JPH06162483A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH06162483A
JPH06162483A JP4310492A JP31049292A JPH06162483A JP H06162483 A JPH06162483 A JP H06162483A JP 4310492 A JP4310492 A JP 4310492A JP 31049292 A JP31049292 A JP 31049292A JP H06162483 A JPH06162483 A JP H06162483A
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JP
Japan
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magnetic
fatty acid
magnetic layer
recording medium
powder
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JP4310492A
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English (en)
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Katsuya Kishinami
勝也 岸波
Shoichi Sugitani
彰一 杉谷
Kiyoto Fukushima
清人 福島
Sadafumi Iijima
定史 飯島
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Konica Minolta Inc
TDK Corp
Original Assignee
Konica Minolta Inc
TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明は、磁性層用塗料の分散性が良好で
製造が容易であると共に、RF出力等の電気的特性及び
走行耐久性に優れた磁気録媒体を提供することを目的と
している。 【構成】 この発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体上
に磁性層を少なくとも1層有してなり、該磁性層が、そ
の粒子表面をSiで処理したFeOx (1.34≦x≦
1.41)強磁性粉末と、平均一次粒子径が30〜50
mμのカーボンブラックと脂肪酸及び脂肪酸エステルと
バインダーとを含有し、前記Siの量がFeOX 強磁性
粉末に対して0.25〜5重量%であり、前記磁性層表
面の前記脂肪酸の量が0.98〜2.13μg/cm2
であり、前記磁性層表面の前記脂肪酸エステルの量が
1.57〜2.82μg/cm2 であることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、磁気記録媒体に関
し、更に詳しくは、RF出力等の電磁変換特性及び走行
耐久性に優れる磁気録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来か
ら、高級脂肪酸や脂肪酸エステルは、ビデオテープなど
の磁気記録媒体の磁性層の摩擦係数を低減させ、テープ
などの走行耐久性を向上させる目的で磁気記録媒体にお
ける磁性層に添加されている。
【0003】また、磁性層には、帯電防止と遮光性とを
持たせる目的でカーボンブラックも添加されている。平
均一次粒径が50〜150mμである大粒径のカーボン
ブラックを用いると、カーボンブラックを含有する磁性
層面とビデオテープ等を再生するヘッドとの接触面積が
減少することと、カーボンブラックの僅かな潤滑剤吸収
作用による表面潤滑剤量の増加とによる摩擦係数軽減の
効果がみられた(特公昭58−2413号公報)。
【0004】しかしながら、走行摩擦係数を低減させよ
うとして、多量の脂肪酸や脂肪酸エステルを磁性塗料中
に添加することにより、磁性塗料の分散時に脂肪酸や脂
肪酸エステルが磁性粉末やカーボンブラックなどに吸着
して、バインダーの磁性粉末に対する吸着を阻害し、結
果として磁性塗料の分散が悪くなり、その磁性塗料を塗
布して形成した磁性層を有する磁気記録媒体の電磁変換
特性の向上を図ることができなかった。
【0005】また、ミリスチン酸の添加量に対して融点
の高いステアリン酸の添加量が多くても、摩擦係数低減
の効果が薄いことに加えて、低温時にテープ等の表面の
ステアリン酸が凝固して粉吹きを起こしてしまうという
問題も生じる。
【0006】さらに、大粒径のカーボンブラックを用い
て磁性塗料を調整すると、磁性塗料の塗膜面が粗れて電
磁変換特性が悪くなる。
【0007】この発明はかかる事情に基づいてなされた
ものであり、発明者らは脂肪酸と脂肪酸エステルとの添
加量を少なくし、いかにして磁性層表面の脂肪酸量と脂
肪酸エステル量とを増やすかについて研究を重ねた。即
ち、この発明の目的は、前記問題点を解決し、RF出力
等の電磁変換特性に優れると共に走行耐久性にも優れる
磁気録媒体を提供することである。
【0008】
【前記課題を解決するための手段】前記課題を解決する
ための前記請求項1に記載の発明は、非磁性支持体上に
磁性層を少なくとも1層有してなり、該磁性層が、その
粒子表面をSiで処理したFeOx (1.34≦x≦
1.41)強磁性粉末と、平均一次粒子径が30〜50
mμのカーボンブラックと脂肪酸及び脂肪酸エステルと
