JPH08225984A - めっき外観、めっき密着性および耐食性に優れたZn−Ni合金めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

めっき外観、めっき密着性および耐食性に優れたZn−Ni合金めっき鋼板の製造方法

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JPH08225984A
JPH08225984A JP3224895A JP3224895A JPH08225984A JP H08225984 A JPH08225984 A JP H08225984A JP 3224895 A JP3224895 A JP 3224895A JP 3224895 A JP3224895 A JP 3224895A JP H08225984 A JPH08225984 A JP H08225984A
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Fuminori Mukohara
文典 向原
Tsutomu Komori
務 小森
Nobuo Totsuka
信夫 戸塚
Takashi Sekida
貴司 関田
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 Zn−Ni合金めっき鋼板のプレス加工時の
めっき割れや剥がれによる耐食性の低下、塗装後の飛び
石等によるチッピングによる耐食性の低下をそれぞれ解
消し、かつめっき外観を改善すること。 【構成】 下層めっきとしてNi含有率が5〜11wt%の
Zn−Ni合金めっきを形成し、次いでこの下層めっき
上に上層めっきとしてNi含有率が12〜18wt%のZn−
Ni合金めっきを形成してなるZn−Ni合金めっき鋼
板において、一例として、上記下層めっきを、めっき液
の pH:0.7 〜1.3 、めっき液のNiモル比〔Ni2+
(Ni2++Zn2+)〕:0.25〜0.60、めっき電流密度:20〜
60A/dm2 の条件で行い、上記上層めっきを、めっき
液の pH:1.3 超〜2.0 、めっき液のNiモル比:0.60
〜0.80、めっき電流密度:60〜130 A/dm2 の条件で
行うことにより、めっき外観、めっき密着性および耐食
性に優れたZn−Ni合金めっき鋼板を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プレス加工時や飛び石
のような外力に対しても良好なめっき密着性、めっき外
観および優れた防錆性能を発揮する自動車用鋼板, とく
にZn−Ni合金めっき鋼板の製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】鋼板の防食手段としては従来、亜鉛めっ
きによる表面処理が広く採用されている。このような表
面処理鋼板は、自動車や家電を中心とする分野において
広く使用されている。ところで最近、かかる表面処理鋼
板の耐食性をより一層向上させることを目的として、Z
n−Ni合金めっき、Zn−Fe 合金めっきのような亜
鉛合金めっき鋼板が注目されている。中でも、Zn−N
i合金めっき(通常、Ni含有率10〜20wt%)は、
裸耐食性に優れ、とりわけこのZn−Ni合金めっきの
上にさらにクロメート処理層を介して有機樹脂を薄膜処
理して得た有機被覆鋼板などは、裸耐食性が著しく良好
なために、自動車の内装材として広く使用されている。
【0003】また、これらの合金めっき鋼板は、防錆性
の良好な自動車車体の外装材としても使用されている。
例えば、Zn−Ni合金めっき鋼板の上に化成処理を施
すと共に、さらにその表面に3コート塗装(カチオン電
着塗装、中塗り、上塗り)を施したものがある。しか
し、このような処理を施した鋼板であっても、走行中の
飛び石等による衝撃を想定した試験を行うと、上記塗膜
は容易に剥離する。しかも、この剥離は冷延鋼板に比べ
てその径が大きいことから、飛び石等によるチッピング
を受けたときの、外板耐食性は冷延鋼板以下となるとい
う弱点があった。
【0004】これに対し従来、この塗装後の耐チッピン
グ性の改善のために、Zn−Ni合金めっき層の2層
化、例えば; 下層に低Ni量のZn−Ni合金めっき層(Ni含
有率:2〜10wt%) 、上層に通常Ni量のZn−Ni合
金めっき層( Ni含有率:10〜20wt%) の2層合金めっ
き(特公昭63−23278 号公報、特開昭63−47398 号公
