JPH0366900B2

JPH0366900B2 -

Info

Publication number: JPH0366900B2
Application number: JP59258952A
Authority: JP
Inventors: Noboru Kanematsu
Original assignee: EMU ANDO DEII KK
Current assignee: EMU ANDO DEII KK
Priority date: 1984-12-07
Filing date: 1984-12-07
Publication date: 1991-10-21
Also published as: JPS61135667A

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明では、各種悪臭を脱臭あるいは消臭する
のに有用である消臭剤または当該消臭剤を包含し
た消臭材に関する。

（従来の技術）従来、種々の悪臭源、例えばトイレ、冷蔵庫、
自動車の車内、靴、ヘルメツト等で生じる悪臭を
消臭あるいは脱臭するために種々の消臭剤あるい
は脱臭剤が使用され、その代表例としては活性炭
等の多孔性で活性は剤料を使用する吸着型の消臭
剤や、アルカリ剤や酸剤の如き中和型の消臭剤、
更には微生物の分解作用を利用する生物消臭剤等
が使用されている。

（発明が解決しようとする問題点）しかしながら、上記の如き従来の消臭剤は、消
臭効果が低く、その長期有効性に欠けるという問
題とともに、誤つて食品等に混入したり、あるい
は人体に直接触れたりすると有害作用を示す等の
問題がある。また代表的な消臭剤である活性炭の
場合には、上記の如き一般的な問題とともに少量
の使用量では各種悪臭成分によつて短時間で飽和
されてしまい、そのため相当量の容量とせねばな
らず、例えば冷蔵庫や自動車の車内等で使用する
場合には場所を取りすぎるという問題もある。

本発明者は、上述のごとき従来技術の欠点を解
決すべく消臭剤について鋭意研究を行なつた結
果、ある特定の天然物のエキスが従来知られてい
ない優れた消臭効果を示すことを見出し、本発明
を完成した。

（問題点を解決するための手段）すなわち、本発明は、多価アルコールによるウ
ーロン茶抽出液を主成分とする消臭剤および当該
消臭剤を吸収性基材に包含せしめた消臭材を提供
するものである。

（作用・効果）以上の如くして得られた本発明の消臭剤あるい
は消臭材は、その消臭あるいは脱臭の理論は必ず
しも明らかではないが、従来の活性炭を使用した
消臭材に比して、著しく小容積で非常に優れた消
臭、脱臭効果を示し、且つその有効持続時間は従
来のものの数倍に改良されているので、例えば冷
蔵庫、自動車、トイレ等の消臭剤として好適であ
り、また第２の発明の場合は、適当なサイズにす
ると靴の中敷あるいはヘルメツト内の消臭剤等と
しても非常に有用である。また臭気の強い食品等
の包装材としても有用である。

このように非常に優れた消臭、脱臭効果は、本
発明者の推測によれば、半醗酵茶であるウーロン
茶に含まれているビタミンＣその他の有効成分に
よるものと考えられている。特に茶を半醗酵する
ことによりこの有効成分が増加するものである。

（実施例）次に、実施例をあげて本発明を説明する。

本発明の第１の発明および第２の発明で使用す
るウーロン茶抽出液は、従来良く知られているウ
ーロン茶、好ましくはそれらの茶屑を、例えば、
エチレングリコール、グリセリン、プロピレング
リコール、ポリプロピレングリコール等の多価ア
ルコールもしくはこれらと水との混合溶媒によ
り、約50〜100℃あるいはそれ以上の温度で抽出
処理して得られるものであつて、本発明において
はこれらの抽出液をそのまま使用することができ
る。またこれらの抽出液の固形分濃度はいかなる
濃度でも良いが、あまり薄いと有効性が低く、ま
たあまりにも濃厚すぎるとその使用が困難となる
ので、一般的にはブリツクス濃度が約30〜40％程
度の濃厚液として使用するのが好適である。

本発明の第１の発明では、上記のウーロン茶の
抽出液からなる消臭剤であり、この消臭剤は、こ
のような液状で、各種の悪臭源あるいはその近く
に塗布することにより後述のごとき効果を奏す
る。

本発明の第２の発明において使用する吸収性基
材は、上記の第１の発明のウーロン茶の抽出液で
ある濃厚液を吸収して保持できるものであれば、
いかなるものでもよく、例えば、織布、不織布、
フエルト等の如き吸収性の大なる繊維質シート状
材料、ポリウレタンやゴムのスポンジ、セルロー
ス繊維からなる各種の厚手の紙、瀘紙等のシート
状材料、その他吸収性の大なる木材等からなる板
状材料等が好適であり、それらのシート状材料あ
るいは板状材料等の形状は任意でよく、例えば製
造時には大面積のものを使用して、使用時にはそ
の用途に従つて適当なサイズに裁断して使用する
のが好ましい。また厚さも特に制限ないが、一般
的には約１〜20mm程度が好ましい。

本発明の上記した第２の発明の消臭材は、上記
のごとき吸収性のシート状または板状基材に、前
記のウーロン茶の抽出液を吸収させることによつ
て得ることができるものであり、その吸収させる
方法としては、例えば浸漬方法、スプレー法、コ
ーテイング方法等の任意の方法でよく、また吸収
量も任意の量でよいが、あまりに少ないと高い消
臭効果が達成できず、また、あまりに高い吸収量
では吸収性基材自体がベタ着いたりするので、好
ましい吸収量は、その吸収性基材の厚さにもよる
が１〜５ｇ／m²の割合である。

以上の如くして得られた本発明の第２の発明の
消臭材は、乾燥せずにそのまま使用してもよい
し、また吸収されたウーロン茶の抽出液の液体成
分を蒸発させ、乾燥した状態のいずれでも有効で
あるが、どちらかといえば未乾燥のものが即効性
である。

以下より具体的に説明する。

実施例１ウーロン茶の粉末（茶屑）200ｇに、グリセリ
ンまたはポリプロピレングリコール400ｇ、エチ
ルアルコール600ｇ、水250ｇおよび酸化防止剤
（ルチン）0.5ｇを加え、70℃の温度で１時間抽出
処理を行い、次いでこれを濾過（濾材；ゼオライ
ト）して、ブリツクス70の濃厚抽出液である本発
明の消臭剤を得た。この消臭剤を冷蔵庫の内壁
に、約１〜５ｇ／m²の割合で塗布し、乾燥させた
ところ、下記の実施例２の消臭材と同様な優れた
消臭効果を示した。また、この抽出液を厚さ２mm
の微細多孔質のポリウレタンシートに２〜５ｇ／
m²の割合で噴霧して吸収させ、本発明の第２の発
明の消臭材を得た。

この本発明の消臭材を、10cm×30cmのサイズに
裁断して冷蔵庫の庫内の両側面に貼りつけておい
たところ、庫内の場所をとらず、活性炭による消
臭材に比して著しく優れた消臭効果を示し、且つ
この優れた消臭効果は約２年間継続した。

実施例２実施例１の濃厚抽出液を、パルプ製の厚手の紙
に吸収させて、本発明の消臭材を得た。これを魚
類やその他の食品の包装に使用したところ、優れ
た消臭効果を示した。

Claims

【特許請求の範囲】１多価アルコールによるウーロン茶抽出液を主
成分とする消臭剤。２多価アルコールがエチレングリコール、グリ
セリン、プロピレングリコールおよびポリプロピ
レングリコールからなる群より選ばれたものであ
る特許請求の範囲第１項記載の消臭剤。３多価アルコールによるウーロン茶抽出液を主
成分とする消臭剤を吸収性基材に包含してなる消
臭材。