JPH10258889A - テープカセット収納ケース - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】カセットを収納するケースの蓋部の天井板内面
に設けてある内ポケットの熱溶着部分の強度を高める。 【解決手段】テープカセットを収納するケース本体と一
体に形成し、且つ中空に形成した天井板を有する蓋部
と、この天井板内面に熱溶着して形成した内ポケットの
熱溶着部又はその近傍に沿って補強手段を設けた構造に
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、テープカセット収
納ケースに関するものであり、特に蓋部が中空に形成さ
れ、その天井板内面に設けた内ポケットの取り付け構造
を改良したカセット収納ケースに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来技術におけるテープカセット収納ケ
ースは、放送局等で使用されるビデオテープカセットを
不使用時に収納して保管する等して使用される。

【０００３】近年、この種のテープカセット収納ケース
においては、例えば記録時間を記入する記録カード等を
差し込みできる大きさの内ポケットを備えた構造となっ
ている。

【０００４】図４は、内ポケットを備えたテープカセッ
ト収納ケースの全体を斜視図で示したものであり、この
テープカセット収納ケースは、図示しないテープカセッ
トを装着して保持する四角形状に形成したケース本体部
１０と、このケース本体部１０に片開きに開閉自在な蓋
部１１と、ケース本体部１０と蓋部１１との間に所定幅
の背表紙部１２とから構成され、これら全体がポリプロ
ピレン等の合成樹脂で一体に形成されている。

【０００５】この蓋部１１の天井板２０は、カセット収
納時のテープカセット（図示せず）を衝撃や振動等から
保護するために、ブロー成形法によって中空構造となっ
ている。

【０００６】ケース本体部１０は、図示しないテープカ
セットを装着して保持できる底板１３と、この底板１３
に背表紙部１２と連設している部位を除いた３辺の端部
に壁板、即ち、起立状態で一体成形した左右壁１４、１
５及び前面壁板１６と、図示しないテープカセットをケ
ース本体部１０内で位置決めを兼ねたリールの回転を防
止するカセット支持突起部１８ａ、１８ｂと、底板１３
の背表紙部１２側端部中央位置にテープカセットの収納
方向を規制する誤収納防止用リブ１９とから構成されて
いる。

【０００７】右壁板１５は左壁板１４に比べて中間部分
が肉薄に形成され、前面壁板１６の外側にはケース本体
部１０に蓋部１１を閉じた時にロックする長方形状のロ
ック部材１７を設けた構造となっている。

【０００８】一方、蓋部１１は、ケース本体部１０と略
同じ形状に形成され、中空に形成された天井板２０と、
この天井板２０に起立させた状態で背表紙部１２に連設
している部位を除いた３辺の端部に起立状態で一体に形
成した左右壁板２１、２２及び前面壁板２３と、右壁板
２２の頂部から突出させた長方形平板形状の側板２４
と、天井板２０の１つのコーナーに設けた内ポケット部
２５とから構成されている。この側板２４は蓋部１１を
閉める際にケース本体部１０の肉薄形状にした右壁板１
５の外側にガイドされ、蓋部１１全体の位置決めとガイ
ドの役目をする。

【０００９】内ポケット部２５は、記録カード２６を収
納できるポケットであり、全体が平面視不等辺四角形状
の透明プラスチックシート２７を天井板２０に熱溶着に
より貼り付けてポケットを形成した構造となっている。
熱溶着により貼り付ける熱溶着部２８、２９は天井板２
０内側のコーナーであって、シート２７の直交して交わ
る両端に沿って設けてある。

【００１０】さて、上述したように蓋部１１の天井板２
０はテープカセット（図示せず）を衝撃や振動等から保
護する必要上、ブロー成形法によって形成され、その内
部は中空構造となっており、シート２７を熱溶着する熱
溶着部２８、２９部分も中空構造となっている。

【００１１】即ち、図４（Ｂ）に示すように、熱溶着部
２９部分及びその近傍においても、中空構造であり、内
側板３０と外側板３１との間に空間部３２を有し、内側
板３０上にシート２７を載せ熱溶着により貼り付ける。
この熱溶着をする際に、加熱のみならず加圧もされるた
め、図４（Ｂ）に示す破線のように加熱された内側板３
０が空間部３２方向に撓んでしまい十分な加圧力が伝達
されず溶着強度が低下してしまうと云う問題点が指摘さ
れていた。