バインダーとを含有し、前記Siの量がFeOX 強磁性
粉末に対して0.25〜5重量%であり、前記磁性層表
面の前記脂肪酸の量が0.98〜2.13μg/cm2
であり、前記磁性層表面の前記脂肪酸エステルの量が
1.57〜2.82μg/cm2 であることを特徴とす
る磁気記録媒体であり、前記請求項2に記載の発明は、
前記脂肪酸が、その混合比が重量比で6:1〜3:1で
あるミリスチン酸とステアリン酸との混合物であり、前
記脂肪酸エステルがステアリン酸ブチルである前記請求
項1に記載の磁気記録媒体である。
【0009】以下、この発明の磁気記録媒体につき説明
する。
【0010】この発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体
上に磁性粉末、カーボンブラック及び脂肪酸と脂肪酸エ
ステルを含有する磁性層を少なくとも1層、また必要に
応じてその他の層を有してなる。
【0011】(1)非磁性支持体 前記非磁性支持体を形成する材料としては、例えば、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナ
フタレート等のポリエステル類、ポリプロピレン等のポ
リオレフィン類、セルローストリアセテート、セルロー
スダイアセテート等のセルロース誘導体、ポリアミド、
ポリカーボネート等のプラスチックなどを挙げることが
できる。
【0012】前記非磁性支持体の形態としては、特に制
限はなく、主にテープ状、フィルム状、シート状、カー
ド状、ディスク状、ドラム状などがある。
【0013】非磁性支持体の厚みには特に制約はない
が、例えば、フィルム状やシート状の場合は通常3〜1
00mμであり、好ましくは4〜50mμであり、ディ
スクやカード状の場合は30mμ〜10mm程度であ
り、ドラム状の場合はレコーダー等に応じて適宜に選択
される。
【0014】なお、この非磁性支持体は単層構造のもの
であっても多層構造のものであってもよい。また、この
非磁性支持体は、例えば、コロナ放電処理等の表面処理
を施されたものであってもよい。
【0015】また、非磁性支持体上の上記磁性層が設け
られていない面(裏面)には、磁気記録媒体の走行性の
向上、帯電防止及び転写防止などを目的として、バック
コート層を設けるのが好ましく、また磁性層と非磁性支
持体との間には、下引き層を設けることもできる。
【0016】(2)磁性層 磁性層は、非磁性支持体上に少なくとも1層形成され
る。なお、必要に応じて磁性層は、複数の層で形成する
こともできる。
【0017】磁性層は、その粒子表面をSiで処理した
FeOx (1.34≦x≦1.41)強磁性粉末成分
(A)、カーボンブラック(B)、脂肪酸及び脂肪酸エ
ステル(C)並びにバインダー(D)を含有する。更
に、各種添加成分(E)を含有することができる。
【0018】A.粒子表面をSiで処理したFeOx
(1.34≦x≦1.41)強磁性粉末 この発明の磁気記録媒体における磁性層は、粒子表面を
特定量のSiで処理したFeOx (1.34≦x≦1.
41)強磁性粉末を必須成分として含有する。
【0019】前記Xが上記範囲にあると、遮光性と電磁
変換特性の良好な磁気記録媒体が得られる。前記Xが
1.41を上回ると、磁性粉末自体の遮光性が低下し、
VTRデッキの規定透過率になるようカーボンブラック
を多量に含有しなければならず、かえって分散性の低下
を招く。また、前記Xが1.34未満であると、磁性粉
末中のFe2+が過剰になり、やはり分散性の低下を招く
のでいずれも好ましくない。
【0020】この発明に用いるFeOx (1.34≦x
≦1.41)強磁性粉末は、その抗磁力(Hc)が通常
500〜900 Oё、好ましくは600〜800 O
ёであることが好ましい。Hcがこの範囲にあると、低
周波域の特性(特にカラー出力など)が向上する。
【0021】また、前記FeOx (1.34≦x≦1.
41)強磁性粉末は、そのBET値が通常30〜45m
2 /gであることが好ましい。BET値がこの範囲にあ
ると、高密度記録が可能であってS/N比等に優れた媒
体を容易に実現することができる。
【0022】更に、この発明に用いるFeOx (1.3
4≦x≦1.41)強磁性粉末は、その軸比(短軸に対
する長軸の比)が、通常8〜15であり、特に10〜1
5であることが好ましい。軸比がこの範囲にあると、特
に配向性及び充填性に優れた出力の高い磁気記録媒体を
得ることができる。
【0023】FeOx (1.34≦x≦1.41)強磁
性粉末の含有量としては、通常、磁性層用塗料に対し1
5〜35重量%であり、好ましくは20〜30重量%で
あり、特に好ましくは20〜25重量%である。
【0024】35重量%よりも多い場合には、相対的に
磁性粉末以外の素材が少なくなるのでテープ物性が悪化
し、磁性層が剥れ易かったり、摩擦が高くなることがあ
るので好ましくなく、一方、15重量%よりも少ない場
合には、テープ自体の磁気力が減少し、電磁変換特性が
劣化することがあるので好ましくない。
【0025】また、黒色のFeOx (1.34≦x≦
1.41)強磁性粉末を用いることにより、添加するカ
ーボンブラックの量を減らすことができ、その結果、平
均一次粒子径が30〜50mμ程度の小径のカーボンブ
ラックを使用しても、カーボンブラックに対する脂肪酸
や脂肪酸エステルの吸着量を減らすことができる。
【0026】本発明のFeOx (1.34≦x≦1.4
1)強磁性粉末は、その粒子表面が該強磁性粉末に対し
て、通常、0.25〜5重量%、好ましくは、0.30
〜1.0重量%、さらに好ましくは、0.3〜0.6重
