第３図に示す如く、通管３及び消音尾管等の流路
管が各室を分割しているセパレータ０を貫通して
設けられ、該流路管を保持するべくセパレータ１
０の貫通部にバーリング加工が施されることによ
り形成されたＲ部１１に対し、通管３及び、消音
尾管等の端末部にはフレア加工部１３が設けら
れ、つば状或いはラツパ状形に加工されて抜けな
いように構成されたものであつた。そして、この
フレア加工部１３は、前記流路管においての流入
部の気流乱れを防ぎ、気流音の発生を減少させた
ものでもあつた。

考案が解決しようとする課題 前述した従来のマフラ内部構造においては、導
入管より開放された排気ガスが再び次の通路に入
り込む配管入口部分で、セパレータ１０に設けら
れた流路管保持用のＲ部１１から流路管端末のフ
レア加工部１３が突出した複雑な構造となつてお
り、その分の加工工程と費用を費するわりには段
差が生じてしまい、なめらかな流路を形成するこ
とができなかつた。このような段差があると、フ
レア加工部１３の裏側（セパレータ１０側）に排
気ガスが回り込んで配管入口部分の流れに小渦流
のような乱れを生じる恐れがあり、ささいな流れ
の乱れから生じる気流音の発生を極力低減するに
は不都合なものであつた。

そこで、本考案は、マフラ内部構造における上
述した不都合を改善するため、セパレータに設け
られた流路管保持用のパーリング加工のＲ部を利
用し、しかも、これに対応する流路管端末部のフ
レア加工を行うことなしに、簡単かつ容易な取付
けとなめらかな流路の形成とを両立しうる構造の
提供を目的としている。

課題を解決するための手段 本考案は、前述の課題を解決するもので、密閉
されたマフラ本体１内をセパレータ１０により分
割して、前、後部拡張室５，７及び共鳴室６を形
成し、該拡張室及び共鳴室の軸方向に、それより
小径の導入管２、消音尾管４及び通管３など流路
管を設け、通管３及び消音尾管４の共鳴室６を貫
通する部分に多数の小孔８，９が穿設されたマフ
ラにおいて、排気ガスが拡張室より流路管に入り
込む部分の上記セパレータ１０に流路管保持用の
バーリング加工の施されたＲ部１１を形成し、上
記流路管の端末部に上記Ｒ部１１の端縁の肉厚分
だけ拡開した拡開口１２を設け、同拡開口１２と
上記Ｒ部１１の端縁とを面接触で継げてなめらか
に流路が形成されるように構成したことを特徴と
するマフラ内部構造である。

作 用 前述の手段によれば、バーリング加工の施され
たセパレータのＲ部の端縁に、そのＲ部の板肉厚
分だけ拡開した拡開口を有する流路管の端部を面
接触で継げてなめらかな流路を形成するようにし
たので、配管入口部分における排気ガスは、ささ
いな乱れも生じることなくスムーズに流れる。こ
れにより、小渦流のようなささいな流れの乱れを
原因とする気流音の発生が低減される。

また、流路管を軸方向に押込むことにより、セ
パレータのＲ部端縁が流路管の拡開口に差込まれ
て嵌合するので、容易に組み立ることもできる。

実施例 本考案によるマフラ内部構造の一実施例を第１
図および第２図に基づいて説明する。

第１図はマフラ全体の内部構造を示す断面図
で、２枚のセパレータ１０により密閉されたマフ
ラ本体１内が軸方向に分割され、前、後部拡張室
５，７及び共鳴室６を形成している。これらの３
室に分割されたマフラ内部には、両拡張室及び共
鳴室よりも断面積を小径とする導入管２、通管３
及び消音尾管４がいずれも軸方向に配設されてい
る。導入管２は、エンジンよりの排気ガスを前部
拡張室５及び共鳴室６を貫通させて後部拡張室７
へ至らしめる。消音尾管４は、共鳴室６及び後部
拡張室７を貫通して前記拡張室５より外気中へ排
気ガスを排出させる。通管３は、前、後部拡張室
５、７を連通させ、排気ガスが共鳴室６を貫通し
て後部拡張室７より前部拡張室５へ流れうるよう
にしている。また、通管３及び消音尾管４の共鳴
室６貫通部分には、多数の小孔８、９が各々穿設
されている。

そして、本考案は、矢印で示した排気ガスのマ
フラ本体１内主要流路において、導入管２より後
部拡張室７で拡張した排気ガスが通管３に入り込
む部分の端末部、及び前部拡張室５で拡張した排
気ガスが再び消音尾管４に入り込む部分の端末
部、すなわち排気ガスの流入する配管入口部分を
段差のないなめらかな流路とするものである。こ
のため、マフラ本体１を３室に仕切るセパレータ
１０に、これを貫通する導入管２、通管３及び消
音尾管４などの流路管保持用としてバーリング加
工を施し、形成したＲ部１１を利用する。一方、
排気ガスの入口側となる流路管の端末部（上述し
た配管入口部分）には、Ｒ部１１の端縁の肉厚分
だけ拡開した拡開口１２を設け、第１図の部を
拡大した第２図に示す如く、Ｒ部１１の端縁外周
面と拡開口１２の端縁内周面とが面接触するよう
に嵌合させて、流路管の端末をセパレータ１０の
Ｒ部１１に継げている。

以下、上述したマフラ内部構造の作用を説明す
る。この構造では、配管入口部分の流路形状がＲ
部１１に沿つたなめらかなものとなり、排気ガス
の流れを乱す原因となるような突起物等はない。
また、流路管の内周面及びＲ部１１の内周面も略
同一の面を形成するので、流路管の内部にも排気
ガスの流れの抵抗となる突起は存在しない。この
ため、たとえば配管入口部分に突起等の障害物が
ある場合に起こりがちな小渦流のようなささいな
流れの乱れは防止され、さらに、このささいな流
れの乱れを原因として発生する気流音を低減でき
る。しかも、従来よりあるセパレータ１０のＲ部
１１を利用し、これに流路管の拡開部１２が面接
触するように嵌合させて取付ける構造としたの
で、組立が簡単かつ容易である。

考案の効果 前述した本考案のマフラ内部構造によれば、セ
パレータに形成された流路管保持用のバーリング
加工を施したＲ部を利用して、Ｒ部端縁の板肉厚
分だけ拡開した流路管の端末部を簡単かつ容易に
取付けてなめらかな流路とすることができるの
で、組立てが容易であるとともにささいな流れの
乱れを原因とする気流音の発生を防ぐ効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示すマフラ内部構
造の断面図、第２図は第１図の部を示す要部拡
大図、第３図は従来例を示す流入部の要部詳細図
である。 １……マフラ本体、２……導入管、３……通
管、４……消音尾管、５……前部拡張室、、６…
…共鳴室、７……後部拡張室、８，９……小孔、
１０……セパレータ、１１……Ｒ部、１２……拡
開口、１３……フレア加工部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 密閉されたマフラ本体１内をセパレータ１０に
   より分割して、前、後部拡張室５，７及び共鳴室
   ６を形成し、該拡張室及び共鳴室の軸方向に、そ
   れより小径の導入管２、消音尾管４及び通管３な
   ど流路管を設け、通管３及び消音尾管４の共鳴室
   ６を貫通する部分に多数の小孔８，９が穿設され
   たマフラにおいて、排気ガスが拡張室より流路管
   に入り込む部分の上記セパレータ１０に流路管保
   持用のバーリング加工の施されたＲ部１１を形成
   し、上記流路管の端末部に上記Ｒ部１１の端縁の
   肉厚分だけ拡開した拡開口１２を設け、同拡開口
   １２と上記Ｒ部１１の端縁とを面接触で継げてな
   めらかに流路が形成されるように構成したことを
   特徴とするマフラ内部構造。