JPH06223363A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH06223363A
JPH06223363A JP5171448A JP17144893A JPH06223363A JP H06223363 A JPH06223363 A JP H06223363A JP 5171448 A JP5171448 A JP 5171448A JP 17144893 A JP17144893 A JP 17144893A JP H06223363 A JPH06223363 A JP H06223363A
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JP
Japan
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magnetic
magnetic layer
carbon black
recording medium
powder
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Pending
Application number
JP5171448A
Other languages
English (en)
Inventor
Shoichi Sugitani
彰一 杉谷
Akira Kawakami
晃 川上
Kiyoto Fukushima
清人 福島
Sadafumi Iijima
定史 飯島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
TDK Corp
Original Assignee
Konica Minolta Inc
TDK Corp
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Publication date
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Priority to JP5171448A priority Critical patent/JPH06223363A/ja
Publication of JPH06223363A publication Critical patent/JPH06223363A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明は、磁性層用塗料の分散性が良好で
製造が容易であると共に、RF出力、クロマS/N等の
電気的特性および走行耐久性に優れた磁気録媒体を提供
することを目的とする。 【構成】 前記目的を達成するためのこの発明は、非磁
性支持体上に磁性層を少なくとも1層有してなり、前記
磁性層が、その粒子表面を金属変性したFeOx (1.
34≦x≦1.41)磁性粉末と、平均一次粒子径が4
0mμ以上であるカーボンブラック(1)と、平均一次
粒子径が25〜40mμ、pHが7.0以下、吸油量が
100(ml/100mg)以上であるカーボンブラッ
ク(2)とを含有することを特徴とする磁気記録媒体で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、磁気記録媒体に関
し、更に詳しくは、RF出力、クロマS/N等の電磁変
換特性及び走行耐久性に優れる磁気録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来か
ら、カーボンブラックは、帯電防止、遮光性向上等を図
る目的で磁気記録媒体における磁性層に添加されてい
る。磁性層にカーボンブラックを添加する場合には、そ
の平均一次粒子径が問題となる。というのも、前記カー
ボンブラックの平均一次粒子径が小さい場合には、磁気
記録媒体における磁性層の表面が平滑となるものの、ヘ
ッドと磁性層との摩擦抵抗が大きくなるので走行性が劣
化する。逆に、大きい場合には、分散性が悪く磁性層の
表面が粗れた状態になり、摩擦抵抗が小さくなるので走
行性は良好になるものの電磁変換特性が劣化するという
問題があるからである。
【0003】このため、単層の磁性層を有する磁気記録
媒体において、磁性層の表面状態を改善する目的で、様
々な平均一次粒子径を有するカーボンブラックを組合せ
て磁性層中に添加させる試みが、例えば特公昭54−9
041号、特公昭53−20203号、特開昭58−2
18039号のそれぞれの公報において行なわれてい
る。
【0004】ところが、磁性層の表面状態を好ましくし
うるカーボンブラックの平均一次粒子径またはその組合
せを単に見つけただけでは、好ましい磁性層を形成する
ことはできず、また、磁気記録媒体の電磁変換特性を向
上させることはできない。というのも、磁性層は、一般
に磁性層用塗料を塗布することに形成されるが、その磁
性層用塗料の粘度あるいは流動性には、カーボンブラッ
クの吸油量、pH等の性質が大きな影響を与える。更
に、磁気記録媒体における電磁変換特性の向上には、磁
性粉末の種類が大きな影響を与えるからである。したが
って、カーボンブラックを用いる場合、その平均一次粒
子径だけではなく、その吸油量、pHをも考慮する必要
がある。また、磁性粉末を如何に選択するかも磁気記録
媒体の性能向上に重要な問題となる。
【0005】一方、マグネタイト磁性粉末は、帯電防
止、遮光性、電磁変換特性等の向上に効果があることが
一般に知られている。磁気記録媒体に、かかるマグネタ
イト磁性粉末を用いると、マグネタイト磁性粉末はその
透過率が低いので、カーボンブラックの添加量を少なく
することができる。この場合、カーボンブラックの影響
が少ないので、磁気記録媒体における磁性層の表面は平
滑化し、電磁変換特性は向上する。しかしその反面、磁
性層表面の摩擦抵抗が強くなり、走行耐久性が悪くなる
傾向がある。そこで、マグネタイト磁性粉末とカーボン
ブラックとを組合せて併用することにより、両粒子の有
する良好な特性を磁気記録媒体に反映させることが考え
られる。
【0006】しかしながら、その組合せは難しく、単に
併用しただけではその良好な特性が得られるものではな
い。例えば、吸油量が100(ml/100g)以上で
も、pHが7.0よりも高いカーボンブラックを用いた
場合、磁性層用塗料の分散性が十分でなく、また流動性
が悪いという問題があった。
【0007】この発明者らが鋭意検討した結果、マグネ
タイト磁性粉末を含有する磁性層用塗料に、特定の平均
一次粒子径を有するカーボンブラックを添加することに
より、マグネタイト磁性粉末の良好な特性を喪失するこ
となく、磁性層表面を適度な粗さにすると共に摩擦抵抗
を低くし、磁気記録媒体の走行耐久性を向上させること
ができる。また、特定のpHおよび吸油量を有する他の
カーボンブラックを磁性層用塗料に添加することによ
り、磁性層用塗料の流動性を改善し、充分に分散された
磁性層用塗料を得ることができる。ということを見出
し、この発明に到達した。
【0008】この発明は、上記問題点を解決し、RF出
力、クロマS/N等の電磁変換特性及び走行耐久性に優
れる磁気録媒体を提供することを目的とする。
【0009】
【前記課題を解決するための手段】前記課題を解決する
ための前記請求項1に記載の発明は、非磁性支持体上に
磁性層を少なくとも1層有してなり、前記磁性層が、そ
の粒子表面を金属変性したFeOx (1.34≦x≦
1.41)磁性粉末と、平均一次粒子径が40mμ以上
であるカーボンブラック(1)と、平均一次粒子径が2
5〜40mμ、pHが7.0以下、吸油量が100(m
l/100mg)以上であるカーボンブラック(2)と
を含有することを特徴とする磁気記録媒体である。
【0010】以下、この発明の磁気記録媒体につき説明
する。
【0011】この発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体
(1)上に磁性粉末及びカーボンブラックを含有する磁
性層(2)を少なくとも1層、また必要に応じてその他
の層(3)を有してなる。
【0012】(1)非磁性支持体 前記非磁性支持体を形成する材料としては、例えば、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナ
フタレート等のポリエステル類、ポリプロピレン等のポ
リオレフィン類、セルローストリアセテート、セルロー
スダイアセテート等のセルロース誘導体、ポリアミド、
ポリカーボネート等のプラスチックなどを挙げることが
できる。
【0013】前記非磁性支持体の形態としては、特に制
限はなく、主にテープ状、フィルム状、シート状、カー
ド状、ディスク状、ドラム状などがある。
【0014】前記非磁性支持体の厚みとしては特に制約
はないが、例えばフィルム状やシート状の場合は通常3
〜100μmであり、好ましくは4〜50μmであり、
ディスクやカード状の場合は30μm〜10mm程度で
あり、ドラム状の場合はレコーダー等に応じて適宜に選
択される。
【0015】なお、この非磁性支持体は単層構造のもの
であっても多層構造のものであってもよい。また、この
非磁性支持体は、例えば、コロナ放電処理等の表面処理
を施されたものであってもよい。
【0016】また、非磁性支持体上の上記磁性層が設け
られていない面(裏面)には、磁気記録媒体の走行性の
向上、帯電防止及び転写防止などを目的として、バック
コート層を設けるのが好ましく、また磁性層と非磁性支
持体との間には、下引き層を設けることもできる。
【0017】(2)磁性層 前記磁性層は、非磁性支持体上に少なくとも1層形成さ
れる。なお、必要に応じて磁性層は、複数の層で形成す
ることもできる。
【0018】前記磁性層は、磁性粉末(A)およびカー
ボンブラック(B)を含有する。更に、バインダー
(C)および各種添加成分(D)を含有することができ
る。
【0019】A.磁性粉末 この発明の磁気記録媒体における磁性層は、強磁性粉末
である、粒子表面を金属変性したFeOx (1.34≦
x≦1.41)磁性粉末を必須成分として含有する。前
記Xが前記範囲にあると、遮光性と電磁変換特性の良好
な磁気記録媒体が得られる。前記Xが1.41を越える
と、磁性粉末自体の遮光性が低下し、VTRデッキの規
定透過率になるようカーボンブラックを多量に含有しな
ければならず、かえって分散性の低下を招くことがあ
る。一方、1.34未満であると、磁性粉末中のFe2+
が過剰になり、やはり分散性の低下を招くことがあるの
でいずれも好ましくない。
【0020】この発明に用いるFeOx (1.34≦x
≦1.41)磁性粉末は、その抗磁力(Hc)が通常5
00〜900 Oё、好ましくは600〜800 Oё
である。前記Hcがこの範囲にあると、低周波域の特性
(特にカラー出力など)が向上する。
【0021】また、前記FeOx (1.34≦x≦1.
41)磁性粉末は、そのBET値が通常30〜45m2
/gであることが好ましい。BET値がこの範囲にある
と、高密度記録が可能であってS/N比等に優れた媒体
を容易に実現することができる。
【0022】更に、この発明に用いるFeOx (1.3
4≦x≦1.41)磁性粉末は、その軸比が、通常8〜
15であり、特に10〜15であることが好ましい。前
記軸比が前記範囲にあると、特に配向性および充填性に
優れた出力の高い磁気記録媒体を得ることができる。
【0023】前記FeOx (1.34≦x≦1.41)
磁性粉末の含有量としては、通常、磁性層用塗料に対し
15〜35重量%であり、好ましくは20〜30重量%
であり、特に好ましくは20〜25重量%である。前記
含有量が35重量%を越えると、相対的に磁性粉末以外
の素材が少なくなるのでテープ物性が悪化し、磁性層が
剥れ易かったり、摩擦が高くなることがあるので好まし
くなく、一方、15重量%未満であると、テープ自体の
磁気力が減少し、電磁変換特性が劣化することがあるの
で好ましくない。
【0024】また他に、磁性層は磁性粉末として必要に
応じて、公知の強磁性粉末を含有することもできる。そ
の代表例としては、下記の強磁性金属粉末、γ−Fe2
3、Co含有γ−Fe23 、Co被着γ−Fe23
、Fe34 、Co含有Fe34 、Co被着Fe3
4 、Co含有磁性FeOx (3/2>X>4/3)、
CrO2 等の酸化物磁性体、バリウムフェライト等の六
方晶フェライトおよび窒化鉄などがある。これらの中で
も、この発明に好ましいのは、強磁性金属粉末である。
【0025】即ち、磁性粉末の中でも以下に挙げる強磁
性金属粉末を用いると、磁気記録媒体は高い記録密度を
達成することができ、その結果、優れた電磁変換特性が
得られる。前記強磁性金属粉末の具体例としては、F
e、Ni、Coを初め、Fe−Al系、Fe−Al−C
a系、Fe−Al−Ni系、Fe−Al−Zn系、Fe
−Al−Co系、Fe−Ni系、Fe−Ni−Al系、
Fe−Ni−Co系、Fe−Ni−Si−Al−Mn
系、Fe−Ni−Si−Al−Zn系、Fe−Al−S
i系、Fe−Al−Co系、Fe−Ni−Zn系、Fe
−Ni−Mn系、Fe−Ni−Si系、Fe−Mn−Z
n系、Fe−Co−Ni−P系、Co−Ni系等、F
e、Ni、Co等を主成分とするメタル磁性粉末などが
挙げることができる。
【0026】これらの中では、Fe系金属粉末が電気特
性に優れており、また耐蝕性および分散性の点で特に好
ましいのは、Fe−Al系、Fe−Al−Ca系、Fe
−Al−Ni系、Fe−Al−Zn系、Fe−Al−C
o系、Fe−Ni系、Fe−Ni−Al系、Fe−Ni
−Si−Al−Zn系、Fe−Ni−Zn系、Fe−N
i−Si−Al−Mn系およびFe−Ni−Co系等の
Fe系金属粉末である。
【0027】更に、この発明にとって好ましい強磁性金
属粉末は、少なくともFe原子とAl原子とを含有し、
Fe原子とAl原子との含有量比が原子数比でFe:A
l=100:1〜100:20であり、かつ強磁性金属
粉末ESCAによる分析深度で100Å以下の表面域に
存在するFe原子とAl原子との含有量比が原子数比で
Fe:Al=30:70〜70:30である構造を有す
るものである。
【0028】あるいは、Fe原子とNi原子とAl原子
とSi原子とを含有すると共に、Zn原子とMn原子と
の少なくとも一方を含有し、Fe原子の含有量が90原
子%以上、Ni原子の含有量が1原子%以上で10原子
%未満、Al原子の含有量が0.1原子%以上で5原子
%未満、Si原子の含有量が0.1原子%以上で5原子
%未満、Zn原子の含有量および/またはMn原子の含
有量(ただし、Zn原子とMn原子との両方を含有する
場合はこの合計量)が0.1原子%以上で5原子%未満
であり、そして強磁性金属粉末ESCAによる分析深度
で100Å以下の表面域に存在するFe原子とNi原子
とAl原子とSi原子とZn原子および/または原子の
含有量比が原子数比でFe:Ni:Al:Si:(Zn
および/またはMn)=100:(4以下):(10〜
60):(10〜70):(20〜80)である構造を
有する強磁性金属粉末である。
【0029】また、この発明において磁気記録媒体の記
録の高密度化のためには、BET法による比表面積が4
5m2 /g以上の強磁性金属粉末を用いることが好まし
い。ここにいう比表面積とは、BET法により測定した
値から単位グラム当たりの表面積を平方メートルで表わ
したものである。前記BET法による比表面積の測定方
法については、「粉体の測定」(J.M.Dallav
all,Clydeorr Jr共著、牟田その他訳;
産業図書社刊)に詳しく述べられており、また「化学便
覧」応用編、p1170〜1171(日本化学会編;丸
善(株))昭和41年4月30日発行)にも記載されて
いる。
【0030】その一例を挙げると、まず、粉末試料を1
05℃前後で13分間加熱処理しながら脱気して吸着物
質を除去し、その後、試料を測定装置に導入して窒素の
初期圧力を0.5kg/m2 に設定し、この窒素により
液体窒素温度(−105℃)で10分間かけて吸着測定
を行なう。測定装置はカウンターソープ[湯浅アイオニ
クス(株)製)を使用する。
【0031】一方、この発明においては、磁性粉末の保
磁力(Hc)に好ましい条件が存在する。即ち、この発
明に用いる磁性粉末のHcは、600 Oё以上である
ことが好ましい。この条件を備えると、磁気記録媒体の
短波長領域におけるRF出力が向上するからである。
【0032】これらの磁性粉末の含有量としては、磁性
層の固形分に対し、通常60〜90重量部であり、好ま
しくは70〜80重量部である。
【0033】B.カーボンブラック 前記磁性層は、カーボンブラック(1)およびカーボン
ブラック(2)の2種類のカーボンブラックを含有す
る。
【0034】この発明において、カーボンブラック
(1)とは、その平均一次粒子径が40mμ以上である
カーボンブラックのことをいう。また、カーボンブラッ
ク(2)とは、その平均一次粒子径が25〜40mμ、
pHが7.0以下、吸油量が100(ml/100m
g)よりも大きいカーボンブラックのことをいう。
【0035】(カーボンブラック(1))この発明にお
いては、カーボンブラック(1)は磁性層の表面を適度
な粗さにすることを目的として用いられる。これによ
り、磁性層の摩擦抵抗は小さくなり、走行耐久性は向上
するのである。
【0036】前記カーボンブラック(1)の平均一次粒
子径は、通常40mμ以上であり、好ましくは40〜8
0mμであり、特に好ましくは40〜60mμである。
前記平均一次粒子径が40mμよりも小さいと、磁気記
録媒体の走行耐久性が劣化することがあるので好ましく
ない。
【0037】前記カーボンブラック(1)としては、例
えばコロンビアン・カーボン日本社のラーベン500
(平均一次粒子径56mμ)、ラーベン450(平均一
次粒子径62mμ)、ラーベン420(平均一次粒子径
68mμ)、キャボット社製のバルカン(Cabot
Vulcan)ブラックパールズ280(平均一次粒子
径41mμ)、三菱化成工業(株)製の#25(平均一
次粒子径47mμ)、電気化学工業(株)製のKZ30
0(平均一次粒子径40mμ)等のカーボンブラックを
挙げることができる。これらの中でも、三菱化成工業
(株)製の#25(平均一次粒子径47mμ)および電
気化学工業(株)製のKZ300(平均一次粒子径40
mμ)が好ましい。
【0038】前記カーボンブラック(1)の含有量とし
ては、通常、磁性層用塗料に対し0.1〜10重量%で
あり、好ましくは0.1〜3重量%であり、特に好まし
くは0.1〜0.5重量%である。前記含有量が3重量
%よりも多いと、磁性層表面が粗れ、電磁変換特性が劣
化することがあるので好ましくない。一方、0.1重量
%よりも少ないと、磁性層の摩擦係数が高くなり、走行
耐久性が劣化することがあるので好ましくない。
【0039】(カーボンブラック(2))この発明にお
いては、カーボンブラック(2)は磁性層用塗料の分散
性を改善することを目的として用いられる。これによ
り、磁性層用塗料の流動性は良好になる。
【0040】前記カーボンブラック(2)の平均一次粒
子径は、通常25〜40mμであり、好ましくは10〜
40mμであり、特に好ましくは25〜35mμであ
る。
【0041】前記平均一次粒子径が40mμよりも大き
いと、磁性層の表面が粗れ、電磁変換特性が劣化するこ
とがあるので好ましくない。一方、25mμよりも小さ
いと、分散が難しくなり、磁性層の中で凝集状になり、
電磁変換特性を劣化させることがあるので好ましくな
い。
【0042】また、カーボンブラック(2)は、そのp
Hが7.0以下であり、好ましくは5.0〜7.0であ
り、特に好ましくは6.0〜7.0である。前記pHが
7.0以下であるときは、吸油量が100(ml/10
0mg)未満であると不都合が生じることがある。
【0043】更に、カーボンブラック(2)は、その吸
油量が100〜500(ml/100g)であり、好ま
しくは105〜400(ml/100g)であり、特に
好ましくは110〜300(ml/100g)である。
前記吸油量が100(ml/100g)以上であるとき
は、pHが7.0を越えると不都合が生じることがあ
る。
【0044】かかるカーボンブラック(2)としては、
例えば米国キャボット社製のVULCAN XC72R
(平均一次粒子径;30mμ、吸油量188ml/10
0g、pH;5.0)、MONARCH 1000(平
均一次粒子径;16. 0mμ、吸油量105ml/10
0g、pH;2.5)、 また、コロンビアン・カ−ボン
社製のROYAL SPECTRA(平均一次粒子径;
10. 0mμ、吸油量220ml/100g、pH;
4.0)、NEO SPECTRA MARKII(平
均一次粒子径;13.0mμ、吸油量210ml/10
0g、pH;3.0)、NEO SPECTRA AG
(平均一次粒子径;13.0mμ、吸油量165ml/
100g、pH;3.0)、SUPERBA(平均一次
粒子径;15.0mμ、吸油量140ml/100g、
pH;3.2)、 NEO SPECTRA MARK
IV(平均一次粒子径;16.0mμ、吸油量125ml
/100g、pH;4.5)、 RAVEN3500(平
均一次粒子径;16.0mμ、吸油量105ml/10
0g、pH;2.5)、 三菱化成工業(株)製の#37
50(平均一次粒子径;28mμ、吸油量200ml/
100g、pH;7.0)を挙げることができる。
【0045】前記カ−ボンブラック(2)の含有量は、
後述するバインダー100重量部に対して通常5〜40
0重量部であり、好ましくは10〜350重量部であ
り、特に好ましくは、25〜200重量部である。前記
含有量が400重量部よりも多いと、相対的に磁性層中
の磁性粉末が減少し、電磁変換特性が劣化することがあ
るので好ましくない。一方、5重量部よりも少ないと、
磁性層の遮光性、帯電防止性が悪くなり、磁気記録媒体
としての機能が低下することがあるので好ましくない。
【0046】C.バインダー この発明において磁性層に用いるバインダーとしては、
官能基を導入して変性した樹脂、特に変性塩化ビニル樹
脂、変性ポリウレタン系樹脂(ウレタンエラストマーも
この範疇に含める)、変性ポリエステル樹脂を好ましく
挙げることができる。
【0047】前記官能基としては、例えば、−SO3
M、−OSO2 M、−COOMおよび下記の(化1)で
示される官能基などが好ましい。
【0048】
【化1】
【0049】(ただし、式中Mは水素原子又はリチウ
ム、ナトリウム等のアルカリ金属であり、M1 およびM
2 はそれぞれ水素原子、リチウム、カリウム、ナトリウ
ム、アルキル基のいずれかであり、M1 とM2 とは同一
であっても相違していてもよい。) 変性樹脂がこのような官能基を含有していると、変性樹
脂と磁性粉末とのなじみが向上し、磁性粉末の分散性は
更に改良されるばかりか、その凝集も防止されるので塗
工液の安定性が一層向上し、ひいては高域から低域まで
の周波数特性がバランスよく向上し、電磁変換特性に加
えて磁気記録媒体の耐久性も向上する。
【0050】前記変性樹脂は一種単独で使用することが
できるし、またニ種以上を併用することもできる。後者
の場合、変性ポリウレタン樹脂と変性塩化ビニル樹脂と
の併用が好ましい。
【0051】前記変性樹脂は、塩化ビニル系樹脂、ポリ
ウレタン樹脂又はポリエステル樹脂と分子中に陰性官能
基および塩素を有する化合物、例えば、Cl−CH2 CH2SO3
M 、Cl−CH2CH2OSO2M 、Cl−CH2COOM 、下記の(化2)
で示される化合物などとを脱塩酸反応により縮合させて
製造することができる。
【0052】
【化2】
【0053】なお、この発明では、従来から磁気記録媒
体の分野で知られている熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、
反応型樹脂、電子線照射硬化型樹脂、若しくはこれらの
混合物を用いることができるし、またはこれらを前記変
性樹脂と併用することもできる。後者の場合、この発明
の目的に好ましいのは、前記変性樹脂と塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体との併用である。
【0054】上記熱可塑性樹脂としては、例えば塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデ
ン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、
アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、アク
リル酸エステル−塩化ビニリデン共重合体、メタクリル
酸エステル−塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エ
ステル−エチレン共重合体、ポリ弗化ビニル、塩化ビニ
リデン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル
−ブタジエン共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブ
チラール、セルロース誘導体(セルロースアセテートブ
チレート)、セルロースダイアセテート、セルロースト
リアセテート、セルロースプロピオネート、ニトロセル
ロース等)、スチレンブタジエン共重合体、ポリエステ
ル樹脂、クロロビニルエーテルアクリル酸エステル共重
合体、アミノ樹脂および合成ゴム系の熱可塑性樹脂など
を挙げることができる。これらは一種単独で使用しても
よいし、二種以上を組合せて使用してもよい。
【0055】前記熱硬化性樹脂または反応型樹脂として
は、例えばフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタ
ン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹
脂、シリコーン樹脂、アクリル系反応樹脂、高分子量ポ
リエステル樹脂とイソシアネートプレポリマーとの混合
物、メタクリル酸塩共重合体とジイソシアネートプレポ
リマーとの混合物、尿素ホルムアルデヒド樹脂、および
ポリアミン樹脂などが挙げられる。これらは一種単独で
使用してもよいし、二種以上を組合せて使用してもよ
い。
【0056】前記電子線照射硬化型樹脂としては、例え
ば、無水マレイン酸タイプ、ウレタンアクリルタイプ、
エポキシアクリルタイプ、ポリエステルアクリルタイ
プ、ポリエーテルアクリルタイプ、ポリウレタンアクリ
ルタイプ、ポリアミドアクリルタイプ等の不飽和プレポ
リマー;エーテルアクリルタイプ、ウレタンアクリルタ
イプ、エポキシアクリルタイプ、燐酸エステルアクリル
タイプ、アリールタイプおよびハイドロカーボンタイプ
等の多官能モノマーなどが挙げられる。これらは一種単
独で使用してもよいし、二種以上を組合せて使用しても
よい。
【0057】前記磁性層における前記バインダーの配合
量は、前記FeOx (1.34≦x≦1.41)磁性粉
末100重量部に対し、通常1〜200重量部であり、
好ましくは1〜50重量部である。前記バインダーの配
合量が前記範囲よりも多いと、結果的にFeOx (1.
34≦x≦1.41)磁性粉末の配合量が少なくなり、
磁気記録媒体の記録密度が低下することがあり、また配
合量が前記範囲よりも少ないと、磁性層の強度が低下
し、磁気記録媒体の走行耐久性が低くなることがある。
【0058】D.各種添加成分 この発明においては、その目的を害しない限り必要に応
じて、磁性層は、例えば硬化剤、潤滑剤、分散剤、非磁
性研磨剤粒子、導電性粉末、界面活性剤、帯電防止剤な
どの各種添加成分を含有することができる。
【0059】前記硬化剤としては、芳香族または脂肪族
ポリイソシアネートを前記バインダーと併用することが
できる。
【0060】前記芳香族ポリイソシアネートとしては、
例えばトリレンジイソシアネート(TDI)およびこれ
と活性水素化合物との付加体などがあり、平均分子量1
00〜3,000の範囲のものが好ましい。
【0061】前記脂肪族ポリイソシアネートとしては、
例えばヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)お
よびこれと活性水素化合物との付加体などがあり、平均
分子量100〜3000の範囲のものが好ましく、更に
非脂環式のポリイソシアネートおよびこれと活性水素化
合物との付加体が好ましい。
【0062】前記芳香族または脂肪族ポリイソシアネー
トの添加量は、前記結合剤に対して重量比で通常1/2
0〜7/10、好ましくは1/10〜1/2である。
【0063】前記潤滑剤としては、脂肪酸あるいは脂肪
酸エステルを挙げることができる。前記脂肪酸の添加量
は磁性粉末に対し0.2〜10重量%が好ましく、0.
5〜5重量%がより好ましい。前記添加量が0.2重量
%未満であると、走行性が低下し易く、一方、10重量
%を超えると、脂肪酸が磁性層の表面にしみ出したり、
出力低下が生じ易くなる。
【0064】前記脂肪酸エステルの添加量は磁性粉末に
対して0.2〜10重量%が好ましく、0.5〜5重量
%がより好ましい。前記添加量が0.2重量%未満であ
ると、スチル耐久性が劣化し易くなることがあり、一
方、10重量%を超えると、脂肪酸エステルが磁性層の
表面にしみ出したり、出力低下が生じ易くなることがあ
る。
【0065】前記脂肪酸と脂肪酸エステルとを併用して
潤滑効果をより高めたい場合には、脂肪酸と脂肪酸エス
テルとの比は重量比で10:90〜90:10が好まし
い。
【0066】前記脂肪酸としては一塩基酸であっても二
塩基酸であってもよく、炭素数は6〜30が好ましく、
12〜22の範囲がより好ましい。前記脂肪酸の具体例
としては、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウ
リン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、
イソステアリン酸、リノレン酸、オレイン酸、エライジ
ン酸、ベヘン酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、グ
ルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セ
バシン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、オクタン
ジカルボン酸などを挙げることができる。
【0067】前記潤滑剤としては、例えば、シリコーン
オイル、グラファイト、二硫化モリブデン、炭素原子数
が12〜20程度の一塩基性脂肪酸(例えば、ステアリ
ン酸)と炭素原子数が3〜26程度の一価のアルコール
とからなる脂肪酸エステルなどを挙げることができる。
【0068】前記脂肪酸エステルの具体例としては、オ
レイルオレート、イソセチルステアレート、ジオレイル
マレート、ブチルステアレート、ブチルパルミテート、
ブチルミリステート、オクチルミリステート、オクチル
パルミテート、ペンチルステアレート、ペンチルパルミ
テート、イソブチルオレエート、ステアリルステアレー
ト、ラウリルオレエート、オクチルオレエート、イソブ
チルオレエート、エチルオレエート、イソトリデシルオ
レエート、2−エチルヘキシルステアレート、2−エチ
ルヘキシルパルミテート、イソプロピルパルミテート、
イソプロピルミリステート、ブチルラウレート、セチル
−2−エチルヘキサレート、ジオレイルアジペート、ジ
エチルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジイソデ
シルアジペート、オレイルステアレート、2−エチルヘ
キシルミリステート、イソペンチルパルミテート、イソ
ペンチルステアレート、ジエチレングリコール−モノ−
ブチルエーテルパルミテート、ジエチレングリコール−
モノ−ブチルエーテルパルミテートなどを挙げることが
できる。
【0069】これらの脂肪酸または脂肪酸エステルはそ
れぞれ一種の使用に限らず二種以上を組合せて用いるこ
とができる。
【0070】前記分散剤としては、カプリル酸、カプリ
ン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステ
アリン酸、オレイン酸などの炭素数12〜18の脂肪
酸;これらのアルカリ金属の塩またはアルカリ土類金属
の塩あるいはこれらのアミド;ポリアルキレンオキサイ
ドアルキルリン酸エステル;レシチン;トリアルキルポ
リオレフィンオキシ第四アンモニウム塩;カルボキシル
基およびスルホン酸基を有するアゾ系化合物などを挙げ
ることができる。
【0071】これらの分散剤は、通常、強磁性粉末に対
して0.5〜5重量%の範囲で用いられる。
【0072】前記非磁性研磨材粒子としては、例えば、
アルミナ{α−Al23 (コランダム)等}、人造コ
ランダム、溶融アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、ダ
イヤモンド、人造ダイヤモンド、ザクロ石、エメリー
(主成分:コランダムと磁鉄鉱)などを挙げることがで
きる。
【0073】この非磁性研磨材粒子の含有量は、強磁性
粉末に対して20重量部以下とするのが好ましく、また
その平均粒径は0.5μm以下が好ましく、0.4μm
以下が更に好ましい。
【0074】この発明においては、例えば、前記潤滑剤
および非磁性研磨材粒子を特にその他の層に含有させれ
ば、ヘッドとの接触特性(すべり走行性、耐摩耗性等)
を著しく改善することができる。
【0075】前記導電性粉末としては、例えばカーボン
ブラック、グラファイト、銀粉、ニッケル粉等が挙げら
れ、前記界面活性剤としては天然系、ノニオン系、アニ
オン系、カチオン系、両性の界面活性剤を挙げることが
できる。
【0076】前記導電性粉末の含有量は、磁性粉末に対
して10重量部以下とするのが好ましく、またその平均
粒径は40mμ以下が好ましく、25mμ以下が更に好
ましい。
【0077】また、導電性粉末や界面活性剤を、特に磁
性層に適宜含有させることにより表面電気抵抗を有効に
下げることができ、帯電電荷の放電によるノイズの発生
や塵埃の付着によるドロップアウトの発生を防止するこ
とができる。
【0078】前記帯電防止剤としては、カーボンブラッ
ク、グラファイト等の導電性粉末;第四級アミン等のカ
チオン界面活性剤;スルホン酸、硫酸、リン酸、リン酸
エステル、カルボン酸等の酸基を含むアニオン界面活性
剤;アミノスルホン酸等の両性界面活性剤;サポニン等
の天然界面活性剤などを挙げることができる。上述した
帯電防止剤は、通常バインダーに対して0.01〜40
重量%の範囲で添加される。
【0079】なお、上述した磁性層の厚みは、0.1〜
4.0μmであることが好ましく、更には0.1〜2.
5μmであることが好ましい。前記磁性層は、1層形成
しても、あるいは2層以上形成してもよい。
【0080】(3)その他の層 この発明においては、その目的を害しない限り必要に応
じて、その他の層を磁性層と非磁性支持体との間に設け
ることができる。その他の層は、磁性粉末を含有する磁
性層であっても、非磁性粉末を含有する非磁性層であっ
てもよい。その他の層も、基本的に前記磁性層のところ
で述べたのと同じ種類および配合量のバインダー、各種
添加成分、それ自体公知の非磁性粉末等を含有すること
ができる。
【0081】その他の層中に含まれるバインダーとして
は、特に、磁性層中に含まれるバインダーと同じ種類で
あるのが好ましい。そして、そのバインダーとしては、
スルホン酸基を有するポリウレタン樹脂が好ましい。
【0082】更に、このその他の層には、脂肪酸が磁性
層に含まれない場合には脂肪酸が含有されていることが
必要である。脂肪酸の種類については、前記磁性層のと
ころで述べたのと同様である。
【0083】なお、その他の層にも、発明の目的を阻害
しない限りにおいて、適宜、磁性層のところで述べたの
と同様の種類、配合量の潤滑剤、非磁性研磨剤粒子、導
電性粉末、界面活性剤など各種添加成分を含有させるこ
とができる。
【0084】その他の層の厚みとしては、通常0,1〜
2.0μmであり、好ましくは0.1〜1.5μmであ
る。その他の層は、1層形成しても、あるいは2層以上
形成してもよい。
【0085】−−磁気記録媒体の製造−− この発明の磁気記録媒体は、その製造方法に特に制限は
なく、公知の磁気記録媒体の製造方法に準じて製造する
ことができる。例えば、一般的には磁性粉末、バインダ
ー等の磁性層形成成分を溶媒に混練し分散して磁性層用
塗料を調製した後、この磁性層用塗料を非磁性支持体の
表面に塗布する。
【0086】前記溶媒としては、例えばアセトン、メチ
ルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン
(MIBK)、シクロヘキサノン等のケトン系:メタノ
ール、エタノール、プロパノール等のアルコール系、酢
酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、乳
酸エチル、エチレングリコールモノアセテート等のエス
テル系:ジエチレングリコールジメチルエーテル、2−
エトキシエタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン
等のエーテル系:ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳
香族炭化水素:メチレンクロライド、エチレンクロライ
ド四塩化炭素クロロホルム、エチレンクロルヒドリン、
ジクロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素などを用いる
ことができる。
【0087】磁性層用塗料の調製に際しては、前記磁性
粉末、カーボンブラック、バインダーおよび各種添加成
分を、同時にまたは個々に混練機に投入する。例えば、
分散剤を含む溶液中に前記磁性粉末を加え、所定時間混
練りした後、残りの各成分を加えて、更に混練を続けて
磁性層用塗料とする。磁性層形成成分の混練分散にあた
っては、各種の混練機を使用することができる。
【0088】この混練機としては、例えば加圧ニーダ
ー、連続ニーダー、ディゾルバー、二本ロールミル、三
本ロールミル、ボールミル、ペブルミル、サイドグライ
ンダー、高速インペラー分散機、高速ストーンミル、高
速度衝撃ミル、ディスパーニーダー、高速ミキサー、ホ
モジナイザー、超音波分散機などが挙げられる。
【0089】塗布方式としては、特に制限はなく、公知
の方式を適宜採用することができる。
【0090】磁性層用塗料の塗布方法としては、例えば
グラビアコーティング法、ナイフコーティング法、ワイ
ヤーバーコーティング法、ドクターブレードコーティン
グ法、リバースロールコーティング法、ディップコーテ
ング法、エアーナイフコーテング法、カレンダーコーテ
ィング法、スキーズコーティング法、キスコーティング
法、およびファンティンコーテング法、エクストルージ
ョン方式の押し出しコーターによる方法などがある。
【0091】磁性層用塗料を非磁性支持体の表面に塗布
した後は、一般に、未乾燥の状態にある塗膜に磁場配向
処理を施し、更にスーパーカレンダーロールなどを用い
て表面平滑化処理を施し、ついで所望の形状に裁断する
ことによって、磁気記録媒体を得ることができる。
【0092】この発明の磁気記録媒体は、電磁変換特性
に優れており、遮光性も消去特性も良好であり、しかも
ブルーミングやヘッド汚れも効果的に防止されている。
【0093】
【実施例】以下、この発明の実施例について説明する。
以下に示す成分、割合および操作順序はこの発明の範囲
から逸脱しない範囲において種々変更しうる。なお、実
施例における「部」は全て「重量部」である。
【0094】(実施例1〜9および比較例1〜6)下記
の組成物の各成分をニーダー・サンドミルを用いて混練
分散して磁性層用塗料を調製した。
【0095】 {磁性層用塗料} Co−γ−FeOx ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・100部 (Hc:700 Oё、BET:30〜35m2 /g) カーボンブラック(1)・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.5部 カーボンブラック(2)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10部 α−アルミナ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5部 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール系共重合体・・・・・10部 (UCC社製:VAGH) ポリウレタン樹脂(固形分)・・・・・・・・・・・・・・・・・10部 (日本ポリウレタン(株)製:N−3132) ミリスチン酸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1.5部 ステアリン酸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1.5部 ブチルステアレート・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1.0部 コロネートL・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2部 シクロヘキサノン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・100部 メチルエチルケトン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・100部 トルエン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・100部。
【0096】表1に示した、強磁性粉末並びにカーボン
ブラック−1および−2を含有する上述の磁性層用塗料
を用いて、厚みが14.5μmのポリエチレンテレフタ
レートフィルム上に塗布した後、塗膜が未乾燥であるう
ちに磁場配向処理を行ない、続いて乾燥を施してから、
カレンダーで表面平滑化処理を行ない、磁性層を形成し
た。
【0097】こうして得られた原反磁気テープをスリッ
トして、1/2インチ幅のビデオ用磁気記録媒体を作成
した。この磁気記録媒体につき、以下の評価試験を行っ
た。その結果を表2に示した。
【0098】《評価試験》 <動摩擦係数>;テープ走行性試験機TBT−300D
(横浜システム研究所(株)製)を用い、25℃の環境
下、クロムメッキステンレス4ピンにテープを180°
巻き付け、テープスピード3.3cm/sec、入口テ
ンション20gで測定し、次式にてμk を算出した。
【0099】μk =(1/π)ln(x/20) (ただし、xは、出口テンション(g)である。) <電気特性(dB) RF出力>;RF測定用のVTR
デッキとしてHR−S6000(日本ビクター(株)
製)を用い、4MHzでの100%ホワイト信号のRF
出力を測定した。測定値は、リファレンステープに対す
る値である。
【0100】<クロマS/N>;カラービデオノイズメ
ーター(シバソク(株)製:925D/1)を用い、H
R−S6000(日本ビクター(株)製)のVTRデッ
キを用い、周波数629KHzにおけるVHS−SG
(コニカ(株)製)に対する値(dB)を求めた。
【0101】<走行耐久性>;ビデオデッキHR−S6
000(日本ビクター(株)製)を用い、温度40℃、
湿度80%の環境下で、テープの全長繰返し走行を10
0時間行ない、エッジダメージについて次の2段階に評
価した。
【0102】○:エッジダメージの発生なし ×:テープの全長に渡ってエッジダメージが発生した。
【0103】<分散時塗料粘度>;分散終了時点での塗
料をブルックフィールド社製B型粘度計でローターN
o.RD−5にて20rpmの回転数で1分間撹拌した
後の測定値を200倍した値を分散時塗料粘度とした。
【0104】
【表1】
【0105】
【表2】
【0106】
【発明の効果】この発明によると、磁性層表面の摩擦係
数を適切な値にするので走行耐久性を向上させることが
でき、また、磁性層用塗料の分散性を良好にするので磁
性層用塗料製造工程の安定化を図ることができると共
に、RF出力、クロマS/N等の電気的特性に優れた磁
気録媒体を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福島 清人 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 飯島 定史 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に磁性層を少なくとも1
    層有してなり、前記磁性層が、その粒子表面を金属変性
    したFeOx (1.34≦x≦1.41)磁性粉末と、
    平均一次粒子径が40mμ以上であるカーボンブラック
    (1)と、平均一次粒子径が25〜40mμ、pHが
    7.0以下、吸油量が100(ml/100mg)以上
    であるカーボンブラック(2)とを含有することを特徴
    とする磁気記録媒体。
JP5171448A 1992-08-14 1993-07-12 磁気記録媒体 Pending JPH06223363A (ja)

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