JPH039447B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 イ） 技術分野 本発明は、Ｘ線フイルムカセツト、更に詳細に
は第１と第２のカセツト部（カセツト蓋部とカセ
ツト底部）と、両カセツト部を結合させる結合手
段と、Ｘ線フイルムとほぼ同じ大きさでカセツト
の蓋部に結合された柔軟性のある磁気板と、可動
結合部を介しカセツトの底部に可動結合された箔
状の強磁性対向板とからなり、磁気板と対向板間
に増感スクリーンとＸ線フイルムが挿入されるＸ
線フイルムカセツトに関する。

ロ） 従来技術 ドイツ特許公開公報第2917547号に記載されて
いるように従来からＸ線フイルムを収納するＸ線
フイルムカセツトが知られており、このＸ線フイ
ルムカセツトではカセツトの底部に周回する発泡
材から成る細片が取り付けられており、この細片
上に強磁性の対向板が接着されている。それによ
つて対向板はカセツト底部方向に垂直方向に移動
できると共にカセツト底部に対して平行方向にも
少し移動することができる。柔軟性のあるカセツ
ト部を開閉する場合に少なくとも押圧される側に
発生する押力を吸収することができるように磁気
板あるいは対向板をわずか移動できるようにして
おくことが必要である。このように押圧部を（フ
ローテイング支持）することはカセツト材料、対
向板ないし磁気板並びに増感スクリーン等の膨張
係数が異なるのを補償させる上にも重要な役割を
果たしている。

しかし、従来のＸ線フイルムカセツトでは対向
板あるいは磁気板を可動結合させる可動結合部の
カセツト底部ないしはカセツト蓋部に対する垂直
方向への移動がごくわずかしかできないので、そ
れによつて可動支持された押圧部材（対向板ある
いは磁気板）が破壊されてしまう危険が発生す
る。

ハ 目 的 従つて、本発明は、このような従来の欠点を解
決するもので、可動支持された押圧部材（対向板
あるいは磁気板）のカセツト部に対する垂直方向
への移動性を更に高めることが可能なＸ線フイル
ムカセツトを提供することを目的とする。

ニ 実施例 以下図面に示す実施例に従い本発明を詳細に説
明する。

第１図において符号１で示すものは一方のカセ
ツト部、即ちカセツト底部であり、このカセツト
底部はカセツト床２、このカセツトの床を縁ち取
る枠縁３、その３辺に形成された側壁４から構成
されている。カセツト底部１の第４辺には高さが
低い側壁４ａが設けられており、この側壁の外側
に向いた面にはＴ状のレール５が形成されてい
る。更にカセツト底部１には側壁４〜４ａから少
し距離を隔てて一周する突条６が形成されてお
り、この突条６によつて遮光機能がもたらされる
と共にフイルムを収納する空間が形成される。側
壁４ａと反対側で側壁４と突条６間には錠止部７
が設けられており、この錠止部７は他方のカセツ
ト部、即ち、カセツト蓋部９に設けられたフツク
８と係合して両カセツト部を錠止させる。

一方、カセツトの蓋部９はほぼサンドイツチ構
造になつており、カセツトレバー１０を有し、そ
のカバーの継手側部分には同様にＴ状のレール１
１を支持する側壁１２が形成されている。カセツ
ト底部１とカセツト蓋部９は継手１３を介して結
合される。

カセツト蓋部９の内側には磁気板１４が取り付
けられており、この磁気板１４上には接着等によ
り増感スクリーン１５が固定される。又カセツト
底部１の床２の内面には可動結合部１６が取り付
けられ、その可動結合部の一方の面に箔状の対向
板１７が取り付けられ、又この対向板１７上に増
感スクリーン１８が取り付けられる。可動結合
部、対向板並びに増感スクリーンの配置は第２図
及び、第３図に更に詳細に図示されている。

第２図及び第３図において３つの可動結合部１
６が図示されており、これらは互いにカセツトの
長手方向に平行に配置される。可動結合部１６は
箔状の細片１６ａから成つており、この箔状細片
１６ａの長手方向に沿つた一方の側縁部には接着
部１６ｂが設けられている。又箔状細片１６ａの
他方の側縁部にも同様に接着部１６ｃが設けられ
ている。接着部１６ｃは箔状細片の長手方向に延
びており、又もう１つの接着部１６ｂとは対向し
ないように配置されている。好ましくは両接着部
１６ｂ，１６ｃは箔状細片の各側縁部に設けられ
る。

このようにして箔状細片１６ａの左側に設けら
れた下向きの接着層ないし接着部１６ｂはカセツ
ト底部の床２に接着され、一方箔状細片１６ａの
右側に形成された上向きの接着部１６ｃは対向板
１７に接着される。一方対向板１７の反対側には
その外周に沿つて一巡する両面接着テープ１９が
設けられており、それによつて増感スクリーン１
８と対向板１７が接着固定されている。なお、こ
の場合、対向板は増感スクリーンの螢光層と反対
側に取り付けられる。

このように構成されたカセツトでは対向板１７
並びに増感スクリーン１８はカセツトの床２と垂
直方向に移動できる領域を多くすることができ
る。即ちほぼ箔状細片１６ａの幅から両接着部分
１６ｂと１６ｃの幅を引いた値だけ大きくするこ
とができる。

