JP2672060B2 - マレイミド化合物中の酸成分の低減方法 - Google Patents

マレイミド化合物中の酸成分の低減方法

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JP2672060B2
JP2672060B2 JP4340792A JP34079292A JP2672060B2 JP 2672060 B2 JP2672060 B2 JP 2672060B2 JP 4340792 A JP4340792 A JP 4340792A JP 34079292 A JP34079292 A JP 34079292A JP 2672060 B2 JP2672060 B2 JP 2672060B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、耐熱性樹脂原料等と
して有用なマレイミド化合物中の酸成分の低減方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】マレイミド化合物は、特に耐熱性樹脂原
料等として有用な化合物であり、近年、ABS樹脂、ポ
リ塩化ビニル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂など
の耐熱性向上のために共重合成分の1つとして多く用い
られている。マレイミド化合物の製造方法については、
古くから多くの方法が知られている。たとえば、特公昭
51-40078号には、トルエン、キシレン、クロロベンゼン
などの沸点80℃以上の有機溶媒を希釈剤として用い、ク
ロロスルホン酸、p- トルエンスルホン酸、ベンゼンス
ルホン酸、オルソリン酸、ピロリン酸、亜リン酸などの
酸触媒の存在下でマレインアミド酸類を加熱脱水閉環さ
せてマレイミド化合物を生成させた後、副生成した水を
前記有機溶媒との共沸により系外に留去することによ
り、マレイミド化合物を製造する方法が開示されてい
る。また、特開昭61-5066 号には、水と共沸可能な有機
溶媒中、酸触媒、金属含有化合物および安定剤の共存下
でマレインアミド酸類を反応させ、この反応により副生
成する水を系外に留出させながらマレイミド化合物を生
成させることによりマレイミド化合物を製造する方法が
開示されている。
【0003】これら従来の、マレイミド化合物の製造方
法では、水以外にマレイン酸、フマル酸などの酸成分が
副生する。そのため、得られたマレイミド化合物製品中
には、これらの酸成分が多く含有されている。マレイミ
ド系樹脂の製造方法としては、多くの場合、乳化重合
法、懸濁重合法などが採用されている。しかし、これら
の重合法において、共重合成分の1つとして用いられる
マレイミド化合物中には、上述したように酸成分が含有
されているため、重合系へ酸成分が混入する。重合系へ
の酸成分の混入は、重合系を不安定にし、凝固、合一な
どをひきおこすため、好ましくないことが知られてい
る。また、それだけでなく、このような酸成分がABS
樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂等の樹脂製品中に
混入した場合は、酸成分が加熱により容易に分解してし
まうために樹脂を著しく着色させたり、樹脂製品中に銀
条を発生させるために樹脂そのものの商品価値を著しく
低下させてしまったりするという問題がある。
【0004】このような理由から、マレイミド化合物中
の酸成分の含有量については、できるだけ低くすること
が強く要求されている。マレイミド化合物から酸成分を
除去する方法としては、マレイミド化合物を含む有機溶
媒層(反応液)を水洗する方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
水洗方法には下記の問題があった。すなわち、前述の製
造方法により生成するマレイミド化合物を含む有機溶媒
