JP2675152B2 - めっき密着性に優れたZn‐Ni合金電気めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

めっき密着性に優れたZn‐Ni合金電気めっき鋼板の製造方法

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重男 黒川
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、自動車車体外板用の表面処理鋼板として、
特にめっき密着性に優れたZn−Ni合金電気めっき鋼板の
製造方法に関するものである。
<従来の技術> 近年、寒冷地における冬期の道路凍結防止のため多量
の塩類が散布され、その結果として自動車車体の腐食が
大きな問題となっている。ところが近年では表面処理鋼
板の使用は自動車車体内面ばかりでなく車体外面に及ん
でいる。このため、自動車車体内面の穴あきに対しても
もちろん、車体外面の腐食に対しても十分な耐食性を有
する表面処理鋼板が求められている。
現在、この要求に対して開発された表面処理鋼板の代
表的なものの一つにZn−Ni合金めっき鋼板がある。この
鋼板はNi 10〜13wt%にて裸耐食性に優れている事が広
く知られている。ところがこの鋼板を車体外面材として
使用する場合、耐チッピング性に劣る問題がある。チッ
ピングとは自動車が走行中に跳ね上がった小石や砂利な
どと高速で衝突して塗膜に傷がつく現象をいう。この
時、Zn−Ni合金めっき鋼板では地鉄およびめっき層界面
に衝撃的なクラックの伝播が起こり、めっき被膜の脱離
が起こり、塗膜と共にめっき脱離が起こる問題がある。
すなわち、Zn−Ni合金めっきは、Znめっきに比べると硬
度が高いことが知られており、めっき層自身は延性にと
ぼしく、脆弱な(brittle)層でありチッピング時にめ
っき剥離の現象を起こし易い。
Zn系合金めっき鋼板の耐チッピング性の改良方法とし
て特開昭61−9596号公報に多層電気めっき鋼板が開示さ
れている。この表面処理鋼板は、めっき第1層として付
着量0.5g/m2〜20g/m2のZnめっき層またはη相主体のZn
合金系めっき層を有し、第2層としてNi 5〜20wt%を含
むZn−Ni合金めっき層、あるいはFe 5〜35wt%を含むZn
−Fe合金めっき層を有し、表層として付着量5〜3000mg
/m2の金属Cr層を主体に表面に付着量(金属Cr換算)1
〜500mg/m2のCrオキサイド層を持つ被覆層により耐食性
を失わず、めっき密着性を向上させて、耐チッピング性
を得ている。
また、このほか、下地にNiめっきした鋼板(特開昭56
−38495号公報)、Feめっきした鋼板(特開昭61−19794
号公報)か開示されているが、これらの多層めっきは、
めっき工程が複雑になるなどの問題がある。
また、このほかにZn−Ni合金めっき鋼板において、下
層のNi濃度を上層のNi濃度より上昇させた鋼板の製造方
法が特開昭58−130299号公報、同58−204196号公報、同
59−85884号公報に開示されている。
しかし、これら方法においては高浴温、および高モル
比のプレめっき浴を用いてNi濃度の高い下層めっきを行
うため工程が複雑で製造コストが高くなる、加工時のク
ラックの発生を前提とし、クラック発生後の赤錆の発生
を防止する技術であるため、耐チッピング性自体を向上
することはできないなどの問題がある。
<発明が解決しようとする課題> 本発明の目的は、上記Zn−Ni合金めっき鋼板におい
て、上記従来技術の問題点を解決し、特にめっき密着性
が良好で耐チッピング性を有する自動車車体外面表面処
理鋼板を、簡単な工程で、効率よく製造する方法を提供
することにある。
<課題を解決するための手段> 本発明は、Zn−Niめっき液にて鋼板表面にZn−Ni合金
電気めっきを施す際に、同一めっき液において20A/dm2
以上、40A/dm2以下の電流密度で1dm2当り5〜100クーロ
ンの電気量を流して下層めっきを施し、その後引続いて
前記下層めっきの際の電流密度の2.5倍以上の電流密度
で上層めっきを施し、下層めっきのNi含有率を上層めっ
きのNi含有率より低下せしめることを特徴とするめっき
密着性に優れたZn−Ni合金電気めっき鋼板の製造方法で
ある。
<作用> 本発明は、同一めっき液を用いて下層のNi含有率を上
層より低くしてめっき密着性を向上するのであるが、こ
れを電流密度の差により行う。すなわち、初期段階とし
て20A/dm2以上、40A/dm2以下の電流密度で下層めっきを
施し、その後引続いて初期段階の2.5倍以上の電流密度
で上層めっきを施すことにより、下層のNi含有率が低く
なるようにするものである。
Zn−Ni合金電気めっき層の硬さは、第1図のように、
Ni含有率に依存し、Ni含有率が低い程硬度は低くなる。
