JPH0358838B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はパレツト上に組まれた窓枠の如き平面
状ワークをアーク熔接ロボツト或はスポツト熔接
ロボツト等の熔接機に対し位置決めし、自動熔接
を行なう熔接台に関するものである。

従来自動熔接は間歇移動或は連続移動するコン
ベアライン上にワークを組み、熔接機が記憶して
いるプログラムに従つて自動熔接を行なうもので
あるが、ワークの組み立ては熔接機のサイクルに
合わせて行なう必要があるため、ワークの組み立
てラインが必然的に長大化し、設備費が高価とな
る。このため自動熔接は多量生産には最適しても
多品種少量生産には不向きとされていた。

又、熔接機正面のテーブル上でワークを組む場
合、ワークの組み立て中は熔接機は停止しており
能率が悪い等の問題があり、熔接機自体は自動化
されて高能率であつてもワークの段取りがネツク
となつて熔接機の性能が十分には発揮されなかつ
た。

そこでワークを治具台車に載せて熔接位置に移
行させ、熔接後吊下げ治具によつてワークを持ち
上げて反転させ、その状態にてワークの裏側に熔
接し、その間に治具台車は元位置に復帰して該治
具台車上に次のワークをセツトする装置が提案さ
れている。（特開昭58−132397号）。

上記装置は熔接中に次のワークのセツトが出
来、作業能率は向上したがワークの裏面を熔接す
るときはワークを治具台車から外して吊り上げた
状態にて熔接するため、ワークは拘束のない変形
自由な状態となり、熔接歪によつて裏面の熔接は
正確に出来ない。例えば、建物用サツシ特に平面
的な形状を呈するワークの熔接に実施すると裏面
を熔接する際にワークが熔接歪のため大きく変形
する問題があつた。

本発明は平面状ワークに対して、熔接歪みの影
響を可及的に小さくし、ワークの変形を防止出来
る熔接ロボツト用ワーク自動位置決め搬送装置を
明らかにするものである。

本発明は平面状ワークを組み立てる枠体状のワ
ークパレツトとワークパレツトを支持し、夫々前
後方向へ搬送可能な準備台及び熔接台と、ワーク
パレツトを所定熔接位置に保持する位置決め装置
と、熔接台及び準備台の上方へ移行可能に設けら
れワークパレツト支持装置を昇降可能に懸垂支持
する吊下げ装置とから構成され、ワークパレツト
支持装置はワークパレツトに対し開閉可能な係止
装置とワークパレツトを180゜回転させる反転装置
を具えたことを特徴とする。

本発明は予め平面状ワークが組まれたワークパ
レツトを準備台に置き、これを熔接台に搬送して
位置決めする。

自動熔接を行なつた後、パレツト真上に待機し
ていたワークパレツト支持装置を下降させてパレ
ツトを支持装置に係止して吊下げ、次いでパレツ
トを180゜回転して下降し、再び熔接台の上へ設置
して位置決めし、熔接を行なう。ワークパレツト
上に組まれた平面状ワークに対し熔接中及び反転
してパレツトを裏返しを行なう工程中に、準備台
には第２ワークが置かれて待機する。

熔接が終了すると再びワークパレツト支持装置
が下降してパレツトを係止し吊上げて準備台の上
方へ移行し、パレツト場所が空いた熔接台には準
備台上で待機していた第２パレツトが搬送されて
同様に熔接を施し、入れ替りにパレツト場所が空
いた準備台には熔接が終了したワークが降ろされ
て支持装置から外される。

本発明はワークをパレツト上に平面状に組み上
げたものを用い、これを熔接台に自動搬入して自
動熔接するから、ワークの段取りは熔接ライン上
で行なう必要がなく、ワーク組み立てラインも不
用となる。

ワークをワークパレツトに組み込んだ状態でそ
の両面の熔接を行なうのでワークの熔接歪みによ
る熔接位置不良を防止し、且つ製品の変形を抑え
ることが出来る。

次に図面に示す実施例に基づき本発明を具体的
に説明する。

本発明は建物用サツシの如く、建物毎に寸法が
異なり多品種であるが、１品種毎の数量は少ない
多品種少量生産の製品を熔接するものである。

平面状ワーク１０は枠状のワークパレツト１上
へ組み上げられており、多数のパレツト１が予め
用意される。

パレツト１は両側面及び上下両面に基準平面１
１，１２，１３，１４を有し、両側面い楔状切込
み１５，１５を形成している。前後端面には丸軸
部１６，１７を突設し、更に一方の丸軸部１７の
先端にコ字状金具１８を突設し、夫々ワークパレ
ツト支持装置６の係止装置６０及び反転装置６９
に係合可能である。ワークパレツト１の全部下面
或は他の適所に、パレツト上に組まれたワークの
種類を突起或は磁気で示す表示器（図示せず）を
具え、熔接台３の進入位置或は準備台２に設けた
検出器３０に対応させており、パレツト１が準備
台２から熔接台３へ搬入されるとき、表示器は検
出器３０を作動させて、ワークの種類を熔接機４
の制御部４０に入力し、熔接プログラムを表示器
の信号に合わせて切り替える。

準備台２は上面に２条の無端状チエンで構成さ
れて搬送装置２０を配備し、駆動装置２１に連繋
して搬送装置２０上に置かれたワークパレツト１
を熔接台３へ搬送するものである。熔接台３は上
面に支持ローラ列３１及び案内ローラ列３２を有
し、支持ローラ列３１は正逆転可能な駆動装置３
３に連繋して搬送装置３６を構成する。

又案内ローラ列３２と対向してワークパレツト
搬送路の対向側には、案内ローラ列の各ローラ間
に位置しシリンダ装置によつて駆動される押えロ
ーラ３４をパレツト搬送路へ出没可能に配備し、
位置決め装置３５を構成している。該位置決め装
置３５はワークパレツト１が準備台２から熔接台
３へ搬送され、パレツト側面の楔状切込み１５が
第１押えローラ３４の正面に対向したとき搬送を
止め、押えローラ３４を前進させてワークパレツ
ト側面の基準平面１１を案内ローラ列３２へ圧接
し、パレツト下面の基準平面１４を支持ローラ列
３１によつて支持することによつて、ワークパレ
ツトの水平及び左右の基準姿勢を保ち、クランプ
される。

熔接機４によつてワーク前半部の自動熔接が済
めば、第１押えローラ３４は後退してワークパレ
ツトを解放し、搬送装置３６はワークパレツトを
第２押えローラ３４ａの位置まで運び、再び位置
決め装置３５によつてワークパレツトをクランプ
すると共に、ワーク後半部の熔接を行ない、熔接
終了すればワークパレツトのクランプは解放す
る。

吊下げ装置５及びワークパレツト支持装置６は
このとき熔接台３上のワークパレツト１真上に待
機している。

吊下げ装置５は天井軌条５０のフランジ面を転
動する走行車輪５１を架台５２の前後及び両側に
有し軌条５０に支持されており、走行車輪５１を
繋ぐ車軸５３上の歯車に駆動装置５４を連繋して
移動装置５５を構成し、軌条５０に沿つて熔接台
３と準備台２の間を往復移行する。吊下げ装置５
は架台５２の４隅から４本のロープ５６を垂下し
てロープ下端にワークパレツト支持装置６を水平
に吊下げ支持しており、ロープ５６は案内プーリ
５７を経て架台中央に設けた昇降装置５８のドラ
ム５９に巻かれている。昇降装置５８は正逆回転
してドラム５９を駆動し、４本のロープ５６を同
時に同速で巻取り或は巻戻してロープ下端のワー
クパレツト支持装置６を水平姿勢を保ちつつ昇降
せしめるものである。

ワークパレツト支持装置６は前後端にワークパ
レツト１の丸軸部１６，１７を係止し吊上げるた
めの係止装置６０を具えており、これは第３図に
示す如く下端に下向きＬ字状の受け面６１を形成
した固定アーム６２と、一端を枢支し先端に固定
アーム６２の受け面６１に対する押え面６３を有
す可動アーム６４と、可動アーム６４を開閉駆動
するシリンダ装置６５によつて構成している。第
５図に示す如く可動アーム６４が閉じたとき、押
え面６３と受け面６１との間にパレツト１の丸軸
部１６，１７が回転自由に嵌る空間を形成する。

ワークパレツト１のコ字状金具１８に対応して
支持装置６には第２図・第４図に示す如く先端に
縦向きの回転板６６を有す軸６７及び該軸６７を
180゜回転させる駆動装置６８を具えた反転装置６
９を配備している。

然してワーク１０が組まれたパレツト１が準備
台２から熔接台３へ搬送されたとき、パレツト１
の表示器に設定された信号によつて、熔接機４の
プログラムが決まり、パレツトは第１押えローラ
３４の正面で位置決めクランプされる。この段階
でパレツト上面前部のワークに対し自動熔接が行
なわれる。

次いで位置決めクランプを解除してワークパレ
ツトを第２押えローラ３４ａの正面まで進め、再
び位置決めクランプして、パレツト上面後部のワ
ークに対し自動熔接される。

ワークはワークパレツト上に組み込まれたまま
熔接されるため、熔接歪みによるワークの変形は
防止される。

熔接機４が退避し、クランプが解放されると、
ワークパレツト支持装置６が下降してパレツト前
後の丸軸部１６，１７が丁度固定アーム６２の受
け面６１に入つた位置で可動アーム６４が閉じ、
前後の丸軸部１６，１７を係止装置６０によつて
回転自由に係止する。このとき支持装置６の回転
板６６はパレツト１のコ字状金具１８の縦溝に丁
度嵌まる。

吊下げ装置５の巻上げ駆動によつて支持装置６
はパレツト１を係止して同時に上昇し、次いで回
転板６６を180゜回転してワークパレツトを反転さ
せ、裏側のワークを上面へ向ける。

支持装置６とワークパレツト１は吊下げ装置５
の巻戻し駆動によつて熔接台３上へ降ろされ、係
止装置６０を開いて支持装置６は再び引上げら
れ、吊下げ装置５の駆動により、熔接台３の第１
熔接位置まで移動して待機する。

ワークパレツト１は支持装置６から離れると再
び位置決めクランプされてワークの裏側後部が自
動熔接される。

次いでワークパレツト１は第１熔接位置まで送
られ、ワークの裏側前部が自動熔接される。

このときも、ワークはワークパレツト上に取り
付けられた儘熔接されるため、熔接歪みによるワ
ークの変形は防止される。再び支持装置６が下降
してワークパレツト１を吊下げ準備台２上へ移動
する。

なお、熔接前のワークパレツト１が準備台２か
ら熔接台３へ搬送された後は、準備台２は空いて
いるから、次のワークパレツト１ａが運び込まれ
て熔接台３の空くことを待つている。従つて熔接
台３上で、ワークの表裏面の前後部が熔接終了
し、支持装置６によつてパレツト１が吊上げられ
た後は、待機していた準備台２上の第２ワークパ
レツト１ａが直ちに熔接台３へ搬送され、熔接が
開始される。

支持装置６に吊り上げられ準備台２の上方へ移
動した熔接済みの第１パレツトは、準備台２へ降
ろされて解放され取り出される。第２パレツト１
ａが熔接工程中に、準備台２では第１パレツトと
のワークの取替え或は第１パレツトの取り出し及
び新たな第３パレツトの搬入が行なわれる。

本発明は上記のとおりワーク段取りのため熔接
機を停止させることはなく、極めて能率よく且つ
熔接歪みによるワークの変形を抑えて熔接作業が
遂行される。しかもワークはパレツトへ予め組み
立ててパレツトと一体に移動及び位置決めを行な
うから、多品種の製品に対しても何等支障はな
い。

尚、熔接台３での熔接工程中に準備台２上では
熔接済み製品をパレツトから取り出し、続いて該
パレツトへワークを組むことが出来る。

熔接台３上での熔接位置は１以上、複数に決め
ることが出来、熔接位置の数に合わせて、位置決
め装置の押えローラ３４は１以上、複数設ければ
よい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明装置の平面図、第２図は正面
図、第３図は右側面図、第４図は第２図中−
線に沿う断面図、第５図は第３図中、係止装置６
０の作動状態を示す説明図である。 １……ワークパレツト、１０……ワーク、１
６，１７……軸部、２……準備台、２０……搬送
装置、３……熔接台、３０……検出器、３５……
位置決め装置、３６……搬送装置、５……吊下げ
装置、５０……軌条、５５……移動装置、５８…
…昇降装置、６……支持装置、６０……係止装
置、６９……反転装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 前後水平方向に軸体１６，１７を突設した枠
   体状ワークパレツト１と、該ワークパレツト１を
   支持し、前後両方向へ搬送する搬送装置２０を具
   えた準備台２と、該準備台２の搬送方向の延長上
   に配設されワークパレツトを支持及び搬送する搬
   送装置３６及びワークパレツト１を所定位置に支
   持する位置決め装置３５を具えた熔接台３と、該
   熔接台３及び準備台２の上方に架設された軌条５
   ０に支持されワークパレツト１に対する支持装置
   ６を吊り下げ支持すると共に昇降駆動する昇降装
   置５８及び準備台２と熔接台３の間を往復移動す
   る移動装置５５を具えた吊下げ装置５とから構成
   され、前記支持装置６はワークパレツト１の軸部
   １６，１７を開閉可能に係止する係止装置６０及
   びワークパレツト１を180゜回転させる反転装置６
   ９を具えたことを特徴とする平面状枠体の自動熔
   接位置決め及び搬送装置。 ２ 熔接台の搬送装置３６は、ワークパレツト１
   を２位置で停止位置決めさせる特許請求の範囲第
   １項の平面状枠体の自動熔接位置決め及び搬送装
   置。 ３ ワークパレツト１にはワークの種類を示す表
   示器、熔接台３又は準備台２には検出器３０を具
   えている特許請求の範囲第１項又は第２項の平面
   状枠体の自動熔接位置決め及び搬送装置。 ４ ワークパレツト１には両側面及び上下面に
   夫々平行な基準平面１１，１２，１３，１４を具
   えている特許請求の範囲第１項乃至第３項の何れ
   かに規定する平面状枠体の自動熔接位置決め及び
   搬送装置。