量%のSiで処理されていることが重要である。この処
理により、強磁性粉末に対する脂肪酸や脂肪酸エステル
の吸着量を減らすことができる。Siの量が0.25重
量%より少ないと、Siで表面処理をした強磁性粉末を
後述するバインダー中に分散させたときに、該強磁性粉
末のヌレ性が悪くて磁気記録媒体の電磁変換特性の向上
に支障をきたすことがある。一方、Siの量が5重量%
より多いと、強磁性粉末の磁気特性、特に保磁力(H
c)の低下が認められるので好ましくない。
【0027】Siによる表面処理は公知の方法で行なう
ことができ、例えば、特開平2−83219号公報に記
載された方法などを好適に使用することができる。
【0028】また他に、磁性層は磁性粉末として必要に
応じて、公知の強磁性粉末を含有することもできる。
【0029】その代表例としては、下記の強磁性金属粉
末、γ−Fe23 、Co含有γ−Fe23 、Co被
着γ−Fe23 、Fe34 、Co含有Fe34
Co被着Fe34 、Co含有磁性FeOx (3/2>
X>4/3)、CrO2 等の酸化物磁性体、バリウムフ
ェライト等の六方晶フェライト及び窒化鉄などがある。
【0030】これらの中でも、この発明に好ましいの
は、強磁性金属粉末である。
【0031】即ち、磁性粉末の中でも以下に挙げる強磁
性金属粉末を用いると、磁気記録媒体は高い記録密度を
達成することができ、その結果、優れた電磁変換特性が
得られる。
【0032】強磁性金属粉末の具体例としては、Fe、
Ni、Coを初め、Fe−Al系、Fe−Al−Ca
系、Fe−Al−Ni系、Fe−Al−Zn系、Fe−
Al−Co系、Fe−Ni系、Fe−Ni−Al系、F
e−Ni−Co系、Fe−Ni−Si−Al−Mn系、
Fe−Ni−Si−Al−Zn系、Fe−Al−Si
系、Fe−Al−Co系、Fe−Ni−Zn系、Fe−
Ni−Mn系、Fe−Ni−Si系、Fe−Mn−Zn
系、Fe−Co−Ni−P系、Co−Ni系等、Fe、
Ni、Co等を主成分とするメタル磁性粉末などが挙げ
ることができる。
【0033】これらの中では、Fe系金属粉末が電気特
性に優れており、また耐蝕性及び分散性の点で特に好ま
しいのは、Fe−Al系、Fe−Al−Ca系、Fe−
Al−Ni系、Fe−Al−Zn系、Fe−Al−Co
系、Fe−Ni系、Fe−Ni−Al系、Fe−Ni−
Si−Al−Zn系、Fe−Ni−Zn系、Fe−Ni
−Si−Al−Mn系及びFe−Ni−Co系等のFe
系金属粉末である。
【0034】更に、この発明にとって好ましい強磁性金
属粉末は、少なくともFe原子とAl原子とを含有し、
Fe原子とAl原子との含有量比が原子数比でFe:A
l=100:1〜100:20であり、かつ強磁性金属
粉末ESCAによる分析深度で100Å以下の表面域に
存在するFe原子とAl原子との含有量比が原子数比で
Fe:Al=30:70〜70:3である構造を有する
ものである。
【0035】あるいは、Fe原子とNi原子とAl原子
とSi原子とを含有すると共に、Zn原子とMn原子と
の少なくとも一方を含有し、Fe原子の含有量が90原
子%以上、Ni原子の含有量が1原子%以上で10原子
%未満、Al原子の含有量が0.1原子%以上で5原子
%未満、Si原子の含有量が0.1原子%以上で5原子
%未満、Zn原子の含有量及び/又はMn原子の含有量
(ただし、Zn原子とMn原子との両方を含有する場合
はこの合計量)が0.1原子%以上で5原子%未満であ
り、そして強磁性金属粉末ESCAによる分析深度で1
00Å以下の表面域に存在するFe原子とNi原子とA
l原子とSi原子とZn原子及び/又はMn原子の含有
量比が原子数比でFe:Ni:Al:Si:(Zn及び
/又はMn)=100:(4以下):(10〜60):
(10〜70):(20〜80)である構造を有する強
磁性金属粉末である。
【0036】また、この発明において磁気記録媒体の記
録の高密度化のためには、BET法による比表面積が3
0m2 /g以上の強磁性金属粉末を用いることが好まし
い。
【0037】ここにいう比表面積とは、BET法により
測定した値から単位グラム当たりの表面積を平方メート
ルで表わしたものである。
【0038】このBET法による比表面積の測定方法に
ついては、「粉体の測定」(J.M.Dallaval
l,Clydeorr Jr共著、牟田その他訳;産業
図書社刊)に詳しく述べられており、また「化学便覧」
応用編、p1170〜1171(日本化学会編;丸善
(株))昭和41年4月30日発行)にも記載されてい
る。
【0039】その一例を挙げると、まず、粉末試料を1
05℃前後で13分間加熱処理しながら脱気して吸着物
質を除去し、その後、試料を測定装置に導入して窒素の
初期圧力を0.5kg/m2 に設定し、この窒素により
液体窒素温度(−105℃)で10分間かけて吸着測定
を行なう。測定装置はカウンターソープ[湯浅アイオニ
クス(株)製)を使用する。
【0040】一方、この発明においては、磁性粉末の保
磁力(Hc)に好ましい条件が存在する。
【0041】即ち、この発明に用いる磁性粉末のHc
は、600 Oe以上であることが好ましい。
【0042】この条件を備えると、磁気記録媒体の短波
長領域におけるRF出力が向上するからである。
【0043】これらの磁性粉末の含有量としては、磁性
層の固形分に対し、通常60〜90重量部であり、好ま
しくは70〜80重量部である。
【0044】B.カーボンブラック 磁性層は、平均一次粒子径が30〜50mμであるカー
ボンブラックを含有する。
