JPH0343715Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は電解コンデンサに関し、さらに詳し
く言えば、その封口ゴムの改良に関するものであ
る。

〔従来例〕

電解コンデンサの金属ケースの開口部は、コン
デンサ素子を収納した後に封口ゴムにて封止され
る。その場合、封口ゴムの直径が開口部の内径よ
りも小径であれば嵌合作業が容易となるが、他方
において例えばリードを掴んで次のかしめ工程に
移送する際、金属ケースが脱落してしまう虞れが
生ずる。これを防止するには、多数の封口ゴムが
一連に形成されたシート基体から封口ゴムをポン
チング等により打抜く際に、そのー端に上記開口
部の内径よりも実質的に大径の抜きバリと称され
る鍔を形成する方法が知られている。これによれ
ば、その鍔の圧縮変形にて封口ゴムが開口部に緊
密に嵌合されるため、上記移送時に金属ケースが
脱落することはないが、これには次のような欠点
がある。すなわち、ケース内の空気の逃げる場所
がないため、所謂ポンピング現象により封口不良
を起こす虞れがあるとともに、封口ゴムを強制的
に嵌合しなければならないため、その作業性に難
がある。

そこで、実公昭47−15902号においては第４図
に例示されているように、封口ゴム１の鍔２に切
欠き３を設け、この部分よりケース内の空気を外
部に逃すようにしている。なお、４，４はリード
挿通孔である。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記従来例によれば、封口ゴム１を図示しない
金属ケースに嵌合する際、そのケース内の空気は
切欠き３から逃されるものの、鍔２が全周に形成
されていることから、依然として作業性が悪いと
いう点は解決されない。また、強制嵌合時にコン
デンサ素子に余計な機械的ストレスがかかり易
く、特性劣化をきたす虞れがある。

この考案は上記従来例の欠点に鑑みなされたも
ので、その目的は、ポンピング現象を生じさせる
ことなく、また、移送時等においてケースの脱落
を防止し得るように、ケースの開口部に作業性よ
く取付けることができる封口ゴムを提供すること
にある。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的を達成するため、この考案による封口
ゴムは、ケース開口部の内径にほぼ合致する外径
を有する円柱状の本体を備え、この本体に短軸が
その本体の直径とほぼ等しく、長軸がそれよりも
実質的に大きい楕円形の鍔を形成するようにして
いる。

〔作用〕

上記封口ゴムをケース開口部に嵌合する際、そ
のケース内の空気は同封口ゴムの短軸面とこれに
対向するケース内壁面との間から漏出するととも
に、上記鍔の圧縮変形により、封口ゴムはケース
内に強固に取付けられる。また、鍔は楕円形の長
軸方向にのみ設けられているため、ケースへの取
付けも容易に行うことができる。

〔実施例〕

以下、この考案の実施例を第１図ないし第３図
を参照しながら説明する。

第１図にはこの考案の一実施例に係る電解コン
デンサの分解斜視図が示されている。これによる
と、このコンデンサは有底円筒状をなす金属ケー
ス１０を備えており、同ケース１０内にはそれ自
体公知のコンデンサ素子１１が収納される。しか
るのち、ケース１０の開口部は封口ゴム１２によ
り封止されるのであるが、この場合、封口ゴム１
２は上記開口部の内径にほぼ合致する外径を有す
る円柱状の本体１３を備え、この本体１３の一端
には短軸１４ａが本体１３の直径とほぼ等しく、
長軸１４ｂがそれよりも実質的に大きい楕円形状
の鍔１４が形成されている。すなわち、第２図お
よび第３図によく示されているように、鍔１４は
その長軸方向において本体１３の側方に突出して
いるが、短軸方向は本体１３の側面と同一面にな
つている。なお、１５ａ，１５ｂはコンデンサ素
子１１のリード１１ａ，１１ｂを挿通するための
リード挿通孔である。

上記した構成において、封口ゴム１２はその本
体１３側からケース１０の開口部に嵌合される。
その際、ケース１０内の空気は鍔１４の短軸方向
端面部分から外部に漏出する。また、鍔１４は圧
縮変形を受けながら開口部内に押込まれ、これに
より封口ゴム１２は同開口部内に強固に嵌合され
ることになるが、この場合、鍔１４はその長軸方
向の対向する２辺が本体１３より突出しているた
め、従来の如く全周に鍔が形成されているものに
比べて容易に嵌合することができるとともに、コ
ンデンサ素子１１にも機械的ストレスがかかる虞
れも少ない。

なお、上記実施例では本体１３の一端に鍔１４
を形成しているが、場合によつては本体１３の側
面の中間部分に形成してもよい。

〔効果〕

以上説明したように、この考案によれば、ケー
ス内の空気を逃しながら、同ケースの開口部に比
較的簡単な作業にて確実に嵌合される封口ゴムを
有する電解コンデンサが提供される。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す分解斜視
図、第２図および第３図はそれぞれ第１図の−
線、−線に沿つた封口ゴムの断面図、第４
図は従来例を示す斜視図である。 図中、１０は金属ケース、１１はコンデンサ素
子、１２は封口ゴム、１３は本体、１４は鍔であ
る。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 有底円筒状の金属ケース内にコンデンサ素子
   を収納するとともに、同ケースの開口部に封口
   ゴムを嵌合してなる電解コンデンサにおいて、 上記封口ゴムは、上記開口部の内径にほぼ合
   致する外径を有する円柱状の本体を備え、該本
   体には、短軸がその本体の直径とほぼ等しく、
   長軸がそれよりも実質的に大きい楕円形の鍔が
   形成されていることを特徴とする電解コンデン
   サ。 (2) 上記鍔は上記本体の一端部に設けられている
   実用新案登録請求の範囲第１項記載の電解コン
   デンサ。 (3) 上記鍔は上記本体の中間部分に設けられてい
   る実用新案登録請求の範囲第１項記載の電解コ
   ンデンサ。 (4) 上記封口ゴムは、上記本体側から上記開口部
   内に嵌合される実用新案登録請求の範囲第２項
   記載の電解コンデンサ。