JPH0368451B2

JPH0368451B2 -

Info

Publication number: JPH0368451B2
Application number: JP58244184A
Authority: JP
Inventors: Shigeru Akutsu
Original assignee: Konica Minolta Inc
Current assignee: Konica Minolta Inc
Priority date: 1983-12-26
Filing date: 1983-12-26
Publication date: 1991-10-28
Also published as: JPS60136913A; US4789583A

Description

【発明の詳細な説明】

産業上の利用分野本発明は、磁気記録媒体に係り、特に支持体表
面に磁性層とその表面にバツクコート層を有する
磁気テープにおいて、そのバツクコート層の走行
性及び耐久性を改善したものに関する。従来技術磁気テープ、磁気シート、磁気デイスクのよう
な磁気記録媒体は、オーデイオ分野、ビデイオ分
野、コンピユータ分野で広く使われている。これ
らの内、例えばビデイオ分野の磁気テープについ
ていえば、例えばカセツトに収納された磁気テー
プは画像の記録やその再生を行うときにはこのカ
セツトがビデイオデツキに装着され、そのテープ
がガイドポールやガイドローラに案内された走行
されながら磁気ヘツドに摺擦走査される。このよ
うにして磁気テープに画像を記録したり、あるい
はその画像を再生をするには、その感度、特に高
周波領域での出力を改善するために磁気ヘツドに
対する磁気テープの摺擦状態が変動しないように
磁性層の表面は平滑に仕上げられている。しかし
ながら、この磁気テープをビデイオデツキで走行
させるときは磁気テープの表面及び裏面が上記ガ
イドポール、ガイドロールに摺擦されるのでその
表側の磁性層がガイドポール、ガイドロールに対
する滑り性がよくても磁気テープの裏側の擦られ
る部分のこれらに対する滑り性が良くないとき
は、走行する磁気テープに過度のテンシヨンがか
かり、これにより磁性層が磁気ヘツドに対して過
度に擦すられる状態になるので、磁性層の損傷、
磁性層の磁性粉の剥落等が起こるのみならず、磁
気テープの巻取られるテンシヨンが強弱変動して
その巻圧が変動しその再使用のときテープの走行
にムラだできる。これらのことが起こると、スキ
ユー、ジツター、Ｓ／Ｎ等の画像あるいは電磁気
特性が悪くなる。そのため、磁気テープの裏面に
はバツクコート層が設けられる。このバツクコート層は上記のようにガイドポー
ルがガイドロールに対する滑り性がよくなるよう
な工夫がなされており、この工夫のうちには無機
質粉末を樹脂層に含有させたものがある。これは
バツクコート層の表面を粗面にしてガイドール等
との接触面積を少なくし、その摩擦係数を少なく
するようにしたものである。例えば特開昭57−
130234号公報、特開昭58−161135号公報、特開昭
57−53825号公報、特開昭58−2415号公報にはい
ずれも無質質粉末を用いた例が示され、さらにこ
れらの多くにはその粒径を限定したものが示され
ている。例えば特開昭57−130234号公報には、平
均粒子径0.02〜0.5μmの無機質粉末をバツクコー
ト層の表面粗さがcut off0.08mmの中心線平均粗
さRaにて0.024μm以下になるようにして用いた
例が示され、特開昭58−161135号公報には上記
Raだけを0.025〜0.1μmにした例が示されている。しかしながら、これらの無機質粉末を使用した
ものでも十分な滑り性が得られず、上記の過度テ
ンシヨンの問題の起こるのをさけられないのみな
らず、これを含むバツクコート層を有する磁気テ
ープが繰り返し使用されたときバツクコート層表
面に傷が生じる。これらの現象は、バツクコート
層の表面の摩擦係数が大きいため摩擦抵抗が大き
いことと、この摩擦力が大きいためバツクコート
層が強く擦られ傷がつき易いものと考えられる。
このようにバツクコート層の滑り性が良くなく、
バツクコート層の表面に傷がついてその耐久性が
ないと磁気テープの走行安定性がなく、上記のよ
うな磁性層の電磁気変換特性を害することがあ