【0045】この発明においては、カーボンブラックは
磁性層の表面を適度な粗さにすることと磁性層用塗料の
分散性を改善することとを目的として用いられる。カー
ボンブラックの使用により、磁性層の摩擦抵抗は小さく
なり、走行耐久性は向上する。また、磁性層用塗料の流
動性が良好になる。
【0046】カーボンブラックの平均一次粒子径は、通
常、30〜50mμであり、好ましくは35〜50mμ
であり、さらに好ましくは40〜50mμである。
【0047】前記平均一次粒子径が、30mμよりも小
さいと、分散が難しくなり、磁性層の中で凝集状にな
り、電磁変換特性を劣化させることがあり、また、磁気
記録媒体の走行耐久性が劣化することがあるので好まし
くない。一方、平均一次粒子径が、50mμよりも大き
いと、磁性層の表面が粗れ、電磁変換特性が劣化するこ
とがあるので好ましくない。
【0048】カーボンブラックとしては、例えば、米国
キャボット社製のバルカン(Cabot Vulca
n)ブラックパールズ280(平均一次粒子径41m
μ)、同社製のVULCAN XC72R(平均一次粒
子径;30mμ)、三菱化成工業(株)製の#25(平
均一次粒子径47mμ)、電気化学工業(株)製のKZ
300(平均一次粒子径40mμ)等のカーボンブラッ
クを挙げることができる。
【0049】これらの中でも、三菱化成工業(株)製の
#25(平均一次粒子径47mμ)及び電気化学工業
(株)製のKZ300(平均一次粒子径40mμ)が好
ましい。
【0050】カ−ボンブラックの含有量は、後述するバ
インダー100重量部に対して通常、5〜400重量
部、好ましくは10〜350重量部であり、特に好まし
くは、25〜200重量部である。
【0051】前記含有量が、400重量部よりも多い
と、相対的に磁性層中の磁性粉末が減少し、電磁変換特
性が劣化することがあるので好ましくない。一方、5重
量部よりも少ないと、磁性層の遮光性、帯電防止性が悪
くなり、磁気記録媒体としての機能が低下することがあ
るので好ましくない。
【0052】また、カーボンブラックは、その吸油量が
50〜100ml/100gであることが好ましい。吸
油量が100ml/100gを越えると、カーボンブラ
ックを分散しにくくなるので塗膜面が粗れ、一方、吸油
量が50ml/100gより少ないと、塗膜が固くな
り、好ましくない。
【0053】C.脂肪酸及び脂肪酸エステル 磁性層は、脂肪酸及び脂肪酸エステルを含有する。この
発明においては、磁性層表面の前記脂肪酸の量が0.9
8〜2.13μg/cm2 であり、前記脂肪酸エステル
の量が1.57〜2.82μg/cm2 であることが重
要である。
【0054】磁性層表面の脂肪酸の量は、通常、0.9
8〜2.13μg/cm2 であり、好ましくは、1.0
0〜2.00μg/cm2 であり、さらに好ましくは
1.10〜1.80μg/cm2 である。脂肪酸の含有
量が0.98μg/cm2 より少ないと走行性が低下し
やすく、また、2.13μg/cm2 より多いと脂肪酸
が磁性層の表面にしみ出したり、出力低下が生じ易くな
る。
【0055】磁性層への脂肪酸の添加量は、磁性層表面
の脂肪酸の量が上記範囲内に入るように調節することで
決定されるが、通常、磁性粉末に対して0.2〜10重
量%程度であり、特に、0.5〜5重量%程度である。
【0056】磁性層表面の脂肪酸エステルの量は、通
常、1.57〜2.82μg/cm2であり、好ましく
は、1.61〜2.75μg/cm2 であり、さらに好
ましくは1.80〜2.64μg/cm2 である。脂肪
酸エステルの含有量が1.57μg/cm2 より少ない
とスチル耐久性が劣化し易く、また、2.82μg/c
2 より多いと脂肪酸エステルが磁性層の表面にしみ出
したり、出力低下が生じ易くなる。
【0057】また、脂肪酸エステルの添加量は、磁性層
表面の脂肪酸エステルの量が上記範囲内に入るように調
節することで決定されるが、通常、これも磁性粉末に対
して0.2〜10重量%程度であり、特に、0.5〜5
重量%程度である。
【0058】本発明においては脂肪酸と脂肪酸エステル
とを併用するが、脂肪酸と脂肪酸エステルは重量比で1
0:90〜90:10が好ましい。
【0059】脂肪酸としては一塩基酸であっても二塩基
酸であってもよく、炭素数は6〜30が好ましく、12
〜22の範囲がより好ましい。
【0060】脂肪酸の具体例としては、カプロン酸、カ
プリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パ
ルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、リノレ
ン酸、オレイン酸、エライジン酸、ベヘン酸、マロン
酸、コハク酸、マレイン酸、グルタル酸、アジピン酸、
ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,12−ド
デカンジカルボン酸、オクタンジカルボン酸などを挙げ
ることができる。
【0061】本発明においては、特に、ミリスチン酸と
ステアリン酸との混合物を使用することが好ましい。
【0062】ミリスチン酸とステアリン酸との混合物を
使用する場合は、磁性層表面のミリスチン酸とステアリ
ン酸との重量比が6:1〜3:1になるようにそれぞれ
の添加量を調整するとよい。ミリスチン酸の量がこれよ
り多いと、強磁性粉末に対する後述するバインダーの吸
着を阻害し、強磁性粉末の分散不良を招くことがある。
一方、これより少ないと、摩擦係数低減の効果が薄いこ
とに加えて、低温時にテープ等の表面のステアリン酸が