一方カセツトの床２と平行な方向における移動
性はほぼ箔状細片１６ａの柔軟度に関係してく
る。この方向への移動性を容易にするために両接
着部分１６ｂと１６ｃ間の箔状細片１６ａの材質
を弱めるようにすることができる。この例が第４
ａ図〜第４ｅ図に図示されている。これは例えば
第４図ａに図示したように斜行する切り目２０を
設けたり、又ｂに図示したようにＶ字形の切り目
２１を設けたり、あるいはｄに図示したように弓
状の切り目２３を設けることによつて行なわれ
る。これらの切り目ほぼ両接着部分１６ｂと１６
ｃ間にわたつて延びるように形成される。又ｃで
Ｖ字状の切り抜き部分２４を設けたり、あるいは
ｅに示したようにＳ字型の切り抜き部分２５を設
けた細片状の切り抜きを設けるようにしても同様
な効果が得られる。

箔状細片１６ａは好ましくはポリエステルから
作られる。更に対向板の両側に腐蝕保護を行なう
ためにポリエステル箔で被覆することもできる。
それによつて可動結合部１６と対向板１７の被覆
部の膨張係数を同じようにすることができる。

上述した例では対向板を可動支持するようにし
たが、可動結合部を用いて磁気板を可動結合する
ようにしても全く同じような効果が得られる。

ホ 効 果 このように本発明によれば可動結合部が柔軟性
のある箔状細片より構成されているので、Ｙ軸方
向、即ちカセツト部に垂直な方向における移動性
が大きくなり、その場合従来の発泡材を周囲に設
けたカセツトよりも厚さを薄くすることができる
という利点が得られる。更に本発明によるカセツ
トではＸ，Ｚ方向、即ちカセツト床に平行な方向
にも移動性を有しているので、スチール箔ないし
増感スクリーンとABC（アククリルニトリル・ブ
タジエン・スチロール・ポリマー）から出来たカ
セツト床間における相対的な変動を補償すること
ができる。

ホ 効 果 以上説明したように、本発明では、対向板は、
分離した複数の箔状細片からなる可動結合部を介
して一方のカセツト部に結合され、その場合、各
箔状細片の第１の部分がそのカセツト部と、また
第１の部分と反対の面にある第２の部分が対向板
に結合されており、各箔状細片の第１と第２の部
分は離して対向しないように配置され、かつ第１
から第２の部分に向かう方向がそれぞれ各箔状細
片に対して同じ方向になつているので、各箔状細
片は、片持ち粱の機能を有するようになり、対向
板はカセツト底部面に垂直な方向（Ｙ軸方向）へ
の移動量が大きくとれ、対向板が破損することが
顕著に少なくなる。

また、本発明では、対向板が垂直方向に上方に
大きく移動しても各箔状細片が変形してこれを吸
収するので、その分対向板の変形量が少なく寿命
を高めることができる。

【図面の簡単な説明】

各図はいずれも本発明の実施例を説明するもの
で、第１図はカセツトの概観を示す一部断面斜視
図、第２図はカセツトの床部分の断面図、第３図
は可動結合部の構造を示した平面図、第４図ａ〜
ｅは可動結合部の種々の実施例を示した平面図で
ある。 １……カセツト床部、４……側壁、７……錠止
部、８……フツク、９……カセツト蓋部、１０…
…カバー、１３……継手、１４……磁気板、１５
……増感スクリーン、１６……可動結合部、１６
ｂ，１６ｃ……接着部、１７……対向板、１８…
…増感スクリーン。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ Ｘ線フイルムを収納するＸ線フイルムカセツ
   トにおいて、 第１のカセツト部９と、 この第１のカセツト部に対して互いに開放位置
   と閉じた位置に移動可能で閉じた位置では第１の
   カセツト部と共にＸ線フイルムを収納する閉じた
   空間を形成する第２のカセツト部２と、 第１のカセツト部に結合された柔軟性のある磁
   気板１４と、 第２のカセツト部に取り付けられた可動結合部
   １６ａと、 前記可動結合部を介して第２のカセツト部に取
   り付けられ、第１と第２のカセツト部が閉じた位
   置にあるとき前記磁気板と協働してＸ線フイルム
   を押圧保持する箔状の強磁性対向板１７とを有
   し、 前記可動結合部はそれぞれ分離した複数の柔軟
   性のある箔状細片１６ａから構成され、 その各箔状細片の第１の部分１６ｂが第２のカ
   セツト部２と、また第１の部分と反対の面にある
   第２の部分１６ｃが対向板１７に結合され、 前記各箔状細片の第１と第２の部分は離して対
   向しないように配置され、かつ第１から第２の部
   分に向かう方向がそれぞれ箔状細片に対して同じ
   方向であることを特徴とするＸ線フイルムカセツ
   ト。 ２ 前記箔状細片１６ａは細長く形成され、箔状
   細片の第１の部分はその長手方向の側縁部であ
   り、又第２の部分は反対側の側縁部である特許請
   求の範囲第１項に記載のＸ線フイルムカセツト。 ３ 前記箔状細片１６ａと第２のカセツト部及び
   対向板との結合は接着により行なわれる特許請求
   の範囲第１項ないし第２項に記載のＸ線フイルム
   カセツト。 ４ 前記箔状細片を互いに平行になるように配置
   した特許請求の範囲第２項または第３項に記載の
   Ｘ線フイルムカセツト。 ５ 前記箔状細片１６ａの接着部１６ｂ，１６ｃ
   を整合させた状態で配置するようにした特許請求
   の範囲第４項に記載のＸ線フイルムカセツト。 ６ 接着部１６ｂ，１６ｃ間の箔状細片１６ａの
   材料を弱めるようにした特許請求の範囲第１項か
   ら第５項までのいずれか１項に記載のＸ線フイル
   ムカセツト。 ７ 箔状細片の材料に切り目を入れることにより
   あるいは切り抜くことにより箔状細片を弱めるよ
   うにした特許請求の範囲第６項に記載のＸ線フイ
   ルムカセツト。