JPH0374658B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0374658B2
JPH0374658B2 JP61224839A JP22483986A JPH0374658B2 JP H0374658 B2 JPH0374658 B2 JP H0374658B2 JP 61224839 A JP61224839 A JP 61224839A JP 22483986 A JP22483986 A JP 22483986A JP H0374658 B2 JPH0374658 B2 JP H0374658B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
reaction
catalyst
mol
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP61224839A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6383065A (ja
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed filed Critical
Priority to JP22483986A priority Critical patent/JPS6383065A/ja
Priority to DE3789557T priority patent/DE3789557T2/de
Priority to KR1019870008444A priority patent/KR910007883B1/ko
Priority to ES198787306799T priority patent/ES2028085T3/es
Priority to DE8787306799T priority patent/DE3776464D1/de
Priority to EP90202480A priority patent/EP0415506B1/en
Priority to EP87306799A priority patent/EP0257831B1/en
Priority to CA000547541A priority patent/CA1305965C/en
Publication of JPS6383065A publication Critical patent/JPS6383065A/ja
Priority to US07/289,237 priority patent/US4851547A/en
Publication of JPH0374658B2 publication Critical patent/JPH0374658B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pyrrole Compounds (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はマレイミド類の製造方法に関するもの
である。マレイミド化合物は、樹脂原料、医薬、
農薬などの原料として使用な化合物であるが、本
発明は、その有利な製造方法を提供するものであ
る。
〔従来の技術〕 マレイミド類の製造方法については古くから研
究されている。
その中で最も一般的な方法は、マレインアミド
酸を無水酢酸のような脱水剤を用いて脱水環化せ
しめマレイミドを製造する方法であり、たとえば
米国特許第2444536号明細書にも開示されている。
即ち、無水マレイン酸とアミン化合物とを反応
させ、生成するマレインアミド酸を無水酢酸およ
び酢酸ナトリウムの存在下で、脱水閉環イミド化
させる方法である。この方法はイミド化反応に於
いて、高価な無水酢酸をマレインアミド酸に対し
当量以上必要とし、さらに、イミド化反応後の液
から生成したマレイミドを分離・回収する際に多
くの水を必要とすることから酢酸を含有する大量
の廃水を生じ、これを無害化処理するのに、多大
の費用を要する欠点を有する。かかる理由から、
この方法は工業的にイミド化合物を製造するには