凝固して粉吹きを起こしてしまうこともある。ミリスチ
ン酸とステアリン酸との重量比は6:1〜5:1である
と、さらに好ましい。
【0063】脂肪酸エステルの具体例としては、オレイ
ルオレート、イソセチルステアレート、ジオレイルマレ
ート、ブチルステアレート、ブチルパルミテート、ブチ
ルミリステート、オクチルミリステート、オクチルパル
ミテート、ペンチルステアレート、ペンチルパルミテー
ト、イソブチルオレエート、ステアリルステアレート、
ラウリルオレエート、オクチルオレエート、イソブチル
オレエート、エチルオレエート、イソトリデシルオレエ
ート、2−エチルヘキシルステアレート、2−エチルヘ
キシルパルミテート、イソプロピルパルミテート、イソ
プロピルミリステート、ブチルラウレート、セチル−2
−エチルヘキサレート、ジオレイルアジペート、ジエチ
ルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジイソデシル
アジペート、オレイルステアレート、2−エチルヘキシ
ルミリステート、イソペンチルパルミテート、イソペン
チルステアレート、ジエチレングリコール−モノ−ブチ
ルエーテルパルミテート、ジエチレングリコール−モノ
−ブチルエーテルパルミテートなどを挙げることができ
る。
【0064】本発明においては、特に、ステアリン酸ブ
チルを使用することが好ましい。
【0065】これらの脂肪酸又は脂肪酸エステルはそれ
ぞれ一種の使用に限らず二種以上を組み合わせて用いる
ことができる。
【0066】本発明においては、上記重量比のミリスチ
ン酸とステアリン酸との混合物とステアリン酸ブチルと
を組み合わせて使用することが好ましい。
【0067】D.バインダー この発明において磁性層に用いるバインダーとしては、
官能基を導入して変性した樹脂、特に変性塩化ビニル樹
脂、変性ポリウレタン系樹脂(ウレタンエラストマーも
この範疇に含める)、変性ポリエステル樹脂を好ましく
挙げることができる。
【0068】前記官能基としては、例えば、−SO3
M、−OSO2 M、−COOM及び下記の(化1)で示
される官能基などが好ましい。
【0069】
【化1】
【0070】(ただし、式中Mは水素原子又はリチウ
ム、ナトリウム等のアルカリ金属であり、M1 及びM2
はそれぞれ水素原子、リチウム、カリウム、ナトリウ
ム、アルキル基のいずれかであり、M1 とM2 とは同一
であっても相違していてもよい。) 変性樹脂がこのような官能基を含有していると、変性樹
脂と磁性粉末とのなじみが向上し、磁性粉末の分散性は
更に改良されるばかりか、その凝集も防止されるので塗
工液の安定性が一層向上し、ひいては高域から低域まで
の周波数特性がバランスよく向上し、電磁変換特性に加
えて磁気記録媒体の耐久性も向上する。
【0071】前記変性樹脂は一種単独で使用することが
できるし、またニ種以上を併用することもできる。
【0072】後者の場合、変性ポリウレタン樹脂と変性
塩化ビニル樹脂との併用が好ましい。
【0073】前記変性樹脂は、塩化ビニル系樹脂、ポリ
ウレタン樹脂又はポリエステル樹脂と分子中に陰性官能
基及び塩素を有する化合物、例えば、Cl−CH2 CH2SO3M
、Cl−CH2CH2OSO2M 、Cl−CH2COOM 、下記の(化2)
で示される化合物などとを脱塩酸反応により縮合させて
製造することができる。
【0074】
【化2】
【0075】なお、この発明では、従来から磁気記録媒
体の分野で知られている熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、
反応型樹脂、電子線照射硬化型樹脂、若しくはこれらの
混合物を用いることができるし、又はこれらを前記変性
樹脂と併用することもできる。
【0076】後者の場合、この発明の目的に好ましいの
は、前記変性樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体と
の併用である。
【0077】上記熱可塑性樹脂としては、例えば、塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリ
デン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合
体、アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、
アクリル酸エステル−塩化ビニリデン共重合体、メタク
リル酸エステル−塩化ビニリデン共重合体、メタクリル
酸エステル−エチレン共重合体、ポリ弗化ビニル、塩化
ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニト
リル−ブタジエン共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニ
ルブチラール、セルロース誘導体(セルロースアセテー
トブチレート)、セルロースダイアセテート、セルロー
ストリアセテート、セルロースプロピオネート、ニトロ
セルロース等)、スチレンブタジエン共重合体、ポリエ
ステル樹脂、クロロビニルエーテルアクリル酸エステル
共重合体、アミノ樹脂及び合成ゴム系の熱可塑性樹脂な
どを挙げることができる。これらは一種単独で使用して
もよいし、二種以上を組合せて使用してもよい。
【0078】前記熱硬化性樹脂又は反応型樹脂として
は、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレ
タン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド
樹脂、シリコーン樹脂、アクリル系反応樹脂、高分子量
ポリエステル樹脂とイソシアネートプレポリマーとの混
合物、メタクリル酸塩共重合体とジイソシアネートプレ
ポリマーとの混合物、尿素ホルムアルデヒド樹脂、及び
ポリアミン樹脂などが挙げられる。これらは一種単独で
使用してもよいし、二種以上を組み合せて使用してもよ
い。
【0079】前記電子線照射硬化型樹脂としては、例え
ば、無水マレイン酸タイプ、ウレタンアクリルタイプ、
エポキシアクリルタイプ、ポリエステルアクリルタイ
プ、ポリエーテルアクリルタイプ、ポリウレタンアクリ
ルタイプ、ポリアミドアクリルタイプ等の不飽和プレポ
リマー;エーテルアクリルタイプ、ウレタンアクリルタ
イプ、エポキシアクリルタイプ、燐酸エステルアクリル
タイプ、アリールタイプ及びハイドロカーボンタイプ等
の多官能モノマーなどが挙げられる。これらは一種単独
で使用してもよいし、二種以上を組み合せて使用しても
よい。
【0080】磁性層における前記バインダーの配合量
は、前記FeOx (1.34≦x≦1.41)強磁性粉
末100重量部に対し、通常1〜200重量部であり、
好ましくは1〜50重量部である。
【0081】バインダーの配合量が多すぎると、結果的
にFeOx (1.34≦x≦1.41)強磁性粉末の配
合量が少なくなり、磁気記録媒体の記録密度が低下する
ことがあり、また配合量が少なすぎると、磁性層の強度
が低下し、磁気記録媒体の走行耐久性が低くなることが
ある。
【0082】E.各種添加成分 この発明においては、その目的を害しない限り必要に応
じて、磁性層は、例えば、硬化剤、潤滑剤、分散剤、非
磁性研磨剤粒子、導電性粉末、界面活性剤、帯電防止剤
などの各種添加成分を含有することができる。
【0083】硬化剤としては、芳香族又は脂肪族ポリイ
ソシアネートを前記バインダーと併用することができ
る。
【0084】芳香族ポリイソシアネートとしては、例え
ば、トリレンジイソシアネート(TDI)及びこれと活
性水素化合物との付加体などがあり、平均分子量100
〜3,000の範囲のものが好ましい。
【0085】脂肪族ポリイソシアネートとしては、例え
ば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)及び
これと活性水素化合物との付加体などがあり、平均分子
量100〜3000の範囲のものが好ましく、更に非脂
環式のポリイソシアネート及びこれと活性水素化合物と
の付加体が好ましい。
【0086】前記芳香族又は脂肪族ポリイソシアネート
の添加量は、前記結合剤に対して重量比で通常1/20
〜7/10、好ましくは1/10〜1/2である。
【0087】潤滑剤としては、脂肪酸及び脂肪酸エステ
ルの他に、例えば、シリコーンオイル、グラファイト、
二硫化モリブデンなどを挙げることができる。
【0088】分散剤としては、カプリル酸、カプリン
酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、オレイン酸などの炭素数12〜18の脂肪酸;
これらのアルカリ金属の塩またはアルカリ土類金属の塩
あるいはこれらのアミド;ポリアルキレンオキサイドア
ルキルリン酸エステル;レシチン;トリアルキルポリオ
レフィンオキシ第四アンモニウム塩;カルボキシル基及
びスルホン酸基を有するアゾ系化合物などを挙げること
ができる。
【0089】これらの分散剤は、通常、強磁性粉末に対
して0.5〜5重量%の範囲で用いられる。
【0090】非磁性研磨材粒子としては、例えば、アル
ミナ{α−Al23 (コランダム)等}、人造コラン
ダム、溶融アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、ダイヤ
モンド、人造ダイヤモンド、ザクロ石、エメリー(主成
分:コランダムと磁鉄鉱)などを挙げることができる。
【0091】この非磁性研磨材粒子の含有量は、強磁性
粉末に対して20重量部以下とするのが好ましく、また
その平均粒径は0.5mμ以下がよく、0.4mμ以下
が更によい。
【0092】この発明においては、例えば、前記潤滑剤
及び非磁性研磨材粒子を特にその他の層に含有させれ
ば、ヘッドとの接触特性(すべり走行性、耐摩耗性等)
を著しく改善することができる。
【0093】導電性粉末としては、例えば、カーボンブ
ラック、グラファイト、銀粉、ニッケル粉等が挙げら
れ、前記界面活性剤としては天然系、ノニオン系、アニ
オン系、カチオン系、両性の界面活性剤を挙げることが
できる。
【0094】導電性粉末の含有量は、磁性粉末に対して
10重量部以下とするのが好ましく、またその平均粒径
は40mμ以下がよく、25mμ以下が更によい。
【0095】また、導電性粉末や界面活性剤を、特に磁
性層に適宜含有させることにより表面電気抵抗を有効に
下げることができ、帯電電荷の放電によるノイズの発生
や塵埃の付着によるドロップアウトの発生を防止するこ
とができる。
【0096】帯電防止剤としては、カーボンブラック、
グラファイト等の導電性粉末;第四級アミン等のカチオ
ン界面活性剤;スルホン酸、硫酸、リン酸、リン酸エス
テル、カルボン酸等の酸基を含むアニオン界面活性剤;
アミノスルホン酸等の両性界面活性剤;サポニン等の天
然界面活性剤などを挙げることができる。
【0097】上述した帯電防止剤は、通常バインダーに
対して0.01〜40重量%の範囲で添加される。
【0098】なお、上述した磁性層の厚みは、0.1〜
4.0μmであることが好ましく、更には0.1〜2.
