JPH0624396Y2 - 磁気ディスクカセットとその収納ケースとの組合せ構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はカセットケース内にマイクロ・フロッピー・デ
ィスクのような磁気ディスクを配設した磁気ディスクカ
セットと、この磁気ディスクカセットを収納するための
収納ケースとの組合せ構造に関するものである。

〔従来の技術〕

周知のように此種の磁気ディスクカセット、例えばマイ
クロ・フロッピー・ディスクカセット（以下においてＭ
ＦＤカセットと称する）は、適度な弾性を有する合成樹
脂にて成形された薄いカセット内にフレキシブルな磁気
シートからなる磁気ディスクを回転自在に配設したもの
である。そして、従来はＭＦＤカセットはその不使用時
（保管あるいは携帯時）には複数個重合わせて紙箱に収
納されていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、ＭＦＤカセットを収納するための紙箱は
強度が小さいので、収納されたＭＦＤカセットを保護す
る観点から見ると問題点があった。即ち、カセット収納
用紙箱にカセットを収納して保管或いは携帯する際、も
し紙箱が圧迫されると、収納されているＭＦＤカセット
にほぼ直接に力が伝わってしまう。この場合、ＭＦＤカ
セットは合成樹脂で形成されているので極めて変形し易
く、このためＭＦＤカセット内に収納された磁気ディス
クが損傷を受けることがある。また、ＭＦＤカセットを
収納している紙箱を誤って落下させてしまうと、その衝
撃がカセットにほぼ直接に伝わり、カセットが損傷する
こともある。従って、ＭＦＤカセットを圧迫や落下によ
る衝撃に対してより安全なケースに収納するのが望まし
い。

従って、ＭＦＤカセットを収納するための収納用凹部を
有するケース本体と、このケース本体に対してヒンジ部
において開閉するケース蓋体とから成るブックタイプの
収納ケースにＭＦＤカセットを収納することが考えられ
る。

一方、第２図及び第３図に示すようなＭＦＤカセットの
使用時には、カセットケースを構成する上シェルと下シ
ェルとの間に配設された磁気ディスクはその中央に設け
られたセンタープレートを上方へ持ち上げられた状態に
支持されて回転させられる。この場合、磁気ディスクが
下シェルの内側面から浮き上がってもその外周囲が下方
に湾曲せずに上シェルの面とほぼ平行な水平状態を保つ
ために、ＭＦＤカセットの下シェルは球面状に外方に反
った状態に形成されている（第３図参照）。

従ってこのようなＭＦＤカセットを上述のようなブック
タイプの収納ケースに収納した場合、その収納用凹部の
底面とケース蓋体の内側面との間にＭＦＤカセットが挾
着されることになる。このため、球面状に外方に反った
外反り状態に形成されている下シェルが経時変化に伴っ
て平面化する恐れがあり、また極端な場合には逆方向に
反り返って内反りになってしまう恐れがある。この場
合、ＭＦＤカセットの使用時に磁気ディスクに対して下
シェルが異常に接触して磁気ディスクを損傷させること
になるので、従来は、このような事態を避けるために、
カセットケースの強度を必要以上に大きくする必要があ
った。

〔問題を解決するための手段〕

前記の問題を解決するために、本考案は、磁気ディスク
カセットと、この磁気ディスクカセットを収納するため
の収納ケースとの組合せ構造であって、前記磁気ディス
クカセットは、それぞれ合成樹脂にて成形された上シェ
ル及び下シェルから構成された偏平なほぼ直方体形状の
カセットケースを具備し、そのほぼ中央部にセンタープ
レートを有する磁気ディスクがこのカセットケース
（１）内に回転自在に収納され、前記センタープレート
が外部に臨む孔部が前記下シェルのほぼ中央部に設けら
れ、磁気記録再生装置への前記磁気ディスクカセットの
誤装着を防止するためにほぼ三角形状に欠如させた係合
用欠如部が前記カセットケースの一隅に形成されたもの
であり、前記収納ケースは、それぞれの内側面が互いに
対向する閉じた状態と互いに対向しない開いた状態とに
ヒンジ部によって開閉される少なくとも２つの開閉部材
と、これら２つの開閉部材のうちの少くとも一方の開閉
部材の内側面に形成されかつ前記磁気ディスクカセット
にほぼ対応した形状の収納用凹部と、前記磁気ディスク
カセットの前記下シェルの周縁部をそのカセット支持面
で支持するために前記収納用凹部の周囲に設けられたカ
セット支持部とをそれぞれ具備し、前記カセット支持面
は、前記下シェルの前記周縁部をこのカセット支持面で
支持した状態において、前記下シェルの前記周縁部とこ
の下シェルの前記孔部の周辺との上下方向の間隔よりも
前記カセット支持面と前記収納用凹部の底面の前記周辺
に対向する部分との上下方向の間隔が大きくなるよう
に、前記収納用凹部の前記底面よりも高い位置に存在
し、前記収納用凹部は、この収納用凹部に対する前記磁
気ディスクカセットの収納状態を一義的に決定するため
に前記係合用欠如部に対応して斜めに延びるように前記
収納用凹部の一隅に設けられた係合用隅部を有するよう
に構成したものである。

