JPH0359978B2 - - Google Patents
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- JPH0359978B2 JPH0359978B2 JP57061614A JP6161482A JPH0359978B2 JP H0359978 B2 JPH0359978 B2 JP H0359978B2 JP 57061614 A JP57061614 A JP 57061614A JP 6161482 A JP6161482 A JP 6161482A JP H0359978 B2 JPH0359978 B2 JP H0359978B2
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Landscapes
- Soft Magnetic Materials (AREA)
Description
産業上の利用分野
本発明は非結晶質磁性合金にかかり、特に金属
−金属系であつて、耐摩耗性に優れ、飽和磁化の
大きな非晶質磁性合金を提供しようとするもので
ある。 近年、非晶質合金に関する研究が盛んになり、
特に遷移金属Coを主成分とするものは、磁歪が
小さく、結晶磁気異方性がないため、優れた軟磁
気特性を有し、その応用が注目を集めている。 従来の非晶質合金はFe,Coなどの遷移金属と
半金属B,Si,P,Cよりなるものであつたが、
最近この半金属のかわりにZr,Ta,Tiなどの金
属を用いたものも非晶質化することが知られるよ
うになつて来た。 特にCo−Nbを主成分とする非晶質合金は、磁
歪の調節が容易なため高飽和磁束密度Bsを有す
る磁歪零組成が得られ、かつ耐摩耗耐蝕性に優れ
ている(特願昭55−164978号)。また、Co−Zrを
主成分とするものは、磁歪を零にする調節はMo
とかCrを大量に添加するため、Bsを低下させて
いるが、結晶化温度が高いという長所を有してい
ることが知られている。 しかしながら、こらの非晶質合金を用いて、た
とえばVTR用磁気ヘツド等を作製しようとする
場合上述の金属−金属系非晶質材料でも磁気テー
プ摺動による耐摩耗性にまだ問題がある。すなわ
ち、これら金属−金属系非晶質材料は、金属−半
金属非晶質材料や従来のセンダスト材よりも耐摩
耗性において優れているが、現用VTR用磁気ヘ
ツド材のフエライトよりも耐摩耗特性が劣る。た
だ、磁気ヘツドの構成を工夫して耐摩耗特性の優
れたセラミツクもしくはフエライトなどで非晶質
合金をはさむサンドイツチ構造をとれば、実用上
の問題はほぼ解決されることが判明したものの
(特願昭56−188672号、同56−21283号)、材料的
にはフエライトとと同等の耐摩耗性を有する軟磁
性材料はまだ得られていなかつた。 本発明はこれらの金属−金属系非晶質合金材の
耐摩耗特性をさらに改善し、フエライトと同等の
耐摩耗性と、フエライトを上回る飽和磁化Bsを
有する非晶質磁性合金を提供することを目的とす
るものである。 発明者らは、実験の結果、上述の金属−金属系
非晶質合金にRuおよびReを添加含有させたと
き、はじめてフエライトと同等の耐摩耗性が得ら
れることを発見した。望ましい組成は基本的には
次式で示されるものである。 CoaTbT′p ……(1) ただし Tは、NbおよびTaのうちの1種、もしくは
Nb,Ta,Zrのうちの2種以上の組合せ。 T′は、RuおよびReのうちのいずれか一方また
は両方。 75≦a<94 6≦b≦20 0.1=≦c≦5 a+b+c=100 で、元素TのZrは4原子%以下である。 このうちa<94,かつ6≦bは非晶質化するの
に必要な条件である。 またZrが4原子%以下であることは、後述す
るように磁歪を小さくして磁気ヘツドの摺動ノイ
ズを抑える為に必要であり、同時に良好な耐蝕性
を得るのに必要な条件であつて、第1表に示した
非晶質合金の耐蝕性試験の一例より明かである。
耐蝕試験は厚さ5μmの非晶質合金膜を蒸留水中に
24時間浸漬して、その変色具合により耐蝕性の評
価を行なつている。
−金属系であつて、耐摩耗性に優れ、飽和磁化の
大きな非晶質磁性合金を提供しようとするもので
ある。 近年、非晶質合金に関する研究が盛んになり、
特に遷移金属Coを主成分とするものは、磁歪が
小さく、結晶磁気異方性がないため、優れた軟磁
気特性を有し、その応用が注目を集めている。 従来の非晶質合金はFe,Coなどの遷移金属と
