JPH0331338Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、パチンコ機の遊技盤面上で打球の流
下方向に変化を与える球流下方向変換具に関する
ものである。

〈従来の技術〉 周知の様に、パチンコ機の遊技盤面に打球の流
下方向に予測できない変化を与えて遊技の興趣を
高めるものとして、所謂風車と呼ばれる球流下方
向変換具が設けてある。

これらの球流下変換具の中には、ランプ等によ
りプラスチツク製羽根車を照明するように構成す
ることで、遊技者に与える視覚的効果を高めるよ
うにしたものが提案されている。

〈考案が解決しようとする問題点〉 しかし、上記した従来の球流下方向変換具に設
けられた発光源は、透光性の透過放射板を介して
羽根車を裏側から局部的に照らすだけの構造でし
かなく、発光源から発された光が透過放射板を通
過する際の減衰量が比較的多いため、遊技者から
照明状態を確認でき難い場合もある。

また、発光源より発された光を単に前方方向に
拡散させるための光拡散部を透過放射板に設けた
ものも提案されているが、このような単に透過放
射板に光拡散部を設けただけの構造では拡散効率
が低く、羽根車を含む全体的な照明効果や色彩変
化に乏しいため十分な装飾効果を得られず、単に
羽根車を裏面から照らすだけの構造は陳腐化して
来ており、パチンコ遊技の興趣を高めるまでには
至らない。

また、発光源は球流下方向変換具と一体的にユ
ニツト化して設けられるため、、発光源は通気性
に乏しい収納体内へ収納させることとなり、頻繁
に発光源が点灯（或いは点滅）する場合には、発
光源の収納体内部が昇温化するといつた不具合が
生ずることもあつた。

そこで、球流下方向変換具における照明効率を
高めると共に顕著な視覚的効果を得られ、しかも
発光源の放熱による不具合を解消した球流下方向
変換具の開発が望まれていた。

〈問題点を解決するための手段〉 本案は上記に鑑み提案されたもので、基板３の
表面側に回転体４を回転可能に軸支して、打球の
流下方向に変化を与えるパチンコ機の球流下方向
変換具１において、 上記回転体は、 一方端面を開放した筒体に形成されて、該筒体
の外周面に複数の羽根部１４をほぼ等間隔に形成
した透光性を有するプラスチツク製の中空円筒体
と、 上記中空円筒体の筒体中心部に設けられて、当
該中空円筒体を回転可能に支持する回転軸１３
と、から構成し、 上記基板は、 当該基板表面から後方に膨出する窪室が形成さ
れて、該窪室の内周面９を後方に向け次第に縮径
するテーパー状に形成すると共に、、その内周面
に光拡散部（例えば溝１０）を形成して反射室６
と、 上記反射室の底面部（例えば底面７）に形成さ
れて、上記回転体が挿通される軸受８と、 照明基板１９の前面側に発光源２０を取り付け
た照明部材５と、 上記反射室の背面側に形成されて、、上記照明
部材を取り付ける照明基板取付部１２と、 上記反射室に開設されて、上記照明基板取付部
に取り付けられた照明部材の発光源が、当該反射
室に突出状態に臨むことができる照明通孔１１
と、から構成して、 上記基板に回転体を組み付けた際には、回転体
の中空円筒体の内部と基板の反射室との協働空間
による光拡散室が形成されて、上記照明通孔に臨
んだ発光源の光が当該光拡散室により拡散変化す
るようにしたことを特徴としたものである。

〈作 用〉 本案は、上記した構成により、基板の前面に軸
支した回転体の羽根部に打球が当るると回転体が
回転して打球の流下方向に変化を与えることがで
きる。また、発光源より発された光は、回転体の
中空円筒体の内部と基板の縮径するるテーパー状
の反射室との協働空間による光拡散室で拡散変化
され、特に、回転可能な回転体の内部に対して、
発光源からの直接光と、発光源からの光がテーパ
ー状の反射室の光拡散部により反射拡散された反
射光とが照射されることにより、直接光と反射光
との相乗効果で照明度を上せしめ、回転体を後方
から全体的に照らし出すとともに、回転体の周縁
にまで照明効果を及ぼし、回転体の回転状態と相
俟つて多様な色彩変化を得ることができ、しかも
回転体により流下方向に変化を与えられた打球に
も瞬間的に反射室からの光が反射して色彩的変化
を与えることができる。さらに、前面開成の反射
室に突出状態に臨む発光源より放射される熱は開
放空間へ良好に放射される。