層(反応液)中には、反応中に副生した、水および有機
溶媒の双方に難溶性もしくは不溶性の少量の不純物が存
在しており、このような不純物が水洗時に有機溶媒層中
の水洗水粒子の安定化効果を有しているため、水層と有
機溶媒層が完全に混合して乳化してしまうという問題で
ある。そのため、条件によっては、水層と有機溶媒層と
の分離ができなくなり、水洗が不可能となる場合があ
る。
【0006】このような問題点を解決するために、通
常、イミド化反応後にマレイミド化合物を含有する反応
液を前もって濾過することにより、反応液中の、水およ
び有機溶媒の双方に難溶性もしくは不溶性の不純物を除
去し、続いて水洗処理することが行われている。しか
し、上記不純物は、粘着性物質であるために濾過機の濾
面にのり状に固着し短時間のうちに反応液の濾過を不可
能にしてしまう。そこで、このようなトラブルを防止す
るためにケイソウ土などの濾過助剤を用いて濾過が行な
われるが、濾過を良好な状態に保つためには多量の濾過
助剤を必要とするために、結果的に製造コストが高くな
ってしまうという問題がある。
【0007】このような理由から、水洗時の界面分離を
良くするため、比較的高い温度領域で水洗を行なう方法
も提案されている。しかし、マレイミド化合物は、水に
よって加水分解されやすく、水との反応によって容易に
マレインアミド酸類、マレイン酸などに変化してしまう
ため、この方法によっても、酸成分の含有率の低いマレ
イミド化合物を収率良く得ることはできない。
【0008】このように、酸成分含有量の少ないマレイ
ミド化合物を工業的に安価に生産する方法はまだ確立さ
れていないのが現状である。そこで、この発明は、従来
法に比べて、マレイミド化合物の損失も少なく、濾過等
の複雑な前処理工程を必要としないで、容易かつ経済的
にマレイミド化合物中の酸成分の含有量を低減させるこ
とのできる方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明者らは、種々検討を重ねた。その結果、以下
のことを実験で確認して、この発明を完成した。水洗時
におけるマレイミド化合物の加水分解は、有機溶媒層に
溶解した水によって起こるよりも、むしろ、有機溶媒層
中に溶解しているマレイミド化合物が水層中へ移行し水
層中において加水分解されることが主体である。したが
って、このようなマレイミド化合物の加水分解を防止す
るためには、水洗時の水層へのマレイミド化合物の溶解
を出来るだけ抑制することが必要となる。そのために
は、水洗に用いる水の量を減らすことが考えられる。し
かし、この場合には、水洗の効率が著しく低下してしま
うので、目的とする水洗効果を得ることは出来ない。ま
た、水洗効果を上げるために長時間の水洗処理を実施す
ることも考えられるが、この場合には、長い時間におけ
る水との接触のため、加水分解によるマレイミド化合物
の絶対的な損失量がやはり多いものとなってしまう。そ
こで、マレイミド化合物を含有する有機溶媒を水と連続
的に接触させた後、有機溶媒層と水層の両層を連続的に
相互分離するようにすれば、少ない水の量で短時間に効
率よく水洗を行うことができるため、加水分解によるマ
レイミド化合物の損失を抑制しながら効果的に水洗処理
を行なうことが可能になるということである。
【0010】したがって、この発明にかかる、マレイミ
ド化合物中の酸成分の低減方法は、マレイミド化合物を
含有する有機溶媒を10〜100℃の温度条件下で連続
的に水と接触させて水洗し、水洗された前記マレイミド
化合物を含有する有機溶媒層を水洗に引き続いて連続的
に水層と分離することを特徴とするものである。この発
明により酸成分を低減することのできるマレイミド化合
物としては、たとえば、N−メチルマレイミド、N−エ
チルマレイミド、N−n−プロピルマレイミド、N−イ
ソプロピルマレイミド、N−n−ブチルマレイミド、N
−イソブチルマレイミド、N−sec−ブチルマレイミ
