JPH0315929B2 - - Google Patents

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JPH0315929B2
JPH0315929B2 JP58115432A JP11543283A JPH0315929B2 JP H0315929 B2 JPH0315929 B2 JP H0315929B2 JP 58115432 A JP58115432 A JP 58115432A JP 11543283 A JP11543283 A JP 11543283A JP H0315929 B2 JPH0315929 B2 JP H0315929B2
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JP
Japan
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photosensitive
polyamide
aromatic
acid
aromatic diamine
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JP58115432A
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JPS606725A (ja
Inventor
Tsunetomo Nakano
Hiroshi Yasuno
Itsusho Nishio
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Publication date
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Priority to US06/622,859 priority patent/US4595745A/en
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  • Polyamides (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、有機溶媒に対する溶解性が優れた、
高分子主鎖中に感光基を含有する新規な芳香族ポ
リアミド、詳しくは、耐熱性、電気的及び機械的
性質に優れ、半導体工業における固体素子への絶
縁膜やパツシベーシヨン膜の形成材料、及び半導
体の集積回路や多層プリント配線板などの層間絶
縁材料等として好適な、有機溶媒可溶性の感光性
ポリアミドに関する。 半導体工業における固体素子への絶縁膜やパツ
シベーシヨン膜の形成材料、及び半導体集積回路
や多層プリント配線板などの層間絶縁材料は、耐
熱性及び絶縁性に富むことが要請され、また、高
密度化、高集積化の要求から感光性のある耐熱材
料が求められる。 従来より、感光性ポリアミドの報告は多数ある
が、その多くは感光基を含有しないポリアミドと
光重合性不飽和化合物(モノマー)との配合によ
るものであり、感光性が充分に高いものではなか
つた(特開昭48−89004号公報、特開昭49−74739
号公報及び特開昭56−93704号公報等参照)。ま
た、感光基を含有するポリアミドも提案されてい
る(特開昭50−8605号公報及び特開昭56−122833
号公報等参照)が、いずれも脂肪族ポリアミドで
あつて、耐熱性及び感光性が不充分なものであ
る。 また、前記のパツシベーシヨン膜等を、絶縁性
と共に耐熱性の高い種々のポリマーで形成するこ
とが種々提案されている。 しかし、一般にこれらのうち、例えば耐熱性の
ポリイミドなどを用いたものは、溶媒への溶解性
及び感光性に問題があり、溶媒可溶性であつて感
光基を含有する耐熱性ポリマーは、例えばポリイ
ミド前駆体であるポリアミツク酸又はポリアミド
イミド前駆体であるポリアミドアミツク酸のカル
ボキシル基をアミド化、エステル化などすること
によつてそこに感光基を導入して変性された形で
あり、その溶液の保存安定性に問題があり、又感
光基を導入した前駆体を光硬化時又は光硬化後に
イミド化又はポストベークしてポリイミド又はポ
リアミドイミドとする必要があり、その反応に伴
う種々の問題がある。 本発明者等は、上述の現状に鑑み、耐熱性、電
気的及び機械的性質に優れたレリーフパターンを
容易に形成し得る、感光性樹脂を提供することを
