JP3819412B1 - 基板搬送用容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】
主要部分が発泡合成樹脂から形成された基板搬送用容器の内壁構造であって、容器本体に対するガラス基板の装着および取出しが容易であるとともに、搬送中の基板の不用意な上下方向への移動を防止し、かつ、基板の欠けや割れなどを生じさせる虞の少ない基板搬送用容器を提供する。
【解決手段】
基板搬送用容器の前記容器本体が、断熱材による二重壁を構成するように、予め別体で形成された発泡合成樹脂製の内側断熱板12,12が発泡合成樹脂からなる外容器本体50の内側に着脱自在に配置されているとともに、これら内側断熱板12,12のさらに内方に、予め別体で形成された樹脂製のシート部材16,16が着脱自在に装着され、内側断熱材16は、容器本体4の開口部に臨む位置から内方に向かう程、肉の厚さが漸次薄くなるように勾配が設けられていることを特徴とする。
【選択図】図9

Description

本発明は略矩形状の液晶用ガラス基板などを多数枚収容して搬送するのに好適な基板搬送用容器に関する。
一般に、液晶用ガラス基板などの基板を製造工程等の都合で他の場所に移す場合には、基板同士を互いに接触させないように、また汚染を防止し安全に搬送できるように、多数枚収容した状態で蓋が密に被嵌される基板搬送用容器が使用されている。
このような基板搬送用容器の中には、略直方体形状の容器本体と、容器本体の開口部に装着される蓋体とが、ともに発泡合成樹脂から形成されたものがある(例えば、特許文献1)。
特許文献1の基板搬送用容器では、発泡合成樹脂製の容器本体内面に形成された基板支持溝に、直接ガラス基板が係止された状態で運搬されている。そのため、搬送途中でガラス基板に擦れなどが生じると、特に、ガラス基板と直接接触する容器本体内面の支持溝部分が劣化し易く、結果として発泡合成樹脂製の基板支持溝が削られて発泡体がゴミとしてガラス基板に付着してしまうという問題があった。
また、このような発泡合成樹脂製の基板搬送用容器を用いて、仮に遠方まで液晶用ガラス基板を搬送する場合には、基板に割れや欠けなどが生じない状態で安全に運搬する必要がある。
一方、容器本体内部に、ポリエチレンフィルムからなる保護フィルムを別途、付設した基板搬送用容器も提供されている(特許文献2)。
この特許文献2の場合は、図13に示したように、予め形成された平板状のポリエチレンフィルム212Bに加熱成形により発泡体側の内壁211の溝212aの形状に合った溝を形成し、この凹凸の溝が形成された保護フィルム212bを溝212aの成形と同時に加熱融着させ、これにより溝212aの内面を被覆する構造である。このような構成であれば、特許文献1の場合と異なり、ガラス基板が直接発泡体の内壁211に接触することがないので、発泡体によるゴミの形成を防止することができる。
特開平7−132986号公報 特開2005−8194号公報
しかしながら、特許文献2の場合は、発泡体の内壁211に保護フィルム212bが密に貼り合わされる構造であるため、内壁211と保護フィルム212bとは常に一体的に動くことになる。したがって、容器本体の内壁211に衝撃が加わったと場合に、保護フィルム212bは緩衝材の機能を果たすことができず、その衝撃が直接基板に伝達されてしまう。その結果、基板に欠けや割れをなどを生じさせてしまうという問題があった。
さらに、特許文献2では、互いに対向する一対の基板係止溝212bの幅sが、ボックス本体の上部(基板挿入の入口部)から下部(基板挿入の最終部)にわたって略同じ長さに設定されている。
このように基板係止溝の幅sが基板の挿入方向の入口から、挿入した部分の最後に至る
まで同じ広さに形成されていると、基板が若干傾いて挿入されてしまった場合に、基板が破損されてしまうという問題があった。
