JPH0352430Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、キツチン用カウンターの機能を拡充
した厨房設備に関する。

〔従来の技術〕

システムキツチンは、フロアキヤビネツト及び
その上方に設けるウオールキヤビネツトを主体と
したものがその典型であり、厨房空間の間取りに
応じた様々なパターンでのレイアウトが行えるよ
うに、各種の間口寸法が異なる製品が用意されて
いる。

そして、フロアキヤビネツトに設けるカウンタ
ーには調理用のレンジ及び洗い物作業用としてシ
ンク等を組み込み、また物品の収納のためのフロ
ア及びウオールの双方のキヤビネツトのそれぞれ
に収納空間を持たせている。

ところで、カウンターは、調理用のレンジ、洗
い物用のシンクが設けられるだけでなく、作業面
としても利用される。そして、シンクが厨房作業
の中心となることから、このシンクを基準として
その他に機器を適切に配置することが一般的であ
る。

第３図は、フロアキヤビネツトに設けるカウン
ター５０の典型的な例を示す概略平面図であり、
上記のように、カウンター５０には調理器具とし
てのクツクトツプ５１及び洗い物作業に用いるシ
ンク５２が設けられており、これらのクツクトツ
プ５１とシンク５２とは適切な距離をおいた位置
にあり、その間を作業面５３として利用する。

この作業面５３は、まな板を載せて材料を刻ん
だり又は配膳等の各種の作業に利用され、厨房作
業の中心となるクツクトツプ５１とシンク５２と
の間できわめて重要な位置を占めている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところで、厨房作業では、電気炊飯器、トース
ター、ミキサー等の各種の電気調理器具を利用す
ることが多い。これらの器具は、カウンター５０
が十分に広ければその上に載せて利用することが
できるが、間口が狭いときには作業面５３を他の
作業に利用できない。

また、これらの電気調理器具をカウンター５０
に載せて使うときには、電源用のコンセント５４
を壁面５５等に設けることで対応できる。しか
し、カウンター５０の奥行きが短く壁面５５に近
い位置に水栓５２ａを設けているので、水はねに
よつて漏電等の事故の恐れが高い。そして、調理
器具自体も水はねによつて漏れるほか、クツクト
ツプ５１にも近い位置にセツトされるため、熱に
よる影響も受ける結果となる。このように、クツ
クトツプ５１とシンク５２との間の作業面５３に
電気調理器具をセツトして使うには、漏電対策や
電気調理器具自体の保護を必要とし、実用的には
推奨できない面がある。

そこで、本考案は、電気調理器具を支障なく利
用でき厨房作業の効率向上を図ることを目的とす
る。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、以上の目的を達成するために、壁面
にカウンターの背部を衝き当て、該カウンターに
シンク及び調理器具等を手前側に偏らせて備える
と共に背部側に配膳スペースを設け、更に前記壁
面に給電用のコンセントを備えた厨房設備であつ
て、前記コンセントは、前記シンクの近傍に備え
た水栓の少なくとも背部位置を避けた壁面の中に
埋没且つ開閉可能に設けると共に、コードの差込
み口と前記壁面に一体に含まれる幕板とを相互の
向きが異なる面として備えた開閉扉式とし、前記
コンセントの最大開度のとき、前記幕板は前記水
栓を指向し且つ前記差込み口は水栓と逆向きの姿
勢に設定可能としたことを特徴とする。

〔実施例〕

以下、図面に示す実施例により本考案の特徴を
具体的に説明する。

第１図は本考案の一実施例である厨房設備のカ
ウンタの平面図である。

本実施例の厨房設備は、ステンレス板を素材と
して一体成形したカウンター６を備え、その下部
には５個の引き出し６ｂ及び化粧板（図示せず）
が設けられている。

また、カウンター６の左側部分には、クツクト
ツプ用の開口６ｄを設け、この開口６ｄを除く右
側の部分には、30mm程度の深さのプール１０を形
成している。このプール１０は、カウンター６の
前側に偏つて位置し、また、クツクトツプ用の開
口６ｄも前側に位置させている。このようなプー
ル１０及び開口６ｄの配置によつて、カウンター
６の奥側には間口の全長に亘る配膳スペース１１
が得られる。

プール１０の右側には、食器や食品の洗い物に
好適な深さを持つ第１のシンク１２が形成され、
更にその左側には間隔をおいて浅い第２のシンク
１３が設けられる。第１のシンク１２は、200mm
程度の深さを持ち、左側に偏つた位置に排水口１
２ａを設けている。一方、第２のシンク１３は、
50mm程度の深さの浅いもので、その間口寸法は第
１のシンク１２の２倍程度となつている。そし
て、この第２のシンク１３には、左右の２個所に
排水口１３ａ，１３ｂが設けられている。

これらの第１、第２のシンク１２，１３の周囲
は、カウンター６の上面から第１、第２のシンク
１２，１３にかけて１段のステツプ１４が形成さ
れており、このステツプ１４はプール１０の底面
と同じレベルに位置する。また、第１のシンク１
２の右側には、プール１０の底面レベルに水切り
部１５を設けている。この水切り部１５は表面を
波状又は緩やかな凹凸状とし、洗つた後の食器や
野菜等からの水滴を第１のシンク１２側へ導き落
とす。

更に、第１のシンク１２と第２のシンク１３と
の間には、ステツプ１４と同じレベルのスペーサ
トツプ１６を設け、その間口によつて第１のシン
ク１２と第２のシンク１３との間に適切な距離を
おいている。そして、スペーサトツプ１６の奥側
には、生ゴミ等を投入するダストボツクス１６ａ
が備えられる。このダストボツクス１６ａは、網
カゴ等を利用したものであり、スペーサトツプ１
６にはこれを収納するためのチヤンバ１６ｂを設
けておく。

また、第１のシンク１２及び第２のシンク１３
のそれぞれの奥側には、水栓等の器具を固定する
ための取付ベース１７，１８が形成される。これ
らの取付ベース１７，１８はステツプ１４と同じ
レベルであり、奥側の配膳スペース１１へ向けて
膨出している。そして、第１のシンク１２側の取
付ベース１７には、水栓取付口１７ａ及びデイス
ペンサ取付口１７ｂがそれぞれ開設され、第２の
シンク１３側の取付ベース１８にも同様に水栓取
付口１８ａを設けている。これらの各取付口１７
ａ，１７ｂ，１８ａには、水栓、デイスペンサ及
び水栓（以上図示せず）がそれぞれ取り付けられ
る。そして、配膳スペース１１の下部には蓋１１
ａ〜１１ｃ付きの容器を設け、この容器を調理用
具の収納保管やゴミの投入廃棄用として利用でき
るようにしている。

第２図は、給電用として壁面に埋め込んだコン
セントの斜視図である。

コンセントＣは、配膳スペース１１に電気炊飯
器やトースター等の電気調理器具を載せたときの
給電用として利用されるものであり、コードの差
込み口Ｃ１と幕板Ｃ２とを略90°の角度で一体化
した開閉扉式であり、第１のシンク１２に設けた
水栓１９の設置位置よりも図面で左側の壁面Ｗの
中に埋没且つ開閉可能に設けられている。そし
て、コンセントＣを閉じたときには、幕板Ｃ２が
壁面Ｗと面一状態となり、最大に開いたときに
は、図示するように幕板Ｃ２は水栓１９方向を向
き、差込み口Ｃ１は水栓１９と逆向きの姿勢とな
るようにしている。

また、このコンセントＣは、カウンター６より
も高いレベルに位置し、水栓１９からの水はねの
影響がないようにしている。

以上のように、本考案の厨房設備は、カウンタ
ー６の奥行き寸法を大きくして第１、第２のシン
ク１２，１３の奥側にステツプ１４よりも１段高
い配膳スペース１１を設けているので、カウンタ
ー６の前側部分を調理及び洗い物空間として、ま
た奥側を配膳空間とすることもできる。このた
め、特に第２シンク１３を有効に利用した機能の
充実化に加えて、調理作業を更に向上させること
ができる。つまり、第１、第２のシンク１２、１
３のそれぞれの奥側に配膳スペース１１が位置す
るので、この部分を品物のストツクヤードとして
利用できる。その結果、料理の進行に伴つて食器
等を配膳スペース１１と前側の調理及び洗い物空
間との間でやり取りを行えば、人が左右に頻繁に
移動することなく短い作業動線に沿つた効率的な
作業が可能となる。

更に、カウンター６の奥に位置する壁面Ｗには
給電用のコンセントＣを設けているので、配膳ス
ペース１１にジユーサやその他の電気調理器具を
載せて使うことができる。すなわち、配膳スペー
ス１１は、カウンター６の奥側に位置するので、
水栓１９からコンセントＣまでの距離が長くな
り、しかも、このコンセントＣは、差込み口Ｃ１
と幕板Ｃ２とを略90°の角度で一体化し、コンセ
ントＣを開いたときに幕板Ｃ２は水栓１９方向を
向き、差込み口Ｃ１は水栓１９と逆向きの姿勢と
なるようにしており、水はねによる漏電事故等の
恐れがない。このため、各種の電気調理器具を配
膳スペース１１にセツトした状態で、カウンター
６に含まれた領域での水栓を使用した調理作業が
可能となり、洗い物作業等との連係を保つた効率
的な作業が可能となる。

〔考案の効果〕

以上に説明したように、本考案の厨房設備にお
いては、シンク及び調理器具の奥側のカウンター
面に配膳スペースを設けると共に、この配膳スペ
ースにセツトした電気調理器具に給電するコンセ
ントを、水栓の背部位置を避けた壁面の中に埋没
且つ開閉可能に設け、さらにコードの差込み口と
幕板とを相互の向きが異なる面として備えた開閉
扉式とし、コンセントの最大開度のときに、幕板
を水栓を指向し、差込み口は水栓と逆向きの姿勢
となるようにしている。このため、水栓使用中で
も、電気調理機器を水はねによる漏電等を伴うこ
となく安全に使用できる。

さらに、電気調理器具をカウンターに含めた領
域で使うことができるので、シンク等を利用した
作業との連係が深くなり、システム機能を十分に
活用し効率的な作業が可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例である厨房設備のカ
ウンター部分の平面図、第２図は壁面に取り付け
たコンセント周辺の斜視図、第３図は従来のカウ
ンターを示す平面図である。 ６：カウンター、１１：配膳スペース、１２：
第１のシンク、１３：第２のシンク、Ｃ：コンセ
ント、Ｃ１：差込み口、Ｃ２：幕板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 壁面にカウンターの背部を衝き当て、該カウン
   ターにシンク及び調理器具等を手前側に偏らせて
   備えると共に背部側に配膳スペースを設け、更に
   前記壁面に給電用のコンセントを備えた厨房設備
   であつて、 前記コンセントは、前記シンクの近傍に備えた
   水栓の少なくとも背部位置を避けた壁面の中に埋
   没且つ開閉可能に設けると共に、コードの差込み
   口と前記壁面に一体に含まれる幕板とを相互の向
   きが異なる面として備えた開閉扉式とし、前記コ
   ンセントの最大開度のとき、前記幕板は前記水栓
   を指向し且つ前記差込み口は水栓と逆向きの姿勢
   に設定可能としたことを特徴とする厨房設備。