JP2005222632A - 磁気記録媒体用塗料及びその製造方法並びにそれを用いてなる磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体用塗料及びその製造方法並びにそれを用いてなる磁気記録媒体 Download PDF

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Abstract

磁気記録媒体用塗料において、特定の大粒径無機質分散体と小粒径カーボン分散体を混合・分散することにより、粗大突起を低減し、エンボス性、耐久性に優れ、走行摩擦特性にも優れたバック層を形成することができる。
【課題】磁性層へのエンボスや傷付きが十分に改善され、且つ走行性にも優れた磁気記録媒体用塗料及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】一定の大きさの粗大突起を低減することによって磁性層へのエンボスや傷付きが十分に改善され、且つ走行性にも優れた磁気記録媒体になることを見出し、さらに、粗大突起の低減に有効な磁気記録媒体用塗料の製造方法を見出して本発明をなすに至った。

Description

本発明は、磁気記録媒体用塗料及びその製造方法並びにそれを用いてなる磁気記録媒体に関し、特に、非磁性支持体に対し互いに反対面に磁性層とバック層とを有するデータストレージ用磁気テープに適する該バック層を形成するための磁気記録媒体用塗料及びその製造方法に関する。
近年、磁気記録媒体、特にデータストレージテープの高記録容量化に伴い、記録波長の短波長化及び記録トラック幅の狭トラック化が図られ、磁性層の更なる高平滑化が求められている。記録波長の短波長化におけるスペーシングロスの影響による出力低下の防止や、狭トラック化の実現に不可欠なMRヘッドやGMRヘッドでの出力安定化、更に磁気記録/再生における各種特性の向上を目的に、磁性磁性層の高平滑化が求められているわけである。これに伴い、非磁性支持体に対し磁性層と反対面に形成されたバック層の高平滑化も求められている。
オーディオ用、ビデオ用あるいはコンピューター用の磁気記録媒体は、一般に走行特性の改善や帯電による塵埃付着の防止あるいはテープ終端検出等を目的に、非磁性支持体に対し磁性層と反対面にバック層が形成されている。バック層は一次粒子の平均粒子径が10〜50nmの微粒子のカーボンブラックと一次粒子の平均粒子径が200〜500nmの粗粒子のカーボンブラックと一次粒子の平均粒子径が50〜500nmの無機質粉末と結合剤などにより構成されており、10〜50nmの微細な粉末を用いて平滑性を得ると共に、これよりも粒子径の大きな50〜500nmの粉末を用いることにより任意の粒度分布を有するスパイク状の突起を配することによって、平滑性と走行性を両立させている(特許文献1および2参照)。
また、バック層形成用塗料の製造方法としては、一次粒子の平均粒子径が10〜50nmの無機質粉末と一次粒子の平均粒子径が60〜500nmの無機質粉末とをそれぞれ別々に結合剤と混練・分散後に両者を混合・分散することによって、平滑性と走行性を両立させる方法が提案されている(特許文献3参照)。
従来の公知技術により形成されたバック層においては、バック層の凹凸が、テープ製造工程時や走行時あるいはリール状に巻かれた状態での保存時に磁性層の表面に転写してエンボスを生じさせたり、磁性層の表面に傷をつけ、そのことが原因で記録波長に対応する周波数の信号に対するノイズの増加やドロップアウトの増加などの磁気特性の低下に繋がることが特許文献4や特許文献5などで指摘されており、特許文献5においては、磁性層の金属磁性粉末とバック層の無機粉末の粒子径に着目して、中心線平均粗さで0.01μm以下の表面平滑性を有するバック層を提案している。
特開昭62−8328号公報 特開平2−7223号公報 特開平7−161037号公報 特開昭63−255584号公報 特開2001−338417号公報
しかしながら、従来公知の製造方法によるバック層では、上述の磁性層へのバック層の凹凸の形状転写によるエンボスや磁性層への傷付きの改善が不十分であり、且つ走行性との両立を図ることが困難なため、データストレージ用磁気テープやデジタル放送用VTRテープなどの高記録密度且つ高信頼性が要求される磁気記録媒体には使用できなかった。
本発明は、以上の問題を解決し、磁性層へのエンボスや傷付きが十分に改善され、且つ走行性にも優れた磁気記録媒体用塗料及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、従来公知のバック層は走行性付与目的に配したスパイク状の突起の高さが不均一であり、特に特異的に高い突起(以下、粗大突起と記載する)が多く存在し、粗大突起が磁性層へのエンボスや傷付きに対して大きな影響を与えており、一定の大きさの粗大突起を低減することによって磁性層へのエンボスや傷付きが十分に改善され、且つ走行性にも優れた磁気記録媒体になることを見出し、さらに、粗大突起の低減に有効な磁気記録媒体用塗料の製造方法を見出して本発明をなすに至った。