余りにも高価な方法と言わざるをえない。
また、特開昭53−68770号公報明細書のように、
無水マレイン酸とアミン化合物とを有機溶媒中で
反応せしめ生成したマレインアミド酸を単離する
ことなしにジメチルホルムアミド、ジメチルスル
ホキシドなどの非プロトン性極性溶媒および酸触
媒の共存下で脱水閉環反応させる方法もある。し
かしながらこの方法は、高価でかつ毒性のあるジ
メチルホルムアミドなどの非プロトン性極性溶媒
を多く用いるために、マレイミドの製造コストが
高くなつてしまうこと、および反応に用いる酸触
媒の作用によりジメチルホルムアミドなどの溶媒
が変質してしまうために、損失が大きくなるこ
と、さらにこれら非プロトン性極性溶媒の沸点が
高いために製品マレイミドの中から、これら溶媒
を除去することが困難であるなどの問題を有して
おり、すぐれた方法とは言えない。
さらに、特公昭51−40078号公報明細書に開示
されているように、希釈剤として沸点80℃以上の
たとえばトルエン、キシレン、クロルベンゼンな
どの溶媒およびクロルスルホン酸、p−トルエン
スルホン酸、ベンゼンスルホン酸、オルソリン
酸、ピロリン酸、亜リン酸などの酸触媒と共に加
熱脱水閉環させ、この時生成する水を溶媒との共
沸により系外に留去する方法もある。この方法
は、前記2つの方法に比べて無水酢酸のような高
価な脱水剤を多量に必要としないばかりでなく、
生成マレイミドの分離・回収が容易であるという
点がすぐれている。
しかしながら、この方法においてはクロロスル
ホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼルスル
ホン酸、オルソリン酸、ピロリン酸、亜リン酸な
どの様な高価な酸触媒を比較的多く用いている
し、しかもマレイミド類の収率も低く工業的製法
としては経済的に満足できるものではない。
他方、特開昭54−30155号公報明細書には無機
又は有機酸含有の酸とこの酸の第4アンモニウム
塩との混合物を触媒とするオリゴイミドの製造方
法が開示されている。
しかしこの方法において酸触媒と混合して用い
られる第4アンモニウム塩はその窒素原子が少く
とも2置換せしめられてなるアンモニウム塩であ
り、たとえばメタンスルホン酸ジメチルジアルキ
ルアンモニウム、メタンスルホン酸、テトラオク
チルアンモニウムなどの高価な相間移動触媒であ
る。したがつてかかる化合物を使用することは余
りにも高価な方法と言わざるをえない。
この方法においてはまた、良好なイミド化収率
を維持するためには酸触媒と第4アンモニウム塩
の比率をある範囲に限定して反応させることが必
須である。しかしながら、一度反応に使用した触
媒はこれら比率が変化してしまうために、次にそ
のまま再度使用しても良好なイミド化収率を得る
ことは出来ない。
したがつて触媒を再度使用するためには触媒を
精製調整しなおすなど触媒活性の維持管理に多大
の労力を要するという問題がある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
このような、現在存在するマレイミド類の製造
方法は、多くの問題を有しており工業的に実施す
るにあたり満足出来るものではない。
かくして、本発明の目的は上記方法に比較して
純度の高いマレイミド類を完全かつ単純な方法で
安価に製造する方法を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者は長くマレイミド類の合成反応につい
て研究を続けてきた。その中で特に閉環イミド化
反応に用いる触媒について鋭意検討してきた結
果、マレイミド類の原料アミンと酸との中和反応
によつて生じるアミン塩と酸との混合物が水不溶
性ないし水不混和性の不活性有機溶媒中における
閉環イミド化反応に対して著しく高い選択性を有
する触媒作用を示すことを見出し本発明を完成す
るにいたつた。
従来、閉環イミド化反応に対し有機または無機
の強酸が最もすぐれた触媒作用を示すと信じられ
ていたことからかかる酸との中和反応によつて生
じたアミン塩と酸との混合触媒系が、従来用いら
れていたような酸単独触媒系よりもすぐれた選択