報、特開平1−225790号公報等) 、 下層に通常Ni量のZn−Ni合金めっき層( Ni
含有率:10〜20wt%) 、上層に高Ni量のZn−Ni合
金めっき層( Ni含有率:12〜92wt%) の2層合金めっ
き(特公昭62−5239号公報等) 下層にNiめっき、中間層に低Ni量のZn−Ni
合金めっき層( Ni含有率:5〜10wt%) 、上層に通常
Ni量のZn−Ni合金めっき層( Ni含有率:10〜30
wt%) の3層めっき(特開昭62−227099号公報等) 、に
よる新たな改善技術が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た各改善技術のうち、例えば、 下層を低Ni量とし、上層を通常Ni量としたZn
−Ni合金めっき層の場合は、外的な衝撃を下層の軟ら
かい低Ni層で緩和でき、耐チッピング性の向上効果は
大きいが、下層の低Ni層が粒状結晶であるγ層と、角
状結晶であるη層が混在してめっき表面粗度が大きくな
るために、上層のZn−Ni合金めっき層が下層のZn
−Ni合金めっき層表面形状の影響を受けて、最終的な
めっき表面粗度が大きくなり、めっき外観に劣るという
欠点があった。しかも、低Ni量のZn−Ni合金めっ
き層と通常Ni量のZn−Ni合金めっき層を形成する
めっき条件は、めっき液の pH(1〜4の範囲)を同一
として、めっき液のNiモル比およびめっき電流密度を
変えることによって行っているために、低Ni量のZn
−Ni合金めっき層には粒状結晶であるγ層と角状結晶
であるη層との混在が避けられないという欠点があっ
た。
【0006】 一方、下層に通常Ni量のZn−Ni
合金めっき層、上層に高Ni量のZn−Ni合金めっき
層を形成する2層めっきの場合は、耐チッピング性向上
の効果が少なく、しかもNiが30wt%を超えるとα層
が生成するために、めっき外観と耐食性に劣るという欠
点があった。
【0007】 また、下層にNiめっきをした3層め
っきの場合は、下層に非常に硬いNiめっきがあるため
に、耐チッピング性の向上が期待できるが、Niの腐食
電位が母材のFe の腐食電位より貴なために犠牲防食性
がなく、耐食性に劣るという欠点があった。
【0008】その他、下層に高Ni量のZn−Ni合金
めっき層、上層に通常Ni量のZn−Ni合金めっき層
の場合には、耐チッピング性の向上は認められるが、プ
レス加工時に変形加工を受けるとめっきが割れやすく、
耐食性に劣るという欠点があった。
【0009】そこで、本発明の目的は、Zn−Ni合金
めっき鋼板のプレス加工時のめっき割れや剥がれによる
耐食性の低下、塗装後の飛び石等によるチッピングによ
る耐食性の低下およびめっき外観を改善することにあ
る。とくに、プレス加工時のめっき割れや剥がれがな
く、チッピングによる塗膜の剥離径が冷延鋼板程度で、
しかも塗膜剥離後もZn−Ni合金めっき層が鋼板面に
残存するようにして、耐食性に優れ、さらにめっき外観
に優れたZn−Ni合金電気めっき鋼板の製造方法を提
供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】発明者らは、上掲の目的
を実現すべく各めっき層の成分目付量およびめっき液組
成とめっき条件についてそれぞれ検討した。その結果、 低Ni量の下層めっきにおけるめっき液中のNiモ
ル比、 pHおよびめっき電流密度を上層の通常Ni量の
めっきよりも低くすることにより、めっき層中のη層の
存在率をγ層に対して10wt%以下にする、 通常Ni量の上層めっきにおけるめっき液の pHの
みを低Ni量の下層めっきよりも低くすることにより、
通常Ni量の上層めっきが下層めっき表面形状の影響を
受けにくくする、 低Ni量の下層めっきおよび通常Ni量の上層めっ
きの両方ともに低いめっき液 pHにする一方、下層めっ
きの電流密度を上層めっきよりも低くして、下層の低N
i量のめっき中のη層の存在率をγ層に対して10%以
下にすると共に、上層の通常Ni量の上層めっきが下層
めっきの表面形状の影響を受けにくくした2層めっきと
することにより、チッピングの衝撃力付加時のめっきと
鋼板との界面での力の吸収性の向上およびプレス加工時
の上層の通常Ni量のZn−Ni合金めっきの変形追随
性を改善し、プレス加工時のめっき割れや剥がれがな
く、チッピングによる塗膜の剥離径が冷延鋼板程度で、
しかも塗膜剥離後もZn−Ni合金めっき層が鋼板面に
残存し、めっき外観も通常のNi%のZn−Ni合金め
っきと同様に平滑なめっき面であるZn−Ni合金電気
めっき鋼板の製造方法が得られることを見い出した。
