JPH0411637B2 - - Google Patents
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Description
〔発明の技術分野〕
この発明は、衝撃密着性に優れた亜鉛−ニツケ
ル合金電気めつき鋼板の製造方法に関するもので
ある。 〔従来技術とその問題点〕 近年、過酷な腐食環境で使用されることが多い
自動車用の耐食材料として、各種の亜鉛系合金め
つき鋼板が開発されている。この中でも、亜鉛−
ニツケル合金電気めつき鋼板は、めつき皮膜の耐
食性が優れているため、特に注目されている。 しかしながら、亜鉛−ニツケル合金電気めつき
鋼板には、次のような問題がある。即ち、めつき
層が硬くてもろく、且つ、めつき皮膜の内部応力
が大きいために、軽度の加工で微細なクラツクが
無数に発生し、このクラツクより鋼素地からの赤
錆が短時間で発生する。このように、亜鉛−ニツ
ケル合金電気めつき鋼板は、無加工の平板状態で
は優れた耐食性を有するものの、加工が施される
と、加工部分のめつき皮膜の耐食性が著るしく劣
化し、平板状態の場合の半分以下の耐食性となる
問題を有している。 このような、加工による耐食性の劣化を改善す
るために従来から多くの研究がなされており、
種々の特許(例えば、特開昭56−35790、特公昭
61−439、特開昭59−200789等)も出願されてい
る。 これらの技術による、Zn−Ni合金めつき鋼板
は、無塗装で使用する場合には問題はないが、塗
装して使用する場合には、次のような問題を有し
ている。即ち、塗装されたZn−Ni合金めつき鋼
板に対し衝撃を与えると、塗膜がめつき皮膜とと
もに剥離し、鋼素地が露出する。この問題は、特
に低温の状態で顕著であり、鋼板に明らかな変形
が生じていなくても、衝撃だけで塗膜がめつき皮
膜とともに剥離することが明らかになつている。
従つて、このようなZn−Ni合金めつき鋼板を、
自動車用外板として使用すると、冬期には寒冷地
となる北米等の地域において、例えば、自動車の
外板が小石の飛来等の衝撃を受けた場合に、塗膜
がめつき皮膜とともに剥離する結果、耐食性およ
び外観が著しく損なわれる。 上述した問題を解決するZn−Ni合金めつき鋼
板として、特開昭59−107095において、下記から
なるZn−Ni合金めつき鋼板が開示されている。 『鋼板の少なくとも片面に5g/m2以上のZn
−Ni合金めつき層を有し、且つ、そのめつき層
のNi含有割合が鋼板界面では7wt.%以下、めつ
き表面では10〜16wt.%であり、鋼板界面からめ
つき表面に向つて連続的にニツケル含有割合が増
加していることを特徴とする加工性、耐衝撃性に
優れた亜鉛−ニツケル合金めつき鋼板。』(以下、
従来技術という。) 上述した従来技術によれば、プレス等の加工、
または、石はね等の衝撃による、めつき皮膜の亀
裂をある程度防止することができる。 しかしながら、この従来技術には次のような問
題がある。 操業上の問題 めつき層のNiの含有割合を、鋼板界面からめ
つき表面に向かつて連続的に変えるためには、次
のような手段を必要とする。 (イ) めつき浴組成(めつき浴中のNi含有割合)
の変更。 (ロ) めつき条件、例えばめつき電流密度または攪
拌条件の変更。 鋼板の電気めつき設備は、通常複数個のめつき
槽からなつているから、各めつき槽ごとにめつき
条件を変えることは可能であるが、これを工業的
に行なうためには、次のような問題がある。 即ち、イに示すように、めつき槽ごとにめつき
浴の組成を変えるためには、めつき槽ごとに独立
しためつき浴の循環系が必要であり、各めつき槽
ごとに、めつき浴の濃度を管理しなければならな
い。 また、ロに示すように、めつき槽ごとにめつき
条件を変えるためには、イと同様の問題がある他
に、次のような設備の使用効率上の問題がある。
即ち、従来技術の明細書の第2図に示されている
ように、めつき層中のNiの含有割合を12〜14wt.