〈実施例〉 以下本案を図面の実施例にもとづいて説明す
る。

本案に係る球流下方向変換具１は、遊技盤２の
表面に取付ける基板３と、該基板３の表側に回転
自在に軸支する回転体４と、基板３の裏側から取
付ける照明部材５などから構成される。

基板３は、遊技盤２表面に当接する当接面３′
のほぼ中央を後方に膨出させることによつて窪み
状の窪室を形成し、該窪室によつて上記照明部材
５からの光を反射・拡散する略円形窪状の反射室
６を構成するものとしてある。該反射室６の底面
７（後方に位置する平面部）の中央から筒状の軸
受８を前後両方向に突設し、反射室６の内周面９
は反射室開口縁から奥に進むにしたがつて次第に
縮径するテーパー状に形成してあり、照明部材５
より照射された光を拡散するための光拡散部を内
周面９に設けることで、光の拡散効果と、照明の
奥行感を生み出す。本実施例における光拡散部
は、例えば内周面９の軸方向に刻設した多数の溝
１０…によつて形成してあり、、該反射室６内の
光反射面積を拡大せしめるようにしてある。な
お、少なくとも反射室６の内面にはメツキ等を施
して光の反射効率を高めることが望ましい。そし
て、、反射室６の底面に７には軸受８を中心とし
て例えば３つの照明通孔１１…を開設し、裏面に
は柱状の照明基板取付部１２，１２を突設する。

上記基板３に軸承される回転体４は透光性を有
する例えばプラスチツク製の筒体の後方端面を開
放した中空円筒体と、該円筒体を回転可能にする
ため回転軸１３とから構成してあり、例えば中空
円筒体前面部の裏面中央に例えば金属性の回転軸
１３を後方に向けてインサート成型することで、
両者を一体的に構成してある。また第３図で示す
ように、回転体４の外周面には、回転軸１３を中
心にして約120度間隔で３つの羽根部１４…を放
射状に突設するとともに、回転軸１３と略平行な
３本の円柱状の羽根補助部１５…を上記羽根部１
４，１４の中間に、即ち約120度間隔で形成して
ある。なお、回転体４は、反射室６の開口縁より
も僅かに小さく形成し、羽根部１４は、反射室６
の開口縁の大きさよりも充分に長く形成し、羽根
補助部１５は、反射室６の開口縁の大きさとはほ
ぼ同じ長さに形成してある。したがつて、回転体
４の回転軸１３の先端を基板３の軸受８内に挿通
し、軸受８はら突出した回転軸１３の先端にＥリ
ング１６を嵌めて抜け止めすると、回転体４は基
板３に対して回転自在に軸支することができる。
この様にして回転体４を基板３の前面に回転自在
に取付けると、第３図で示すように、羽根部１４
の先端が反射室開口縁の外側に位置し、羽根補助
部１５の先端が反射室開縁の近くに位置し、円筒
体の外周縁が反射室６のテーパ付き内周面９より
も内側に位置する。また、第４図で示すように、
回転体４の後端と基板３の表面との間には間〓１
が生じるように回転軸１３の長さを設定してあ
る。

一方、基板３の裏側に取付ける照明部材５は、
第１図で示すように、貫通孔１７と取付孔１８，
１８を開設した照明基板１９の前面にランプ等の
発光源２０…を３つ取付けたものである。斯る構
成から成る照明部材５を基板３の裏側に取付ける
には、各発光源２０を基板３の照明通孔１１…内
に挿入するとともに軸受８の後端部分を貫通孔１
７内に挿通し、照明基板１９の裏側から取付孔１
８内に各々ビス２１を通してビス２１の先端を照
明基板取付部１２，１２に螺合する。

上記した構成からなる球流下方向変換具１をパ
チンコ機の遊技盤２に取付けるるには、第４図で
示すように、遊技盤２に開設した孔２２内に基板
３の反射室６を臨ませ、基板３の突出片２３，２
３に開設した取付孔にネジ等を通し、このネジを
遊技盤２の表面に螺着して固定する。

したがつて、遊技盤２表面を流下してきた打球
が回転体４に当ると、回転体４が回転して打球の
流下方向に変化を与えることができる。なお、本
実施例では羽根部１４を120度間隔で３箇所設け、
更に上記羽根部１４，１４間にそれぞれ羽根補助
部１５を、上記羽根部１４の先端よりも内側に位
置しているように設けてあるので、打球が回転体
４上に載つて止まる虞れがないばかりでなく、流
下する打球が回転体４のどの位置に当つても羽根
部１４、或は羽根補助部１５のどちらか一方に衝
突し、回転体４に回転力を与えることができる。

したがつて、本実施例による球流下方向変換具
１は、従来の３枚翼の風車よりも回転する頻度が
遥かに高く、打球の流下方向を効率良く変換する
ことができる。

また、本案に係る球流下方向変換具１は、パチ
ンコ機の制御装置から発光源２０…に通電すると
各発光源２０…が点灯して光を発する。このと
き、発光源２０は回転体４の背面部に位置させて
あるので、消灯時における発光源２０は遊技者の
視覚から遮蔽されることとなり、消灯時の発光源
２０を遊技者の視覚から遮蔽するための放射板等
を回転体４と発光源２０との間に介在させる必要
がない。したがつて、十分な光量で回転体４を照
射することができ、良好な照明効果を得ることが
可能となる。

そして、上記発光源２０より発された光は直接
前面側へ放射されるばかりでなく、周縁部に放射
された光は反射室６のテーパー状の内周面９によ
つて反射拡散され、回転体４の中空部へ至ること
により、発光源２０より発された光の一部は透光
性の回転体４の内周面より外部へ放射される。

すなわち、発光源２０から回転体４の中空部へ
至る直接光と、発光源２０より発された光がテー
パー状の反射室６の内周面９によつて反射拡散さ
れて回転体４の中空部へ至る反射光とが互いに干
渉し合うことによつて、回転体４の中空部へ供給
する光量を増大せしめ得ると共に、透光性の回転
体４を透過して外部へ照射される光を変化に富ん
だものとすることができる。

これによつて、回転体４自体が発光しているよ
うな印象を遊技者に与え、しかも見たときに奥行
感を与えることができ、視覚的効果を十分に高め
ることができる。すなわち、回転体４の中空円筒
体の内部と基板３の反射室６とによつて形成され
る協働空間を光拡散室とすることで、、極めて視
覚的効果の大なる球流下方向変換具１とすること
ができるのである。しかも、前面開成の反射室６
に突出状態に望む発光源２０より放射される熱は
遊技盤前面の開放空間へ良好に放散され、発光源
２０の発する熱によつて局部的な温度上昇が生ず
ることを防げる。

加えて、本実施例における反射室６の内周面９
には多数の溝１０…によつて光拡散部を形成して
あるので、発光源２０より発された光は複雑に反
射され、、反射光同士の干渉作用が生ずることに
よつて、回転体４の擬似発光効果による視覚的効
果を一層良好ならしめる。

一方、回転体４と基板３の開口縁との径を異ら
しめてあることから、内周面９で反射された光の
一部は回転体４と基板３の開口縁との間〓を通つ
て直接遊技者の目を刺激する。更に、回転体４が
回転した場合には、羽根部１４の先端が上記間〓
から直接照射される光を瞬間的に遮断し、発光源
２０…の点滅と同じ状態を生じさせる。したがつ
て、発光源２０…からの直接光と、光拡散部９に
よる反射光と、回転体４の回転とが相互に交錯し
て多様な光照射変化を得ることができ、極めて目
立ち、高い装飾効果を発揮することができる。

なお、上記実施例において、発光源２０の色彩
を各々異ならしめ、パチンコ遊技中に発生する賞
態様に応じて所定の発光源２０から異なる色彩の
光を発し、遊技者に色彩で賞態様を可視表示する
こともできる。例えば、第５図に示すパチンコ機
は、本案に係る球流下方向変換具１，１を遊技部
２４内に上方左右に配設し、遊技部２４のほぼ中
央に可変表示装置２５を、該可変表示装置２５の
下方には球検出器２６を有する特別入賞口２７
を、特別入賞口２７の下方に特別入賞手段２８を
夫々配設してある。そして、可変表示装置２５に
よりり大当り、中当り、小当りの３つの賞態様が
成立し得るように制御装置を設定し、大当りの場
合には特別入賞手段２８の扉２９を10秒間開放し
て打球が入賞し易い状態に変換し、中当りの場合
には扉２９を５秒間だけ開放し、小当りの場合に
は扉２９を１秒だけ開放するようにしてある。

また、球流下方向変換具１の各発光源２０を制
御装置に電気的に接続し、大当りの賞態様が成立
し場合には制御装置からの信号により各球流下方
向変換具１の赤色の発光源２０を10秒間点灯或は
点滅させ、中当りの賞態様が成立した場合には黄
色の発光源２０を５秒間、小当りの賞態様が成立
した場合には青色の発光源２０を発光させるよう
にしてある。したがつて、打球が特別入賞口２７
に入ることを条件として可変表示装置２５により
特別遊技が開始され、大当りの賞態様が成立する
と特別入賞手段２８の扉２９が10秒間開放すると
ともに球流下方向変換具１が赤色に輝いて遊技者
に大当りの賞態様が成立した旨を可視表示するこ
とができる。同様にして、中当りの賞態様が成立
した場合には特別入賞手段２８が５秒間開放する
とともに球流下方向変換具１が黄色に輝いて中当
りの賞態様が成立した旨を、小当りの賞態様が成
立すると特別入賞手段２８が１秒間開放するとと
もに球流下方向変換具１が青色に輝いて小当りの
賞態様が成立した旨を夫々可視表示することがで
きる。このため、遊技者は可変表示装置２５を注
視していなくても球流下方向変換具１の異なるる
色彩の輝きにより賞態様を容易に把握することが
できる。

なお、上記した実施例においては、発光源２０
の色を異ならしめる代わりに、点灯する発光源２
０の数を賞態様によつて異ならしめて可変表示し
てもよい。

〈考案の効果〉 以上説明したように本考案によれば、基板の表
側には、該基板表面に中空円筒体の開放端面を臨
ましめる状態で回転体を回転可能に軸着するとと
もに、基板表面から裏側に膨出する窪状の反射室
を形成し、該反射室の内周面を後方に向け次第に
縮径するテーパー状に形成すると共に、その内周
面に光拡散部を形成し、反射室内に突出状態に発
光源を臨ませて成るので、、反射室の前面側に位
置する回転体の筒体内部に対して、発光源からの
直接光と、発光源とからの光がテーパー状の反射
室の光拡散部により反射拡散された反射光とが照
射されることにより、直接光と反射光との相乗効
果で照明度を向上せしめ、十分な光量で回転体を
照射することができる。

そして、特に、回転体の中空円筒体の内部と基
板の反射室との協働空間による光拡散室が形成さ
れることにより、回転体の周縁にまで照明効果を
及ぼせることができ、回転体の回転状態と相俟つ
て、多彩な色彩変化を得ることができる。したが
つて、従来のものと比べて遊技者の視認性がきわ
めて高くなるばかりでなく、回転体の回転状態に
おいても多様な光照射変化を遊技者が楽しむこと
ができ、遊技盤表面の装飾効果を著しく高めるこ
とができる。

しかも、前面開成の反射室に発光源を臨ませる
ことにより、発光源から発された熱は開放空間へ
良好に放散され、発光源の周囲が異常に昇温化す
ることを防げる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は球流下方向変換具の分解斜視図、第２図は基板
の斜視図、第３図は正面図、第４図は遊技盤に取
付けた状態における断面図、第５図はパチンコ機
の正面図。 １…球流下方向変換具、２…遊技盤、３…基
板、４…回転体、５…照明部材、６…反射室、８
…軸受、９…内周面、１０…溝、１１…照明通
孔、１２…照明基板取付部、１３…回転軸、１４
…羽根部、１５…羽根補助部、１９…照明基板、
２０…発光源。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 基板の表面側に回転体を回転可能に軸支して、
   打球の流下方向に変化を与えるパチンコ機の球流
   下方向変換具において、 上記回転体は、 一方端面を開放した筒体に形成されて、該筒体
   の外周面に複数の羽根部をほぼ等間隔に形成した
   透光性を有するプラスチツク製の中空円筒体と、 上記中空円筒体の筒体中心部に設けられて、当
   該中空円筒体を回転可能に支持する回転軸と、か
   ら構成し、 上記基板は、 当該基板表面から後方に膨出する窪室が形成さ
   れて、該窪室の内周を後方に向け次第に縮径する
   テーパー状に形成すると共に、その内周面に光拡
   散部を形成した反射室と、 上記反射室の底面部に形成されて、上記回転体
   が挿通される軸受と、 照明基板の前面側に発光源を取り付けた照明部
   材と、 上記反射室の背面側に形成されて、上記照明部
   材を取り付ける照明基板取付部材と、 上記反射室に開設されて、上記照明基板取付部
   に取り付けられた照明部材の発光源が、当該反射
   室に突出状態に臨むことができる照明通孔と、か
   ら構成して、 上記基板に回転体を組み付けた際には、回転体
   の中空円筒体の内部と基板の反射室との協働空間
   による光拡散室が形成されて、上記照明通孔に臨
   んだ発光源の光が当該光拡散室により拡散変化す
   るようにしたことを特徴とするパチンコ機の球流
   下方向変換具。