目的として種々検討した結果、芳香族ジカルボン
酸又はその酸ハロゲン化物と、感光基を含有する
特定の芳香族ジアミン化合物との、重縮合物から
なる芳香族ポリアミドが優れた感光性を有し且つ
有機溶媒可溶性であり、上記目的を達成し得るこ
とを知見した。 即ち、本発明は、上記知見に基づきなされたも
ので、芳香族ジカルボン酸成分と、下記一般式
()で表される感光基を含有する芳香族ジアミン
化合物100〜10モル%及び下記一般式()で表さ
れる感光基を含有しない芳香族ジアミン化合物0
〜90モル%からなる、上記酸成分と略等モルのジ
アミン成分との、重縮合物又は共重縮合物からな
り、該重縮合物又は該共重縮合物は、その対数粘
度(濃度;0.5g/100ml溶媒、溶媒;N−メチル
−2−ピロリドン、測定温度;30℃)が0.1〜1.5
の範囲内である、有機溶媒可溶性の感光性ポリア
ミドを提供するものである。 H2N−R1−NH2 () (但し、式中、R1は炭化水素不飽和基を有する
感光基を含有する芳香族ジアミン化合物からアミ
ノ基を除いた2価の芳香族残基を示す。) H2N−R2−NH2 () (但し、式中、R2は炭化水素不飽和基を有する
感光基を含有しない芳香族ジアミン化合物からア
ミノ基を除いた2価の芳香族残基を示す。) 本発明のポリアミドは、ジアミン成分として前
記一般式()で表される感光基を含有する芳香族
ジアミン化合物を使用して得られるもので酸成分
との重縮合時に感光基がポリマー主鎖に多数導入
されており、高い感光性を有し、光透過性及び光
架橋性に優れているため、従来の非感光性ポリマ
ーのように画像形成用の別のフオトレジスト(光
硬化性物質)を必要とせず、また有機溶媒に対す
る溶解性に優れているためレリーフパターンの形
成に極めて好適である。 また、本発明のポリアミドは、感光性ポリアミ
ツク酸(ポリイミド前駆体)やポリアミドアミツ
ク酸のように画像形成後イミド化工程を必要とし
ないために、工程の簡略化のみならず、素子への
熱的影響や収縮による歪や応力を与えることがな
いなどの多くの優れた効果がある。 以下に本発明の感光性ポリアミドについてその
製造法と共に詳述する。 前記重縮合物(共重縮合物)からなる本発明の
感光性ポリアミドの典型的な構造は、略等モルの
酸成分とジアミン成分との重縮合物(共重縮合
物)からなり、ジアミン成分中、前記一般式()
で表される感光基を含有する芳香族ジアミン化合
物と前記一般式()で表される感光基を含有しな
い芳香族ジアミン化合物との割合は前者100〜10
モル%に対し後者0〜90モル%、好ましくは前者
100〜60モル%に対し後者0〜40モル%である。
従つて、本発明の感光性ポリアミドは、下記の式
()で示される反復単位100〜10%及び下記の式
()で示される反復単位0〜90%からなる可溶性
の感光性芳香族ポリアミドであるということもで
きる。 〔−N−OC−R−CO−N−R1〕− () 〔−N−OC−R−CO−N−R2〕− () (Rは芳香族ジカルボン酸化合物からカルボキシ
ル基を除いた2価の芳香族残基である。R1及び
R2は、前述の説明の通りである。) 前記一般式()で表される芳香族ジアミン化合
物の共重縮合効果はポリアミドの熱的性質を向上
させるのに役立つが、全ジアミン成分中の割合が
上記範囲を超えると感光基濃度が下がり光感度が
低下するので適当ではない。 そして、本発明の感光性ポリアミドは、次の如
き方法で製造される。 即ち、前記重縮合物又は共重縮合物からなる本
発明の感光性ポリアミドは、芳香族ジカルボン酸
成分と、前記一般式()及び()で表される2種
の芳香族ジアミン化合物からなるジアミン成分と
を重縮合又は共重縮合することにより得られる
〔重縮合物を得る場合には、ジアミン成分として
は前記一般式()で表される芳香族ジアミン化合
物のみを用いる〕。 本発明の感光性ポリアミドの製造に用いられる
上記芳香族ジカルボン酸成分としては、具体的に
はテレフタル酸、イソフタル酸、4,4′−ジカル
ボキシ−ビフエニル、4,4′−ジカルボキシ−ジ
フエニルメタン、4,4′−ジカルボキシ−ジフエ
ニルエーテルなどの芳香族ジカルボン酸とそれら
の酸ハロゲン化物をあげることができる。これら
の芳香族ジカルボン酸成分のうちでも、上記芳香
族ジカルボン酸の酸ハロゲン化物、特に酸塩化物
が好ましい。 また、ジアミン成分の一つである前記一般式
()で表される芳香族ジアミン化合物としては、