即ち、本発明は、一次粒子の平均粒径が60〜400nmの大粒径無機質粉末と結合剤と分散剤と溶剤とを混練することにより得られ、平滑なガラス板に膜厚1μmで形成した塗膜を光干渉法によって測定した場合に表面形状における高さ度数分布での全度数データに対する90%区間のPV値が200nm以下の大粒径無機質粉末分散体と、一次粒子の平均粒子径が10〜50nmである小粒径カーボンブラックの分散体とを混合してなることを特徴とする磁気記録媒体用塗料及びその製造方法である。また、本発明は上記大粒径無機質粉末分散体と小粒径カーボンブラックの分散体とを混合後にさらに混練分散処理することを特徴とする磁気記録媒体用塗料およびその製造方法である。更に、本発明は上記磁気記録媒体用塗料を用いてなるバック層を有し、光干渉法によって測定されたバック層の表面形状における自乗平均表面(中心面)から100nm以上の突起数が100個/1mm以下であり、且つ70nm以上の突起数が200個/1mm以上であることを特徴とする磁気記録媒体である。
本発明における磁気記録媒体用塗料はエンボス性、耐久性に優れ、走行摩擦特性にも優れたバック層を形成することが可能であり、高密度データストレージテープに適する磁気記録特性に優れた磁気記録媒体を提供できる。
一般的に前記小粒径カーボンブラックのような粒子径の小さな粉末は、比表面積・吸油量が大きく難分散とされている。それに対し前記大粒径無機質粉末は、小粒径カーボンブラックに比べ比表面積・吸油量とも小さく比較的易分散である。これら粒子径の異なる粉末を同時に混合し混練・分散を施すと、小粒径粉末が未分散な状態では凝集粒子が多数存在し、得られるバック層の表面粗度は大きなものとなる。目標とする表面粗度まで混練・分散を行うと得られるバック層表面は全体として平滑になるものの、大粒径無機質粉末には過分散となり、その粒子が破壊されることにより目的とするスパイク状の小突起を維持できなくなり、結果的に摩擦係数が上昇し走行性を低下させる原因となり好ましくない。粒径の異なる無機質粉末を予め別々に結合剤と分散剤と溶剤とで混練・分散し、しかる後に混合することにより前記問題を改良することは出来るが、大粒径無機質粉末の分散度が制御されておらず分散粒子径の範囲が広い場合には目的とするスパイク状の小突起の高さが不均一となり、結果的に磁性層へのエンボスや傷付きの原因となり好ましくない。
本発明では、粒径の異なる無機質粉末を予め別々に結合剤と混練・分散し、各々の無機質粉末の分散度を制御し特に大粒径無機質粉末の分散度を制御して、しかる後に混合することによりこれらの問題を解決し得るものである。各無機質粉末の混練・分散には従来公知である製造工程、例えば2本ロールミル、3本ロールミル、ニーダー、加圧ニーダー、連続ニーダー、エクストルーダー、連続エクストルーダー、ボールミル、アトライター、サンドミル、コボールミル、アジテーターミル、スーパーミル、ショットミル、ピンミル、ジェットミル、ディスクミル、ホモジナイザー、バスケットミル、ペブルミル、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、プラネタリーミキサー、ディゾルバー、超音波分散機などを、単独あるいは2つ以上組み合わせて用いることができる。
本発明における分散剤としては、従来公知のポリマー型分散剤、界面活性剤、カップリング剤、レシチン、リン酸エステル、脂肪酸、脂肪酸金属塩、あるいは特開昭61−224136号公報や特第2602273号公報などに開示されている有機色素化合物やトリアジン化合物などを単独または2つ以上組み合わせて使用できる。これら分散剤は、小粒径粉末分散体と大粒径粉末分散体で用いられるものの種類が異なってもかまわない。
本発明におけるカーボンブラックとしては、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック等を単独または組み合わせて使用できる。