【0011】すなわち、本発明は、鋼板の少なくとも一
方の表面上に、下層めっきとしてめっき目付量が3g/
m2以上で、Ni含有率が5〜11wt%のZn−Ni合金め
っきを形成し、次いでこの下層めっき上に上層めっきと
して、めっき目付量が3g/m2以上で、Ni含有率が12
〜18wt%のZn−Ni合金めっきを形成してなる、総め
っき量が15g/m2以上のZn−Ni合金めっき鋼板にお
いて、 (1) 上記下層めっきを、めっき液の pH:0.7 〜1.3 、
Niモル比〔Ni2+/(Ni 2++Zn2+)〕:0.25〜0.60、め
っき電流密度:20〜60A/dm2 の条件で行い、上記上
層めっきを、めっき液の pH:1.3 〜2.0 、Niモル
比:0.60〜0.80、めっき電流密度:60〜130 A/dm2
の条件で行うことを特徴とするめっき外観、めっき密着
性および耐食性に優れたZn−Ni合金めっき鋼板の製
造方法。 (2) 上記下層めっきを、めっき液の pH:1.3 〜2.0 、
Niモル比:0.25〜0.60、めっき電流密度:60〜130 A
/dm2 の条件で行い、上記上層めっきを、めっき液の
pH:0.7 〜1.3 、Niモル比:0.60〜0.80、めっき電
流密度:60〜130A/dm2 の条件で行うことを特徴と
するめっき外観、めっき密着性および耐食性に優れたZ
n−Ni合金めっき鋼板の製造方法。 (3) 上記下層めっきを、めっき液の pH:0.7 〜1.3 、
Niモル比:0.25〜0.60、めっき電流密度:20〜60A/
dm2 の条件で行い、上記上層めっきを、めっき液の p
H:0.7 〜1.3 、Niモル比:0.60〜0.80、めっき電流
密度:60〜130 A/dm2 の条件で行うことを特徴とす
るめっき外観、めっき密着性および耐食性に優れたZn
−Ni合金めっき鋼板の製造方法。を提案するものであ
る。
【0012】
【作用】次に、上記各めっき層の成分と目付量およびめ
っき液組成とめっき条件を上記のように限定した理由を
説明する。本発明において、低Ni量のZn−Ni合金
下層めっき層(Ni含有率:5〜11wt%) は、Ni含有
率が5wt%未満では、η層が多く残存し、耐食性が低下
する。一方、Ni含有率が11wt%を超えると、めっき
層を貫通する割れ阻止の効果が少なくなり、耐チッピン
グ性やプレス加工時の変形追随性に対する効果がない。
なお、この低Ni量の下層めっき層の目付量を、3g/
m2以上にしたのは、3g/m2未満ではチッピング衝撃力
付加時の力の吸収性とプレス加工時の上層めっきの変形
追随性に対する効果がない。通常Ni量のZn−Ni合
金上層めっき層(Ni含有率:12〜18wt%) のNi含有
率が12wt%未満では、プレス加工時の摩擦抵抗が大きく
なりプレス割れを引き起こす。一方、Ni含有率が18wt
%を超えると、プレス加工時にパウダリング性が低下す
る。なお、この通常Niの上層めっき層の目付量を3g
/m2以上にしたのは、3g/m2未満では、プレス加工時
に上層に付加される摩擦抵抗を十分に支えきれずにプレ
ス割れを引き起こすからである。
【0013】上述した低Ni量のZn−Ni合金下層め
っきの処理は、Ni含有率によって、Niモル比が0.25
〜0.60の範囲となるように行う。このめっき液組成の条
件下でのめっき液 pHは 0.7〜1.3 とする。この pHが
0.7 未満だとめっき液によるめっきの溶解が大きく、一
方、 pHが1.3 を超えるとη層の存在率が大きくなり、
めっき外観に劣る。なお、このときのめっき電流密度
は、20〜60A/dm2 とする。この電流密度が20A/
dm2 未満だと転位電流密度以下となってNi含有率が
著しく増加し、一方、60A/dm2 を超えるとη層の
存在率が大きくなってめっき外観に劣る。
【0014】一方、通常Ni量のZn−Ni合金上層め
っきの処理は、Ni含有率によってNiモル比が0.60〜
0.80の範囲となるように行う。この条件下でのめっき液
pHは 1.3〜2.0 とする。これは、 pHが 1.3未満だと
めっき液によるめっきの溶解が大きくなりめっき外観に
劣る。一方、めっき液 pHが2.0 を超えると低Ni量の
下層めっきの表面形状の影響を受け易くなって、やはり
めっき外観に劣る。なお、このときのめっき電流密度
は、60〜130 A/dm2 とする。この電流密度が60A/
dm2 未満だと生産性が低下するし、一方 130A/dm
2 を超えるとめっき焼けを生じる。
【0015】このように2層めっきしたZn−Ni合金
