JPH0337571B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0337571B2
JPH0337571B2 JP23402683A JP23402683A JPH0337571B2 JP H0337571 B2 JPH0337571 B2 JP H0337571B2 JP 23402683 A JP23402683 A JP 23402683A JP 23402683 A JP23402683 A JP 23402683A JP H0337571 B2 JPH0337571 B2 JP H0337571B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyamide
photosensitive
acid
solution
aromatic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP23402683A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS60124624A (ja
Inventor
Tsunetomo Nakano
Hiroshi Yasuno
Itsusho Nishio
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ube Industries Ltd filed Critical Ube Industries Ltd
Priority to JP23402683A priority Critical patent/JPS60124624A/ja
Priority to US06/622,859 priority patent/US4595745A/en
Publication of JPS60124624A publication Critical patent/JPS60124624A/ja
Publication of JPH0337571B2 publication Critical patent/JPH0337571B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、有機溶媒に対する溶解性が優れた、
高分子鎖中に感光基及び光増感基を含有する高感
度の新規な芳香族ポリアミド、詳しくは、耐熱
性、電気的及び機械的性質に優れ、半導体工業に
おける固体素子への絶縁膜やパツシベーシヨン膜
の形成材料、及び半導体の集積回路や多層プリン
ト配線板などの層間絶縁材料等として好適な、有
機溶媒可溶性の感光性ポリアミドに関する。 半導体工業における固体素子への絶縁膜やパツ
シベーシヨン膜の形成材料、及び半導体集積回路
や多層プリント配線板などの層間絶縁材料は、耐
熱性及び絶縁性に富むことが要請され、また、高
密度化、高集積化の要求から感光性のある耐熱材
料が求められる。 従来より、感光性ポリアミドの報告は多数ある
が、その多くは感光基を含有しないポリアミドと
光重合性不飽和化合物(モノマー)との配合によ
るものであり、感光性が充分に高いものではなか
つた(特開昭48−89004号公報、特開昭49−74739
号公報及び特開昭56−93704号公報等参照)。ま
た、感光基を含有するポリアミドも提案されてい
る(特開昭50−8605号公報及び特開昭56−122833
号公報等参照)が、いずれも脂肪族ポリアミドで
あつて、耐熱性及び感光性が不充分なものであ
る。 また、前記のパツシベーシヨン膜等を、絶縁性
と共に耐熱性の高い種々のポリマーで形成するこ
とが種々提案されている。 しかし、一般にこれらのうち、例えば耐熱性の
ポリイミドなどを用いたものは、溶媒への溶解性
及び感光性に問題があり、溶媒可溶性であつて感
光基を含有する耐熱性ポリマーは、例えばポリイ
ミド前駆体であるポリアミツク酸又はポリアミド
イミド前駆体であるポリアミドアミツク酸のカル
ボキシル基をアミド化、エステル化などすること
によつてそこに感光基を導入して変性された形で
あり、その溶液を保存安定性に問題があり、又感
光基を導入した前駆体を光硬化時又は光硬化後に
イミド化又はポストベークしてポリイミド又はポ
リアミドイミドとする必要があり、その反応に伴
う種々の問題がある。 また、上記のような光硬化性のポリマー又は組
成物を光照射により硬化させる場合、それらの有