本発明における大粒径無機質粉末としては、記録材塗料に用いられる公知の無機質粉末が使用できる。具体的には、カーボンブラック、グラファイト、アルミナ、酸化チタン、酸化クロム、酸化鉄、酸化スズ、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、コランダム、酸化カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、チタンカーバイド、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、2硫化モリブデンなどの無機質粉末が挙げられ、単独または2種類以上の組み合わせで用いられる。このうち好ましくは、カーボンブラック、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウムアルミナである。これら無機質粉末は必ずしも100%純粋である必要はなく、目的に応じて他の化合物で粒子表面を処理したり、グラフト化等の処理を行っても良い。
本発明における結合剤としては、磁気記録媒体に用いられる公知の樹脂が使用できる。具体例としては塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコール、マレイン酸、アクリル酸、アクリル酸エステル、アクリロニトリル、スチレン、ビニルブチラール、ビニルアセタール等を構成単位として含む重合体または共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコン樹脂、硝化綿等の繊維素系樹脂が挙げられる。好ましい結合剤としては、塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、硝化綿、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂を単独もしくは組み合わせたものであり、特に好ましくはポリウレタン樹脂または硝化綿とポリウレタン樹脂の組み合わせである。ポリウレタン樹脂としては、ポリエステルポリウレタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレタン、ポリカプロラクトンポリウレタンなど公知のものが使用できる。
無機質粉末と結合剤の混合比は、小粒径カーボンブラックの場合、無機質粉末100重量部に対し結合剤10〜400重量部が好ましく、更に好ましくは20〜150重量部である。大粒径無機質粉末の場合は、無機質粉末100重量部に対し結合剤0.5〜100重量部が好ましい。結合剤は工程のどの段階で添加してもかまわない。また2つ以上の工程に分けて添加してもよい。各無機質粉末の分散体に使用される結合剤は、小粒径カーボン分散体と大粒径無機質粉末分散体で用いられるものの種類が異なってもかまわない。
また、これらの結合剤用樹脂には−COOM,−SO3 M、−OSO3 M、−PO( OM) 2 (以上につきMは水素原子またはアルカリ金属) 、−OH、−NRn (Rは炭化水素、nは2〜3)、エポキシ基、スルホベタイン基などから選ばれる少なくとも1つ以上の極性基を導入したものが好ましい。またこれらの結合剤に紫外線または電子線で架橋する不飽和基を導入してもよい。またこれらの樹脂に架橋剤としてポリイソシアネートを組み合わせてもよい。ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、4−4’ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、オルトトルイジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等のイソシアネート類、またいわゆるブッロク剤(マスク剤とも言う。)でブロックされたブロックイソシアネート類、またこれらのイソシアネート類とポリアルコールとの生成物、またイソシアネート類の縮合によって生成したポリイソシアネート等を使用することができる。これらのポリイソシアネートは結合剤中の極性基と反応し3次元的に架橋し、塗膜の強度、耐久性を高める効果がある。
本発明における有機溶剤としては、特に制限はないが、具体例としては磁気記録媒体用塗料に汎用使用されるメチルエチルケトン、トルエン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、テトラヒドロフラン等の任意比率の混合溶剤が使用できる。これらの有機溶剤は必ずしも100%純粋である必要はなく、主成分以外に異性体・未反応物・副反応物・分解物・酸化物・水分等の不純物が含まれていてもかまわない。各無機質粉末の分散体に使用される有機溶剤は、小粒径カーボン分散体と大粒径無機質分散体で用いられるものの種類が異なってもかまわない。
本発明における平滑なガラス基材とは、研磨処理等により表面を平滑化したガラス基材であり、触針式(触針1μ)表面粗さ測定機によりJIS−B−0601−1982に基づきカットオフ値0.08で測定した場合の中心線平均粗さRaが3nm以下のものであれば特に制限はない。

