JPH075547B2 - マレイミド類中の酸成分の低減方法 - Google Patents

マレイミド類中の酸成分の低減方法

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JPH075547B2
JPH075547B2 JP1190657A JP19065789A JPH075547B2 JP H075547 B2 JPH075547 B2 JP H075547B2 JP 1190657 A JP1190657 A JP 1190657A JP 19065789 A JP19065789 A JP 19065789A JP H075547 B2 JPH075547 B2 JP H075547B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はマレイミド類の製造方法に関するものである。
マレイミド化合物は、樹脂原料、医薬農薬などの原料と
して有用な化合物であるが、本発明は酸成分の含有量の
少ない高品質のマレイミド類の有利な製造方法を提供す
るものである。
(従来の技術) マレイミド類は特に耐熱樹脂原料として有用な化合物で
あり、近年ABS樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリメチル
メタクリレート樹脂などの耐熱性向上のために共重合成
分の1つとして多く用いられている。
このようなマレイミド系樹脂の製造方法として多くの場
合、乳化重合法、けんだく重合法などが採用されてい
る。ところがこれら重合法において重合系への酸成分の
混入は重合系を不安定にし凝固、合一などをひきおこす
ため好ましくないことが知られている。
また、かかる酸成分の重合系への混入はマレイミド類の
製造工程中において副生したマレイン酸、フマル酸など
の不純物がマレイミド類製品中に多く含有されているこ
とが大きな原因となっている。
また、それだけでなく、このような酸成分がABS樹脂、
ポリメチルメタクリレート樹脂等の樹脂製品中へ混入し
た場合は当該酸成分が加熱により容易に分解してしまう
ために樹脂を著るしく着色させたり、樹脂製品中に銀条
を発生させるために樹脂そのまのの商品価値を著るしく
低下させてしまうという問題がある。
このような理由からマレイミド類中の酸成分の含有量に
ついては厳しく規制されているのが現状である。
他方、マレイミド類の製造方法については古くから多く
の方法が知られている。特公昭51-40078号には、マレイ
ンアミド酸を希釈剤として沸点80℃以上のたとえばトル
エン、キシレン、クロルベンゼンなどの溶媒およびクロ
ルスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスル
ホン酸、オルソリン酸、ピロリン酸、亜リン酸などの酸
触媒と共に加熱脱水閉環させ、この時生成する水を溶媒
との共沸により系外に留去させることにより、マレイミ
ド類を製造する方法が開示されている。また、特開昭61
-5066号にはマレインアミド酸を水と共沸可能な有機溶
媒中酸触媒、金属化合物および安定剤の共存下生成した
水を系外に留出させながら反応させることによりマレイ
ミド類を製造する方法が開示されている。
(発明が解決しようとする課題) このようにして製造されたマレイミド類から酸成分を除
去するためにマレイミド類を含む有機溶媒層を水洗する
ことが提案されている。しかしながら、上述のような方
法で製造されたマレイミド類の有機溶媒層中には反応中
に副生した少量の、水および有機溶媒双方に溶解しにく
い不純物が存在しており、かかる不溶性の不純物が反応
液の水洗時に有機溶媒層中の水洗水粒子の安定化効果を
有しているため、水層と有機溶媒層が完全に混合して乳
化してしまうという問題がある。そのため、条件によっ
ては水層と有機溶媒層双方の分離ができなくなり、水洗
は不可能となる場合がある。
このような問題点を解決するために、通常イミド化反応
後にマレイミド類を含有する有機溶媒層を前もって濾過
することにより反応液中の水および有機溶媒に不溶性の
不純物を除去し、続いて水洗処理することが、行なわれ
ている。しかしながら、当該不溶解性の不純物は粘着性
物質であるために濾過器の濾面にのり状に固着し短時間
のうちに反応液の濾過を不可能にしてしまうのであっ
た。それゆえに、このようなトラブルを防止するために
ケイソウ土などの濾過助剤を用いて濾過が行なわれる
が、濾過を良好な状態に保つためには多量の濾過助剤を
必要とするために結果的に製造コストが高くなってしま
うという問題がある。
このように、現在酸成分の少ないマレイミド類を工業的
に安価に生産する方法は確立されていないと言っても過
言ではない。
従って、本発明の目的は、無水マレイン酸と第1級アミ
ン類とからえられるマレインアミド酸を水不溶性または
水不混和性の不活性有機溶媒中で酸触媒の存在下加熱
し、生成水を該有機溶媒との混合物として系外に留去し
つつ閉環イミド化反応させることによってマレイミド類
を製造するに際して、酸成分含有量の少ないマレイミド
類を取得する方法を提供することにあり、特にイミド化
反応後の反応液を水洗するに当り、濾過等の複雑な前処
理工程を必要としない容易かつ安価な改善された水洗処
理方法によって、酸成分の含有量の少ないマレイミド類
を取得できる方法を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは上記目的を達成すべく検討した結果、イミ
ド化反応において副生する水および有機溶媒に不溶性ま
たは難溶性の不純物は意外にも比較的高い温度で水中で
容易に分解し、水溶性化合物に変化することを見い出
し、この知見に基づき本発明を完成した。
すなわち、本発明は、無水マレイン酸と第1級アミン類
とからえられるマレインアミド酸類を、水不溶性または
水不混和性の不活性有機溶媒中で酸触媒の存在下に加熱
し、生成水を該有機溶媒との混合物として系外に留去し
つつ、閉環イミド化せしめてえられた反応混合物をマレ
イミド類を含む有機溶媒層と触媒層とに分離し、該マレ
イミド類含有有機溶媒層を70℃以上の温度で水洗処理し
たのち有機溶媒層と水層とを分離することを特徴とする
マレイミド類中の酸成分の低減方法である。
本発明の最も特徴とするところはイミド化反応後の水洗
処理を70℃以上の温度で実施し、水および有機溶媒双方
に対して不溶解性の副反応生成物を水溶性化合物に容易
に分解せしめるところにある。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられるマレインアミド酸は、通常無水マレ
イン酸と第1級アミン類との反応により容易にえられる
もので、第1級アミン類としては、例えばメチルアミ
ン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピル
アミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert
−ブチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ドデシルア
ミン、アリルアミン、ベンジルアミン、シクロヘキシル
アミン、アニリン、ニトロアニリン、アミノフェノー
ル、アミノ安息香酸、アニシジン、エトキシフェニルア
ミン、モノクロルアニリン、ジクロルアニリン、トルイ
ジン、キシリジン、エチルアニリン、エチレンジアミ
ン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミ
ン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミ
ン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、
4,4′−ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,4′−ジア
ミノジフェニルメタン、ビス−p−(4−アミノフェノ
キシカルボニル)ベンゼン等を挙げることができるが、
これらに限定されるものではない。
本発明において用いられる有機溶媒は、水に不溶性ない
し不混和性でかつ不活性であり反応に関与しない溶媒が
よく、たとえばベンゼン、トルエン、沸点50〜120℃の
石油留分、キシレン類、エチルベンゼン、イソプロピル
ベンゼン、クメン、メシチレン、tert−ブチルベンゼ
ン、プソイドクメン、トリメチルヘキサン、オクタン、
テトラクロルエタン、ノナン、クロルベンゼン、エチル
シクロヘキサン、沸点120〜170℃の石油留分、m−ジク
ロルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、p−ジクロルベ
ンゼン、デカン、p−シメン、o−ジクロルベンゼン、
ブチルベンゼン、デカハイドロナフタリン、テトラハイ
ドロナフタリン、ドデカン、ナフタリン、シクロヘキシ
ルベンゼン、沸点170〜250℃の石油留分等がある。この
溶媒の使用量は反応を円滑に行ないかつ経済的条件を満
足させる点からマレインアミド酸に対して0.5〜20倍量
(重量)、好ましくは1〜7倍量使用される。
また、マレイミド類の溶解度、価格、取扱いやすさ等も
考慮しながら反応条件に合った沸点を有するものが選ば
れる。さらに反応終了後のマレイミド類と溶媒との分離
を考えると、低沸点の溶媒を使用し加圧下で反応せしめ
た方が有利な場合もある。
触媒としては硫酸、オルソリン酸、メタリン酸、ピロリ
ン酸などの一塩基酸あるいは多塩基酸および/またはマ
レイミド類製造時の原料であるアミン類と該酸とを中和
反応させることによってえられたアミン塩が用いられ
る。
また、これら触媒が固体担体に担持されていてもよい。
固体の担体としては、天然鉱物類、たとえばカオリン
類、クレー、滑石、チョーク、石英、ベントナイト、モ
ンモリロナイト、珪藻土等;合成鉱物たとえば高度に分
散した珪酸、アルミナ、珪酸塩、活性炭、石こう、ベン
ガラ、酸化チタン、シリカ、シリカ‐アルミナ、酸化ジ
ルコニウム等;天然の岩石たとえば方解石、大理石、軽
石、海泡石、ドロマイト等が用いられる。これらの無機
担体は粒状物あるいはそれを造粒、分級することによっ
てえられる粒状物あるいはハニカム状などの形で用いら
れる。
また、有機性の担体も使用することも可能で、ポリフル
オロカーボン、ポリスチレン、フェノール樹脂などの粒
状担体も使用することができる。
担体がケイソウ土、シリカゲルなどのように多孔質であ
る場合には特に良好な結果を得ることができる。たとえ
ば市販品の例として珪藻土としてはラヂオライト(商品
名.昭和化学工業株式会社製)、シリカゲルとしてはキ
ャリアクト、サイロイド、マイクロビーズシリカゲル
(商品名.フジ・デビソンケミカル社製)、ワコーゲル
(商品名.和光純薬工業株式会社製)、などをあげるこ
とができる。
これら触媒の使用量は含有される酸分としてマレインア
ミド酸に対して1〜200モル%、好ましくは10〜100モル
%の範囲である。また触媒としての酸のうち一部ないし
全部がアミンによって中和されていてもよい。
また場合により金属含有化合物や安定剤を反応系に共存
させて反応させることも出来る。この時使用される金属
含有化合物として、亜鉛、クロム、パラジウム、コバル
ト、ニッケル、鉄およびアルミニウムよりなる群から選
ばれた少くとも1種の金属酸化物、酢酸塩、マレイン酸
塩、コハク酸塩、硝酸塩、リン酸塩、塩化物および硫酸
塩等から選択されるが、これらのうち特に有効であるの
は、酢酸亜鉛である。これらの使用量はマレインアミド
酸1モルに対し、金属として0.005〜0.5モル%であり、
好ましくは0.01〜0.1モル%である。
さらに安定剤として、メトキシベンゾキノン、p−メト
キシフェノール、フェノチアジン、ハイドロキノン、ア
ルキル化ジフェニルアミン類、メチレンブルー、tert−
ブチルカテコール、tert−ブチルハイドロキノン、ジメ
チルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミ
ン酸銅、ジブチルジチオカルバミン酸銅、サリチル酸
銅、チオジプロピオン酸エステル類、メルカプトベンズ
イミダゾール、トリフェニルホスファイト、アルキルフ
ェノール類、アルキルビスフェノール類などが用いられ
る。
これら安定剤の効果はイミド化反応により生成したマレ
イミドをイミド化反応の高温下においても変質すること
なく安定に存在せしめる役割を果している。
その添加量についていえば、微量の添加は効果がうす
く、また逆に過剰の添加は製品中への混入が問題となる
ため望ましくない。したがって、これらの使用量は、マ
レインアミド酸1モルに対して0.001〜0.5モル%であ
る。
本発明の実施方法としては、まず、無水マレイン酸の有
機溶媒の溶液に第1級アミン類を加え、150℃以下、好
ましくは30〜120℃で、15〜120分間反応させることによ
りマレインアミド酸をえる。この場合、反応系に加える
無水マレイン酸全量の反応系に加えた第1級アミン類全
量に対するモル比が1を越え2以下、好ましくは1を越
え1.3以下で行なわれる。
次にマレインアミド酸を単離することなしに、前記の触
媒を加え、100〜250℃、好ましくは110〜220℃の温度に
て生成した水を溶媒との混合物として系外に留去せしめ
ながら反応が行なわれる。また、反応の途中に無水マレ
イン酸の一部を追加添加することも可能である。
このようにして製造されたマレイミド類を含有する反応
液は酸触媒から分離され70℃以上の温度で水洗処理され
る。
なお、この時用いられる分離方法としては、静置分離、
あるいはサイクロン、遠心分離、シックナーなど公知の
方法いずれも用いることができる。
また、水洗処理に用いられる水は下水、純水、上水に限
らず弱アルカリ性、弱酸性でもかまわない。使用される
水の量は、製造されるマレイミド類の種類、液濃度によ
っても相異なるが、原料として用いた原料第1級アミン
類に対して少なくとも10重量%以上を必要とする。
水洗処理される温度は反応中に生じた不溶性の物質を分
解し水に可溶性にするためには70℃以上でなければなら
ない。この温度より低い場合には可溶化までに長時間を
必要とするため得策ではない。
当該水洗処理は、回分式、連続式いずれの方法によって
も実施できる。
水洗処理ののち水層と有機層の混合物を静置させること
により2層に分液し有機溶剤層から水層を分離せしめ、
しかるのち有機層から有機溶媒を留出せしめることによ
り酸分含有量の著しく少ないマレイミド類を得ることが
できるのである。
(発明の効果) 以上、本発明について説明したが本発明の実施により複
雑な工程を必要とせず容易に安全にマレイミド類中の酸
成分を低減させることができるため極めて安価に酸含有
量の少ない高品質のマレイミド類を製造することができ
るのである。
(実施例) 以下、本発明を実施例によってさらに詳しく説明するが
本発明はこれらによって限定されるものではない。
実施例1 200ccのビーカー中にオルソリン酸20gを添加し次に粒状
シリカゲル担体(キャリアクト30、フジ・デビソンケミ
カル社製)を加えオルソリン酸を担持せしめた。
温度計、水分離器をそなえた冷却管、滴下ロートおよび
攪拌機をそなえたフラスコに無水マレイン酸55gをキシ
レン50gに溶解せしめた液を仕込んだ。次にフラスコ内
部の温度を80℃に調整しアニリン50gをキシレン400gに
溶解した液を30分かけて少しずつ添加しN−フェニルマ
レインアミド酸のキシレンスラリー液を合成した。
かくしてえられたスラリー液に前もってビーカー中にお
いて調整した触媒とジブチルジチオカルバミン酸銅0.1g
を添加し140℃にて3時間反応させた。
反応終了後、反応液を触媒層から分離した。分離した反
応液を85〜90℃に冷却し、87℃の150gの純水をこの反応
液に加えて5分間攪拌した。
次に攪拌を停止させたところ反応液層と水層はすみやか
に分離した。また、この両層の界面は極めて明確であり
両層の分離は容易であった。
つづいてこの操作をもう一度くりかえしたのち反応液層
からキシレンを留去せしめ92gの黄色の結晶をえた。
次に、この結晶を3mmHgの減圧下160℃で蒸留を行ない85
gの彩やかな黄色の結晶をえた。
この結晶を液体クロマトグラフィーで分析したところ下
記の組成を有していることがわかった。
N-フェニルマレイミド 99.5重量%以上 無水マレイン酸 0.01重量%以下 フマル酸 0.01 〃 N-フェニルマレアミン酸 0.01 〃 比較例1 実施例1において水洗した温度を50℃にした以外は同様
の操作を行なったところ、水洗処理時、反応液層と水層
とは乳化してしまい全く両層の分離はできなかった。な
お、この状態は一昼夜放置しても変わることはなかっ
た。
比較例2 実施例1において水洗処理に用いた水量を500gにし、水
洗処理温度を60℃にしたところ、水洗処理時、両層は完
全に乳化してしまい、両層の分離はできなかった。
実施例2 温度計、水分離器をそなえた冷却管、滴下ロートおよび
攪拌機をそなえたフラスコに無水マレイン酸47gをオル
ソキシレン200gに溶解せしめた液を仕込んだ。
次に、フラスコ内部の温度を80℃に調整し、アニリン50
gを30分かけて少しずつ添加し、黄白色のN−フェニル
マレインアミド酸のオルソキシレンスラリー液を合成し
た。
かくして得られたスラリー液に、オルソリン酸20g(水3
g含有)を添加し、133℃にて反応により生成してくる水
をオルソキシレンと共に系外に留出させながら2時間反
応させた。2時間後、生成した水の量は10.7gであり、
これは加えたマレイン酸が全部マレイミドに変化すると
したときに理論的に出るべき水の量の89%に相当してい
る。
次いで、さらに無水マレイン酸を11g添加し、反応を4
時間続けた。4時間の反応終了後、攪拌機を停止させて
触媒層とオルソキシレン層とを分離させた後、オルソキ
シレン層を抜き出した。
続いて、このオルソキシレン層を85℃に冷却し、85℃の
100gの純水を加えて内温80〜85℃の間で20分間攪拌をし
た。
攪拌を停止させたところ反応液層と水層はすみやかに分
離した。またこの両層の界面は極めて明確であり両層の
分離は容易であった。
つづいてこの操作をもう一度くりかえしたのち、反応液
層からキシレンを留去せしめ90gの黄色の結晶をえた。
次に、この結晶を3mmHgの減圧下160℃で蒸留を行ない84
gの彩やかな黄色の結晶をえた。
この結晶を液体クロマトグラフィーで分析したところ下
記の組成を有していることがわかった。
N-フェニルマレイミド 99.5重量%以上 無水マレイン酸 0.01重量%以下 フマル酸 0.01重量%以下 N-フェニルマレアミン酸 0.01 〃 実施例3 500ccビーカー中に硫酸100gを加えシリカゲル(ワコー
ゲルーC100,和光純薬工業株式会社製)200gを加え攪拌
しシリカゲルに酸触媒を担持せしめた。他方、1のガ
ラスフラスコに温度計、攪拌機および水分離器を取付け
た反応器を用意した。
次に、無水マレイン酸粉末53gをエチルベンゼン50gに溶
解せしめた液を上記反応器に仕込んだ。つづいて反応器
内部の温度を130℃に調整しn−ブチルアミン40gをエチ
ルベンゼン400gに溶解した液を30分かけて少しずつ滴下
し、N−(n−ブチル)マレインアミド酸のスラリー液
を合成した。
かくしてえられたスラリー液に、上記担持触媒全量、酢
酸亜鉛0.034gおよびp−メトキシフェノール0.065gを添
加し、130℃の温度にて生成水をエチルベンゼンととも
に留去させつつ1時間反応させた。
反応終了後、触媒層と反応液層を分離した。つづいて分
離した反応液層を80℃に冷却し、この反応液層に80℃の
純水100gを加えて10分間攪拌した。この間内温は75〜80
℃であった。水洗終了後、攪拌を停止させたところ反応
液層と水層とはすみやかに分離した。また、この両層の
界面は極めて明確であり両層の分離は全く容易であっ
た。
水洗処理後、反応液層をガスクロマトグラフィーで分離
したところマレイン酸は0.01重量%以下であり十分除去
されていることがわかった。
比較例3 実施例3において水洗処理温度を60℃にし、水洗時間を
60分にした以外は全く同様にしたところ水洗処理時両層
は乳化してしまい両層の分離は不可能であった。
比較例4 実施例2において、反応終了後、反応混合物を触媒層と
オルソキシレン層とに分離することなくそのまま85℃に
冷却し、85℃の純水100gを加えて内温80〜85℃の間で20
分間攪拌をした。
攪拌を停止させたところ反応液層と水層との界面付近は
固体粒子を含み、きわめて不明確であった。この状態は
1時間放置しても変わることはなかった。続いて、界面
が不明確のまま上層の透明な油層のみを回収し、この水
洗操作をもう一度繰り返した後、反応液層からキシレン
を留去せしめ76gの黄色の結晶を得た。次に、この結晶
を3mmHgの減圧下160℃で蒸留を行ない69gの黄色の結晶
を得た。
この結晶を液体クロマトグラフィーで分析したところ下
記の組成を有していることがわかった。
N-フェニルマレイミド 99.4重量% 無水マレイン酸 0.2重量% フマル酸 0.1重量% N-フェニルマレアミン酸 0.3重量%
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−40774(JP,A) 特開 昭63−111540(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無水マレイン酸と第1級アミン類とからえ
    られるマレインアミド酸類を、水不溶性または水不混和
    性の不活性有機溶媒中で酸触媒の存在下に加熱し、生成
    水を該有機溶媒との混合物として系外に留去しつつ、閉
    環イミド化せしめてえられた反応混合物をマレイミド類
    を含む有機溶媒層と触媒層とに分離し、該マレイミド類
    含有有機溶媒層を70℃以上の温度で水洗処理したのち有
    機層と水層とを分離することを特徴とするマレイミド類
    中の酸成分の低減方法。
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