JPH0774195B2 - N−置換−α,β−不飽和ジカルボン酸環状イミドの製造方法 - Google Patents

N−置換−α,β−不飽和ジカルボン酸環状イミドの製造方法

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JPH0774195B2
JPH0774195B2 JP62026702A JP2670287A JPH0774195B2 JP H0774195 B2 JPH0774195 B2 JP H0774195B2 JP 62026702 A JP62026702 A JP 62026702A JP 2670287 A JP2670287 A JP 2670287A JP H0774195 B2 JPH0774195 B2 JP H0774195B2
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    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、N−置換−α,β−不飽和ジカルボン酸環状
イミドの製造方法に関する。
N−置換−α,β−不飽和ジカルボン酸環状イミドは、
例えばポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ABS等の熱可塑
性樹脂の耐熱性改良剤や耐熱性樹脂原料として最近注目
されている化合物である。
従来の技術 第一アミンとα,β−不飽和ジカルボン酸無水物とから
相当するN−置換−α,β−不飽和ジカルボン酸環状イ
ミドを製造する方法としては、N−置換−α,β−不飽
和ジカルボン酸モノアミドを経由し、その脱水環化によ
り製造する方法が一般的である。
当該中間体であるN−置換−α,β−不飽和ジカルボン
酸モノアミドは容易に製造されるものの、その脱水反応
によるN−置換−α,β−不飽和ジカルボン酸環状イミ
ドの製造が容易でない。
係る問題を解消するために種々の方法が提案されている
ものの、未だ満足できる方法は提案されていない。例え
ば、N−置換−α,β−不飽和ジカルボン酸モノアミド
に無水酢酸等の脱水剤を作用させる方法(例えば、特公
昭46−29140、USP2,444,536)では、高価な脱水剤を多
量に消費し、工業的には有利とはいえない。
このため、脱水剤を用いない方法も種々提案されてい
る。例えば、トルエンやキシレン等の水と共沸する非極
性溶媒又はN,N−ジメチルホルムアミドやN−メチルピ
ロリドン等の非プロトン性極性溶媒、更にはそれらの混
合溶媒系で、酸触媒や塩基触媒の存在下、加熱脱水させ
る方法(特公昭47−24024、特公昭55−46394、特開昭61
−106554、特開昭60−100554、特開昭60−112758)であ
るが、これらの方法では、重合や分解反応等の副反応を
抑制出来ず、低収率であったり、反応生成物中に多くの
副生物を含み、純度及び色相の良好なN−置換−α,β
−不飽和ジカルボン酸環状イミドを得るためには、蒸留
や再結晶等の高度な精製処理を必要とする。
更に、N−置換−α,β−不飽和ジカルボン酸モノアミ
ドを過加熱水蒸気の存在下で脱水環化させる方法(特公
昭46−37588号、特公昭47−45339号、特開昭61−251658
号)も報告されているが、設備が極めて煩雑となり、工
業的には充分な方法ではない。
発明者らは、リン酸等のブレンステッド酸を触媒とし、
非極性溶媒と水を共沸脱水すれば、触媒成分や目的のN
−置換−α,β−不飽和ジカルボン酸環状イミドの分離
精製が容易であることに注目し、この反応方法をより工
業的に有利な方法に改良すべく、副生物の生成経路確認
やその抑制方法を種々試みた。
その中で、N−置換−α,β−不飽和ジカルボン酸モノ
アミドの分解により第一アミン及びα,β−不飽和ジカ
ルボン酸が生成すること、及びこのことがα,β−不飽
和ジカルボン酸の異性化や異性化酸に基づく分子間脱
水、第一アミンのオレフィン性二重結合への付加反応等
多くの副反応を発生する主原因であることを見い出し
た。
更に引続く検討の中で、特定量の有機アミンの共存下
に、原料を供給しつつ反応を進めることにより、当該モ
ノアミドの分解がおさえられ、その結果、分解に基づく
上記の各種副反応を抑制し得ることを見い出し、この知
見に基づいて本発明を完成した。
問題点を解決するための手段 本発明は、第一アミンとα,β−不飽和ジカルボン酸無
水物とを加熱し脱水することによりN−置換−α,β−
不飽和ジカルボン酸環状イミドを製造するに際し、水と
共沸性を有する非極性溶媒、ブレンステッド酸及び該ブ
レンステッド酸に対し0.05〜0.5当量の有機アミンとを
含む溶液相に、加熱還流下、第一アミンとα,β−不飽
和ジカルボン酸無水物、又はN−置換−α,β−不飽和
ジカルボン酸モノアミドを供給することを特徴とする。
本発明において、反応系に予め添加しておく有機アミン
とN−置換−α,β−不飽和ジカルボン酸環状イミドの
原料である第一アミンとは原則として同一であることが
望ましい。但し、数種の第一アミンから誘導されるN−
置換−α,β−不飽和ジカルボン酸環状イミド混合物の
製造を目的とする場合はこの限りではない。
本発明において用いる第一アミンは、脂肪族、脂環族及
び芳香族のいずれでもよく、又モノアミンに限らずジア
ミン及びポリアミンも含まれる。即ち、一般式(A)で
示されるモノアミン、一般式(B)で示されるジアミ
ン、一般式(C)及び(D)で示されるポリアミンが例
示される。
R1−NH2 (A) (式中R1は、ハロゲン原子、アルコキシ基若しくはヒド
ロキシル基等の置換基を有していてもよい炭素数1〜20
のアルキル基、シクロアルキル基、フェニル基又はナフ
チル基を表わす。) H2N−R2−NH2 (B) (R2は炭素数2〜20を有する2価の有機基を表わす。) (式中R3は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のア
ルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、nは1〜10
の整数を示す。) これらの第一アミンのうち、一般式(A)のR1基アルキ
ル基又はシクロアルキル基、一般式(B)のR2の脂肪族
基又は脂環族基及び一般式(D)等で示される第一アミ
ンの場合、特にその効果が顕著である。
具体的に、脂肪族又は脂環族第一アミンとしては、エチ
ルアミン、n−ブチルアミン、n−オクチルアミン、2
−エチルヘキシルアミン、n−デシルアミン、n−ドデ
シルアミン、n−オクタデシルアミン、シクロヘキシル
アミン、2−メチルシクロヘキシルアミン、4−メチル
シクロヘキシルアミン、4,4´−ジアミノジシクロヘキ
シルメタン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジア
ミノシクロヘキサン、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキ
サンジアミン、1,8−オクタンジアミン、ビス(3−ア
ミノプロピル)エチレングリコールエーテル、ビス(3
−アミノプロピル)ジエチレングリコールエーテル、
α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリエチレングリ
コールエーテル、ビス(3−アミノプロピル)テトラヒ
ドロフラン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリ
テトラヒドロフラン、アニリンとホルムアルデヒド縮合
物の核水素化物等が示される。
又、芳香族第一アミンとしては、アニリン、o−トルイ
ジン、p−トルイジン、キシリジン、p−エチルアニリ
ン、p−イソプロピルアニリン、p−ドデシルアニリ
ン、p−クロロアニリン、2,4−ジクロロアニリン、ア
ニシジン、フェネチジン、p−アミノ安息香酸、ニトロ
アニリン、アミノフェノール、m−フェニレンジアミ
ン、p−フェニレンジアミン、4,4´−ジアミノフェニ
ルメタン、2,2´−ビス(4−アミノフェニル)プロパ
ン、4,4´−ジアミノフェニルオキシド、4,4´−ジアミ
ノジフェニルスルホン、ビス(4−アミノフェニル)メ
チルホスフィンオキシド、ビス(4−アミノフェニル)
メチルアミン、1,5−ジアミノナフタレン、m−キシレ
ンジアミン、4,4´−ジアミノベンゾフェノン、ビス
(4−アミノフェニル)フェニルメタン、1,1−ビス
(4−アミノフェニル)シクロヘキサン、アニリンとホ
ルムアルデヒドの縮合物、o−トルイジンとホルムアル
デヒドの縮合物等が例示される。
本発明において、反応系中に共存させる有機アミンの量
は、ブレンステッド酸に対し、0.05〜0.5当量、特に好
ましくは0.1〜0.4当量である。0.05当量より少ないとN
−置換−α,β−不飽和ジカルボン酸モノアミドの分解
を充分抑制しきれず、収率及び品質が低下する。逆に0.
5当量より多いときには第一アミンがオレフィン性二重
結合へ付加することにより副生物が急増したり、触媒能
が著しく低下するため反応速度が大幅に低下する。
又、第一アミンと共に第三アミンを共存させることが更
に有効な場合がある。この場合も第一アミンと第三アミ
ンの合計量は、酸触媒に対しアミン基を基準に0.05〜0.
5当量の範囲であることが好ましい。
この目的のために適当な第三アミンとは、炭素数6〜60
の脂肪族、脂環族又は芳香族第三アミンであって、具体
的にはジメチルヘキシルアミン、ジエチルブチルアミ
ン、ジエチルヘキシルアミン、ジメチルデシルアミン、
ジメチルドデシルアミン、ジメチルオクタデシルアミ
ン、ジドデシルメチルアミン、ジオクタデシルメチルア
ミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、メチルジシクロ
ヘキシルアミン、ジメチルアニリン、ジエチルアニリ
ン、ジメチルトルイジン、メチルペピリジン、エチルピ
リジン等が例示される。
α,β−不飽和ジカルボン酸無水物としては一般式
(E)の構造を有するものが使用出来る。
(式中R4、R5は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10
のアルキル基又はフェニル基で、相互に同一であっても
異なっていてもよい。) 具体的には、無水マレイン酸、3−メチル無水マレイン
酸、3−エチル無水マレイン酸、3,4−ジメチル無水マ
レイン酸、3,4−ジエチル無水マレイン酸、3−フェニ
ル無水マレイン酸、3−クロル無水マレイン酸、3,4−
ジクロル等無水マレイン酸等である。
触媒のブレンステッド酸は、リン酸、亜リン酸、次亜リ
ン酸、メタリン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、ポリ
リン酸、硫酸等の無機酸やメタンスルホン酸、p−トル
エンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスル
ホン酸等の有機酸が使用できる。又、これらの酸触媒に
少量の五酸化リン等の脱水剤を作用させることも出来
る。上記ブレンステッド酸触媒のうち、特に無機酸が触
媒層の分離等の操作上好ましい。尚、ピロリン酸、トリ
ポリリン酸、ポリリン酸等の縮合リン酸を用いる場合
は、水で分解して生じるリン酸を基準として、第一アミ
ンを0.05〜0.5当量添加する。
溶媒は、好ましくは60〜200℃の沸点範囲を有し、生成
水を共沸留去出来る非極性有機溶媒で、前記したブレン
ステッド酸触媒と実質的に溶けあわず、反応後、二液相
を形成するものであればよい。例えば、トルエン、キシ
レン、エチルベンゼン、クメン、ヘキサン、オクタン、
デカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチ
ルシクロヘキサン、軽油、軽油の水素化物等の炭化水
素、クロルベンゼン、ジクロルエタン、トリクロルエタ
ン、パークロルエチレン等の含ハロゲン炭化水素等が単
独又は任意の2種以上の混合物で使用出来る。
触媒の量は、原料のジカルボン酸モノアミドに対し10〜
200重量%、特に好ましくは20〜150重量%である。10重
量%より少ないと反応速度が低下し、N−置換−α,β
−不飽和ジカルボン酸モノアミドの分子間脱水物又はそ
の分解物が増すため収率が低下する。逆に200重量%を
超える量を用いても、併用すべき第一アミン量も増し、
経済的に不利となるのみで、特に利点を認めない。
更に、反応物の着色を防ぎ、高品質のN−置換−α,β
−不飽和ジカルボン酸環状イミドを得るために、安定剤
の存在下に反応を行うのが好ましい場合がある。安定剤
としては、ハイドロキノン、メトキシベンゾキノン、フ
ェノチアジン、tert−ブチルカテコール、ジメチルジチ
オカルバミン酸等が適当で、その添加量は一般的には反
応系中の濃度で0.001〜1重量%が好ましい。
当該反応は還流条件下で行なわれ、具体的には100〜200
℃好ましくは120〜160℃である。
本発明方法は、一般に以下の如くして行なわれる。
即ち、加熱還流状態にある触媒、第一アミン及び溶媒を
含む溶液相に第一アミン及びN−置換−α,β−不飽和
ジカルボン酸無水物、又はN−置換−α,β−不飽和ジ
カルボン酸モノアミドを供給しつつ脱水反応をさせる。
この場合、加熱還流前から原料を供給しつつ加熱し、還
流状態に推移することも可能である。
N−置換−α,β−不飽和ジカルボン酸モノアミドの供
給は、前記した非極性溶媒に懸濁させて仕込んでもよ
く、粉体のまま仕込んでもよい。又、この場合、予め添
加又は存在する第一アミンの量に応じ、N−置換−α,
β−不飽和ジカルボン酸モノアミドと共にその原料とな
る第一アミン又は/及びα,β−不飽和ジカルボン酸無
水物を添加しつつ反応したり、α,β−不飽和ジカルボ
ン酸無水物を添加してからN−置換−α,β−不飽和ジ
カルボン酸モノアミドを供給しつつ反応したりすること
も出来る。
一方、第一アミンとα,β−不飽和ジカルボン酸を供給
しつつ反応を行う場合は、いずれか一方又は両者を前記
の非極性溶媒に溶解して、別個に仕込むことが望まし
い。
第一アミンとα,β−不飽和ジカルボン酸無水物との仕
込比率は、最終的に0.8:1〜1:0.8(モル比)の範囲であ
ればよく、途中においては必ずしもこの範囲である必要
はない。
但し、いずれの場合も反応系中の第一アミン量が共存す
る酸触媒に対し0.05〜0.5当量の範囲内とすることが必
要である。
N−置換−α,β−不飽和ジカルボン酸モノアミド、又
はその原料である第一アミンとα,β−不飽和ジカルボ
ン酸無水物の供給は間歇的でも連続的でもかまわない。
一般的には1〜10時間を要してこれらを仕込み、さらに
0.5〜5時間の熟成反応を行うのが望ましい。
反応終了後、撹拌を停止し、静置すれば反応液が分層
し、イミドが析出しない任意の温度で触媒を含む層を分
離することが出来る。反応後、不溶性の副生物が析出す
る場合は、前記触媒層を分液前又は分液後濾過し、副生
物を除去するのが望ましい。分離した触媒層は、そのま
ま又は新たに第一アミンやα,β−不飽和ジカルボン酸
無水物を添加して、触媒と第一アミンの比を前記特定範
囲内として繰返し使用出来る。
生成したN−置換−α,β−不飽和ジカルボン酸環状イ
ミドを含む有機溶媒層は、該イミドが析出しない温度で
少量の水又はアルカリ水溶液で洗浄後、そのまま冷却す
るか、溶媒の一部を留去してから冷却して、イミドの結
晶を析出させることが出来る。又、溶媒を全量留去した
後、適当な溶剤で洗浄することによっても高純度のN−
置換−α,β−不飽和ジカルボン酸環状イミドを得るこ
とが出来る。
実 施 例 以下、実施例及び比較例を掲げ、本発明を詳細に説明す
る。
実施例1 水分離器付冷却管、滴下ロート、温度計及び撹拌機を備
えた四ッ口フラスコに85%リン酸40g、シクロヘキシル
アミン20g(リン酸に対し0.20当量)、キシレン100g及
びハイドロキノン0.4gを仕込み、撹拌しつつ還流温度に
加熱した。これにN−シクロヘキシルマレアミド酸粉末
50gを約3時間に亘って少量ずつ添加し、生成物を除き
ながら反応した。アミド酸を加えずに更に3時間反応を
続けた後、静置冷却した。下層の触媒層を分離し、不溶
性副生物を濾別した後、水洗した上層をHPLCにより分析
した。
その結果、未反応のN−シクロヘキシルマレアミド酸や
他の副生物は検出されず、目的のN−シクロヘキシルマ
レイミドを38%の収率で得た。又、上記水洗物を減圧蒸
溜して溶媒を除去後、粉砕し、少量のメタノールで洗浄
後乾燥するとほとんど無色の結晶が35.9g得られ(収率7
9%)、このものの融点は87〜88℃、酸価は0.5以下、HP
LC純度は99.8%であった。
実施例2 実施例1において得られた触媒層は、シクロヘキシルア
ミンを21g含んでいた。この触媒層とキシレン100g及び
ハイドロキノン0.2gを再度反応器に仕込み、先ほどと同
様の操作でN−シクロヘキシルマレアミド酸50gを反応
させた。水洗後の有機溶媒層を分析した結果N−シクロ
ヘキシルマレイミド収率は93%であった。又、溶媒を減
圧蒸留後メタノール洗浄及び乾燥して、極くわずか黄色
に着色した結晶を39.1g(収率86%)得た。このものの
融点は88〜88.5℃、酸価は0.5以下、及びHPLC純度は99.
8%であった。
実施例3 実施例1と同様の反応器に酸触媒として85%リン酸20
g、シクロヘキシルアミン5g、キシレン100g及びハイド
ロキノン0.2gを仕込み、撹拌しつつ還流温度に加熱し
た。これにN−シクロヘキシルマレアミド酸50gを80gの
キシレンに懸濁したスラリーを少量ずつ4時間で添加
し、更に2時間反応を続けた後、静置冷却した。触媒層
を分離し、不溶性副生物を濾別後、水洗した上層をHPLC
により分析した結果、N−シクロヘキシルマレイミドが
81%の収率で得られた。
実施例4 酸触媒として85%リン酸60g及びシクロヘキシルアミン
を40g添加した以外は実施例3と同様にして、N−シク
ロヘキシルマレイミドを85%の収率で得た。
実施例5 酸触媒として98%硫酸を40g及びシクロヘキシルアミン
を20g添加した以外は実施例3と同様にして、N−シク
ロヘキシルマレイミドを78%の収率で得た。
実施例6 酸触媒として亜リン酸を40g及びシクロヘキシルアミン
を20g添加した以外は実施例3と同様にして、N−シク
ロヘキシルマレイミドを81%の収率で得た。
実施例7 酸触媒としてピロリン酸を40g及びシクロヘキシルアミ
ンを20g添加した以外は実施例3と同様にして、N−シ
クロヘキシルマレイミドを83%の収率で得た。
実施例8 実施例1と同様の反応器に85%リン酸40g、キシレン100
g、ハイドロキノン0.2g及びオクチルアミン20gを添加
し、実施例1と同様の反応条件でN−オクチルマレアミ
ド酸50gと反応させて、N−オクチルマレイミドを81%
の収率で得た。
実施例9 実施例8と同様にして、4,4´−ジアミノジシクロヘキ
シルメタンと4,4´−ジアミノジシクロヘキシルメタン
ビスマレアミド酸とから4,4´−ジアミノジシクロヘキ
シルメタンビスマレイミドを75%の収率で得た。
実施例10 実施例8と同様にして、アニリンとN−フェニルマレア
ミド酸とからN−フェニルマレイミドを95%の収率で得
た。
実施例11 実施例8と同様にして、シクロヘキシルアミンとN−シ
クロヘキシル−3,4−ジメチルマレアミド酸とからN−
シクロヘキシル−3,4−ジメチルマレイミドを80%の収
率で得た。
実施例12 実施例1においてN−シクロヘキシルマレアミド酸50g
の代りに、無水マレイン酸の15%キシレン溶液166gとシ
クロヘキシルアミンの30%キシレン溶液83gを別々の仕
込口から供給しつつ反応し、この間に無水マレイン酸や
シクロヘキシルアミンと共に仕込んだ量に相当する量の
キシレンを系外に抜き出した以外が実施例1と同様に反
応し、N−シクロヘキシルマレイミドを取出した。HPLC
分析による収率は81%で、実施例1と同様に処理して淡
黄色結晶を35g(収率77%)を得た。このものの融点は8
7〜88℃、酸価は0.5以下、及びHPLC純度は99.5%であっ
た。
比較例1 シクロヘキシルアミンを添加せずに実施例1と同様の反
応を行った。HPLC分析によるN−シクロヘキシルマレイ
ミド収率は65%と低く、同様の操作をして得た結晶は2
6.8g(収率59%)、黄褐色でHPLC純度も95.1%と劣って
いた。
比較例2 実施例1において添加するシクロヘキシルアミン量を62
g(リン酸に対し0.06当量)に増した以外はすべて実施
例1と同様の操作を行った。HPLC分析によるN−シクロ
ヘキシルマレイミド収率は36%と低く、同様の操作によ
って得た結晶は淡黄色であったが14.5g(収率32%)で
純度も96.1%と劣った。
比較例3 実施例1においてN−シクロヘキシルマレアミド酸を少
量ずつ添加せず、反応開始時にすべてを一緒に仕込み、
同様の条件で6時間反応を行った。HPLC分析によるN−
シクロヘキシルマレイミド収率は75%で、分離出来た結
晶は淡黄色であったが、33g(収率73%)と少なく、純
度も98%と劣った。
発明の効果 本発明方法によれば、安価な非極性溶媒を使用し、非常
に簡単な操作で色相の良好な高純度のN−置換−α,β
−不飽和ジカルボン酸環状イミドが高い収率で得られ
る。然も触媒は繰返し使用出来るため、経済的にも有利
な方法である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第一アミンとα,β−不飽和ジカルボン酸
    無水物とを加熱し脱水することによりN−置換−α,β
    −不飽和ジカルボン酸環状イミドを製造する方法におい
    て、水と共沸性を有する非極性溶媒、ブレンステッド
    酸、及び該ブレンステッド酸に対し0.05〜0.5当量の有
    機アミンとを含む溶液相に、加熱還流下、第一アミンと
    α,β−不飽和ジカルボン酸無水物、又はN−置換−
    α,β−不飽和ジカルボン酸モノアミドを供給すること
    を特徴とするN−置換−α,β−不飽和ジカルボン酸環
    状イミドの製造方法である。
JP62026702A 1987-02-07 1987-02-07 N−置換−α,β−不飽和ジカルボン酸環状イミドの製造方法 Expired - Lifetime JPH0774195B2 (ja)

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JP62026702A JPH0774195B2 (ja) 1987-02-07 1987-02-07 N−置換−α,β−不飽和ジカルボン酸環状イミドの製造方法

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JPS63196560A JPS63196560A (ja) 1988-08-15
JPH0774195B2 true JPH0774195B2 (ja) 1995-08-09

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