本発明のPV値とは、光干渉方式の表面粗さ測定機により測定された塗膜の3次元高さ分布をその各高さに合わして棒グラフ(Histogram)とした所謂高さ度数分布における全度数データの90%を占める高さ領域であり、即ち上下合計10%の度数データを除いた高さ区間である。
このようにして得られた小粒径カーボン分散体と大粒径無機質粉末分散体とは、最終的に得られるバック層の表面粗度が所定の粗度になるような組成比で混合される。混合の方法は従来公知の混合・攪拌工程によって行われる。また混合後に、予め行った混練・分散工程と同様あるいは異なった後(あと)分散工程を再度施しても良く、それによってより一層の効果が得られる。
また、本発明のバックコート層には、強度向上などを目的として公知の無機質粉末を添加しても良く、具体的には一次粒子の粒子径が50〜300nmの酸化鉄、アルミナを挙げることができる。
本発明におけるバック層の形成は、小粒径カーボン分散体と大粒径無機質分散体とを混合・分散した後のバック層用塗料を、従来公知の塗布方法、例えばグラビア塗布・ロール塗布・ブレード塗布・エクストルージョン塗布等の方法によって塗設することにより行われる。
本発明における磁性層は、強磁性粉末をバインダーに分散させた磁性塗料を塗布、乾燥するか、蒸着やスパッタリングにより金属薄膜を形成する方法により得られる。強磁性粉末としては、金属磁性粉末、酸化鉄、炭化鉄、バリウムフェライトなどの磁性をもつものであれば特に制限はなく、形状も球状、針状、板状等任意に選択して使用できる。これらの強磁性粉末には必要に応じて無機化合物、有機化合物で表面処理してもよい。また磁性層にはカーボンブラックや従来公知の潤滑剤、研磨剤、分散剤等の添加剤を含有させることができる。磁性塗料を塗布した磁性層と非磁性支持体との間に非磁性層を有していてもよく、非磁性層は少なくともカーボンブラックを含む非磁性粉末と結合剤樹脂を有し、カーボンブラック以外の非磁性粉末としては金属酸化物、金属炭酸塩、金属窒化物、金属炭化物等の無機化合物がある。具体例としては例えば酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、アルミナ、シリカ、窒化珪素、炭化珪素等が使用できる。これらの非磁性粉末の平均粒子サイズは5nm〜1000nmであるが特に好ましいのは10〜500nmである。非磁性粒子が球状の場合には平均粒子サイズは80nm以下が好ましく、針状粒子の場合には平均長軸経300nm以下が好ましい。これらの非磁性粉末には必要に応じて無機化合物、有機化合物で表面処理してもよい。特にアルミニウムの水酸化物または酸化物、ケイ素の水酸化物または酸化物から選ばれた1種または2種以上で被覆処理することが好ましい。また非磁性層には従来公知の潤滑剤、研磨剤、分散剤等の添加剤を含有させることができる。また、蒸着またはスパッタリングにより形成される金属薄膜としてはFe、Co、及びNi等の強磁性金属ならびにこれらの合金からなるものがあり、単層であっても多層であってもよい。また蒸着層の上層にスパッタリング,CVD法等による保護膜を形成してもよく、従来公知の潤滑層を形成してもよい。
本発明における非磁性支持体は、現在磁気記録媒体に汎用されているポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリカーボネート等の合成樹脂フィルム、アルミニウム、ステンレス等の金属フィルム、各種紙が使用でき、厚みは1.0〜200ミクロン、好ましくは2〜20ミクロンである。
次に実施例と比較例を示し、本発明を更に具体的に説明する。各例において、特に指定しない限り「部」とは重量部を、「%」とは重量%をそれぞれ表す
[磁性層の作成]
メタル磁性粉(比表面積50m2、保磁力1500Oe) 100部
塩化ビニル樹脂(MR−110、日本ゼオン(株)) 10部
ポリウレタン溶液(UR−8300、東洋紡績(株)) 20部
α−アルミナ(粒子径:0.3μ) 3部
カーボンブラック(コンダクテックスSC、
コロンビアカーボン(株)) 5部
ステアリン酸 1部
ステアリン酸ブチル 1部
トルエン 120部
メチルエチルケトン 120部
シクロヘキサノン 60部
上記組成物をサンドミルで分散した後に、ポリイソシアネート(コロネートL,日本ポリウレタン製)を5部加え、磁性塗料を得た。該磁性塗料を9μm厚のポリエチレンテレフタレート支持体上に塗布、配向、乾燥後、カレンダー処理による鏡面加工を行い3μm厚の磁性塗膜(磁性層)を作成した。
[バック層の作成]
下記2種類のバックコート組成物を別々に混練・分散した後、無機質粉末の混合比、即ち小粒径カーボンブラック:大粒径無機質粉末が97:3になるように両者を混合した。これにコロネートLを2部加えて得られたバックコート塗料を磁性層と反対面に塗布、乾燥して1.0μm厚のバック層を形成した後、60℃×24時間硬化し、1/2インチ幅に裁断し磁気テープを作成した。
