JPH0356462Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、フオークリフトやシヨベルローダ等
の産業車両に係り、詳しくはトーボードの取付け
構造に関する。

（従来の技術） 第３図は従来のトーボードを示したものであ
る。図示のように、トーボード２はエンジンルー
ムに連なる前側空間、つまりトランスミツシヨン
やオイルポンプ等の収納空間の上部を覆うよう
に、左右のサイドフレーム１上に掛渡し状に配置
されるが、従来はメンテナンスのためのサービス
性を考慮し、トーボード２を簡単に取外し得るよ
うに、サイドフレーム１上に単に乗載する構造と
なつている。また、トーボード２は平面ほぼ凸状
に形成され、そして前側の狭幅部２ａがサイドフ
レームにおける前側のフエンダーカバー部３の内
壁面間に配置されて左右方向の移動を規制されて
おり、また後側の広幅部２ｂがサイドフレーム１
のほぼ中央部に形成されたステツプ部５の最上段
部に乗載されるとともに、その広幅部２ｂの前端
縁がフエンダーカバー部３の後端に当接し、かつ
後端縁がエンジンルームの左右側壁を形成してい
るサイドフレーム１の前側上端縁に当接すること
によつて前後方向の移動を規制されている。

（考案が解決しようとする問題点） ところが、上述したようにトーボードをサイド
フレーム上に単に乗載する従来構造では、サイド
フレームとトーボードとの接触面間に隙間が発生
し、その隙間を通してエンジンやトランスミツシ
ヨン等の作動音が騒音として漏出するという問題
がある。そして、サイドフレーム及びトーボード
は共に金属製であることから、両部材の接触面を
高精度の平坦状に仕上げること自体が困難な上
に、それらは使用に伴つて歪みを発生するもので
あることから、前記隙間の発生を抑えることが厄
介であつた。

そこで本考案は、以上の問題を除去し得るよう
に改良した産業車両の車体構造を提供すること
を、その目的とする。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するために、本考案はトーボー
ドの前側狭幅部が、車体を構成する左右のサイド
フレームに形成された前側フエンダーカバー部の
内壁面間に配置され、トーボードの後側広幅部
が、前記左右のサイドフレームに形成されたステ
ツプ部の最上段部間に掛渡し状に乗載される産業
車両の車体構造であつて、前記トーボードの後側
広幅部の左右裏面に、該後側広幅部の前後長さに
等しい前後長さを持つ位置決めとシールを兼用す
るほぼアングル状に形成したボードガイドを取付
け、このボードガイドを適度の剛性と柔軟性とを
併有する材質のもので形成するとともに、左右の
ボードガイドにおける垂下片部を左右のサイドフ
レーム内壁面に密接させる構成となす一方、左右
のボードガイドにおける水平片部を前記左右のス
テツプ部の上面に密接させる構成としたことを特
徴としている。

（作用） 従つて、トーボードの後側広幅部下面に取り付
けられたボードガイドは、トーボードをサイドフ
レーム上に乗載するに際してはトーボードの位置
決めとして機能し、また乗載後は左右のサイドフ
レーム内壁面及び左右のステツプ部上面に密着す
ることによりシール材として機能し騒音の漏出を
防止する。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基いて具体的に
説明する。第１図に示すように、車体を構成する
左右のサイドフレーム１間の前側上部には、従来
と同様の平面ほぼ凸状に形成されたトーボード２
が掛渡し状に乗載されており、エンジンルームに
連なるトランスミツシヨンやオイルポンプ等の収
納空間の上部を覆つている。すなわち、トーボー
ド２はその前側の狭幅部２ａがサイドフレーム２
における前側フエンダーカバー部３の内壁面であ
るインナプレート４間に配置されることによつて
左右方向の移動を規制されており、また後側の広
幅部２ｂがサイドフレーム１のほぼ中央部に形成
されたステツプ部５の最上段部に乗載されるとと
もに、その広幅部２ｂの前端縁がフエンダーカバ
ー部３の後端に当接し、かつ後端縁がエンジンル
ームの左右側壁を形成するサイドフレーム１の前
側上端縁と当接することによつて前後方向の移動
を規制されている。

トーボード２の広幅部２ｂは左右の最上段部の
ステツプ部５の外側寸法とほぼ等しい左右幅を有
しており、その左右裏面にはトーボード２の乗載
時において位置決め及びシール用として機能する
アングル状のボードガイド７が取付けられてい
る。このボードガイド７は、適度の剛性と柔軟性
とを併有する、たとえばゴムや合成樹脂等によつ
て広幅部２ｂの前後幅と等しい長さに形成されて
おり、そしてその水平片部７ａがトーボード２の
下面に、たとえば接着剤によつて固定され、その
固定に際し、左右の垂下片部７ｂの間隔が左右の
ステツプ部５の内壁面であるインナプレート６の
内法寸法と等しい位置関係となるように設定され
る。すなわち、ボードガイド７の垂下片部７ｂ
は、第２図に示すようにトーボード２の乗載時に
はインナプレート６に密接するように設けられて
いる。

本実施例は上述のように構成したものであり、
従つて、トーボード２の乗載時には、ボードガイ
ド７の左右の垂下片部７ｂがインナプレート６に
よつて案内されるように乗載することによつて規
定位置に容易に乗載することができる。一方、ト
ーボード２の乗載後はボードガイド７の水平片部
７ａがステツプ部５の最上段部上面にその前後方
向の全長にわたつて密接するとともに、垂下片部
７ｂがインナプレート６に密接することによつて
トーボード２とフレーム上面であるステツプ部５
との間の隙間を塞ぎ、エンジンやトランスミツシ
ヨンの作動音等の漏出を防止することができる。

上述の如く位置決め部材及びシール材として作
用するボードガイド７は、適度の剛性と柔軟性と
を併有することが条件となるが、これは必ずしも
単一材料によつて形成する必要はなく、たとえば
金属プレートを芯材としその両面に柔軟材料とし
てのゴムや合成樹脂シートを接着した層状構造で
あつても差支えない。また、本実施例ではトーボ
ード２を平面ほぼ凸状の場合としたが、その形状
については特に限定するものではない。

（考案の効果） 以上詳述したように、本考案は、トーボードを
車体の左右サイドフレーム上に掛渡し状に乗載す
る形式の産業車両において、前記サイドフレーム
に形成された最上段のステツプ部上面に乗載され
るトーボードの後側広幅部下面にボードガイドを
設けたことにより、トーボードを単に乗載するこ
とに原因する隙間の発生を抑えてエンジン音等の
騒音の漏出問題を解決することができるととも
に、トーボードのガタツキを防止することが可能
となり、またトーボードをフレーム上に乗載する
際（取付け時）の位置決めを容易に行うことがで
きる等の効果を奏するものである。

また、本考案のボードガイドは、断面アングル
状に形成したことにより、その水平片部がステツ
プ部上面に密接され、かつ垂直片部がサイドフレ
ーム内側面に密接されて２重にシールすることに
なり、しかもトーボードの後側広幅部の前後長さ
に等しい前後長さを有するので、ステツプ部の全
面にわたつてトーボードとステツプ部との間の隙
間を塞ぐことが可能となる。このことにより、気
密性を大きく高め得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す斜視図、第２図
は第１図の−線断面図、第３図は従来例を示
す斜視図である。 １……サイドフレーム、２……トーボード、３
……フエンダーカバー部、５……ステツプ部、７
……ボードガイド、７ａ……水平片部、７ｂ……
垂下片部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. トーボードの前側狭幅部が、車体を構成する左
   右のサイドフレームに形成された前側フエンダー
   カバー部の内壁面間に配置され、トーボードの後
   側広幅部が、前記左右のサイドフレームに形成さ
   れたステツプ部の最上段部間に掛渡し状に乗載さ
   れる産業車両の車体構造であつて、前記トーボー
   ドの後側広幅部の左右裏面に、該後側広幅部の前
   後長さに等しい前後長さを持つ位置決めとシール
   を兼用するほぼアングル状に形成したボードガイ
   ドを取付け、このボードガイドを適度の剛性と柔
   軟性とを併有する材質のもので形成するととも
   に、左右のボードガイドにおける垂下片部を左右
   のサイドフレーム内壁面に密接させる構成となす
   一方、左右のボードガイドにおける水平片部を前
   記左右のステツプ部の上面に密接させる構成とし
   た産業車両の車体構造。