JPH0350756Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、機能性の総合的向上及び厨房内空間
の有効利用において改良が施されたシステムキツ
チンに関する。

〔従来の技術〕

近年、厨房内にフロアキヤビネツトやウオール
キヤビネツトを配列し、フロアキヤビネツト１に
流し台や調理器具等を組み込んだシステムキツチ
ンが急速に普及している。

システムキツチンにおいては、レンジ等の調理
器具を用いての調理、流し台での洗い物等の各種
作業を、厨房内の空間を適切に利用することによ
つて、作業面での機能性を向上させることが究極
の目的となつている。このような観点から、シス
テムキツチンでは、人の作業空間と機器との位置
関係が重要な設計思想の一つの要素となつてい
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところで、システムキツチンの基本的なレイア
ウトは、第６図のようにフロアキヤビネツト５０
とウオールキヤビネツト５１を壁面Ａに沿うよう
に配置するのが最適とされている。

このレイアウトにおいては、フロアキヤビネツ
ト５０上端には奥行き寸法が一定のカウンター５
２を配置し、調理の際の作業台としてこれを利用
している。また、このような基本的なレイアウト
に対して、食器の収納容量を増加する等の目的の
ためにカウンター５２とウオールキヤビネツト５
１下面間に収納棚５３を同様に壁面Ａに沿う配置
としたものもある。

しかしながら、この収納棚５３を設けることに
よつて、食器類の収納量は大きくはできるが、カ
ウンター５２の面積は収納棚５３の占有分だけ狭
くなつてしまう。特に、通常のキヤビネツトでは
カウンター５２の奥行き寸法は600mm程度であり、
収納棚５３に十分な収納容量を持たせるためにそ
の奥行き寸法は400mm程度必要とする。このため、
収納棚５３より前面のカウンター部分５４は200
mmの奥行き寸法となつてしまう。このように、カ
ウンター５２の上面にし１収納棚５３を備えるレ
イアウトでは、この収納棚５３前面のカウンター
部分５４は作業面として実用できず、人の作業範
囲に最も近いカウンター５２の縁部がデツトスペ
ースとなる。したがつて、総合的な作業性と機能
性の向上を図るというシステムキツチンの本来の
目的を損ねてしまうという問題がある。

本考案は、以上のような問題に鑑みて案出され
たもので、システムキツチンにおいて、カウンタ
ーテーブルの上面に収納棚を配置するレイアウト
であつても、カウンターの有効利用面積を確保し
てシステムキツチンとしての機能性と作業性の低
下を防ぐことを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、以上の目的を達成するために、厨房
内の壁面に沿いフロアキヤビネツトをレイアウト
したシステムキツチンにおいて、前記フロアキヤ
ビネツトの幅方向の一部を占める部分を、他のキ
ヤビネツトと同様の奥行き寸法を持つキヤビネツ
トとして厨房の内側に突き出して設け、前記フロ
アキヤビネツト及び前記キヤビネツトの上面を、
前記キヤビネツトに合わせて前面の一部を突出形
成したカウンターで覆うと共に、前記キヤビネツ
トの背部に位置する前記カウンターの下面を前記
壁面に固定した桟木で支持し、更に前記キヤビネ
ツトの間口にほぼ等しい収納棚を前記壁面側に偏
らせて前記カウンターの上に設けたことを特徴と
する。

収納棚部の前側のカウンターは、十分な面積を
確保できるように前側に突出しているので、収納
棚を配置していてもこのカウンター面を有効に利
用できる。

〔実施例〕

以下、図面に示す実施例に基づいて本考案を説
明する。

第１図は本考案に係るシステムキツチンの斜視
図である。

図において厨房の壁面Ａに沿つてフロアキヤビ
ネツト１を床Ｆ面上に配置し、その上方にはウオ
ールキヤビネツト２をレイアウトしている。フロ
アキヤビネツト１は流し台としてのシンク３、調
理器具としてのレンジ４を一体的に組み込んだ複
数のキヤビネツト群から構成され、上面には同レ
ベル上にカウンター５を取付けている。

カウンター５上面とウオールキヤビネツト２下
面間に収納棚６が配置されており、この収納棚６
が位置するカウンター５は前方に突出している。

第２図は収納棚６部分の要部断面図、第３図は
同平面図である。突出したカウンター５の間口寸
法に対応するキヤビネツト１０が、その背部に空
間Ｂを持つて左右キヤビネツト列よりも前方に位
置している。このキヤビネツト１０の前面には扉
１１を設け、その内部を収納部として利用する。
また、キヤビネツト１０を他のフロアキヤビネツ
ト１と同様な使用のものとすると、他の間口寸法
の異なるキヤビネツトと交換でき、互換性を活か
して様々にレイアウトできる。なお、カウンター
５の後端は壁面Ａに固定した桟木１２に支持され
ている。

以上の構成において、カウンター５面に収納棚
６を配置していても、この収納棚６が占有してい
る前側の領域が十分な奥行き寸法なるようにカウ
ンター５を前方に突出させているので、食器や食
品の載置面として利用できる。したがつて、収納
棚６を配置していても、フロアキヤビネツト１の
間口方向へのカウンター５面を載置面として利用
でき、作業面として不連続となることはなく、シ
ステムとしての機能を損なうことなく使用でき
る。

第４図は他の実施例を示す平面図で、これは隣
接するキヤビネツトとの連続面を斜め方向とし、
キヤビネツト１０周りの空間Ｂをキヤビネツト１
０背部と側部に画成する構成としたものである。

キヤビネツト１０の前側左右端と隣接するキヤ
ビネツト列間の化粧板２０は固定式とする他、第
５図のように開閉自在な扉２１とすることもでき
る。この扉２１を設けた場合には、キヤビネツト
１０のみではなくその周囲の空間Ｂ部分をも物品
の収納部として利用でき、空間を有効に活用でき
る。

なお、収納棚６としては、通常の開閉扉式の他
に、シヤツタユニツトを用いれば、前面に突出し
たカウンター５面に開いた扉が位置しないので、
使用しやすいという利点がある。

〔考案の効果〕

本考案のシステムキツチンにおいては、収納棚
を配置していてもカウンター面の奥行き寸法を確
保することによつて、フロアキヤビネツトの間口
方向全長に亘つて物品の載置面として利用でき
る。したがつて、システムとしての機能性及び作
業性の向上が図られる。また、フロアキヤビネツ
トの一部を他のキヤビネツトと同様の奥行き寸法
を持つキヤビネツトとして厨房の内側に突き出し
て設けているため、通常のキヤビネツトより奥行
きのある特殊構造とすることなく、所定のカウン
ター面積を確保することができ、またその互換性
を活かして様々なレイアウトも可能である。

さらに、キヤビネツトの背部に位置するカウン
ターの下面を壁面に固定した桟木で支持している
ため、壁面に偏らせて収納棚を立設しても、カウ
ンターが撓むこともない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るシステムキツチンの斜視
図、第２図は要部の断面図、第３図は同概略平面
図、第４図は他の実施例の概略平面図、第５図は
第４図の例において隣接するキヤビネツト間に扉
を設けた場合の斜視図、第６図は従来例の斜視図
である。 １：フロアキヤビネツト、２：ウオールキヤビ
ネツト、５：カウンター、６：収納棚、１０：キ
ヤビネツト、１１：扉、２０：化粧板、２１：
扉。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 厨房内の壁面Ａに沿いフロアキヤビネツト１を
   レイアウトしたシステムキツチンにおいて、 前記フロアキヤビネツト１の幅方向の一部を占
   める部分を、他のキヤビネツトと同様の奥行き寸
   法を持つキヤビネツト１０として厨房の内側に突
   き出して設け、 前記フロアキヤビネツト１及び前記キヤビネツ
   ト１０の上面を、前記キヤビネツト１０に合わせ
   て前面の一部を突出形成したカウンター５で覆う
   と共に、前記キヤビネツト１０の背部に位置する
   前記カウンター５の下面を前記壁面Ａに固定した
   桟木１２で支持し、 更に前記キヤビネツト１０の間口にほぼ等しい
   収納棚６を前記壁面Ａ側に偏らせて前記カウンタ
   ー５の上に設けたことを特徴とするシステムキツ
   チン。