[バックコート組成物(小粒径カーボンブラック分散体)]
下記組成物を2本ロールで分散処理し固形分散物を得た。
カーボンブラックA(一次粒子の平均粒径17nm) 100部
70%湿潤硝化綿(セルノバBTH1 旭化成(株)) 81部
ポリウレタン溶液(バイロンUR8200 東洋紡績(株)) 127部
有機色素化合物 CuPc−SO2 NH(CH2 )3 N(
CH2 −CH3 )2 (CuPc:銅フタロシアニン) 5部
上記固形分散物の120℃1時間加熱での不揮発分は95%であった。次にメチルエチルケトン240部、トルエン240部、シクロヘキサノン53部を予め混合した溶液中に上記固形物100部をディゾルバーで攪拌しながら加え、2時間攪拌した。次に得られた分散液を1mm径のガラスビーズを充填したサンドミルを用いて追加分散し、小粒径カーボン分散体を得た。
[バックコート組成物(大粒径無機質粉末分散体)]
下記組成物を2本ロールで分散処理し固形分散物を得た。
カーボンブラックB(一次粒子の平均粒径270nm) 100部
70%湿潤硝化綿(セルノバBTH1 旭化成(株)) 81部
ポリウレタン溶液(バイロンUR8200 東洋紡績(株)) 127部
有機色素化合物 CuPc−SO2 NH(CH2 )3 N(
CH2 −CH3 )2(CuPc:銅フタロシアニン) 5部
上記固形分散物の120℃1時間加熱での不揮発分は95%であった。次にメチルエチルケトン240部、トルエン240部、シクロヘキサノン53部を予め混合した溶液中に上記固形物100部をディゾルバーで攪拌しながら加え、2時間攪拌した。次に得られた分散液を1mm径のガラスビーズを充填したサンドミルを用いて追加分散し、大粒径無機質分散体を得た。
[バックコート組成物(混合)]
小粒径カーボンブラック分散体 97部
大粒径無機質粉末分散体 3部
コロネートL(日本ポリウレタン(株)) 2部
実施例1のバックコート組成物において、カーボンブラックAをカーボンブラックC(一次粒子の平均粒径24nm)に変更した以外は実施例1と同様の方法で磁気テープを作成した。
実施例1のバックコート組成物において、カーボンブラックBをカーボンブラックD(一次粒子の平均粒径150nm)に変更し、無機質粉末の混合比、即ち小粒径カーボンブラック:大粒径無機質粉末が95:5に変更した以外は実施例1と同様の方法で磁気テープを作成した。
実施例1のバックコート組成物において、カーボンブラックBをカーボンブラックE(一次粒子の平均粒径91nm)に変更し、無機質粉末の混合比、即ち小粒径カーボンブラック:大粒径無機質粉末が90:10に変更した以外は実施例1と同様の方法で磁気テープを作成した。
実施例1のバックコート組成物において、小粒径カーボンブラック分散体と大粒径無機質分散体との混合後に後(あと)分散すること追加した以外は実施例1と同様の方法で磁気テープを作成した。
[比較例1]
実施例1のバックコート組成物において、大粒径無機質粉末分散体の混練・分散処理時間を実施例1の70%とした以外は比較例1と同様の方法で磁気テープを作成した。
[比較例2]
実施例3のバックコート組成物において、大粒径無機質粉末分散体の組成から有機色素化合物を除いた以外は比較例1と同様の方法で磁気テープを作成した。
[比較例3]
実施例1のバックコート組成物において、無機質粉末の混合比、即ち小粒径カーボンブラック:大粒径無機質粉末が99:1に変更した以外は実施例1と同様の方法で磁気テープを作成した。
[比較例4]
実施例3のバックコート組成物において、無機質粉末の混合比、即ち小粒径カーボンブラック:大粒径無機質粉末が98:2に変更した以外は実施例1と同様の方法で磁気テープを作成した。
[比較例5]
実施例1のバックコート組成物において、混練・分散方法を小粒径カーボンブラックと大粒径無機質粉末の同時混練・分散に変更した以外は実施例1と同様の方法で磁気テープを作成した。即ち、下記バックコート組成物100部に対しコロネートLを2部加えてバックコート塗料を作成する以外は実施例1と同様の方法で磁気テープを作成した。
[バックコート組成物]
下記組成物を2本ロールで分散処理し固形分散物を得た。
カーボンブラックA(一次粒子の平均粒径17nm) 97部
カーボンブラックB(一次粒子の平均粒径270nm) 3部
70%湿潤硝化綿(セルノバBTH1 旭化成(株)) 81部
ポリウレタン溶液(バイロンUR8200 東洋紡績(株)) 127部
有機色素化合物 CuPc−SO2 NH(CH2 )3 N(
CH2 −CH3 )2(CuPc:銅フタロシアニン) 5部
