JP3374437B2 - 磁気ヘッド装置の収納ケース - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は磁気ヘッド装置の収納ケ
ースに関する。

【０００２】

【従来の技術】弾性を有するサスペンション板の一端
が、固定部に取付けるための取付け板に取付けられ、サ
スペンション板の他端に磁気ヘッドを備える摺動部が取
付けられて成る磁気ヘッド装置の収納ケースであって、
一の収納ケースに他の収納ケースが互いに嵌合するよう
に重ね合わせ可能な従来の磁気ヘッド装置の収納ケース
では、一の収納ケースに磁気ヘッド装置を収納し、その
上に他の収納ケースを重ねて押圧したとき、磁気ヘッド
を備える摺動部が収納ケースの底面に直接接触せずに、
宙を浮くようにしていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】かかる従来の収納ケー
スでは、収納ケースに外力が加わって、磁気ヘッド装置
のサスペンション板が変形し、摺動部のロード荷重が変
化する虞がある。かくすると、磁気ヘッド装置の使用時
において、摺動部がハードディスク等の回転記録媒体に
強く接触したり、接触しなかったりして、正常な記録又
は再生が不可能に成る虞があり、摺動部が回転記録媒体
に強く接触したときには、回転記録媒体が損傷を受ける
場合もある。回転記録媒体が損傷を受けると、回転記録
媒体やその記録又は再生装置の信頼性を損なう場合も生
じる。

【０００４】かかる点に鑑み、本発明は、弾性を有する
サスペンション板の一端が、固定部に取付けるための取
付け板に取付けられ、上記サスペンション板の他端に磁
気ヘッドを備える摺動部が取付けられて成る磁気ヘッド
装置の収納ケースであって、一の収納ケースの上に他の
収納ケースが互いに嵌合するように重ね合わせ可能な磁
気ヘッド装置の収納ケースにおいて、収納ケースに外力
が加わって、磁気ヘッド装置のサスペンション板が変形
し、摺動部のロード荷重が変化する虞のないものを提案
しようとするものでる。

【０００５】

【課題を解決するための手段及び作用】第１の本発明
は、例えば、第２図に示すように、弾性を有するサスペ
ンション板４の一端が、固定部に取付けるための取付け
板５に取付けられ、サスペンション板４の他端に磁気ヘ
ッド２を備える摺動部３が取付けられて成る磁気ヘッド
装置Ｈの収納ケースであって、一の収納ケースＡの上に
他の収納ケースＢが互いに嵌合するように重ね合わせ可
能な磁気ヘッド装置Ｈの収納ケースにおいて、一の収納
ケースＡの上に他の収納ケースＢが互いに嵌合するよう
に重ね合わされたときに、磁気ヘッド装置Ｈの取付け板
５が一の収納ケースＡの一の所定部分１１、１２及び他
の収納ケースＢの他の所定部分１４で挟持されると共
に、摺動部３が一の収納ケースＡの内面１３に押付けら
れるように、サスペンション板４にプリテンションが掛
けられた状態で、磁気ヘッド装置Ｈが収納されるように
したものである。

【０００６】かかる本発明によれば、一の収納ケースＡ
の上に他の収納ケースＢが互いに嵌合するように重ね合
わされたときに、磁気ヘッド装置Ｈの取付け板５が一の
収納ケースＡの一の所定部分１１、１２及び他の収納ケ
ースＢの他の所定部分１４で挟持されると共に、摺動部
３が一の収納ケースＡの内面１３に押付けられるよう
に、サスペンション板４にプリテンションが掛けられた
状態で、磁気ヘッド装置Ｈが収納される。

【０００７】第２の本発明は、例えば、第４図に示すよ
うに、第１の本発明において、磁気ヘッド装置の両側を
規制し、少なくとも一方が他の隣接する磁気ヘッド装置
との間の共通の仕切りと成る対を成す規制手段２１、２
２が設けられて、複数の磁気ヘッド装置Ｈが収納可能と
されて成るものである。

【０００８】かかる第２の本発明によれば、対を成す規
制手段２１、２２によって、磁気ヘッド装置の両側を規
制し、少なくとも一方が他の隣接する磁気ヘッド装置と
の間の共通の仕切りと成る。

【０００９】第３の本発明においては、第１又は第２の
本発明において、板状体のプレス成形機による加工によ
って収納ケースが形成される。

【００１０】

【実施例】本発明の実施例の収納ケースの説明に先立っ
て、図６を参照して、その収納ケースに収納される磁気
ヘッド装置について説明する。図６（Ａ）、（Ｂ）は、
それぞれ磁気ヘッド装置及びこれによって記録、消去及
び再生が行われるディスク型磁気記録媒体を示す。図６
（Ａ）、（Ｂ）において、１はハードディスクの如きデ
ィスク型磁気記録媒体を示し、これはモータによって駆
動されて回転する。図６（Ａ）、（Ｂ）において、Ｈが
磁気ヘッド装置で、弾性を有する帯状のサスペンション
板４の一端が、固定部に取付けるための取付け板５に取
付けられて支持され、サスペンション板４の他端に磁気
ヘッド２を備える摺動部３が取付けられて構成される。
この摺動部３は、図（Ｂ）に示す如く、回転している記
録媒体１に対し、サスペンション板４の弾性力によっ
て、記録媒体１の起動時時は記録媒体に接触し、常時記
録媒体１に接触するか又は微小間隔を持って近接するよ
うに成されている。

【００１１】第６図（Ｃ）に示す如く、サスペンション
板４に過分な力Ｆが加わると、サスペンション板４が変
形したり、磁気ヘッド２及び摺動部３に働くロード荷重
が変化する。

【００１２】以下に、図１及び図２を参照して、本発明
の実施例（１）の収納ケースを説明する。図１におい
て、（Ａ）は収納ケースに磁気ヘッド装置Ｈを１個を収
納した状態の平面図、（Ｂ）はその断面図、（Ｃ）は磁
気ヘッド装置のサスペンション板にプリテンションを掛
けない状態の断面図である。又、図２は磁気ヘッド装置
を収納した収納ケースの上に他の収納ケースを重ねた状
態を示す。

【００１３】この収納ケースは、塩化ビニール、ポリス
チレン、ポリエチレン等の合成樹脂、紙等をプレスル加
工して作る。１８は枠部で、この収納ケースの最も高い
部分の１つである。１１、１２は部分１８より低い同じ
高さの部分で、その中間の部分１４は部分１１、１２よ
り低く成っている。そして、この部分１１、１２上に磁
気ヘッド装置Ｈの取付け板５が載置される。１３は部分
１１、１２より低い部分で、取付け板５より延長された
サスペンション板４の先端の摺動部３が、部分１３の底
部に接触されるように成される。この場合、部分１２の
頂部の部分１３底部からの高さａを、サスペンション板
４、磁気ヘッド２及び摺動部３の組み立て高さ寸法ｂよ
り小さくする。

【００１４】図１（Ｃ）は、収納ケースに磁気ヘッド装
置Ｈを収納した通常の状態であり、磁気ヘッド２と摺動
部３が収納ケースの部分１３の底部に当接するため、取
付け板５の下面と部分１２の頂面との間に、０．０５〜
１．５ｍｍ程度の間隙ｃが発生し、これがサスペンショ
ン板４に対し、プリテンションを与えるための寸法と成
る。

【００１５】又、磁気ヘッド装置Ｈの取付け板５の両側
は、部分１８と同じ高さの規制壁１６、１７によって規
制されている。尚、一方の壁１６はその端部がかぎ形に
なっており、これによって取付け板５の磁気ヘッド装置
Ｈの長手方向の移動が規制される。

【００１６】次に、図２を参照して説明するに、これは
磁気ヘッド装置Ｈの収納された一の収納ケースＡの上
に、他の同一形状及び同一寸法の収納ケースＢを重ねた
場合を示す。収納ケースＡの上に収納ケースＢを重ねる
ことによって、磁気ヘッド装置Ｈの取付け板５が、収納
ケースＢの部分１４の外側によって、収納ケースＡの部
分１１、１２に押し付けられるため、磁気ヘッド２を含
む摺動部３は収納ケースＡの部分１３の底部に押し付け
られる。これにより、サスペンション板４には、磁気ヘ
ッド２を含む摺動部３を収納ケースＡの部分に押し付け
るためのプリテンションが働く。

【００１７】このように磁気ヘッド装置Ｈのサスペンシ
ョン板４に常時プリテンションＰが掛かっているので、
収納ケースに外力が加わっても、磁気ヘッド２を含む摺
動部３は容易に動かず、外力はサスペンション板４に吸
収される。

【００１８】又、収納ケースの部分１４の底面より部分
１３の底面の方を浅くすることによって、サスペンショ
ン板４と収納ケースＢの部分１３の外側の部分１５の面
との間に、０．１〜１．５ｍｍ程度の間隙を設ければ、
収納ケースを重ねてもサスペンション板４が収納ケース
の部分１３の外側の面に接触する虞はなく成り、サスペ
ンション板４のプリテンション効果に悪影響を及ぼす虞
はない。

【００１９】収納ケースを何段も重ねた場合の一番上、
又は、収納ケースが１個の場合等には、図３に示すよう
に、収納ケースの裏側と形及び寸法の略等しい抑えふた
を利用しても良い。その場合、部分１４′及び１５′は
収納ケースの部分１４、１５の外側に対応する。

【００２０】次に、図４を参照して、実施例（２）を説
明する。この例は、収納ケースに多数の磁気ヘッド装置
を収納し得るようにした実施例である。この場合は、磁
気ヘッド装置の両側を規制し、少なくとも一方が他の隣
接する磁気ヘッド装置との間の共通の仕切りと成る対を
成す規制手段２１、２２が設けられて、複数の磁気ヘッ
ド装置が収納可能とされている。この実施例（２）の収
納ケースでは、それぞれ５個の磁気ヘッド装置を収納し
得る、例えば、８ｃｍ×５ｃｍ程度のセル２３が設けら
れ、そのセル２３がマトリックス状に配されて構成され
る。尚、図４では、収納ケースの一部を示す平面図及び
その平面図のＡ−Ａ′、Ｂ−Ｂ′、Ｃ−Ｃ′線上の断面
図を示している。尚、収納ケースの各部分１１、１２、
１３、１４及び１８の構造は、図１の実施例（１）の場
合と同様である。

【００２１】図５はかかる多数の磁気ヘッド装置Ｈが収
納された収納ケースを数段〜数１０段程度積み重ねて、
それをテープＴＰを用いて２箇所でテーピングした後、
ダンボール箱ＣＢに収納して梱包する場合を示す。

【００２２】

【発明の効果】上述せる本発明によれば、弾性を有する
サスペンション板の一端が、固定部に取付けるための取
付け板に取付けられ、サスペンション板の他端に磁気ヘ
ッドを備える摺動部が取付けられて成る磁気ヘッド装置
の収納ケースであって、一の収納ケースの上に他の収納
ケースが互いに嵌合するように重ね合わせ可能な磁気ヘ
ッド装置の収納ケースにおいて、収納ケースに外力が加
わって、磁気ヘッド装置のサスペンション板が変形し、
摺動部のロード荷重が変化する虞のないものを得ること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例（１）を示す平面図及び断面図

【図２】実施例（１）の使用状態を示す断面図

【図３】抑えふたを示す側面図

【図４】実施例（２）を示す平面図及び断面図

【図５】実施例（２）の収納ケースの梱包状態を示す斜
視図、平面図及び断面図

【図６】実施例（１）、（２）の収納ケースに収納する
磁気ヘッド装置の説明のための斜視図及び断面図であ
る。

【符号の説明】

Ｈ 磁気ヘッド装置、２ 磁気ヘッド、３ 摺動部、４
サスペンション板、５ 取付け板、１１〜１８ 収納
ケースの部分

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 弾性を有するサスペンション板の一端
   が、固定部に取付けるための取付け板に取付けられ、上
   記サスペンション板の他端に磁気ヘッドを備える摺動部
   が取付けられて成る磁気ヘッド装置の収納ケースであっ
   て、一の収納ケースの上に他の収納ケースが互いに嵌合
   するように重ね合わせ可能な磁気ヘッド装置の収納ケー
   スにおいて、 上記一の収納ケースの上に上記他の収納ケースが互いに
   嵌合するように重ね合わされたときに、上記磁気ヘッド
   装置の取付け板が上記一の収納ケースの一の所定部分及
   び上記他の収納ケースの他の所定部分で挟持されると共
   に、上記摺動部が上記一の収納ケースの内面に押付けら
   れるように、上記サスペンション板にプリテンションが
   掛けられた状態で、上記磁気ヘッド装置が収納されるよ
   うにしたことを特徴とする磁気ヘッド装置の収納ケー
   ス。
2. 【請求項２】 上記磁気ヘッド装置の両側を規制し、少
   なくとも一方が他の隣接する磁気ヘッド装置との間の共
   通の仕切りと成る対を成す規制手段が設けられて、複数
   の上記磁気ヘッド装置が収納可能とされて成ることを特
   徴とする請求項１記載の磁気ヘッド装置の収納ケース。
3. 【請求項３】 板状体のプレス成形機による加工によっ
   て形成されて成ることを特徴とする請求項１又は２に記
   載の磁気ヘッド装置の収納ケース。