感光性の炭化水素不飽和基を有する芳香族ジアミ
ンであれば良く、例えば、3,5−ジアミノ安息
香酸エチルアクリル酸エステル、2,4−ジアミ
ノ安息香酸エチルアクリル酸エステル、3,5−
ジアミノ安息香酸エチルメタクリル酸エステル、
2,4−ジアミノ安息香酸エチルメタクリル酸エ
ステル、3,5−ジアミノ安息香酸グリシジルア
クリレートエステル、2,4−ジアミノ安息香酸
グリシジルアクリレートエステル、3,5−ジア
ミノ安息香酸グリシジルメタクリレートエステ
ル、2,4−ジアミノ安息香酸グリシジルメタク
リレートエステル、3,5−ジアミノ安息香酸ケ
イ皮エステル、2,4−ジアミノ安息香酸ケイ皮
エステルなどの安息香酸エステル類、3,5−ジ
アミノベンジルアクリレート、3,5−ジアミノ
ベンジルメタクリレートなどのベンジルアクリレ
ート類、4−アクリルアミド−3,4′−ジアミノ
ジフエニルエーテル、2−アクリルアミド−3,
4′−ジアミノジフエニルエーテル、4−シンナム
アミド−3,4′−ジアミノジフエニルエーテル、
3,4′−ジアクリルアミド−3′,4−ジアミノジ
フエニルエーテル、3,4′−ジシンナムアミド−
3′,4−ジアミノジフエニルエーテル、4−メチ
ル−2′−カルボキシエチルメタクリル酸エステル
−3,4′−ジアミノジフエニルエーテル〔カルボ
キシエチルメタクリル酸エステルはCH2=C
(CH3)COOCH2CH2OOC−〕、4−メチル−2′−
カルボキシエチルアクリル酸エステル−3,4′−
ジアミノジフエニルエーテル〔カルボキシエチル
アクリル酸エステルはCH2
CHCOOCH2CH2OOC−〕などのジフエニルエー
テル類、及び4,4′−ジアミノカルコン、3,
3′−ジアミノカルコン、3,4′−ジアミノカルコ
ン、3′,4−ジアミノカルコン、4′−メチル−3′,
4−ジアミノカルコン、4′−メトキシ−3′,4−
ジアミノカルコン、3′−メチル−3,5−ジアミ
ノカルコンなどのカルコン類などをあげることが
できる。 また、もう一つのジアミン成分である前記一般
式()で表される芳香族ジアミン化合物として
は、具体的にはパラフエニレンジアミン、メタフ
エニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、
4,4′−ジアミノジフエニルエーテル、4,4′−
ジアミノジフエニルメタン、o−トリジン、1,
4−ビス(4−アミノフエノキシ)ベンゼン、
2,2−ビス(4−アミノフエノキシフエニル)
プロパン、o−トリジンスルホンなどをあげるこ
とができる。 前記一般式()で表される芳香族ジアミン化合
物は、必要に応じ2種以上併用しても良く、又こ
れに併用される前記一般式()で表される芳香族
ジアミン化合物も、必要に応じ2種以上併用する
ことが可能である。 本発明の感光性ポリアミドは、ポリアミド0.5
g/N−メチル−2−ピロリドン100mlの濃度の
溶液として30℃において測定した対数粘度が0.1
〜1.5好ましくは0.2〜1.0の範囲内にあるものであ
る。尚、対数粘度は、ポリマーの分子量と相関す
る値である。 本発明の感光性ポリアミドの製造について更に
詳述すると、前記重縮合物(共重縮合物)を合成
する際の前記芳香族ジカルボン酸成分と前記一般
式()及び()で表される2種の芳香族ジアミン
化合物からなるジアミン成分との使用割合は略等
モルであり、又、前記一般式()で表される芳香
族ジアミン化合物と前記一般式()で表される芳
香族ジアミン化合物との使用割合は、前述の通
り、前者が100〜10モル%で後者が0〜90モル%
である。そして、それらの合成反応は、比較的低
温下に重合反応を行わせるのが好ましい。 即ち、有機溶媒中で100℃以下、好ましくは80
℃以下の反応温度で0.1〜48時間重合反応を行う
のが好ましく、その結果前記共重縮合物が合成さ
れ本発明のポリアミドが得られる。 上記重合反応における有機溶媒としては、例え
ばN,N−ジメチルスルホキシド、N,N−ジメ
チルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジ
エチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリド
ン、ヘキサメチレンホスホアミドなどを用いられ
る。 また、本発明のポリアミドの製造に用いられる
前記一般式()で表される芳香族ジアミン化合物
において、ジアミノジフエニルエーテル類、ジア
