JPH0356076Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本考案は、各種の電子機器内に抜差し自在に収
納されている回路基板を点検あるいは修理する際
に、この回路基板を電子機器のキヤビネツトの外
部に引出した状態でしかもキヤビネツト内に取付
けられた状態と同様の電気的な接続を達成するよ
うにした延長基板に関する。

【考案の概要】

本考案は、例えば延長基板を長方形のような各
組を互いに対向する辺間の距離が異なるように構
成するとともに、各組の互いに対向する辺の近傍
にそれぞれコネクタを取付け、対応するコネクタ
を配線パターンによつて接続するようにしたもの
であつて、大きさの異なる複数の種類の回路基板
の接続に用いることができるようにしたものであ
る。

【従来の技術】

電子機器内に抜差し可能に取付けられている回
路基板の点検や修理をキヤビネツト内に装着され
たままの状態で行なうためには、キヤビネツト内
に広い空間を設けなければならず、従つて電子機
器の小型化を阻害する。このような不都合を解消
するために、点検や修理のために延長基板が用い
られている。すなわちキヤビネツト内に配されて
いる回路基板を取外し、延長基板を介してキヤビ
ネツト内の回路と接続するようにしている。従つ
てキヤビネツト外に引出された回路基板を使用状
態と同じように電気的に接続して点検あるいは修
理を行なうことができるようになる。 ところが回路基板の大きさが異なる場合には、
これに応じて各種の大きさの延長基板を用意しな
ければならず、延長基板の種類が多くなる欠点が
ある。このような欠点を克服するために、最も小
さい回路基板に合わせた延長基板を用いるように
すると、大きい回路基板の修理あるいは点検の際
に、延長基板がレールによつて保持されなくなる
ために、延長基板および回路基板の保持が不安定
になる。

【考案が解決しようとする問題点】

そこで本案出願人は、実願昭59−57202号によ
つて、基板本体の端縁に対して平行でかつ端縁と
の間の距離が可変な端縁構成部材を取付けた延長
基板を提案している。このような構成によると、
各種の大きさの回路基板に対応することができ
る。しかしこのような構成によると、延長基板の
構造が複雑になつてコストの上昇を招くという欠
点がある。 本考案はこのような問題点に鑑みてなされたも
のであつて、構造が簡単で、しかも大きさの異な
る複数の種類の回路基板に使用可能な延長基板を
提供することを目的とするものである。

【問題点を解決するための手段】

本考案は、各組の互いに対向する辺間の距離を
異なるように構成するとともに、各組の互いに対
向する辺の近傍にそれぞれコネクタを取付け、対
応するコネクタを互いに配線パターンによつて接
続したものである。

【作用】

従つて本考案によれば、互いに対向する辺間の
距離に応じた大きさの異なる複数の回路基板に利
用可能な延長基板を提供することができるように
なる。

【実施例】

以下本考案を図示の一実施例につき説明する。
第１図〜第３図は本考案の一実施例に係る延長基
板１０を示すものであつて、この延長基板１０は
絶縁基板から構成されるとともに、長方形の形状
をなしており、互いに対向する短辺間の距離の方
が、長辺間の距離よりも大きくなつている。そし
てこの延長基板１０の一方の面には、その短辺側
にコネクタ１１，１２が取付けられるとともに、
これらのコネクタ１１，１２は配線パターン１３
によつて接続されている。これに対してその裏面
には、長辺に沿つて一対のコネクタ１４，１５が
取付けられるとともに、これらのコネクタ１４，
１５は配線パターン１６によつて接続されるよう
になつている。 このような延長基板１０は、第４図に示すよう
なテレビカメラの内部に設けられている回路基板
の点検修理に用いられる。テレビカメラはキヤビ
ネツト２０を備えるとともに、その前面側には光
学系２１が取付けられている。また光学系２１の
後側に位置するように、キヤビネツト２０内には
撮像管２２が取付けられている。さらに撮像管２
２の上側にはシヤーシ２３が取付けられており、
このシヤーシ２３とキヤビネツト２０の上端との
間にはレール２４，２５に摺動可能に保持された
小さな回路基板２６が取付けられている。これに
対して撮像管２２の後側には、キヤビネツト２０
の上下のレール２７，２８によつて摺動可能に支
持された大きな回路基板２９が装着されている。
これらの回路基板２６，２９は、コネクタ３０，
３１を介して、マザーボード３２に接続されるよ
うになつている。 つぎに以上のようなテレビカメラの小さな回路
基板２６および大きな回路基板２９の点検修理の
ための動作について説明する。小さな回路基板２
６の修理を行なう場合には、第５図に示すよう
に、延長基板１０を横にして上下のレール２４，
２５間に挿入し、この基板１０のコネクタ１２を
介してマザーボード３２と接続する。そしてこの
延長基板１０の先端側に、取外した回路基板２６
をコネクタ３０とコネクタ１１とを用いて接続す
る。上述の如く延長基板１０は長方形の形状をな
しており、長辺間の距離が小さく、回路基板２６
の高さと同一になつている。従つて第５図に示す
ように、小さな回路基板２６を案内する上下のレ
ール２７，２８に正しく係合させることができ、
小さな回路基板２６をキヤビネツト２０外に引出
した状態において、マザーボード３２と正しく接
続することができるようになる。 つぎに大きな回路基板２９の点検修理を行なう
場合には、第６図に示すように、延長基板１０を
縦にして用い、この延長基板１０のコネクタ１５
をコネクタ３０を介してマザーボード３２と接続
するとともに、コネクタ１４を用いて回路基板２
９のコネクタ３１と接続するようにしている。そ
してこの延長基板１０の縦方向の高さが大きな回
路基板２９の高さと等しいために、上下のレール
２７，２８に正しく係合させた状態において、大
きな回路基板２９を保持するとともに、マザーボ
ード３２と電気的に接続することが可能になる。
従つてこれにより、大きな回路基板２９の修理あ
るいは点検が可能になる。 以上本考案を図示の一実施例につき述べたが、
本考案は上記実施例によつて限定されることな
く、本考案の技術的思想に基づいて各種の変更が
可能である。例えば上記実施例に係る延長基板１
０は長方形の形状をなしているが、必ずしも長方
形の形状に限定されることなく、一部が欠落され
た不規則な形状としてもよい。また上記実施例に
おいては、延長基板１０の表面と裏面とにそれぞ
れ別々にコネクタ１１，１２、およびコネクタ１
４，１５を取付け、しかも配線パターン１３，１
６によつて接続するようにしているが、一方の面
に４つのコネクタ１１，１２，１４，１５を取付
けるとともに、互いに絶縁された状態で配線パタ
ーン１３，１６を積層して形成してもよい。

【考案の効果】

以上のように本考案は、各組の互いに対向する
辺間の距離を異なるように構成するとともに、各
組の互いに対向する辺の近傍にそれぞれコネクタ
を取付け、対応するコネクタを互いに配線パター
ンによつて接続したものである。従つて本考案に
よれば、大きさの異なる複数の種類の回路基板に
適用可能な延長基板を得ることができるととも
に、構造が簡単になるために、延長基板のコスト
を低コストに押えることができるようになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係る延長基板を示
す外観斜視図、第２図は同正面図、第３図は同背
面図、第４図はこの延長基板が用いられるテレビ
カメラの側板を取外した状態の正面図、第５図は
小さい回路基板の点検修理の状態を示す断面図、
第６図は大きく回路基板の点検修理の状態を示す
断面図である。 なお図面に用いた符号において、１０……延長
基板、１１，１２，１４，１５……コネクタ、１
３，１６……配線パターン。である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 各組の互いに対向する辺間の距離を異なるよう
   に構成するとともに、各組の互いに対向する辺の
   近傍にそれぞれコネクタを取付け、対応するコネ
   クタを互いに配線パターンによつて接続したこと
   を特徴とする延長基板。