JPH033400B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は、例えばプリント基板の製造機械等
から連続的に送り出されるプリント基板を、ラツ
クの上面に所定間隔おきに形成された多数の基板
収納溝に供給して、起立状態で収納保持させるた
めのラツク収納装置に関するものである。

（従来の技術） 従来、プリント基板の製造機械等においては、
そこから送り出されるプリント基板をラツク上の
基板収納溝内に手作業で順次収納するのが一般的
であつた。そのために、ラツクに対するプリント
基板の収納作業に多くの手数を要して、プリント
基板の製造機械等全体としての自動化や省力化に
大きな障害となつていた。

このような不具合を解消するために、ラツクを
支持して間欠的に移送するコンベアの側方に基板
供給機構を設け、その機構によりラツクの収納溝
内にその側方からプリント基板を挿入するように
構成したものが、従来より提案されている。

また、例えば特開昭55−98051号公報には、プ
リント基板をラツクの溝内に自動的に投入するよ
うにした「印刷配線板の受取装置」が提案されて
いる。この「受取装置」は、上記公報の特許請求
の範囲の記載からすると、 「印刷配線板を搬送する第１の搬送手段と、こ
の搬送手段の下方に配設され、ラツクを搬送する
第２の搬送手段と、上記第１の搬送手段の端部近
傍から上記第２の搬送手段の上面近傍に所望角度
をもつて配設され、少なくとも下部付近に傾動可
能な傾動体を備えたスライド板と、このスライド
板の傾動体を動作させる駆動機構と、上記スライ
ド板に案内されて滑動した印刷配線板が上記第２
の搬送手段上のラツクの溝に当接した時点を検出
し、かつその検出信号に基づいて上記駆動機構を
動作させる検出・作動機構とを具備したことを特
徴とする印刷配線板の受取装置」 であるが、この装置によつてラツクに収納される
前のプリント基板は「スライド板」上を「滑動」
するようにされたものである。

（発明が解決しようとする問題点） ところが、これらの従来構成においては、プリ
ント基板がラツクの収納溝内に挿入される際に、
あるいはスライド基板上を滑動する際に、基板の
端縁あるいは配線が形成されている面が収納溝の
底部またはスライド板上に摺接するため、それら
の摺接面が摩耗して切粉が発生し、その切粉がプ
リント基板の表面に付着して、基板の性能に悪影
響を及ぼすという問題点があつた。特に、プリン
ト基板がスライド板上を滑動すると、重要な構成
である配線パターンに傷をつけるという問題が生
ずるのである。

又、前記の従来構成では、ラツクの移送方向に
対してプリント基板の供給方向が直交するため、
ラツク用コンベアや基板供給機構の配置に広いス
ペースを必要として、ライン設計が煩雑になると
いう問題点があつた。

（問題点を解決するための手段） この発明は、前記のような問題点に着目してな
されたものであつて、これを解決するために採つ
た手段は、実施例において使用する符号を付して
説明すると、 上面に多数の基板収納溝６を有するラツク５を
支持して、収納溝と直交する方向へその溝配列ピ
ツチずつ間欠的に移送するラツク用コンベア２
と、そのラツク用コンベア２の上方に配置され、
プリント基板１９をほぼ水平状態で支持してラツ
ク５上に順次移送する基板用コンベア１６と、そ
の基板用コンベア１６の終端部に対応して間欠回
転可能に配置され、終端部に移送されるプリント
基板１９の絶縁を把持して、ラツク５上所定の収
納溝６内に受渡すための受渡部材２０と、を備え
たプリント基板のラツク収納装置において、 受渡部材２０を、ラツク用コンベア２の両側に
て下端がこれよりも低くなるように配置した左右
一対の回転板２４と、これらの各回転板２４の外
周に等間隔に固定されて基板用コンベア１６上の
プリント基板１９の前端に向けて開口する把持溝
２５ａを有した把持片２５と、各回転板２４を間
欠的に駆動する駆動機構とにより構成したことを
特徴とするプリント基板のラツク収納装置。

従つて、この発明の収納装置においては、ラツ
ク用コンベアによりラツクが収納溝の配列ピツチ
ずつ間欠的に移送されるとともに、基板用コンベ
アによりそのラツク上にプリント基板が順次移送
供給され、受取部材の間欠回転によりプリント基
板が基板用コンベア上からラツクの収納溝内に上
方より順次受渡し収納される。

以下、図面に示す実施例に従つてこの発明を詳
細に説明する。

さて、この実施例の収納装置においては、機体
１内にベルトコンベアよりなるラツク用コンベア
２か配置され、モータ３の回転によりベルと４等
を介して回転駆動されるようになつている。そし
て、このラツク用コンベア２上にラツク５を支持
して、そのラツク５の上面に所定間隔おきで形成
された多数の基板収納溝６と直交する方向へ、こ
の溝配列ピツチずつ間欠的に移送するようになつ
ている。前記ラツク用コンベア２と対応するよう
に機体１内にはローラコンベアよりなる供給用コ
ンベア７が配設され、モータ８の回転によりベル
ト９等を介して回転駆動されて、ラツク５をラツ
ク用コンベア２上へ供給するようになつている。

前記供給用コンベア７と対応して側方へ延びる
ように機体１内には一対の案内ロツド１０が架設
され、機体１上に設けられた供給枠体１１に沿つ
て供給されるラツク５を受け止めて、供給用コン
ベア７上へ導くようになつている。案内ロツド１
０の下方には移送用コンベア１２が配設され、モ
ータ１３によりベルト１４等を介して回転駆動さ
れて、移送用コンベア１２上の駆動突片１５によ
り案内ロツド１０上のラツク５を供給用コンベア
７側へ移動させるようになつている。

前記ラツク用コンベア２及び供給用コンベア７
の上方において機体１内にはローラコンベアより
なる基板用コンベア１６が配設され、モータ１７
によりベルト１８等を介して回転駆動されるよう
になつている。そして、この基板用コンベア１６
上にプリント基板１９をほぼ水平状態で支持し
て、前記ラツク用コンベア２に支持されているラ
ツク５上に順次移送するようになつている。

前記基板用コンベア１５の終端部に対応して機
体１内には受渡部材２０が間欠回転可能に配設さ
れ、モータ２１の回転によりギヤー２２，２３等
を介して所定角度（実施例では120゜）ずつ間欠回
転されるようになつている。これらのモータ２
１、ギヤー２２，２３及び図示しない光学センサ
等は、後述の回転板２４を間欠的に回転させるた
めの駆動機構を構成しているものである。又、こ
の受渡部材２０は両側に位置する一対の回転板２
４とその外周に所定間隔おきで固定された３個の
把持片２５とより構成され、各把持片２５にはプ
リント基板１９の端縁を嵌合把持するための把持
溝２５ａ及びその嵌合を案内するためのテーパ部
２５ｂが形成されている。そして、前記基板用コ
ンベア１６の終端部に移送されるプリント基板１
９を受渡部材２０の把持片２５にて把持して、そ
の受渡部材２０の回転に伴い水平状態から起立さ
せ、ラツク５上の所定の基板収納溝６内に上方よ
り嵌挿収納するようになつている。

（作用） 次に、前記のように構成されたプリント基板の
ラツク収納装置について作用を説明する さて、この装置において、プリント基板１９を
収納するためのラツク５は、第２図に示す供給枠
体１１から案内ロツド１０上に供給され、移動用
コンベア１２の作動により供給用コンベア７上に
移動された後、その供給用コンベア７の作動によ
り第１図に示すラツク用コンベア２上に供給され
る。又、基板製造機械等から送り出されるプリン
ト基板１９は、基板用コンベア１６に支持されて
ラツク用コンベア２上のラツク５に移送される。

そして、第１，３図に示すように基板用コンベ
ア１６にて移送されるプリント基板１９の端縁が
受渡部材２０の把持片２５に嵌合すると、図示し
ない光学センサ等の検出動作に基づきモータ２１
が回転されて、受渡部材２０が第１，３図の反時
計方向に120゜回転される。その回転に伴い把持片
２５に把持されているプリント基板１９が水平状
態から徐々に起立され、第３図に示すように把持
片２５がラツク５の上面より下方へ移動されるこ
とにより、その把持片２５上のプリント基板１９
がラツク５上の所定の基板収納溝６内に上方より
嵌挿して起立状態で収納保持される。そして、こ
のプリント基板１９の受渡動作の完了後、図示し
ない光学センサ等の検出動作に基づきモータ３が
回転されてラツク用コンベア２が作動され、その
ラツク用コンベア２上のラツク５が基板収納溝６
の一配列ピツチ分移送されて、次のプリント基板
１９の嵌挿収納に備えられる。

ここで、特に重要なことは、各プリント基板１
９が他の部分に摺接したり、あるいは滑動したり
することがないことである。すなわち、基板用コ
ンベア１６にて移動されてきたプリント基板１９
は、その前端の左右両端部にて受渡部材２０の回
転板２４に設けた把持片２５に嵌合して、回転板
２４の回転作用によつて各把持片２５に嵌合され
たままの状態でラツク５の収納溝６に向けて受渡
しすべく略90゜空中を回転するのであり、各把持
片２５に嵌合した部分以外には他に触れることが
ないことである。なお、各把持片２５は左右両側
に位置してはいても小さなものであり、またプリ
ント基板１９の把持されるべき左右両端部には、
印刷回路と言われている配線パターンが存在して
いることは少ないものであるから、各把持片２５
によつてプリント基板１９側に損傷を与えたりゴ
ミを生じさせたりすることはないのである。

従つて、本発明に係るプリント基板のラツク収
納装置は、プリント基板１９を言わば安全な状態
でラツク５に順次自動的に収納し得るものであ
る。なお、ラツク５に収納された各プリント基板
１９は、ラツク５の各収納溝６が所定間〓に形成
してあることから、ラツク５による搬送時等にお
いて、互いに接触し合うことがないことは当然で
ある。

（効果） 以上詳述したようにこの発明は、ラツク用コン
ベアによりラツクが収納溝の配列ピツチずつ間欠
的に移送されるとともに、基板用コンベアにより
そのラツク上にプリント基板が順次移送供給さ
れ、受渡部材の間欠回転によりプリント基板が基
板用コンベア上からラツクの収納溝内に上方より
順次受渡し収納されるようになつているため、基
板を傷つけず、基板の端縁や収納溝の底部が摩耗
するおそれは全くなく、摩耗により発生する切粉
の付着現像に伴いプリント基板の性能に悪影響を
及ぼすおそれを未然に防止することができる。

又、この発明は、基板用コンベアとラツク用コ
ンベアとが上下に配置されていて、それらのコン
ベアの移送方向が平行するようになつているた
め、両コンベアの配置に広いスペースを必要とせ
ず、ライン設計が容易であつて、収納装置全体を
コンパクトにまとめることができる。

さらに、本発明に係るラツク収納装置によれ
ば、ラツク用コンベア２を、両回転板２４の間で
あつて、この回転板２４の下端より少し上方に位
置する部分に配置したから、回転板２４の各把持
片２５が把持している各プリント基板１９をこれ
が立ち上がつた状態でラツク５の各収納溝６内に
収納できることは当然として、各把持片２５から
のプリント基板１９の取り外しをプリント基板１
９がラツク６上の他のプリント基板１９と接触し
ない状態で行うことができるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例を示す収納装置の
正断面図、第２図は同じく側断面図、第３図は第
１図の受渡部材付近を拡大して示す部分断面図で
ある。 １……機体、２……ラツク用コンベア、５……
ラツク、６……基板収納溝、１６……基板用コン
ベア、１９……プリント基板、２０……受渡部
材、２５……把持片。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 上面に多数の基板収納溝を有するラツクを支
   持して、収納溝と直交する方向へその溝配列ピツ
   チずつ間欠的に移送するラツク用コンベアと、そ
   のラツク用コンベアの上方に配置され、プリント
   基板をほぼ水平状態で支持して前記ラツク上に順
   次移送する基板用コンベアと、その基板用コンベ
   アの終端部に対応して間欠回転可能に配置され、
   終端部に移送されるプリント基板の絶縁を把持し
   て、ラツク上所定の収納溝内に受渡すための受渡
   部材と、を備えたプリント基板のラツク収納装置
   において、 前記受渡し部材を、前記ラツク用コンベアの両
   側にて下端がこれよりも低くなるように配置した
   左右一対の回転板と、これら各回転板の外周に等
   間隔に固定されて前記基板用コンベア上のプリン
   ト基板の前端に向けて開口する把持溝を有した把
   持片と、前記各回転板を間欠的に駆動する駆動機
   構とにより構成したことを特徴とするプリント基
   板のラツク収納装置。