機溶媒溶液に光重合開始剤や増感剤を添加混合す
る必要があり、そのため有機溶媒溶液塗布後、有
機溶媒を蒸発させた時、光重合開始剤や増感剤が
ブリードするなどの弊害が生じる。 本発明者等は、上述の現状に鑑み、耐熱性、電
気的及び機械的性質に優れたレリーフパターンを
光重合開始剤や増感剤を要することなく容易に形
成し得る、感光性樹脂を提供することを目的とし
て種々検討した結果、芳香族ジカルボン酸又はそ
の酸ハロゲン化物と、感光基を含有する特定の芳
香族ジアミン化合物及びケトン基を含有する特定
のジアミン化合物との、共重縮合物からなる芳香
族ポリアミドが、優れた感光性を有し且つ有機溶
媒可溶性であり、上記目的を達成し得ることを知
見した。 即ち、本発明は、上記知見に基づきなされたも
ので、芳香族ジカルボン酸成分と、下記一般式
()で表される感光基を含有する芳香族ジアミ
ン化合物99.8〜60モル%及び下記一般式()で
表されるケトン基を含有するジアミン化合物0.2
〜40モル%からなるジアミン成分との共重縮合物
からなり、対数粘度(濃度:0.5g/N−メチル
−2−ピロリドン100ml、30℃)が、0.1〜3.0で
ある有機溶媒可溶性の感光性ポリアミドを提供す
るものである。 H2N−R1−NH2 () (但し、式中、R1は感光基を含有する芳香族
基の残基を示す。) H2N−R2−NH2 () (但し、式中、R2はケトン基を含有する有機
残基を示す。) 本発明のポリアミドは、ジアミン成分として前
記一般式()で表される感光基を含有する芳香
族ジアミン化合物及び前記一般式()で表され
るケトン基を含有するジアミン化合物を使用して
得られるもので酸成分との重縮合時に感光基及び
光増感基が高分子鎖中に導入されており、高い感
光性を有し、光透過性及び光架橋性に優れている
ため、従来の非感光性ポリマーのように画像形成
用の別のフオトレジスト(光硬化性物質)を必要
とせず、また有機溶媒に対する溶解性に優れてい
るためレリーフパターンの形成に極めて好適であ
る。 また、本発明のポリアミドは、上記の如く高分
子鎖中に光増感基が導入されているため、光硬化
時に光重合開始剤や増感剤を添加する必要がな
く、従つて、本発明のポリアミドによれば、レリ
ーフパターンの形成工程において、光重合開始剤
や増感剤のブレンドの時におこる弊害、即ち、感
光性ポリアミドの有機溶媒溶液を基板に塗布後、
有機溶媒を蒸発させた時、光重合開始剤や増感剤
がブリードするなどの欠点がなく、そのため、光
増感基が完全に効力を発揮し、高感度、高解像度
となる。また、低分子の増感剤を使用しないの
で、ポリマーの熱重量減少も少ない。 更に、本発明のポリアミドは、感光性ポリアミ
ツク酸(ポリイミド前駆体)やポリアミドアミツ
ク酸のように画像形成後イミド化工程を必要とし
ないために、工程の簡略化のみならず、素子への
熱的影響や収縮による歪や応力を与えることがな
いなどの多くの優れた効果がある。 以下に本発明の感光性ポリアミドについてその
製造法と共に詳述する。 前記共重縮合物からなる本発明の感光性ポリア
ミドの典型的な構造は、略等モルの酸成分とジア
ミン成分との共重縮合物からなり、ジアミン成分
中、前記一般式()で表される感光基を含有す
る芳香族ジアミン化合物と前記一般式()で表
されるケトン基を含有するジアミン化合物との割
合は前者99.8〜60モル%に対し後者0.2〜40モル
%、好ましくは前者99.6〜80モル%に対し後者
0.4〜20モル%である。 前記一般式()で表されるジアミン化合物が
全ジアミン成分に対して0.2モル%より少ない場
合には、得られるポリアミドは増感性、光硬化開
始性などの低下があらわれるので適当ではなく、
また、40モル%より多い場合には、得られるポリ
アミドは前記一般式()で表される芳香族ジア
ミン単位の減少により、光感度の低下がおこるの
で適当ではない。 そして、本発明の感光性ポリアミドは、次の如
き方法で製造される。 即ち、前記共重縮合物からなる本発明の感光性
ポリアミドは、芳香族ジカルボン酸成分と、前記
一般式()及び()で表される2種のジアミ
ン化合物からなるジアミン成分とを共重縮合する
ことにより得られる。 本発明の感光性ポリアミドの製造に用いられる
上記芳香族ジカルボン酸成分としては、具体的に
はテレフタル酸、イソフタル酸、4,4′−ジカル
ボキシ−ビフエニル、4,4′−ジカルボキシ−ジ
フエニルメタン、4,4′−ジカルボキシ−ジフエ
