JPS6151023B2

JPS6151023B2 -

Info

Publication number: JPS6151023B2
Application number: JP58196235A
Authority: JP
Inventors: Koichi Tamaki; Tsutomu Nakamura
Original assignee: Tohoku Metal Industries Ltd
Current assignee: Tokin Corp
Priority date: 1983-10-21
Filing date: 1983-10-21
Publication date: 1986-11-07
Also published as: JPS6089552A

Description

【発明の詳細な説明】本発明はFe―Si―Al―Ti―Co系合金に関し、
特に耐摩耗性が優れさらに硬さを向上させた磁気
ヘツドコア用磁性合金に関する。近年VTR分野における高記録密度化に伴ない
８mmVTRが提案されており、記録媒体およびヘ
ツドコア材の見直しが図られている。記録媒体と
しては高保磁力化のために、従来のγ―Fe₂O₃塗
付型テープから塗付型メタルテープや蒸着型メタ
ルテープへの移行が提案されている。一方ヘツド
コア材料としては、従来のフエライト単結晶では
飽和磁束密度が小さすぎるため高飽和磁束密度を
有する材料、例えば結晶質材料ではFe―Si―Al
系合金が、またCo―Fe―Si―Ｂ系に代表される
非晶質合金が期待されている。非晶質合金をヘツドコア材料として用いる場
合、これは薄いリボン状試料の材料であるため、
ギヤツプを正確に作ることが極めて困難でヘツド
化しにくく、また経年変化等の安定性についての
実績がない。さらには耐摩耗性がFe―Si―Al系
合金よりも悪いため実用化は今後の課題である。そこで注目されているのでFe―Si―Al系合金
であり、これは一部放送用４ヘツド形VTRにお
いて実際に使用されており、磁気特性上は特に大
きな問題はない。しかしFe―Si―Al系合金をヘ
ツドコアに使用したヘツドでは、テープ走行時に
コアのテープ摺動面に焼付き現象が生じ、出力特
性が低下してしまい、ヘツドとしての特性が劣化
するという問題があつた。さらに、ヘツド組立ての容易さ、特に巻線の容
易さの点からは、コアの材料が硬い方が望まし
い。しかし従来のFe―Si―Al系合金ではビツカ
ース硬さはHv＝480〜530と硬いが、巻線時にひ
ずみが導入されたり割れたりするため、さらに硬
い材料が望まれている。本発明者らはテープ走行時に焼付きがなくしか
も硬さの高い材料として、Si4〜12％、Al3〜８
％、Ti2〜５％、Co1〜５％残部が実質的にFeよ
りなる新規な合金を先に見い出した（特願昭58―
46009）。Fe―Si―Al―Ti―Co合金は常温常湿下
における耐摩耗性は極めて優れているが、高温多
湿下における耐摩耗性は劣るという欠点があつ
た。そこで種々検討した結果、Si4〜12％、Al3〜
８％、Ti2〜５％、Co1〜５％、残部Feからなる
合金に、Ｖ，Nb，Ta，Cr，Mo，Ｗおよび白金
族元素のを0.1〜５％、およびBe，Ｂ，Zr，Ｙお
よび希土類元素の0.01〜１％のうち少なくとも一
種を、総量で0.1〜６％添加することにより、高
温高湿下における耐摩耗性が改善されることを見
い出し本発明に至つたものである。0.1〜５％の
Ｖ，Nb，Ta，Cr，Mo，Ｗ白金族元素および、
0.01〜１％のBe，Ｂ，Zr，Ｙ希土類元素を総量で
0.1〜６％添加することにより、高温高湿下での
耐摩耗性が向上する原因は、上記元素を添加する
ことにより原子間の結合力が強められ、さらに耐
食性が高まるためであると考えられる。本発明においてSi量を４〜12％、Al量を３〜８
％としたのはこの範囲外では磁気特性なかでも実
効透磁率が著しく劣化するためである。Tiは焼
付防止および硬さの向上のために添加するもの
で、２％未満の添加でも硬さは若干向上するが焼
付防止とならないため２％以上の添加が必要であ
る。しかしながら５％を越えて添加すると切削お
よび研削加工が極めて困難となる。このためTi
の添加量は２〜５％が良く、後述する添加元素と
の関係から、さらに好ましくは２〜４％が良い。 CoはTiおよび後述する各種元素を添加したと
きに低下する飽和磁束密度B₁₀をFeとの相乗作用
で向上させるために添加するもので１％未満では
B₁₀を向上させ得なく、５％を越えると実効透磁
率が劣化してしまうため、Coの添加量としては
１〜５％が良く、さらに好ましくは２〜４％が良
い。またＶ，Nb，Ta，Cr，Mo，Ｗおよび白金族
元素の少なくとも一種を0.1〜５％、およびBe，
Ｂ，Zr，Ｙおよび希土類元素の少なくとも一種を
0.01〜１％添加することにより高温高湿下におけ
る耐摩耗性が向上するが、上記範囲の下限値未満
ではその効果が明らかには認められない。Ｖ，
Nb，Ta，Cr，Mo，Ｗおよび白金族元素を５％
を越えて添加すると磁歪≒０の組成が得難く実効
透磁率が低下し、またBe，Ｂ，Zr，Ｙおよび希
土類元素を１％を越えて添加すると、切削および
研削加工性が劣化する。さらにこれら元素は上記
理由から総量で0.1〜６％添加が良い。なお本発明合金中に含まれる不純物としては
Ｃ，Ｓ，Ｏが考えられるが、Ｃは50ppm以下、
さらに好ましくは30ppm以下、Ｓは30ppm以
下、さらに好ましくは3ppm以下、Ｏは30ppm化
下、さらに好ましくは10ppm以下が、耐食性を
改善するのに効果的である。以下、本発明を実施例に基づいて説明する。＜実施例１＞表―１に示す組成を有するインゴツトをアーク
溶解にて作製し、これに1200℃で２時間均質化焼
鈍を施した後、放電加工、機械加工により試料を
作製し、測定に供した。実効透磁率μｅは外径５mm、内径３mm、厚さ
0.03mmのリング状試料を用い、周波数5MHz、印
加磁界1mOeで測定した。硬さHvは20×20×10
（厚み）の試料を用い、荷重１Kgで測定した。測
定に先立ち、900℃で３時間の磁性焼鈍を施し
た。この結果を表―１に示す。次にこれらの合金を用いてビデオヘツドを試作
し耐摩耗試験を行なつた。このとき用いた磁気テ
ープは塗付型メタルテープ（保磁力：約
1500Oe）であり、テープとヘツドの相対速度は
3.45m／秒とし、ビデオデツキは市販の家庭用と
した。試験環境は常温常湿および高温多湿（40
℃，80％）の２条件とし、500時間テープ走行後
のヘツド表面の焼付きの有無および摩耗深さを調
べた。この結果を表―１に示す。なお表―１に示した試料の不純物を分析した結
果、Ｃは30ppm以下、Ｓは3ppm以下、Ｏは
30ppm以下であつた。表―１より、Fe―Si―Al―Ti―Co合金にＶ，
Nb，Ta，Cr，Mo，Ｗ白金族元素Be，Ｂ，Zr，
Ｙおよび希土類元素を添加することにより、実効
透磁率、硬さが向上し、摩耗深さ、特に高温高湿
下における摩耗深さが改善されており、また合金
番号１を除いて焼付きが認められたなかつた。以下述べた如く、本発明合金はFe―Si―Al合
金の致命的な欠点と考えられていた焼付き現象が
全くおこらず、しかも使用環境を問わず耐摩耗性
が優れている新規な合金である。故に本発明合金
はVTRの画像ヘツドコア材に用いて好適であ
り、さらにはVTRの音声コントロールヘツド、
またオーデイオ分野、コンピユータ分野さらにま
た、各種メタルテープが使用される磁気記録再生
用のヘツドコア材、ロータリーヘツド用のコア材
等の各種磁気記録分野のヘツドにも好適である。【表】

Claims

【特許請求の範囲】

１重量％でSi4〜12％、Al3〜８％、Ti2〜５
％、Col〜５％および残部Feを主成分とし、副成
分として、Ｖ，Nb，Ta，Mo，Ｗおよび白金族元
素のそれぞれ0.1〜５％、およびBe，Ｂ，Zr，Ｙ
および希土類元素のそれぞれ0.01〜１％から選ば
れた少なくとも一種を総量で0.1〜６％含有させ
たことを特徴とする耐摩耗性高透磁率合金。