性を示すということは全く驚くべきことであると
言わざるをえない。
すなわち、本発明は、マレイン酸無水物とアミ
ン類からえられるマレインアミド酸を脱水閉環さ
せてマレイミド類を製造するに際し、触媒とし
て、当該原料アミンと無機または有機の酸からえ
られるアミン塩、および、無機または有機の酸と
の混合物からなりかつ該混合物中のアミン塩含有
量が40〜80モル%である混合触媒を用い、マレイ
ンアミド酸を水不溶性または水不混和性の不活性
有機溶媒中加熱し閉環イミド化反応させることを
特徴とするマレイミド類の製造方法である。
本発明の最も特徴とするところは閉環イミド化
反応において硫酸、オルソリン酸、ピロリン酸、
p−トルエンスルホン酸などの酸触媒の代わり
に、マレイミド類の製造時に原料として用いられ
るアミン類と無機あるいは有機の一塩基酸あるい
は多塩基酸との中和反応によつて生成せしめたア
ミン塩と無機あるいは有機の一塩基酸あるいは多
塩基酸との混合物を触媒として使用することにあ
る。
また場合により閉環イミド化反応において金属
含有化合物や安定剤を共存させて反応を行なうこ
とも出来る。
本発明が用いるマレインアミド酸は、通常無水
マレイン酸と第1アミン類との反応により容易に
えられるもので、下記一般式で表わされる。
[式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、フエ
ニル基、ベンジル基、シクロヘキシル基、ピリジ
ル基、キノリル基およびこれらの基にハロゲン置
換、カルボキシル基置換、ニトロ基置換のあるも
のの中から選ばれるものである。] とくに本発明が使用するマレインアミド酸の原
料として好適な第1アミン類として列挙すれば以
下の如くである。
メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルア
ミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、
sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、n−
ヘキシルアミン、n−ドデシルアミン、アリルア
ミン、ベンジルアミン、シクロヘキシルアミン、
アニリン、ニトロアニリン、アミノフエノール、
アミノ安息香酸、アニシジン、エトキシフエニル
アミン、モノクロルアニリン、ジクロルアニリ
ン、トルイジン、キシリジン、エチルアニリン
等々。
マレインアミド酸の合成はほぼ化学量論的に行
なわれ、無水マレイン酸1モルに対してアミン1
モルが好ましいが0.8〜1.5モル、好ましくは0.9〜
1.2モルの範囲で反応させて可能である。無水マ
レイン酸に対してアミン化合物がさらに過剰の場
合は、そのままイミド化反応に供する際に触媒と
して使用される酸触媒を必要以上に多く使用しな
ければならず、またイミド化反応において副反応
生成物を多く生成せしめイミド化反応に収率が低
くなつてしまうので、上記範囲が好ましい。
さらに、本発明において用いられる有機溶媒
は、水に不溶性ないし不混和性でかつ不活性であ
り反応に関与しない溶媒がよく、たとえばベンゼ
ン、トルエン、沸点50〜120℃の石油留分、キシ
レン類、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼ
ン、クメン、メシチレン、tert−ブチルベンゼ
ン、プソイドクメン、トリメチルヘキサン、オク
タン、テトラクロルエタン、ノナン、クロルベン
ゼン、エチルシクロヘキサン、沸点120〜170℃の
石油留分、m−ジクロルベンゼン、sec−ブチル
ベンゼン、p−ジクロルベンゼン、デカン、p−
シメン、o−ジクロルベンゼン、ブチルベンゼ
ン、デカハイドロナフタリン、テトラハイドロナ
フタリン、ドデカン、ナフタリン、シクロヘキシ
ルベンゼン、沸点170〜250℃の石油留分等があ
る。この溶媒の使用量は反応を円滑に行ないかつ
経済的条件を満足させる点からマレインアミド酸
に対して1〜20倍量(容量)、好ましくは3〜7
倍量使用される。
また、マレイミド類の溶解度、価格、取扱いや
すさ等も考慮しながら反応条件に合つた沸点を有
するものが選ばれる。さらに反応終了後のマレイ
ミド類と溶媒との分離を考えると、低沸点の溶媒
を使用して加圧下で反応せしめた方が有利な場合
もある。
触媒としては硫酸、p−トルエンスルホン酸、
オルソリン酸、メタリン酸、ピロリン酸、ベンゼ
ンスルホン酸、トリクロロ酢酸などの無機あるい
は有機の一塩基酸あるいは多塩基酸とマレイミド
類製造時の原料であるアミン類とを中和反応させ
ることによつてえられたアミン塩およびこれらの
無機あるいは有機の一塩基酸あるいは多塩基酸と
の混合物が用いられる。
また混合触媒中アミン塩成分は40〜80モル%の
範囲で存在せしめれば好結果を与える。
なお、混合触媒の使用量はマレインアミド酸に
対して2〜400モル%、好ましくは20〜200モル%
の範囲である。
また場合により金属含有化合物および安定剤を
共存させて反応させてもよい。
上記のようにして製造されたアミン塩と酸との
混合触媒系は本発明に用いられる有機溶媒には溶
解しないため、反応系は実質、有機層と触媒層と
2層に分離した状態となる。この状態は反応中も
反応終了時においても同様であり、加えて触媒と
してのアミン塩と酸との混合触媒系は実質的に反
応の前後においてほとんど変化しない。したがつ
てかかる混合触媒系そのものは次の反応に際し回
収あるいは精製しないでそのまま利用出来る。
この触媒層を次の反応に使用する場合、反応後
の有機層と触媒層とを120〜250℃の範囲の温度に
て分離し触媒層をそのまま次の反応に用いてもよ
いし、あるいは触媒層に水を5〜20重量%混合し
て温度および粘度を下げ、取扱いやすい水溶液の
形で添加してもよい。
また場合により金属含有化合物や安定剤を反応
系に共存させて反応させることも出来る。この時
使用される金属含有化合物として、亜鉛、クロ
ム、パラジウム、コバルト、ニツケル、鉄および
アルミニウムよりなる群から選ばれた少なくとも
1種の金属酸化物、酢酸塩、マレイン酸塩、コハ
ク酸塩、硝酸塩、リン酸塩、塩化物および硫酸塩
等から選択されるが、これらのうち特に有効であ
るのは、酢酸亜鉛である。これらの使用量はマレ
インアミド酸1モルに対し、金属として0.005〜
0.5モル%であり、好ましくは0.01〜0.1モル%で
ある。
さらに安定剤として、メトキシベンゾキノン、
p−メトキシフエノール、フエノチアジン、ハイ
ドロキノン、アルキル化ジフエニルアミン類、メ
チレンブルー、tert−ブチルカテコール、tert−
ブチルハイドロキノン、ジメチルジチオカルバミ
ン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジブ
チルジチオカルバミン酸銅、サリチル酸銅、チオ
ジプロピオン酸エステル類、メルカプトベンズイ
ミダゾール、トリフエニルホスフアイト、アルキ
ルフエノール類、アルキルビスフエノール類など
が用いられる。
これら安定剤の効果はイミド化反応により生成
したマレイミド化反応の高温下において変質する
ことなく安定に存在せしめる役割を果している。
その添加量についていえば、微量の添加は効果
がうすく、また逆に過剰の添加は製品中への混入
が問題となるため望ましくない。したがつて、こ
れらの使用量は、マレインアミド酸1モルに対し
て0.005〜0.5モル%であり、好ましくは0.05〜0.3
モル%である。
本発明の実施方法としては、まず、無水マレイ
ン酸の有機溶媒の溶液に、アミン化合物を加え、
150℃以下、好ましくは30〜120℃で、15〜120分
間反応させることによりマレインアミド酸をえ
る。次に、マレインアミド酸を単離することなし
に前記の塩と酸との混合触媒、あるいは反応系か
ら分離した塩と酸との混合触媒層を添加し、また
場合により金属含有化合物および/または安定剤
を加え、120〜250℃、好ましくは130〜220℃で1
時間〜15時間加熱し、生成した水は共沸蒸留によ
つて系外に留去せしめながら反応を行なうことに
よりあるいは、反応終了後に系外に留去せしめる
ことにより高収率にマレイミド類を製造すること
ができる。
以上、本発明について説明したが、本発明によ
りえられる利点は以下のとおりである。