【００１２】この熱溶着した際に撓んでしまう問題を解
決した同一出願人の特開平７ー１５６９８５号がある。
この撓み防止構造は、図５に示すように、記録カードを
挿抜可能な内ポケット部２５を形成する熱溶着部（２
８、）２９部分を中空としないで中実部とした構成にす
ることであり、又、熱溶着部（２８、）２９の板厚を天
井板２０の板厚より薄い寸法に設定したことである。

【００１３】即ち、熱溶着部２９は、図５（Ｂ）に示す
ように、中空な内側板３０と外側板３１との間の空間部
３２に連結し中空部分をなくして外側板３１よりも肉厚
に且つ内側板３０よりも低い位置に段差をもった中実な
凹部３３を形成する。この凹部３３にシート２７の端部
を載せ熱溶着して内ポケット部２５を形成する。

【００１４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、内ポケ
ット部を形成する熱溶着部を蓋部の中空な天井板より低
い位置に設けてあると、熱溶着部に段差があることで、
熱溶着する時に、シートと熱溶着部とで離れた状態とな
っているために段差で折れ曲げて熱及び加圧することに
なり、直交して交わる２辺のシート端部を溶着する作業
性が悪いことや段差部分及び逃げのない熱溶着部分にシ
ワが発生する等の外観を損なうと云う問題がある。

【００１５】従って、内ポケット部の熱溶着の作業性を
高め、且つ内ポケットの外観的な不具合を改善しなが
ら、内ポケットの熱溶着部に熱と十分な圧力を加えるこ
とができる構造に解決しなければならない課題を有して
いる。

【００１６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係るテープカセット収納ケースは、テープ
カセットを収納するケース本体と、該ケース本体と一体
に形成し且つ中空に形成した天井板を有する蓋部と、該
蓋部の天井板内面に熱溶着して形成した内ポケットと、
該内ポケットの熱溶着部又はその近傍に沿って設けた補
強手段とからなる。

【００１７】このように内ポケットの熱溶着部又はその
近傍に沿って補強手段を設けたことにより、熱溶着の際
の加圧による変形が防止できると共に熱溶着の際に十分
な加圧ができ熱溶着強度を向上させることができる。

【００１８】

【発明の実施の形態】次に、本発明に係るテープカセッ
ト収納ケースの実施の形態について図面を参照して説明
する。尚、図４及び図５に示した従来技術と同様のもの
には同一符号を付与して説明する。

【００１９】本発明に係る第１の実施の形態におけるテ
ープカセット収納ケースは、図１に示すように、図示し
ないテープカセットを装着して保持する四角形状に形成
したケース本体部１０と、このケース本体部１０に片開
きに開閉自在な蓋部１１と、ケース本体部１０と蓋部１
１との間に所定幅の背表紙部１２とから構成され、これ
ら全体がポリプロピレン等の合成樹脂で一体に形成され
ている。この蓋部１１の天井板２０は、カセット収納時
のテープカセット（図示せず）を衝撃や振動等から保護
するために、ブロー成形法によって中空構造となってい
る。

【００２０】ケース本体部１０と背表紙部１２との構造
は、従来技術で説明した図４及び図５と同様であるので
同一符号を付与してその説明は省略する。

【００２１】蓋部１１は、ケース本体部１０と略同じ形
状に形成され、中空に形成された天井板２０と、この天
井板２０に起立させた状態で背表紙部１２以外の３辺の
端部に連設して一体に形成した左右壁板２１、２２及び
前面壁板２３と、右壁板２２の頂部から突出させた長方
形平板形状の側板２４と、天井板２０の内面の１つのコ
ーナーに設けた内ポケット部２５とから構成されてい
る。この内、内ポケット部２５以外は図４に示した従来
技術と同様であるので、同一符号を付与してその説明は
省略する。