ニルエーテルなどの芳香族ジカルボン酸とそれら
の酸ハロゲン化物をあげることができる。これら
の芳香族ジカルボン酸成分のうちでも、上記芳香
族ジカルボン酸の酸ハロゲン化物、特に酸塩化物
が好ましい。 また、ジアミン成分の一つである前記一般式
()で表される芳香族ジアミン化合物としては、
R1が、感光性の炭化水素不飽和基、即ち感光基
を含有する芳香族基の残基である。芳香族ジアミ
ンであれば良く、例えば、3,5−ジアミノ安息
香酸エチルアクリル酸エステル、2,4−ジアミ
ノ安息香酸エチルアクリル酸エステル、3,5−
ジアミノ安息香酸エチルメタクリル酸エステル、
2,4−ジアミノ安息香酸エチルメタクリル酸エ
ステル、3,5−ジアミノ安息香酸グリシジルア
クリレートエステル、2,4−ジアミノ安息香酸
グリシジルアクリレートエステル、3,5−ジア
ミノ安息香酸グリシジルメタクリレートエステ
ル、2,4−ジアミノ安息香酸グリシジルメタク
リレートエステル、3,5−ジアミノ安息香酸ケ
イ皮エステル、2,4−ジアミノ安息香酸ケイ皮
エステルなどの安息香酸エステル類、3,5−ジ
アミノベンジルアクリレート、3,5−ジアミノ
ベンジルメタクリレートなどのベンジルアクリレ
ート類、4−アクリルアミド−3,4′−ジアミノ
ジフエニルエーテル、2−アクリルアミド−3,
4′−ジアミノジフエニルエーテル、4−シンナム
アミド−3,4′−ジアミノジフエニルエーテル、
3,4′−ジアクリルアミド−3′,4−ジアミノジ
フエニルエーテル、3,4′−ジシンナムアミド−
3′,4−ジアミノジフエニルエーテル、4−メチ
ル−2′−カルボキシエチルメタクリル酸エステル
−3,4′−ジアミノジフエニルエーテル〔カルボ
キシエチルメタクリル酸エステルはCH2=C
(CH3)COOCH2CH2OOC−〕、4−メチル−2′−
カルボキシエチルアクリル酸エステル−3,4′−
ジアミノジフエニルエーテル〔カルボキシエチル
アクリル酸エステルはCH2
CHCOOCH2CH2OOC−〕などのジフエニルエー
テル類、及び4,4′−ジアミノカルコン、3,
3′−ジアミノカルコン、3,4′−ジアミノカルコ
ン、3′,4−ジアミノカルコン、4′−メチル−3′,
4−ジアミノカルコン、4′−メトキシ−3′,4′−
ジアミノカルコン、3′−メチル−3,5−ジアミ
ノカルコンなどのカルコン類などをあげることが
できる。 また、もう一つのジアミン成分である前記一般
式()で表されるジアミン化合物において、
R2で示されるケトン基を含有する有機残基とし
ては、
【式】
【式】
【式】及び
【式】(但し、式中、Arは芳 香族環を示し、Rはメチル基又はエチル基を示
す)などをあげることができる。 従つて、前記一般式()で表されるジアミン
化合物としては、具体的には次のものをあげるこ
とができるが、それらに限定されない。 9,9−ビス(4−アミノフエニル)−10−ア
ンスロン、1,5−ジアミノアントラキノン、
1,4−ジアミノアントラキノン、3,3′−ジア
ミノベンゾフエノン、4′−N,N−ジメチルアミ
ノ−3,5−ジアミノベンゾフエノン、1−ジメ
チルアミノ−4−(3,5−ジアミノベンゾイル)
−ナフタレンなど。 前記一般式()で表される芳香族ジアミン化
合物は、必要に応じ2種以上併用しても良く、又
これに併用される前記一般式()で表されるジ
アミン化合物も、必要に応じ2種以上併用するこ
とが可能である。 本発明の感光性ポリアミドは、ポリアミド0.5
g/N−メチル−2−ピロリドン100mlの濃度の
溶液として30℃において測定した対数粘度が0.1
〜3.0であり、特に0.5〜2.0の範囲内にあるものが
好ましい。 本発明の感光性ポリアミドの製造について更に
詳述すると、前記共重縮合物を合成する際の前記
芳香族ジカルボン酸成分と前記一般式()及び
()で表される2種のジアミン化合物からなる
ジアミン成分との使用割合は略等モルであり、
又、前記一般式()で表される芳香族ジジアミ
ン化合物と前記一般式()で表されるジアミン
化合物との使用割合は、前述の通り、前者が99.8
〜60モル%で後者が0.2〜40モル%である。そし
て、それらの合成反応は、比較的低温下に重合反
応を行わせるのが好ましい。 即ち、有機溶媒中で100℃以下、好ましくは80
℃以下の反応温度で0.1〜48時間重合反応を行う
のが好ましく、その結果前記共重縮合物が合成さ
れ本発明のポリアミドが得られる。 上記重合反応における有機溶媒としては、例え