る。特に最近ビデイオ機器はVHS方式のビデイオ
ムービー、β・ムービー等小型化、高密度化が図
られ持ち運びが容易に行なえるようなものになつ
てきて、従来の一定場所に据え置くものから戸外
にも持ち出されていろいろの状況下でビデイオ撮
りが行なわれるようになつてきているので、磁気
テープについてもこれらに適合するものの出現が
望まれている。すなわち、ビデイオ機器の小型
化、高密度化は磁気テープの通路を複雑化し、こ
のテープのガイドポールやガイドロール等と接触
する機会を多くして擦すられる頻度も多いととも
に戸外で高湿度、高温条件下に置かれることもあ
つてこれらに対する耐性も要求され、一層の走行
性と粉落ち等を防止する耐摩耗性、耐久性の向上
が要求されている。以上のように従来のバツクコート層は0.02〜
0.5μmの無機質粉末を使用していたことによりい
ろいろの問題点を有し、その改善が望まれてい
た。発明の目的本発明の第１の目的は、繰り返し耐久性の良い
バツクコート層を有する磁気記録媒体を提供する
ことにある。本発明の第２の目的は、走行性を安定化させる
ことのでき高品質な画像を得られるようなバツク
コート層を有する磁気記録媒体を提供することに
ある。本発明の第３の目的は、例えば磁気テープの走
行時のテンシヨンが過度にならないようにして磁
性層の耐久性を向上できるバツクコート層を有す
る磁気記録媒体を提供することにある。発明の構成本発明の磁気記録媒体は、支持体の一方の面に
磁性層を有し、該支持体の他方の面に非磁性粉末
とバインダー用樹脂とを含有するバツクコート層
を有する磁気記録媒体において、該バツクコート
層中における上記非磁性粉末の割合が５〜60重量
％であるとともに該バツクコート層中にイソシア
ネート化合物を含有し、該非磁性粉末として酸化
チタン、炭酸カルシウムの少なくとも一方を含有
し、それぞれの平均粒子径が0.5μmより大きく
2.0μm未満であり、かつそれぞれの最大粒子径が
5μm以下であり、該バツクコート層の表面粗さは
カツトオフ0.08mmにおける中心線平均粗さRaが
0.015μm〜0.040μm、カツトオフ0.08mmにおける
中心線最大粗さRmaxが0.15μm〜0.65μmmであり、
かつ該バツクコート層の動摩擦係数が0.1〜0.5の
範囲にあることを特徴とするものである。以下本発明を詳細に説明する。本発明におけるバツクコート層は、少なくとも
バインダー用樹脂と平均粒子径が0.5μmより大き
く2.0μmより大きくない非磁性粉末を含有する。非磁性粉末は上記範囲で使用されるが、平均粒
子径が0.5μm以下では上記したような良い走行性
及び耐久性を得られず、平均粒子径が2.0μm以上
ではこのバツクコート層を有する例えば磁気テー
プが巻かれたときに磁性層を傷つけ易くするとと
もに、バツクコート層の凹凸が磁性層に写されて
上記のようにＳ／Ｎを悪くする。上記非磁性粉末の粒径分布は狭い方が好まし
く、3μm以上の粒子は20重量％以下に抑えるのが
よい。この非磁性粉末を含有するバツクコート層
のカツトオフ（cut off）0.08mmにおける中心線
平均粗さRaは0.015μm〜0.040μmが好ましい。
Raがこれより小さいと上記走行性及び耐久性が
悪く、これより大きいと上記したように磁性層に
対する影響が現れる。また、カツトオフ0.08mmに
おける中心線最大粗さRmaxは0.15μm〜0.65μm
の範囲とする。Rmaxがこれ以上であるとバツク
コート層の凹凸が磁性層に転写されて上記のよう
にＳ／Ｎに影響が現れることがある。Rmaxを限
定することによりこの凹凸の磁性層に対する転写
を極力少なくできる。このような非磁性粉末の平均粒子径と表面粗さ
の範囲では、動摩擦係数は0.1〜0.5の範囲が好ま
しい。この非磁性粉末は少なくとも後述するバインダ
ー用樹脂とともに含有されるが、その混合割合は
上記平均粗さ及び動摩擦係数を実現するためには
バツクコート層全体に対して５〜60重量％である
ことが好ましい。特に15重量％〜40重量％が好ま
しい。上記非磁性粉末の平均粒子径、平均粗さ及び動
摩擦係数は磁性層の層に硬軟によつてもその選択
範囲が異なるが、磁性層にバツクコート層の凹凸
がその接触したときに写されにくいときは平均粒
子径、平均粗さは比較的大きく、動摩擦係数は低
くできる。上記非磁性粉末としては、酸化チタン、炭酸カ
ルシウムの少なくとも一方が含有される。この非
磁性粉末として例えば特開昭48−26102号公報に
記載されているタルク及び珪酸マグネシウムの少
なくとも一種を使用したバツクコート層を有する
磁気テープをビデオデツキに装着して走行させる
と、このバツクコート層の摩耗が激しく、その結
果使用後の磁気テープの損傷も多くなる。上記バツクコート層に使用できるバインダー用
樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反
応型樹脂、電子線硬化型樹脂及びこれらの混合物
が挙げられる。バインダー用樹脂としての熱可塑性樹脂として
は、軟化温度が150℃以下、平均粒分子量が10000
〜200000、重合度が約200〜2000程度のもので、
例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビ
ニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−ア
クリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−
アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル
−塩化ビニリデン共重合体、アクリル酸エステル
−スチレン共重合体、メタクリル酸エステル−ア
クリロニトリル共重合体、メタクリル酸エステル
−塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステ
ル−スチレン共重合体、ウレタンエラストマー、
ポリ弗化ビニル、塩化ビニリデン−アクリロニト
リル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共
重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラー
ル、セルロース誘導体（セルロースアセテートブ
チレート、セルロースダイアセテート、セルロー
ストリアセテート、セルロースプロビオネート、
ニトロセルロース等）、スチレン−ブタジエン共
重合体、ポリエステル樹脂、クロロビニルエーテ
ル−アクリル酸エステル共重合体、アミノ樹脂、
各種の合成ゴム系の熱可塑性樹脂及びこれらの混
合物等が使用される。これらの樹脂は、特公昭37−6877号、同39−
12528号、同39−19282号、同40−5349号、同40−
20907号、同41−9463号、同41−14059号、同41−
16985号、同42−6428号、同42−11621号、同43−
4623号、同43−15206号、同44−2889号、同44−
17947号、同44−18232号、同45−14020号、同45
−14500号、同47−18573号、同47−22063号、同
47−22064号、同47−22068号、同47−22069号、
同47−22070号、同48−27886号の各公報、米国特
許第3144352号、同第3419420号、同第349789号、
同第3713887号細細書に記載されている。熱硬化性樹脂又は反応型樹脂としては、塗布液
の状態では200000以下の分子量であり、塗布乾燥
後には縮合、付加等の反応により不溶化するもの
が使用される。これらの樹脂の内では樹脂が熱分
解するまでの間に軟化又は溶融しないものが好ま
しい。具体的には、例えばフエノール樹脂、フエ
ノキシ、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹
脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキツド樹脂、
シリコン樹脂、アクリル系反応樹脂、塩化ビニル
−酢酸ビニル樹脂、メタクリル酸塩共重合体とジ
イソシアネートプレポリマーの混合物、高分子量
ポリエステル樹脂とイソシアネートプレポリマー
の混合物、尿素ホルムアルデヒド樹脂、ポリエス
テルポリオールとイソシアネートの混合物、ポリ
カーボネート型ポリウレタン、ポリアミド樹脂、
低分子量グリコール・高分子量ジオール・トリフ
エニルメタントリイソシアネートの混合物、ポリ