【００２２】内ポケット部２５は、記録カード２６等を
挿抜して収納できるポケットであり、全体が平面視不等
辺四角形状の透明プラスチックシート２７を天井板２０
内面に熱溶着により貼り付けてポケットを形成した構造
となっている。この内ポケット部２５は、天井板２０内
面のコーナーであって、直交して交わるシート２７の両
側端部に設けた熱溶着部２８、２９と、補強手段とから
構成されている。この補強手段は熱溶着部２８、２９又
はその近傍内側に沿って設けられており、具体的には所
定の間隔をもって複数個配設したブリッジ３５から構成
されている。

【００２３】さて、上述したように蓋部１１の天井板２
０はテープカセット（図示せず）を衝撃や振動等から保
護する必要上、ブロー成形法によって形成され、その内
部は中空構造となっており、シート２７を熱溶着する熱
溶着部２８、２９部分も中空構造となっている。

【００２４】ブリッジ３５は、図１（Ｂ）に示すよう
に、内側板３０と外側板３１との間の空間部３２内に形
成され、内側板３０側から延出して内側板３０と外側板
３１とを連結するものであり、内側板３０側に開口部を
有する円筒形状の支持部３６で形成されている。

【００２５】このようにブリッジ３５は内側板３０と外
側板３１との間に位置させて設けることにより、熱溶着
部２８、２９に熱を加える際に、熱溶着部２８、２９部
分を加圧しても内側板３０に撓み等の変形が防止できる
と共に、熱溶着時に十分な圧力を加えることができるた
め、熱溶着強度を向上させることができる。又、熱溶着
部２８、２９部分は平面状に形成されているため、溶着
されるシート２７の逃げを十分にとれ、美観を損なうこ
となくシート２７を貼り付け易くなり且つ生産性を上げ
ることもできる。

【００２６】図１（Ｃ）は、補強手段であるブリッジの
他の変形例であり、ブリッジ３５Ａは内側板３０と外側
板３１との間の空間部３２内に形成され、内側板３０側
から逆ドーム型形状に延出して内側板３０と外側板３１
とを連結した支持部３６Ａで形成されている。この逆ド
ーム型形状の支持部３６Ａは、上記図１（Ｂ）で示した
円筒型形状の支持部３６と同様に熱溶着時に内側板３０
に撓みの発生を防止すると共に熱溶着する際に熱溶着部
２８、２９部分（図１（Ａ）参照）に十分な圧力を加え
ることができる。

【００２７】図２は、補強手段であるブリッジ３５、３
５Ａを設けた時の内側板３０（図１（Ａ）、（Ｂ）参
照）の熱溶着による変形量をグラフで表したものであ
り、ブリッジ３５、３５Ａ近傍に下方の外力（実施例に
おいては１ｋｇｆ）を加えてブリッジ３５、３５Ａの縁
からその外力までの距離を横軸に、そのときの内側板３
０の変形量を縦軸に示したものである。

【００２８】このグラフを見てわかるように、ブリッジ
３５、３５Ａの縁から外力までの距離が５ｍｍ以内であ
ると変形量を０．１ｍｍ以下に抑えられることがわか
る。

【００２９】この結果より、熱溶着する時の加圧による
撓みを防止するには、支持部３６、３６Ａの縁から熱溶
着部２８、２９までの距離を５ｍｍ以内にすることが効
果的である。

【００３０】次に、本発明に係る第２の実施の形態のテ
ープカセット収納ケースについて図３を参照して説明す
る。

【００３１】第２の実施の形態におけるテープカセット
収納ケースは、中空に形成した蓋体１１の天井板２０内
面に設けた内ポケット部２５の熱溶着部２８、２９又は
その近傍内側に沿って所定間隔に配設したブリッジの代
わりに直線状に連続して形成されたブリッジ３５Ｂによ
る補強手段を設けた構造となっている。その他の構造に
ついては上記図１を参照にして説明した第１の実施の形
態及び図４に示した従来技術と同様であるので同一符号
を付与してその説明は省略する。

【００３２】ブリッジ３５Ｂは、熱溶着部２８、２９又
はその近傍に沿った内側部分に連続した直線状に形成し
たものであり、図３（Ｂ）に示すように、内側板３０と
外側板３１との間の空間部３２内に形成され、内側板３
０から延出して内側板３０と外側板３１とを連結するも
のであり、内側板３０側を開口として連続した直線状の
支持部３６Ｂで形成されている。

【００３３】このように連続した直線状のブリッジ３５
Ｂは内側板３０と外側板３１との間に位置させて連続し
て設けたものであり、熱溶着部２８、２９又はその近傍
に沿って途切れなく支持部３６Ｂを形成した構造とな
り、熱溶着する部位の押圧力の全てを直線状の支持部３
６Ｂで支持することができ、内側板３０の撓みによる変
形をより強固に防止し、且つ熱溶着の際に十分な押圧力
を加えることができる。

【００３４】尚、直線状に連続したブリッジ３５Ｂを設
置するときには、ケース全体の中空部への空気の流れの
妨げにならぬよう、配置しなければならないことは勿論
のことであり、上記説明した第１及び第２の実施の形態
を組み合わせてもよい。

【００３５】本実施の形態においては、例えばビデオテ
ープカセットを収納するケースに適用する例を示した
が、本発明はこれに限定されず、他のテープカセットを
収納するケースにも同様に適用できる。

【００３６】

【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るテー
プカセット収納ケースは、蓋部の中空に形成した天井板
内面に設けた内ポケットの熱溶着部又はその近傍に沿っ
て補強手段を設けたことにより、熱溶着する際に発生す
る加圧による熱溶着部の撓み等の変形を抑制できる。

【００３７】又、補強手段を設けることによって熱溶着
時に溶着部分に十分な圧力を加えることができるから、
溶着強度を高めることができる。

【００３８】更に、熱溶着部の構造が平面で且つ補強手
段は中空内部に形成したため、熱溶着するシートの逃げ
が十分にとれ、外観を損なうことなく熱溶着及び加圧す
る作業性を向上させ、生産性を上げることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（Ａ）は本発明に係る第１の実施の形態のテー
プカセット収納ケースの斜視図であり、（Ｂ）は図１
（Ａ）のＡーＡ線断面図であり、（Ｃ）は他の変形例の
ＡーＡ線断面図である。

【図２】本発明の第１の実施の形態のテープカセット収
納ケースに設けた内ポケットの溶着部分の補強手段の補
強強度を示したグラフである。

【図３】（Ａ）は本発明に係る第２の実施の形態のテー
プカセット収納ケースの斜視図であり、（Ｂ）は図３
（Ａ）のＢ−Ｂ線断面図である。

【図４】（Ａ）は従来技術におけるテープカセット収納
ケースの斜視図であり、（Ｂ）は図４（Ｂ）のＣ−Ｃ線
断面図である。

【図５】（Ａ）は他の従来技術におけるテープカセット
収納ケースの斜視図であり、（Ｂ）は図５（Ａ）のＤ−
Ｄ線断面図である。

【符号の説明】

１０；ケース本体部、１１；蓋部、１２；背表紙部、１
３；底板、１４；壁板、１５；壁板、１６；壁板、１
７；ロック部材、１８ａ；カセット支持突起部、１８
ｂ；カセット支持突起部、１９；誤収納防止用リブ、２
０；天井板、２１；壁板、２２；壁板、２３；壁板、２
４；側板、２５；内ポケット部、２６；記録カード、２
７；シート、２８；熱溶着部、２９；熱溶着部、３０；
内側板、３１；外側板、３２；空間部、３３：凹部、３
５；ブリッジ、３５Ａ；ブリッジ、３５Ｂ；ブリッジ、
３６；支持部、３６Ａ；支持部、３６Ｂ；支持部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】テープカセットを収納するケース本体と、
   該ケース本体と一体に形成し且つ中空に形成した天井板
   を有する蓋部と、該蓋部の天井板内面に熱溶着して形成
   した内ポケットと、該内ポケットの熱溶着部又はその近
   傍に沿って設けた補強手段とからなるテープカセット収
   納ケース。
2. 【請求項２】前記補強手段は、前記中空に形成した天井
   板の内側板と外側板との間に位置し前記熱溶着部又はそ
   の近傍に沿って所定の間隔をもって複数個配設したブリ
   ッジである請求項１に記載のテープカセット収納ケー
   ス。
3. 【請求項３】前記補強手段は、前記中空に形成した天井
   板の内側板と外側板との間に位置し前記熱溶着部又はそ
   の近傍に沿って連続して設けたブリッジである請求項１
   に記載のテープカセット収納ケース。