5μmであることが好ましい。
【0099】磁性層は、1層形成しても、あるいは2層
以上形成してもよい。
【0100】(3)その他の層 この発明においては、その目的を害しない限り必要に応
じて、その他の層を磁性層と非磁性支持体との間に設け
ることができる。
【0101】その他の層は、磁性粉末を含有する磁性層
であっても、非磁性粉末を含有する非磁性層であっても
よい。
【0102】その他の層も、基本的に前記磁性層のとこ
ろで述べたのと同じ種類及び配合量のバインダー、各種
添加成分、それ自体公知の非磁性粉末等を含有すること
ができる。
【0103】その他の層中に含まれるバインダーとして
は、特に、磁性層中に含まれるバインダーと同じ種類で
あるのが好ましい。そして、そのバインダーとしては、
スルホン酸基を有するポリウレタン樹脂が好ましい。
【0104】更に、このその他の層には、脂肪酸が磁性
層に含まれない場合には脂肪酸が含有されていることが
必要である。脂肪酸の種類については、前記磁性層のと
ころで述べたのと同様である。
【0105】なお、その他の層にも、発明の目的を阻害
しない限りにおいて、適宜、磁性層のところで述べたの
と同様の種類、配合量の潤滑剤、非磁性研磨剤粒子、導
電性粉末、界面活性剤など各種添加成分を含有させるこ
とができる。
【0106】その他の層の厚みとしては、通常0,1〜
2.0μmであり、好ましくは0.1〜1.5μmであ
る。
【0107】その他の層は、1層形成しても、あるいは
2層以上形成してもよい。
【0108】−−磁気記録媒体の製造−− この発明の磁気記録媒体は、その製造方法に特に制限は
なく、公知の磁気記録媒体の製造方法に準じて製造する
ことができる。
【0109】例えば、一般的には強磁性粉末、バインダ
ー等の磁性層形成成分を溶媒に混練し分散して磁性層用
塗料を調製した後、この磁性層用塗料を非磁性支持体の
表面に塗布する。
【0110】上記溶媒としては、例えば、アセトン、メ
チルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン
(MIBK)、シクロヘキサノン等のケトン系:メタノ
ール、エタノール、プロパノール等のアルコール系、酢
酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、乳
酸エチル、エチレングリコールモノアセテート等のエス
テル系:ジエチレングリコールジメチルエーテル、2−
エトキシエタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン
等のエーテル系:ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳
香族炭化水素:メチレンクロライド、エチレンクロライ
ド四塩化炭素クロロホルム、エチレンクロルヒドリン、
ジクロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素などを用いる
ことができる。
【0111】磁性層用塗料の調製に際しては、前記強磁
性粉末、カーボンブラック、脂肪酸及び脂肪酸エステ
ル、バインダー及び各種添加成分を、同時に又は個々に
混練機に投入する。
【0112】例えば、分散剤を含む溶液中に前記強磁性
粉末を加え、所定時間混練りした後、残りの各成分を加
えて、更に混練を続けて磁性層用塗料とする。
【0113】磁性層形成成分の混練分散にあたっては、
各種の混練機を使用することができる。
【0114】この混練機としては、例えば、加圧ニーダ
ー、連続ニーダー、ディゾルバー、二本ロールミル、三
本ロールミル、ボールミル、ペブルミル、サイドグライ
ンダー、高速インペラー分散機、高速ストーンミル、高
速度衝撃ミル、ディスパーニーダー、高速ミキサー、ホ
モジナイザー、超音波分散機などが挙げられる。
【0115】塗布方式としては、特に制限はなく、公知
の方式を適宜採用することができる。
【0116】磁性層用塗料の塗布方法としては、例え
ば、グラビアコーティング法、ナイフコーティング法、
ワイヤーバーコーティング法、ドクターブレードコーテ
ィング法、リバースロールコーティング法、ディップコ
ーテング法、エアーナイフコーテング法、カレンダーコ
ーティング法、スキーズコーティング法、キスコーティ
ング法、及びファンティンコーテング法、エクストルー
ジョン方式の押し出しコーターによる方法などがある。
【0117】磁性層用塗料を非磁性支持体の表面に塗布
した後は、一般に、未乾燥の状態にある塗膜に磁場配向
処理を施し、更にスーパーカレンダーロールなどを用い
て表面平滑化処理を施し、ついで所望の形状に裁断する
ことによって、磁気記録媒体を得ることができる。
【0118】この発明の磁気記録媒体は、電磁変換特性
に優れており、遮光性も消去特性も良好であり、しかも
ブルーミングやヘッド汚れも効果的に防止されている。
【0119】
【実施例】以下、この発明の実施例を説明する。
【0120】以下に示す成分、割合及び操作順序はこの
発明の範囲から逸脱しない範囲において種々変更しう
る。なお、下記の実施例における「部」は、全て「重量
部」である。
【0121】(実施例1〜9及び比較例1〜8)以下に
示すCo−γ−FeOx をSiで表面処理した後、以下
のその他の成分と共に撹拌・分散した。得られたもの1
9μmの厚さの支持体上に塗布し、配向・乾燥後、1/
2インチ巾に裁断し、ビデオ用磁気記録媒体とした。
【0122】 {磁性層用塗料} Co−γ−FeOx ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・100部 (Hc:700 Oe、BET:30〜35m2 /g) カーボンブラック・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8部 α−アルミナ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5部 スルホン基含有ポリ塩化ビニル・・・・・・・・・・・・・・・・10部 (日本ゼオン(株)製:MR110) ポリウレタン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10部 (日本ポリウレタン(株)製:ニッポラン 2304) ミリスチン酸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1.0〜1.6部 ステアリン酸(融点:約60℃)・・・・・・・・・・0.8〜1.2部 ブチルステアレート・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.8部 コロネートL・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3部 シクロヘキサノン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・100部 メチルエチルケトン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・100部 トルエン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・100部。
【0123】表1に、各実施例と比較例とにおける強磁
性粉末とカーボンブラックとについての詳細と、磁性層
表面のミリスチン酸量・ステアリン酸量・ステアリン酸
ブチル量の測定結果とを示す。磁性層表面のミリスチン
酸量・ステアリン酸量・ステアリン酸ブチル量測定方法
は以下のとおりである。
【0124】《測定方法》磁性層253cm2 に対応す
る試料に、シクロヘキサンを約50ml加え、2分間放
置した。次いでこれを濾過して、試料を少量のシクロヘ
キサンで洗浄し、抽出液と合わせた。この抽出液に濃度
40ppmに調整したパルチミン酸メチル/シクロヘキ
サン溶液を5ml加えた。次に、ロータリーエバポレー
ターを用いてこの溶液からシクロヘキサンを蒸発させ
た。濃縮された抽出物に新たにシクロヘキサン0.2m
lを加え、そのうち1μlをガスクロマトグラフにかけ
た。
【0125】パルミチン酸メチルおよび脂肪酸の濃度と
ピーク面積との関係から予め作成しておいた検量線から
抽出された脂肪酸の量を求めた。
【0126】また、得られたビデオ用磁気記録媒体につ
き、以下の評価試験を行った。その結果を表2に示す。
【0127】《評価試験》 <動摩擦係数>;テープ走行性試験機TBT−300D
(横浜システム研究所(株)製)を用い、25℃の環境
下、クロムメッキステンレス4ピンにテープを180°
巻き付け、テープスピード3.3cm/sec、入口テ
ンション20gで測定し、次式にてμk を算出した。
【0128】μk =(1/π)ln(x/20) (ただし、xは、出口テンション(g)である。) <電気特性(dB) RF出力>;RF測定用のVTR
デッキとしてHR−S6000(日本ビクター(株)
製)を用い、4MHzでの100%ホワイト信号のRF
出力を測定した。測定値は、リファレンステープに対す
る値である。
【0129】<走行耐久性>;ビデオデッキHR−S6
000(日本ビクター(株)製)を用い、(1) 温度5
℃、(2) 温度25℃、湿度60%、(3) 温度40℃、湿
度80%の環境下で、テープの全長繰返し走行を100
時間行ない、エッジダメージについて次の3段階に評価
した。
【0130】○:エッジダメージの発生なし、 △:テープの一部にエッジダメージが発生した、 ×:テープの全長に渡ってエッジダメージが発生した。
【0131】<ヘッド汚れ>;ビデオデッキHR−S6
000(日本ビクター(株)製)を用い、(1) 温度5
℃、(2) 温度25℃、湿度60%、(3) 温度40℃、湿
度80%の環境下で、テープの全長繰返し走行を100
時間行ない、ヘッドに付着した汚れを観察し、次の3段
階に評価した。
【0132】A:汚れは全く認められない、 B:汚れがわずかに認められる、 C:著しい汚れが認められる。
【0133】
【表1】
【0134】
【表2】
【0135】
【発明の効果】この発明によると、磁性層表面の摩擦係
数を適切な値にするので走行耐久性を向上させることが
でき、また、磁性層用塗料の分散性を良好にするので磁
性層用塗料製造工程の安定化を図ることができると共
に、RF出力等の電気的特性に優れた磁気録媒体を提供
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福島 清人 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 飯島 定史 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に少なくとも1層の磁性
    層を有してなり、該磁性層が、その粒子表面をSiで処
    理したFeOx (1.34≦x≦1.41)強磁性粉末
    と、平均一次粒子径が30〜50mμのカーボンブラッ
    クと脂肪酸及び脂肪酸エステルとバインダーとを含有
    し、前記Siの量が強磁性粉末に対して0.25〜5重
    量%であり、前記磁性層表面の前記脂肪酸の量が0.9
    8〜2.13μg/cm2 であり、前記磁性層表面上の
    脂肪酸エステルの量が1.57〜2.82μg/cm2
    であることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記脂肪酸が、その混合比が重量比で
    6:1〜3:1であるミリスチン酸とステアリン酸との
    混合物であり、前記脂肪酸エステルがステアリン酸ブチ
    ルである前記請求項1に記載の磁気記録媒体。
JP4310492A 1992-11-19 1992-11-19 磁気記録媒体 Pending JPH06162483A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001143242A (ja) * 1999-11-15 2001-05-25 Toda Kogyo Corp 磁気記録媒体用針状磁性粒子粉末及び該針状磁性粒子粉末を用いた磁気記録媒体

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001143242A (ja) * 1999-11-15 2001-05-25 Toda Kogyo Corp 磁気記録媒体用針状磁性粒子粉末及び該針状磁性粒子粉末を用いた磁気記録媒体

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Effective date: 20020201