上記固形分散物の120℃1時間加熱での不揮発分は95%であった。次にメチルエチルケトン240部、トルエン240部、シクロヘキサノン53部を予め混合した溶液中に上記固形物100部をディゾルバーで攪拌しながら加え、2時間攪拌した。次に得られた分散液を1mm径のガラスビーズを充填したサンドミルを用いて追加分散し、バックコート組成物を得た。
以上の実施例1〜5および比較例1〜5で作成した磁気テープのバック層についておよび実施例1、3、4および比較例1、2の大粒径無機質粉末の表面特性について下記に示すようにして測定・評価した。
[中心線平均粗さRa]:触針式(触針1μ)表面粗さ測定機によりJIS−B−0601−1982に基づきカットオフ値0.08で測定した。
[エンボス性]:磁性層とバック層がと向き合う様に重ねた状態でカレンダー処理を行い、カレンダー処理後の磁性層への形状転写度合いを○・△・×の3段階で評価した。
[走行耐久性]:磁性テープのバックコート面とSUS304ガイドピンとの摩擦係数をテープ走行試験(横浜システムラボラトリ製TBT−300D)により測定した。摩擦係数は巻き付け角180度で100パス繰り返し走行したときの1パス目の初期摩擦係数、100パス走行時の摩擦係数を測定した。また100パス走行後のバック層表面の傷つき状態を判定した。なおバック層表面の傷つき状態は傷がほとんど認められないを○とし、若干の傷があるものを△、多数の傷があるものを×とした。
[表面突起数]:日本ビーコ社製光干渉法表面粗さ測定機(WYKO HD3300)により183μm×241μm四方の表面粗さデータを測定し、Multiple Region解析により中心面に対し平行の任意断面で切断される山の個数を測定した。
[大粒径無機質分散体の表面特性]:大粒径無機質分散体を平滑なガラス板に塗布した塗膜を日本ビーコ社製光干渉法表面粗さ測定機(WYKO HD3300)により183μm×241μm四方の表面粗さデータを測定し、Histogram解析により全度数データに対する90%区間のPV値を測定した。
以上の測定・評価結果を表1にまとめた。
表1から明らかなように、本発明が提唱する、光干渉法によって測定された塗膜の表面形状における高さ度数分布での全度数データに対する90%区間のPV値が200nm以下の大粒径無機質粉末分散体と小粒径カーボンブラックの分散体とを混合・分散することにより得られる磁気記録媒体用塗料を用いたバック層は、粗大突起が少なくエンボス性、耐久性に優れる結果となった。また、本発明が提唱する磁気記録媒体用塗料を用い、光干渉法によって測定される自乗平均表面(中心面)から100nm以上の突起数が100個/1mm以下であり、且つ70nm以上の突起数が200個/1mm以上の表面性を有するバック層はエンボス性が良く、且つ走行摩擦係特性が優れたものとなった。
Figure 2005222632
高密度記録が要求されるデータストレージテープやデジタル放送用VTRテープ等の磁気記録テープに限らず、ハードディスク等の他の記録メディアや表面平滑性と摩擦特性との両立が要求されるあらゆる用途に利用可能。

Claims (6)

  1. 一次粒子の平均粒径が60〜400nmの大粒径無機質粉末と結合剤と分散剤と溶剤とを混練することにより得られ、平滑なガラス基材に膜厚1μmで形成した塗膜を光干渉法によって測定した場合に表面形状における高さ度数分布での全度数データに対する90%区間のPV値が200nm以下の大粒径無機質粉末分散体と、一次粒子の平均粒子径が10〜50nmである小粒径カーボンブラックの分散体とを混合してなることを特徴とする磁気記録媒体用塗料の製造方法。
  2. 大粒径無機質粉末分散体と小粒径カーボンブラックの分散体とを混合後にさらに混練分散処理する請求項1記載の磁気記録媒体用塗料の製造方法。
  3. 大粒径無機質粉末が、カーボンブラック、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウムおよびアルミナから選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2記載の磁気記録媒体用塗料の製造方法。
  4. 請求項1ないし3いずれか記載の製造方法により得られる磁気記録媒体用塗料。
  5. 非磁性支持体に対し互いに反対面に磁性層とバック層とを有する磁気記録媒体であって、該バック層が請求項4記載の磁気記録媒体用塗料を用いてなるバック層であることを特徴とする磁気記録媒体。
  6. 光干渉法によって測定されたバック層の表面形状における自乗平均表面(中心面)から100nm以上の突起数が100個/1mm以下であり、且つ70nm以上の突起数が200個/1mm以上であることを特徴とする請求項5記載の磁気記録媒体。
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