マレイミド類の製造時の原料であるアミン類
と無機あるいは有機の一塩基酸あるいは多塩基
酸との中和反応によつて生成したアミン塩と酸
との混合触媒系が閉環イミド化反応に対して高
い選択率の触媒作用を有するため、高純度のマ
レイミド類を高い収率で得ることができる。
触媒として用いるアミン塩と酸との混合触媒
系が安定であるために反応にくりかえし使用で
きるため、触媒の費用がほとんど無視できる。
触媒のくりかえし使用するために使用済の触
媒の無公害化処理が実質的に不必要となり、ク
ローズドシステムのため触媒の廃棄等による環
境問題の心配がない。
以上〜のように安く安全かつ簡単にマレイ
ミド類を製造することができる。
以下本発明を実施例によつてさらに詳しく説明
する。
実施例 1 300c.c.マイヤーフラスコ中にオキソキシレン100
gとオルソリン酸60gを分散させた。次にマイヤ
ーフラスコを水浴中にて冷却させながらシクロヘ
キシルアミン37gを滴下せしめオルソリン酸モノ
シクロヘキシルアミン塩とオルソリン酸との混合
触媒としての白色キシレンスラリー溶液をえた。
尚、この混合触媒中のアミン塩の量は60.9モル%
である。
他方、温度計、水分離器を備えた冷却管、滴下
ロートおよび撹拌機を備えたフラスコにオルソキ
シレン100gを仕込み、これに無水マレイン酸100
gを加えてフラスコ内の温度を100℃にして無水
マレイン酸を溶解した。
ついで、オルソキシレン600gにシクロヘキシ
ルアミン100gを溶解した溶液を撹拌下に1時間
で全量滴下してN−シクロヘキシルマレインアミ
ド酸のオキソキシレンのスラリー液を合成した。
次にこのスラリー液に上記のアミン塩とオルソ
リン酸との混合スラリー液全量(混合触媒の量は
マレインアミド酸に対して60.7モル%に相当す
る)およびジプチルジチオカルバミン酸銅0.1g
を加えて、加熱して撹拌下143℃に保ち、反応に
より生成する水をオキソキシレンと共に系外に留
去せしめながら7時間反応させた。反応終了後
143℃で反応液から下層分離した触媒層を分離除
去した。
続いて反応液を60℃に降温して100gの水を加
えて30分間撹拌水洗し水層を分離した。この操作
を2回くりかえしたのち、有機層から10mmHg
(abs)の減圧下オキソキシレンを留去した。
次にフラスコ中に新たに0.3gのジブチルジチ
オカルバミン酸銅を加え、5mmHg(abs)の減圧
下、内温130〜150℃に保ちながら30分かけてN−
シクロヘキシルマレイミドの蒸留を行つた。その
結果、彩やかな白色の結晶171gのN−シクロヘ
キシルマレイミドをえた。このものの純度は99.8
重量%であり、収率は原料シクロヘキシルアミン
に対して94.4モル%に相当する。
次に触媒として反応系から分離した触媒層を用
いた以外は全く同じように反応操作をくりかえし
たところN−シクロヘキシルマレイミドの彩やか
な白色の結晶171gをえた。このものの純度は
99.8重量%であり、収率は原料シクロヘキシルア
ミンに対して94.4モル%に相当する。
実施例 2 300c.c.マイヤーフラスコ中にp−シメン100gと
オルソリン酸100gを分散させた。次にマイヤー
フラスコを水浴中にて冷却させながらn−ブチル
アミン56gを滴下せしめ、オルソリン酸のブチル
アミン塩とオルソリン酸との混合白色スラリー溶
液をえた。尚、この混合触媒中のアミン塩の量は
75.0モル%に相当する。
他方、1のガラスフラスコ温度計、撹拌機お
よび水分離器を取付けた反応器を用意した。
次に、無水マレイン酸粉末53gをp−シメン50
gに溶解せしめた液を上記反応器に仕込んだ。つ
づいて反応器内部の温度を130℃に調整しn−ブ
チルアミン40gをp−シメン400gに溶解した液
を30分かけて少しずつ滴下し、N−(n−ブチル)
マレインアミド酸のスラリー液を合成した。
かくしてえられたスラリー液に、上記混合触媒
スラリー液全量(混合触媒の量はマレインアミド
酸に対して186.5モル%に相当する)、酢酸亜鉛
0.034gおよびp−メトキシフエノール0.0065g
を添加し、180℃の温度にて生成水をp−シメン
とともに留去させつつ3時間反応させた。反応終