ばN,N−ジメチルスルホキシド、N,N−ジメ
チルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジ
エチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリド
ン、ヘキサメチレンホスホアミドなどが用いられ
る。 また、本発明のポリアミドの製造に用いられる
前記一般式()で表される芳香族ジアミン化合
物において、ジアミノジフエニルエーテル類、ジ
アミノ安息香酸エステル類及びジアミノベンジル
アクリレート類は、新規化合物であり、その合成
法には制限されないが、その好ましい合成法とし
ては次のような方法をあげることができる。 (1) ジアミノジフエニルエーテル類の合成法 (モノ又はジ)アセチルアミド−ジニトロフエ
ニルエーテルを加水分解して得られる(モノ又は
ジ)アミノ−ジニトロフエニルエーテルと、アク
リル酸クロリドなどとを反応させ、次いで反応物
を還元することによつて目的とする芳香族ジアミ
ン化合物を合成する方法をあげることができる。 (2) ジアミノ安息香酸エステル類の合成法 ジニトロ安息香酸クロリドと、ヒドロキシエチ
ルメタクリレートなどとを反応させ、次いで反応
物を還元することによつて目的とする芳香族ジア
ミン化合物を合成する方法をあげることができ
る。 (3) ジアミノベンジルアクリレート類の合成法 ジニトロベンジルアルコールと、アクリル酸ク
ロリドなどとを反応させ、次いで反応物を還元す
ることによつて目的とする芳香族ジアミン化合物
を合成する方法をあげることができる。 また、本発明のポリアミドの製造に用いられる
前記一般式()で表されるジアミン化合物のう
ちR2で示される有機残基が
【式】である化合物も、新規 化合物であり、その合成法には制限されないが、
その好ましい合成法としては、先ずジニトロ塩化
ベンゾイルとアニリンとを反応させてジニトロベ
ンズアニリドを合成し、次ぎにこれと
【式】〔Ar及びRは前記一般式()に おける場合と同じ〕とオキシ塩化リンとを反応さ
せ、得られる反応物に濃塩酸を加えることによつ
【式】を合成し、次い でこれを還元することによつて目的とするジアミ
ン化合物を合成する方法をあげることができる。 而して、本発明の感光性ポリアミドは、レリー
フパターンの形成材料として使用する場合、有機
溶媒に溶解された溶液として用いられる。この有
機溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル
−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ヘキ
サメチレンホスホアミドなどをあげることがで
き、感光性ポリアミド溶液の好ましい濃度は5〜
30%である。 本発明の感光性ポリアミドは高分子鎖中に光増
感基を有し、増感効果があるので、上記の感光性
ポリアミド溶液には増感剤や光重合開始剤を添加
する必要はないが、それらも必要に応じ添加する
ことができ、また、N,N−ジメチルアミノ安息
香酸エチルやN,N−ジメチルアミノアントラニ
ル酸メチルなどの増感助剤を添加することにより
更に増感効果を高めることができる。 また、上記の感光性ポリアミド溶液に、必要に
応じ、エチレン性不飽和基を有する光により重合
可能な化合物を添加させることができる。かかる
化合物としては、エチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)
アクリレート、トルメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、テトラメチロールメタンテト
ラ(メタ)アクリレート、N,N′−メチレンビ
ス(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、1,3,5−トリアクリ
ロイルヘキサヒドロ−S−トリアジン、トリス
(ヒドロキシエチルアクリロイル)イソシアヌレ
ートなどをあげることができる。 本発明の感光性ポリアミドによれば、上記の如
く感光性ポリアミド溶液を調整することにより次
のようにしてレリーフパターンを形成することが
できる。 即ち、先ず、上記の感光性ポリアミド溶液を基
板に塗布し、これを乾燥して有機溶媒を除去す
る。基板への塗布は、例えば回転塗布機で行うこ
とができる。塗布膜の乾燥は150℃以下、好まし
くは100℃以下で行う。この際減圧はしてもしな
くてもよい。乾燥後、塗布膜にネガ型のフオトマ
スクチヤートを置き、紫外線、可視光線、電子
線、X線などの活性光線を照射する。次いで未露
光の部分を現像液で洗い流すことによりポリアミ
ドのレリーフパターンを得る。上記の現像液とし
ては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−
ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、
N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチレンホ
スホアミド、ジグライムなどの溶剤又は該溶剤と
メタノール、エタノールとの混合系を用いること
ができる。 上述の如く、本発明の感光性ポリアミドは、酸
モノマー成分が芳香族ジカルボン酸又はその酸ハ
ロゲン化物で、ジアミンモノマー成分が前記一般
式()で表される芳香族ジアミン化合物及び前
記一般式()で表されるジアミン化合物であ
る、共重縮合物で、高分子鎖中に感光基(光重合
可能な不飽和結合を有する基)及び光増感基を有
しており、且つ有機溶媒に対する溶解性が優れて
おり、そのため、光化学的手段によつてレリーフ
パターンを容易に形成することができ、且つレリ
ーフパターンを形成する場合、本発明のポリアミ
ドは、高い感光性を有し、光透過性及び光架橋性
に優れているため、従来の非感光性の、ポリイミ
ドやポリアミドのように、画像形成用の別の光硬
化性物質を特に必要としない。また、高分子鎖中
に光増感基が導入されているため、光重合開始剤
や増感剤を添加する必要がないので、感光性ポリ
アミドの有機溶媒溶液を基板に塗布後、有機溶媒
を蒸発させた時、光重合開始剤や増感剤がブリー
ドするなどの欠点がなく、そのため、光増感基が
完全に効力を発揮し、高感度、高解像度となり、
また、低分子の増感剤を使用しないのでポリマー
の熱重量減少も少なくなる。更に、感光性ポリア
ミツク酸(ポリイミド前駆体)やポリアミドアミ
ツク酸のように画像形成後イミド化工程を必要と
しないため、工程の簡略化のみならず、素子への
熱的影響や収縮による歪や応力を与えることがな
いなどの多くの優れた効果がある。しかも、本発
明の感光性ポリアミドにより形成したレリーフパ
ターンは、耐熱性、絶縁性などの電気的性質、及
び熱衝撃性などの機械的性質に優れ、且つ基板へ
の接着性が良好なものであり、半導体工業におけ
る固体素子の絶縁膜やパツシベーシヨン膜として
有効であるばかりでなく、ハイブリツド回路やプ
リント回路の多層配線構造の絶縁膜やソルダーレ
ジストとして用いることができる。また、本発明
の感光性ポリアミドは、光透過性及び光架橋性に
優れているために厚さが数10μの厚みのある膜を
形成することができるので、レリーフパターンの
形成と同時に絶縁層も形成でき、また、凸版印刷
用のレリーフパターン形成用としても用いること
ができる。 以下に、本発明の感光性ポリアミドの製造に用
いられるジアミン化合物の合成例、本発明の感光
性ポリアミドの製造を示す実施例及び本発明の感
光性ポリアミドの効果を示す種々の物性試験及び
その結果を挙げる。 合成例 1 3,5−ジアミノ安息香酸エチルメタクリル酸
エステルの合成 第一工程 3,5−ジニトロ安息香酸エチルメタクリル酸
エステルの合成 2−ヒドロキシエチルメタクリレート29.6gと
ピリジン18.1gをTHF(テトラヒドロフラン)
200mlに溶解した溶液に、3,5−ジニトロ安息
香酸クロリド50gをTHF150mlに溶解した溶液を
滴下ロートから5〜6℃で滴下して1時間で加え
た。滴下後、更に10〜15℃で1時間撹拌した。そ
の後、ブフナーロートを用いて析出したピリジン
塩酸塩を濾別し、濾液を濃縮した後、水中に注ぎ
込み白黄色の沈澱物を析出させた。 得られた沈澱物をデカンテーシヨンにより数回
洗浄後、真空中で乾燥し、3,5−ジニトロ安息
香酸エチルメタクリル酸エステル60gを得た。 第二工程 3,5−ジニトロ安息香酸エチルメタクリル酸
エステルの還元 第一工程で得られた3,5−ジニトロ安息香酸
エチルメタクリル酸エステル5gを酢酸36mlに溶
解した溶液を、鉄粉27gを水15ml/酢酸35mlに懸
濁させた溶液に反応温度が25℃±3℃に保持され
るように撹拌しながら2〜4mlずつ加えた。約20
分間で添加を終え、更に10分間撹拌した。 その後、ブフナーロートを用いて、過剰の鉄分
を分離した濾液に氷を入れて約0℃とした後、ア
ンモニア水でPHを8付近にし、酢酸エチルを用い
て抽出し、水洗乾燥後、酢酸エチルを除去し、粗
目的物11.2g(収率67.5%)を得た。この粗目的
物の精製はカラムクロマトグラフイーにより行つ
た。即ち、65mmφのカラムにワコーゲル(C−
200)200gを充填し、酢酸エチルとベンゼンの
1:1の混合溶媒を展開溶媒として分離し、目的
物7.8gを得た。 融点 88〜89℃ 元素分析値 (C13H16N2O4として) C H N 実測値(%) 59.36 6.08 10.49 計算値(%) 59.08 6.10 10.60 又、上記目的物について、赤外吸収スペクトル
及びH−NMRスペクトルを測定し、目的物であ
ることを確認した。 合成例 2 3,5−ジアミノベンジルアクリレートの合成 第一工程 3,5−ジニトロベンジルアルコールのアクリ
ロイル化 3,5−ジニトロベンジルアルコール40gを
THF400mlに溶解した溶液に、トリエチルアミン
40.4gを加え、更にこの溶液に撹拌しながら3〜
4℃でアクリル酸クロリド20gのTHF200ml溶液
を40分間で滴下して加えた。滴下終了後、更に1
時間撹拌した。その後、この溶液をブフナーロー
トを用いて濾過し、濾液をエバポレータで減圧下
THFを除き、濃縮液を2.5の水中に注ぎ込み生
成物を析出させ、これを濾集し、乾燥し、粗ジニ
トロ化物46gを得た。 得られた粗ジニトロ化物をカラムクロマトグラ
フイー(カラム65mmφ、ワコーゲルC−200 300
g、展開溶媒ベンゼン/酢酸エチル=1vol/
1vol)により精製し、薄黄白色結晶の3,5−ジ
ニトロベンジルアクリレート42.8g(収率84%)
を得た。 第二工程 3,5−ジニトロベンジルアクリレートの還元 第一工程で得られた3,5−ジニトロベンジル
アクリレート20gを酢酸140gに溶解した溶液を、
鉄粉140gを酢酸70g/水70gに懸濁させた溶液
に撹拌しながら20〜25℃で少量ずつ加え反応させ
た。 反応後、濾過し、過剰の鉄粉を除去した後、濾
液をアンモニア水で中和し、酢酸エチル2.3で
抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで一夜乾
燥した後、酢酸エチル層を20〜40mlに濃縮した。
得られた濃縮液をカラムクロマトグラフイー(カ
ラム50mmφ、シリカゲル ワコーゲルC−200
150g、展開溶媒ベンゼン/酢酸エチル=3vol/
2vol)により精製し、白色結晶の目的物10.5g
(収率68.9%)を得た。 元素分析値 (C10H12N2O2として) C H N 実測値(%) 62.24 6.46 14.58 計算値(%) 65.49 6.29 14.57 又、上記目的物について、赤外吸収スペクトル
及びH−NMRスペクトルを測定し、目的物であ
ることを確認した。 合成例 3 4′−N,N−ジメチルアミノ−3,5−ジアミ
ノベンゾフエノンの合成 第一工程 3,5−ジニトロベンズアニリドの合成 アニリン71gに3,5−ジニトロ塩化ベンゾイ
ル22.3gを撹拌しながら粉末のまま加えた。50℃
まで発熱があり、黄橙色のペースト状となつた。
更に10分間撹拌後、反応液を1の水中に注ぎ込
み、濃塩酸(35%)で酸性にすると白色沈澱を生
じた。これを濾過乾燥し、3,5−ジニトロベン
ズアニリド23.58g(84.6%)を得た。 第二工程 4′−N,N−ジメチルアミノ−3,5−ジニト
ロベンゾフエノンの合成 3,5−ジニトロベンズアニリド23gにN,N
−ジメチルアニリン66.3gとオキシ塩化リン33.8
gを加え120〜130℃で4時間反応させた。黒緑色
の高粘稠液体の反応物が得られた。この反応物を
濃塩酸200mlの1.5水溶液に撹拌しながら加える
と発熱があり、初めタール状であつたが、撹拌す
るとしだいに緑色粉末となつた。これを40〜50℃
で1時間撹拌し、一夜放置した後濾過した。濾集
物を5%の塩酸水溶液200ml中に入れ50〜60℃で
1時間で洗い濾過し、濾集物を更に濃塩酸150ml
に加え40〜50℃で溶解し、不溶分を濾別し、濾液
を冷却後水酸化ナトリウム80gの1.5水溶液を
氷冷した溶液中に注ぎ込むと、黄緑色の沈澱物
11.4g(45.8%)を得た。 この沈澱物の精製はカラムクロマトグラフイー
により行つた。即ち、50mmφ×500mlのクロマト
管にワコーゲル(C−200)200gを充填し、ベン
ゼンを展開溶媒として分離し、黄橙色の針状結晶
の4′−N,N−ジメチルアミノ−3,5−ジニト
ロベンゾフエノン9.5gを得た。 第三工程 4′−N,N−ジメチルアミノ−3,5−ジニト
ロベンゾフエノンの還元 第二工程で得られた4′−N,N−ジメチルアミ
ノ−3,5−ジニトロベンゾフエノン9.5gを塩
化第1スズ43.9g、濃塩酸120ml及び酢酸36mlか
らなる溶液中に撹拌しながら室温で粉末のまま30
〜40分間で加え反応させた。 更に、90℃で3時間反応を続けた後、室温に戻
し、反応液を23%のアンモニア水200mlの1.5水
溶液を氷冷した溶液中に注ぎ込むと白色懸濁液と
なつた。この白色懸濁液を酢酸エチルで抽出し、
酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、酢
酸エチルをエバポレータで除去し、微黄色の鱗片
状結晶の目的物7.3g(還元収率94.4%)を得た。 融点 164〜165℃ 元素分析値 (C15H17N3Oとして) C H N 実測値(%) 70.90 6.72 16.58 計算値(%) 70.56 6.71 16.46 又、上記目的物について、赤外吸収スペクトル
及びH−NMRスペクトルを測定し、目的物であ
ることを確認した。 実施例 1 テレフタル酸ジクロライドと3,5−ジアミノ
安息香酸エチルメタクリル酸エステル及び4′−
N,N−ジメチルアミノ−3,5−ジアミノベ
ンゾフエノンとのポリアミド 三口フラスコに乾燥窒素を通じてフラスコ内を
置換した後、塩化リチウム0.25gと3,5−ジア
ミノ安息香酸エチルメタクリル酸エステル4.757
g及び4′−N,N−ジメチルアミノ−3,5−ジ
アミノベンゾフエノン0.51gを入れ、これにN−
メチル−2−ピロリドン(NMP)40mlを加え溶
解した。溶解後、0℃で撹拌しながらテレフタル
酸ジクロライド4.061gを加え、そのまま0.5時間
反応させ、次いで室温で0.5時間反応させた。 反応後NMP75mlを加えた反応溶液をメタノー
ル1と水1の混合液に加えポリアミドを析出
させた。析出物を濾集し乾燥し、白色のポリアミ
ド粉末8.36gを得た。 実施例2及び3 実施例1における3,5−ジアミノ安息香酸エ
チルメタクリル酸エステル及び4′−N,N−ジメ
チルアミノ−3,5−ジアミノベンゾフエノン
を、下記表1に示すジアミン成分に代えた以外は
実施例1と同様にしてポリアミドを得た。
【表】 物性試験 上記実施例1〜3で得たポリアミドについて下
記(1)〜(5)の物性試験を行い下記表2に示す結果を
得た。 (1) ポリアミドの粘度 ポリアミド0.5g/NMP100mlの濃度のポリア
ミド溶液を30℃で対数粘度を測定した。 (2) ポリアミドの成膜性 厚さ約10μのポリアミドフイルムをガラス板上
に作成し、これを水に浸して剥離し、180゜に折り
曲げ、クラツクのない場合を〇、クラツクありを
Δ、製膜時にクラツクの生じるものを×とした。 (3) ポリアミドのNMPに対する溶解性 常温においてNMPに対するポリアミドの溶解
度(wt%)を測定した。 (4) 熱分解開始温度 理学電気(株)製差動熱天秤TG−DSCにより、重
量減の開始温度を測定した。 (5) 光硬化特性 ポリアミドのNMP10%溶液にミヒラーズケト
ン6phrを添加した溶液をガラス板上に回転塗布
機(2000〜5000rpm)を用いて塗布し、圧力1〜
2mmHgの減圧下、50℃で5時間乾燥して数μの
厚さ(表2参照)の薄膜を作成し、この薄膜につ
いて下記の光感度及び解像力の試験に供した。 光感度 上記薄膜を、超高圧水銀灯(ジエツトライト
2kW)を用いて、照度7.2mW/cm2(350mμ)で
照射して光硬化させ、光硬化する迄の光照射量
(J/cm2)を測定した。 解像力 上記薄膜についてテストチヤートとして凸版印
刷(株)製ネガ型テストチヤート(トツパンテストチ
ヤートN、最小線巾0.98±0.25μ)を用いてレリ
ーフパターンを形成し、パターンの良否を判定し
た。
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 芳香族ジカルボン酸成分と、下記一般式
    ()で表される感光基を含有する芳香族ジアミ
    ン化合物99.8〜60モル%及び下記一般式()で
    表されるケトン基を含有するジアミン化合物0.2
    〜40モル%からなるジアミン成分との共重縮合物
    からなり、対数粘度(濃度:0.5g/N−メチル
    −2−ピロリドン100ml、30℃)が0.1〜3.0であ
    る有機溶媒可溶性の感光性ポリアミド。 H2N−R1−NH2 () (但し、式中、R1は感光基を有する芳香族基
    の残基を示す。) H2N−R2−NH2 () (但し、式中、R2はケトン基を有する有機残
    基を示す。)
JP23402683A 1983-06-27 1983-12-12 有機溶媒可溶性の感光性ポリアミド Granted JPS60124624A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23402683A JPS60124624A (ja) 1983-12-12 1983-12-12 有機溶媒可溶性の感光性ポリアミド
US06/622,859 US4595745A (en) 1983-06-27 1984-06-21 Organic solvent-soluble photosensitive polyamide resin

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23402683A JPS60124624A (ja) 1983-12-12 1983-12-12 有機溶媒可溶性の感光性ポリアミド

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS60124624A JPS60124624A (ja) 1985-07-03
JPH0337571B2 true JPH0337571B2 (ja) 1991-06-06

Family

ID=16964391

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23402683A Granted JPS60124624A (ja) 1983-06-27 1983-12-12 有機溶媒可溶性の感光性ポリアミド

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS60124624A (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPS60124624A (ja) 1985-07-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4595745A (en) Organic solvent-soluble photosensitive polyamide resin
JPS59220729A (ja) 有機溶媒可溶性の感光性ポリイミド
JPH0225378B2 (ja)
US4673773A (en) Multilayer printed circuit board
JPS59108031A (ja) 感光性ポリイミド
JPH0231103B2 (ja)
JPS606729A (ja) 有機溶媒に可溶性の感光性ポリイミド
JPH0526187B2 (ja)
JPH0531132B2 (ja)
JPH0646302B2 (ja) 耐熱感光性重合体組成物
US4316974A (en) Polymers for use in heat resistant photoresist composition and process for preparing the same
KR890004138B1 (ko) 감광성 폴리이미드 선구 물질 조성물
JPH0315929B2 (ja)
JPH0337571B2 (ja)
JPS60178446A (ja) 有機溶媒可溶性の感光材料
JP3579533B2 (ja) 感光性樹脂組成物
JP4013098B2 (ja) 感光性ポリイミド前駆体組成物及びこれを用いたパターンの製造方法
JPS6116970B2 (ja)
JPH0259170B2 (ja)
JPS61238809A (ja) 感光性ポリイミドの樹脂液組成物
JP2542041B2 (ja) 芳香族ポリアミド樹脂およびその製造法およびこれを用いた耐熱性感光材料
JPH0219103B2 (ja)
JPS606728A (ja) 有機溶媒可溶性の感光性ポリアミドイミド
JPH0344107B2 (ja)
JPH037656B2 (ja)