さらに、図14に示したように、特許文献2の場合には、両端部の基板係止溝212bの間の距離Eが、基板挿入方向の入口付近から基板挿入方向の最終部分に至るまで、同じ距離Eであることから、力加減が左右同一で基板Gが真っ直ぐに入らないと矢印方向への挿入が困難であった。しかも、ガラス基板Gが最後まで破損されずに装着されたとしても、容器本体に上下方向への振動が加わった場合などに、ガラス基板Gが真っ直ぐな直線に案内されて容易に上下方向に小刻みに弾んでしまうことに起因して、ガラス基板を破損させてしまうという問題もあった。
本発明はこのような実情に鑑み、主要部分が発泡合成樹脂から形成された基板搬送用容器であって、搬送中の基板の不用意な上下方向への移動を防止し、かつ、基板の欠けや割れなどを生じさせる虞の少ない基板搬送用容器を提供することを目的としている。
上記目的を達成するための本発明に係る基板搬送用容器は、
有底角筒状で一方面が開口して形成された合成樹脂製の容器本体と、
前記容器本体の前記一方面の開口を覆うように着脱自在に装着される合成樹脂製の蓋体と、から構成され、
略矩形平板状のガラス基板が、少なくとも前記容器本体内の底壁および一対の側壁からなる3辺に所定間隔離間して形成された基板係止溝に係止された状態で搬送される基板搬送用容器であって、
前記容器本体は、
底壁部およびこの底壁部から一体的に立ち上げられた一対の長側壁部および一対の短側壁部がそれぞれ断熱材による二重壁を構成するように、予め別体で形成された発泡合成樹
脂製の内側断熱板が発泡合成樹脂からなる外容器本体の内側に着脱自在に配置されているとともに、これら内側断熱板のさらに内方に、予め別体で形成された樹脂製のシート部材が着脱自在に装着され、
前記内側断熱板は、前記容器本体の前記開口部に臨む位置から内方に向かう程、肉の厚さが漸次薄くなるように勾配が設けられていることを特徴としている。
係る構成による本発明によれば、開口部側の基板係止溝の距離が入口付近で短くなるように設定されているので、ガラス基板の上下方向への振動を防止することができ、ガラス基板の割れや欠けの発生を防止することができる。
本発明に係る基板搬送用容器では、搬送中のガラス基板の上下方向への振動を抑えることができるので、それに起因するガラス基板の割れ欠けなどの発生を防止できる。
以下、図面を参照しながら本発明の一実施例について説明する。
図1は、本発明の一実施例による基板搬送用容器の正面図、図2は図1に示した基板搬送用容器から蓋体を取り外したときの容器本体の平面図である。図3は図1に示した基板搬送用容器の分解組立断面図、図4は基板搬送用容器の短手方向の断面図、図5は基板搬送用容器の長手方向の断面図である。
本実施例の基板搬送用容器を概略的に説明すれば、発泡合成樹脂からなる箱型の外容器の内部に板状の断熱材を二層構造となるように配置し、さらにその内側の内面全体に樹脂製のシートを配置したものである。
すなわち、本実施例の基板搬送用容器2は、図1および図2に示したように、一方面が開口して形成された発泡合成樹脂製の容器本体4と、この容器本体4の上部の開口4fを覆うように着脱自在に装着される発泡合成樹脂製の蓋体6とから構成されている。なお、以下の説明で、容器本体4の外容器50とは、基板搬送用容器2から、蓋体6を取り外した容器本体4の中で、最も外方の最外殻を構成する上部が開口した角筒状の発泡合成樹脂の部分を示している。
すなわち、容器本体4の最外殻を構成する発泡合成樹脂製の外容器50は、図1および図3に示したように、外表面に帯状の凹所22,22が形成されている。これら帯状の凹所22は、蓋体6の外表面に形成された凹所6a、6aに連続して形成されている。そして、凹所22および凹所6aには、容器本体4と蓋体6とが一体的に組み付けられた場合に、締付けバンドが通されて梱包される。
このような外容器50は、底壁部4aと、底壁部4aから一体的に立ち上げられた一対の長側壁部4b、4cと、同じく底壁部4aから一体的に立ち上げられた一対の短側壁部4d,4eとから構成されている。
このような外容器50の口部4gには、図3〜図5に示したように、横方向に水平突起4hが形成されている。この水平突起4hに蓋体6の内周面に形成された図示しない凹溝が嵌合されることにより、蓋体6が容器本体4に密に嵌合され脱落が防止されている。
外容器50の周囲4つの内壁面は、略平坦に形成されているが、外容器50の底壁部4aの上面には、図5に示したように、2つの突起4i,4iが所定間隔離間して形成されている。
外容器50には、底壁部4aと、一対の長側壁部4b、4cと、一対の短側壁部4d,4eとの内面側に、板状の内側断熱板20、10,10、12,12がそれぞれ配置されている。なお、底壁部4aには、底上げ部材8が選択的に配置される。このように底上げ部材8が配置される場合、その上に内側断熱板20が配置される。底上げ部材8は、図6に拡大して示したように、所定の板厚を備えた発泡合成樹脂からなるもので、このように、板状の底上げ部材8を用意すれば、底上げ部材8の有る場合と無い場合とで、容器内部の空間高さを2段階に調整することできる。したがって、大小異なる大きさの基板を収容することが可能になる。
なお、底上げ部材8の上面には、一対の突起8a,8aが所定間隔離間して形成されている。この突起8a,8aの離間距離は、外容器50の突起4i,4iの離間距離と等しく形成されている。また、底上げ部材8の裏面には、突起8aの直下に位置して、凹部8b、8bが形成されている。
したがって、このような底上げ部材8を外容器50の内部に設置すれば、底上げ部材8の凹部8bが外容器50の突起4iに位置決めされ、互いに嵌合される。これにより、底上げ部材8は、外容器50に対し移動不能に設置される。
一方、外容器50の内方に配置される底面用内側断熱板20と、長側壁用内側断熱板10、10と、短側壁用内側断熱板12、12の各内側表面は、それぞれ樹脂製のシート部材18、14、16により覆われている。なお、これら樹脂製のシート部材18、14、16は、殆ど厚みがないため、図2、図4、図5などでは、内側断熱板20、10,12と一体的に示されている。
図7は底壁部における内側断熱板20とシート部材18との関係を示し、図8は長側壁における内側断熱材10とシート部材14との関係を示し、図9は短側壁における内側断熱板12とシート部材16との関係をそれぞれ示したものである。
以下に、これらの各構成要素について具体的に説明する。
図7に示したように、底壁部では、樹脂製の薄いシート部材18が底面用の内側断熱板20の上面を覆うように着脱自在に設置される。樹脂製のシート部材18は、裏面側から見れば内方が窪んだ凹所となっている。逆に、シート部材18の表面形状は内側断熱板20の外形状と略同様に形成されている。
底面用の内側断熱板20には、複数本の突条21が上面に形成されることにより、隣接する突条21間に基板係止溝20aが所定のピッチで形成されている。
一方、内側断熱板20の一対の短辺には、水平方向に延びる凸部20bが中央部と両端部に形成されることにより、これら凸部20bの中間部に凹部が形成されている。そして、この凹部に指などを入れ易くすることにより、取り入れ取り外しの作業性の便が図られている。一方、内側断熱板20の長辺側には、中央部に凸部20cが形成されることにより、凸部20cの両側に凹所20d、20dが形成されている。これらの凹所20dは、後述するように、乾燥剤の収容空間として使用される。
一方、底面用の内側断熱板20の上面に着脱自在に装着される薄い樹脂製のシート部材
18の外側面には、内側断熱板20の突条21に対応する凹所(図7の状態で見れば外側に突出した突条19であり、この裏側が凹所となっている)が所定間隔置きに形成されている。さらに、シート部材18の一方の長辺側には、スリット23,23が形成され、これらのスリット23を介して内方に指などが入るように構成されている。そして、シート部材18を内側断熱板20に被せた場合に、スリット23を介して内側断熱板20の凹所20dに乾燥剤を入れることが可能にされている。
次に、図8、図10を参照して長側壁の構造について説明する。
長側壁では、シート部材14の内側面が内側断熱板10の外形状と略同様に形成されている。すなわち、内側断熱板10の表面には、薄い丸形の突起体10aが複数個(実施例では3×5=15個)形成されている。また、この突起体10aを取り囲む形成領域T(A×B)の範囲は、外周部Rの部分に比べて若干肉が厚く形成されている。
このように、内側断熱板10の中央表面に突起体10aを散在して設け、かつその形成領域Tの厚さを周囲に比べて厚く設定することにより、内側断熱板10に反りが形成されるのが防止されている。一方、内側断熱板10の外周部Rの板厚は、図10に示したように、上方から下方に向かうにしたがって漸次薄くなるように勾配が形成されている(D>d)。このように勾配が設けられることにより、内側断熱板10の形状は、底壁部に近い先端部が若干楔状に尖って形成されている。
シート部材14は、内側断熱板10を被せることができるように、外径寸法が若干大きく形成されている。また、内側断熱板10の突起10aに対応する部分は、丸型凹所ではなく、縦横の格子32(縁取り線)から囲まれる凹所となっている。なお、この格子32の線を、図8において内側断熱板10側から見れば、内側断熱板10側に突出して見えるものである。さらに、シート部材14の上縁部に設けられた舌片14aが内側断熱板10の背面部に折り曲げられることにより、内側断熱板10に対して移動不能に位置決めされる。
次に、図9、図11、図12を参照しながら、短側壁の内側断熱板12とシート部材16との組付けについて説明する。
先ず、図9に示したように、短側壁用の内側断熱板12には、多数の基板係止溝12aが長さ方向に連続して形成されている。この基板係止溝12aの幅fは、上側と下側で同一である。しかしながら、図11に示したように、内側断熱板12の厚さは、上部と下部で厚さが異なり、上方から下方に向かうにしたがって漸次薄くなるように勾配が形成されている(E>e)。このように勾配が設けられることにより内側断熱板12も内側断熱板10の場合と同様に先端部が若干楔状に尖って形成されている。
薄い樹脂製のシート部材16は、内側断熱材12の表面を覆うことができるように、外径寸法が内側断熱板12より若干大きく形成されている。また、溝16aの幅gは、上側と下側で同一に設定されている。
このようなシート部材16は、図12に示したように、内側断熱板12の外表面に対して遊びの部分が確保されている。すなわち、内側断熱板12とシート部材16との凹凸面にクッション用隙間Hが確保されている。したがって、gの部分に基板が挟持された場合に、このクッション用隙間Hにより、図12の状態で左右方向に基板が振動しても、その左右方向に基板の移動が可能にされている。さらに、図12の状態で上下方向に基板が振動しても、その上下方向に基板の移動が可能にされている。よって、これらのクッション用隙間Hが内側断熱板12とシート部材16との間に確保されていることにより、基板搬送用容器に急に大きな力が作用した場合でも、基板の移動が可能になっている。また、その急な力が解除されると、シート部材16の変形も元の状態に復帰する。
図9に示したように、シート部材16が内側断熱板12の外側に装着された場合に、上縁部の舌片16bが、内側断熱板12の背面部に折り曲げられることにより、内側断熱板12に対して移動不能に位置決めされることは、上記シート部材14と同様である。
ここで、発泡合成樹脂からなる外容器50の内側壁面は、全て底面に対して垂直に形成されている。したがって、図3に示したように、この外容器50の内側壁面に、上記内側断熱板10および内側断熱板12が挿入され立設されれば、容器本体4の上部の開口に近いほど、互いに対向する一対の側壁間の離反距離は小さく、容器本体4の内部(底部)に向かうほど、その離反距離が大きくなる。
したがって、容器本体4内の一対の短側壁間に跨るようにガラス基板が挿入されれば、ガラス基板の先端部(最初に入る方の端部)側は、広いスペース内に挿入され、ガラス基板の後端部(手などで把持されて後から入る方の端部)側は、入口付近の狭いスペース内に挿入される。
本実施例による基板搬送用容器2の各構成要素は、上記のように構成されているが、以下に組付け順序について説明する。なお、組付けの順番はこれに限定されるものではない。また、以下の説明では、底上げ部材8を用いる場合について説明する。
先ず、一対の長側壁に配置される発泡合成樹脂製の内側断熱板10、10と薄いシート部材14、14と、一対の短側壁の内側断熱板12、12と薄いシート部材16、16とを予め組付けておく。同様に、底面用の内側断熱板20と薄いシート部材18とを予め組付けておく。こうして、外容器50の内側に配置される各ユニットが形成されたら、先ず、底上げ部材8を外容器50内に挿入する。このとき、底上げ部材8の突起8a,8aを外容器50の突起4i,4iに合わせるように配置する。
次いで、底面用のユニットすなわち図7に示した内側断熱板20とシート部材18とのユニットが、底上げ部材8の上に配置される。これにより、底面が構成される。
次に、短側壁用のユニットすなわち図9に示した内側断熱板12とシート部材16との
ユニットを短側壁に組付ける。
さらに、長側壁用のユニットすなわち図8に示した内側断熱板10とシート部材14とのユニットを長側壁に組付ける。
これにより、全ての構成要素が組み付けられ、容器本体4の組付けが完了する。なお、シリカゲルなどの乾燥剤を容器内に設置する場合には、底壁部に配置されたシート部材18のスリット23からシリカゲルなどの乾燥剤を内部に挿入すれば、凹所20d内に乾燥剤を収容することができる。しかも、入口がスリット23であるため、その乾燥剤が不用意に外方に飛び出してしまうことが防止される。
こうして、基板搬送用容器2が構成される。
本実施例の基板搬送用容器2は、上記のような構成を有しており、この容器内に基板を格納して安全に搬送することができる。すなわち、本実施例の基板搬送用容器2は、耐衝撃性および耐熱性に優れた発泡合成樹脂で容器本体部および蓋体が形成されているので、外部からの衝撃および外部の温度変化などから基板を保護することができるのは勿論のこと、格納された基板によって生じる内部応力(主として基板の自重によって生じる応力)に対しても、容器内の該当壁面などに僅かな空隙を形成して配置されたシート部材の可撓性によって吸収することができ、格納基板をより安全に搬送あるいは保管することができる。
また、例えば、ガラス基板を容器本体4内に挿入するにあたり、基板の角部が当接するシート部材16の容器外方に配置される内側断熱板10、12の板厚は、開口部の上部ほど厚く、下方に近づくほど薄くなるように勾配が形成されていることから、ガラス基板を入口付近で位置決めしてからの挿入が容易である。また、基板の挿入が完了すれば、上部側(開口部側)の幅狭部でガラス基板が挟持されているので、この溝部からの基板の不用意な飛び出しが防止されている。また、基板の挿入に際し、基板が少し挿入されれば、内部の広さは入口付近より広くなっているので、若干基板が曲がって入っても、その曲がりを吸収することができる。逆に、運搬中に容器本体に振動が生じ、その振動で基板が容器本体から飛び出そうとしても、開口部付近は幅が狭くなっているので、基板の飛び出しを防止することができる。さらに、基板が若干曲がって挿入されるようなことがあるとしても樹脂製のシート部材と内部の内側断熱板との間に、図12に示したように隙間Hが確保されているので、基板はシート部材16を内側断熱板12に押し付けるように変形するので、基板に反力が強く作用することがない。よって、基板の割れ欠けなどを可及的に防止することができる。
また、底上げ部材8を用いることにより、搬送しようとする基板に対応させて容器の深さを調整することができ、容器内に余分な空間が形成されないようにすることができるので、より安全に基板を搬送することができる。
なお、上記実施例による蓋体6の構成については、詳しく説明していないが、この蓋体6に関しても容器本体4側と略同様に形成されている。すなわち、蓋体6では、容器本体4と異なり、発泡合成樹脂からなる板状の内側断熱板が設けられていない。しかしながら、発泡合成樹脂製の蓋体本体(容器本体では、外容器に相当する発泡体)の内部に、一方面が開口した箱状の薄いシート部材が介在されている。これにより、蓋体6は、発泡体と樹脂製のシート部材との二重構造となっている。即ち、図12の断面を蓋体の図として見れば、発泡合成樹脂からなる蓋体本体12に、薄いシート部材16が嵌合されている。このような場合には、蓋体本体12とシート部材16に、それぞれ基板装着溝を設けられ、gの幅にガラス基板の上端部が当接される。このような蓋体6を用意すれば、ガラス基板を装着する場合に、ガラス基板の上端側を溝内に保持することができる。なお、その場合に、ガラス基板の上端が上下左右方向に移動可能であることは容器本体4の場合と同様で
ある。
本発明の基板搬送用容器は、上記実施例に何ら限定されず、様々な改変を行なうことができる。
例えば、基板搬送用容器に気体交換口を設け、この基板搬送用容器内の空気を窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガスで置換することもできる。
本発明の基板搬送用容器は、通常の場合、格納されているガラス基板が起立するように使用されるが、このような基板搬送用容器の積み込み方向を明確にするために、容器の外方に、積み込み方向を明示する印を付すこともできる。
本実施例の基板搬送用容器は、例えば、ガラス基板の移動の際に好適に使用されるが、移動時だけに限定されず、保管時などにも使用することができるのは、勿論である。
このような基板搬送用容器は、液晶基板、液晶用ガラス基板、配線基板、回路基板などの基板を安全に移送、保管することができる。
さらに、底上げ部材8を使用しない場合は、大きな基板を収容することができる。
図1は本発明の一実施例に係る基板搬送用容器の正面図である。 図2は図1の基板搬送用容器から、上部の蓋体を取り外して、内部を見たときの容器本体の平面図である。 図3は図1に示した基板搬送用容器の分解斜視図である。 図4は図1を長手方向の線で切断したときの断面図である。 図5は図4のB−B線方向の断面図である。 図6は図3に示した底上げ部材の拡大斜視図である。 図7は図3において底壁部に配置される内側断熱板とシート部材との組付けを示した分解斜視図である。 図8は図3において長側壁部に配置される内側断熱板とシート部材との組付けを示した分解斜視図である。 図9は図3において短側壁部に配置される内側断熱板とシート部材との組付けを示した分解斜視図である。 図10は長側壁用の内側断熱板の側面図である。 図11は短側壁用の内側断熱板の側面図である。 図12は図9に示した短側壁用の内側断熱板と樹脂シートとを組付けた状態での拡大断面図であり、gの部分にガラス基板が配置される説明図である。 図13は従来の搬送用容器の構造を示すもので、図13(A)は加熱される前のポリエチレンフィルムの断面図、図13(B)は加熱された保護フィルムの断面図、図13(C)は加熱された保護フィルムと発泡体の内壁との取付け構造を示す断面図である。 図14は従来の搬送用容器にガラス基板を挿入したときの概略図である。
符号の説明
2 基板搬送用容器
4 容器本体
4a 底壁部
4b、4c 長側壁部
4d、4e 短側壁部
4f 開口
4g 口部
4h 水平突起
4i 突起
6 蓋体
6a 凹所
8 底上げ部材
8a 突起
8b 凹部
10 長壁用の内側断熱板
12 短壁用の内側断熱板
14 シート部材
16 シート部材
18 シート部材
20 底面用の内側断熱板
20a 基板係止溝
21 突条
22 凹所
50 外容器
H 隙間

Claims (1)

  1. 有底角筒状で一方面が開口して形成された合成樹脂製の容器本体と、
    前記容器本体の前記一方面の開口を覆うように着脱自在に装着される合成樹脂製の蓋体と、から構成され、
    略矩形平板状のガラス基板が、少なくとも前記容器本体内の底壁および一対の側壁からなる3辺に所定間隔離間して形成された基板係止溝に係止された状態で搬送される基板搬送用容器であって、
    前記容器本体は、
    底壁部およびこの底壁部から一体的に立ち上げられた一対の長側壁部および一対の短側壁部がそれぞれ断熱材による二重壁を構成するように、予め別体で形成された発泡合成樹脂製の内側断熱板が発泡合成樹脂からなる外容器本体の内側に着脱自在に配置されているとともに、これら内側断熱板のさらに内方に、予め別体で形成された樹脂製のシート部材が着脱自在に装着され、
    前記内側断熱板は、前記容器本体の前記開口部に臨む位置から内方に向かう、肉の厚さが漸次薄くなるように勾配が設けられていることを特徴とする基板搬送用容器。
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