めっき鋼板の製造方法においては、めっき下層の衝撃吸
収性が大きく改善され、それ故に飛び石による塗膜剥離
作用が起こった場合でも、塗膜とZn−Ni合金めっき
層間で剥離するため、Zn−Ni合金めっき層について
は鋼板上にしっかりと残存し、従って、鋼板の耐食性が
著しく向上する。また、プレス加工時における上層めっ
きの変形追随性が良くなることから、プレスによるめっ
き割れや剥離がなくなり、鋼板の耐食性が向上する。さ
らに、めっき浴組成とめっき条件の上述した範囲内での
調節によって、下層めっきの表面形状の改善されるこ
と、および上層めっきが下層めっきの表面形状を受けに
くくなることから、めっき外観が著しく向上することに
なる。
【0016】なお、上記各めっき層は、所定の金属成分
を含有する水溶液(硫酸浴)による電気めっき処理を行
って形成することができる。
【0017】また、本発明では、上層めっき処理の後
に、めっき亜鉛再溶解を目的として、めっき液やリン酸
塩液のスプレー処理あるいは浸漬処理、リン酸塩液中で
の陽極電解処理などを行うことにより、最外表面のNi
の相対量を上げてプレス加工時の変形追随性を向上させ
る上層めっき後処理を行ってもよい。
【0018】
【実施例】以下に、本発明にかかるZn−Ni合金めっ
き鋼板の製造方法の実施例について、比較例とともに詳
細に説明する。この実施例は、板厚 0.8mmの冷延鋼板を
アルカリ脱脂後、表1に示すめっき条件で、総目付量が
20g/m2となるようにして2層構造のZn−Ni合金
電気めっきを片面めっきしたものである。その結果を表
2に示す。比較のために、目付量もしくはNi含有率が
本発明の適合範囲外か、めっき浴組成やめっき条件が本
発明の適合範囲外か、また低Ni量の下層めっき層また
は、通常Ni量の上層めっき層の一方を省略しためっき
鋼板についても製造した。
【0019】得られた上記各めっき鋼板に対し、自動車
用の塗装工程と同じように、スプレー脱脂→浸漬リン酸
亜鉛処理→カチオン電着塗装(膜厚20μm)→中塗り
(膜厚35〜40μm)→上塗り(膜厚35〜40μ
m)の工程を経て3コート塗装を施す処理を行った。そ
して、塗装前後の各めっき鋼板について、以下の5種類
の性能を試験した。 めっき外観 Ni含有率が14wt%のZn−Ni合金の単層めっきを
比較材として、色差計および光沢度計によりL値と光沢
度を調査し、比較材の試験結果との比較により以下の基
準で評価した。 ○:同レベル、 △:やや劣る、 ×:劣る プレス性(カップ絞り加工時の破断の有無およびパ
ウダリング性) めっきのままで鋼板をプレスした場合の絞り加工時の破
断の有無とパウダリング性を調査した。評価は上記と同
様、比較材での試験結果との比較により行い、評価基準
も上記と同様である。 裸耐食性(カップ絞り加工材での塩水噴霧試験によ
る耐食性) 塩水噴霧は、JIS Z 2371に準拠した。評価は
上記と同様、比較材での試験結果との比較により行い、
評価基準も上記と同様である。 カチオン電着塗装後の耐フクレ性 上記塗装工程によりカチオン電着塗装を膜厚20μmと
し、鋼板面までクロスカットを入れた試験片について、
塩水噴霧6時間→乾燥3時間→湿潤14時間→放置1時
間のサイクルを繰り返す複合サイクル試験を行い塗膜の
フクレ状態を目視で判定して、上記と同様に比較材での
試験結果との比較により同じ基準で評価した。 3コート塗装後の耐チッピング性 上記工程で3コート塗装を施した試験片に対して、1cm
メッシュ以上の粒径のみかげ石500gをグラベロ試験
機により、空気圧4kgf/cm2 で距離30cmから投射し、
塗装表面の剥離状態を判定し、以下の基準で評価した。 ○:剥離径が冷延鋼板と同程度で、かつ鋼板面にZn−
Ni合金めっきが残存する。 △:剥離径が冷延鋼板と同程度であるが、鋼板面にZn
−Ni合金めっきが残存しない。 ×:剥離径が冷延鋼板より大きく、かつ鋼板面にZn−
Ni合金めっきが残存しない。 5種類の性能試験を併せて表2に示す。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】表2の結果に見られるように、発明例, 即
ち、下層に低Ni量のZn−Ni合金めっき層を施し、
その上に通常Ni量のZn−Ni合金めっき層を施して
なる2層構造のめっきを、本発明のめっき浴組成とめっ
き条件で製造することにより、本発明の条件を満足する
発明例のNo.1〜12は、めっき外観、プレス性、裸耐食
性、カチオン電着塗装後の耐フクレ性、耐チッピング性
のいずれにも優れ、めっき外観、めっき密着性および耐
食性に優れたZn−Ni合金めっき鋼板が得られる。こ
れに対し、比較例のNo. 13〜24は、いずれか1つ以
上の条件が本発明の範囲を外れた比較例であり、1つ以
上の性能が十分でない。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、2層構造のZn−
Ni合金めっきを、所定のめっき浴組成とめっき条件で
製造した本発明にかかるZn−Ni合金めっき鋼板は、
単層のZn−Ni合金めっき鋼板の優れためっき外観、
めっき融着性、耐食性、裸耐食性、塗装後耐食性の各特
性をさらに改善するとともに、単層のZn−Niめっき
鋼板の弱点であった耐チッピング性や耐プレス加工性も
著しく改善される。したがって、本発明法の下に製造し
た2層のZn−Ni合金めっき鋼板は、とくに自動車用
の内板および外板用として好適な鋼板が得られる。ただ
し、本発明はこの用途だけに限られるものではない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 戸塚 信夫 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 関田 貴司 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋼板の少なくとも一方の表面に、下層めっ
    きとして、めっき目付量が3g/m2以上でNi含有率が
    5〜11wt%のZn−Ni合金めっきを形成し、次いでこ
    の下層めっき上に上層めっきとして、めっき目付量が3
    g/m2以上で、Ni含有率が12〜18wt%のZn−Ni合
    金めっきを形成してなる、総めっき量が15g/m2以上の
    Zn−Ni合金めっき鋼板において、 上記下層めっきを、めっき液の pH:0.7 〜1.3 、Ni
    モル比〔Ni2+/(Ni2++Zn2+)〕:0.25〜0.60、めっき
    電流密度:20〜60A/dm2 の条件で行い、上記上層め
    っきを、めっき液の pH:1.3 超〜2.0 、Niモル比:
    0.60〜0.80、めっき電流密度:60〜130 A/dm2 の条
    件で行うことを特徴とするめっき外観、めっき密着性お
    よび耐食性に優れたZn−Ni合金めっき鋼板の製造方
    法。
  2. 【請求項2】鋼板の少なくとも一方の表面上、下層めっ
    きとして、めっき目付量が3g/m2以上でNi含有率が
    5〜11wt%のZn−Ni合金めっきを形成し、次いでこ
    の下層めっき上に上層めっきとして、めっき目付量が3
    g/m2以上で、Ni含有率が12〜18wt%のZn−Ni合
    金めっきを形成してなる、総めっき量が15g/m2以上の
    Zn−Ni合金めっき鋼板において、 上記下層めっきを、めっき液の pH:1.3 〜2.0 、Ni
    モル比〔Ni2+/(Ni2++Zn2+)〕:0.25〜0.60、めっき
    電流密度:60〜130 A/dm2 の条件で行い、上記上層
    めっきを、めっき液の pH:0.7 〜1.3 、Niモル比:
    0.60〜0.80、めっき電流密度:60〜130 A/dm2 の条
    件で行うことを特徴とするめっき外観、めっき密着性お
    よび耐食性に優れたZn−Ni合金めっき鋼板の製造方
    法。
  3. 【請求項3】鋼板の少なくとも一方の表面に、下層めっ
    きとして、めっき目付量が3g/m2以上でNi含有率が
    5〜11wt%のZn−Ni合金めっきを形成し、次いでこ
    の下層めっき上に上層めっきとして、めっき目付量が3
    g/m2以上でNi含有率が12〜18wt%のZn−Ni合金
    めっきを形成してなる、総めっき量が15g/m2以上のZ
    n−Ni合金めっき鋼板において、 上記下層めっきを、めっき液の pH:0.7 〜1.3 、Ni
    モル比〔Ni2+/(Ni2++Zn2+)〕:0.25〜0.60、めっき
    電流密度:20〜60A/dm2 の条件で行い、上記上層め
    っきを、めっき液の pH:0.7 〜1.3 、Niモル比:0.
    60〜0.80、めっき電流密度:60〜130 A/dm2 の条件
    で行うことを特徴とするめっき外観、めっき密着性およ
    び耐食性に優れたZn−Ni合金めっき鋼板の製造方
    法。
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