JP3405812B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

Info

Publication number
JP3405812B2
JP3405812B2 JP10601794A JP10601794A JP3405812B2 JP 3405812 B2 JP3405812 B2 JP 3405812B2 JP 10601794 A JP10601794 A JP 10601794A JP 10601794 A JP10601794 A JP 10601794A JP 3405812 B2 JP3405812 B2 JP 3405812B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon black
copolymer
particle size
back coat
magnetic recording
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP10601794A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0729150A (ja
Inventor
茂夫 黒瀬
良浩 本荘
彰 曽宮
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP10601794A priority Critical patent/JP3405812B2/ja
Priority to EP94914564A priority patent/EP0651379B1/en
Priority to PCT/JP1994/000711 priority patent/WO1994027290A1/ja
Priority to DE69427011T priority patent/DE69427011T2/de
Priority to US08/240,475 priority patent/US5616398A/en
Publication of JPH0729150A publication Critical patent/JPH0729150A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3405812B2 publication Critical patent/JP3405812B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/62Record carriers characterised by the selection of the material
    • G11B5/73Base layers, i.e. all non-magnetic layers lying under a lowermost magnetic recording layer, e.g. including any non-magnetic layer in between a first magnetic recording layer and either an underlying substrate or a soft magnetic underlayer
    • G11B5/735Base layers, i.e. all non-magnetic layers lying under a lowermost magnetic recording layer, e.g. including any non-magnetic layer in between a first magnetic recording layer and either an underlying substrate or a soft magnetic underlayer characterised by the back layer
    • G11B5/7356Base layers, i.e. all non-magnetic layers lying under a lowermost magnetic recording layer, e.g. including any non-magnetic layer in between a first magnetic recording layer and either an underlying substrate or a soft magnetic underlayer characterised by the back layer comprising non-magnetic particles in the back layer, e.g. particles of TiO2, ZnO or SiO2
    • G11B5/7358Base layers, i.e. all non-magnetic layers lying under a lowermost magnetic recording layer, e.g. including any non-magnetic layer in between a first magnetic recording layer and either an underlying substrate or a soft magnetic underlayer characterised by the back layer comprising non-magnetic particles in the back layer, e.g. particles of TiO2, ZnO or SiO2 specially adapted for achieving a specific property, e.g. average roughness [Ra]
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10S428/90Magnetic feature
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10T428/24Structurally defined web or sheet [e.g., overall dimension, etc.]
    • Y10T428/24355Continuous and nonuniform or irregular surface on layer or component [e.g., roofing, etc.]

Landscapes

  • Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、バックコート層を有す
る磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体は、記録の短波長化、高密
度化にともなって磁性層表面の平滑化や高い走行安定性
が求められており、平滑化や走行安定性を改良する手段
としてバックコート層の重要性が増してきている。
【0003】バックコート層の表面粗さ(Ra )を向上
させ、平滑化することで磁気記録媒体の電磁変換特性が
向上する。しかし、平滑化するに従い摩擦係数μが高く
なり、走行安定性が低下する。走行安定性を高めるため
にバックコート層の表面粗さを大きくすると磁性層の表
面性を悪化させ、電磁変換特性が低下する。このためバ
ックコート層としては、平滑化されて表面性が良好であ
り、磁性層の電磁変換特性を劣化させることなく、さら
に摩擦係数μが低くて走行安定性が高いことが望まれ
る。
【0004】平滑化のための手段としては、バックコー
ト層に含まれるカーボンブラックや無機微粒子等の充填
剤の平均粒径を小さくする方法がある。これによりバッ
クコート層表面は平滑化され、Ra が向上し、すぐれた
電磁変換特性が得られる。しかし、そのために摩擦係数
μが高くなりすぎて走行安定性が悪化する。
【0005】そこで、例えば特開昭54−21248号
公報、特開昭57−53825号公報、特開昭59−1
4127号公報、特開昭60−45938号公報、特公
平4−79054号公報、特公平4−81256号公
報、特公平4−81261号公報等において、カーボン
ブラックや無機微粒子等の充填剤に2種の異なる粒径を
もつ粒子を用い、さらに、充填剤と結合剤との量比を規
定したり、平均粗さRaを規定したりしてこれらの問題
を解決しようとする提案がある。
【0006】これらの提案では、粒径が極端に異なる充
填材を用いることで、平均粗さRaを低下させてすぐれ
た電磁変換特性を得、さらに摩擦係数μを低下させる効
果を得ようとしている。しかし、これらのように粒径の
異なる2種のカーボンブラック等の充填剤を併用して
も、バックコート層でのこれらカーボンブラック等の分
散性が悪いとRa が高くなり、テープの表面性を悪化さ
せることが多い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主たる目的
は、表面性が良好で電磁変換特性に優れ、摩擦係数μが
低く高い走行安定性をもち、走行耐久性がすぐれたバッ
クコート層をもつ磁気記録媒体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(7)の本発明により達成される。 (1)非磁性支持体の一方の面上に磁性層を有し、他方
の面上にバックコート層を有し、前記バックコート層
は、平均粒径が異なる2種のカーボンブラックと、結合
剤とを含み、前記結合剤は、塩化ビニル、アルキルカル
ボン酸ビニルエステルおよびビニルアルコールの共重合
体であって、平均重合度が300〜600の共重合体A
と、塩化ビニル、アルキルカルボン酸ビニルエステルお
よびビニルアルコールの共重合体であって、アミノ基を
含み、平均重合度が250〜800の共重合体Bとを含
む磁気記録媒体。 (2)前記共重合体Bが、前記共重合体A100重量部
に対して15〜120重量部含まれる上記(1)の磁気
記録媒体。 (3)前記カーボンブラックが、平均粒径が15〜30
nmの小粒径カーボンブラックと、200〜400nmの大
粒径カーボンブラックとを含む上記(1)または(2)
の磁気記録媒体。 (4)前記大粒径カーボンブラックが、小粒径カーボン
ブラック100重量部に対して0.5〜5重量部含まれ
る上記(3)の磁気記録媒体。 (5)前記バックコート層の表面粗さRmax およびRa
が、Ra ≦20nmかつ 350nm≧Rmax −Ra ≧50nm である上記(1)〜(4)のいずれかの磁気記録媒体。 (6)前記結合剤はさらに極性基を有するポリウレタン
を含有する上記(1)〜(5)のいずれかの磁気記録媒
体。 (7)非磁性支持体の一方の面上に磁性層を有し、他方
の面上にバックコート層を有し、前記バックコート層の
表面粗さRmax およびRa が、 Ra ≦20nmかつ 350nm≧Rmax −Ra ≧50nm である磁気記録媒体。
【0009】
【作用および効果】本発明の磁気記録媒体のバックコー
ト層は、平均粒径が異なる2種のカーボンブラックと、
2種の共重合体を含む結合剤とを含む。前記共重合体
は、塩化ビニル、アルキルカルボン酸ビニルエステルお
よびビニルアルコールの共重合体であって、平均重合度
が300〜600の共重合体Aと、塩化ビニル、アルキ
ルカルボン酸ビニルエステルおよびビニルアルコールの
共重合体であって、アミノ基を含み、平均重合度が20
0〜800の共重合体Bとである。また、前記カーボン
ブラックとして好ましいのは、平均粒径が15〜30nm
の小粒径のものと200〜400nmの大粒径のものとの
2種を含むものである。
【0010】通常、バックコート層に平均粒径が例えば
15〜30nm程度の小粒径のみのカーボンブラック等を
用いるとRa が向上し、表面平滑性が良く、すぐれた電
磁変換特性をもつ磁気記録媒体を得ることができる。し
かし同時にピーク粗さ(Rma x )も小さくなりすぎるた
めに摩擦係数μが高くなり、走行安定性が悪化しやすく
なる。
【0011】そこで、高い平滑性を保ったまま、摩擦係
数μが高くなることを防止するために、さらに平均粒径
が200〜400nm程度の大粒径カーボンブラックを併
用してRmax を大きくする。しかし、カーボンブラック
の分散性が悪いとRa が大きくなり、表面の平滑性が悪
化し電磁変換特性を低下させることになる。すなわち、
高い表面平滑性とすぐれた摩擦係数μとを合せもつため
に、バックコート層のRmax およびRa は、 Ra ≦20nmかつ、 50nm≦Rmax −Ra ≦350nm とすることが好ましい。
【0012】このようなRmax とRa との関係を満足す
るバックコート層とすることで、電磁変換特性および走
行安定性がすぐれた磁気記録媒体が得られる。
【0013】本発明の磁気記録媒体では、Rmax とRa
との前記関係を満足させるため、2種の平均粒径をもつ
カーボンブラックを用いる他に、さらに結合剤として2
種の共重合体を用いる。特に共重合体Bを用いること
で、結合剤とカーボンブラック等との親和性を高くし、
分散性にすぐれ、さらに熱や湿度に対する安定性のすぐ
れたバックコート層が得られる。
【0014】さらに、共重合体Aを用いることで、すぐ
れた走行耐久性と熱や湿度に対する安定性をもつバック
コート層が得られ、このような2種の共重合体を含む結
合剤を用いることでカーボンブラックの分散性がよくな
り、Ra とRmax −Ra とが前記範囲となり、さらにす
ぐれた走行耐久性が得られる。
【0015】このような組成とすることで、電磁変換特
性にすぐれ、摩擦係数μが低いため高い走行安定性をも
ち、さらにバックコート層削れ等のないすぐれた走行耐
久性をもつ磁気記録媒体が得られる。このような効果
は、前記の結合剤組成と2種のカーボンブラックの併用
とにより実現するが、すぐれた電磁変換特性と、走行安
定性とは前記のRa とRmax との関係によって実現す
る。このようなRa とRma x との関係をもつバックコー
ト層は従来提案されていない。
【0016】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体の
一方の面上に磁性層を有し、他方の面上にバックコート
層を有し、バックコート層にはカーボンブラックと結合
剤とを含む。
【0017】バックコート層に用いるカーボンブラック
の粒子形状は、種々のものが使用可能であるが、表面性
を向上させるために以下の粒径をもつカーボンブラック
を含むことが好ましい。カーボンブラックの粒径として
は、平均粒径が15〜30nm、特に17〜28nmで、B
ET値が100〜300m2/g程度の小粒径カーボンブラ
ックと、平均粒径200〜400nm、特に250〜37
0nmで、BET値が、5〜20m2/g程度の大粒径カーボ
ンブラックとの2種類を含むことが好ましい。このよう
な2種類の平均粒径をもつカーボンブラックは、小粒径
カーボンブラック100重量部に対して、大粒径カーボ
ンブラックを0.5〜5重量部、特に0.5〜2重量部
含有させることが好ましい。
【0018】前記特公平4−81256号公報の実施例
中では、大粒径カーボンブラックを小粒径カーボンブラ
ック100重量部に対して8.1〜11.1重量部含有
させたものが例示されている。しかし本発明の磁気記録
媒体では、大粒径カーボンブラック含有量を前記公報の
ように大量に含有させると明らかにRa が大きくなりす
ぎて表面性が悪化し、電磁変換特性が悪化してしまう。
すなわち、大粒径カーボンブラックが多すぎるとバック
コート層のRa が大きくなりやすく、表面平滑性が悪化
しやすくなり、磁性層の電磁変換特性が悪化しやすくな
る。一方、少なすぎるとバックコート層のRmax が小さ
くなりやすく、摩擦係数μが高くなりすぎて走行事故を
引き起こしやすい。
【0019】また、小粒径カーボンブラックの平均粒径
は、小さすぎるとバックコート塗料分散時、カーボンブ
ラックの分散が悪化しやすくなるためにRa が大きくな
りやすい。一方、大きすぎてもバックコート層のRa
大きくなりやすいため好ましくない。大粒径カーボンブ
ラックの平均粒径は、小さすぎると摩擦係数μが高くな
りやすく、走行事故が起きやすくなる。一方大きすぎる
とRa が大きくなりやすく、磁性層の表面平滑性が悪化
して電磁変換特性が低下する傾向をもつ。
【0020】カーボンブラックの含有量は、小粒径カー
ボンと大粒径カーボンとの合計が、バックコート層の3
0〜70重量%、特に35〜50重量%、さらに40〜
45重量%が好ましい。カーボンブラックの含有量が多
すぎるとバックコート層の強度が低下する傾向があり、
走行耐久性が悪化しやすくなる。一方少なすぎると摩擦
係数の増大をまねき、走行事故を引き起こしやすくな
る。また、磁性層とのブロッキング等の問題が発生しや
すくなる。
【0021】カーボンブラックの平均粒径は、例えば透
過型電子顕微鏡(TEM)写真を撮影し、無作為に抽出
したカーボンブラックの粒径を1000個程度実測して
求めれば良い。
【0022】結合剤としては、種々のものが使用できる
が、充填材として用いるカーボンブラック等の分散性を
向上させるためには、共重合体Aと共重合体Bとを含む
ことが好ましい。また、さらに好ましくは、分散性や塗
膜の物理的特性等を向上させるためにゴム状弾性体であ
るポリウレタン樹脂を併用する。
【0023】共重合体Aとしては、平均重合度が300
〜600、特に400〜500の塩化ビニルとアルキル
カルボン酸ビニルエステルとビニルアルコールとの共重
合体を用いることが好ましい。
【0024】アルキルカルボン酸ビニルエステルとして
は原料価格等の関係から酢酸ビニルを用いることが好ま
しいが、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等
を用いることもできる。また、ビニルアルコールはアル
キルカルボン酸ビニルエステル部分のアルキルカルボン
酸基をケン化することで得られる。
【0025】共重合体Aを構成するそれぞれの単量体比
率は、塩化ビニルが77〜96.5重量%、アルキルカ
ルボン酸ビニルエステルが0.5〜8重量%、ビニルア
ルコール含有量が3〜10重量%程度であることが好ま
しい。アルキルカルボン酸ビニルエステル含有量が多す
ぎるとカーボンブラック等との親和性が低下しやすくな
り、分散性が悪化しやすくなる。また、少なすぎると樹
脂の溶解性が悪化しやすくなる。ビニルアルコール含有
量が多すぎると、ケン化率を高くしているため熱安定性
が低下し、保存特性が悪化しやすくなる。また、少なす
ぎると反応性水酸基の濃度が低下するためカーボンブラ
ックとの親和性が低下して分散性が悪化しやすく、さら
に架橋剤との結合量が減少するためバックコート層の強
度が低下する傾向をもつ。
【0026】このような共重合体Aを含むことで、特に
バックコート層の走行耐久性や熱、湿度等の安定性に係
る塗膜強度が向上し、バックコート削れ等が発生しにく
くなる。
【0027】平均重合度は、高すぎると共重合体Aの溶
解性、分散性等が悪化しやすくなり、一方低すぎるとバ
ックコート層の塗膜強度が低下する傾向をもつ。
【0028】共重合体Aは、結合剤としての樹脂の総計
に対して30〜60重量%、特に40〜50重量%含ま
れていることが好ましい。共重合体Aが多すぎるとRa
が悪化する傾向をもち、少なすぎると塗膜強度が低下し
てバックコート削れ等が発生しやすくなる。
【0029】さらに共重合体Aには5重量%程度以下の
範囲で他のモノマー成分、例えばアクリル酸またはメタ
クリル酸エステル、ヒドロキシアルキルアクリレートま
たはメタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、アクリロニトリル、スチレン、ビニルトルエン、エ
チレン、プロピレン、ブタジエン、アクリル酸、マレイ
ン酸、マレイン酸塩、無水マレイン酸およびジビニルベ
ンゼン等が含まれていてもよい。
【0030】共重合体Bとしては、平均重合度が250
〜800、特に300〜750、さらには300〜60
0で、塩化ビニルとアルキルカルボン酸ビニルエステル
とビニルアルコールとの共重合体であって、さらにアミ
ノ基を含む共重合体を用いることが好ましい。アミノ基
は、種々のものであってよいが、特に好ましくは炭素原
子数1〜10のアルキル基を有するジアルキルアミノ基
が好ましい。
【0031】共重合体Bはどのように製造されたもので
あってもよいが、通常はアミン変性を行って得られる。
アミン変性は通常、塩化ビニル・アルキルカルボン酸ビ
ニルエステルの共重合体をアルコール等の有機溶剤に分
散あるいは溶解させ、その中に後述するアミン化合物等
と、容易にケン化反応を進行させるためのエポキシ基含
有化合物とを加えてケン化反応を行なうことで得られ
る。
【0032】塩化ビニル・アルキルカルボン酸ビニルエ
ステル共重合体のアルキルカルボン酸ビニルエステルと
しては、原料価格等の関係から酢酸ビニルを用いること
が好ましいが、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビ
ニル等を用いることもできる。
【0033】アミン変性に用いられるアミン化合物等と
しては、脂肪族アミン、脂環状アミン、アルカノールア
ミン、アルコキシアルキルアミン等の第1級、第2級も
しくは第3級アミンがあり、具体的にはメチルアミン、
エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、シクロ
ヘキシルアミン、エタノールアミン、ナフチルアミン、
アニリン、o−トルイジン、ジエチルアミン、ジオクチ
ルアミン、ジイソブチルアミン、ジエタノールアミン、
メチルエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、
ジブチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミ
ン、2−メトキシエチルアミン、ジ−2−メトキシエチ
ルアミン、N−メチルアニリン、トリメチルアミン、ト
リエチルアミン、トリイソブチルアミン、トリデシルア
ミン、N−メチルブチルアミン、N−メチルフェニルア
ミン、ヘキサメチレンテトラミン、トリエタノールアミ
ン、ジメチルプロピルアミン、ピリジン、α−ピコリ
ン、β−ピコリン、γ−ピコリン、2,4−ルチジン、
キノリン、モルホリン、ジアミノプロパンおよびヘキサ
メチレンジアミン等が挙げられる。
【0034】さらに前記アミン化合物等と共存させて容
易にケン化反応を進行させるためのエポキシ基含有化合
物としては例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキ
サイド、イソブチレンオキサイド、n−ブチレンオキサ
イド、グリシジルn−ブチルエーテル、グリシジルアク
リレート、グリシジルメタクリレート、グリシジルフェ
ニルエーテル、エピクロルヒドリン、エポキシ樹脂等が
挙げられる。
【0035】共重合体Bを構成するそれぞれの単量体比
率は、塩化ビニルが72〜96.45重量%、アルキル
カルボン酸ビニルエステルが0.5〜8重量%、ビニル
アルコール含有量が3〜10重量%、さらに、アミノ基
を有するビニル単位が0.05〜5重量%であることが
好ましい。なお、共重合体Bには、アンモニウム塩基が
含まれていても良く、さらに5重量%程度以下の範囲で
他のモノマー成分、例えばアクリル酸またはメタクリル
酸エステル、ヒドロキシアルキルアクリレートまたはメ
タクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、ア
クリロニトリル、スチレン、ビニルトルエン、エチレ
ン、プロピレン、ブタジエン、アクリル酸、マレイン
酸、マレイン酸塩、無水マレイン酸およびジビニルベン
ゼン等が含まれていてもよい。
【0036】アルキルカルボン酸ビニルエステル含有量
が多すぎるとカーボンブラック等との親和性が低下する
ため分散性が悪化する傾向をもつ。また、少なすぎると
樹脂の溶解性が悪化する。ビニルアルコール含有量が多
すぎるとケン化率を高くしているため、熱安定性が低下
し、保存特性が悪化しやすくなる。また、少なすぎると
反応性水酸基の濃度が低下するためカーボンブラックと
の親和性が低下し、分散性が悪化しやすくなり、さらに
架橋剤との結合量が減少するためバックコート層の強度
が低下してくる。
【0037】アミノ基を有する共重合体を用いるとカー
ボンブラック等の分散性が向上する。さらに後述する架
橋剤として用いるポリイソシアネート等の硬化反応に際
し、反応性を増し、塗設膜の硬化を充分とし、機械的強
度を増すことができる。アミノ基を有するビニル単位が
少なすぎると、分散性向上等の効果が得られにくくな
り、多すぎるとポリイソシアネート等との反応が早くな
る傾向があり、表面加工性が悪くなりやすい。
【0038】平均重合度は、高すぎると共重合体の溶解
性、分散性等が悪化しやすく、一方、低すぎるとバック
コート層の塗膜強度が低下する傾向がある。
【0039】このような共重合体Bを含むことで、特に
結合剤とカーボンブラックや非磁性粉末等との親和性が
向上し、カーボンブラック等の分散性が高まり、さらに
バックコート層の熱や湿度等に対する安定性も向上す
る。
【0040】共重合体Bは、樹脂の総計に対して10〜
35重量%、特に15〜30重量%含まれていることが
好ましい。共重合体Bが多すぎると塗膜強度が低下しや
すく、少なすぎるとカーボンブラック等の分散性が低下
しやすく、Ra が悪化して電磁変換特性が低下しやすく
なる。
【0041】また、共重合体Aと共重合体Bとは、共重
合体A100重量部に対して、共重合体Bが15〜12
0重量部、特に30〜100重量部含有することが好ま
しい。この割合で含有することで、カーボンブラック等
のすぐれた分散性やすぐれた走行耐久性等の特性が得ら
れる。共重合体Aに対して共重合体Bが多すぎると塗膜
強度が低下する傾向をもち、一方少なすぎるとカーボン
ブラック等の分散性が悪化してくる。
【0042】ポリウレタン樹脂としては通常このような
磁気記録媒体に用いられるものはいずれも使用できる
が、カーボンブラック等の分散性をさらに向上させる点
からは極性基を有するものを用いることが好ましい。極
性基をもたないポリウレタンを用いるとカーボンブラッ
ク等の分散性が低下し、Ra 等で示される表面性が悪化
して磁性層に影響し、電磁変換特性を低下させる原因と
なる。
【0043】極性基としては、イオウを含有するスルホ
ン酸基、硫酸基またはそれらのエステルもしくは塩、リ
ンを含有するホスホン酸基、ホスフィン酸基、リン酸基
またはそれらのエステルもしくは塩、あるいはカルボン
酸基等を一種以上含むものが好ましく、特に好ましいの
はスルホン酸基(−SO3 Y)、カルボン酸基(−CO
OY)、ホスホン酸基(−PO3 Y)等である。ただし
YはH、アルカリ金属のいずれであってもよい。これら
の極性基はポリマー1分子あたり0.1〜5分子程度含
まれていることが好ましい。
【0044】ポリウレタン樹脂の含有量は樹脂の総計に
対して20〜60重量%が好ましい。含有量が多すぎる
と塗膜強度が低下しやすく、走行耐久性が悪化する傾向
をもつ。一方少なすぎるとバックコート塗膜が硬くても
ろくなりやすく、バックコート削れ等の原因になりやす
い。
【0045】結合剤を硬化する架橋剤としては、各種ポ
リイソシアナート、特にジイソシアナート等を用いるこ
とが好ましい。特に、トリレンジイソシアナート、ヘキ
サメチレンジイソシアナート、メチレンジイソシアナー
トの1種以上が好ましい。このような架橋剤を用いるこ
とで、前記共重合体の窒素原子、水酸基、活性水素基等
と反応し、またポリウレタンやポリエステルの活性水素
基等と架橋反応してバックコート層の硬化および強化が
行われる。架橋剤の含有量は樹脂100重量部に対し
て、10〜30重量部とすることが好ましい。
【0046】バックコート層に用いられるこれらの結合
剤の含有量は、好ましくは前記カーボンブラック100
重量部に対して50〜200重量部、特に100〜17
0重量部、さらには120〜150重量部であることが
好ましい。結合剤の含有量が多すぎると、用いるカセッ
トハーフのテープパッドやガイド等との摩擦が増大して
くるため、走行事故を引き起こしやすくなる。また、磁
性層とのブロッキング等の問題が発生する。一方少なす
ぎると、バックコート層の強度が低下する傾向があり、
走行耐久性が悪化しやすくなる。そして、この結合剤の
40〜80重量%を共重合体A、Bが占めることが好ま
しい。
【0047】このような結合剤とカーボンブラックとを
用いることで、バックコート層のRa およびRmax が、 Ra ≦20nm でありかつ、 50nm≦Rmax −Ra ≦350nm となる。これにより、バックコート削れ等による事故の
ないすぐれた走行耐久性を持つ磁気記録媒体を得ること
ができる。
【0048】Ra が前記範囲より大きすぎると表面平滑
性が悪く、磁性層の電磁変換特性上好ましくない。ま
た、Rmax −Ra が前記範囲より大きすぎると表面平滑
性が悪く、磁性層の表面平滑性が悪化して電磁変換特性
が低下する。一方、前記範囲より小さすぎる場合には、
(1) Rmax と比較してRa が大きくなりすぎる場合と、
(2) Rmax が小さくなりすぎる場合とがある。
【0049】(1) Rmax と比較してRa が大きくなりす
ぎる場合:Ra ≦20nmを満足せず、表面平滑性が悪く
なり、磁性層の電磁変換特性上好ましくない。
【0050】(2) Rmax が小さくなりすぎる場合:摩擦
係数μが高くなりすぎ、走行事故が起きやすくなる。
【0051】このようなRa とRmax との関係を満足す
ることで、電磁変換特性がすぐれ、かつ摩擦係数μが低
く走行事故のない磁気記録媒体が実現する。
【0052】バックコート層には、さらに機械的強度を
高めるためにSiO2 、TiO2 、Al23 、α−F
23 、Cr23 、SiC、CaO等の無機微粒子
が含まれていることが好ましい。含有量はカーボンブラ
ック100重量部に対して0.1〜5重量部、さらに好
ましくは0.5〜2重量部、平均粒径は0.1〜0.5
μm 程度であることが好ましい。このような無機微粒子
が少なすぎるとバックコート層の機械的強度が低下する
傾向をもち、多すぎるとテープ摺接経路のガイド等の摩
耗量が多くなりやすい。
【0053】また、通常このようなバックコート層に添
加される高級脂肪酸、脂肪酸エステル類、シリコーンオ
イル類等の潤滑剤、界面活性剤等の分散剤、その他の各
種添加剤は必要に応じていずれも使用することができ
る。
【0054】このような組成を含む塗布塗料を調製し、
非磁性支持体に塗布するが、このとき用いる溶剤に特に
制限はなく、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケ
トン、シクロヘキサノン等のケトン系、トルエン等の芳
香族系等の各種溶剤の1種または2種以上を目的に応じ
て選択すれば良い。塗料中の溶剤の含有量に特に制限は
ない。
【0055】また、用いる非磁性支持体に特に制限はな
く、目的に応じて各種可撓性材質、各種剛性材質から選
択した材料を、各種規格に応じてテープ状などの所定形
状および寸法とすればよい。例えば、可撓性材質として
は、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルなど
が挙げられる。
【0056】バックコート層塗設に際し、公知の方法で
塗料を塗設・乾燥の後、通常は表面平滑処理を行い、硬
化を行えばよい。バックコート層の乾燥後の層厚は0.
2〜2.0μm 程度とすることが好ましい。
【0057】得られたバックコート層の摩擦係数μは
0.25以下が好ましく、通常は0.12〜0.20程
度である。摩擦係数μが大きすぎると走行安定性が悪化
し、ガイド等に付着する等の事故が発生しやすくなる。
【0058】本発明の磁気記録媒体の磁性層には特に制
限はなく、強磁性粉末として、例えばγ−Fe23
Co含有γ−Fe23 、Fe34 、Co含有Fe3
4、CrO2 等の酸化物微粉末や、Fe、Co、Ni
あるいはこれらの合金微粉末等を用いる公知の各種塗布
型の磁性層、あるいは真空蒸着、スパッタリング等によ
り形成される連続薄膜型の磁性層をいずれも用いること
ができる。なお、磁性層は、非磁性支持体のバックコー
ト層の反対面側に形成するが、磁性層として塗布型磁性
層を用いる場合は、磁性層とバックコート層とを非磁性
支持体に形成する際、どちらの層を先に形成してもよ
く、連続薄膜型の磁性層を用いる場合は、通常磁性層を
形成後にバックコート層を形成する。
【0059】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を比較例ととも
に説明する。
【0060】実施例1 次のような組成のバックコート層と磁性層とを具えた磁
気記録媒体を作成した。なお、組成の数値は重量部で表
わした。
【0061】 バックコート層組成 共重合体A 40 (塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体:モノ マー重量比92:3:5、平均重合度:420) 共重合体B 25 (塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体:モノ マー重量比91:2:7、窒素原子:390ppm 含有、平均重合度:340) ポリウレタン樹脂 35 (数平均分子量:Mn=40000 、極性基として−SO3 Na含有) 小粒径カーボンブラック(平均粒径:21nm 、BET値:220 m2/g ) 80 大粒径カーボンブラック(平均粒径:350nm、BET値:8 m2/g ) 1 α−Fe23 (平均粒径:0.1μm ) 1 ステアリン酸 1 ミリスチン酸 1 ステアリン酸ブチル 2 メチルエチルケトン 700 トルエン 400 シクロヘキサノン 300
【0062】上記組成物を試料番号2とし、共重合体A
および共重合体Bの含有量および平均重合度を、表1お
よび表2に示されるように変化させた試料番号1〜18
を作製した。
【0063】試料番号1〜18のそれぞれの組成物をボ
ールミルに投入し、24時間攪拌分散させ、分散後さら
にポリイソシアネートを15重量部添加して攪拌混合さ
せた後、試料番号1〜18のバックコート層用塗料とし
た。なお、前記カーボンブラックはコロンビアンカーボ
ン社製、ポリイソシアネートは日本ポリウレタン工業社
製コロネートL(75%の固形分を含むイソシアネート
含有物)を用いた。
【0064】上記組成のバックコート層用塗料を用い、
14.5μm 厚のポリエステル製非磁性支持体上に塗布
し、さらに乾燥、カレンダ加工等を行い、0.5μm 厚
のバックコート層を形成した。
【0065】磁性層組成 Co含有γ−Fe23 (BET値:45 m2/g Hc:860 Oe ) 100 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体 10 (モノマー重量比92:2:6) ポリウレタン樹脂(数平均分子量:Mn=40000 ) 6 α−Al23 (平均粒径: 約0.2 μm ) 8 ステアリン酸 0.5 ミリスチン酸 0.5 ステアリン酸ブチル 0.5 メチルエチルケトン 200 シクロヘキサノン 100
【0066】上記組成物をボールミルに投入し、24時
間攪拌分散させ、分散後さらにポリイソシアネートを3
重量部添加して攪拌・混合させた後、磁性塗料とした。
得られた磁性塗料を用い、試料番号1〜18のバックコ
ート層を塗設済みの非磁性支持体上に塗布し、さらに配
向、乾燥、カレンダ、キュア等を行い、3.0μm 厚の
磁性層を形成し、試料番号1〜18の磁気記録媒体を得
た。
【0067】得られたそれぞれの磁気記録媒体につい
て、以下に示す方法でバックコート削れおよび電磁変換
特性(Y−S/NおよびC−S/N)を評価した。評価
には日本ビクター社製BR−S711(S−VHSフォ
ーマットVTR)を用いた。
【0068】<バックコート削れ>低温(0℃)、常温
常湿(20℃、60%RH)、高温高湿(40℃、80
%RH)環境下にてVTR100回往復走行を行った
後、バックコート層面の削れ、傷の状態を目視および光
学顕微鏡にて観察し、傷が発生したものをNGとした。
1環境下、各試料について36巻のテープを準備し、前
記条件で走行の後、NG発生巻数を集計して下記基準に
て評価した。
【0069】◎:NG発生巻数=0巻 ○:NG発生巻数=1〜2巻 △:NG発生巻数=3〜5巻 ×:NG発生巻数=6巻以上
【0070】<電磁変換特性>Y−S/N シバソク製ノイズメーターモデル925D(925C)
を用いて下記の条件で測定し、再生時に得られる輝度信
号とノイズレベルとを比較し、dB表示する。
【0071】信号:50%レベルビデオ信号 ハイパスフィルター(HPF):1kHz ローパスフィルター(LPF):4.2MHz (4MHz ) 視感補正:なし
【0072】C−S/N シバソク製ノイズメーターモデル925D(925C)
を用いて下記の条件で測定し、再生時に得られるカラー
信号とノイズレベルとを比較し、dB表示する。
【0073】信号:50%レベルビデオ信号に0.72
Vp-p(75Ωで)の3.58MHz 信号を重畳した信号。 ハイパスフィルター(HPF):10kHz ローパスフィルター(LPF):500kHz 測定するノイズ成分:AM成分
【0074】Y−C/N保存劣化(dB) テープサンプルを50℃80%RH環境下に5日間保存
後、さらに20℃60%RH環境下に24時間放置し、
その後、日本ビクター社製BR−S711(S−VHS
フォーマットVTR)を用いて、7MHz の信号を記録
し、この信号を再生したときの6MHz で発生するノイズ
をスペクトルアナライザーで測定し、このノイズに対す
る再生信号の比を測定した。保存前の各テープサンプル
を0dBとした時の相対値で示した。
【0075】得られた上記諸特性の結果を、用いた共重
合体Aおよび共重合体Bの配合量および平均重合度とと
もに表1および表2にまとめて示す。
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
【0078】試料番号1〜18の磁気記録媒体はいずれ
も走行安定性に問題は生じなかったが、表1より明らか
なように、共重合体Aを含まない試料番号14や、共重
合体A、Bの重合度が小さすぎる試料番号4、10で
は、走行耐久性が悪くバックコート削れが発生した。ま
た、共重合体Bを含まない試料番号15や、共重合体
A、Bの重合度が大きすぎる試料番号5、11では、Y
−S/NおよびC−S/N等の電磁変換特性に0.5dB
またはそれ以上の悪化が認められた他、Y−C/Nの保
存劣化が大きくなり、実用上不適当なものとなった。な
お、試料番号1〜3、6〜9、12、13、16〜18
はともにRa ≦20nm、Rmax −Ra は50〜350nm
であった。
【0079】実施例2 実施例1の試料番号2の組成のうち大粒径カーボンブラ
ックの含有量と中心粒径とを表3に示されるように変化
させ、実施例1と同様にして試料番号19〜23の磁気
記録媒体を作製した。
【0080】得られた試料番号19〜23および2、1
8のそれぞれの磁気記録媒体について、以下の方法で表
面粗さ(Ra 、Rmax )、摩擦係数μ、バックコート塗
料出筒光沢およびRF出力を測定し、さらに20℃、6
0%RH環境下における走行トラブルを評価した。
【0081】<表面粗さ>テーラー・ホブソン社製の触
針型表面形状測定器、TALYSTEPシステムを使用
し、JIS B−0601に記載されている方法により
測定値を得る。測定条件は、 フィルター条件:0.18〜9Hz 針圧:2mg 使用針:0.1×2.5μm 特殊スタイラス スキャンスピード:0.03mm/sec スキャン長さ:500μm とする。得られた結果より、Rmax およびRa を求め
た。
【0082】<摩擦係数μ>島田技研(株)製テープ摩
擦試験器を用いる。テープのバックコート層側が3mm径
のステンレス製のピンに接するように180°巻き、テ
ープに一定のバックテンションを負荷し、走行スピード
を1.1cm/secとして任意の一定部分約50mmを往復走
行させる。このテープの初期および200往復走行後の
摩擦係数μを測定し、初期摩擦係数および耐久摩擦係数
とした。
【0083】<バックコート出筒光沢>(株)村上色彩
技術研究所製ディジタル光沢計GM−3Dを用いる。光
学条件は、JIS−Z−8741記載の方法とし、測定
角度=60°における光沢度を測定した。
【0084】<走行トラブル>20℃60%RH環境下
にてVTR100回往復走行を36巻のテープサンプル
について行い、走行ストップ等の走行トラブルが1巻以
上発生したものをNG、全く発生しなかったものをOK
とした。
【0085】<RF出力>7MHz のRF信号を基準記録
電流(基準テープの最適記録電流)で記録したとき得ら
れる再生出力レベルを基準テープのそれと比較し、dB表
示する。
【0086】(輝度信号の測定:RF 7MHz-出力)各サン
プルに基準記録電流で7MHz のサイン波を記録し、その
再生出力をスペクトラムアナライザーで読み取った。
【0087】(色信号の測定:RF 629kHz-出力)輝度信
号測定の際の7MHz の記録電流に重畳して、629kHz
の信号を記録電流を変化させながら記録し、再生時にス
プリアスノイズ(Y−2Cノイズ)が−22dBとなる記
録電流を求め、最適記録電流とした。7MHz の信号に、
このようにして求めた最適記録電流にて629kHz の信
号を重畳記録し、再生出力のうち629kHz の成分を色
信号出力とした。
【0088】<高温高湿保存後DO>テープサンプルを
50℃80%RH環境下に5日間保存後、さらに20℃
60%RH環境下に24時間放置した後、ドロップアウ
トを測定した。この測定に際しては、16dB以上の出力
減少が15μs 以上続いた場合をドロップアウトと判定
した。測定は10分間行い、表3には1分間当りのドロ
ップアウトを示した。測定には、日本ビクター社製BR
−S711(S−VHSフォーマットVTR)を用い
た。
【0089】得られた上記測定値等の結果を、用いた大
粒径カーボンブラックの含有量および平均粒径とともに
表3にまとめて示す。
【0090】
【表3】
【0091】表3から明らかなように、大粒径カーボン
ブラックを含有しない試料番号21では、Rmax が低す
ぎるためRmax −Ra が低下し、摩擦係数μが悪化して
走行安定性が悪化し、走行トラブルが増大し、さらにバ
ックコート削れも認められた。また、大粒径カーボンブ
ラックの含有量が好ましい範囲より多い試料番号22と
比較して、好ましい範囲に属する試料番号2、18〜2
0では、バックコート削れが減少するとともに、Ra
良好な値となり、バックコート出筒光沢およびRF出力
が向上し、高温高湿保存後のドロップアウトが減少す
る。また、これら試料番号2、18〜20は、平均粒径
が好ましい範囲より大きい大粒径カーボンブラックを用
いた試料番号23と比較して、Ra 、Rmax −Ra 等が
良好な値となり、バックコート層の表面性が改善され、
RF出力が増大し、さらにバックコート削れも減少し、
高温高湿保存後のドロップアウトが減少する。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08F 216/06 C08F 216/06 (56)参考文献 特開 平3−224125(JP,A) 特開 平4−1914(JP,A) 特開 昭61−133014(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/735

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体の一方の面上に磁性層を有
    し、他方の面上にバックコート層を有し、 前記バックコート層は、平均粒径が異なる2種のカーボ
    ンブラックと、結合剤とを含み、 前記結合剤は、塩化ビニル、アルキルカルボン酸ビニル
    エステルおよびビニルアルコールの共重合体であって、
    平均重合度が300〜600の共重合体Aと、 塩化ビニル、アルキルカルボン酸ビニルエステルおよび
    ビニルアルコールの共重合体であって、アミノ基を含
    み、平均重合度が250〜800の共重合体Bとを含む
    磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記共重合体Bが、前記共重合体A10
    0重量部に対して15〜120重量部含まれる請求項1
    の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記カーボンブラックが、平均粒径が1
    5〜30nmの小粒径カーボンブラックと、200〜40
    0nmの大粒径カーボンブラックとを含む請求項1または
    2の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記大粒径カーボンブラックが、小粒径
    カーボンブラック100重量部に対して0.5〜5重量
    部含まれる請求項3の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記バックコート層の表面粗さRmax
    よびRa が、 Ra ≦20nmかつ 350nm≧Rmax −Ra ≧50nm である請求項1〜4のいずれかの磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 前記結合剤はさらに極性基を有するポリ
    ウレタンを含有する請求項1〜5のいずれかの磁気記録
    媒体。
  7. 【請求項7】 非磁性支持体の一方の面上に磁性層を有
    し、他方の面上にバックコート層を有し、前記バックコ
    ート層の表面粗さRmax およびRa が、 Ra ≦20nmかつ 350nm≧Rmax −Ra ≧50nm である磁気記録媒体。
JP10601794A 1993-05-14 1994-04-21 磁気記録媒体 Expired - Lifetime JP3405812B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10601794A JP3405812B2 (ja) 1993-05-14 1994-04-21 磁気記録媒体
EP94914564A EP0651379B1 (en) 1993-05-14 1994-04-27 Magnetic recording medium
PCT/JP1994/000711 WO1994027290A1 (en) 1993-05-14 1994-04-27 Magnetic recording medium
DE69427011T DE69427011T2 (de) 1993-05-14 1994-04-27 Magnetisches aufzeichnungsmedium
US08/240,475 US5616398A (en) 1993-05-14 1994-05-10 Magnetic recording medium

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13668793 1993-05-14
JP5-136687 1993-05-14
JP10601794A JP3405812B2 (ja) 1993-05-14 1994-04-21 磁気記録媒体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0729150A JPH0729150A (ja) 1995-01-31
JP3405812B2 true JP3405812B2 (ja) 2003-05-12

Family

ID=26446219

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10601794A Expired - Lifetime JP3405812B2 (ja) 1993-05-14 1994-04-21 磁気記録媒体

Country Status (5)

Country Link
US (1) US5616398A (ja)
EP (1) EP0651379B1 (ja)
JP (1) JP3405812B2 (ja)
DE (1) DE69427011T2 (ja)
WO (1) WO1994027290A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3385499B2 (ja) * 1996-02-15 2003-03-10 ティーディーケイ株式会社 磁気記録媒体
FR2756276B1 (fr) * 1996-11-26 1998-12-24 Saint Gobain Vitrage Substrat a proprietes hydrophiles ou hydrophobes ameliorees, comportant des irregularites
DE69801700T2 (de) * 1997-03-31 2002-07-11 Tdk Corp Magnetisches Aufzeichnungsmedium
WO2000071339A1 (fr) * 1999-05-25 2000-11-30 Teijin Limited Film polyester multicouche a orientation biaxiale
US6887559B1 (en) * 1999-10-01 2005-05-03 Cabot Corporation Recording medium

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6037656B2 (ja) * 1977-07-19 1985-08-27 松下電器産業株式会社 Δ−変調デ−タ圧伸方式
JPS5753825A (en) * 1980-08-18 1982-03-31 Fuji Photo Film Co Ltd Magnetic recording medium
JPS5914127A (ja) * 1982-07-15 1984-01-25 Hitachi Maxell Ltd 磁気記録媒体
JPS6038725A (ja) 1983-08-09 1985-02-28 Fuji Photo Film Co Ltd 磁気記録媒体
JPS6045937A (ja) * 1983-08-22 1985-03-12 Tdk Corp 磁気記録媒体
JPS6045938A (ja) * 1983-08-23 1985-03-12 Tdk Corp 磁気記録媒体
JPS6079522A (ja) * 1983-10-04 1985-05-07 Sony Corp 磁気記録媒体
JPS60136913A (ja) * 1983-12-26 1985-07-20 Konishiroku Photo Ind Co Ltd 磁気記録媒体
JPH0650563B2 (ja) * 1984-07-24 1994-06-29 ティーディーケイ株式会社 磁気記録媒体
JPH02260223A (ja) * 1989-03-31 1990-10-23 Toshiba Corp 磁気記録媒体
JP2835747B2 (ja) * 1989-09-14 1998-12-14 コニカ株式会社 磁気記録媒体
JPH0731842B2 (ja) * 1990-07-20 1995-04-10 橋本コーポレイション株式会社 反復再生機能付ビデオテープレコーダ
JPH0481261A (ja) * 1990-07-20 1992-03-13 Mitsubishi Motors Corp シリンダブロックの筒穴鋳巣検査方法
JPH0481256A (ja) * 1990-07-23 1992-03-13 Nissan Motor Co Ltd ダイカスト鋳造装置
JP3014009B2 (ja) * 1991-01-11 2000-02-28 ミネソタ マイニング アンド マニュファクチャリング カンパニー 磁気記録媒体

Also Published As

Publication number Publication date
EP0651379B1 (en) 2001-04-04
US5616398A (en) 1997-04-01
WO1994027290A1 (en) 1994-11-24
DE69427011T2 (de) 2001-11-15
DE69427011D1 (de) 2001-05-10
JPH0729150A (ja) 1995-01-31
EP0651379A1 (en) 1995-05-03
EP0651379A4 (en) 1995-11-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3405812B2 (ja) 磁気記録媒体
US4880692A (en) Magnetic recording medium
US4687705A (en) Magnetic recording medium
US4880693A (en) Magnetic recording medium
JPS62134820A (ja) 磁気記録媒体
JP2705123B2 (ja) 磁気記録媒体
US20040253482A1 (en) Dual-layer magnetic medium with nonhalogenated binder system
US6214448B1 (en) Magnetic recording medium
JP2005141882A (ja) 磁気記録媒体
JP3385499B2 (ja) 磁気記録媒体
JPH01109519A (ja) 磁気記録媒体
JP2576529B2 (ja) 磁気記録媒体
JP2888488B2 (ja) 磁気記録媒体
JPS62134821A (ja) 磁気記録媒体
JPS62140232A (ja) 磁気記録媒体
JPH09180171A (ja) 磁気記録媒体
JPS62140236A (ja) 磁気記録媒体
JPS62132227A (ja) 磁気記録媒体
JPS62140230A (ja) 磁気記録媒体
JPH0540930A (ja) 磁気記録媒体およびその製造方法
JPS62140228A (ja) 磁気記録媒体
JPS6226634A (ja) 磁気記録媒体
JPS62132228A (ja) 磁気記録媒体
JPS62140233A (ja) 磁気記録媒体
JPS62140235A (ja) 磁気記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20030212

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090307

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100307

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110307

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120307

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120307

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130307

Year of fee payment: 10