JPS645605Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車の車体構造に係り、特に窓ガラ
スを車体の窓ガラス取付け開口部の窓枠に接着剤
を以て接着する自動車の車体構造の改良に関す
る。

自動車の窓ガラスを、車体の窓ガラス取付け開
口部の窓枠に、接着剤を以て接着する作業につい
て、第２図Ａ，Ｂを参照して説明する。まず、窓
ガラスＧ周縁部の裏面に、ガラスＧの端から所定
長さを離隔させて、接着作業時に接着剤４が車室
内側に食出すのを阻止するための細長いダム部材
Ｄを取付け、このダム部材Ｄとガラスの端との間
のガラス端縁部にウレタンシーラントなどの接着
剤４をビード状に盛り付ける。

次に、車体の窓ガラス取付け開口部Ｏに、窓ガ
ラスＧの端面と対向する第１壁１と、この第１壁
１から開口部Ｏ内方へ窓ガラスＧ面に平行して延
びる第２壁２とにより窓ガラスＧを受容する窓枠
を形成し、この窓枠の下側部における第１壁１と
第２壁２に跨がるように、窓ガラスＧ下端を支持
するゴム製のブロツク状ストツパ３を、その厚み
を適宜選択して配置する。

そして、このストツパ３上に前記窓ガラスＧ下
端を載置させるとともに、窓枠内に窓ガラスＧを
嵌め込み、前記接着剤４を以て第２壁２に窓ガラ
スＧを接着する。

この接着作業時に、ダム部材Ｄは第２壁２に当
接して、接着剤４が車室内側に食出すのを阻止す
るとともに、窓ガラスＧと第２壁２間の間隔を所
定寸法に維持するように機能する。

ところで、車体の窓ガラス取付け開口部Ｏに形
成される窓枠は、例えば、リヤウインドにおいて
は、窓枠の上側部がルーフパネルＲにより、窓枠
の下側部はアツパバツクパネルＢ、そして窓枠の
両側方部はクオータパネルＱによりそれぞれ形成
され、これらの複数のパネルがスポツト溶接によ
つて接合されてリヤウインドの窓枠を構成してい
る。

このように構成される窓枠においては、車体製
造技術上、窓枠の上側部と下側部において対向し
ている第１壁１間の寸法のバラツキが生ずるのは
避けられないことである。

このために、窓枠の下側部における第１壁１と
第２壁２とに跨がらせて設けられている窓ガラス
Ｇの下端を支持するブロツク状ストツパ３の厚み
を変えることによつて、窓ガラスＧが窓枠内の所
定位置に配置されて、窓ガラスＧ周縁部のダム部
材Ｄ及び接着剤４が、窓枠の上側部の第２壁２に
正確に当接及び接着されるようにしていた。

しかしながら、前記窓枠の上側部と下側部にお
いて対向している第１壁１間の寸法Ｗのバラツキ
を調整するには、数種類の厚みの異なるブロツク
状ストツパ３を製作して、上記寸法Ｗのバラツキ
に応じて数種類のストツパ３の中から適宜選択
し、その都度、最適なものに差し替えて使用しな
ければならないので、作業上の煩わしさがあつ
た。また、ストツパ３の部品管理も煩雑な作業が
あつた。

本考案は、上記従来の不都合を解消すべくなさ
れたものであつて、統一した１種類のストツパに
より前記寸法のバラツキを調整可能として、作業
性を向上させ、かつ、部品管理も簡略化できるよ
うにした自動車の車体構造を提供することを目的
とする。

本考案は、車体の窓ガラス取付け開口部に、窓
ガラスの端面と対向する第１壁と、この第１壁か
ら開口部内方へ窓ガラス面に平行して延びる第２
壁とにより窓ガラスを受容する窓枠を形成し、こ
の第１壁と第２壁に跨つて配置したブロツク状ス
トツパによつて窓ガラスの下端を支持させ、か
つ、その窓ガラスを第２壁に接着剤を以て接着し
た自動車の車体構造において、前記窓枠の下側部
における第１壁と第２壁とに跨がらせて、第２壁
よりほぼ直角に立ち上がり、かつ、窓ガラスの下
端面に向くストツパ座面部を、窓枠の下側部にお
ける前記第１壁及び第２壁の車両幅方向に沿つ
て、段差をつけて段階的に複数形成することによ
つて達成するものである。

以下本考案の実施例を図面を参照して説明す
る。なお、同実施例において、前記第２図の従来
例と同一または相当部分については第２図と同一
の符号を付すことにより説明を省略する。

第３図は本考案に係る自動車の車体構造の実施
例の要部を示す斜視図、第４図は同実施例の−
線相当部分の拡大断面図である。

この実施例は、図に示されるように、車体の窓
ガラス取付け開口部Ｏに、窓ガラスＧの端面と対
向する第１壁１と、この第１壁１から開口部Ｏ内
方へ窓ガラスＧ面に平行して延びる第２壁２とに
より窓ガラスＧを受容する窓枠を形成し、この第
１壁１と第２壁２に跨つて配置したブロツク状ス
トツパ３によつて窓ガラスＧの下端を支持させ、
かつ、その窓ガラスＧを第２壁２に接着剤４を以
て接着した自動車の車体構造において、前記窓枠
の下側部における第１壁１と第２壁２とに跨がら
せて、第２壁２よりほぼ直角に立ち上がり、か
つ、窓ガラスＧの下端面に向くストツパ座面部５
を、窓枠の下側部における前記第１壁１及び第２
壁２の車両幅方向に沿つて、段差をつけて段階的
に複数形成したものである。

すなわち、前記ストツパ座面部５は、リヤウイ
ンドの窓枠の下側部を形成するアツパバツクパネ
ルＢにプレス加工によつて打ち出し形成されたも
ので、第１壁１と第２壁２とに跨がらせて打ち出
されたストツパ座面部５は、その上端面が、第２
壁２に対してほぼ直角に立ち上がり、窓ガラスＧ
の下端面と対面するように突設されて、ストツパ
３の座面とされている。

このストツパ３の座面となる上端面は、第３図
に示すように、窓枠の下側部を形成するアツパバ
ツクパネルＢによる第１壁１及び第２壁２の長手
方向である車両幅方向、即ち窓ガラス取付け開口
部Ｏの下側部を形成する前記第１壁１及び第２壁
２の壁面に沿う方向に沿つて、段差を有する面が
段階的に連続させて設けられて、複数の座面５
１，５２，５３が形成されている。

ストツパ３は、作業者によつて選択された複数
の座面５１，５２，５３の中の一つの座面に載置
され、さらに、このストツパ３上端面に、窓ガラ
スＧの下端が載置される。

なお、ストツパ座面部５の複数の座面５１，５
２，５３は、連続させて形成した実施例を示した
が、座面を一つのみもつストツパ座面部を複数設
けて、個々の高さを段階的に変えたものであつて
もよい。

この実施例によれば、前記のようにストツパ座
面部５と窓ガラスＧ下端の間に介在させたストツ
パ３は、窓枠の上側部と下側部において対向して
いる第１壁１間の寸法Ｗのバラツキに応じて、ス
トツパ座面部５の複数の座面５１，５２，５３の
中で、最適なものへ横移動させればよいので、厚
みの異なるストツパ３の差替えが不要となり、従
つて、上記寸法Ｗのバラツキを調整する作業が簡
単となる利点がある。

また、ストツパ３の種類は、統一して１種類に
より上記寸法Ｗのバラツキの調整が可能なため、
部品管理が簡略できる。

本考案は上記のように構成したので、自動車の
窓ガラスの接着作業及び部品管理が従来に比べて
著しく簡略化することができるという効果を有す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動車の車体後部の斜視図、第２図Ａ
は自動車用窓ガラスの接着作業の説明図、第２図
Ｂは第１図の−線相当部分の拡大断面図、第
３図は本考案に係る自動車の車体構造の実施例の
要部を示す斜視図、第４図は同実施例の−線
相当部分の拡大断面図である。 Ｏ……車体の窓ガラス取付け開口部、Ｇ……窓
ガラス、１……窓ガラス端面と対向する第１壁、
２……窓ガラス面に平行して延びる第２壁、３…
…ブロツク状ストツパ、４……接着剤、５……ス
トツパ座面部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 車体の窓ガラス取付け開口部に、窓ガラスの端
   面と対向する第１壁と、この第１壁から開口部内
   方へ窓ガラス面に平行して延びる第２壁とにより
   窓ガラスを受容する窓枠を形成し、この第１壁と
   第２壁に跨つて配置したブロツク状ストツパによ
   つて窓ガラスの下端を支持させ、かつ、その窓ガ
   ラスを第２壁に接着剤を以て接着した自動車の車
   体構造において、 前記窓枠の下側部における第１壁と第２壁とに
   跨がらせて、第２壁よりほぼ直角に立ち上がり、
   かつ、窓ガラスの下端面に向くストツパ座面部
   を、窓枠の下側部における前記第１壁及び第２壁
   の車両幅方向に沿つて、段差をつけて段階的に複
   数形成したことを特徴とする自動車の車体構造。