アミド樹脂及びこれらの混合物等である。これらの樹脂は特公昭39−8103号、同40−9779
号同41−7192号、同41−8016号、同41−14275号、
同42−18179号、同43−12081号、同44−28023号、
同45−14501号、同45−24902号、同46−13103号、
同47−22067号、同47−22072号、同47−22073号、
同47−28045号、同47−28048号、同47−28922号、
同58−4051、特開昭57−31919号、同58−60430号
の各公報、特願昭58−151964号、同58−120697
号、同58−120698号明細書、米国特許第3144353
号、同第3320090号、同第3437510号、同第
3597273号、同第3781210号、同第3731211号の各
明細書に記載されている。電子線照射硬化型樹脂としては、不飽和プレポ
リマー、例えば無水マレイン酸タイプ、ウレタン
アクリルタイプ、ポリエステルアクリルタイプ、
ポリエーテルアクリルタイプ、ポリウレタンアク
リルタイプ、ポリアミドアクリルタイプ等、また
は多官能モノマーとして、エテールアクリルタイ
プ、ウレタンアクリルタイプ、リン酸エステルア
クリルタイプ、アリールタイプ、ハイドロカーボ
ンタイプ等が挙げられる。使用可能なフエノキシ樹脂としては次のものが
挙げられ、これらは保存性、耐摩耗性の面で望ま
しい。 STX−04 （東都化成社製：水添型） STX−05 （東都化成社製：共結合型） PKHH （UCC社製）またはエポキシ樹脂は次のものが挙げられる。アラルダイト6084（チバガイギー社製：ビスフ
エノールＡ型、平均分子量1740〜2050）アラルダイト6099（チバガイギー社製：ビスフ
エノール型、平均分子量4800〜8000） ECN−1273（チバガイギー社製：ノボラツク
型、平均分子量1080）エピコート834（シエル社製：ビスフエノールＡ
型、平均分子量470）エピコート1004（シエル社製：ビスフエノール
Ａ型、平均分子量1600）エピコート1007（シエル社製：ビスフエノール
Ａ型、平均分子量2900） EP−4080（旭電化社製：水添ビスフエノールＡ
型） EPV−６（旭電化社製：ウレタン変性）上記フエノキシ樹脂及びエポキシ樹脂はそれぞ
れ単独で用いても良いし、あるいは併用しても良
い。使用可能なポリウレタン樹脂は次のものが挙げ
られる。アクレタン（藤倉化成社製：アクリルウレタ
ン） PS−706（三井日曹ウレタン社製：ハードタイ
プ） PS−815（三井日曹ウレタン社製：ハードタイ
プ） MAU−2010（大日精化社製）Ｎ−3022（日本ポリウレタン社製） DN−3985（日本ポリウレタン社製）エスタン5701（グツドリツチ社製） PANDEX 78−８（大日本インク社製）さらに本発明にかかる磁気記録媒体のバツクコ
ート層の耐久性、特に戸外等の湿度、温度条件の
厳しい環境下にも使用に耐える耐久性を向上させ
るめにバツクコート層に各種硬化剤を含有させる
ことができ、例えばイソシアネートを含有させる
ことができる。使用できる芳香族イソシアネートは、例えばト
リレンジイソシアネート（TDI）、４，4′−ジフ
エニルメタンジイソシアネート（MDI）、キシリ
レンジイソシアネート（XDI）、メタキシリレン
ジイソシアネート（MXDI）及びこれらイソシア
ネートと活性水素化合物との付加体などがあり、
平均分子量としては100〜3000の範囲のものが好
適である。具体的には、住友バイエルウレタン(株)社製の商
品名スミジユールT80、同44S、同PF、同Ｌ、デ
スモジユールT65、同15、同Ｒ、同RF、同IL、
同SL；武田薬品工業社製商品名タケネート300S、
同500；三井日曹ウレタン社製商品名「NDI」、
「TODI」；日本ポリウレタン社製商品名デスモジ
ユールT100、ミリオネートMR、同MT、コロネ
ートＬ、化成アツプジユン社製商品名PAPI−
135：TD165、同80、同100、イソネート125M、
同1431などの商品が挙げられる。一方、脂肪族イソシアネートとしては、ヘキサ
メチレンジイソシアネート（HMDI）、リジンイ
ソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソ
シアネート（TMDI）及びこれらイソシアネート