ド、N−tert−ブチルマレイミド、N−n−ヘキシ
ルマレイミド、N−n−ドデシルマレイミド、N−アリ
ルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−シクロヘ
キシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−ニト
ロフェニルマレイミド、N−ヒドロキシフェニルマレイ
ミド、N−メトキシフェニルマレイミド、N−エトキシ
フェニルマレイミド、N−モノクロロフェニルマレイミ
ド、N−ジクロロフェニルマレイミド、N−モノメチル
フェニルマレイミド、N−ジメチルフェニルマレイミ
ド、N−エチルフェニルマレイミド、エチレンビスマレ
イミド、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、
N,N’−p−フェニレンビスマレイミド、N,N’−
ヘキサメチレンビスマレイミド、N,N’−p,p’−
ジフェニルジメチルシリルビスマレイミド、N,N’−
p,p’−ジフェニルメタンビスマレイミド、N,N’
−p,p’−ジフェニルエーテルビスマレイミド、N,
N’−p,p’−ジフェニルチオエーテルビスマレイミ
ド、N,N’−ジフェニルスルホンビスマレイミド、
N,N’−ジシクロヘキシルメタンビスマレイミド、
N,N’−m−キシリレンビスマレイミド、N,N’−
p,p’−ベンゾフェノンビスマレイミド、N,N’−
(3,3’−ジクロロ−p,p’−ビフェニレン)ビス
マレイミドなどを挙げることができるが、これらに限定
されるものではない。
【0011】この発明において、酸成分の低減のための
水洗処理に供するマレイミド化合物を含有する有機溶媒
に用いられる有機溶媒としては、特に限定はされない
が、たとえば、マレイミド化合物を生成させる際に使用
される有機溶媒(反応溶媒)として後記で例示するもの
等が挙げられる。なお、マレイミド化合物の生成反応の
際に用いられる有機溶媒と、生成したマレイミド化合物
中の酸成分の低減のための水洗処理の際に用いられる有
機溶媒とは、種類が互いに同一であっても異なっていて
もよい。
【0012】この発明において、マレイミド化合物を含
有する有機溶媒の水洗処理のために用いられる水は、工
水、純水、上水に限らず、また、弱アルカリ性または弱
酸性であってもかまわない。マレイミド化合物を含有す
る有機溶媒と、水とは、特に限定されるわけではない
が、塔内で連続的に接触させることが好ましい。塔は、
空塔でも良いが、充填塔の方が好ましい。充填塔の中に
充填される充填材としては、特に限定はされないが、た
とえば、ラシヒリング、ベルルサドル、ポールリング、
テラレット、カスケードミニリングなどが用いられる。
特に好ましいのは、ポールリング、カスケードミニリン
グである。
【0013】マレイミド化合物を含有する有機溶媒と、
水とは、並流で接触させても良いし向流で接触させても
良いが、向流で接触させることが好ましい。特に好まし
い実施形態においては、塔の上部から水を連続的に供給
し、塔下段部からマレイミド化合物を含有する有機溶媒
を連続的に供給して、これらを塔内で連続的に向流接触
させることにより水洗処理を行う。水洗処理されたマレ
イミド化合物を含有する有機溶媒層は、塔上部から連続
的に抜き出して水層と分離し、水層については塔下部か
ら廃水として連続的に抜き出す。なお、塔下段部より供
給されるマレイミド化合物を含有する有機溶媒は、塔内
への供給前に予め水と混合しておくようにしてもさしつ
かえはない。これら塔内に連続的に供給される水と、マ
レイミド化合物を含有する有機溶媒との重量比は、水洗
の効率を考えると、1:(1〜20)であることが好ま
しく、1:(3〜10)であることがより好ましい。ま
た、水層と有機溶媒層との分離のしやすさと水洗効率を
考慮して、塔内における有機溶媒層の空塔速度は、0.
1〜20m/hrの範囲であることが好ましく、1〜1
0m/hrの範囲であることがより好ましい。さらに、
マレイミド化合物の加水分解による収率損を低く抑える
ためには、水層と有機溶媒層の両層の平均接触時間は、
0.02〜5hrであることが好ましく、0.5〜2h
rであることがより好ましい。また、連続的に塔下部か
ら抜き出された水層(廃水)は、必要に応じて、その一
部が再び塔内に供給されて、マレイミド化合物を含む新
たな有機溶媒との接触に使用されてもよい。この場合、
系外に除去される廃水の量が実質的に少なくなるため、
廃水処理に要する費用が低下するという経済的利点があ
る。
【0014】つづいて、上記のようにして水洗処理が施
され、水層と分離されたマレイミド化合物を含有する有
機溶媒層から、蒸留などの公知方法によりマレイミド化
合物を分離し、このマレイミド化合物を再結晶などの方
法により精製することにより、実質的に酸成分含有量の
著しく少ないマレイミド化合物を得ることができる。な
お、マレイミド化合物の酸成分含有量をより低くするた
めには、水洗処理に供されるマレイミド化合物は、以下
に説明する、マレイミド化合物の生成方法Aにより得ら
れたものであることが好ましい。
【0015】この生成方法Aは、無水マレイン酸と第1
級アミン類とを、水不溶性もしくは水不混和性の不活性
有機溶媒中、または、この不活性有機溶媒と非プロトン
性極性有機溶媒との混合溶媒中、酸触媒の存在下で加熱
し縮合反応させることにより、マレイミド化合物を生成
させる方法である。この生成方法Aでは、上記縮合反応
は、副生成する水を系外に留出させながら行うことが好
ましい。
【0016】マレイミド化合物の生成方法Aで反応原料
として用いられる第1級アミン類としては、メチルアミ
ン、エチルアミン,n−プロピルアミン、イソプロピル
アミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、sec
−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、n−ヘキシ
ルアミン、n−ドデシルアミン、アリルアミン、ベンジ
ルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリン、ニトロア
ニリン、アミノフェノール、アミノ安息香酸、アニシジ
ン、エトキシフェニルアミン、モノクロロアニリン、ジ
クロロアニリン、トルイジン、キシリジン、エチルアニ
リン、エチレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p
−キシリレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキ
サメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメ
チレンジアミン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシル
メタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス−
p−(4−アミノフェノキシカルボニル)ベンゼンなど
が挙げられるが、これらに限定されない。
【0017】生成方法Aで用いられる、水に不溶性もし
くは不混和性の不活性有機溶媒としては、特に限定はさ
れないが、たとえば、ベンゼン、トルエン、沸点50〜
120℃の石油留分、キシレン類、エチルベンゼン、イ
ソプロピルベンゼン、クメン、メシチレン,tert−
ブチルベンゼン、プソイドクメン、トリメチルヘキサ
ン、オクタン、テトラクロロエタン、ノナン、クロロベ
ンゼン、エチルシクロヘキサン、沸点120〜170℃
の石油留分,m−ジクロロベンゼン、sec−ブチルベ
ンゼン,p−ジクロロベンゼン、デカン、p−シメン、
o−ジクロロベンゼン、ブチルベンゼン、デカハイドロ
ナフタリン、テトラハイドロナフタリン、ドデカン、ナ
フタリン、シクロヘキシルベンゼン、沸点170〜25
0℃の石油留分等がある。また、上記不活性有機溶媒と
混合して用いられる非プロトン性極性有機溶媒として
は、特に限定はされないが、たとえば、ジメチルホルム
アミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミ
ド、スルホラン、N−メチルピロリドン等が挙げられ
る。これらの有機溶媒の使用量(2種以上を用いる場合
は合計量)は、反応を円滑に行ないかつ経済的条件を満
足させる点から、第1級アミン類の1〜40倍量(重
量)が好ましく、2〜14倍量(重量)がより好まし
い。また、上記有機溶媒は、マレイミド化合物の溶解
度、価格、取扱いやすさ等も考慮しながら反応条件に合
った沸点を有するものが選ばれる。さらに、反応終了後
のマレイミド化合物と有機溶媒との分離を考えると、低
沸点の有機溶媒を使用し加圧下で反応を行う方が有利な
場合もある。
【0018】生成方法Aで用いられる酸触媒としては、
特に限定はされないが、たとえば、硫酸、オルソリン
酸、メタリン酸、ピロリン酸などの一塩基酸あるいは多
塩基酸が挙げられる。なお、酸触媒の一部もしくは全部
が、前述の第1級アミン類と中和反応させることによっ
て得られるアミン塩の形で用いられてもよい。また、酸
触媒は、固体担体に担持された形で用いられてもよい。
固体担体としては、特に限定はされないが、たとえば、
カオリン酸、クレー、滑石、チョーク、石英、ベントナ
イト、モンモリロナイト、珪藻土等の天然鉱物類;高度
に分散した珪酸、アルミナ、珪酸塩、活性炭、石こう、
ベンガラ、酸化チタン、シリカ、シリカ−アルミナ、酸
化ジルコニウム等の合成鉱物;方解石、大理石、軽石、
海泡石、ドロマイト等の天然の岩石等が用いられる。こ
れらの無機担体は、粉状物あるいはそれを造粒、分級す
ることによってえられる粒状物あるいはハニカム状など
の形で用いられる。また、有機質の担体も使用すること
が可能であり、たとえば、ポリフルオロカーボン、ポリ
スチレン、フェノール樹脂などの粒状有機担体を使用す
ることができる。
【0019】酸触媒を担持させる担体が、珪藻土、シリ
カゲルなどのように多孔質である場合には、特に良好な
結果を得ることができる。多孔質担体の市販品の例を挙
げれば、珪藻土としてはラヂオライト(商品名、昭和化
学工業株式会社製)等を、シリカゲルとしてはキャリア
クト、サイロイド、マイクロビーズシリカゲル(商品
名、フジ・デヴィソンケミカル社製)、ワコーゲル(商
品名、和光純薬工業株式会社製)等を、活性炭としては
BAC(商品名、大洋化研株式会社製)等をそれぞれ挙
げることができる。
【0020】生成方法Aで用いられる酸触媒の使用量
は、第1級アミン類に対し、酸分として2〜400モル
%であることが好ましく、10〜200モル%であるこ
とがより好ましい。生成方法Aでは、必要に応じて、金
属含有化合物や安定剤(重合防止剤)を反応系に共存さ
せて反応を行ってもよい。このとき使用される金属含有
化合物としては、特に限定はされないが、たとえば、亜
鉛、クロム、バラジウム、コバルト、ニッケル、鉄およ
びアルミニウムよりなる群から選ばれた少なくとも1種
の金属の酸化物、酢酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、
硝酸塩、リン酸塩、塩化物および硫酸塩等が挙げられ
る。これらのうち、特に有効であるのは、酢酸亜鉛であ
る。金属含有化合物の使用量は、第1級アミン類に対
し、金属として0.005〜0.5モル%であることが
好ましく、0.01〜0.1モル%であることがより好
ましい。また、安定剤としては、特に限定はされない
が、たとえば、メトキシベンゾキノン、p−メトキシフ
ェノール、フェノチアジン、ハイドロキノン、アルキル
化ジフェニルアミン類、メチレンブルー、tert−ブ
チルカテコール、tert−ブチルハイドロキノン、ジ
メチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバ
ミン酸銅、ジブチルジチオカルバミン酸銅、サリチル酸
銅、チオジプロピオン酸エステル類、メルカプトベンズ
イミダゾール、トリフェニルホスファイト、アルキルフ
ェノール類、アルキルビスフェノール類などが用いられ
る。これらの安定剤の添加量については、微量の添加で