了後の反応液の重量は620gであり、この中のN
−(n−ブチル)マレイミドの濃度を測定したと
ころ11.5重量%であり、これは原料n−ブチルア
ミンに対して85.1モル%に相当する。
続いて反応系から分離した触媒層を用いた以外
は全く同じように反応操作をくりかえしたところ
反応液625gをえた。この中のN−(n−ブチル)
マレイミドの濃度を測定したところ11.6重量%で
あり、これは86.5モル%に相当する。
実施例 3 300c.c.マイヤーフラスコ中にオルソリン酸60g
を入れた。次にこのマイヤーフラスコを水浴中に
て冷却させながらシクロヘキシルアミン46gを滴
下せしめ、リン酸シクロヘキシルモノアミンとリ
ン酸との粘ちような混合触媒スラリー液をえた。
尚、この混合触媒中のアミン塩の量は75.8モル%
である。
他方温度計、冷却管、滴下ロート、および撹拌
機を備えた1のガラス製オートクレーブにキシ
レン100gを仕込み、これに無水マレイン酸100g
を加えてフラスコ内の温度を100℃にして無水マ
レイン酸を溶解した。
ついでキシレン400gにシクロヘキシルアミン
100gを溶解した溶液を撹拌下に30分で滴下して
N−シクロヘキシルマレインアミド酸の上記溶媒
のスラリー液を合成した。
次に上記スラリー液に上記混合触媒スラリー全
量(混合触媒の量はマレインアミド酸に対して
60.7モル%に相当する)を加えて密閉系で水を系
外に留出せしめることなく加熱し内温を152℃に
保持し3時間反応せしめた。この時系内の圧力は
反応初期1.2atmであつたものが3時間後には
7.0atmとなつた。
反応終了後冷却し、内温を130℃にしたのち、
常圧にもどし反応物を取り出し静置したところ反
応液は有機層と触媒層の2層に明確に分離した。
この有機層の重量は660gであり、この中のN−
シクロヘキシルマレイミド含有量は、ガスクロマ
トグラフイーでの測定によれば24.6重量%であつ
た。これは原料シクロヘキシルアミンに対して
89.8モル%に相当する。
続いて反応系から分離したアミン塩と酸との混
合触媒層を用いた以外は全く同じ操作をくりかえ
したところ有機層として664gをえた。この中の
N−シクロヘキシルマレイミド含有量は24.5重量
%であつた。これは原料シクロヘキシルアミンに
対して90.0モル%に相当する。
比較例 1 無水マレイン酸98gをトルエン500gに溶解し
た溶液にシクロヘキシルアミン99.2gを撹拌下に
50〜70℃で滴下した。滴下終了後2時間撹拌し、
N−シクロヘキシルマレインアミド酸をえた。つ
づいてこの溶液にメタンスルホン酸14g、メタン
スルホン酸−N−シクロヘキシルマレインアミド
酸塩8.7gおよびN−メチルピロリドン15gを加
え115℃にて3.5時間還流下生成水をトルエンとの
共沸留分として除しつつ反応した。
そののち、無水酢酸15gを添加し、30分反応を
させたのち、60℃に降温し反応液を過し不溶性
の不純物、触媒、未反応のN−シクロヘキシルマ
レインアミド酸などを除去した。続いて液に
200gの水を加え30分間撹拌水洗し、水層を分離
した。この操作を2回くりかえしたのち、有機層
から30mmHg(abs)の減圧下トルエンを留去した
ところかつ色のシクロヘキシルマレイミドを含む
固体172gをえた。GPC分析によるとN−シクロ
ヘキシルマレイミドの含有量は10.0重量%であ
り、N−シクロヘキシルマレイミドの収率はシク
ロヘキシルアミンに対し9.6モル%であつた。な
お反応液のガスクロマトグラフイーによる分析結
果も同様の収率を示した。
比較例 2 比較例1の方法においてシクロヘキシルアミン
の代わりにn−ブチルアミン73g、反応触媒とし
てメタンスルホン酸14gとメタンスルホン酸トリ
ブチルアミン塩8.4gを用い、極性溶媒としてN
−メチルピロリドンの代わりにジメチルホルムア
ミドを用いた以外は全く同様の反応操作をしたと
ころかつ色油状のN−n−ブチルマレイミドを含
む液体151gが得られた。
GPC分析によるとN−n−ブチルマレイミド
の含有量は13.4重量%であり、収率は原料n−ブ
チルアミンに対して13.2モル%であつた。
なおこのものの水洗後の反応液のガスクロマト
