JPH0720932B2 - マレイミド類中の酸成分の低減方法 - Google Patents

マレイミド類中の酸成分の低減方法

Info

Publication number
JPH0720932B2
JPH0720932B2 JP1182599A JP18259989A JPH0720932B2 JP H0720932 B2 JPH0720932 B2 JP H0720932B2 JP 1182599 A JP1182599 A JP 1182599A JP 18259989 A JP18259989 A JP 18259989A JP H0720932 B2 JPH0720932 B2 JP H0720932B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
layer
acid
reaction
maleimides
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP1182599A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0348659A (ja
Inventor
裕一 喜多
和夫 岸野
正一 中川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP1182599A priority Critical patent/JPH0720932B2/ja
Publication of JPH0348659A publication Critical patent/JPH0348659A/ja
Publication of JPH0720932B2 publication Critical patent/JPH0720932B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pyrrole Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、マレイミド類の製造方法に関するものであ
る。マレイミド化合物は、樹脂原料、医薬農薬などの原
料として有用な化合物であるが、本発明は酸成分の含有
量の少ない高品質のマレイミド類の有利な製造方法を提
供するものである。
(従来の技術) マレイミド類は特に耐熱樹脂原料として有用な化合物で
あり、近年ABS樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリメチル
メタクリレート樹脂などの耐熱性向上のために共重合成
分の1つとして多く用いられている。
このようなマレイミド系樹脂の製造方法として多くの場
合、乳化重合法、懸濁重合法などが採用されている。と
ころが、これら重合法において重合系への酸成分の混入
は重合系は不安定にし凝固、合一などをひきおこすた
め、好ましくないことが知られている。また、かかる酸
成分の重合系への混入はマレイミド類の製造工程中にお
いて副生したマレイン酸、フマル酸などの不純物がマレ
イミド類製品中に多く含有されていることが大きな原因
となっている。
また、それだけでなく、このような酸成分がABS樹脂、
ポリメチルメタクリレート樹脂等の樹脂製品中へ混入し
た場合は、当該酸成分が加熱により容易に分解してしま
うために、樹脂を著しく着色させたり、樹脂製品中に銀
条を発生させるために樹脂そのものの商品価値を著しく
低下させてしまうという問題がある。このような理由か
らマレイミド類の酸成分の含有量については厳しく規制
されているのが現状である。
他方、マレイミド類の製造方法については古くから多く
の方法が知られている。米国特許3,431,276号には酸触
媒の存在下不活性非極性溶媒中へ第1級アミン類と無水
マレイン酸とを同時に滴下反応させることにより、マレ
イミド類を製造する方法が開示されている。また、特開
昭60-11465号および特開昭62-273952号には無水マレイ
ン酸とアミン類とを酸触媒の存在下に溶媒中で縮合反応
させてマレイミド類を製造する方法が開示されている。
これらの方法は無水マレイン酸と溶媒および酸触媒とを
前もって反応器に入れておき、溶媒の還流下アミン類を
滴下することによって生成水を溶媒との混合物として系
外に留去させながらマレイミド類を製造する方法であ
る。
(発明が解決しようとする課題) このようにして製造されたマレイミド類から酸成分を除
去するために、マレイミド類を含む有機溶媒層を水洗す
ることが提案されている。しかしながら、上述のような
方法で製造されたマレイミド類の有機溶媒層中には反応
中に副生した少量の水および有機溶媒双方に溶解しにく
い不純物が存在しており、かかる不溶性の不純物が反応
液の水洗時に有機溶媒層中の水洗水粒子の安定化効果を
有しているため、水層と有機溶媒層が完全に混合して乳
化してしまうという問題がある。そのため、条件によっ
ては水層と有機溶媒層双方の分離ができなくなり、水洗
は不可能となる場合がある。
このような問題点を解決するたえに通常イミド化反応後
にマレイミド類を含有する有機溶媒層を前もって過す
ることにより、反応液中の水および有機溶媒に不溶性の
不純物を除去し、続いて水洗処理することが行なわれて
いる。
しかしながら、当該不溶解性の不純物は粘着性物質であ
るために、過器の面にのり状に固着し短時間のうち
に反応液の過を不可能にしてしまうのであった。それ
ゆえに、このようなトラブルを防止するためにケイソウ
土などの過助剤を用いて過が行なわれるが、過を
良好な状態に保つためには多量の過助剤を必要とする
ために、結果的に製造コストが高くなってしまうという
問題がある。
このように、現在、酸成分の含有量の少ないマレイミド
類を工業的に安価に生産する方法は確立されていないと
言っても過言ではない。
従って、本発明の目的は、無水マレイン酸と第1級アミ
ン類とを水不溶性または水不混和性の不活性有機溶媒中
で酸触媒の存在下縮合反応させることによってマレイミ
ド類を製造するに際して、酸成分の含有量の少ないマレ
イミド類を取得する方法を提供することにあり、特に、
イミド化反応後の反応液を水洗するに当り、過等の複
雑な前処理工程を必要しない、容易かつ安価な改善され
た水洗処理方法によって、酸成分の含有量の少ないマレ
イミド類を取得できる方法を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究した
結果、イミド化反応において副生する水および有機溶媒
に不溶性または難溶性の不純物は意外にも比較的高い温
度で水中で容易に分解し、水溶性化合物に変化すること
を見出し、この知見に基づき本発明を完成した。
すなわち、本発明は、無水マレイン酸と第1アミン類と
を水不溶性または水不混和性の不活性有機溶媒中で酸触
媒の存在下加熱し、縮合反応させることによってえられ
た反応混合物をマレイミド類を含む有機溶媒層と触媒層
とに分離し、該マレイミド類含有有機溶媒層を70℃以上
の温度で水洗したのち、有機溶媒層と水層とを分離する
ことを特徴とするマレイミド類中の酸成分の低減方法で
ある。
本発明の最も特徴とするところは、イミド化反応後の水
洗処理を70℃以上の温度で実施し、水および有機溶媒双
方に対して不溶解性の副反応生成物を水溶性化合物に容
易に分解せしめるところにある。
以下、さらに詳しく本発明を説明する。
本発明によりマレイミド類中の酸成分を低減できるマレ
イミド類としては、例えば、N−メチルマレイミド、N
−エチルマレイミド、N−n−プロピルマレイミド、N
−イソプロピルマレイミド、N−n−ブチルマレイミ
ド、N−sec−ブチルマレイミド、N−tert−ブチルマ
レイミド、N−n−ヘキシルマレイミド、N−n−ドデ
シルマレイミド、N−アリルマレイミド、N−ベンジル
マレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェ
ニルマレイミド、N−ニトロフェニルマレイミド、N−
ヒドロキシフェニルマレイミド、N−メトキシフェニル
マレイミド、N−エトキシフェニルマレイミド、N−モ
ノクロロフェニルマレイミド、N−ジクロロフェニルマ
レイミド、N−モノメチルフェニルマレイミド、N−ジ
メチルフェニルマレイミド、N−エチルフェニルマレイ
ミド、エチレンビスマレイミド、N,N′−m−フェニレ
ンビスマレイミド、N,N′−p−フェニレンビスマレイ
ミド、N,N′−ヘキサメチレンビスマレイミド、N,N′−
p、p′−ジフェニルジメチルシリルマレイミド、N,
N′−p,p′−ジフェニルメタンビスマレイミド、N,N′
−p,p′−ジフェニルエーテルビスマレイミド、N,N′−
p,p′−ジフェニルチオエーテルビスマレイミド、N,N′
−ジフェニルスルホンビスマレイミド、N,N′−ジシク
ロヘキシルメタンビスマレイミド、N,N′−m−キシリ
レンビスマレイミド、N,N′−p,p′−ベンゾフェノンビ
スマレイミド、N,N′−(3,3′−ジクロル−p,p′−ビ
フェニレン)ビスマレイミドなどを挙げることができる
が、これらに限定されるものではない。
また、本発明で使用される原料としての第1級アミン類
としては、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピル
アミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、sec
−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、n−ヘキシルア
ミン、n−ドデシルアミン、アリルアミン、ベンジルア
ミン、シクロヘキシルアミン、アニリン、ニトロアニリ
ン、アミノフェノール、アミノ安息香酸、アニシジン、
エトキシフェニルアミン、モノクロルアニリン、ジクロ
ルアニリン、トルイジン、キシリジン、エチルアニリ
ン、エチレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−
キシリレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサ
メチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチ
レンジアミン、4,4′−ジアミノジシクロヘキシルメタ
ン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、ビス−p−
(4−アミノフェノキシカルボニル)ベンゼンなどを挙
げられるが、これらに限定されない。
本発明において、無水マレイン酸と上述の第1級アミン
類とを水不溶性または水不混和性の不活性有機溶媒中で
酸触媒の存在下加熱し、生成水を系外に留出せしめなが
ら縮合反応させることにより、マレイミド類が製造され
る。
本発明において用いられる有機溶媒は、水に不溶性ない
し不混和性でかつ不活性であり反応に関与しない溶媒で
あればよく、たとえばベンゼン、トルエン、沸点50〜12
0℃の石油留分、キシレン類、エチルベンゼン、イソプ
ロピルベンゼン、クメン、メシチレン、tert−ブチルベ
ンゼン、プソイドクメン、トリメチルヘキサン、オクタ
ン、テトラクロルエタン、ノナン、クロルベンゼン、エ
チルシクロヘキサン、沸点120〜170℃の石油留分、m−
ジクロルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、p−ジクロ
ルベンゼン、デカン、p−シメン、o−ジクロルベンゼ
ン、ブチルベンゼン、デカハイドロナフタリン、テトラ
ハイドロナフタリン、ドデカン、ナフタリン、シクロヘ
キシルベンゼン、沸点170〜250℃の石油留分等がある。
この溶媒の使用量は、反応を円滑に行ないかつ経済的条
件を満足させる点から原料第1級アミン類に対して1〜
40倍量(重量)、好ましくは2〜14倍量使用される。
また、マレイミド類の溶解度、価格、取扱いやすさ等も
考慮しながら反応条件に合った沸点を有するものが選ば
れる。さらに反応終了後のマレイミド類と溶媒との分離
を考えると、低沸点の溶媒を使用し加圧下で反応せしめ
た方が有利な場合もある。
触媒として硫酸、オルソリン酸、メタリン酸、ピロリン
酸などの一塩基酸あるいは多塩基酸および/またはマレ
イミド類製造時の原料である第1級アミン類と該酸とを
中和反応させることによってえられるアミン塩が用いら
れる。
また、これら触媒が固体担体に担持されていてもよい。
固体の担体としては、天然鉱物類、たとえばカオリン
類、クレー、滑石、チョーク、石英、ベントナイト、モ
ンモリロナイト、珪藻土等;合成鉱物たとえば高度に分
散した珪酸、アルミナ、珪酸塩、活性炭、石こう、ベン
ガラ、酸化チタン、シリカ、シリカ−アルミナ、酸化ジ
ルコニウム等;天然の岩石たとえば方解石、大理石、軽
石、海泡石、ドロマイト等が用いられる。これらの無機
担体は粉状物あるいはそれを造粒、分級することによっ
てえられる粒状物あるいはハニカム状などの形で用いら
れる。
また、有機性の担体も使用することが可能で、ポリフル
オロカーボン、ポリスチレン、フェノール樹脂などの粒
状担体も使用することができる。
担体がケイソウ土、シリカゲルなどのように多孔質であ
る場合には特に良質な結果を得ることができる。たとえ
ば市販品の例として珪藻土としてはラヂオライト(商品
名、昭和化学工業株式会社製)、シリカゲルとしてはキ
ャリアクト、サイロイド、マイクロビーズシリカゲル
(商品名、フジ・デビソンケミカル社製)、ワコーゲル
(商品名、和光純薬工業株式会社製)、活性炭としては
BAC(商品名、大洋化研株式会社製)などをあげること
ができる。これら触媒の使用量は含有される酸分として
原料の第1級アミン類に対して2〜400モル%、好まし
くは10〜200モル%の範囲である。また、触媒としての
酸のうち一部ないし全部がアミンによって中和されてい
てもよい。
また、場合により金属含有化合物や安定剤を反応系に共
存させて反応させることもできる。この時使用される金
属含有化合物として、亜鉛、クロム、バラジウム、コバ
ルト、ニッケル、鉄およびアルミニウムよりなる群から
選ばれた少くとも1種の金属酸化物、酢酸塩、マレイン
酸塩、コハク酸塩、硝酸塩、リン酸塩、塩化物および硫
酸塩等から選択されるが、これのうち特に有効であるの
は、酢酸亜鉛である。これらの使用量は第1級アミン類
1モルに対し、金属として0.005〜0.5モル%であり、好
ましくは0.01〜0.1モル%である。さらに安定剤とし
て、メトキシベンゾキノン、p−メトキシフェノール、
フェノチアジン、ハイドロキノン、アルキル化ジフェニ
ルアミン類、メチレンブルー、tert−ブチルカテコー
ル、tert−ブチルハイドロキノン、ジメチルジチオカル
バミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジブチ
ルジチオカルバミン酸銅、サリチル酸銅、チオジプロピ
オン酸エステル類、メルカプトベンズイミダゾール、ト
リフェニルホスファイト、アルキルフェノール類、アル
キルビスフェノール類などが用いられる。
その添加量についていえば、微量の添加は効果がうす
く、また逆に過剰の添加は製品中への混入が問題となる
ため望ましくない。したがって、これらの使用量は、原
料第1級アミン類1モルに対して0.005〜0.5モル%であ
る。
本発明の実施方法としては、前記溶媒と触媒の混合物の
中に100〜250℃、好ましくは110〜220℃の温度にて第1
級アミン類と無水マレイン酸とを連続的に添加して生成
した水を溶媒との混合物として系外に留出させながら反
応が行なわれる。
また、無水マレイン酸をあらかじめ反応釜に入れてお
き、ついで第1級アミン類を連続的に添加して生成した
水を溶媒との混合物として系外に留出させることも可能
である。また、反応を2段に分けて前段と後段の無水マ
レイン酸と第1級アミン類とのモル比を変化させて行な
うことも可能である。このとき、該前段反応は無水マレ
イン酸の第1級アミン類に対するモル比が1未満、好ま
しくは0.5以上でかつ1未満、さらに好ましくは、0.7以
上でかつ1未満で行なわれる。次に、該後段反応におい
て反応系に加える無水マレイン酸全量の反応系に加えた
第1級アミン類全量に対するモル比が1を越え2以下、
好ましくは1を越えかつ1.3以下で行われる。
次いで、このようにして製造されたマレイミド類を含有
する反応液は酸触媒から分離され70℃以上の温度で水洗
処理される。なお、この時用いられる分離方法としては
静置分離、あるいはサイクロン、遠心分離、シックナー
など公知の方法はいずれも用いることができる。
また、水洗処理に用いられる水は工水、純水、上水に限
らず弱アルカリ性、弱酸性でもかまわない。使用される
水の量は、製造されるマレイミド類の種類、液濃度によ
って変化するが原料として用いた第1級アミン類に対し
て少なくとも10重量%を必要とする。
水洗処理される温度は、反応中に生じた不溶性の物質を
分解し水に可溶性にするためには70℃以上でなければな
らない。この温度より低い場合には、可溶化までに長時
間を必要とするため得策ではない。
当該水洗処理は、回分式、連続式いずれの方法によって
も実施できる。
水洗処理ののち水層と有機層の混合物を静置させること
により、2層に分液し有機溶媒層から水層を分離せし
め、しかるのち有機層から有機溶媒を留出せしめること
により酸分含有量の著しく少ないマレイミド類を得るこ
とができる。
(発明の効果) 以上、本発明について説明したが、本発明の実施により
複雑な工程を必要とせず、容易に安全にマレイミド類中
の酸成分を低減させることができるため極めて安価に酸
含有量の少ない高品質のマレイミド類を製造することが
できる。
(実施例) 以下、本発明を実施例によってさらに詳しく説明する
が、本発明はこれらによって限定されるものではない。
実施例1 200ccのビーカー中にオルソリン酸20gを添加し、次に珪
藻土30g(ラヂオライト#200昭和化学工業株式会社製)
を加え珪藻土にオルソリン酸を担持せしめた。
温度計、水分離器をそなえた冷却管、滴下ロートおよび
撹拌機をそなえたフラスコに無水マレイン酸55gをキシ
レン50gに溶解せしめた液と、前記触媒を添加した。
次に、フラスコ内部の温度を140℃に調整しアニリン50g
をキシレン400gに溶解した液を30分かけて少しずつ添加
した。
添加終了後、150分間内温145℃で反応を続けた。150分
加熱終了後140℃で反応液を触媒層から分離した。分離
した反応液を85℃にまで冷却し、85℃の純水100gを加え
て内温80〜90℃の間で10分間撹拌をした。次に撹拌を停
止させたところ、反応液層と水層はすみやかに分離し
た。またこの両層の界面は極めて明確であり、両層の分
離は容易であった。
続いて、この操作をもう一度くりかえしたのち、反応液
層からキシレンを留去せしめ82gの黄色の結晶を得た。
続いて、この結晶を3mmHgの減圧下160℃で蒸留を行な
い、70gの彩やかな黄色の結晶を得た。
この結晶を液体クロマトグラフィーで分析したところ、
下記の組成を有していることがわかった。
N−フェニルマレイミド 99.5重量%以上 無水マレイン酸 0.01重量%以下 フマル酸 0.01 〃 N−フェニルマレイン 0.01 〃 アミド酸 比較例1 実施例1において、水洗した温度を50℃にした以外は全
く同様の操作を行なったところ、水洗処理時、反応液層
と水層とは乳化してしまい全く両層の分離は出来なかっ
た。
なお、この状態は一昼夜放置しても変わることはなかっ
た。
比較例2 実施例1において、水洗処理に用いた水量を500gにし、
水洗処理温度を60℃にしたところ、水洗処理時、両層は
完全に乳化してしまい両層の分離はできなかった。
実施例2 温度計、水分離器をそなえた冷却管、滴下ロートおよび
撹拌機をそなえたフラスコをオイルバスにつけた。この
フラスコの中にオルソキシレン200gとオルソリン酸20g
(水3g含有)を添加した。次にオイルバス温度を上げて
フラスコ内部の温度を130℃にまで昇温し、アニリン50g
および70℃で溶融した無水マレイン酸58gを1時間かえ
てフラスコ内部に滴下した。このとき、縮合反応により
生成した水はオルソキシレンとの混合物として系外に留
去させた。
滴下終了後、反応をさらに4時間続けた。4時間の反応
終了後、撹拌機を停止させ、触媒層とオルソキシレン層
とを分離させた。分離させたオルソキシレン層に75℃で
純水150gを加えて、75〜80℃の温度で2回水洗した。水
洗処理によってえられた反応液層から減圧下オルソキシ
レンを留去し、ひきつづいてジブチルジチオカルバミン
酸銅0.05gを加え、4mmHg170℃で蒸留したところ82gの彩
やかな黄色の結晶を得た。
なお、このものの組成は次のとおりであった。
N−フェニルマレイミド 99.5重量%以上 無水マレイン酸 0.01重量%以下 フマル酸 0.01 〃 N−フェニルマレイン 0.01 〃 アミド酸 比較例3 実施例2において、水洗した温度を40℃にした以外は全
く同様の操作を行なったところ、両層は完全に乳化し分
離は全く不可能であった。
実施例3 温度計、水分離器をそなえた冷却管、滴下ロートおよび
撹拌機をそなえたフラスコにオルソリン酸60g(水9g含
有)と水20gを加えた。つづいてシクロヘキシルアミン3
7gを滴下してオルソリン酸とオルソリン酸のシクロヘキ
シルアミン塩の混合物を合成した。つづいてこれに粒状
シリカゲル担体(フジ・デビソンケミカル社製、マイク
ロビーズシリカゲル)120gを加え撹拌して担体上に酸を
担持せしめた。
つぎにメシチレン400gを加えて加熱し、水29gをメシチ
レンと共に留去して担持触媒から水を除去した。続いて
ジブチルジチオカルバミン酸銅0.1gを加えて加熱して撹
拌下内温を145℃に調整し、シクロヘキシルアミン100g
および70℃で溶融した無水マレイン酸102gを1時間かけ
て滴下した。またこのとき、反応により生成する水はメ
シチレンと共に系外に留去せしめた。
滴下終了後、撹拌機を停止し、触媒を沈降させて反応液
層と触媒層とを分離した。分離した反応液層に純水200g
を加えて80〜90℃で2回水洗を行なった。
水洗処理時、反応液層と水層との分離は静置分離を行な
ったが、両層の界面付近には全く異物は見られず、分離
は全く良好であった。
水洗処理後、ジブチルジチオカルバミン酸銅0.04gを加
えたのち、減圧下でメシチレンを留去し、ひきつづいて
5mmHg150℃の減圧下蒸留を行ない、白色の結晶175gをえ
た。
なお、このものの組成は下記のとおりであった。
N−フェニルマレイミド 99.5重量%以上 無水マレイン酸 0.01重量%以下 フマル酸 0.01 〃 N−シクロヘキシル 0.01 〃 マレインアミド酸 比較例4 実施例2において、反応終了後、反応混合物を触媒層と
オルソキシレン層とに分離することなく、75℃で純水15
0gを加えて75〜80℃の温度で水洗した。撹拌を停止させ
たところ反応液層と水層との界面付近は固体粒子を含
み、きわめて不明確であった。この状態は1時間放置し
ても変わることはなかった。続いて、界面が不明確のま
ま上層の澄明な油層のみを回収し、この水洗操作をもう
一度繰り返した後、得られた反応液層から減圧下オルソ
キシレンを留去し、引き続いてジブチルジチオカルバミ
ン酸銅0.05gを加え、4mmHg、170℃で蒸留したところ66g
の黄色の結晶を得た。
なお、この結晶の組成は次のとおりであった。
N−フェニルマレイミド 99.3重量% 無水マレイン酸 0.2重量% フマル酸 0.1重量% N−フェニルマレインアミド酸 0.4重量%
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−216970(JP,A) 特開 平1−283264(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無水マレイン酸と第1級アミン類とを水不
    溶性または水不混和性の不活性有機溶媒中で、酸触媒の
    存在下加熱し縮合反応させてえられた反応混合物をマレ
    イミド類を含む有機溶媒層と触媒層とに分離し、該マレ
    イミド類含有有機溶媒層を70℃以上の温度で水洗処理し
    たのち、有機層と水層とを分離することを特徴とするマ
    レイミド類中の酸成分の低減方法。
JP1182599A 1989-07-17 1989-07-17 マレイミド類中の酸成分の低減方法 Expired - Fee Related JPH0720932B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1182599A JPH0720932B2 (ja) 1989-07-17 1989-07-17 マレイミド類中の酸成分の低減方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1182599A JPH0720932B2 (ja) 1989-07-17 1989-07-17 マレイミド類中の酸成分の低減方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0348659A JPH0348659A (ja) 1991-03-01
JPH0720932B2 true JPH0720932B2 (ja) 1995-03-08

Family

ID=16121104

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1182599A Expired - Fee Related JPH0720932B2 (ja) 1989-07-17 1989-07-17 マレイミド類中の酸成分の低減方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0720932B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10899708B2 (en) 2017-12-21 2021-01-26 Lg Chem, Ltd. Method for purifying n-substituted maleimide

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2672060B2 (ja) * 1992-12-21 1997-11-05 株式会社日本触媒 マレイミド化合物中の酸成分の低減方法
JP2007289337A (ja) * 2006-04-24 2007-11-08 Miwa Lock Co Ltd ファスナー錠
KR102261470B1 (ko) * 2016-03-29 2021-06-07 닛뽄 가야쿠 가부시키가이샤 말레이미드 수지, 경화성 수지 조성물, 및 그 경화물

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0774198B2 (ja) * 1988-02-25 1995-08-09 日東化学工業株式会社 N−置換マレイミド類の精製方法
JPH0780845B2 (ja) * 1988-05-10 1995-08-30 日東化学工業株式会社 N−置換マレイミド類の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10899708B2 (en) 2017-12-21 2021-01-26 Lg Chem, Ltd. Method for purifying n-substituted maleimide

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0348659A (ja) 1991-03-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8283477B2 (en) Method for preparing N-substituted maleimides
JPH0639461B2 (ja) マレイミド類の製造方法
EP0415506B1 (en) Method for production of maleimides
KR100923536B1 (ko) N-치환 말레이미드류의 제조방법
JPH0720932B2 (ja) マレイミド類中の酸成分の低減方法
JPH075547B2 (ja) マレイミド類中の酸成分の低減方法
JPS615066A (ja) マレイミド類の製造方法
JP2672060B2 (ja) マレイミド化合物中の酸成分の低減方法
KR910003006B1 (ko) 말레이미드의 제조방법
JPH013167A (ja) マレイミド類の製造方法
TW585855B (en) A novel production method for maleimides
JPH0637466B2 (ja) マレイミド類の製造方法
JPH0374658B2 (ja)
JPS61229862A (ja) マレイミド類の精製方法
JPS59112947A (ja) 4−ニトロジフエニルアミンの製法
JP2676910B2 (ja) 高純度0‐トルイル酸の製造法
JPS6263562A (ja) マレイミド類の製法
JP4198863B2 (ja) N−アルキルマレイミドの精製方法
JPH0317832B2 (ja)
JPH0611755B2 (ja) マレイミド類の製造方法
KR0138343B1 (ko) 말레인아미드산, 그 에스테르 및 말레이미드의 제조방법
JP4198908B2 (ja) N−アルキルマレイミドの精製方法およびn−アルキルマレイミド組成物
JPS6335560A (ja) マレイミド類の製造方法
JPH01216969A (ja) N−置換マレイミド類の精製法
JP2824394B2 (ja) フマル酸製造用触媒およびこの触媒を用いたフマル酸の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees