JPH0353970Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の利用分野〕 本考案は、例えば鉄道車両用台枠床下電線ダク
トの取付金および床下電線ダクトの取付方法に係
り、特に床下艤装に関連した製作工数を大幅に低
減させるのに好適な電線ダクトの取付け構造に関
するものである。

〔考案の背景〕

従来の鉄道車両用台枠床下電線ダクトの取付金
は、特公昭47−2642号に記載のように横はり下フ
ランジ下面または床板下面に突き合わせてボルト
結合または溶接により結合する構造となつてい
た。しかし、この構造の場合、床下電線ダクトの
取付けは上向き作業のため非常に作業が困難であ
り、作業時間もかかり工数が増大するという問題
点があつた。

第１１図、第１２図および第１３図は、前記従
来技術を補足するためにその概要を示したもので
ある。図において、１は台枠、２〜７は台枠１を
形成する各部品で、２は側はり、３は横はり、４
はキーストンプレートで形成された床板、５は枕
はり、６は端はり、７は中はりである。また、８
は電線ダクト、９は電線ダクト取付金、１０は電
線である。

本構造の台枠は、側はり２、横はり３、枕はり
５、中はり７及び端はり６を溶接や機械的手段で
結合した後、台枠１の上部全面に床板４を敷き、
各はりと機械的あるいは溶接により結合する。

一方、台枠１下面に取付ける電線ダクト８は、
薄板をＵ型に塑性加工した後、この電線ダクト８
を横はり３下面に取付けるための取付金９を機械
的あるいは溶接により取付ける。次に、電線ダク
ト８内に必要な電線１０を配置した後、電線ダク
ト８全体を持上げ横はり３の下面に取付金９のフ
ランジ部を密着させボルト・ナツトで機械的に結
合していた。

このため、本取付け方法では、電線ダクト取付
け作業が上向き作業となり、さらに、電線ダクト
を持上げた状態で他の床下機器取付金や電線ダク
トと当らないようにして、横はり３と電線ダクト
取付金９の結合時のボルト・ナツト結合用穴の位
置合せを全体において一度にすることになり、作
業が非常に困難であり作業時間が増大するという
問題点があつた。

〔考案の目的〕

本考案の目的とするところは、鉄道車両の台枠
下部に設置される電線ダクトの取付け作業を容易
にして、作業工数を低減できる電線ダクトの取付
け構造を提供することにある。

〔考案の概要〕

本考案は、車体幅方向両端位置に車体長手方向
に引き通して配置させる側はりと、前記側はり間
に配置され端部を該側はりに取付け端はり、枕は
りおよび横はりをなす水平骨部材とからなる台枠
の下部に吊り下げて取付ける電線ダクトの取付け
構造において、前記水平部材の台枠下方に面した
部分に、水平方向に伸びるフランジを形成し、電
線ダクトの荷重を支持する取付金をその上端を該
電線タクト上面より上方に突出させて電線ダクト
に取付け、該取付金の上端部に水平方向に伸びた
取付部を設け、該取付部を前記水平部材のフラン
ジに載せ掛けたことを特徴としたものである。

〔考案の実施例〕

以下、本考案の実施例を第１図〜第５図により
説明する。

第１図は、本考案を鉄道車両の台枠床下に適用
した一例を示したもので、第２図は床下電線ダク
ト取付金の一例を示したものである。図におい
て、２〜４，８および１０は前記従来例と同様な
部品である。なお、前記側はり２、横はり３は電
線ダクトを支持する水平部材であつて、台枠下方
に面した部分に水平フランジを形成している。ま
た、前記水平部材としては前記側はり２、横はり
３に設置される機器支持はり等も含まれる。説明
の便宜上ここでは横梁３を例に説明する。１１は
本考案を適用した電線ダクトの取付金である。こ
の取付金１１は薄板より切出し、塑性加工により
第２図に示すように横はりに載せ掛ける水平方向
に伸びたフランジ状の取付部１１ａを内側に曲げ
て製作する。

次に、本考案を実際に適用した場合の床下電線
ダクトの取付け方法を第３図ないし第５図により
説明する。まず、台枠外において治具１２上で電
線ダクト８内に電線１０を配置し、取付金１１を
電線ダクト８にボルト・ナツトにより結合した状
態で、第３図に示すように所定の取付け位置下面
に治具１２ごと配置する。ここで、治具１２を上
昇させ横はり３の下フランジより上側に取付金１
１の取付部１１ａを位置せしめ、第４図の状態に
する。次に、矢印のように車体の前後方向に治具
１２を移動させ、横はり３の下フランジ上に取付
金１１の取付部１１ａを移動させる。最後に治具
１２を下降させ第５図の状態にする。ここにおい
て、取付金１１の取付部１１ａは横はり３の下フ
ランジにのつた状態となり、一箇所ごとにボル
ト・ナツトにより、取付穴を調整しながら横はり
３と結合すると、電線ダクト８の取付けが完了す
る。

本考案により、床下電線ダクト取付け作業は１
人ないし２人ですみ、作業時間も短縮されるの
で、床下艤装全体としての製作工数が低減でき
る。

第６図〜第１０は、本考案の取付金１１の応用
例を示したもので、第６図の取付金は、取付部１
１ｂを外側に曲げたものである。第７図の取付金
は、長細い薄板を曲げ加工により製作するもの
で、取付部１ｃはねじつて製作する。第８図は、
電線ダクト８をのせるための平板部１１ｅを設け
たもので、一枚の薄板に切込みを設けて曲げ加工
により製作するものである。第９，１０図は、取
付金の取付部１１ｆ，１１ｇを曲げることにより
剛性を増加する構造となつている。

以上は、一枚板を曲げ加工により製作した例で
あるが、溶接により組立てて製作することもでき
る。又、これらの応用例はいずれも実施例と同等
の効果がある。

本考案は、鋼製車、ステンレス車およびアルミ
ニウム車のいずれの鉄道車両にも適用可能であ
る。さらに、本考案の実施例においては横はりに
取付けるとしたが、横はりに限らず床下電線ダク
トを取付けるための継手を考案すればいずれの箇
所にも取付けることができるものである。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案によれば、鉄道車両
の台枠下部に設置される電線ダクトの取付け作業
を容易にして、作業工数を低減できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を適用した台枠の第１１図にお
けるＡ−Ａ線断面に相当する断面図、第２図は本
考案の立体図、第３〜５図は本考案による取付金
の取付け方法を示す台枠長手方向の断面図、第６
〜１０図は本考案の取付金の応用例を示す立体
図、第１１図は鉄道車両用台枠の平面図、第１２
図は第１１図のＡ−Ａ線断面図、第１３図は第１
２図のＢ−Ｂ線断面図である。 ８……電線ダクト、１１……取付金、１１ａ，
１１ｂ，１１ｃ，１１ｄ，１１ｆ，１１ｇ……取
付部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体幅方向両端位置に車体長手方向に引き通し
   て配置される側はりと、前記側はり間に配置され
   端部を該側はりに取付け少なくとも横はりをなす
   水平部材とからなる台枠の下部に吊り下げて取付
   ける電線ダクトの取付け構造において、前記水平
   部材の台枠下方に面した部分に、水平方向に伸び
   るフランジを形成し、電線ダクトの荷重を支持す
   る取付金をその上端を該電線ダクト上面より上方
   に突出させて電線ダクトに取付け、該取付金の上
   端部に水平方向に伸びた取付部を設け、該取付部
   を前記水平部材のフランジに載せ掛けたことを特
   徴とする電線ダクトの取付け構造。