半金属B,Si,P,Cよりなるものであつたが、
最近この半金属のかわりにZr,Ta,Tiなどの金
属を用いたものも非晶質化することが知られるよ
うになつて来た。 特にCo−Nbを主成分とする非晶質合金は、磁
歪の調節が容易なため高飽和磁束密度Bsを有す
る磁歪零組成が得られ、かつ耐摩耗耐蝕性に優れ
ている(特願昭55−164978号)。また、Co−Zrを
主成分とするものは、磁歪を零にする調節はMo
とかCrを大量に添加するため、Bsを低下させて
いるが、結晶化温度が高いという長所を有してい
ることが知られている。 しかしながら、こらの非晶質合金を用いて、た
とえばVTR用磁気ヘツド等を作製しようとする
場合上述の金属−金属系非晶質材料でも磁気テー
プ摺動による耐摩耗性にまだ問題がある。すなわ
ち、これら金属−金属系非晶質材料は、金属−半
金属非晶質材料や従来のセンダスト材よりも耐摩
耗性において優れているが、現用VTR用磁気ヘ
ツド材のフエライトよりも耐摩耗特性が劣る。た
だ、磁気ヘツドの構成を工夫して耐摩耗特性の優
れたセラミツクもしくはフエライトなどで非晶質
合金をはさむサンドイツチ構造をとれば、実用上
の問題はほぼ解決されることが判明したものの
(特願昭56−188672号、同56−21283号)、材料的
にはフエライトとと同等の耐摩耗性を有する軟磁
性材料はまだ得られていなかつた。 本発明はこれらの金属−金属系非晶質合金材の
耐摩耗特性をさらに改善し、フエライトと同等の
耐摩耗性と、フエライトを上回る飽和磁化Bsを
有する非晶質磁性合金を提供することを目的とす
るものである。 発明者らは、実験の結果、上述の金属−金属系
非晶質合金にRuおよびReを添加含有させたと
き、はじめてフエライトと同等の耐摩耗性が得ら
れることを発見した。望ましい組成は基本的には
次式で示されるものである。 CoaTbT′p ……(1) ただし Tは、NbおよびTaのうちの1種、もしくは
Nb,Ta,Zrのうちの2種以上の組合せ。 T′は、RuおよびReのうちのいずれか一方また
は両方。 75≦a<94 6≦b≦20 0.1=≦c≦5 a+b+c=100 で、元素TのZrは4原子%以下である。 このうちa<94,かつ6≦bは非晶質化するの
に必要な条件である。 またZrが4原子%以下であることは、後述す
るように磁歪を小さくして磁気ヘツドの摺動ノイ
ズを抑える為に必要であり、同時に良好な耐蝕性
を得るのに必要な条件であつて、第1表に示した
非晶質合金の耐蝕性試験の一例より明かである。
耐蝕試験は厚さ5μmの非晶質合金膜を蒸留水中に
24時間浸漬して、その変色具合により耐蝕性の評
価を行なつている。
【表】
75≦a,b≦20は、この非晶質合金の飽和磁化
がフエライトのそれより高くなるために必要な条
件である。磁気ヘツドの記録特性はヘツド用磁性
材の飽和磁化でほぼ決まるため、従来材料のフエ
ライトを記録特性で上回るにはこの条件が不可欠
である。 0.1≦cは耐摩耗特性改善に最低限必要な条件
であり、c≦5はやはり飽和磁化等の磁気特性を
劣化させないために必要な条件である。 次に、磁歪定数λを考慮した場合の好ましい組
成について説明する。 Co−Zr系の非晶質合金は磁歪が正であるため、
磁気ヘツドに用いた時摺動ノイズが発生しない条
件である。磁歪定数λが10-6よりも小さいほぼ零
の磁歪組成を得るためには、Ni,Cr,Mo,Wな
どを約10%ほど添加含有させなけれればならな
い。一方、Co−Nb(Ta)系非晶質合金は磁歪が
わずかに負であるため、Fe,Mnなどを約2%ほ
ど添加することにより零磁歪を示す。したがつ
て、もしNb(Ta)とZrの三元素を適当に組合せ
れば必ずしもM=Ni,Cr,Mo,WまたはM′=
Fe,Mnを用いなくても、磁歪零の組成を得るこ
とができる。以上より、実質的にほぼ零磁歪とみ
なせる磁歪定数λが10-6よりも小さく、かつ耐摩
耗性が良好な金属−金属系非晶質合金を得るため
には次の条件を満足することが望ましい。 CoaTbT′pMaM′p ……(2) ただしT,T′およびa,b,cは組成式(1)に
おけるものと同じ。 MはNi,Cr,MoおよびWのうちの1種もしく
は2種以上の組合せ。 M′はFeおよびMnのうちのいずれか一方また
は両方。 ここで、元素M,M′については、いずれか一
方のみを必ず含み、d,eはそれぞれ 0≦d≦12 0≦e≦3 かつa+b+c+d+e=100 である。 第1図はスパツタ法により作製した非晶質合金
(Co86Nb12Ru2)100-xTMx(ただしTM=Fe,Mn,
Zr,X=0〜4)薄膜の、TMの種類ならびに量
と磁歪定数λとの関係の一例を示す。この実験結
果より、Co−Nb系で磁歪定数が実質的に零もし
くはそれに近いとみなし得る10-6以下の値を得る
ためには、Zr量X、及びM′=Fe,Mn量e(第1
図ではxで示される)は 0<X≦4、 0<e≦3である。 である。同様にd≦12なる条件も磁歪λを10-6以
下とするために必要な条件である。 組成式(2)において、MのうちNiには比較的Bs
を低下させにくい特徴があり、Mo,Wは結晶化
温度を上昇させ、Crは耐蝕性を向上させる特徴
を有するので、必要に応じて添加含有させれば効
果的である。また、Fe,Mnは、Bsを上昇させる
という好ましい効果をもつ。 以上の金属−金属系非晶質合金のうち一般的に
は、Co−Nb系が零磁歪組成ではもつとも高いBs
を有する特徴がある。一方、耐蝕性に関しては
Co−Nb,Co−Ta系が優れているが、Co−Zrは
耐蝕性はよくない。Co−Zr系で耐蝕性をもたせ
るためには、Cr,または、NbならびにTaのうち
の1種もしくは2種以上を適当量添加含有させる
必要がある。すなわち、(1)式における第2成分と
して、Zrは単独ではなく、必ずNbあるいはTaと
併用する。 以下に、特に好ましい組成について説明する。 Co−Ta系はTaが高価であるだけでなく、この
系はCo−Zr,Co−Nb系に比べて非晶質状態で比
較的Bsが高いものを得るのが困難である点と、
結晶化温度の高いものはCo−Zr系で得られる点
とを考慮すると、Co−NbもしくはCo−Nb−Zr
の混合系の方が、Co−Ta系に比べて、耐摩耗特
性においてフエライトとほぼ同等で、かつ耐蝕性
をも備え、フエライトを上回るBsを有するもの
として望ましいことがわかつた。 次に、(1)式におけるNbの量bの上限値、b≦
20は、フエライトの飽和磁化の値を上回るための
条件に過ぎないが、これに対して、メタル系磁気
ヘツド材として、記録特性においてフエライトと
比べて有意な差を持つためには、より高い飽和磁
化の値が必要である。すなわち、フエライトの5
〜6kGを十分上回るBs≧8kGを得ることが要求さ
れるが、そのためのNbの量の上限値は以下の通
りであつた。 第2図はほぼ磁歪零である(Co97Fe2Ru1)100-x
Nbx(ただしX=7〜24)および(Co97Fe2Ru1)1
00−xNbx(ただしX=7〜24)なる組成の非晶質
合金膜の室温における飽和磁化Bs(ガウス)を示
す。これより、メタル系磁気ヘツド材として望ま
しいBs=8kGを確保するためには、X≦16であ
ることがわかる。又、Ru,Reの量が同じ原子百
分率であるなら、ReよりもRuの方が有利である
ことがわかる。 また(2)式によれば、Mの量dは0≦d≦12であ
るが、これは磁歪定数を10-6以下の値にするため
だけの条件である。これに対して飽和磁化に関
し、上述のように通常のメタル系磁気ヘツド材と
してより望ましい値すなわち、Bs=≧8kGを得
るための条件について、以下に説明する。 第3図は非晶質合金膜(Co88Nb8Ru2Fe2)100-x
Mx(ただしM=Ni,Cr,Mo,W.X=0〜10)
のMの種類ならびにその量と飽和磁化Bsとの関
係を示す。第3図に示した結果よりわかるよう
に、Cr,Mo,Wについてはd≦8であることが
望ましい。一方Niは比較的Bsを低下させないが、
Ni添加量が増えるのに従つて磁歪定数が大幅に
負の方へ変化するので、磁歪定数λが−1x10-6よ
り負にならないようにするには、やはりその添加
量も8原子以内にした方がよい。 以上の結果より、メタルテープ対応磁気ヘツド
用としてこの非晶質合金材を用いる場合(2)式を更
に限定した次の(3)式で表わされる組成が適してい
ることがわかる。 CoaNbb−xZrxT′pMdM′p ……(3) 79≦a<94 6≦b≦16 0.1≦c≦5 0≦d≦8 0≦e≦3 a+b+c+d+e=100 0<x≦4 (T′はRu,Reから選ばれる1種もしくは2種
の元素、 MはNi,Cr,Mo,Wから選ばれる1種もしく
は2種以上の元素、 M′はFe,Mnから選ばれる1種もしくは2種
の元素である。 ただし、M,M′については、いずれか一方の
みを必ず含むものとする。) aの値の上限値は(1)式と同様である。下限値
は、(1)式によれば75原子%である。しかしながら
(3)式の場合は、4原子%高く79原子%である。そ
の理由は、(1)式の場合に比べてbの上限値を4原
子%低くするため、それをCoにより補うことに
ある。つまり、Co、Nb、T′が必須成分であるこ
とから、NbとT′の合計量の最大値である21原子
%に対応して、Coの下限値を79原子%とする。 以下、本発明の実施例について説明を行う。 実施例 1 第4図に示す形状のフエライトダミーヘツドチ
ツプ1の先端に金属−金属系非晶質材料を先端部
の厚さが30μmになるようスパツターして、非晶
質部2を形成し、これを用いて耐摩耗試験を行な
つた。ただし、耐摩耗試験は市販されている
VTRデツキを用い、温度40℃,相対湿度90%の
恒湿室中でCoドープγテープを相対速度5.6m/
秒で走行させ、50時間後の摩耗量を測定すること
により行なつた。 比較のため、液体超急冷法で作製した従来の金
属−半金属系非晶質合金やフエライト,センダス
トなどを、第5図に示す形状のダミーヘツドチツ
プに加工し、上述と同じ条件で耐摩耗試験をし
た。 いずれも、長さ1=3mm,巾w=2mm,厚さt
=40μm,先端部曲率半径r=2.5mmの寸法であつ
た。 摩耗試験の結果を第2表に示す。
がフエライトのそれより高くなるために必要な条
件である。磁気ヘツドの記録特性はヘツド用磁性
材の飽和磁化でほぼ決まるため、従来材料のフエ
ライトを記録特性で上回るにはこの条件が不可欠
である。 0.1≦cは耐摩耗特性改善に最低限必要な条件
であり、c≦5はやはり飽和磁化等の磁気特性を
劣化させないために必要な条件である。 次に、磁歪定数λを考慮した場合の好ましい組
成について説明する。 Co−Zr系の非晶質合金は磁歪が正であるため、
磁気ヘツドに用いた時摺動ノイズが発生しない条
件である。磁歪定数λが10-6よりも小さいほぼ零
の磁歪組成を得るためには、Ni,Cr,Mo,Wな
どを約10%ほど添加含有させなけれればならな
い。一方、Co−Nb(Ta)系非晶質合金は磁歪が
わずかに負であるため、Fe,Mnなどを約2%ほ
ど添加することにより零磁歪を示す。したがつ
て、もしNb(Ta)とZrの三元素を適当に組合せ
れば必ずしもM=Ni,Cr,Mo,WまたはM′=
Fe,Mnを用いなくても、磁歪零の組成を得るこ
とができる。以上より、実質的にほぼ零磁歪とみ
なせる磁歪定数λが10-6よりも小さく、かつ耐摩
耗性が良好な金属−金属系非晶質合金を得るため
には次の条件を満足することが望ましい。 CoaTbT′pMaM′p ……(2) ただしT,T′およびa,b,cは組成式(1)に
おけるものと同じ。 MはNi,Cr,MoおよびWのうちの1種もしく
は2種以上の組合せ。 M′はFeおよびMnのうちのいずれか一方また
は両方。 ここで、元素M,M′については、いずれか一
方のみを必ず含み、d,eはそれぞれ 0≦d≦12 0≦e≦3 かつa+b+c+d+e=100 である。 第1図はスパツタ法により作製した非晶質合金
(Co86Nb12Ru2)100-xTMx(ただしTM=Fe,Mn,
Zr,X=0〜4)薄膜の、TMの種類ならびに量
と磁歪定数λとの関係の一例を示す。この実験結
果より、Co−Nb系で磁歪定数が実質的に零もし
くはそれに近いとみなし得る10-6以下の値を得る
ためには、Zr量X、及びM′=Fe,Mn量e(第1
図ではxで示される)は 0<X≦4、 0<e≦3である。 である。同様にd≦12なる条件も磁歪λを10-6以
下とするために必要な条件である。 組成式(2)において、MのうちNiには比較的Bs
を低下させにくい特徴があり、Mo,Wは結晶化
温度を上昇させ、Crは耐蝕性を向上させる特徴
を有するので、必要に応じて添加含有させれば効
果的である。また、Fe,Mnは、Bsを上昇させる
という好ましい効果をもつ。 以上の金属−金属系非晶質合金のうち一般的に
は、Co−Nb系が零磁歪組成ではもつとも高いBs
を有する特徴がある。一方、耐蝕性に関しては
Co−Nb,Co−Ta系が優れているが、Co−Zrは
耐蝕性はよくない。Co−Zr系で耐蝕性をもたせ
るためには、Cr,または、NbならびにTaのうち
の1種もしくは2種以上を適当量添加含有させる
必要がある。すなわち、(1)式における第2成分と
して、Zrは単独ではなく、必ずNbあるいはTaと
併用する。 以下に、特に好ましい組成について説明する。 Co−Ta系はTaが高価であるだけでなく、この
