JPH0245591Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はパイプ、特にアルミ合金から成るパイ
プの先端に挿着されたハーフユニオンの移動止め
および回転止めの機能を備えさせて構成したパイ
プ端部と接続用端金具との固定構造に関するもの
である。

（従来の技術） 従来パイプ、特にアルミ合金から成るパイプの
端部にユニオンを固定設置する手段として、ユニ
オンの移動側となる外方端部にリングを挿着した
り或いはパイプの外周面に複数の膨出部を設けた
移動止め手段が講じられている。しかしながら、
この種従来ユニオンの固定手段において、ユニツ
トがパイプの軸方向への移動を阻止する機能を有
してはいても、回転方向への動きを阻止する機能
が不十分なままになつており、それ故に外部から
振動を受けた時、特に、自動車用の冷凍機に使用
した場合に、激しい振動を受けてユニオンが回転
しそして締付に緩みを生じてガス漏れあるいは液
漏れ等の事故を生じる恐れがある等の欠点があつ
た。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は上記の欠点を除去するために、ハーフ
ユニオンは締付部と反対する側へ段差を設けて段
階的に複数段に拡大された内筒部を有し、このハ
ーフユニオンの締付部に該当する部分で内周壁を
一周するローレツト目を刻設し、前記ハーフユニ
オンに挿入したパイプの挿入部をパイプの内側か
ら押圧してハーフユニオンの複数段に拡大された
内筒部へ圧着する膨出圧接部を形成すると共にロ
ーレツト目に食込み圧着せしめることによりパイ
プに対する移動止め及び回転止め機能を有せしめ
て固定設置したものである。

（問題点を解決するための手段） 以下図面によつて本考案の実施の一例を説明す
ると、ハーフユニオン１は肉厚径に成る締付部２
と反対する側へ段差を設けて段階的に複数段に拡
大された内筒部６ａを有し、前記締付部２に該当
する部分の内周壁を一周する帯状のローレツト目
３を刻設し、前記ハーフユニオン１に挿入したパ
イプ４の挿入部５をパイプ４の挿入部５の内周壁
側から所定間隔を置いた複数箇所を押圧して複数
段に拡大する内筒部６ａに膨出圧接部６を膨出さ
せ、このこれら複数の膨出圧接部６の前記ローレ
ツト目３に対応する位置でローレツト目３に食込
み圧着させて固定設置せしめることにより構成す
る。

前記ローレツト目３はあや目に形成しても良い
が平目の方が膨出圧接部６の食込みが深く十分な
固定が得られる。

また、前記膨出圧接部６はローレツト目３の巾
の両側へ僅かに食み出す程度に形成することによ
り大きい膨出巾で且極く低い膨出高さを有せしめ
てパイプ４の挿入部５が押圧力によつて損傷する
ことなく膨出圧接部６を形成せしめ、そしてこの
膨出圧接部６をローレツト目３に対して十分に食
込み圧接させて固着することができる。

（作 用） 本考案は上記のような構成であるから、ハーフ
ユニオン１にパイプ４の端部を挿入して挿入部５
を所定間隔を置いた複数箇所で内周壁側から押圧
力を加えた時に、パイプ４の挿入部５が押圧され
た部分で外周側へ膨出されてハーフユニオン１の
内筒部６ａに対応した膨出圧接部６が形成される
と共に、前記ローレツト目３はハーフユニオン１
の一番堅く形成された肉厚径に成る締付部２に設
けられているので、前記膨出圧接部６を押圧する
ときの押圧力に抗して膨出圧接部６の食込みを受
入れることができる。そしてパイプ４の挿入部５
の膨出圧接部６はハーフユニオン１のローレツト
目３に食込み圧着されて固着され、ハーフユニツ
ト１はパイプ４に対して軸方向の移動と回転方向
の動きを完全に阻止される。

（実施例） 尚、第５図乃至第７図は本考案に係る他の実施
例を示すもので、前記ハーフユニオン１の締付部
２に該当する部分で内周壁を一周する極く浅い環
状溝７を穿設すると共にこの環状溝７にローレツ
ト目３を刻設し、前記ハーフユニオン１に挿入し
たパイプ４の挿入部５を前記環状溝７に対応する
位置で挿入部５の複数箇所を内周壁側から押圧し
て複数の膨出圧接部６を形成し、この膨出圧接部
６を環状溝７に嵌合させると共にローレツト目３
に圧着せしめる。

この実施例では、環状溝７とローレツト目３に
よつて一層完全な固着を得ることができるよにし
たものであり、即ち、膨出圧接部６は環状溝７に
嵌合することによりパイプ４の軸方向の移動が更
に確実に阻止できると同時にローレツト目３によ
り回転方向の動きも確実に阻止することができる
ものである。

尚更に、第８図において、ローレツト目３は締
付部部２の開口縁に至り設けることによりローレ
ツト目３の幅を広くし、パイプ４のローレツト目
３の圧着を大きくし、パイプ４の回転方向の動き
を一層確実に阻止するようにしたものである。

（考案の効果） 従つて本考案はハーフユニオンの締付部の内周
壁を一周する帯状のローレツト目を刻設し、前記
ハーフユニオンに挿入したパイプの挿入部を前記
ローレツト目に対応する位置でパイプの内側から
押圧した膨出圧接部でローレツト目に圧着せしめ
ることにより、ハーフユニオンの移動止めと回転
止め機能を備えさせ、しかも簡単な作業で確実な
固定を得ることができる等の利点がある。

【図面の簡単な説明】

図は本考案に係るもので、第１図はパイプにハ
ーフユニオンを設置した状態で半体を断面で示す
正面図、第２図はハーフユニオンの縦断面図、第
３図は第２図のＡ−Ａ線断面図、第４図はハーフ
ユニオンのローレツト目にパイプの膨出圧接部を
圧接して示す要部拡大断面図、第５図は本考案の
他の実施例に係るハーフユニオンの縦断面図、第
６図は第５図のＢ−Ｂ線断面図、第７図はハーフ
ユニオンの環状溝に設けたローレツト目にパイプ
の膨出圧接部を圧接して示す要部拡大断面図、第
８図は更に他の実施例のハーフユニオンの縦断面
図である。 １……ハーフユニオン、２……締付部、３……
ローレツト目、４……パイプ、５……挿入部、６
……膨出圧接部、７……環状溝。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ハーフユニオンは締付部と反対する側へ段差
   を設けて段階的に複数段に拡大された内筒部を
   有し、このハーフユニオンの締付部に該当する
   部分で内周壁を一周するローレツト目を刻設
   し、前記ハーフユニオンに挿入したパイプの挿
   入部をパイプの内側から押圧してハーフユニオ
   ンの複数段に拡大された内筒部へ圧着する膨出
   圧接部を形成すると共にローレツト目に食い込
   み圧着せしめることにより構成したパイプ端部
   と接続用端金具との固定構造。 (2) ハーフユニオンは締付部と反対する側へ段差
   を設けて段階的に複数段に拡大された内筒部を
   有し、このハーフユニオンの締付部に該当する
   部分で内周壁を一周する環状溝を穿設すると共
   にこの環状溝にローレツト目を刻設し、前記ハ
   ーフユニオンに挿入したパイプの挿入部をパイ
   プの内側から押圧された膨出圧接部を形成する
   と共にローレツト目に圧着せしめて成る実用新
   案登録請求の範囲第１項記載のパイプ端部と接
   続用端金具との固定構造。 (3) ハーフユニオンの締付部に該当する部分で内
   周壁を一周して刻設したローレツト目は平目に
   成る実用新案登録請求の範囲第１項又は第２項
   記載のパイプ端部と接続用端金具との固定構
   造。 (4) ハーフユニオンの締付部に該当する部分で内
   周壁を一周して刻設したローレツト目はあや目
   に成る実用新案登録請求の範囲第１項及び第２
   項記載のパイプ端部と接続用端金具との固定構
   造。