ミノ安息香酸エステル類及びジアミノベンジルア
クリレート類は、新規化合物であり、その合成法
には制限されないが、その好ましい合成法として
は次のような方法をあげることができる。 (1) ジアミノジフエニルエーテル類の合成法 (モノ又はジ)アセチルアミド−ジニトロフ
エニルエーテルを加水分解して得られる(モノ
又はジ)アミノ−ジニトロフエニルエーテル
と、アクリル酸クロリドなどとを反応させ、次
いで反応物を還元することによつて目的とする
芳香族ジアミン化合物を合成する方法をあげる
ことができる。 (2) ジアミノ安息香酸エステル類の合成法 ジニトロ安息香酸クロリドと、ヒドロキシエ
チルメタクリレートなどとを反応させ、次いで
反応物を還元することによつて目的とする芳香
族ジアミン化合物を合成する方法をあげること
ができる。 (3) ジアミノベンジルアクリレート類の合成法 ジニトロベンジルアルコールと、アクリル酸
クロリドなどとを反応させ、次いで反応物を還
元することによつて目的とする芳香族ジアミン
化合物を合成する方法をあげることができる。 而して、本発明の感光性ポリアミドは、レリー
フパターンの形成材料として使用する場合、有機
溶媒に溶解された溶液として用いられる。この有
機溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル
−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ヘキ
サメチレンホスホアミドなどをあげることがで
き、感光性ポリアミド溶液の好ましい濃度は5〜
30%である。 また、上記の感光性ポリアミド溶液に、必要に
応じ、増感剤及び光重合開始剤やエチレン性不飽
和基を有する光により重合可能な化合物を添加さ
せることができる。 上記増感剤及び光重合開始剤としては、ミヒラ
ーズケトン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエー
テル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイ
ソプロピルエーテル、2−t−ブチルアントラキ
ノン、1,2−ベンゾ−9,10−アントラキノ
ン、4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフエ
ノン、アセトフエノン、ベンゾフエノン、チオキ
サントン、1,5−アセナフテンなどをあげるこ
とができ、またその添加量は感光性ポリアミド
100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましい。 また、上記エチレン性不飽和基を有する光によ
り重合可能な化合物としては、エチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、トルメチロールプロ
パントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロー
ルメタンテトラ(メタ)アクリレート、N,
N′−メチレンビス(メタ)アクリレート、ジエ
チルアミノエチル(メタ)アクリレート、1,
3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−S−ト
リアジン、トリス(ヒドロキシエチルアクリロイ
ル)イソシアヌレートなどをあげることができ
る。 本発明の感光性ポリアミドによれば、上記の如
く感光性ポリアミド溶液を調整することにより次
のようにしてレリーフパターンを形成することが
できる。 即ち、先ず、上記の感光性ポリアミド溶液を基
板に塗布し、これを乾燥して有機溶媒を除去す
る。基板への塗布は、例えば回転塗布機で行うこ
とができる。塗布膜の乾燥は150℃以下、好まし
くは100℃以下で行う。この際減圧はしてもしな
くてもよい。乾燥後、塗布膜にネガ型のフオトマ
スクチヤートを置き、紫外線、可視光線、電子
線、X線などの活性光線を照射する。次いで未露
光の部分を現像液で洗い流すことによりポリアミ
ドのレリーフパターンを得る。上記の現像液とし
ては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−
ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、
N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチレンホ
スホアミド、ジグライムなどの溶剤又は該溶剤と
メタノール、エタノールとの混合系を用いること
ができる。 上述の如く、本発明の感光性ポリアミドは、高
分子主鎖中に感光基(光重合可能な不飽和結合を
有する基)を有し、且つ酸モノマー成分が芳香族
ジカルボン酸又はその酸ハロゲン化物で、ジアミ
ンモノマー成分が前記一般式()で表される芳香
族ジアミン化合物及び前記一般式()で表される
芳香族ジアミン化合物である共重縮合物〔又は前
記一般式()で表される芳香族ジアミン化合物を
用いない場合は重縮合物〕であり、有機溶媒に対
する溶解性が優れており、そのため、光化学的手
段によつてレリーフパターンを容易に形成するこ
とができ、且つレリーフパターンを形成する場
合、本発明のポリアミドは、高い感光性を有し、
光透過性及び光架橋性に優れているため、従来の
非感光性の、ポリイミドやポリアミドのように、
画像形成用の別の光硬化性物質を特に必要とせ
ず、また、感光性ポリアミツク酸(ポリイミド前
駆体)やポリアミドアミツク酸のように画像形成
後イミド化工程を必要としないため、工程の簡略
化のみならず、素子への熱的影響や収縮による歪
や応力を与えることがないなどの多くの優れた効
果がある。しかも、本発明の感光性ポリアミドに
より形成したレリーフパターンは、耐熱性、電気
的及び機械的性質に優れたものであり、半導体工
業における固体素子の絶縁体膜やパツシベーシヨ
ン膜として有効であるばかりでなく、ハイブリツ
ド回路やプリント回路の多層配線構造の絶縁膜や
ソルダーレジストとして用いることができる。ま
た、本発明の感光性ポリアミドは、光透過性及び
光架橋性に優れているために厚みのある膜を形成
することができるので、凸版印刷用のレリーフパ
ターン形成用としても用いることができる。 以下に、本発明の感光性ポリアミドの製造に用
いられる芳香族ジアミン化合物の合成例、本発明
の感光性ポリアミドの製造を示す実施例及び本発
明の感光性ポリアミドの効果を示す種々の物性試
験及びその結果を挙げる。 合成例 1 3,5−ジアミノ安息香酸エチルメタクリル酸
エステルの合成 第一工程 3,5−ジニトロ安息香酸エチルメタクリル酸
エステルの合成 2−ヒドロキシエチルメタクリレート29.6gと
ピリジン18.1gをTHF(テトラヒドロフラン)
200mlに溶解した溶液に、3,5−ジニトロ安息
香酸クロリド50gをTHF150mlに溶解した溶液を
滴下ロートから5〜6℃で滴下して1時間で加え
た。滴下後、更に10〜15℃で1時間撹拌した。そ
の後、ブフナーロートを用いて析出したピリジン
塩酸塩を濾別し、濾液を濃縮した後、水中に注ぎ
込み白黄色の沈澱物を析出させた。 得られた沈澱物をデカンテーシヨンにより数回
洗浄後、真空中で乾燥し、3,5−ジニトロ安息
香酸エチルメタクリル酸エステル60gを得た。 第二工程 3,5−ジニトロ安息香酸エチルメタクリル酸
エステルの還元 第一工程で得られた3,5−ジニトロ安息香酸
エチルメタクリル酸エステル5gを酢酸36mlに溶
解した溶液を、鉄粉27gを水15ml/酢酸35mlに懸
濁させた溶液に反応温度が25℃±3℃に保持され
るように撹拌しながら2〜4mlずつ加えた。約20
分間で添加を終え、更に10分間撹拌した。 その後、ブフナーロートを用いて、過剰の鉄分
を分離した濾液に氷を入れて約0℃とした後、ア
ンモニア水でPHを8付近にし、酢酸エチルを用い
て抽出し、水洗乾燥後、酢酸エチルを除去し、粗
目的例11.2g(収率67.5%)を得た。この粗目的
物の精製はカラムクロマトグラフイーにより行つ
た。即ち、65mmφのカラムにワコーゲル(C−
200)200gを充填し、酢酸エチルとベンゼンの
1:1の混合溶媒を展開溶媒として分離し、目的
物7.8gを得た。 融点 88〜89℃ 元素分析値 (C13H16N2O4として) C H N 実測値(%) 59.36 6.08 10.49 計算値(%) 59.08 6.10 10.60 又、上記目的物について、赤外吸収スペクトル
及びH−NMRスペクトルを測定し、目的物であ
ることを確認した。 合成法 2 3,5−ジアミノベンジルアクリレートの合成 第一工程 3,5−ジニトロベンジルアルコールのアクリ
ロイル化 3,5−ジニトロベンジルアルコール40gを
THF400mlに溶解した溶液に、トリエチルアミン
40.4gを加え、更にこの溶液に撹拌しながら3〜
4℃でアクリル酸クロリド20gのTHF200ml溶液
を40分間で滴下して加えた。滴下終了後、更に1
時間撹拌した。その後、この溶液をブフナーロー
トを用いて濾過し、濾液をエバポレータで減圧下
THFを除き、濃縮液を2.5の水中に注ぎ込み生
成物を析出させ、これを濾集し、乾燥し、粗ジニ
トロ化物46gを得た。 得られた粗ジニトロ化物をカラムクロマトグラ
フイー(カラム65mmφ、ワコーゲルC−200300
g、展開溶媒ベンゼン/酢酸エチル=1vol/
1vol)により精製し、薄黄白色結晶の3,5−ジ
ニトロベンジルアクリレート42.8g(収率84%)
を得た。 第二工程 3,5−ジニトロベンジルアクリレートの還元 第一工程で得られた3,5−ジニトロベンジル
アクリレート20gを酢酸140gに溶解した溶液を、
鉄粉140gを酢酸70g/水70gに懸濁させた溶液
に撹拌しながら20〜25℃で少量ずつ加え反応させ
た。 反応後、濾過し、過剰の鉄粉を除去した後、濾
液をアンモニア水で中和し、酢酸エチル2.3で
抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで一夜乾
燥した後、酢酸エチル層を20〜40mlに濃縮した。
得られた濃縮液をカラムクロマトグラフイー(カ
ラム50mmφ、シリカゲル、ワコーゲルC−200
150g、展開溶媒ベンゼン/酢酸エチル=3vol/
2vol)により精製し、白色結晶の目的物10.5g
(収率68.9%)を得た。 元素分析値 (C10H12N2O2として) C H N 実測値(%) 62.24 6.46 14.58 計算値(%) 65.49 6.29 14.57 又、上記目的物について、赤外吸収スペクトル
及びH−NMRスペクトルを測定し、目的物であ
ることを確認した。 合成例 3 4−アクリルアミド−3,4′−ジアミノジフエ
ニルエーテルの合成 第一工程 4−アセチルアミド−3,4′−ジニトロジフエ
ニルエーテルの加水分解 4−アセチルアミド−3,4′−ジニトロジフエ
ニルエーテル60g(0.19モル)にクライゼンアル
カリ300ml(105gの水酸化カリウムを75mlの水に
とかした後メタノールで300mlとしたもの)を加
え溶解した後70℃で10分間加温し、次いで1000ml
の水を加え、赤橙色の結晶を析出させた。 結晶を濾集し、減圧下乾燥し、4−アミノ−
3,4′−ジニトロジフエニルエーテル51.2g(収
率98%)を得た。 第二工程 4−アミノ−3,4′−ジニトロジフエニルエー
テルのアクリル化 第一工程で得られた4−アミノ−3,4′−ジニ
トロジフエニルエーテル50g(0.18モル)を
THF800mlとピリジン86g(1.08ml)とからなる
混合液に溶解した溶液に、アクリル酸クロリド66
g(0.72モル)をTHF200mlに溶解した溶液を室
温で滴下して1時間半で加えた。その時温度が24
℃から35℃まで上昇した。40〜45℃で更に1時間
反応させた後、室温に戻し、反応液を濾液した。
濾液を約50mlまで濃縮後、アンモニア水(5%)
3の氷水中に注ぎ込み結晶を析出させた。結晶
を濾集し室温で減圧乾燥した。 得られた結晶をシリカゲルクロマトグラフイー
(ワコーゲルC−200 200g、展開溶媒ベンゼン)
により精製し、4−アクリルアミド−3,4′−ジ
ニトロジフエニルエーテル32.6g(収率55%)の
黄色結晶を得た。 第三工程 4−アクリルアミド−3,4′−ジニトロジフエ
ニルエーテルの還元 第二工程で得られた4−アクリルアミド−3,
4′−ジニトロジフエニルエーテル16g(0.05モ
ル)を酢酸60gに溶解した溶液を、鉄粉27gを水
15g/酢酸15gに懸濁させた溶液に撹拌しながら
少量ずつ加えた。その時発熱があり、水冷し、50
℃付近で反応させた。 反応後、アンモニア水(25%)200mlの氷水中
に注ぎ込みアルカリ性とした後、更に水を600ml
加え、エーテル−酢酸エチル(3:1)で抽出
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を除去
し、目的物8g(収率60%)を得た。 融点 105〜106℃ 元素分析値 (C15H15N3O2として) C H N 実測値(%) 66.46 5.71 15.60 計算値(%) 66.90 5.61 15.60 又、上記目的物について、赤外吸収スペクトル
及びH−NMRスペクトルを測定し、目的物であ
ることを確認した。 実施例 1 テレフタル酸ジクロライドと3,5−ジアミノ
安息香酸エチルメタクリル酸エステルとのポリア
ミド 三口フラスコに乾燥窒素を通じてフラスコ内を
置換した後、塩化リチウム0.05gと3,5−ジア
ミノ安息香酸エチルメタクリル酸エステル0.5386
gを入れ、これにN−メチル−2−ピロリドン
(NMR)4.0mlを加え溶解した。溶解後、0℃で
撹拌しながらテレフタル酸ジクロライド0.406g
を加え、そのまま0.5時間反応させ、次いで50℃
で3時間反応させた。 反応後NMP15mlを加えた反応溶液をメタノー
ル100mlと水100mlの混合液に加えポリアミドを析
出させた。析出物を濾集し乾燥し、白色のポリア
ミド粉末0.78を得た。 実施例 2〜5 実施例1におけるテレフタル酸ジクロライド及
び3,5−ジアミノ安息香酸エチルメタクリル酸
エステルを、それぞれ下記表1に示す酸成分及び
ジアミン成分に代えた以外は実施例1と同様にし
てポリアミドを得た。
【表】 物性試験 上記実施例1〜5で得たポリアミドについて下
記(1)〜〜(5)の物性試験を行い下記表2に示す結果
を得た。 (1) ポリアミドの粘度 ポリアミド0.5/NMP100mlの濃度のポリア
ミド溶液を30℃で対数粘度を測定した。 (2) ポリアミドの成膜性 厚さ約10μのポリアミドフイルムをガラス板
上に作成し、これを水に浸して剥離し、180゜に
折り曲げ、クラツクのない場合を〇、クラツク
ありを△、製膜時にクラツクの生じるものを×
とした。 (3) ポリアミドのNMPに対する溶解性 常温においてNMPに対するポリアミドの溶
解度(wt%)を測定した。 (4) 熱分解開始温度 理学電気(株)製差動熱天秤TG−DSCにより、
重量減の開始温度を測定した。 (5) 光硬化特性 ポリアミドのNMP10%溶液にミヒラーズケ
トン6phrを添加した溶液をガラス板上に回転
塗布機(2000〜5000rpm)を用いて塗布し、圧
力1〜2mmHgの減圧下、50℃で5時間乾燥し
て数μの厚さ(表2参照)の薄膜を作成し、こ
の薄膜について下記の光感度及び解像力の試験
に供した。 光感度 上記薄膜を、超高圧水銀灯(ジエツトライ
ト2kW)を用いて、照度7.2mW/cm2
(350mμ)で照射して光硬化させ、光硬化す
る迄の光照射量(J/cm2)を測定した。 解像力 上記薄膜についてテストチヤートとして凸
版印刷(株)製ネガ型テストチヤート(トツパン
テストチヤートN、最小線巾0.98±0.25μ)
を用いてレリーフパターンを形成し、パター
ンの良否を判定した。
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 芳香族ジカルボン酸成分と、下記一般式()
    で表される感光基を含有する芳香族ジアミン化合
    物100〜10モル%及び下記一般式()で表される
    感光基を含有しない芳香族ジアミン化合物0〜90
    モル%からなる、上記酸成分と略等モルのジアミ
    ン成分との、重縮合物又は共重縮合物からなり、
    該重縮合物又は該共重縮合物は、その対数粘度
    (濃度;0.5g/100ml溶媒)、溶媒;N−メチル−
    2−ピロリドン、測定温度;30℃)が0.1〜1.5の
    範囲内である、有機溶媒可溶性の感光性ポリアミ
    ド。 H2N−R1−NH2 () (但し、式中、R1は炭化水素不飽和基を有する
    感光基を含有する芳香族ジアミン化合物からアミ
    ノ基を除いた2価の芳香族残基を示す。) H2N−R2−NH2 () (但し、式中、R2は炭化水素不飽和基を有する
    感光基を含有しない芳香族ジアミン化合物からア
    ミノ基を除いた2価の芳香族残基を示す。)
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US4397999A (en) * 1979-08-21 1983-08-09 Siemens Aktiengesellschaft Polyimidazole and polyimidazopyrrolone precursor stages and the preparation thereof

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