JP2017026049A - オーバーフローチューブ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】オイルパン80に溶接された支持部材2に設けられてオイルパン80の内部と外部を連通させる連通孔23と、連通孔23の開口を封止するボルトBと、長手方向の一端31aが連通孔23の内部でボルトBに当接して位置決めされると共に、連通孔23の外部に位置する他端31bが、オイルパン80内の所定位置に配置された筒状部材3と、を有するオーバーフローチューブ1であって、筒状部材3では、長手方向の一端31a側に設けた係合部32の外周に、連通孔23の内周の雌ネジ231aに螺合する雄ネジ32aが設けられていると共に、係合部32の一端31a側に隣接して、長手方向に圧縮された際に拡径するビード加工部33が、係合部32の外径D1よりも小さい外径D2で設けられており、ビード加工部33の拡径後の外径D3を、係合部32よりも大きい外径に設定した。
【選択図】図1
Description
図4の(a)に示すように、変速機ケース100の下部に設けられたオイルパン101では、底壁部101aに、オーバーフローチューブ110が取り付けられている。
筒状部材114は、小径孔部112aの内径と整合する外径を有しており、小径孔部112aを大径孔部112b側から貫通させた先端部114aを、オイルパン101内の所定位置に配置して設けられている。
筒状部材114は、大径部115の外周の雄ネジを連通孔112の内周の雌ネジに螺合させて、支持部材111に組付けられており、大径部115が、小径孔部112aと大径孔部112bとの境界の段部112cに当接する位置まで螺入されると、筒状部材114の先端部114aが、オイルパン内の所定の高さ位置に配置されるようになっている。
そのため、オーバーフローチューブの組付け工程では、当該工程に用意された筒状部材114を、支持部材111に対して組付ける作業を行うようになっており、この組付け作業を実行する作業者は、(1)支持部材111の連通孔112(大径孔部112b)からのボルトBの取り外しと、(2)筒状部材114の大径部115の大径孔部112bへの螺入と、(3)大径孔部112bへのボルトBの螺入による連通孔112の開口の封止と、を順番に行うことで、オーバーフローチューブ110の組付けが行われるようになっている。
そこで、より簡単にオーバーフローチューブの組付けを行えるようにすることが求められている。
オイルパンに設けられた支持部材と、
前記支持部材に設けられていると共に、前記オイルパンの内部と外部を連通させる連通孔と、
前記連通孔の開口を前記オイルパンの外部から封止する封止部材と、
長手方向の一端側が、前記オイルパンの内部側から前記連通孔に挿入されて、前記一端が前記連通孔の内部で前記封止部材に当接して位置決めされると共に、前記連通孔の外部に位置する他端が、前記オイルパン内の所定位置に配置された筒状部材と、を有するオーバーフローチューブであって、
前記筒状部材では、
前記長手方向の一端側に設けた大径部の外周に、前記連通孔の内周のネジ部に螺合するネジ部が設けられていると共に、
前記大径部の前記一端側に隣接して、前記長手方向に圧縮された際に拡径するビード加工部が、前記大径部よりも小さい外径で設けられており、
前記ビード加工部の前記拡径後の外径を、前記大径部よりも大きい外径に設定した構成のオーバーフローチューブとした。
これにより、拡径したビード加工部が連通孔の内周のネジ部と干渉して、筒状部材を連通孔からオイルパンの内側に引き抜く方向への移動が規制される。
これにより、筒状部材を支持部材に対して組付ける際に、支持部材からの封止部材の取り外し作業と、支持部材への封止部材の取り付け作業とを行う必要がなく、オーバーフローチューブの組付け工程における作業工数が少なくなるので、より簡単にオーバーフローチューブの組付けを行えることになる。
よって、作業工数が少なくなった分だけ、作業コストの低減が期待できる。
図1は、実施の形態にかかるオーバーフローチューブ1を説明する図であり、(a)は、支持部材2への筒状部材3の組付けが完了した状態の断面図であり、(b)は、(a)における領域Aの拡大図であり、(c)は、支持部材2への筒状部材3の組付け前の状態を説明する図であり、(d)は、(c)における領域Bの拡大図である。
基部21の一端21aから他端21b側にオフセットした位置には、基部21の中心線X方向から見てリング状を成すフランジ部211が、基部21の外周縁の全周に亘って設けられている。
支持部材2は、フランジ部211を、オイルパン80の底壁部80aに当接させて設けられており、フランジ部211の外周縁は、全周に亘って底壁部80aに溶接されている。
図1の(a)、(b)に示すように、連通孔23は、オイルパン80の内部空間S_inに開口する小径孔部231と、オイルパン80の外部空間S_outに開口する大径孔部232とから構成されており、これら小径孔部231と大径孔部232は、基部21の中心線X上で同心に設けられている。
実施の形態では、大径孔部232の開口をボルトBで封止した際に、基部21の一端21aとボルトBの頭部B1との間にリング状のシール部材Sが把持されて、大径孔部232からのオイルの漏出がより確実に阻止されるようになっている。
このビード加工部33は、中心線X周りの周方向の全周に亘って設けられており、係合部32の外径D1よりも小さい外径D2で形成されている。
基部31を一端31aから他端31bまで貫通する貫通孔34では、ビード加工部33が設けられた領域の最大の内径Dbが、貫通孔34の他の領域の内径Daよりも大きくなっており、基部31を中心線X方向に圧縮する応力が作用すると、ビード加工部33の部分が、中心線X方向に座屈しつつ、外径が広がるようになっている。
そのため、被係合部341の断面形状と整合する外径の柱状部材T(例えば、六角レンチ)を、筒状部材3の他端31b側から挿入して被係合部341に係合させたのち、柱状部材T(図2参照)を中心線X回りに回転させると、筒状部材3を中心線X回りに回転させることができるようになっている。
そのため、柱状部材Tにより、筒状部材3を中心線X回りに回転させることで、筒状部材3の係合部32を支持部材2の小径孔部231に螺入させて、筒状部材3を支持部材2に取り付けることができるようになっている。
以下、かかる構成のオーバーフローチューブ1の組付けを説明する。
図2および図3は、オーバーフローチューブ1の組付けを説明する図である。
図2の(a)は、オイルパン80の底壁部80aに固定された支持部材2に、筒状部材3を挿入する前の状態を示す図である。
図2の(b)は、係合部32が、支持部材2の小径孔部231の上端に当接する位置まで、筒状部材3の一端31a側を、支持部材2の連通孔23に挿入した状態を示す図である。
図2の(c)は、筒状部材3の他端31b側から柱状部材Tを挿入している途中を示す図である。
図2の(d)は、柱状部材Tの係合部T1を、筒状部材3の被係合部341に係合させた状態で、筒状部材3を中心線X回りに回転させて、筒状部材3の一端31aがボルトBの軸部B2に当接する位置まで、筒状部材3の係合部32を支持部材2の小径孔部231に螺入した状態を示す図である。
図3の(b)は、(a)の状態から、筒状部材3のビード加工部33が完全に座屈するまで、筒状部材3の係合部32を支持部材2の小径孔部231に螺入した状態を示す図である。
図3の(c)は、(a)における領域Aの拡大図であり、(d)は、(b)における領域Bの拡大図であり、(e)は、変形例に係るビート加工部33Bを示した図である。
そのため、オーバーフローチューブ1の組付け工程では、当該工程に用意された筒状部材3を、支持部材2に対して組付ける作業を行うようになっており、筒状部材3は、基部31の一端31a側から、支持部材2の小径孔部231に挿入される。
この際に、支持部材2の連通孔23を封止するボルトBを、支持部材2から取り外すことなく、筒状部材3の支持部材2に対する組付けを行えるようになっている。
そのため、筒状部材3の一端31a側を、小径孔部231に挿入すると、係合部32の外周の雄ネジ32aが、小径孔部231の内周の雌ネジ231aの上端に当接する位置まで、筒状部材3の一端31a側が小径孔部231に挿入されることになる(図2の(b)参照)。
さらに、この筒状部材3の小径孔部231への挿入の際に、ビード加工部33が小径孔部231の内周(雌ネジ231a)と干渉して、この筒状部材3の小径孔部231への挿入が阻害されないようになっている。
ここで、筒状部材3を小径孔部231内に挿入させる方向の移動は、ボルトBの軸部B2に当接した筒状部材3の一端31aにより阻止されているので、筒状部材3は、剛性強度が他の部分よりも弱いビード加工部33を中心線X方向に座屈させながら移動することになる(図3の(a)、(c)参照)。
実施の形態では、座屈後のビード加工部33Aの外径D3が、係合部32の外径D1よりも広くなるように、座屈する前の中心線X方向のビード加工部33の長さL1が設定されている(図1の(d)参照)。
さらに、筒状部材3の一端31aをボルトBの軸部B2に当接させた状態で、ビード加工部33を座屈させているので、ビード加工部33Aを座屈させた後の筒状部材3のガタツキが生じないようにされている。
(1)オイルパン80に設けられた支持部材2と、
支持部材2に設けられていると共に、オイルパン80の内部と外部を連通させる連通孔23と、
連通孔23の開口をオイルパン80の外部(外部空間S_out)から封止するボルトB(封止部材)と、
長手方向の一端31a側が、オイルパン80の内部(内部空間S_in)側から連通孔23に挿入されて、一端31aが連通孔23の内部でボルトBの軸部B2に当接して位置決めされると共に、連通孔23の外部に位置する他端31bが、オイルパン80内の所定位置に配置された筒状部材3と、を有するオーバーフローチューブ1であって、
筒状部材3では、
長手方向の一端31a側に設けた係合部32(大径部)の外周に、連通孔23の内周の雌ネジ231a(ネジ部)に螺合する雄ネジ32a(ネジ部)が設けられていると共に、
係合部32の一端31a側に隣接して、長手方向に圧縮された際に拡径するビード加工部33が、係合部32の外径D1よりも小さい外径D2で設けられており、
ビード加工部33の拡径後の外径D3を、係合部32よりも大きい外径に設定した構成のオーバーフローチューブ1とした。
これにより、拡径したビード加工部33Aが連通孔23の内周の雌ネジ231aと干渉して、筒状部材3を連通孔23からオイルパン80の内側に引き抜く方向への移動が規制されるので、筒状部材3を支持部材2に対して組付ける際に、支持部材2からのボルトBの取り外し作業と、支持部材2へのボルトBの取り付け作業とを行う必要がない。
よって、オーバーフローチューブ1の組付け工程における作業工数が少なくなるので、より簡単にオーバーフローチューブ1の組付けを行えることになり、作業工数が少なくなった分だけ、作業コストの低減が期待できる。
オイルパン80の内部空間S_inに開口する小径孔部231と、オイルパン80の外部空間S_outに開口する大径孔部232と、から構成されており、
筒状部材3は、小径孔部231の内周の雌ネジ231a(ネジ部)に、係合部32の外周の雄ネジ32a(ネジ部)を螺合して設けられており、
ビード加工部33の拡径後の外径D3を、小径孔部231の内径よりも大きい外径に設定した構成とした。
よって、オーバーフローチューブ1の組付け工程における作業工数が少なくなるので、より簡単にオーバーフローチューブ1の組付けを行えることになり、作業工数が少なくなった分だけ、作業コストの低減が期待できる。
よって、より簡単にオーバーフローチューブ1の組付けを行えると共に、従来のオーバーフローチューブの場合に比べて、作業工数が少なくなるので、その分だけ、作業コストの低減が期待できる。
(4)拡径後のビード加工部33Bの外径は、大径孔部232の内径D4よりも僅かに大きい外径に設定して、座屈して拡径したビード加工部33Bを、大径孔部232の内周に圧接させる構成とした。
2 支持部材
21 基部
21a 一端
21b 他端
211 フランジ部
23 連通孔
231 小径孔部
231a 雌ネジ
232 大径孔部
232a 雌ネジ
233 段部
3 筒状部材
31 基部
31a 一端
31b 他端
32 係合部
32a 雄ネジ
33 ビード加工部
33A 座屈した(拡径した)ビード加工部
33a 起点
33b 起点
34 貫通孔
341 被係合部
80 オイルパン
80a 底壁部
100 変速機ケース
101 オイルパン
110 オーバーフローチューブ
B ボルト
B1 頭部
B2 軸部
S_in 内部空間
S_out 外部空間
S シール部材
T 柱状部材
T1 係合部
X 中心線
Claims (4)
- オイルパンに設けられた支持部材と、
前記支持部材に設けられていると共に、前記オイルパンの内部と外部を連通させる連通孔と、
前記連通孔の開口を前記オイルパンの外部から封止する封止部材と、
長手方向の一端側が、前記オイルパンの内部側から前記連通孔に挿入されて、前記一端が前記連通孔の内部で前記封止部材に当接して位置決めされると共に、前記連通孔の外部に位置する他端が、前記オイルパン内の所定位置に配置された筒状部材と、を有するオーバーフローチューブであって、
前記筒状部材では、
前記長手方向の一端側に設けた大径部の外周に、前記連通孔の内周のネジ部に螺合するネジ部が設けられていると共に、
前記大径部の前記一端側に隣接して、前記長手方向に圧縮された際に拡径するビード加工部が、前記大径部よりも小さい外径で設けられており、
前記ビード加工部の前記拡径後の外径を、前記大径部よりも大きい外径に設定したことを特徴とするオーバーフローチューブ。 - 前記連通孔は、
前記オイルパンの内部に開口する小径孔部と、前記オイルパンの外部に開口する大径孔部と、から構成されており、
前記筒状部材は、前記小径孔部の内周のネジ部に、前記大径部の外周のネジ部を螺合して設けられており、
前記ビード加工部の前記拡径後の外径を、前記小径孔部の内径よりも大きい外径に設定したことを特徴とする請求項1に記載のオーバーフローチューブ。 - 前記連通孔は、
前記オイルパンの内部に開口する小径孔部と、前記オイルパンの外部に開口する大径孔部と、から構成されており、
前記筒状部材は、前記小径孔部の内周のネジ部に、前記大径部の外周のネジ部を螺合して設けられており、
前記ビード加工部の前記拡径後の外径は、前記大径孔部の内径よりも僅かに大きい外径に設定されていることを特徴とする請求項1に記載のオーバーフローチューブ。 - 前記筒状部材の内部を前記長手方向の前記一端から前記他端まで貫通する貫通孔では、前記一端側の所定範囲の断面形状が、多角形形状を有していることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載のオーバーフローチューブ。
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