〔作用〕

上述のように構成された本考案によれば、磁気ディスク
カセット用収納ケースが、ヒンジ部によって開閉される
少なくとも２つの開閉部材と、これら２つの開閉部材の
うちの少なくとも一方の開閉部材の内側面に形成されか
つ磁気ディスクカセットにほぼ対応した形状の収納用凹
部とを具備しているので、磁気ディスクカセットを圧迫
や衝撃から効果的に保護することができる。また収納用
凹部に収納される磁気ディスクカセットのカセットケー
スは前記収納用凹部の底面よりも高い位置においてその
下シェルの周縁部のみを支持されてその中央部分を支持
されないようにすることができる。またカセットケース
に設けた係合用欠如部と収納ケースの収納用凹部に設け
た係合用隅部とが互いに係合する時だけ、磁気ディスク
カセットを収納ケースの収納用凹部に収納することがで
きる。

〔実施例〕

以下、本考案をＭＦＤカセット用収納ケースに適用した
実施例を図面に基づいて説明する。

まず、本考案による収納ケースに収納されるＭＦＤカセ
ット２０を第２図及び第３図に基づいて説明すると、Ｍ
ＦＤカセット２０のカセットケース１は偏平な直方体形
状に構成されている。そしてこのカセットケース１はＡ
ＢＳ樹脂等の適度な弾性を有する合成樹脂によって成形
された上シェル２と下シェル３とで構成され、これらの
上下シェル２、３は上下から相互に嵌合され四隅が溶着
等によって互いに固着されて一体に結合されている。さ
らに、カセットケース１内には、磁気シートにて成形さ
れた磁気ディスク４が回転自在に収納されている。そし
て、この磁気ディスク４の中央部には、センタープレー
ト１６が取付けられ、このセンタープレート１６は、下
シェル３のほぼ中央部に設けられた孔部３ａから外部に
臨んでいる。また、カセットケース１の一隅には、この
ＭＦＤカセットを用いて記録または再生を行うための磁
気記録再生装置にこのカセットを装着する際にその誤装
着を防止するために、ほぼ三角形状に欠如させた係合用
欠如部５が形成されている。

次に、本考案の第１の実施例におけるＭＦＤカセット用
収納ケース６を第１Ａ図、第１Ｂ図及び第４図に基づい
て説明すると、収納ケース６は、所謂ブックタイプのも
のであって、ほぼ矩形形状の一対の板体７ａ、７ｂと、
これら一対の板体７ａ、７ｂを連結しているヒンジ部８
とをそれぞれ具備し、これらの板体７ａ、７ｂ及びヒン
ジ部８が適度な弾性を有する合成樹脂から互いに一体に
かつ全体としてシート状に成形されている。ヒンジ部８
は、板体７ａ、７ｂとの境界にそれぞれ形成された条溝
から成る肉薄の折曲げヒンジ８ａ、８ｂと、これらの折
曲げヒンジの間に存在している背部８ｃとから成ってい
る。従って板体７ａ、７ｂはそれぞれ内側面が互いに対
向する閉じた状態（第４図）と、互いに対向しない開い
た状態（第１Ａ図）とにヒンジ部８によって開閉される
ようになっている。

板体７ｂの内側面には、この板体７ｂとほぼ同じ大きさ
であるが一廻り小さい枠部材９がその外周囲に形成され
たつば部９ａを溶着されて取付けられている。この枠部
材９は塩化ビニル、ポリプロピレン等の適度な弾性を有
する合成樹脂から第４図に示すように全体が肉薄となる
ように成形されたものである。なお枠部材９にはＭＦＤ
カセットにほぼ対応した形状の２つの矩形形状の収納用
凹部１０が形成されている。そして各収納用凹部１０の
ほぼ全周囲に亘って形成されている段部によってカセッ
ト支持部１３が構成され、このカセット支持部１３の上
面によってカセット支持面１３ａが構成されている。そ
して、このカセット支持面１３ａは、下シェル３の周縁
部をこのカセット支持面１３ａで支持した状態におい
て、下シェル３の周縁部とこの下シェル３の孔部３ａの
周辺との上下方向の間隔よりもカセット支持面１３ａと
収納用凹部１０の底面の上記周辺に対向する部分との上
下方向の間隔が大きくなるように、収納用凹部１０の底
面よりも高い位置に存在している。また収納用凹部１０
には、一対のほぼ半円柱形（より正確には逆円錐台形）
の指挿入用凹部１１が互いに対向して設けられ、また凹
部１０の一隅には、第１Ａ図に示すように、係合用欠如
部５に対応して斜めに延びる係合用隅部１２が設けられ
ている。また枠部材９の背部８ｃと対向する部分には、
３個の半円筒形の突出部１５が形成され、これらの突出
部によって折曲げヒンジ８ａ、８ｂの折曲げが良好に行
われるようになっている。なお板体７ａ、７ｂが既述の
閉じた状態を保持するために、金属製の２個のスナップ
１４ａを板体７ａの内側面に、また金属製の２個のスナ
ップ１４ｂを枠部材９の表面にそれぞれ設け、上記閉じ
た状態においてこれらのスナップを互いに係止させるよ
うにしてもよい。