と活性水素化合物の付加体等が挙げられる。これ
らの脂肪族イソシアネート及びこれらイソシアネ
ートと活性水素化合物の付加体などの中でも、好
ましのは分子量が100〜3000の範囲のものである。
脂肪族イソシアネートのなかでも非脂環式のイソ
シアネート及びこれら化合物の活性水素化合物の
付加体が好ましい。具体的には、例えば住友バイエルウレタン社製
商品名スミジユールＮ、デスモジユールZ4273、
旭化成社製商品名デユラネート50M、同24A−
100、同24A−90CX、日本ポリウレタン社製商品
名コロネートHL、ヒユルス社製商品名TMDIな
どの商品があるまた、脂肪族イソシアネートのな
かの脂環式イソシアネートとしては、例えばメチ
ルシクロヘキサン−２，４−ジイソシアネート（構造式）４，4′−メチレンビス（シクロヘキシルイソシ
アネート（構造式）イソホロジイソシアネート及びその活性水素化
合物の付加体などを挙げることができる。具体的にはヒユルス化学社製商品名IPDI、
PDI−T1890、同Ｈ−2921、同B1065なとの商品
がある。上記イソシアネートと活性水素化合物の付加体
としては、ジイソシアネートと３価ポリオールと
の付加体が挙げられる。また、ポリイソシアネー
トも硬化剤として使用でき、これには例えばジイ
ソシアネートの５量体、ジイソシアネート３モル
と水の脱炭酸化合物等がある。これらの例として
は、トリレンジイソシアネート３モルとトリメチ
ロールプロパン１モルの付加体、メタキシリレン
ジイソシアネート３モルとトリメチロールプロパ
ン１モルの付加体、トリレンジイソシアネートの
５量体、トリレンジイソシアネート３モルとヘキ
サメチレンジイソシアネート２モルからなる５量
体等があり、これらは工業的に容易に得られるも
のである。これらのイソシアネートは、例えば芳香族イソ
シアネートと脂肪族イソシアネートを併用するの
がバツクコート層の膜特性の点で好ましい。これらのイソシアネートを用いて本発明の磁気
記録媒体のバツクコート層を形成するには、上記
例示したバインダー用樹脂と必要に応じて後述す
る各種添加剤を有機溶剤に混合分散して塗料を調
製し、これに上記のイソシアネート（好ましくは
芳香族イソシアネートと脂肪族イソシアネート）
を添加したものを例えばポリエステルフイルムの
ような支持体上に塗布し、必要に応じて乾燥す
る。この場合のイソシアネートの添加量はバイン
ダーに対して５〜50重量％が好ましい。５重量％
より少ないと塗膜の硬化が不十分となり易く、50
重量％より多いと塗膜の過度に固くなり過ぎて好
ましくない。特に好ましくは２〜25重量％であ
る。上記バツクコート層を形成する塗料には必要に
応じて分散例、潤滑剤、帯電防止剤等の添加剤を
含有させても良い。例えば分散剤としては、レシチン；カプリル
酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パ
ルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、エライ
ジン酸、リノール酸、リノレン酸等の炭素原子数
８〜18個の脂肪族（Ｒ−COOHで表わされるＲ
は炭素原子数７〜17個の飽和又は不飽和のアルキ
ル基）；上記の脂肪族のアルカリ金属（Li，Na，
Ｋ等）又はアルカリ土類金属（Mg，Ca，Ba等）
からなる金属石鹸等が挙げられる。このほかに炭
素原子数12以上高級アルコール、さらには硫酸エ
ステル等も使用可能である。また、市販の一般の
界面活性剤を使用することもできる。これらの分
散剤は１種類のみで用いても、あるいは２種類以
上を併用しても良好である。また潤滑剤としては、シリコーンオイル、グラ
フアイト、二硫化モリブデン、二硫化タングステ
ン、炭素原子数12〜６の一塩基性脂肪族と炭素数
３〜12個の一価のアルコールからなる脂肪族エス
テル類、炭素数17個以上の一塩基性脂肪族とこの
脂肪族の炭素数と合計して炭素数が21〜23個とな
る一価のアルコールからなる脂肪族エステル等が
使用される。これらの潤滑剤はバインダー100重
量部に対して0.2〜20重量部の範囲で添加される。また、帯電防止剤としてはカーボンブラツク、
グラフアイト、酸化スズ−酸化アンチモン系化合
物、酸化チタン−酸化スズ−酸化アンチモン系化