は効果が低く、また、逆に過剰の添加は製品中への混入
が問題となるため望ましくない。したがって、これらの
使用量は、第1級アミン類1モルに対して0.005〜
0.5モル%であることが好ましい。
【0021】マレイミド化合物の生成方法Aの具体的な
実施方法としては、特に限定はされないが、たとえば、
以下のようにして行う。前記有機溶媒と酸触媒の混合物
の中に、100〜250℃、好ましくは110〜220
℃の温度で第1級アミン類と無水マレイン酸とを連続的
に添加し、副生成する水を有機溶媒との混合物として系
外に留出させながら第1級アミン類と無水マレイン酸と
を反応させる。その際、無水マレイン酸をあらかじめ反
応釜に入れておき、ついで第1級アミン類を連続的に添
加し、副生成する水を有機溶媒との混合物として系外に
留出させることも可能である。また、反応を2段に分け
て前段と後段の無水マレイン酸と第1級アミン類とのモ
ル比を変化させて行うことも可能である。このとき、前
段反応は、無水マレイン酸の第1級アミン類に対するモ
ル比が1未満、好ましくは0.5以上でかつ1未満、さ
らに好ましくは0.7以上でかつ1未満になるようにし
て行なわれる。また、後段反応は、反応系に加える無水
マレイン酸全量の、反応系に加えた第1級アミン類全量
に対するモル比が1を超えかつ2以下、好ましくは1を
超えかつ1.3以下になるようにして行なわれる。
【0022】このようにして生成したマレイミド化合物
を含有する有機溶媒層は、酸触媒を含有する層と分離
し、必要に応じて濃縮、希釈または溶媒置換等した後、
この発明に従って水洗処理する。なお、この発明が適用
されるマレイミド化合物は、前記の生成方法Aにより生
成したものに限るわけではなく、他の方法により生成し
たものであっても構わない。また、酸成分含有量を低減
させるために水洗処理に供される、マレイミド化合物を
含有する有機溶媒は、マレイミド化合物の生成反応後の
反応液に限らない。たとえば、マレイミド化合物製品に
適宜有機溶媒を加えて調製したものであってもよい。
【0023】
【作用】マレイミド化合物を含有する有機溶媒を所定温
度で水と連続的に接触させた後、有機溶媒層と水層の両
層を連続的に相互に分離するようにすると、両層の接触
効率が高まる。そのため、少ない水の量かつ短い接触時
間で効率良くマレイミド化合物の水洗を行うことができ
るようになり、加水分解によるマレイミド化合物の損失
が少なくてすむとともに、濾過等の複雑な前処理工程を
必要としなくなるため、容易かつ経済的、効果的にマレ
イミド化合物中の酸成分を低減することが可能になる。
【0024】
【実施例】次に、この発明の実施態様について説明す
る。図1は、この発明の第1実施態様で使用される装置
(水洗塔)のフローを模式的に表す。図にみるように、
この実施態様では、塔の上部から水1を連続的に供給す
るとともに、塔下段部から、マレイミド化合物の生成反
応から得られたマレイミド化合物を含有する有機溶媒
(反応液)2を連続的に供給して、この有機溶媒2を、
塔内で水1と向流で連続的に接触させて水洗する。所定
時間、有機溶媒2と水1とを接触させた後、塔下部から
水層を廃水3として連続的に抜き出して系外に除去する
とともに、水洗処理されたマレイミド化合物を含有する
有機溶媒層4を塔上部から連続的に抜き出して、両層を
連続的に相互に分離する。塔外へ流出した有機溶媒層4
は、その後の溶媒留去等の精製工程へ供する。
【0025】図2は、この発明の第2実施態様で使用さ
れる装置(水洗塔)のフローを模式的に表す。図にみる
ように、この実施態様では、マレイミド化合物を含有す
る有機溶媒2をあらかじめ水1と混合してから塔下段部
より連続的に供給する。その他は、上記第1実施態様と
同様である。図3は、この発明の第3実施態様で使用さ
れる装置(水洗塔)のフローを模式的に表す。図にみる
ように、この実施態様では、マレイミド化合物を含む有
機溶媒2の水洗処理に使用され、塔下部から抜き出され
た廃水3の一部を、マレイミド化合物を含む新たな有機
溶媒2と混合して再び塔内に連続的に供給する。その他
は、前記第1実施態様と同様である。
【0026】図4は、この発明の第4実施態様で使用さ
れる装置(水洗塔)のフローを模式的に表す。図にみる
ように、この実施態様では、塔下段部に、サイドカット
の構造を有するトレー(たとえば、チムニートレー)5
を設け、このトレー5上に廃水3の一部を集める。トレ
ー5に集められた廃水3は、マレイミド化合物を含有す
る有機溶媒2と混合した後、再び塔内へ供給する。その
他は、前記第1実施態様と同様である。
【0027】以下では、この発明のより具体的な実施例
と比較例を説明するが、この発明は、下記実施例および
すでに述べた実施態様に限定されない。まず、マレイミ
ド化合物を含有する有機溶媒(反応液)を下記の参考例
1〜2により調製した。 −参考例1− 300ccマイヤーフラスコ中にオルソリン酸60gを
加え、この中に粒状シリカゲル担体(商品名キャリアク
ト−30、フジデヴィソンケミカル社製)60gを加え
攪拌して、担体上に酸を担持させた。つづいて、オルソ
キシレンを100g加え、マイヤーフラスコを水浴中で
冷却させながら、シクロヘキシルアミン37gを滴下す
ることにより、担持された酸の一部をアミン塩とした。
【0028】温度計、水分離器付冷却管、滴下ロート及
び攪拌機を備えた別のフラスコにオルソキシレン100
gを仕込み、これに無水マレイン酸100gを加えてフ
ラスコの温度を100℃にして無水マレイン酸を溶解し
た。ついで、オルソキシレン600gにシクロヘキシル
アミン100gを溶解した溶液を攪拌下に1時間で全量
滴下して、N−シクロヘキシルマレインアミド酸のオル
ソキシレンスラリー液を合成した。
【0029】次に、このスラリー液に前記の担持触媒全
量及びジブチルジチオカルバミン酸銅0.1gを加えて
加熱し、攪拌下で143℃に保ち、反応の進行に伴って
副生成する水をオルソキシレンとともに系外に留去させ
ながら7時間反応を行ってN−シクロヘキシルマレイミ
ドを生成させることにより、N−シクロヘキシルマレイ
ミドを含有する反応液(オルソキシレン溶液)を得た。
【0030】−参考例2− 200ccビーカーにオルソキシレン100gとオルソ
リン酸20gを入れた後、珪藻土(商品名ラジオライト
♯200、昭和化学工業株式会社製)30gを加えて、
珪藻土にオルソリン酸を担持させた。つづいてアニリン
9.5gを加えることにより、担持された酸の一部をア
ミン塩とした。
【0031】温度計、水分離管付冷却器、滴下ロート及
び攪拌機を備えたフラスコに、無水マレイン酸55gを
オルソキシレン50gに溶解した液を仕込んだ。つぎ
に、フラスコ内部の温度を80℃に調整し、アニリン5
0gをオルソキシレン300gに溶解した液を30分か
けて少しずつ添加することにより、N−フェニルマレイ
ンアミド酸のオルソキシレンスラリー液を合成した。
【0032】このスラリー液に、前記の担持触媒全量及
びジブチルジチオカルバミン酸銅0.1gを加えて加熱
し、攪拌下で140℃に保ち、反応の進行に伴って副生
成する水をオルソキシレンとともに系外に留去させなが
ら3時間反応を行ってN−フェニルマレイミドを生成さ
せることにより、N−フェニルマレイミドを含有する反
応液(オルソキシレン溶液)を得た。
【0033】次に、前記の参考例1〜2で得られたマレ
イミド化合物を含有する反応液を以下の水洗処理に供し
た。 −実施例1− 水洗塔として、内径40mm、外径60mm、高さ12
00mmの二重管式円筒容器に、充填物としてステンレ
ス製ラシヒリング(6mm×6mm×0.5mmt)を
800mmの高さに充填したものを使用した。二重管の
外套部には、85℃の温水を循環させた。この時、充填
部の上部および下部の空間部の容積は各々0.25L
(リットル、以下同じ)であった。塔最下部より50m
mの高さに界面を作製した。水洗塔のフローは、図1に
従った。
【0034】参考例1で得られたN−シクロヘキシルマ
レイミドを含有する反応液(原液)を85℃に保ち、こ
れを塔下部より毎時1.43Lで導入した。この液中に
は酸成分がマレイン酸として0.05重量%含有されて
いた。つづいて、塔頂部より85℃の純水を毎時0.3
3Lの速度で分散させて、連続的に水洗処理を行なっ
た。3hrの運転後、塔頂より流出した有機溶媒層中の
酸成分の含有量は0.0005重量%であり、界面部分
も乳化することなく安定であった。さらにこの時、水洗
処理によるN−シクロヘキシルマレイミドの損失量は、
0.1mol%(対原料アミン)であった。
【0035】−実施例2〜4− 実施例1において、マレイミド化合物の種類、水洗塔の
フロー、マレイミド化合物含有反応液(原液)中の酸成
分量、反応液供給量、水洗水供給量等を表1に示す通り
とした以外は実施例1と同様の操作を行って、マレイミ
ド化合物含有反応液に対して連続的に水洗処理を施し
た。水洗処理後に水層と相互分離されて塔外へ流出した
マレイミド化合物を含有する有機溶媒層中の酸成分量
と、水洗処理によるマレイミド化合物の損失量を調べ、
それらの結果を表1に示した。
【0036】−比較例1〜2− 参考例2で得られたN−フェニルマレイミドを含有する
反応液に対し、1Lガラス製フラスコを用いてバッチ式
により、表2に示す条件で水洗処理を施した。水洗処理
後に水層を分離し、マレイミド化合物を含む有機溶媒層
中の酸成分含有量と、水洗処理によるマレイミド化合物
の損失量を調べ、それらの結果を表2に示した。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【発明の効果】この発明にかかるマレイミド化合物中の
酸成分の低減方法によれば、従来法に比べて、複雑な工
程を必要とせず、マレイミド化合物の損失が少なく、容
易かつ経済的にマレイミド化合物中の酸成分を低減させ
ることができる。そのため、極めて安価に、酸成分の含
有量の少ない高品質のマレイミド化合物を得ることがで
きる。また、製造プロセスから排出される有害なマレイ
ミド化合物を含有する廃水の量が少なくてすむ。
【図面の簡単な説明】
【図1】水洗塔のフローを表す模式図である。
【図2】別の水洗塔のフローを表す模式図である。
【図3】別の水洗塔のフローを表す模式図である。
【図4】別の水洗塔のフローを表す模式図である。
【符号の説明】
1 水 2 反応系からのマレイミド化合物を含有する有機溶媒 3 廃水(水層) 4 水洗処理後のマレイミド化合物を含有する有機溶媒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小西 宜則 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地 の1 株式会社日本触媒 姫路製造所内 (56)参考文献 特開 平3−56463(JP,A) 特開 平3−48659(JP,A) 特公 昭46−37588(JP,B1)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マレイミド化合物を含有する有機溶媒を
    10〜100℃の温度条件下で連続的に水と接触させて
    水洗し、水洗された前記マレイミド化合物を含有する有
    機溶媒層を水洗に引き続いて連続的に水層と分離するこ
    とを特徴とする、マレイミド化合物中の酸成分の低減方
    法。
  2. 【請求項2】 マレイミド化合物を含有する有機溶媒
    と、水とを塔内で連続的に接触させる請求項1記載の方
    法。
  3. 【請求項3】 水と、マレイミド化合物を含有する有機
    溶媒とを、1:(1〜20)の重量比で塔内へ連続的に
    供給するとともに、塔内での有機溶媒層の空塔速度が
    0.1〜20m/hrであり、水層と有機溶媒層との平
    均接触時間が0.02〜5hrである請求項2記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 マレイミド化合物を含有する有機溶媒を
    あらかじめ水と混合した後、塔内へ連続的に供給する請
    求項2または3記載の方法。
  5. 【請求項5】 連続的に分離した水層の一部を再び塔内
    へ供給して、マレイミド化合物を含有する新たな有機溶
    媒との接触に使用する請求項2から4までのいずれかに
    記載の方法。
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