従って本実施例においては、板体７ａによって既述の一
方の開閉部材が構成され、また板体７ｂ及び枠部材９に
よって他方の開閉部材が構成されている。

以上のように構成された収納ケース６によれば、板体７
ａが板体７ｂに対して開いた状態においてそれぞれの収
納用凹部１０内に対してＭＦＤカセット２０を指挿入用
凹部１１を用いて容易に収納しかつ取出すことができ
る。この場合、カセットケース１に設けた係合用欠如部
５と収納用凹部１０に設けた係合用隅部１２とが互いに
係合する時だけＭＦＤカセット２０を収納用凹部１０に
収納し得るので、収納用凹部１０に対するＭＦＤカセッ
トの収納状態は一義的に決定されることになり、このた
めにＭＦＤカセットが上下、左右及び前後方向について
間違った向きに収納されることがない。従ってカセット
ケース１の下シェル３は常に収納用凹部１０の底面に対
向した状態にて収納用凹部１０に収納されることにな
る。このため下シェル３はその周縁部のみがカセット支
持面１３ａによって支持されその中央部分は支持されず
に上記底面から浮いた状態になる。従って球面状に外反
りしている下シェル３が平面化したり或いは内反りにな
ったりる恐れがない。またＭＦＤカセット２０は枠部材
９、一対の板体７ａ、７ｂ及びヒンジ部８によって圧迫
及び落下による衝撃から効果的に保護される。

次に本考案の第２〜第４の実施例を第５図〜第７図に基
づいて説明すると、これら第２〜第４の実施例は、既述
の第１の実施例において、カセット支持部１３を収納用
凹部１０の四隅のみに部分的に設けたものである。即
ち、第５図に示す第２の実施例においては、カセット支
持部１３がほぼ立方体形状であり、第６図に示す第３の
実施例においては、三角柱形状であり、第７図に示す第
４の実施例においては、上記第３の実施例におけるカセ
ット支持部１３の一側面を内反りの円柱面形状としてい
る。

従って上記第２〜第４の実施例においては、ＭＦＤカセ
ット２０はその四隅のみをカセット支持部１３によって
支持されることになる。

以上、本考案の実施例について説明したが、本考案の技
術的思想から逸脱しない限り、本考案は種々の変更や修
正が可能である。例えば、既述の実施例では磁気ディス
クカセットの収納個数は２個としたが、３個以上であっ
ても差支えない。またそれぞれの収納用凹部におけるカ
セット支持部の個数、形状及び配置箇所も適当に変更す
ることが可能である。また、本考案はＭＦＤカセットを
収納するための収納ケースに限定されるものではなく、
各種の磁気ディスクカセットを収納するための収納ケー
スに適用することができる。

〔考案の効果〕

以上に述べたように、本考案によれば、磁気ディスクカ
セット用収納ケースが、ヒンジ部によって開閉される少
なくとも２つの開閉部材と、これら２つの開閉部材のう
ちの少なくとも一方の開閉部材の内側面に形成されかつ
磁気ディスクカセットにほぼ対応した形状の収納用凹部
とを具備しているので、磁気ディスクカセットを収納ケ
ースに収納して保管或いは携帯している時に、収納ケー
スが圧迫されたり落下による衝撃を受けたりしても、磁
気ディスクカセット、ひいてはその内部に収納されてい
る磁気ディスクを圧迫や衝撃から効果的に保護すること
ができる。

また収納用凹部に収納される磁気ディスクカセットのカ
セットケースは、前記収納用凹部の底面よりも高い位置
においてその下シェルの周縁部のみを支持されてその中
央部分を支持されないようにすることが可能であるか
ら、カセットケースの強度があまり大きくなくても、カ
セットケースの下側面の変形を効果的に防止すことがで
き、このためにカセットケースの下側面が変形して磁気
ディスクが損傷する恐れがない。

また偏平なほゞ直方体形状のカセットケースの一隅に
は、磁気記録再生装置への磁気ディスクカセットの誤装
着を防止するためにほぼ三角形状に欠如させた係合用欠
如部が設けられると共に、収納ケースの収納用凹部の一
隅には、この収納用凹部に対する前記ディスクカセット
の収納状態を一義的に決定するために前記係合用欠如部
に対応して斜めに延びる係合用隅部が設けられている。
したがって、カセットケースに設けた係合用欠如部と収
納ケースの収納用凹部に設けた係合用隅部とが互いに係
合する時だけ、磁気ディスクカセットを収納ケースの収
納用凹部に収納させることができるから、収納用凹部に
対する磁気ディスクカセットの収納状態は一義的に決定
されることになる。このために、磁気ディスクカセット
が上下、左右及び前後方向について間違った向きで収納
されることがないから、カセットケースの下シェルは常
に収納用凹部に対向した状態にて収納用凹部に収納され
ることになり、この結果、磁気ディスクカセットを収納
用凹部に上下方向について間違った向きで収納すること
により、カセットケースの下側面が変形して磁気ディス
クが損傷する恐れもない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案をマイクロ・フロッピー・ディスク用収納
ケースに適用した実施例を示したものであって、第１Ａ
図は第１の実施例における収納ケースの斜視図、第１Ｂ
図は第１Ａ図に示す収納ケースの枠部材の一部分の斜視
図、第２図は第１Ａ図に示す収納ケースに収納される磁
気ディスクカセットの平面図、第３図は第２図のIII−I
II線における断面図、第４図は磁気ディスクカセットを
収納ケースに収納した状態の第１図のIV−IV線における
断面図、第５図は第２の実施例における収納ケースの収
納用凹部を示す平面図、第６図は第３の実施例における
収納ケースの収納用凹部を示す平面図、第７図は第４の
実施例における収納ケースの収納用凹部を示す平面図で
ある。 なお図面に用いられた符号において、 １……カセットケース ２……上シェル ３……下シェル ３ａ……孔部 ４……磁気ディスク ５……係合用欠如部 ６……収納ケース ７ａ……板体 ７ｂ……板体 ８……ヒンジ部 ９……枠部材 １０……収納用凹部 １２……係合用隅部 １３……カセット支持部 １３ａ……カセット支持面 １６……センタープレート ２０……ＭＦＤカセット である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】磁気ディスクカセット（２０）と、この磁
   気ディスクカセット（２０）を収納するための収納ケー
   ス（６）との組合せ構造であって、 前記磁気ディスクカセット（２０）は、それぞれ合成樹
   脂にて成形された上シェル（２）及び下シェル（３）か
   ら構成された偏平なほぼ直方体形状のカセットケース
   （１）を具備し、そのほぼ中央部にセンタープレート
   （１６）を有する磁気ディスク（４）がこのカセットケ
   ース（１）内に回転自在に収納され、前記センタープレ
   ート（１６）が外部に臨む孔部（３ａ）が前記下シェル
   （３）のほぼ中央部に設けられ、磁気記録再生装置への
   前記磁気ディスクカセット（２０）の誤装着を防止する
   ためにほぼ三角形状に欠如させた係合用欠如部（５）が
   前記カセットケース（１）の一隅に形成されたものであ
   り、 前記収納ケース（６）は、それぞれの内側面が互いに対
   向する閉じた状態と互いに対向しない開いた状態とにヒ
   ンジ部（８）によって開閉される少なくとも２つの開閉
   部材（７ａ、７ｂ）と、 これら２つの開閉部材（７ａ、７ｂ）のうちの少くとも
   一方の開閉部材（７ｂ）の内側面に形成されかつ前記磁
   気ディスクカセット（２０）にほぼ対応した形状の収納
   用凹部（１０）と、 前記磁気ディスクカセット（２０）の前記下シェル
   （３）の周縁部をそのカセット支持面（１３ａ）で支持
   するために前記収納用凹部（１０）の周囲に設けられた
   カセット支持部（１３）とをそれぞれ具備し、 前記カセット支持面（１３ａ）は、前記下シェル（３）
   の前記周縁部をこのカセット支持面（１３ａ）で支持し
   た状態において、前記下シェル（３）の前記周縁部とこ
   の下シェル（３）の前記孔部（３ａ）の周辺との上下方
   向の間隔よりも前記カセット支持面（１３ａ）と前記収
   納用凹部（１０）の底面の前記周辺に対向する部分との
   上下方向の間隔が大きくなるように、前記収納用凹部
   （１０）の前記底面よりも高い位置に存在し、 前記収納用凹部（１０）は、この収納用凹部（１０）に
   対する前記磁気ディスクカセット（２０）の収納状態を
   一義的に決定するために前記係合用欠如部（５）に対応
   して斜めに延びるように前記収納用凹部（１０）の一隅
   に設けられた係合用隅部（１２）を有することを特徴と
   する、磁気ディスクカセット（２０）とその収納ケース
   （６）との組合せ構造。