系はCo−Zr,Co−Nb系に比べて非晶質状態で比
較的Bsが高いものを得るのが困難である点と、
結晶化温度の高いものはCo−Zr系で得られる点
とを考慮すると、Co−NbもしくはCo−Nb−Zr
の混合系の方が、Co−Ta系に比べて、耐摩耗特
性においてフエライトとほぼ同等で、かつ耐蝕性
をも備え、フエライトを上回るBsを有するもの
として望ましいことがわかつた。 次に、(1)式におけるNbの量bの上限値、b≦
20は、フエライトの飽和磁化の値を上回るための
条件に過ぎないが、これに対して、メタル系磁気
ヘツド材として、記録特性においてフエライトと
比べて有意な差を持つためには、より高い飽和磁
化の値が必要である。すなわち、フエライトの5
〜6kGを十分上回るBs≧8kGを得ることが要求さ
れるが、そのためのNbの量の上限値は以下の通
りであつた。 第2図はほぼ磁歪零である(Co97Fe2Ru1)100-x
Nbx(ただしX=7〜24)および(Co97Fe2Ru1)1
00−xNbx(ただしX=7〜24)なる組成の非晶質
合金膜の室温における飽和磁化Bs(ガウス)を示
す。これより、メタル系磁気ヘツド材として望ま
しいBs=8kGを確保するためには、X≦16であ
ることがわかる。又、Ru,Reの量が同じ原子百
分率であるなら、ReよりもRuの方が有利である
ことがわかる。 また(2)式によれば、Mの量dは0≦d≦12であ
るが、これは磁歪定数を10-6以下の値にするため
だけの条件である。これに対して飽和磁化に関
し、上述のように通常のメタル系磁気ヘツド材と
してより望ましい値すなわち、Bs=≧8kGを得
るための条件について、以下に説明する。 第3図は非晶質合金膜(Co88Nb8Ru2Fe2)100-x
Mx(ただしM=Ni,Cr,Mo,W.X=0〜10)
のMの種類ならびにその量と飽和磁化Bsとの関
係を示す。第3図に示した結果よりわかるよう
に、Cr,Mo,Wについてはd≦8であることが
望ましい。一方Niは比較的Bsを低下させないが、
Ni添加量が増えるのに従つて磁歪定数が大幅に
負の方へ変化するので、磁歪定数λが−1x10-6よ
り負にならないようにするには、やはりその添加
量も8原子以内にした方がよい。 以上の結果より、メタルテープ対応磁気ヘツド
用としてこの非晶質合金材を用いる場合(2)式を更
に限定した次の(3)式で表わされる組成が適してい
ることがわかる。 CoaNbb−xZrxT′pMdM′p ……(3) 79≦a<94 6≦b≦16 0.1≦c≦5 0≦d≦8 0≦e≦3 a+b+c+d+e=100 0<x≦4 (T′はRu,Reから選ばれる1種もしくは2種
の元素、 MはNi,Cr,Mo,Wから選ばれる1種もしく
は2種以上の元素、 M′はFe,Mnから選ばれる1種もしくは2種
の元素である。 ただし、M,M′については、いずれか一方の
みを必ず含むものとする。) aの値の上限値は(1)式と同様である。下限値
は、(1)式によれば75原子%である。しかしながら
(3)式の場合は、4原子%高く79原子%である。そ
の理由は、(1)式の場合に比べてbの上限値を4原
子%低くするため、それをCoにより補うことに
ある。つまり、Co、Nb、T′が必須成分であるこ
とから、NbとT′の合計量の最大値である21原子
%に対応して、Coの下限値を79原子%とする。 以下、本発明の実施例について説明を行う。 実施例 1 第4図に示す形状のフエライトダミーヘツドチ
ツプ1の先端に金属−金属系非晶質材料を先端部
の厚さが30μmになるようスパツターして、非晶
質部2を形成し、これを用いて耐摩耗試験を行な
つた。ただし、耐摩耗試験は市販されている
VTRデツキを用い、温度40℃,相対湿度90%の
恒湿室中でCoドープγテープを相対速度5.6m/
秒で走行させ、50時間後の摩耗量を測定すること
により行なつた。 比較のため、液体超急冷法で作製した従来の金
属−半金属系非晶質合金やフエライト,センダス
トなどを、第5図に示す形状のダミーヘツドチツ
プに加工し、上述と同じ条件で耐摩耗試験をし
た。 いずれも、長さ1=3mm,巾w=2mm,厚さt
=40μm,先端部曲率半径r=2.5mmの寸法であつ
た。 摩耗試験の結果を第2表に示す。
【表】
【表】
上表の実験結果より、本発明の試料No.10〜17が
従来の非晶質合金やフエライト,センダストなど
にない優れた耐摩耗性をを示すことがわかる。 以上のように、本発明の非晶質磁性合金は、フ
エライトよりも飽和磁化Bsが高く、耐摩耗性が
他のメタル系軟磁性材料よりも高く、またフエラ
イトとほぼ同等の耐摩耗性を有するものである。
そして組成を更に限定すれば、耐蝕性に優れ、飽
和磁化Bsもきわめて高い磁性合金を得ることが
できる。
従来の非晶質合金やフエライト,センダストなど
にない優れた耐摩耗性をを示すことがわかる。 以上のように、本発明の非晶質磁性合金は、フ
エライトよりも飽和磁化Bsが高く、耐摩耗性が
他のメタル系軟磁性材料よりも高く、またフエラ
イトとほぼ同等の耐摩耗性を有するものである。
そして組成を更に限定すれば、耐蝕性に優れ、飽
和磁化Bsもきわめて高い磁性合金を得ることが
できる。
第1図は(Co86Nb12Ru2)100-xTMxの磁歪定数
λのTM(=Zr,Fe,Mn)量依存性を示す図、
第2図は(Co97Fe2Ru1)100-xNbxおよび
(Co97Fe2Re1)100-xNbxのBsのNb量依存性を示す
図、第3図は(Co88Nb8Ru2Fe2)100-dMdの飽和
磁化BsのM(=Ni,Cr,Mo,W)量依存性を示
す図、第4図は本発明にかかる非晶質磁性合金を
耐摩耗性評価実験に用いたダミーヘツドチツプを
示す斜視図、第5図は比較用のダミーヘツドチツ
プの斜視図である。
λのTM(=Zr,Fe,Mn)量依存性を示す図、
第2図は(Co97Fe2Ru1)100-xNbxおよび
(Co97Fe2Re1)100-xNbxのBsのNb量依存性を示す
図、第3図は(Co88Nb8Ru2Fe2)100-dMdの飽和
磁化BsのM(=Ni,Cr,Mo,W)量依存性を示
す図、第4図は本発明にかかる非晶質磁性合金を
耐摩耗性評価実験に用いたダミーヘツドチツプを
示す斜視図、第5図は比較用のダミーヘツドチツ
プの斜視図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 下記の式(1)で示される成分組成よりなること
を特徴とする非結晶質磁性合金。 CoaTbTp′ ……(1) ただし元素Tは T=Nb,Ta の群より選ばれる1種もしくは T=Nb,Ta,Zr の群より選ばれる2種以上の元素 T′は T′=Ru,Re の群より選ばれる1種もしくは2種以上の元素で
あつて、a,b,cはそれぞれ原子%で 75≦a<94 6≦b≦20かつa+b+c=100 0.1≦c≦5 であり、元素TのZrは4原子%以下である条件
を満足するものとする。 2 下記の式(2)で示される成分組成よりなること
を特徴とする非晶質磁性合金。 CoaTbT′pMdM′e ……(2) ただし元素Tは T=Nb,Ta の群より選ばれる1種もしくは T=Nb,Ta,Zr の群より選ばれる2種以上の元素 元素T′は T′=Ru,Re から選ばれる1種もしくは2種の元素 元素M,M′はいずれか一方のみが必ず含まれ、
それぞれ、 M=Ni,Cr,Mo,W M′=Fe,Mn の群より選ばれる1種もしくは2種以上の元素で
あつて、a,b,c,dはそれぞれ原子%で 75≦a<94 6≦b<20 0.1≦c≦5 0≦d≦12 0≦e≦3 かつ、a+b+c+d+e=100 であり、元素TのZrは4原子%以下である条件
を満足するものとする。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP57061614A JPS58177432A (ja) | 1982-04-13 | 1982-04-13 | 非晶質磁性合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP57061614A JPS58177432A (ja) | 1982-04-13 | 1982-04-13 | 非晶質磁性合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS58177432A JPS58177432A (ja) | 1983-10-18 |
JPH0359978B2 true JPH0359978B2 (ja) | 1991-09-12 |
Family
ID=13176214
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP57061614A Granted JPS58177432A (ja) | 1982-04-13 | 1982-04-13 | 非晶質磁性合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS58177432A (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5990219A (ja) * | 1982-11-12 | 1984-05-24 | Tdk Corp | 磁気ヘツド |
JPS59101025A (ja) * | 1982-12-01 | 1984-06-11 | Tdk Corp | 磁気ヘツド |
JPS6095904A (ja) * | 1983-10-31 | 1985-05-29 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | アモルフアス軟磁性膜 |
JPS6120311A (ja) * | 1984-07-09 | 1986-01-29 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | アモルフアス軟磁性膜の作製方法 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5684439A (en) * | 1979-12-13 | 1981-07-09 | Takeshi Masumoto | Cobalt based amorphous alloy having small magnetic strain and high permeability |
JPS56130449A (en) * | 1980-03-19 | 1981-10-13 | Takeshi Masumoto | Amorphous cobalt alloy with very low magnetostriction and high permeability |
JPS5837148A (ja) * | 1981-08-26 | 1983-03-04 | Hitachi Metals Ltd | 非晶質合金 |
JPS5827941B2 (ja) * | 1976-10-15 | 1983-06-13 | 松下電工株式会社 | スプリンクラ−ヘツド |
JPS58164201A (ja) * | 1982-03-24 | 1983-09-29 | Hitachi Metals Ltd | 巻鉄心 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5827941U (ja) * | 1981-08-18 | 1983-02-23 | 日本インタ−ナシヨナル整流器株式会社 | 樹脂封止型電子機器 |
-
1982
- 1982-04-13 JP JP57061614A patent/JPS58177432A/ja active Granted
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5827941B2 (ja) * | 1976-10-15 | 1983-06-13 | 松下電工株式会社 | スプリンクラ−ヘツド |
JPS5684439A (en) * | 1979-12-13 | 1981-07-09 | Takeshi Masumoto | Cobalt based amorphous alloy having small magnetic strain and high permeability |
JPS56130449A (en) * | 1980-03-19 | 1981-10-13 | Takeshi Masumoto | Amorphous cobalt alloy with very low magnetostriction and high permeability |
JPS5837148A (ja) * | 1981-08-26 | 1983-03-04 | Hitachi Metals Ltd | 非晶質合金 |
JPS58164201A (ja) * | 1982-03-24 | 1983-09-29 | Hitachi Metals Ltd | 巻鉄心 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS58177432A (ja) | 1983-10-18 |
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