グラフイーによる分析によつても同様の収率であ
ることが判明した。
比較例 3 無水マレイン酸43.1gをクロルベンゼン331.8
gに溶解した溶液にシクロヘキシルアミン39.7g
を加え、40℃で1時間反応させた。
この結果えられたN−シクロヘキシルマレイン
アミド酸のスラリー液にジメチルアセトアミド12
c.c.とトリクロル酢酸2gを加えて135℃まで加熱
し反応により生成する水を溶媒と共に除去しなが
ら6時間反応させた。
反応終了後、反応液を402gえた。この反応液
中のN−シクロヘキシルマレイミドをガスクロマ
トグラフイーで分析したところN−シクロヘキシ
ルマレイミドが2.2重量%含有されていた。
このN−シクロヘキシルマレイミドの収率は原
料シクロヘキシルアミンに対して12.3モル%に相
当する。
比較例 3 実施例1において、オルソリン酸モノシクロヘ
キシルアミン塩とオルソリン酸との混合物を調整
するに際し、シクロヘキシルアミンを7g用いた
以外は全く同様の操作をして混合触媒を得た。こ
の混合触媒中のアミン塩の含有量は11.5モル%で
ある。
この触媒を用いて反応したところ、反応後下層
に分離した触媒層上に白色結晶が多くたい積して
おり、この物質の赤外線吸収スペクトルによる分
析の結果フマル酸であることがわかつた。これか
ら明らかに当該反応において副反応が多く起つて
いることが予想される。
最終的に純度99.8重量%の白色結晶のN−シク
ロヘキシルマレイミド102gがえられ、これは原
料シクロヘキシルアミンに対して56.8モル%の収
率に相当する。
比較例 4 実施例1において、オルソリン酸60gだけを用
いた以外は全く同様の操作をしたところ、白色結
晶のN−シクロヘキシルマレイミド83gがえられ
た。これは原料シクロヘキシルアミンに対して
45.8モル%の収率に相当する。
また、反応後の触媒層の様子は比較例3と同様
であつた。
比較例 5 実施例1において、オルソリン酸モノクロヘキ
シルアミン塩とオルソリン酸との混合物の代わり
にオルソリン酸60gと0−クロルアニリン47gと
の反応からえられたオルソリン酸モノクロルアニ
リン塩とオルソリン酸との混合物を触媒として用
いた以外は全く同様の操作をしたところ、白色結
晶のN−シクロヘキシルマレイミド80gをえた。
これは原料シクロヘキシルアミンに対して44.3モ
ル%の収率に相当する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 マレイン酸無水物とアミン類からえられるマ
    レインアミド酸を脱水閉環させてマレイミド類を
    製造するに際し、触媒として当該原料アミンと無
    機または有機の酸からえられるアミン塩、およ
    び、無機または有機の酸との混合物からなりかつ
    該混合物中のアミン塩含有量が40〜80モル%であ
    る混合触媒を用い、マレインアミド酸を水不溶性
    または水不混和性の不活性有機溶媒中加熱し閉環
    イミド化反応させることを特徴とするマレイミド
    類の製造方法。
JP22483986A 1986-07-31 1986-09-25 マレイミド類の製造方法 Granted JPS6383065A (ja)

Priority Applications (9)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22483986A JPS6383065A (ja) 1986-09-25 1986-09-25 マレイミド類の製造方法
EP90202480A EP0415506B1 (en) 1986-07-31 1987-07-31 Method for production of maleimides
KR1019870008444A KR910007883B1 (ko) 1986-07-31 1987-07-31 말레이미드류의 제조방법
ES198787306799T ES2028085T3 (es) 1986-07-31 1987-07-31 Metodo para la produccion de malemidas.
DE8787306799T DE3776464D1 (de) 1986-07-31 1987-07-31 Verfahren zur herstellung von maleimiden.
DE3789557T DE3789557T2 (de) 1986-07-31 1987-07-31 Verfahren zur Herstellung von Maleimid.
EP87306799A EP0257831B1 (en) 1986-07-31 1987-07-31 Method for production of maleimides
CA000547541A CA1305965C (en) 1986-09-25 1987-09-22 Method for production of maleimides
US07/289,237 US4851547A (en) 1986-07-31 1988-12-23 Method for production of maleimides

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22483986A JPS6383065A (ja) 1986-09-25 1986-09-25 マレイミド類の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6383065A JPS6383065A (ja) 1988-04-13
JPH0374658B2 true JPH0374658B2 (ja) 1991-11-27

Family

ID=16819985

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22483986A Granted JPS6383065A (ja) 1986-07-31 1986-09-25 マレイミド類の製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JPS6383065A (ja)
CA (1) CA1305965C (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0774195B2 (ja) * 1987-02-07 1995-08-09 新日本理化株式会社 N−置換−α,β−不飽和ジカルボン酸環状イミドの製造方法
JPH0774200B2 (ja) * 1990-08-22 1995-08-09 大八化学工業株式会社 N―置換マレイミド類の製造方法
KR101068998B1 (ko) * 2008-08-11 2011-09-30 금호석유화학 주식회사 N-치환 말레이미드류의 제조방법

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60109562A (ja) * 1983-11-17 1985-06-15 Daihachi Kagaku Kogyosho:Kk Ν−置換モノマレイミドの製造方法
JPS62273952A (ja) * 1986-05-21 1987-11-28 Mitsui Petrochem Ind Ltd N−フエニルマレイミドの製造方法
JPS62273951A (ja) * 1986-05-21 1987-11-28 Mitsui Petrochem Ind Ltd N−アリ−ルマレイミド類の製造方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60109562A (ja) * 1983-11-17 1985-06-15 Daihachi Kagaku Kogyosho:Kk Ν−置換モノマレイミドの製造方法
JPS62273952A (ja) * 1986-05-21 1987-11-28 Mitsui Petrochem Ind Ltd N−フエニルマレイミドの製造方法
JPS62273951A (ja) * 1986-05-21 1987-11-28 Mitsui Petrochem Ind Ltd N−アリ−ルマレイミド類の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
CA1305965C (en) 1992-08-04
JPS6383065A (ja) 1988-04-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101068998B1 (ko) N-치환 말레이미드류의 제조방법
EP0165574B1 (en) Method for production of maleimides
EP0257831B1 (en) Method for production of maleimides
JPH0140028B2 (ja)
EP0334497B1 (en) Method for production of maleimides
KR910003006B1 (ko) 말레이미드의 제조방법
JPH0374658B2 (ja)
JPH0427227B2 (ja)
JPS6263562A (ja) マレイミド類の製法
JPH075547B2 (ja) マレイミド類中の酸成分の低減方法
JPS6263561A (ja) マレイミド類の製造方法
CA1319696C (en) Method for production of maleimides
JP3009245B2 (ja) N−置換マレイミドおよびその製造方法
JPS6335559A (ja) マレイミド類の製造方法
JPS60112759A (ja) Ν−フエニルマレイミド類の製造法
JPH01283264A (ja) N−置換マレイミド類の製造方法
JPH0611755B2 (ja) マレイミド類の製造方法
JP3085609B2 (ja) ビスマレイミド類の製造方法
JPS63122666A (ja) N−置換マレイミド類の製造方法
JPH0319224B2 (ja)
JPH09309870A (ja) 芳香族ニトリルとポリフルオロベンゼンの製造方法
JPH02142763A (ja) 芳香族ニトリル類の製造方法
JPH04221365A (ja) N−置換マレイミド類の製造法
JPH0429971A (ja) 酒石酸イミド類の製造方法
JPH04202178A (ja) マレイミド類を製造する方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees