JPH0774199B2 - 芳香族環状ポリイミドの製造方法 - Google Patents

芳香族環状ポリイミドの製造方法

Info

Publication number
JPH0774199B2
JPH0774199B2 JP1214390A JP21439089A JPH0774199B2 JP H0774199 B2 JPH0774199 B2 JP H0774199B2 JP 1214390 A JP1214390 A JP 1214390A JP 21439089 A JP21439089 A JP 21439089A JP H0774199 B2 JPH0774199 B2 JP H0774199B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reaction
acid
polyimide
solvent
aromatic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1214390A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0377865A (ja
Inventor
利洋 水谷
貫剛 藤谷
幹郎 中澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
New Japan Chemical Co Ltd
Original Assignee
New Japan Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by New Japan Chemical Co Ltd filed Critical New Japan Chemical Co Ltd
Priority to JP1214390A priority Critical patent/JPH0774199B2/ja
Publication of JPH0377865A publication Critical patent/JPH0377865A/ja
Publication of JPH0774199B2 publication Critical patent/JPH0774199B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Pyrrole Compounds (AREA)
  • Indole Compounds (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、芳香族環状ポリイミド類の製造方法に関す
る。芳香族環状ポリイミド類は、接着剤、積層材料、封
止材料、摺動材料及び電気部品、航空機や車両などの構
造材料用原料として有用である。
(従来の技術) 2個以上の第1級アミノ基を有する芳香族ポリアミン類
とα,β−不飽和ジカルボン酸無水物から相当する環状
ポリイミド類を製造する方法は、ポリアミド酸を経由
し、その脱水イミド化により製造する方法が一般的であ
る。
この方法において、当該中間体であるポリアミド酸はポ
リアミンとα,β−不飽和ジカルボン酸無水物を温和な
条件下で混合するだけで容易に製造されるが、その後の
脱水イミド化が容易でないため、低収率であったり、純
度が低いために樹脂原料として不充分であるなどの問題
点がある。
かかる問題点を解決するために種々の方法が提案されて
いるが、未だ充分満足できる方法は無い。例えば、芳香
族ジアミンと無水マレイン酸から得たビスアミド酸に無
水酢酸などの脱水剤と酢酸ナトリウムや3級アミンなど
の脱水触媒を加え、比較的低温でイミド化する方法(例
えば、特公昭46−29140、特公昭49−40231、特公昭52−
2913、特開昭55−13202、特開昭59−212470、特開昭61
−24564)が開示されている。しかし、この方法では高
価な脱水剤を多量に消費するため、工業的には不利であ
る。
このため脱水剤を用いない方法も種々提案されている。
例えば、水と共沸する炭化水素やハロゲン化炭化水素溶
媒又はN,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFと略す)
やN−メチルピロリドン(以下、NMPと略す)などの非
プロトン性極性溶媒、さらにはそれらの混合溶媒系で、
酸触媒存在下や無触媒下、加熱脱水する方法など(例え
ば、特開昭53−68770、特開昭57−159764、特開昭60−2
60623、特開昭62−123169、特開昭63−201166)が開示
されている。
しかし、いずれの方法においても原料アミド酸及び目的
ポリイミドの両者に対して高い溶解度を有する溶媒を用
いる為、目的ポリイミドを反応溶液から取り出すにあた
り、反応終了後、大量の水やメタノール中に投入する方
法が採用されている。このため、触媒や触媒の回収再使
用ができず、多量の廃水を発生することになる等の問題
点が生じ、工業的に満足しうる製造方法とはいえなかっ
た。
一方、反応溶媒に炭化水素などの非極性溶媒を用いれ
ば、生成ポリイミドの溶解度が低く、目的物は固体とし
て生成し過などの容易な操作で反応溶液から分離させ
ることができる。しかし、これらの溶媒に対する原料ア
ミド酸の溶解度もまた低く、極めて遅い反応速度しか得
られない。そのため、やむを得ず高温で反応させたり大
量の触媒の存在下で反応させるとポリマー状の副生物が
生成したりして、反応の継続ができない状態になってし
まい、このままではポリイミドの製造方法とは全く成立
しないものであった。
さらに、以上の問題点に加えてこれらの製造方法はすべ
て反応中間体であるポリアミド酸を別途の反応器で合成
するか、同一の反応器を用いて一度アミド酸を製造する
一段目の反応を行い、引き続いて二段目のイミド化反応
を行っている。この二段法は反応操作を煩雑にしたり、
スラリーを扱う複雑な装置を必要としたりする問題点が
あり、より容易で簡便な装置により当該ポリイミドを製
造する一段法が望まれている。
一方、アミド酸を調製しない一段法として、無水マレイ
ン酸の融解液中に、芳香族ポリアミンを徐々に添加する
方法(特開昭61−225215,同62−77363)が開示されてい
る。しかし、これらの方法は無水マレイン酸を減圧下高
温に加熱して反応し、さらに減圧度を上昇させて、過剰
の無水マレイン酸を除去したり、熱水で抽出したりする
ものであり、昇華する無水マレイン酸の為の特殊な装置
を必要としたり、マレイン酸が大量に溶解した洗浄廃水
の処理を必要としたりする問題点があり、実際的な製造
方法とはいえないものであった。
(問題を解決するための手段) 本発明者らは生成ポリイミドの分離が容易で、かつ高反
応性で選択率の良く、操作や設備の簡便な一段反応プロ
セスを鋭意検討した結果、所定比率の非プロトン性極性
溶媒と非極性溶媒との混合溶媒を用い、酸触媒とα、β
−不飽和ジカルボン酸無水物の所定量存在下、加熱還流
脱水している反応系中に、芳香族ポリアミンを連続的又
は間欠的に添加することが反応速度を著しく増加させ、
ポリマー状の副生物を抑制するのに極めて効果的であ
り、かつ目的とするポリイミドの晶析性を損なうことな
く、収率及び純度を向上させることができることを見い
だし本発明に到達した。
すなわち、α、β−不飽和ジカルボン酸無水物と分子内
に2個以上の第一級アミノ基を有する芳香族ポリアミン
類を加熱脱水して環状ポリイミドを製造するに際し、芳
香族ポリアミン100重量部を、α、β−不飽和ジカルボ
ン酸無水物(当該芳香族ポリアミンの第一級アミノ基に
対する比率は1〜20倍モルの範囲)及び混合溶媒100〜2
000重量部(水と共沸性を有する非極性溶媒60〜99重量
%と非プロトン性極性溶媒40〜1重量%からなる)と酸
触媒が存在し、かつ加熱還流脱水している反応系中に、
連続的又は間欠的に添加することを特徴とする脱水イミ
ド化法、そして、その反応方法によって得た反応混合物
よりポリイミドを晶析分離することを特徴とする芳香族
ポリイミドの製造方法である。
従来、本発明で製造される環状ポリイミドの様なマイケ
ル付加によって重合物を生成する化合物の合成時にその
硬化剤ともいえる芳香族ポリアミンを直接反応系に導入
すれば、存在するイミドへの付加反応が優先し、ポリマ
ー状の重合物の副生が避けられないとされていた。その
一方、α、β−不飽和ジカルボン酸及びその無水物の過
剰の存在は、熱異性化によるフマル酸の生成や、該異性
化酸とのポリアミンとの分子間脱水による重合物の生成
の原因とされてきた。
しかし、本発明者らはこれらの問題を解決するために研
究した結果、所定組成の溶媒中、酸触媒とα、β−不飽
和ジカルボン酸無水物存在下で加熱脱水しつつ芳香族ポ
リアミンを逐次添加していくことで一段反応かつ比較的
低温イミド化反応を可能にし、ポリマー状副生物の生成
とジカルボン酸の異性化を抑制した合成法の発明に至っ
た。
ここに掲げた一段反応での高反応率、高選択率の反応方
法が本発明の第一の特徴である。第二の特徴は上記の特
性を活かしたまま、反応終了後、冷却により目的ポリイ
ミドを結晶化し容易に分離できる溶媒系に求められる。
これにより大量の廃水の処理などの工業上の不利益が排
除されるばかりでなく、晶析母液を再度反応に供するこ
とができるため、溶液中に溶存している過剰量のα、β
−不飽和ジカルボン酸無水物の効率的使用が可能となり
本発明の利益を増大させる。
本発明に用いる芳香族ポリアミン類とは、分子内に第1
級アミノ基を2個以上有する芳香族アミンである。一般
式(A)、(B)、(C)及び(D)で示されるポリア
ミンが例示できる。
(式中Xは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のア
ルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、nは1〜3
の整数、n′は0〜10の整数、Yは単結合、−CH2−O−、−S−、−SO2−、−SO−又は−CO−で各々同
一であっても異なってもよい)。
さらに具体的には、一般式(A)で示されるポリアミン
として m−フェニレンジアミン、 p−フェニレンジアミン、 2,4−ジアミノトルエン、 2,6−ジアミノトルエン、 2−クロル−p−フェニレンジアミン、 一般式(B)で示されるポリアミンとして 2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、 4,4′−ジアミノジフェニルメタン、 4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、 4,4′−ジアミノジフェニルスルフィド、 4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、 4,4′−ジアミノジフェニルメチルエチルメタン、 4,4′−ジアミノジフェニルジ(トリフロロメチル)メ
タン 3,3′−ジアミノジフェニルエーテル、 3,3′−ジアミノジフェニルスルフィド、 3,3′−ジアミノジフェニルスルホン アニリンとホルムアルデヒドの縮合物、 アニリンとアセトアルデヒドの縮合物、 トルイジンとホルムアルデヒドの縮合物、 などが例示される。
一般式(C)で示されるポリアミンは、 4,4′−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジアニ
リン、 3,4′−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジアニ
リン、 3,3′−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジアニ
リン、 1,4′−ビス(p−アミノフェノキシ)ベンゼン 1,3′−ビス(p−アミノフェノキシ)ベンゼン 1,4′−ビス(p−アミノフェノキシチオエーテル)ベ
ンゼン、 1,3′−ビス(p−アミノフェノキシチオエーテル)ベ
ンゼン、 1,4′−ビス(p−アミノフェニル)ベンゼン、 1,3′−ビス(p−アミノフェニル)ベンゼン、 並びに上記各ジアミンのメタ−体が例示される。
一般式(D)で示されるポリアミンとしては、 2,2−ビス[4−(p−アミノフェニルチオエーテル)
フェニル]プロパン、 2,2−ビス[3−(p−アミノフェノキシチオエーテ
ル)フェニル]プロパン、 4,4′−ビス(p−アミノフェノキシ)ジフェニルスル
ホン、 3,3′−ビス(p−アミノフェノキシ)ジフェニルスル
ホン、 4,4′−ビス(p−アミノフェニルチオエーテル)ジフ
ェニルスルホン、 3,3′−ビス(p−アミノフェニルチオエーテル)ジフ
ェニルスルホン、 4,4′−ビス(p−アミノフェノキシ)ジフェニルエー
テル、 3,3′−ビス(p−アミノフェノキシ)ジフェニルエー
テル、 4,4′−ビス(p−アミノフェノキシ)ジフェニルスル
フィド、 3,3′−ビス(p−アミノフェノキシ)ジフェニルスル
フィド、 4,4′−ビス(p−アミノフェニルチオエーテル)ジフ
ェニルスルフィド、 3,3′−ビス(p−アミノフェニルチオエーテル)ジフ
ェニルスルフィド、 4,4′−ビス(p−アミノフェニルチオエーテル)ジフ
ェニルエーテル、 3,3′−ビス(p−アミノフェニルチオエーテル)ジフ
ェニルエーテル、 4,4′−ビス(p−アミノフェノキシ)ベンゾフェノ
ン、 3,3′−ビス(p−アミノフェノキシ)ベンゾフェノ
ン、 4,4′−ビス(p−アミノフェニルチオエーテル)ベン
ゾフェノン、 3,3′−ビス(p−アミノフェニルチオエーテル)ベン
ゾフェノン、 4,4′−ビス(p−アミノフェニルチオエーテル)ジフ
ェニル、 3,3′−ビス(p−アミノフェニルチオエーテル)ジフ
ェニル、 並びに上記各ジアミンのメタ−体が例示される。
一般式(A)から(D)で示されるこれらのポリアミン
は、単独又は2種以上を組み合わせて用いることがで
き、また、本発明の所定の効果が得られる限りにおい
て、前記に例示された以外に、他の芳香族ポリアミンを
併用してもよい。
芳香族ポリアミンを添加する形態は固体のままでも融解
液でも前記の溶媒の溶液でも良い。逐次添加の速度は反
応系に存在しているジカルボン酸無水物、酸触媒、溶媒
組成の種類や量によって異なるが、反応溶液中に存在す
る中間マレアミド酸濃度で0.1mol/l以下になるように、
添加速度を調節するのが良い。これ以上では異性化酸に
起因する副生成物やマイケル付加反応による重合反応が
起こり易くなる。目安として反応溶液が均一か微弱な濁
りを生じる程度の速度で添加するのがよく、通常1〜10
時間で添加を終了する。
次にα,β−不飽和ジカルボン酸無水物として具体的に
は、マレイン酸、3−メチルマレイン酸、3−エチルマ
レイン酸、3,4−ジメチルマレイン酸、3,4−ジエチルマ
レイン酸、3−フェニルマレイン酸、3−クロルマレイ
ン酸、3,4−ジクロルマレイン酸、テトラヒドロフタル
酸、メチルテトラヒドロフタル酸、5−ノルボルネン−
2,3−ジカルボン酸及びそれらの酸無水物、さらにはマ
レイン化アロオシメン、マレイン化ミルセンなどが例示
される。これらの酸に対応する有水酸を予め仕込み、加
熱脱水して得る無水物も当然使用できる。
本発明では、触媒のブレンステッド酸はリン酸、亜リン
酸、次亜リン酸、メタリン酸、ピロリン酸、トリポリリ
ン酸、硫酸などの無機酸やメタンスルホン酸、p−トル
エンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスル
ホン酸などの有機酸が使用できる。又、これらの酸触媒
に少量の五酸化リンなどの脱水剤を併用させることもで
きる。上記ブレンステッド酸触媒のうち、特に有機スル
ホン酸が副反応が少なく色相が良好な点で好ましい。こ
れらの触媒は、原料を芳香族ポリアミンに対し1〜50重
量%使用する。
反応に用いる溶媒の量は、原料の芳香族ポリアミン100
重量部に対し、100〜2000重量部程度用いる。好ましく
は、200〜600重量部である。これより多いと、生成した
ポリイミドの溶解量が多くなり損失が大きくなる。また
逆にこれより少ないと、生成したポリイミドが多量に析
出し、反応を完結させる上で、不都合が生じる。
本発明における非プロトン性極性溶媒とは、例えばDM
F、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルホルム
アミド、NMP、ジメチルスルホキシド(以下、DMSOと略
す)、ヘキサメチルホスホロアミド、γ−ブチロラクタ
ム、テトラメチル尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾ
リジノン、ジグライム、ジオキサンなどが例示される。
一方、非極性溶媒とは、好ましくは60〜200℃程度の沸
点範囲を有し、生成水を共沸留去できる溶媒であり、具
体的にはトルエン、キシレン、エチルベンゼン、ヘキサ
ン、オクタン、デカン、シクロヘキサン、メチルシクロ
ヘキサン、エチルシクロヘキサン、軽油、軽油の水素化
物などの炭化水素、クロルベンゼン、ジクロルエタン、
トリクロルエタン、パークロルエチレンなどのハロゲン
化炭化水素などが例示され、単独又はそれらの任意の2
種以上の混合物で使用できる。
前記非プロトン性極性溶媒と水共沸性非極性溶媒の混合
比率は、非極性溶媒60〜99重量%、非プロトン性極性溶
媒40〜1重量%の範囲である。非プロトン酸極性溶媒の
割合が少なすぎると、反応速度が大幅に低下すると共に
粘着性の強いポリマーが多量に副生し、反応続行が困難
となるなどの障害が生じる。逆に多すぎると、目的とす
る環状ポリイミドの溶解性が高くなり、イミドの分離回
収が困難となると同時に、反応の選択性も低下する。
前記の溶媒に溶解せしめるα,β−不飽和ジカルボン酸
無水物の使用量は反応系に添加しようとする全芳香族ポ
リアミンの第一アミノ基に対し、1〜20倍モルを用い
る。仕込モル比が1より小さいと、過剰の芳香族ポリア
ミンが生成するポリイミドにマイケル付加反応してポリ
イミド純度を大幅に低下させる。モル比が1に近づくほ
どその傾向が大となる為、好ましいモル比は1.2〜2.0倍
モルである。モル比が過大であることは反応上は差し支
えないが、経済的見地からは望ましくない。α,β−不
飽和ジカルボン酸無水物の仕込は反応開始時に全量溶媒
に溶解させるのが簡便であるが、芳香族ポリアミと比率
が逆転しない様、配慮しながら同時に添加しても構わな
い。
さらに、反応物の着色を防ぎ、高品質の環状ポリイミド
を得るために、安定剤の存在下に反応を行うこともでき
る。安定剤としては、ハイドロキノン、メトキシベンゾ
キノン、フェノチアジン、t−ブチルカテコール、ジメ
チルカルバミン酸などが適当で、その添加量は一般的に
は、反応系中の濃度で0.001〜1重量%が好ましい。
当該反応は加熱還流条件下で行われ、具体的には60〜20
0℃である。より好ましくは100℃〜130℃である。
本発明方法は、一般的には以下のように行われる。即
ち、酸触媒、α,β−不飽和ジカルボン酸無水物をデカ
ンター付き反応器にて所定組成の溶媒に溶解させて仕込
み、1〜10時間加熱還流脱水しつつ、芳香族ポリアミン
を逐次添加する。ポリアミンの供給は粉末のままあるい
は融解液で、もしくは前記の溶媒に溶解させ、連続的又
は間欠的に供給する。反応終了後、撹拌を停止し静置す
る。反応液が分層する場合は、ポリイミドが析出しない
任意の温度で、ポリイミドを含む層と触媒を含む層を分
離する。ポリイミドの結晶は、ポリイミドを含む溶液を
冷却するか、または溶媒の一部を留出させてから冷却し
て、析出させることができる。分離した触媒層はそのま
ま繰り返し使用できる。反応液が分層しない場合は、そ
のまま反応溶液を冷却するか、または溶液の一部を留出
させてから冷却して、ポリイミドの結晶を析出させるこ
とができる。
析出したポリイミドは過又は遠心分離などで液と分
けて得ることができる。場合によっては、炭化水素系溶
媒や水、炭酸ナトリウム水溶液及び又はメタノールなの
適当な溶剤で洗浄することにより、ポリイミドに付着し
ている酸触媒やα,β−不飽和ジカルボン酸無水物を除
去することができる。
液はそのまま又は該ジカルボン酸無水物を添加して繰
り返し使用できる。
以下、実施例及び比較例をあげ、本発明を詳細に説明す
る。
(実施例) 実施例1 水分離器付冷却管、滴下ロート、温度計及び撹拌器を備
えた四つ口フラスコにp−トルエンスルホン酸4g、トル
エン100g、DMF10g、無水マレイン酸33.8g(0.34モル)
を仕込み、撹拌しつつ還流温度に加熱し生成水を除きな
がら4,4′−ジアミノジフェニルメタン19.8g(0.1モ
ル)をトルエン80gに溶解した溶液を4時間逐次添加し
た。この間のマレアミド酸濃度0.05mol/l以下であっ
た。さらに1時間還流脱水を続け反応した。反応終了
後、30℃まで冷却した。析出した結晶を別して2%の
炭酸ナトリウム水溶液で洗浄後、乾燥し、淡黄色の粉末
のN,N′−4,4′−ジフェニルメタンビスマレイミド29.8
gを得た。高速液体クロマトグラフィ(以下、HPLCと略
記する)で純度を測定した。その結果を表1に示す。
実施例2 無水マレイン酸の仕込量を60g(0.61モル)に代えた以
外は、実施例1と同様に行い、黄色粉末のN,N′−4,4′
−ジフェニルメタンビスマレイミドを得た。その結果を
表1に示す。
実施例3 溶媒にDMFの代わりに、NMPを同量用いた以外は、実施例
1と同様の操作で反応し、黄色粉末のN,N′−4,4′−ジ
フェニルメタンビスマレイミドを得た。その結果を表1
に示す。
実施例4 無水マレイン酸の仕込量を33.8g(0.34モル)のまま
で、トルエン300g、DMF30gを用いた以外は実施例1と同
様に行い、黄色粉末のN,N′−4,4′−ジフェニルメタン
ビスマレイミドを得た。その結果を表1に示す。
実施例5 酸触媒として85%リン酸6gを使用した以外は実施例1と
同様に反応した。反応後、70℃まで静置させながら冷却
して、二層に分離させた。下層の触媒層を分離し、上層
をさらに30℃まで冷却して結晶を析出させた。結晶を
別し、炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した後、乾燥してN,
N′−4,4′−ジフェニルメタンビスマレイミドの黄色の
粉末を得た。その結果表1を示す。
実施例6 実施例1と同様の反応器に、実施例1において回収され
たビスマレイミドを含む液210g(液組成は、トルエン
85.2t%、DMF4.8wt%、p−トルエンスルホン酸0.8wt
%、無水マレイン酸6.8wt%、該マレイミド2.4wt%)及
び無水マレイン酸21.4g(0.22モル)を仕込み、撹拌し
つつ還流温度に加熱し生成水を除きながら、これに4,
4′−ジアミノジフェニルメタン19.8g(0.1モル)の融
解液を4時間にわたって連続的に供給した。この間のマ
レアミド酸濃度0.05mol/l以下であった。さらに1時間
還流脱水を続け反応した。反応終了後、30℃まで冷却
し、析出した結晶を別して2%の炭酸ナトリウム水溶
液で洗浄後、乾燥し、淡黄色の粉末のN,N′−4,4′−ジ
フェニルメタンビスマレイミドを得た。その結果を表1
に示す。
実施例7 溶媒のDMFの代わりに、ジメチルスルホキシドを同量用
いた以外は、実施例1と同様の操作で反応し、黄色粉末
のN,N′−4,4′−ジフェニルメタンビスマレイミドを得
た。その結果を表1に示す。
実施例8〜14 各種α,β−不飽和ジカルボン酸無水物及び芳香族ポリ
アミンを用い、酸触媒及び添加するα,β−不飽和ジカ
ルボン酸無水物を表2のように変え、α,β−不飽和ジ
カルボン酸無水物と芳香族ポリアミンのモル比及び操作
は、実施例1と同様に行い、芳香族環状ポリイミドを得
た。なお触媒に硫酸やリン酸を用いた場合は、反応後触
媒層を分液し晶析した。それらの結果を表2に示す。
比較例1 酸触媒を使用しなかった以外は実施例1と同様の反応を
行ったところ、溶液はスラリー状態となり、8時間の反
応後も生成水の留出は僅かであり、HPLCS分析によると
N,N′−4,4′−ジフェニルメタンビスマレイミドの生成
率は10%以下であった。
比較例2 実施例1において4,4′−ジアミノジフェニルメタンの
トルエン溶液の仕込を30℃にて全量行い、その後昇温し
て5時間還流脱水したところ、反応溶液に不溶の油状副
生物12gを生じた。溶解分のHPLC分析によるとN,N′−4,
4′−ジフェニルメタンビスマレイミドの生成率は38%
であった。その他、異性化酸に起因する多くのピークを
認めた。
比較例3 実施例1において4,4′−ジアミノジフェニルメタンの
トルエン溶液の仕込を反応溶液中のアミド酸濃度で0.2m
ol/lとなる速度で行った以外は同様の操作で反応したと
ころ、HPLC分析によるとN,N′−4,4′−ジフェニルメタ
ンビスマレイミドの生成率は46%であった。その他、付
加反応や異性化酸に起因する多くのピークを認めた。
比較例4 反応溶媒にトルエン400g、DMF40g、を用いた以外は実施
例1と同様の操作を行った。反応後、反応溶液を冷却し
たが、目的のN,N′−4,4′−ジフェニルメタンビスマレ
イミドの結晶は得られなかった。該溶液をHPLC分析した
結果、N,N′−4,4′−ジフェニルメタンビスマレイミド
の生成率は90%であった。
比較例5 反応溶媒にトルエン15g、DMF5gを用いた以外は実施例1
と同様の操作を行い、淡黄色粉末のN,N′−4,4′−ジフ
ェニルメタンビスマレイミドを得た。HPLC分析による
と、N,N′−4,4′−ジフェニルメタンビスマレイミドの
生成率は26%で、その他、多くの副生成物のピークを認
めた。
比較例6 反応溶媒にトルエン40g、DMF40gを用いた以外は実施例
1と同様の操作を行った。反応後、反応溶液を冷却した
がN,N′−4,4′−ジフェニルメタンビスマレイミドの結
晶は得られなかった。該溶液をHPLC分析した結果、N,
N′−4,4′−ジフェニルメタンビスマレイミドの生成率
は76%であった。
(発明の効果) 本発明方法によれば、簡便な一段法で高純度な環状ポリ
イミドが高収率で得られ、しかも溶媒や触媒が繰り返し
使用できるため、経済的にも有利である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 31/02 103 X C07B 61/00 300

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】α、β−不飽和ジカルボン酸無水物と分子
    内に2個以上の第一級アミノ基を有する芳香族ポリアミ
    ン類を加熱脱水して環状ポリイミドを製造するに際し、
    芳香族ポリアミン100重量部を、α、β−不飽和ジカル
    ボン酸無水物(当該芳香族ポリアミンの第一級アミノ基
    に対する比率は1〜20倍モル)及び混合溶媒100〜2000
    重量部(水と共沸性を有する非極性溶媒60〜99重量%と
    非プロトン性極性溶媒40〜1重量%からなる)と酸触媒
    が存在し、かつ加熱還流脱水している反応系中に、連続
    的又は間欠的に添加することを特徴とする芳香族ポリイ
    ミドの製造方法。
  2. 【請求項2】請求項第一項の反応方法によって得た反応
    混合物よりポリイミド晶析分離することを特徴とする芳
    香族ポリイミドの製造方法。
JP1214390A 1989-08-21 1989-08-21 芳香族環状ポリイミドの製造方法 Expired - Lifetime JPH0774199B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1214390A JPH0774199B2 (ja) 1989-08-21 1989-08-21 芳香族環状ポリイミドの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1214390A JPH0774199B2 (ja) 1989-08-21 1989-08-21 芳香族環状ポリイミドの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0377865A JPH0377865A (ja) 1991-04-03
JPH0774199B2 true JPH0774199B2 (ja) 1995-08-09

Family

ID=16654997

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1214390A Expired - Lifetime JPH0774199B2 (ja) 1989-08-21 1989-08-21 芳香族環状ポリイミドの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0774199B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0604319B1 (en) * 1992-12-25 1999-04-28 Hiroshi Itatani Polyimide solution compositions and process for preparing same
US5502143A (en) * 1992-12-25 1996-03-26 Pi Material Research Laboratory Process for preparing polyimide resins
WO1997047597A1 (de) * 1996-06-14 1997-12-18 Hos-Technik Verfahren zur herstellung von zweifach ungesättigten bisimiden mit hoher farbstabilität und niedrigem polymeranteil
US5994561A (en) * 1998-07-28 1999-11-30 Rhein Chemie Rheinau Gmbh Process for the preparation of aromatic maleimides

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0377865A (ja) 1991-04-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS5950691B2 (ja) ポリイミドおよびその製造方法
JPH0774199B2 (ja) 芳香族環状ポリイミドの製造方法
EP0495544B1 (en) Process for the synthesis of citraconimides
JPS62138468A (ja) N−置換マレイミドの製造法
JPS62108861A (ja) 8〜15個の炭素原子を有するラクタムの製造法
JPH0314835A (ja) 芳香族環状ポリイミドの製造方法
JPH0653729B2 (ja) 芳香族環状ポリイミドの製造方法
JP3433482B2 (ja) ビスマレイミドの製造方法
JPH0755928B2 (ja) イミド環含有ジアミン類およびその製造方法
JPS60210630A (ja) ポリアミド酸溶液の製法
JPS63196560A (ja) N−置換−α,β−不飽和ジカルボン酸環状イミドの製造方法
JPS63122668A (ja) ビス(ヒドロキシフタルイミド)の製造法
JP3085610B2 (ja) ビスマレイミド類の製造方法
TWI225859B (en) Method for synthesizing maleimide
JPS638418A (ja) 芳香族ジアミンから誘導される耐熱性重合体の製造方法
JPS60112759A (ja) Ν−フエニルマレイミド類の製造法
JPH0755929B2 (ja) イミド環を有する新規ジフエノ−ル類およびその製造方法
JPH02145568A (ja) ビスフタルイミド類の製造法
JPS6335560A (ja) マレイミド類の製造方法
Ueda et al. Synthesis of polyamides from linear bisanhydrides and diamines
JPS6263561A (ja) マレイミド類の製造方法
JPS6335559A (ja) マレイミド類の製造方法
CA2059988C (en) Process for preparing compound of unsaturated dicarboxylic acid imides and resin of the same imides
JP3085609B2 (ja) ビスマレイミド類の製造方法
USH754H (en) Arloxy p-phenylene diamines