%にするためには、電流密度を100A/dm2にな
し、Niの含有割合を7wt.%にするためには、電
流密度を25A/dm2にしなければならない。従つ
て、従来技術によれば、平均電流密度は約60A/
dm2となる。しかしながら、通常のZn−Ni合金
めつき層のNiの含有割合を12〜14wt.%とする
と、100A/dm2でめつきできるはずであるから、
従来技術の生産能率は著しく低い。 品質上の問題 一般にZn−Ni合金めつきにおいて、耐食性が
最も良好なめつき皮膜組成は、少なくともNiの
含有割合が9wt.%以上のγ単相の場合である。し
かしながら、従来技術における鋼板界面のNiの
含有割合は、7wt.%以下であるから、9wt.%未満
のNiの含有割合のめつき層が存在することにな
る。このようなNiの含有割合の低いめつき層で
は、γ相とともに、η相(純Zn)が折出し、耐
食性は著しく低下する。 また、鋼板界面とめつき表面とのNiの含有割
合が異ると、両者間に電位差が生じ、めつき表面
に比べて、鋼板界面のめつき皮膜は卑になる。こ
の結果、例えば塗装板のめつき皮膜にキズが生じ
た場合には、鋼板界面の卑なめつき皮膜が優先的
に溶出するため、ブリスターが生じ易く、耐食性
が著しく損なわれ、品質が劣化する。 〔発明の目的〕 従つて、この発明の目的は、低温での塗装後の
衝撃密着性および耐食性に優れ、且つ、高能率で
生産することが可能な亜鉛−ニツケル合金電気め
つき鋼板の製造方法を提供することにある。 〔発明の概要〕 本発明者等は、塗装された亜鉛−ニツケル合金
電気めつき鋼板が、低温時において衝撃を受ける
と、めつき皮膜とともに塗膜が剥離する現象を解
決するために鋭意研究を重ねた。その結果、めつ
き皮膜の剥離は、複数のめつき槽で行われる電気
めつき処理において、第1めつき槽で形成される
下層としてのZn−Ni合金めつき層のめつき量に
対するニツケルの含有割合およびそのめつき量、
並びに、第2または第3めつき槽で上層としての
Zn−Ni合金めつき層が形成されるまでの間の下
層のめつき皮膜の状態によつて、大きな影響を受
けることを見出した。従つて、第1めつき槽にお
ける下層としてのZn−Ni合金めつき層のめつき
量に対するニツケルの含有割合およびそのめつき
量に所定の範囲を設け、そして第2または第3め
つき槽において上層としてのZn−Ni合金めつき
層が形成されるまでの間に、下層としてのZn−
Ni合金めつき層のめつき皮膜の内部応力をめつ
き浴中において除去し、下層の上面に、所定の
Zn−Ni合金電気めつきを施せば、めつき剥離を
防止し得ることを知見した。この発明は上述の知
見に基いてなされたものであつて、亜鉛−ニツケ
ル合金電気めつき鋼板の製造において、鋼板に対
し、亜鉛−ニツケル合金電気めつき浴を用いて、
5A/dm2のめつき電流密度で、電気めつきを施
し、次いで、前記電気めつき浴と同一組成の亜鉛
−ニツケル合金電気めつき浴を用いて、前記鋼板
に対し、無通電で1〜5秒間の浸漬処理を施して
前記鋼板の少なくとも一方の表面上に、ニツケル
の含有割合が50wt.%以上100wt.%未満の、50〜
200mg/m2のめつき量の下層としての亜鉛−ニツ
ケル合金めつき層を形成し、次いで、下層として
の亜鉛−ニツケル合金めつき層が形成された前記
鋼板に対して、前記電気めつき浴と同一組成の亜
鉛−ニツケル合金電気めつき浴を用いて電気めつ
きを施し、ニツケルの含有割合が9wt.%〜15wt.
%の、10〜40g/m2のめつき量の上層としての亜
鉛−ニツケル合金めつき層を形成することに特徴
を有するものである。 〔発明の構成〕 下層としてのZn−Ni合金めつき層のめつき量
は50〜200mg/m2とすべきである。 下層としてのZn−Ni合金めつき層のめつき量
が200mg/m2を超えると、後述するNiの含有割
合が50wt.%以上、100wt.%未満の領域では、電
解効率が低下するために、めつき時間が長くな
る。この結果、下層としてのZn−Ni合金めつき
層が形成のために多数のめつき槽が必要となり、
従つて、上層としてのZn−Ni合金めつき層の形
成のためのめつき槽の数を増加しなければなら
ず、生産効率が低下する。一方、下層としての
Zn−Ni合金めつき層のめつき量が50mg/m2未
満では、上層としてのZn−Ni合金めつき層を形
成する際に、下層としてのめつき皮膜がめつき浴
中に溶解して薄くなるため、その後に形成される
上層としてのめつき層の内部応力の減少に効果が
なく、更に下層としてのめつき層が塗装後に受け
る衝撃に耐えられず、塗装後の低温衝撃密着性が
劣化する。 下層としてのZn−Ni合金めつき層のニツケル
の含有割合は50wt.%以上、100wt.%未満とすべ
きである。下層としてのZn−Ni合金めつき層の
ニツケルの含有割合が、50wt.%未満では、所望
の塗装後の低温衝撃密着性が得られない。 下層としてのZn−Ni合金めつき層のニツケル
の含有割合の上限は、100wt.%未満であればよ
く、特に限定されないが、好ましい上限は、
90wt.%である。 即ち、前記ニツケルの含有割合が90wt.%を超
えると、Zn−Ni合金めつき層を形成するために
は、以下に述べるように、めつき槽の増加を必要
とし、この結果、生産効率が低下する問題が生ず
る。 従来一般に行われているZn−Ni合金電気めつ
きでは、各めつき槽において、ほぼ均等な電流密
度により、ほぼ同量のめつき量およびニツケルの
含有割合のめつきが施されている。 これに対して本発明においては、前述したよう
に、下層としてのZn−Ni合金めつき層のニツケ
ルの含有割合は50wt.%以上、100wt.%未満であ
り、そして、そのめつき量は50から200mg/m2
である。このようなニツケルの含有割合は、通常
行われる亜鉛−ニツケル合金電気めつき鋼板のニ
ツケルの含有割合よりもかなり高い。そして、そ
のめつき量は、第2または第3めつき槽以降のめ
つき槽におけるめつき量に比べて少ない。 めつき量は、めつき電流密度、アノード面積、
または、めつき時間の選択により変更することが
できる。 ニツケルの含有割合を50wt.%以上にするため
には、めつき浴の組成を変えること、即ち、めつ
き浴中のNi2+/Zn2++Ni2+比を高くすることに
より行うことができるが、第2または第3めつき
槽以降のめつき浴の組成を第1めつき槽のめつき
浴の組成と変えると、めつき浴の管理が煩雑にな
る。従つて、本発明では、めつき浴の組成を同一
とし、第1めつき槽におけるめつき電流密度を下
げることによつて、下層のニツケルの含有割合を
高める。めつき電流密度を下げていくと、電着挙
動が異常型から正規型に変化し、Znの優先折出
領域からNiの優先折出領域へと変わる。この転
移電流以下のめつき電流密度でZn−Ni合金電気
めつきを行えば、容易に所定のめつき浴で、ニツ
ケルの含有割合を50wt.%以上とすることができ
る。 しかしながら、このように電流密度を下げるこ
とにより、ニツケルの含有割合を上げる方法を使
用する結果、Niの含有割合を90wt.%超とするた
めにはめつき槽の増加が必要となり、生産効率が
低下する。従つて、ニツケルの含有割合の好まし
い上限は90wt.%である。 次に、第1槽において形成された下層としての
亜鉛−ニツケル合金電気めつき層を、めつき浴中
において浸漬する条件について述べる。 めつき浴中への浸漬は、例えば第1槽の半分に
アノードを配置して鋼板に対し下層としての亜鉛
−ニツケル合金電気めつきを施し、次いで、第1
槽の残りの半分を無電解で通板することにより行
うか、または、第1槽において、鋼板に対し下層
としての亜鉛−ニツケル合金電気めつきを施し、
次いで、第2槽において無電解で通板することに
より行う。なお、浸漬時間を短縮するために、逆
電解を施してもよい。 浸漬液には、めつき浴の代わりに、亜鉛−ニツ
ケル合金電気めつき皮膜を溶解し得る酸性溶液、
例えば、希硫酸溶液、希塩酸溶液を用いてもよ
い。 第2槽以降で行われる、上層としての亜鉛−ニ
ツケル合金電気めつきは、通常行われている、亜
鉛−ニツケル合金電気めつき鋼板のめつき量と同
様に、10〜40g/m2とすべきである。10g/m2未
満では耐食性が劣化し、一方40g/m2を超える
と、めつき槽の増加を必要とする結果、生産効率
が低下する。 上層としての亜鉛−ニツケル合金めつき層のめ
つき量に対するニツケルの含有割合は9〜15wt.
%とすべきである。上層としての亜鉛−ニツケル
合金めつき層のニツケルの含有割合が9wt.%未満
では、めつき皮膜の耐食性が著しく劣化する。一
方、15wt.%を超えると、めつき皮膜の耐食性が
劣化するとともに、内部応力が高くなる結果、加
工性も劣化する。 〔実施例〕 下記(1)のめつき浴組成および下記(2)のめつき条
件によつて、鋼板に電気めつき処理を施して、第
1表に示すこの発明の範囲内のZn−Ni合金層を
有するZn−Ni合金電気めつき鋼板の供試体(以
下、本発明の供試体という)No.1〜13と、第1表
に併せて示すこの発明の範囲外の供試体(以下、
比較用供試体という)No.1〜7とを調製した。 (1) めつき浴組成 ZnSO4・7H2O:150g/ NiSO4・7H2O:350g/ NaSO4:55g/ (2) めつき条件 (イ) めつき浴中のPH:1.3 (ロ) めつき浴の温度:50℃ (ハ) 浸漬時間 第1めつき槽でめつき後、第2めつき槽におい
て無通電で1〜5秒浸漬した。 (ニ) めつき電流密度 本発明の供試体No.1〜8: めつき槽:第1〜第6槽,計6槽、 第1めつき槽:5A/dm2、 第3〜第6めつき槽:50A/dm2、 本発明の供試体No.9〜13: めつき槽:第1〜第7槽,計7槽、 第1めつき槽:5A/dm2、 第3〜第7めつき槽:40A/dm2、 比較用供試体No.1,2: めつき槽:第3〜第6槽,計4槽、 第3〜第6めつき槽:50A/dm2、 比較用供試体No.3,4: めつき槽:第1〜第6槽,計6槽、 第1めつき槽:5A/dm2、 第3〜第6めつき槽:50A/dm2 比較用供試体No.5〜7: めつき槽:第1〜第6槽,計6槽、 第1めつき槽:15A〜50A/dm2、 第3〜第6めつき槽:50A/dm2。 次いで、本発明の供試体No.1〜13および比較用
供試体No.1〜7の各々に対して、自動車メーカー
で一般に使用されているデツプタイプのリン酸塩
処理液(日本パーカーライジング社製の市販品)
を使用し、リン酸塩処理を施して、供試体の表面
上にリン酸塩皮膜を形成し、次いで、日本ペイン
ト社製のED塗料を使用し、カチオンタイプの電
着塗装を施して、リン酸塩皮膜の上に厚さ20μm
の塗装を形成した。次いで、関西ペイント社製の
中塗り塗料を使用し、前記塗膜の上に35μmの中
塗り塗装と、同じく関西ペイント社製の中塗り塗
料を使用し、35μmの上塗り塗装とを施した。 このようにして塗膜の形成された供試体につい
て、以下(1)〜(4)に述べる、デユポン衝撃試験、折
り曲げ試験、耐チツプ試験およびダイヤモンドシ
ヨツト試験を施し、その結果を第1表に併せて示
した。 (1) デユポン衝撃試験 水平に置かれた供試体の上面に載置された1/2
インチのポンチ上に、一定の重量の落下物を、一
定の高さから落下させた場合における、塗膜(め
つき皮膜)の剥離性を評価した。評価基準は、次
の通りである。 (落下物の重量)、(落下物の高さ) 1kg,50cm :評価点4(良好) 1kg,25cm :評価点3(やや良好) 1kg,20cm :評価点2(不良) 500g,50cm :評価点1(不良)。 (2) 折り曲げ試験 供試体を−20℃に冷却し、50mmφの折り曲げ試
験を行なつて塗膜の剥離の有無を調べた。評価基
準は、次の通りである。 ○印:塗膜の剥離なし, ×印:塗膜の剥離あり。 (3) 耐チツプ試験 供試体を−20℃に冷却し、6号砕石を使用し、
エアー圧4kg/cm2の条件で耐チツプ試験を行い、
塗膜剥離の有無を調べた。評価基準は、次の通り
である。 ○印:塗膜の剥離なし, ×印:塗膜の剥離あり。 (4) ダイヤモンドシヨツト試験 供試体−20℃に冷却し、工業用ダイヤモンドを
170km/hの速度でシヨツトし、テープイングを
行つて、めつき面の剥離の有無を調べた。評価基
準は、次の通りである。 ○印:剥離なし, ×印:剥離あり。 第1表に示すように、本発明の供試体No.1〜13
は、上述した(1)〜(4)の試験結果のいずれも良好で
あつて、低温衝撃密着性に優れていた。 これに対して、第1めつき槽における下層とし
ての亜鉛−ニツケル合金電気めつきおよび第2め
つき槽におけるめつき浴浸漬を行なわなかつた比
較用供試体No.1,2は、試験結果は何れも不良で
あつた。 第1めつき槽における下層としての亜鉛−ニツ
ケル合金めつき層のめつき量が、この発明の範囲
外である比較用供試体No.3,4は、折り曲げ試験
は良好であつたが他の試験結果は何れも不良であ
つた。
ル合金電気めつき鋼板の製造方法に関するもので
ある。 〔従来技術とその問題点〕 近年、過酷な腐食環境で使用されることが多い
自動車用の耐食材料として、各種の亜鉛系合金め
つき鋼板が開発されている。この中でも、亜鉛−
ニツケル合金電気めつき鋼板は、めつき皮膜の耐
食性が優れているため、特に注目されている。 しかしながら、亜鉛−ニツケル合金電気めつき
鋼板には、次のような問題がある。即ち、めつき
層が硬くてもろく、且つ、めつき皮膜の内部応力
が大きいために、軽度の加工で微細なクラツクが
無数に発生し、このクラツクより鋼素地からの赤
錆が短時間で発生する。このように、亜鉛−ニツ
ケル合金電気めつき鋼板は、無加工の平板状態で
は優れた耐食性を有するものの、加工が施される
と、加工部分のめつき皮膜の耐食性が著るしく劣
化し、平板状態の場合の半分以下の耐食性となる
問題を有している。 このような、加工による耐食性の劣化を改善す
るために従来から多くの研究がなされており、
種々の特許(例えば、特開昭56−35790、特公昭
61−439、特開昭59−200789等)も出願されてい
る。 これらの技術による、Zn−Ni合金めつき鋼板
は、無塗装で使用する場合には問題はないが、塗
装して使用する場合には、次のような問題を有し
ている。即ち、塗装されたZn−Ni合金めつき鋼
板に対し衝撃を与えると、塗膜がめつき皮膜とと
もに剥離し、鋼素地が露出する。この問題は、特
に低温の状態で顕著であり、鋼板に明らかな変形
が生じていなくても、衝撃だけで塗膜がめつき皮
膜とともに剥離することが明らかになつている。
従つて、このようなZn−Ni合金めつき鋼板を、
自動車用外板として使用すると、冬期には寒冷地
となる北米等の地域において、例えば、自動車の
外板が小石の飛来等の衝撃を受けた場合に、塗膜
がめつき皮膜とともに剥離する結果、耐食性およ
び外観が著しく損なわれる。 上述した問題を解決するZn−Ni合金めつき鋼
板として、特開昭59−107095において、下記から
なるZn−Ni合金めつき鋼板が開示されている。 『鋼板の少なくとも片面に5g/m2以上のZn
−Ni合金めつき層を有し、且つ、そのめつき層
のNi含有割合が鋼板界面では7wt.%以下、めつ
き表面では10〜16wt.%であり、鋼板界面からめ
つき表面に向つて連続的にニツケル含有割合が増
加していることを特徴とする加工性、耐衝撃性に
優れた亜鉛−ニツケル合金めつき鋼板。』(以下、
従来技術という。) 上述した従来技術によれば、プレス等の加工、
または、石はね等の衝撃による、めつき皮膜の亀
裂をある程度防止することができる。 しかしながら、この従来技術には次のような問
題がある。 操業上の問題 めつき層のNiの含有割合を、鋼板界面からめ
つき表面に向かつて連続的に変えるためには、次
のような手段を必要とする。 (イ) めつき浴組成(めつき浴中のNi含有割合)
の変更。 (ロ) めつき条件、例えばめつき電流密度または攪
拌条件の変更。 鋼板の電気めつき設備は、通常複数個のめつき
槽からなつているから、各めつき槽ごとにめつき
条件を変えることは可能であるが、これを工業的
に行なうためには、次のような問題がある。 即ち、イに示すように、めつき槽ごとにめつき
浴の組成を変えるためには、めつき槽ごとに独立
しためつき浴の循環系が必要であり、各めつき槽
ごとに、めつき浴の濃度を管理しなければならな
い。 また、ロに示すように、めつき槽ごとにめつき
条件を変えるためには、イと同様の問題がある他
に、次のような設備の使用効率上の問題がある。
即ち、従来技術の明細書の第2図に示されている
ように、めつき層中のNiの含有割合を12〜14wt.
%にするためには、電流密度を100A/dm2にな
し、Niの含有割合を7wt.%にするためには、電
流密度を25A/dm2にしなければならない。従つ
て、従来技術によれば、平均電流密度は約60A/
dm2となる。しかしながら、通常のZn−Ni合金
めつき層のNiの含有割合を12〜14wt.%とする
と、100A/dm2でめつきできるはずであるから、
従来技術の生産能率は著しく低い。 品質上の問題 一般にZn−Ni合金めつきにおいて、耐食性が
最も良好なめつき皮膜組成は、少なくともNiの
含有割合が9wt.%以上のγ単相の場合である。し
かしながら、従来技術における鋼板界面のNiの
含有割合は、7wt.%以下であるから、9wt.%未満
のNiの含有割合のめつき層が存在することにな
る。このようなNiの含有割合の低いめつき層で
は、γ相とともに、η相(純Zn)が折出し、耐
食性は著しく低下する。 また、鋼板界面とめつき表面とのNiの含有割
合が異ると、両者間に電位差が生じ、めつき表面
に比べて、鋼板界面のめつき皮膜は卑になる。こ
の結果、例えば塗装板のめつき皮膜にキズが生じ
た場合には、鋼板界面の卑なめつき皮膜が優先的
に溶出するため、ブリスターが生じ易く、耐食性
が著しく損なわれ、品質が劣化する。 〔発明の目的〕 従つて、この発明の目的は、低温での塗装後の
衝撃密着性および耐食性に優れ、且つ、高能率で
生産することが可能な亜鉛−ニツケル合金電気め
つき鋼板の製造方法を提供することにある。 〔発明の概要〕 本発明者等は、塗装された亜鉛−ニツケル合金
電気めつき鋼板が、低温時において衝撃を受ける
と、めつき皮膜とともに塗膜が剥離する現象を解
決するために鋭意研究を重ねた。その結果、めつ
き皮膜の剥離は、複数のめつき槽で行われる電気
めつき処理において、第1めつき槽で形成される
下層としてのZn−Ni合金めつき層のめつき量に
対するニツケルの含有割合およびそのめつき量、
並びに、第2または第3めつき槽で上層としての
Zn−Ni合金めつき層が形成されるまでの間の下
層のめつき皮膜の状態によつて、大きな影響を受
けることを見出した。従つて、第1めつき槽にお
ける下層としてのZn−Ni合金めつき層のめつき
量に対するニツケルの含有割合およびそのめつき
量に所定の範囲を設け、そして第2または第3め
つき槽において上層としてのZn−Ni合金めつき
層が形成されるまでの間に、下層としてのZn−
Ni合金めつき層のめつき皮膜の内部応力をめつ
き浴中において除去し、下層の上面に、所定の
Zn−Ni合金電気めつきを施せば、めつき剥離を
防止し得ることを知見した。この発明は上述の知
見に基いてなされたものであつて、亜鉛−ニツケ
ル合金電気めつき鋼板の製造において、鋼板に対
し、亜鉛−ニツケル合金電気めつき浴を用いて、
5A/dm2のめつき電流密度で、電気めつきを施
し、次いで、前記電気めつき浴と同一組成の亜鉛
−ニツケル合金電気めつき浴を用いて、前記鋼板
に対し、無通電で1〜5秒間の浸漬処理を施して
前記鋼板の少なくとも一方の表面上に、ニツケル
の含有割合が50wt.%以上100wt.%未満の、50〜
200mg/m2のめつき量の下層としての亜鉛−ニツ
ケル合金めつき層を形成し、次いで、下層として
の亜鉛−ニツケル合金めつき層が形成された前記
鋼板に対して、前記電気めつき浴と同一組成の亜
鉛−ニツケル合金電気めつき浴を用いて電気めつ
きを施し、ニツケルの含有割合が9wt.%〜15wt.
%の、10〜40g/m2のめつき量の上層としての亜
鉛−ニツケル合金めつき層を形成することに特徴
を有するものである。 〔発明の構成〕 下層としてのZn−Ni合金めつき層のめつき量
は50〜200mg/m2とすべきである。 下層としてのZn−Ni合金めつき層のめつき量
が200mg/m2を超えると、後述するNiの含有割
合が50wt.%以上、100wt.%未満の領域では、電
解効率が低下するために、めつき時間が長くな
る。この結果、下層としてのZn−Ni合金めつき
層が形成のために多数のめつき槽が必要となり、
従つて、上層としてのZn−Ni合金めつき層の形
成のためのめつき槽の数を増加しなければなら
ず、生産効率が低下する。一方、下層としての
Zn−Ni合金めつき層のめつき量が50mg/m2未
満では、上層としてのZn−Ni合金めつき層を形
成する際に、下層としてのめつき皮膜がめつき浴
中に溶解して薄くなるため、その後に形成される
上層としてのめつき層の内部応力の減少に効果が
なく、更に下層としてのめつき層が塗装後に受け
る衝撃に耐えられず、塗装後の低温衝撃密着性が
劣化する。 下層としてのZn−Ni合金めつき層のニツケル
の含有割合は50wt.%以上、100wt.%未満とすべ
きである。下層としてのZn−Ni合金めつき層の
ニツケルの含有割合が、50wt.%未満では、所望
の塗装後の低温衝撃密着性が得られない。 下層としてのZn−Ni合金めつき層のニツケル
の含有割合の上限は、100wt.%未満であればよ
く、特に限定されないが、好ましい上限は、
90wt.%である。 即ち、前記ニツケルの含有割合が90wt.%を超
えると、Zn−Ni合金めつき層を形成するために
は、以下に述べるように、めつき槽の増加を必要
とし、この結果、生産効率が低下する問題が生ず
る。 従来一般に行われているZn−Ni合金電気めつ
きでは、各めつき槽において、ほぼ均等な電流密
度により、ほぼ同量のめつき量およびニツケルの
含有割合のめつきが施されている。 これに対して本発明においては、前述したよう
に、下層としてのZn−Ni合金めつき層のニツケ
ルの含有割合は50wt.%以上、100wt.%未満であ
り、そして、そのめつき量は50から200mg/m2
である。このようなニツケルの含有割合は、通常
行われる亜鉛−ニツケル合金電気めつき鋼板のニ
ツケルの含有割合よりもかなり高い。そして、そ
のめつき量は、第2または第3めつき槽以降のめ
つき槽におけるめつき量に比べて少ない。 めつき量は、めつき電流密度、アノード面積、
または、めつき時間の選択により変更することが
できる。 ニツケルの含有割合を50wt.%以上にするため
には、めつき浴の組成を変えること、即ち、めつ
き浴中のNi2+/Zn2++Ni2+比を高くすることに
より行うことができるが、第2または第3めつき
槽以降のめつき浴の組成を第1めつき槽のめつき
浴の組成と変えると、めつき浴の管理が煩雑にな
る。従つて、本発明では、めつき浴の組成を同一
とし、第1めつき槽におけるめつき電流密度を下
げることによつて、下層のニツケルの含有割合を
高める。めつき電流密度を下げていくと、電着挙
動が異常型から正規型に変化し、Znの優先折出
領域からNiの優先折出領域へと変わる。この転
移電流以下のめつき電流密度でZn−Ni合金電気
めつきを行えば、容易に所定のめつき浴で、ニツ
ケルの含有割合を50wt.%以上とすることができ
る。 しかしながら、このように電流密度を下げるこ
とにより、ニツケルの含有割合を上げる方法を使
用する結果、Niの含有割合を90wt.%超とするた
めにはめつき槽の増加が必要となり、生産効率が
低下する。従つて、ニツケルの含有割合の好まし
い上限は90wt.%である。 次に、第1槽において形成された下層としての
亜鉛−ニツケル合金電気めつき層を、めつき浴中
において浸漬する条件について述べる。 めつき浴中への浸漬は、例えば第1槽の半分に
アノードを配置して鋼板に対し下層としての亜鉛
−ニツケル合金電気めつきを施し、次いで、第1
槽の残りの半分を無電解で通板することにより行
うか、または、第1槽において、鋼板に対し下層
としての亜鉛−ニツケル合金電気めつきを施し、
次いで、第2槽において無電解で通板することに
より行う。なお、浸漬時間を短縮するために、逆
電解を施してもよい。 浸漬液には、めつき浴の代わりに、亜鉛−ニツ
ケル合金電気めつき皮膜を溶解し得る酸性溶液、
例えば、希硫酸溶液、希塩酸溶液を用いてもよ
い。 第2槽以降で行われる、上層としての亜鉛−ニ
ツケル合金電気めつきは、通常行われている、亜
鉛−ニツケル合金電気めつき鋼板のめつき量と同
様に、10〜40g/m2とすべきである。10g/m2未
満では耐食性が劣化し、一方40g/m2を超える
と、めつき槽の増加を必要とする結果、生産効率
が低下する。 上層としての亜鉛−ニツケル合金めつき層のめ
つき量に対するニツケルの含有割合は9〜15wt.
%とすべきである。上層としての亜鉛−ニツケル
合金めつき層のニツケルの含有割合が9wt.%未満
では、めつき皮膜の耐食性が著しく劣化する。一
方、15wt.%を超えると、めつき皮膜の耐食性が
劣化するとともに、内部応力が高くなる結果、加
工性も劣化する。 〔実施例〕 下記(1)のめつき浴組成および下記(2)のめつき条
件によつて、鋼板に電気めつき処理を施して、第
1表に示すこの発明の範囲内のZn−Ni合金層を
有するZn−Ni合金電気めつき鋼板の供試体(以
下、本発明の供試体という)No.1〜13と、第1表
に併せて示すこの発明の範囲外の供試体(以下、
比較用供試体という)No.1〜7とを調製した。 (1) めつき浴組成 ZnSO4・7H2O:150g/ NiSO4・7H2O:350g/ NaSO4:55g/ (2) めつき条件 (イ) めつき浴中のPH:1.3 (ロ) めつき浴の温度:50℃ (ハ) 浸漬時間 第1めつき槽でめつき後、第2めつき槽におい
て無通電で1〜5秒浸漬した。 (ニ) めつき電流密度 本発明の供試体No.1〜8: めつき槽:第1〜第6槽,計6槽、 第1めつき槽:5A/dm2、 第3〜第6めつき槽:50A/dm2、 本発明の供試体No.9〜13: めつき槽:第1〜第7槽,計7槽、 第1めつき槽:5A/dm2、 第3〜第7めつき槽:40A/dm2、 比較用供試体No.1,2: めつき槽:第3〜第6槽,計4槽、 第3〜第6めつき槽:50A/dm2、 比較用供試体No.3,4: めつき槽:第1〜第6槽,計6槽、 第1めつき槽:5A/dm2、 第3〜第6めつき槽:50A/dm2 比較用供試体No.5〜7: めつき槽:第1〜第6槽,計6槽、 第1めつき槽:15A〜50A/dm2、 第3〜第6めつき槽:50A/dm2。 次いで、本発明の供試体No.1〜13および比較用
供試体No.1〜7の各々に対して、自動車メーカー
で一般に使用されているデツプタイプのリン酸塩
処理液(日本パーカーライジング社製の市販品)
を使用し、リン酸塩処理を施して、供試体の表面
上にリン酸塩皮膜を形成し、次いで、日本ペイン
ト社製のED塗料を使用し、カチオンタイプの電
着塗装を施して、リン酸塩皮膜の上に厚さ20μm
の塗装を形成した。次いで、関西ペイント社製の
中塗り塗料を使用し、前記塗膜の上に35μmの中
塗り塗装と、同じく関西ペイント社製の中塗り塗
料を使用し、35μmの上塗り塗装とを施した。 このようにして塗膜の形成された供試体につい
て、以下(1)〜(4)に述べる、デユポン衝撃試験、折
り曲げ試験、耐チツプ試験およびダイヤモンドシ
ヨツト試験を施し、その結果を第1表に併せて示
した。 (1) デユポン衝撃試験 水平に置かれた供試体の上面に載置された1/2
インチのポンチ上に、一定の重量の落下物を、一
定の高さから落下させた場合における、塗膜(め
つき皮膜)の剥離性を評価した。評価基準は、次
の通りである。 (落下物の重量)、(落下物の高さ) 1kg,50cm :評価点4(良好) 1kg,25cm :評価点3(やや良好) 1kg,20cm :評価点2(不良) 500g,50cm :評価点1(不良)。 (2) 折り曲げ試験 供試体を−20℃に冷却し、50mmφの折り曲げ試
験を行なつて塗膜の剥離の有無を調べた。評価基
準は、次の通りである。 ○印:塗膜の剥離なし, ×印:塗膜の剥離あり。 (3) 耐チツプ試験 供試体を−20℃に冷却し、6号砕石を使用し、
エアー圧4kg/cm2の条件で耐チツプ試験を行い、
塗膜剥離の有無を調べた。評価基準は、次の通り
である。 ○印:塗膜の剥離なし, ×印:塗膜の剥離あり。 (4) ダイヤモンドシヨツト試験 供試体−20℃に冷却し、工業用ダイヤモンドを
170km/hの速度でシヨツトし、テープイングを
行つて、めつき面の剥離の有無を調べた。評価基
準は、次の通りである。 ○印:剥離なし, ×印:剥離あり。 第1表に示すように、本発明の供試体No.1〜13
は、上述した(1)〜(4)の試験結果のいずれも良好で
あつて、低温衝撃密着性に優れていた。 これに対して、第1めつき槽における下層とし
ての亜鉛−ニツケル合金電気めつきおよび第2め
つき槽におけるめつき浴浸漬を行なわなかつた比
較用供試体No.1,2は、試験結果は何れも不良で
あつた。 第1めつき槽における下層としての亜鉛−ニツ
ケル合金めつき層のめつき量が、この発明の範囲
外である比較用供試体No.3,4は、折り曲げ試験
は良好であつたが他の試験結果は何れも不良であ
つた。
以上説明したようにこの発明によれば、低温で
の塗装後の衝撃密着性および耐食性に優れ、且
つ、高能率で生産することが可能な亜鉛−ニツケ
ル合金電気めつき鋼板が得られるという工業上有
用な効果がもたらされる。
の塗装後の衝撃密着性および耐食性に優れ、且
つ、高能率で生産することが可能な亜鉛−ニツケ
ル合金電気めつき鋼板が得られるという工業上有
用な効果がもたらされる。
Claims (1)
- 1 亜鉛−ニツケル合金電気めつき鋼板の製造に
おいて、鋼板に対し、亜鉛−ニツケル合金電気め
つき浴を用いて、5A/dm2のめつき電流密度で、
電気めつきを施し、次いで、前記電気めつき浴と
同一組成の亜鉛−ニツケル合金電気めつき浴を用
いて、前記鋼板に対し、無通電で1〜5秒間の浸
漬処理を施して前記鋼板の少なくとも一方の表面
上に、ニツケルの含有割合が50wt.%以上100wt.
%未満の、50〜200mg/m2のめつき量の下層とし
ての亜鉛−ニツケル合金めつき層を形成し、次い
で、下層としての亜鉛−ニツケル合金めつき層が
形成された前記鋼板に対して、前記電気めつき浴
と同一組成の亜鉛−ニツケル合金電気めつき浴を
用いて電気めつきを施し、ニツケルの含有割合が
9wt.%〜15wt.%の、10〜40g/m2のめつき量の上
層としての亜鉛−ニツケル合金めつき層を形成す
ることを特徴とする、衝撃密着性に優れた亜鉛−
ニツケル合金電気めつき鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17893386A JPS6335793A (ja) | 1986-07-31 | 1986-07-31 | 衝撃密着性に優れた亜鉛―ニッケル合金電気めっき鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17893386A JPS6335793A (ja) | 1986-07-31 | 1986-07-31 | 衝撃密着性に優れた亜鉛―ニッケル合金電気めっき鋼板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6335793A JPS6335793A (ja) | 1988-02-16 |
JPH0411637B2 true JPH0411637B2 (ja) | 1992-03-02 |
Family
ID=16057177
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17893386A Granted JPS6335793A (ja) | 1986-07-31 | 1986-07-31 | 衝撃密着性に優れた亜鉛―ニッケル合金電気めっき鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6335793A (ja) |
Families Citing this family (2)
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-
1986
- 1986-07-31 JP JP17893386A patent/JPS6335793A/ja active Granted
Patent Citations (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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Also Published As
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JPS6335793A (ja) | 1988-02-16 |
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