合物、カーボンブラツクグラフトポリマーなどの
導電性粉末；サポニン等の天然界面活性剤；アル
キレンオキサド系、グリセリン系、グリシドール
系等のノニオン界面活性剤；ピリジンその他の複
素環類、ホスホニウム又はスルホニウム類等のカ
チオン界面活性剤；カルボン酸、スルホン酸、燐
酸、硫酸エステル基、燐酸エステル基等の酸性基
を含むアニオン界面活性剤；アミノ酸類、アミノ
スルホン酸類、アミノアルコールの硫酸又は燐酸
エステル等の両性活性剤などが挙げられる。これらの帯電防止剤のうち、カーボンブラツク
が特に好ましく、その添加量は非磁性粉末に対し
て重量比で15/1〜1/5（カーボンブラツク／非磁
性粉末）が好ましく、さらに6/1〜1/2が特に好ま
しい。上記塗料に配合される溶媒あるいはこの塗料の
塗布時の希釈溶媒としては、アセトン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘ
キサノン等のケトン類；メタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール等のアルコール
類；酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸
エチル、エチレングリコールモノアセテート等の
エステル類；グリコールジメチルエーテル、グリ
コールモノエチルエーテル、ジオキサン、テトラ
ヒドロフラン等のエーテル類；ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素；メチレンクロ
ライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロ
ロホルム、ジクロルベンゼン等のハロゲン化炭化
水素等のものが使用できる。また、支持体としては、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリエチレン−２，６−ナフタレート等
のポリエステル類、ポリプロピレン等のポリオレ
フイン類、セルローストリアセテート、セルロー
スダイアセテート等のセルロース誘導体、ポリア
ミド、ポリカーボネートなどのプラスチツクが挙
げられるが、Cu，Al，Zn等の金属、ガラス、
BN，Siカーバイド、磁器、陶器等のセラミツク
なども使用できる。これらの支持体の厚みはフイルム、シート状の
場合は約３〜100μm程度、好ましくは５〜50μm
であり、デイスク、カード状の場合は30μm〜10
mm程度であり、ドラム状の場合は円筒状で用いら
れ使用するレコーダに応じてその型は決められ
る。上記支持体とバツクコート層の間には接着力向
上の目的で中間層を設けても良い。支持体上に上記塗料を塗布しバツクコート層を
形成するための塗布方法としては、エアードクタ
ーコート、ブレードコート、エアーナイフコー
ト、スクイズコート、含浸コート、リバースロー
ルコート、トランスフアーロールコート、グラビ
アコート、キスコート、キヤスコート、スプレイ
コート等が利用できるがこれらに限らない。本発明に係る磁気記録媒体の磁性層としては上
記バツクコート層に使用するバインダー用樹脂、
分散剤、帯電防止剤、潤滑剤（磁性粉100重量部
に対して５〜70重量部）等が使用できる。また磁
性粉としてはγ−Fe₂O₃、Co含有γ−Fe₂O₃、Co
被着γ−Fe₂O₃、Fe₃O₄、CO含有Fe₃O₄、CrO₂等
の酸化物磁性粉、Fe，Ni，Co，Fe−Ni−Co合
金、Fe−Mn−Zn合金、Fe−Ni−Zn合金、Fe−
Co−Ni−Cr合金、Fe−Co−Ni−Ｐ合金、Co−
Ni合金等Fe，Ni，Coを主成分とするメタル磁性
粉等各種の強磁性粉が挙げられる。この磁性層に
は研磨剤も使用でき、この研磨剤としては一般に
使用される溶融アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロ
ム、コランダム、人造コランダム、ダイヤモン
ド、人造ダイヤモンド、ザクロ石、エメリー（種
成分はコランダムと磁鉄鉱）、二酸化チタン等が
使用される。これらの研磨剤は平均粒子系0.05〜
5μの大きさのものが使用され、特に好ましくは
0.1〜1μのものである。これらの研磨剤は磁性粉
100重量部に対して１〜20重量％の範囲で添加さ
れる。この磁性層の塗布溶媒、塗布方法は上記バ
ツクコート層の場合と同様である。上記のようにして構成されるバツクコート層は
上記した支持体に上記した磁性層を有するこの磁
性層と反対側の支持体表面に塗布形成されて磁気
記録媒体として完成されるが、適宜所定の形状に
裁断等加工されて上記ビデイオ機器等に装着され
て使用される。この際バツクコート層は上記粒径
範囲の非磁性粉末を使用したので例えば磁気テー
プはその走行性及び耐久性が発揮される。特に戸
外で使用されるように高湿度、高温下に置かれて
も上記走行性及び耐久性は害されない。これは、
バツクコート層が例えばガイドポールと接触する
とき主に非磁性粉末がこの接触面を構成し、バイ
ンダー用樹脂層はガイドポールからは離れている
ので、温度、湿度に影響され易いこの樹脂層の影
響を受けないものと考えられる。このような磁気
テープの非磁性粉末による凹凸はその粒子径を比
較的大きくしてバインダー中に粗に分散させるこ
とにより粒子径の小さい非磁性粉末を密に分散さ
せたものよりもその含有量が一定でも表面を粗く
することでき、この表面に接触するガイドポール
等に対する走行性、耐久性を良くすることができ
る。発明の効果本発明は、以上のように、非磁性粉末として酸
化チタン、炭酸カルシウムの少なくとも一方をバ
ツクコート層中に含有させ、これらの粉末の平均
粒子径、最大粒子径及び含有量を限定するととも
に、得られるバツクコート層の動摩擦係数の限定
範囲を定め、その表面粗さは中心線平均粗さのみ
ならず中心線最大粗さを限定し、さらにバツクコ
ート層にイソシアネート化合物を含有させたの
で、バツクコート層のガイドポール等に対する滑
り性が良く、しかもこれは繰り返し走行させても
損なわれず、このバツクコート層を有する例えば
磁気テープの走行性を向上、安定するとともに、
磁気テープが巻かれて保存されるときも磁性層に
バツクコート層の凹凸が転写されることを極力少
なくしてＳ／Ｎ等を改善し、更にバツクコート層
はイソシアネート化合物により硬化されて耐久
性、例えばスキユー等を一層改善することができ
る。このように、バツクコート層をその組成、表面
形状、表面物性の観点から多角的総合的に捉え、
これらの限定条件を有機的に組み合わせて従来に
ない優れたバツクコート層を有する磁気記録媒体
を提供できることにより、戸外に自由に持ち運び
できる小型ビデイオ機器等の走行通路が複雑でガ
イドポール等に擦られる頻度の多い磁気テープに
要求される高度の走行性と、耐久性を満たすこと
ができ、室内のみならず湿度、温度の厳しい戸外
においても高品質の画像を得ることができる。実施例次に本発明の実施例を説明するが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。実施例１予めつぎのようにして磁性層をポリエチレンテ
レフタレート支持体上に形成しておく。鉄系金属磁性粉末130ｇを、フエノキシレジン
４ｇをシクロヘキサノン250ｇに溶解した溶液中
にアルミナ６ｇとともに添加して混合し、この混
合物をサンドミルにて４時間分散を行なつた。つづいてポリウレタン10ｇ、ブチルステアレー
ト0.05ｇ、ミリスチン酸0.1ｇをシクロヘキサノ
ン10ｇとテトラヒドロフラン100ｇの混合溶媒中
に溶解した溶液を上記分散液に混合し、さらにサ
ンドミルで１時間分散を行なつた。この分散液に
硬化剤としてコロネートL3ｇを加え撹拌混合し
て塗料とした。この塗料を配向磁場のもとでポリ
エチレンテレフタレートのベースフイルム上に塗
布し、さらに乾燥を行なつた。ついで表１に示す実施例１の組成物をボールミ
ルにて５時間混練して塗布液を調製した。この塗
布液を上記支持体の裏面にグラビアロールにより
塗布・乾燥して乾燥膜厚1.3μmのバツクコート層
を形成し、これを1/2インチ幅にスリツトした。
このようにして実施例１の磁気テープを作成し
た。実施例２実施例１において、表１の実施例１の組成物を
用いる代わりに実施例２の組成物を用いた以外は
実施例１と同様にして実施例２の磁気テープを作
成した。比較例１実施例１において、表１の実施例１の組成物を
用いる代わりに比較例１の組成物を用い、これを
ボールミルで５時間混練して塗布液を調製した以
外は実施例１と同様にして比較例１の磁気テープ
を作成した。比較例２〜４比較例１において、表１の比較例１の組成物を
用いる代わりにそれぞれ比較例２〜４の組成物を
用いた以外は比較例１と同様に操作してそれぞれ
比較例２〜４の磁気テープを作成した。比較例５実施例１において、炭酸カルシウム17.6重量部
の代わりにタルク（粒径1.5μ）17.6重量部を用い
た以外は同様にして磁気テープを作成した。比較例６実施例１において、炭酸カルシウム17.6重量部
の代わりに珪酸マグネシウム（粒径1.5μ）17.6重
量部を用いた以外は同様にして磁気テープを作成
した。比較例７（Rmaxが0.65μmより大きい例）実施例１において、炭酸カルシウム17.6重量部
のうち２重量部を除いた15.6重量部を用いた以外
は同様の組成物をボールミルにて３時間混練し、
その後炭酸カルシウム２重量部を加え、さらに２
時間混練して塗布液を調製した。この塗布液を用いて実施例１と同様にして磁気
テープを作成した。比較例８（ポリイソシアネートを使用しない例）実施例１において、ポリイソシアネートを使用
しなかつた以外は同様にして磁気テープを作成し
た。なお、表１中、組成物の数字は重量部を示し、
ポリエステルは商品名バイロン200（東洋紡(株)製）
ニトロセルロースは商品名セルノバBTH1／２
（旭化成(株)製）、イソシアネートは商品名コロネー
トＬ（日本ポリウレタン(株)製）の各樹脂を示す。
また、炭酸カルシウムは白石工業製のもの（粒径
を括弧内で示す）のものである。

【表】上記実施例１及び２、比較例１ないし８につい
て表２に示す各項目についての試験を行いその結
果を表２の対応する欄に示す。ここで、摩耗状態はビデイオデツキ
（NV6200、松下電器(株)製）に上記各磁気テープ
を100回通過させてバツクコート層の擦れ具合を
光学顕微鏡で観察した。粉落ちがあればバツクコ
ート層表面に擦り傷が見えるのでこれが多いか少
ないかで評価した。テープ損傷は上記ビデイオデツキに100回通過
させた磁気テープのバツクコート層の表面を肉眼
で観察し傷のつき具合を多いか少ないかで評価し
た。異常なテンシヨンが磁気テープにかかつたと
きにバツクコート層に大きな傷が付く。動摩擦係数は新東化学株式会社製の回転ドラム
型表面性測定器を用い、４mm直径のロツドで荷重
30ｇ、回転数66.9rpmで測定した。表面粗さは東京精密社製表面粗さ計を使用し
た。スキユーはカラーバー信号を磁気テープに録画
したものをビデイオデツキにより、30℃、相対湿
度80％の高温多湿下で走行させ、その走行回数が
100回になつたとき、モニター画面上でスイツチ
ング点における像の歪をはかり、これをμsで表
す。ジツターはメグロ・エレクトロニクス社製
VTRジツターメータを使用し、30℃、相対湿度
80％の高温多湿下で走行させ、その走行回数100
回後測定し、これをμsで示した。

【表】表２の結果から本発明の実施例１及び２の磁気
テープのバツクコート層はいずれも表面粗さRa
とRmaxが対応するそれぞれの比較例１及び２の
ものに比べて大きく、摩耗、テープ損傷が少な
く、比較例３、４に比べてクロマＳ／Ｎが良いこ
とがわかる。また、比較例５、６に比べ摩耗、テ
ープ損傷が少ないことがわかる。また、Rmaxが
0.65μmより大きい比較例７に比べクロマＳ／Ｎ
が良く、ポリイソシアネートを含まない比較例８
に比べスキユーが良いことがわかる。

Claims

【特許請求の範囲】

１支持体の一方の面に磁性層を有し、該支持体
の他方の面に非磁性粉末とバインダー用樹脂とを
含有するバツクコート層を有する磁気記録媒体に
おいて、該バツクコート層中における上記非磁性
粉末の割合が５〜60重量％であるとともに該バツ
クコート層中にイソシアネート化合物を含有し、
該非磁性粉末として酸化チタン、炭酸カルシウム
の少なくとも一方を含有し、それぞれの平均粒子
径が0.5μmより大きく2.0μm未満であり、かつそ
れぞれの最大粒子径が5μm以下であり、該バツク
コート層の表面粗さはカツトオフ0.08mmにおける
中心線平均粗さRaが0.015μm〜0.040μm、カツト
オフ0.08mmにおける中心線最大粗さRmaxが
0.15μm〜0.65μmmであり、かつ該バツクコート層
の動摩擦係数が0.1〜0.5の範囲にあることを特徴
とする磁気記録媒体。