本発明によれば、同一めっき液内でNi含有率が最も低
くなる範囲は、第2図のように、20A/dm2から40A/dm2
でである。20A/dm2未満ではNi含有率が急激に上昇す
る。また40A/dm2を超すとゆるやかに上昇し、50A/dm2
超すとNi含有率が10〜15%となる。
また、耐チッピング性も、下層めっきの電流密度が20
〜40A/dm2の範囲で最も良好である。
また、下層めっきはめっき厚みを薄くする都合上、電
気量を1dm2当り100クーロン以下に制限する。電気量が1
00クーロンを超すと、めっき層は厚くなりすぎるうえ、
高電流密度高速めっきラインでは、ライン速度の律速に
もなり不経済である。しかし、電気量が少ないと均一な
めっきができないので、5クーロン以上流す必要があ
る。
このような下層めっきの上に、上層めっきとして本来
のZn−Ni合金めっきを施すのであるが、この際に下層め
っきと同一のめっき浴で、電流密度を下層めっき時の2.
5倍以上の条件でめっきを行う。
その理由は、めっきの耐チッピング性を十分に向上す
るには、上層めっきに対して下層めっきが相対的に硬度
が低いことが必要であり、そのために、上層めっき時の
電流密度が下層めっき時のそれの2.5倍以上必要となる
からである。
<実施例> 以下実施例により、本発明を具体的に説明する。
冷延鋼板を常法により脱脂、酸洗した後、下記組成の
硫酸浴系めっき液を用いて、本発明法に従って表1の条
件で下層および上層のめっきを行った。
めっき浴組成:Ni2+ 0.9mol/ Zn2+ 0.6mol/ Na+ 0.1mol/ K+ 0.1mol/ 浴pH:2 浴温:60℃ そして、上記条件によって得られためっき鋼板の本発
明例および比較例の試料について、以下の順序で各処理
を行った。
(1)りん酸亜鉛化成処理:日本パーカライジング社製
ボンデライト#3020処理液使用、 (2)カチオン電着塗装:日本ペイント社製パワートッ
プU−50塗装使用、220V、膜厚20μm、 (3)中塗塗装:関西ペイント社製アミラックチッピン
グシーラーN3使用、膜厚35〜40μm、 (4)上塗塗装:関西ペイント社製ネオアミラックB202
使用、膜厚35〜40μm。
上記手順の塗装後得られた塗装鋼板を−20℃の冷凍室
でグラベロチップ試験(250g御影石、4.0kg/cm2空気圧
使用)を行い、テープ剥離後最大5点の塗膜剥離径の平
均で耐チッピング性を評価した。
その結果を表1に示す。
本発明例1〜5は、いずれもすぐれた耐チッピング性
を示した。
これに対して、比較例1は、下層めっきの電流密度が
低過ぎるため、下層めっきのNi含有率が低くならず、耐
チッピング性が劣った。比較例2,4は、下層めっき時の
通電量が小さ過ぎたため、十分な厚さの下層めっきが得
られず、耐チッピング性が劣った。比較例3は、上層め
っき時の電流密度が下層めっき時の電流密度の2.5倍未
満であったため、耐チッピング性が劣った。比較例5
は、下層めっきを行わなかったため、耐チッピング性が
劣った。
<発明の効果> 以上説明したように、本発明は、同一めっき液を用い
て電流密度を変えることにより、上層よりNi含有率が低
くかつやわらかいめっきを下層に形成するのであるか
ら、設備的に安価であり、かつ工程も容易である。
【図面の簡単な説明】
第1図はZn−Ni合金めっきの含有率と硬度の関係を示す
グラフ、第2図は電気めっきの電流密度とNi含有率の関
係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大和 康二 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株 式会社技術研究本部内 (56)参考文献 特開 昭58−130299(JP,A) 特開 昭63−76892(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Zn−Niめっき液にて鋼板表面にZn−Ni合金
    電気めっきを施す際に、同一めっき液において20A/dm2
    以上、40A/dm2以下の電流密度で1dm2当り5〜100クーロ
    ンの電気量を流して下層めっきを施し、その後引続いて
    前記下層めっきの際の電流密度の2.5倍以上の電流密度
    で上層めっきを施し、下層めっきのNi含有率を上層めっ
    きのNi含有率より低下せしめることを特徴とするめっき
    密着性に優れたZn−Ni合金電気めっき鋼板の製造方法。
JP1206743A 1989-08-11 1989-08-11 めっき密着性に優れたZn‐Ni合金電気めっき鋼板の製造方法 Expired - Fee Related JP2675152B2 (ja)

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