以下、図面を参照して、本発明の実施形態による遊技機について説明する。なお、本実施形態の説明における前後左右とは、遊技盤に向かって見た方向(遊技者から見た方向)を指すものとする。
図1を参照して、本発明の実施形態による遊技機1について説明する。
遊技機1は、島設備に固定される本体枠2にヒンジ3を介して右側部が開閉回動自在に取り付けられる開閉枠4を備える。開閉枠4は、前面枠5及びガラス枠6によって構成される。
前面枠5には、遊技盤30(図2参照)が配設されるとともに、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス6aを備えたガラス枠6が取り付けられる。前面枠5及びガラス枠6は、それぞれ個別に開放することが可能となっている。例えば、ガラス枠6のみを開放して遊技盤30の遊技領域31(図2参照)にアクセスすることができる。また、前面枠5をガラス枠6が開放されていない状態で開放することによって、遊技盤30の裏側に配置された遊技制御装置500(図9参照)等にアクセスすることができる。
ガラス枠6のカバーガラス6aの周囲には、装飾部材7が配設されている。装飾部材7の内部にはLED等によって構成された枠装飾装置21(図10参照)が収容されており、枠装飾装置21を制御することによって装飾部材7における発光態様を制御することができる。
ガラス枠6の上側両角部には、遊技の進行状態等に応じて発光演出を実行可能な照明装置100が配設される。照明装置100も、枠装飾装置21(図10参照)の一部を構成している。なお、照明装置100の詳細な構成については、図3〜図8を参照して後述する。
遊技機1は、効果音や警報音、報知音等を発する上スピーカ10a及び下スピーカ10bを備える。上スピーカ10aはガラス枠6の上両側部に配置され、下スピーカ10bは上皿ユニット11を構成する上皿11aの下方に配置される。
左角部に配設される照明装置100の右上方には、遊技機1における異常を報知するための遊技状態報知LED12が設けられる。遊技機1において異常が発生した場合には、遊技状態報知LED12が点灯又は点滅するとともに、上スピーカ10a及び下スピーカ10bから異常を報知するための報知音が出力される。
遊技機1で発生する異常には、遊技機1の故障及び不正行為の実施等が含まれる。不正行為には、例えば、発射された遊技球の軌道を磁石によって不正に操作する行為や遊技機1を振動させる行為等が含まれる。これらの不正行為は、磁気センサスイッチ23(図9参照)によって磁気を検出したり、振動センサスイッチ24(図9参照)によって振動を検出したりすることで検知される。
また、不正に開閉枠4を開放する行為も不正行為に含まれる。前面枠5の開閉状態は前面枠開放検出スイッチ(SW)25(図9参照)によって検出され、ガラス枠6の開閉状態はガラス枠開放検出スイッチ(SW)26(図9参照)によって検出される。
ガラス枠6の下部には、上皿11aを含む上皿ユニット11が備えられる。上皿11aに貯留された遊技球は、前面枠5の下部に設けられる球発射装置(図示省略)に供給される。
ガラス枠6の下方位置において前面枠5に固定される固定パネル13には、下皿14と、球発射装置を駆動するための操作部15とが備えられる。遊技者が操作部15を回動操作することによって、球発射装置は上皿11aから供給された遊技球を遊技盤30の遊技領域31(図2参照)に発射する。下皿14には、当該下皿14に貯留された遊技球を外部へ排出するための球抜き機構16が設けられる。
上皿ユニット11には、遊技者からの操作入力を受け付けるための演出ボタン17が上皿11aの手前側に配設されている。遊技者が演出ボタン17を操作することによって、変動表示装置35(図2参照)での変動表示ゲームにおいて遊技者の操作を介入させた演出を行うことができ、また通常遊技状態においては演出パターン(演出態様)を変更することができる。変動表示ゲームには、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームが含まれ、本明細書では単に変動表示ゲームとした場合には特図変動表示ゲームを指すものとする。
なお、通常遊技状態とは、特定の遊技状態が発生していない遊技状態である。特定の遊技状態とは、例えば変動表示ゲームの結果が大当りになる確率が高い確変状態や、特図変動表示ゲームの単位時間当たりの実行数を向上させる時短状態、大当り遊技状態(特別遊技状態)等である。
ガラス枠6の下部には、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する球貸ボタン18と、カードユニット(図示省略)からプリペイドカード等を排出させるために操作される排出ボタン19とが配設される。球貸ボタン18及び排出ボタン19の間には、プリペイドカード等の残高を表示する残高表示部20が設けられる。
図2を参照して、遊技機1に配設される遊技盤30について説明する。図2は、遊技機1に備えられる遊技盤30の正面図である。
遊技盤30は、合板やプラスチック等からなる矩形状の遊技盤本体32の表面に、区画部材としてのガイドレール33を設けることで、略円形状の遊技領域31を区画形成している。
遊技領域31には、開口部34aを有するセンターケース34が配設される。遊技盤30にはセンターケース34の外周に沿った形状の開口が形成され、センターケース34はその開口に遊技盤30の前方から嵌装される。
遊技盤30の裏面には、制御ベースユニットを介して、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示可能な表示部35aを有する変動表示装置35が配設される。
変動表示装置35は、その表示部35aがセンターケース34の開口部34aに臨むように配設される。変動表示装置35の表示部35aは任意の画像を表示可能な液晶表示器であり、画面上には複数の識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタ等、遊技の進行に基づく画像が表示される。例えば、変動表示装置35は、表示部35aに複数の変動表示領域、例えば、左側、中央、右側の3つの可変表示領域等を設定して、各表示領域の各々で独立した画像を表示する。
センターケース34の左側方の遊技領域31には、遊技球が通過した場合に普通図柄(普図)変動表示ゲームの始動条件を成立させる普図始動ゲート39が配設される。
遊技領域31の下部中央には、遊技球の入賞に基づき特別図柄(特図)変動表示ゲームの始動条件を付与可能な始動入賞口37が配設される。始動入賞口37は、遊技球が入賞した場合に第1特図変動表示ゲームの始動条件を成立させる第1始動入賞口37aと、遊技球が入賞した場合に第2特図変動表示ゲームの始動条件を成立させる第2始動入賞口37bとを備える。
第2始動入賞口37bは、第1始動入賞口37aの直下方に配設されており、左右一対の開閉部材(普通電動役物)37cを備えている。開閉部材37cは、通常時には、遊技球の直径程度の間隔を空けた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合(普図変動表示ゲームが当りとなった場合)には、駆動装置としての普電ソレノイド27(図9参照)によって、先端が開くように開閉部材37cが回動され、第2始動入賞口37bに遊技球が流入しやすい入賞容易状態(遊技者にとって有利な状態)となる。開閉部材37cは、遊技制御装置500(図9参照)によって制御される。遊技制御装置500(電動役物制御手段)は、開閉部材37cを制御することによって普電サポート状態(普電サポートあり)を発生させる。普電サポート状態(普電サポートあり)とは、開閉部材37cの開時間を延長して、第2始動入賞口37bにおける入賞容易状態を普通動作時よりも長く(延長)した状態である。
始動入賞口37の左側方の遊技領域31には遊技球が入賞した場合に賞球を払い出す条件だけが成立する一般入賞口40が三つ配設され、始動入賞口37の右側方の遊技領域31には遊技球が入賞した場合に賞球を払い出す条件だけが成立する一般入賞口40が一つ配設される。
始動入賞口37の下方の遊技領域31には、変動入賞装置38が設けられる。変動入賞装置38は、大入賞口と、大入賞口ソレノイド28(図9参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動して大入賞口を開放可能とするアタッカ形式の開閉扉38aと、を備える。変動入賞装置38は、特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲーム)の結果が大当りになると、大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に賞球を付与するように構成されている。
なお、遊技領域31には、上記した始動入賞口等のほかに、遊技球の流下方向を変える風車(図示省略)や障害釘(図示省略)等の流下方向変換部材や、入賞せずに流下した遊技球を回収するアウト口41が配設される。
また、遊技領域31の外側(例えば、遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム、第2特図変動表示ゲーム)及び普図変動表示ゲームを実行する状態表示器42が設けられている。状態表示器42には、現在の遊技状態等の情報を表示する表示部を有している。
状態表示器42は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成される変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)及び第2特図変動表示部(特図2表示器)を備える。
特図1表示器又は特図2表示器における特図変動表示ゲームは、変動表示ゲームの実行中、すなわち変動表示装置35において飾り特図変動表示ゲームを行っている間、7セグメント型の表示器のセグメントを点滅させることによって、特別識別情報(特図)を所定時間ごとに切り替える変動表示を行う。
そして、特別識別情報の変動表示の開始時点で決定されている変動時間が経過すると、変動表示ゲームの結果に対応する特別識別情報で変動表示を停止して、特図1表示器又は特図2表示器における特図変動表示ゲームを終了する。
状態表示器42には、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器、特図2保留表示器、普図保留表示器)、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率となっているエラーを表示するエラー表示器、大当り時のラウンド数(変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部が設けられている。
ここで、遊技機1での遊技の流れ、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームについて説明する。
遊技機1では、図示しない球発射装置から遊技領域31に向けて遊技球が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域31内の各所に配置された障害釘等の方向転換部材によって流下方向を変えながら遊技領域31を流下し、普図始動ゲート39、一般入賞口40、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b、又は変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域31の最下部に設けられたアウト口41へ流入し遊技領域から排出される。一般入賞口40、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b又は変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置540(図9参照)によって制御される払出ユニットから、上皿11aに排出される。
普図始動ゲート39内には、普図始動ゲート39を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ203(図9参照)が設けられている。遊技領域31内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート39を通過すると、ゲートスイッチ203によって検出され、普図変動表示ゲームが実行される。
普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない場合や普図変動表示ゲームの結果が当りとなって開閉部材37cが開放状態に変換されている場合に、遊技球が普図始動ゲート39を通過すると、普図始動記憶数の上限数未満ならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。普図始動入賞の記憶数は、状態表示器42の始動入賞数報知用の普図保留表示器に表示される。
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっており、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、状態表示器42に設けられた普図表示器で実行される。普図表示器は、普通識別情報(普図)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
普図変動表示ゲームの結果が特定結果となれば、普図の当りとなって、第2始動入賞口37bの開閉部材37cが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開放状態となる。これにより、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞し易くなり、特図2変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
第1始動入賞口37aへの入賞球及び第2始動入賞口37bへの入賞球は、それぞれ内部に設けられた第1始動口スイッチ201(図9参照)と第2始動口スイッチ202(図9参照)によって検出される。第1始動入賞口37aに入賞した遊技球は特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶されるとともに、第2始動入賞口37bに入賞した遊技球は特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶される。
この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置500(図9参照)内の特図記憶領域(始動記憶手段)に特図始動入賞記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動入賞記憶の記憶数は、状態表示器42の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器、特図2保留表示器)に表示されるとともに、変動表示装置35においても表示される。
遊技制御装置500は、第1始動入賞口37a又は第2始動入賞口37bへの入賞、若しくはそれらの始動記憶に基づいて特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームを行う。
特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、変動表示装置35において、各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報、例えば数字、記号、キャラクタ図柄等を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
変動表示装置35における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、変動表示装置35では、特図入賞記憶の記憶数に対応する飾り特別図柄による飾り特図変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
第1始動入賞口37a又は第2始動入賞口37bへの入賞が所定のタイミングでなされた時(具体的には、入賞検出時の当り乱数値が当り値である時)には、特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出されて、大当り状態(特別遊技状態)となる。
この時、大入賞口ソレノイド28(図9参照)への通電によって所定の時間、例えば30秒だけ変動入賞装置38の開閉扉38aが開き、変動入賞装置38は遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)に変換される。すなわち、変動入賞装置38の大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで開くので、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。大入賞口に所定個数の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、特別遊技状態におけるラウンド数は例えば15回又は2回に設定される。
なお、特図1表示器及び特図2表示器は、別々の表示器でもよいし同一の表示器でもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。また、変動表示装置35における飾り特図変動表示ゲームについても、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。
また、本実施形態では、特図2変動表示ゲームは、特図1変動表示ゲームよりも優先して実行されるように構成されている。すなわち、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの始動記憶があり、特図変動表示ゲームの実行が可能な状態になった場合には、特図2変動表示ゲームが実行される。
〔照明装置〕
次に、図3〜図8を参照して、照明装置100の構成について説明する。
図3は、遊技機1が備える照明装置100の正面図である。図4は、照明装置100の分解斜視図である。図5は、照明装置100が備える照明ユニット120の分解斜視図である。図6(A)及び図6(B)は、照明ユニット120のレンズ部材160の裏面斜視図及び前面斜視図である。図7は、照明ユニット120の正面図である。図8(A)は図7のA−A面における照明ユニット120の縦断面図であり、図8(B)は図7のB−B面における照明ユニット120の縦断面図である。
照明装置100は、遊技機1のガラス枠6の右上角部及び左上角部に設けられ、遊技の進行状態に応じて発光演出を実行する装置である。
図3及び図4に示すように、照明装置100は、ガラス枠6に取り付けられる取付ベース110と、取付ベース110に固定される照明ユニット120と、を備える。
取付ベース110は、ガラス枠6の前面に固定される枠部材である。取付ベース110の下部には、光を拡散させる凹凸を有する透光性のレンズ部111が取り付けられる。レンズ部111の裏面には、発光源であるLEDを備えるLED基板(図示省略)が固定される。レンズ部111の前面側には、レンズ部111を覆う透光性のカバー部112が取付ベース110に対して配設される。
取付ベース110の上部には円形状の開口部110aが形成されており、この開口部110aを挿通するように照明ユニット120が取付ベース110に固定される。取付ベース110の前面には、開口部110aの周囲を装飾する装飾部材113が設けられる。
図4、図5、及び図8(B)に示すように、照明ユニット120は、取付ベース110の裏面に固定されるホルダ130と、ホルダ130の前面に固定されるLED基板140と、LED基板140の前面側に配設されるリフレクタ150と、リフレクタ150の前面側に配設されるレンズ部材160と、を備える。
ホルダ130は、各種部材を載置可能な板状部材であって、取付ベース110の裏面に設置される。
LED基板140は、ホルダ130の前面に取り付けられる。LED基板140は、発光源であるLED141を6個備える。本実施形態ではLED141は6個設けられるが、LED141の個数はこれに限られるものではなく必要に応じて任意に定められる。これらLED141は、LED基板140の略中心に対して環状に配設される。
リフレクタ150は、有底円筒状部材であり、例えば、光を反射可能なように表面がメッキ加工されている。リフレクタ150は、LED141から発せられた光を遊技機1の前方に照らして供給する。かかる演出光の供給部としてリフレクタ150は、演出光の照射機能を備える。
リフレクタ150は、底部151の中心から前方に突出する第1リフレクタ部(第1照射部)152と、リフレクタ150の側壁部として形成される第2リフレクタ部(第2照射部)153と、底部151に形成されLED141を収容可能な収容部154と、を備える。
収容部154は、すり鉢状の凹部として底部151に6個形成される。これら収容部154は、各LED141と対応する位置に設けられ、リフレクタ150の軸心周りに環状に配設される。収容部154の底面には貫通孔154aが形成されており、リフレクタ150がホルダ130に固定された状態では、LED141は図8(B)に示すように貫通孔154aを介して収容部154内に位置する。
リフレクタ150の底部151の前面には、透光性を有するレンズ部材160が設けられる。
図5、図6、及び図8(B)に示すように、レンズ部材160は、円盤状のベース部161と、第1リフレクタ部152が通過可能なようにベース部161の中心に形成される円形開口162と、ベース部161から前方に膨出するドーム状の凸レンズ163と、ベース部161の裏面から後方に突出する円筒状のボス部164と、を備える。
レンズ部材160の3個のボス部164は、リフレクタ150の底部151に形成された3個の挿入部155にそれぞれ挿入され(図8(A)参照)、挿入部155の裏側からねじで固定される。これにより、レンズ部材160は、第1リフレクタ部152が円形開口162を挿通した状態で、リフレクタ150の底部151の前面に取り付けられる。
凸レンズ163はベース部161に6個形成され、これら凸レンズ163は各LED141と対応する位置に設けられる。したがって、凸レンズ163は、第1リフレクタ部152の周囲を取り囲むように、レンズ部材160の軸心周りに環状に配設される。凸レンズ163の内部には、円柱状の空間部163aが形成されている。凸レンズ163は、LED141から発せられた光を周囲に拡散させる。
凸レンズ163の外周側部には、レンズ部材160の軸方向に沿うリッジ163bが複数形成されている。凸レンズ163では、リッジ163bによってLED光の拡散性が高められる。
レンズ部材160のベース部161には、隣接する凸レンズ163の間であってベース部161の外周寄りの位置に、装飾突起165が設けられる。装飾突起165はベース部161の内周側に向かって突出高さが高くなるように形成されており、装飾突起165の表面(前面)にはベース部161の周方向に沿うリッジ165aが設けられる。レンズ部材160のボス部164はベース部161の裏面に3個設けられているが、これらボス部164は装飾突起165と対応する位置に配設されるため、レンズ部材160が透光性を有していても、ボス部164は視認され難くい。このように、レンズ部材160が装飾突起165を備えることによって、ボス部164を隠蔽することができ、さらにレンズ部材160の装飾性を高めることができる。
上記の通り、LED基板140のLED141及びレンズ部材160が演出光を発する発光部であり、照明装置100の照明ユニット120は発光部の発する演出光によって発光演出を実行する。照明ユニット120の発光演出における発光態様は、後述する演出制御装置600(図9参照)によって制御される。
図7、図8(A)、及び図8(B)に示すように、リフレクタ150の第1リフレクタ部152は、周囲に配設された凸レンズ163からの演出光を反射する部材である。第1リフレクタ部152は複数の平面からなる柱形状の多面体であり、第1リフレクタ部152の外側面は凹凸状に形成される。第1リフレクタ部152は、外側面によって演出光を反射する。このように、第1リフレクタ部152を多面体として外側面の表面積を増大させることで、第1リフレクタ部152での光の反射効率を高めることができる。
第1リフレクタ部152は、先端に向かって尖るように形成される。第1リフレクタ部152の外側面には、リフレクタ150の軸方向に沿うように、V字状の切欠溝152aが形成される。切欠溝152aは、リフレクタ150の周方向に6個設けられる。切欠溝152aは、第1リフレクタ部152の根元から先端に向かって傾斜して形成される。図7の矢印aに示す通り、発光部を構成するレンズ部材160の凸レンズ163と、第1リフレクタ部152の切欠溝152aとは対向するように配置される。つまり、凸レンズ163の一部分が、切欠溝152aの開口部分に臨むように配設される。このように、第1リフレクタ部152の切欠溝152aに凸レンズ163を対向させることで、第1リフレクタ部152の反射効率をより高めることができる。
リフレクタ150の第2リフレクタ部153は、リフレクタ150の側壁部であり、環状に配設された6個の凸レンズ163を取り囲むように形成される。第2リフレクタ部153は内周面によって演出光を反射するように円筒状に形成されており、第2リフレクタ部153の内周面は先端に向かって徐々に拡径する。
第2リフレクタ部153の内周面には、リフレクタ150の軸方向に沿う突起153aが形成される。突起153aは、リフレクタ150の周方向に沿って等間隔に複数設けられる。突起153aは、先端から根元部分に向かって突出高さが高くなるように形成されている。このように、第2リフレクタ部153に突起153aを形成して内周面の表面積を増大させることで、第2リフレクタ部153での光の反射効率を高めることができる。
図8(A)の破線に示すように、第1リフレクタ部152及び第2リフレクタ部153の高さ(リフレクタ150の軸方向の高さ)は、レンズ部材160の凸レンズ163(発光部)の高さよりも高くなるように設定される。これにより、凸レンズ163を介して拡散される演出光を、第1リフレクタ部152及び第2リフレクタ部153によって効率的に反射することができる。
図3に示すように、照明ユニット120は、LED141及びレンズ部材160からなる発光部とリフレクタ150とが遊技機1の内側下方に向くように、ホルダ130を介して、遊技機1のガラス枠6に傾斜状態で固定される。したがって、照明ユニット120における演出光が遊技者によって視認されやすくなる。また、図3及び図8(A)に示すように、第2リフレクタ部153の高さは、遊技機1の外側寄りの位置よりも遊技機1の内側寄りの位置の方が高く設定されている。そのため、照明ユニット120の演出光が遊技機1の外側に漏れやすくなり、遊技機1の周囲の客の注意を惹くことができ、客寄せ効果が向上する。
照明装置100では、遊技の進行状態に応じて又は客待ち状態中に、LED141を発光させて発光演出を実行する。発光演出では、全LED141を同時に点灯又は点滅させたり、回転灯のようなライトの回転を疑似的に演出するために各LED141を順番に点灯させたりする。LED141から発せられた演出光は、レンズ部材160の凸レンズ163を介して凸レンズ163の周囲に拡散する。拡散した演出光の一部はそのまま遊技機1の前方等に導かれ、拡散した演出光の残りは第1リフレクタ部152及び第2リフレクタ部153によって反射されて遊技機1の前方等に導かれる。
上記した照明装置100の照明ユニット120によれば、以下の効果を得ることができる。
照明ユニット120は、LED141とレンズ部材160とから構成される発光部と、LED141から発せられレンズ部材160の凸レンズ163を介して拡散される演出光を反射する第1リフレクタ部152及び第2リフレクタ部153と、を備える。第1リフレクタ部152は周囲に配設された複数の凸レンズ163によって拡散された演出光を反射し、第2リフレクタ部153は複数の凸レンズ163の周囲を取り囲むように配設され、複数の凸レンズ163によって拡散された演出光を反射する。このように照明ユニット120は第1リフレクタ部152及び第2リフレクタ部153によって演出光を反射するので、LED141の数を少なくしても発光演出時における照度を確保することができ、かつLED141の設置数の低減によりコストダウンを図ることができる。
発光部を構成する凸レンズ163は第1リフレクタ部152の周囲を取り囲むように環状に配設され、柱状の第1リフレクタ部152及び筒状の第2リフレクタ部153の高さは凸レンズ163の高さよりも高くなるように設定されるので、凸レンズ163を介して拡散される演出光を第1リフレクタ部152の外側面及び第2リフレクタ部153の内周面によって効率的に反射することが可能となる。
第1リフレクタ部152の外側面に切欠溝152aを形成して第1リフレクタ部152の外側面の表面積を増大させるとともに、発光部を構成する凸レンズ163と切欠溝152aとを対向させるので、第1リフレクタ部152による演出光の反射効率をより高めることが可能となる。
照明ユニット120は第2リフレクタ部153が遊技機1の内側を向くようにガラス枠6の上側両角部に傾斜状態で配設され、第2リフレクタ部153の高さは遊技機1の外側寄りの位置よりも遊技機1の内側寄りの位置の方が高く設定される。そのため、演出光が遊技者に視認されやすくなるだけでなく、演出光の一部を遊技機1の内側寄りの第2リフレクタ部153を介して遊技機1の外側に反射させることで、遊技機1の周囲の客の注意を惹くことができ、客寄せ効果を向上させることが可能となる。
〔遊技制御装置及び演出制御装置〕
次に、図9及び図10を参照して、遊技機1に備えられる遊技制御装置500及び演出制御装置600について説明する。
図9は、遊技機1の遊技制御装置500を中心とする制御系を示すブロック構成図である。図10は、遊技機1の演出制御装置600を中心とする制御系を示すブロック構成図である。
図9に示す遊技制御装置500は、遊技機1における遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)である。遊技制御装置500には、電源装置300、払出制御装置540、及び演出制御装置600が接続される。遊技制御装置500は、払出制御装置540や演出制御装置600に制御コマンドを送信し、各種処理の実行を指示する。さらに、遊技制御装置500には、各種スイッチや制御対象のソレノイド等が接続される。
遊技制御装置500は、各種演算処理を行うCPU部510と、各種信号の入力を受け付ける入力部520と、各種信号や制御信号を出力する出力部530とを備える。CPU部510、入力部520、及び出力部530は、互いにデータバス580によって接続される。
入力部520は、各種スイッチから出力される信号や払出制御装置540から出力される信号を受け付ける。この入力部520は、近接インターフェース(I/F)521及び入力ポート522、523を備える。
入力ポート522、523は、近接I/F521を介して入力される信号を受け付けたり、外部から入力される信号を直接受け付けたりする。入力ポート522、523に入力した情報は、データバス580を介してCPU部510等に提供される。
近接I/F521は、各種スイッチから出力された信号を受け付け、それら入力信号を変換して入力ポート522に出力するインターフェースである。近接I/F521には、第1始動口スイッチ201、第2始動口スイッチ202、ゲートスイッチ203、入賞口スイッチ204a〜204n、及びカウントスイッチ205が接続される。
第1始動口スイッチ201は、遊技球が第1始動入賞口37aに入賞したことを検出するスイッチである。第2始動口スイッチ202は、遊技球が第2始動入賞口37bに入賞したことを検出するスイッチである。ゲートスイッチ203は、遊技球が普図始動ゲート39を通過したことを検出するスイッチである。入賞口スイッチ204a〜204nは、遊技球が一般入賞口40に入賞したことを検出するスイッチである。
第1始動口スイッチ201及び第2始動口スイッチ202の検出信号は、入力ポート522に出力されるとともに、CPU部510の反転回路512を介して遊技用マイコン511に出力される。これは、遊技用マイコン511の信号入力端子がロウレベルを有効レベルとして検知するように設計されているためである。
カウントスイッチ205は、遊技球が大入賞口に入賞したことを検出するスイッチである。カウントスイッチ205によって遊技球の入賞が検出されると、入賞した遊技球の数がカウントされ、カウントされた遊技球の数が遊技制御装置500に備えられたメモリに記憶される。
また、入力ポート522には磁気センサスイッチ23及び振動センサスイッチ24からの信号が直接入力され、入力ポート523には前面枠開放検出スイッチ25及びガラス枠開放検出スイッチ26からの信号が直接入力される。入力ポート523には、払出制御装置540からの各種信号も入力される。
磁気センサスイッチ23は、発射された遊技球の軌道を磁石によって操作する不正行為を検出するために磁力を検出する。振動センサスイッチ24は、遊技機1を振動させる不正行為を検出するために遊技機1の振動を検出する。
前面枠開放検出スイッチ25は、前面枠5が開放されたことを検出する。前面枠開放検出スイッチ25は、前面枠5が本体枠2から開放されるとオンに設定され、前面枠5が本体枠2に閉止されるとオフに設定される。
ガラス枠開放検出スイッチ26は、ガラス枠6が開放されたことを検出する。ガラス枠開放検出スイッチ26は、ガラス枠6が前面枠5から開放されるとオンに設定され、ガラス枠6が前面枠5に閉止されるとオフに設定される。
遊技制御装置500のCPU部510は、遊技用マイコン511と、反転回路512と、水晶発振器513とを備える。
遊技用マイコン511は、CPU511a、ROM511b、及びRAM511cを有しており、入力部520を介して入力された信号に基づいてROM511bに記憶されたプログラムを実行して大当り抽選等の各種処理を実行する。遊技用マイコン511は、出力部530を介して、遊技状態報知LED12や状態表示器42等から構成される一括表示装置、普電ソレノイド27、大入賞口ソレノイド28、演出制御装置600、及び払出制御装置540に制御信号を送信し、遊技機1を統括的に制御する。遊技用マイコン511は、チップセレクトで、信号を入力又は出力するポートを選択している。
ROM511bは、不揮発性の記憶媒体であり、遊技制御のためのプログラムやデータ等を記憶する。
また、ROM511bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターン振り分け情報を記憶している。変動パターン振り分け情報とは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU511aが参照して変動パターンを決定するための振り分け情報である。
リーチ状態(リーチ)とは、変動表示装置35が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機1において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態(例えば、最後に停止する識別情報を除く複数の識別情報が特別遊技状態となる特別結果を発生可能な識別情報で停止し、最後に停止する識別情報が変動表示している状態)をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、変動表示装置35の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。このようにリーチ状態とは、変動表示装置35の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して変動表示装置35に表示される飾り特図変動表示ゲームが、変動表示装置35における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。この他に、全ての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
CPU部510のRAM511cは、揮発性の記憶媒体であり、遊技制御に必要な情報(例えば、乱数値など)を一時的に記憶するワークエリアとして利用される。
反転回路512は、近接I/F521を介して入力された第1始動口スイッチ201及び第2始動口スイッチ202からの各信号の論理値を反転させて遊技用マイコン511に出力する。
水晶発振器513は、タイマ割込み、システムクロック信号、大当り抽選等を行うためのハード乱数の動作クロック源として構成されている。
遊技制御装置500の出力部530は、ポート531a〜531eと、バッファ532a、532bと、ドライバ533a〜533dと、フォトカプラ534とを備える。
ポート531a〜531eは、データバス580を介して入力された信号を受け付ける。
バッファ532a、532bは、データバス580やポート531a、531bを介して入力された信号を一時的に保持する。
ドライバ533a〜533dは、ポート531c〜531eを介して入力される信号から各種駆動信号を生成して各装置に出力する。
フォトカプラ534は、外部の検査装置543に接続可能に構成されており、入出力される各種信号からノイズを除去して各種信号の波形を整形する。フォトカプラ534と検査装置543との間は、シリアル通信によって情報が送受信される。
払出制御装置540には、ポート531aを介してパラレル通信によってCPU部510から出力された情報が送信される。払出制御装置540に対しては片方向通信を担保する必要がないため、ポート531aから払出制御装置540の払出制御基板に制御コマンドが直接送信される。
払出制御装置540は、遊技制御装置500からの賞球指令信号に基づいて払出ユニット(図示省略)から賞球を排出させたり、カードユニット(図示省略)からの貸球要求信号に基づいて払出ユニットから貸球を排出させたりする。払出制御装置540は、球切れや故障等の障害が発生した場合に、払出異常ステータス信号やシュート球切れスイッチ信号、オーバーフロースイッチ信号を遊技制御装置500に出力する。
払出異常ステータス信号は、遊技球の払い出しが正常に行われていない場合に出力される信号である。シュート球切れスイッチ信号は、払い出し前において遊技球が不足している場合に出力される信号である。オーバーフロースイッチ信号は、下皿14(図1参照)に所定量以上の遊技球が貯留されている場合に出力される信号である。
演出制御装置600には、出力部530のポート531aからのデータストローブ信号(SSTB)及びポート531bからの8bitのデータ信号がバッファ532aを介して入力する。データストローブ信号(SSTB)は、データの有効又は無効を示す1bitの信号である。バッファ532aからの8+1bitの信号(サブコマンド)は、パラレル通信で出力される。バッファ532aは、演出制御装置600から遊技制御装置500に信号を送信できないようにして片方向通信を担保するために設けられる。演出制御装置600に送信されるサブコマンドには、変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等の演出制御指令コマンドが含まれる。
大入賞口ソレノイド28及び普電ソレノイド27には、ポート531c及びドライバ533aを介して、CPU部510から出力された信号が入力する。大入賞口ソレノイド28は変動入賞装置38の開閉扉38a(図2参照)を回動させ、普電ソレノイド27は第2始動入賞口37bの開閉部材37cを回動させる。
一括表示装置は、遊技状態報知LED12及び状態表示器42等から構成される。一括表示装置のLEDのアノード端子はセグメント線を介してドライバ533cに接続し、このドライバ533cとポート531dとが接続している。一括表示装置のLEDのカソード端子はデジット線を介してドライバ533bと接続し、このドライバ533bとポート531cとが接続している。一括表示装置のLEDのアノード端子にはドライバ533cからのオン/オフ駆動信号が入力され、一括表示装置のLEDのカソード端子からはドライバ533bにオン/オフ駆動信号が出力される。
外部情報端子542は、特図変動表示ゲームの開始を示すスタート信号や大当り遊技状態の発生を示す特賞信号等の遊技データを情報収集端末装置に出力するための端子である。遊技データは、ポート531e及びドライバ533dを介して外部情報端子542に出力される。
遊技制御装置500は、中継基板541を介して、外部の試射試験装置に接続可能に構成されている。試射試験装置は、所定機関において遊技機1の型式試験を行うための装置である。試射試験装置には、第1始動口スイッチ201、第2始動口スイッチ202、ゲートスイッチ203、入賞口スイッチ204a〜204n、及びカウントスイッチ205からの信号や、大入賞口ソレノイド28及び普電ソレノイド27に出力される信号等、試射試験に必要な信号が入力する。
遊技制御装置500は、入力部520に設けられるシュミット回路524を介して、電源装置300に接続している。シュミット回路524は、電源の立ち上がり時や電源遮断時において遊技機1の動作が不安定になることを防ぐために、入力信号の揺らぎ(ノイズ)を除去する回路である。シュミット回路524には、電源装置300からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号が入力する。
電源装置300は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータや、DC32Vの電圧からDC12V、DC5V等のより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータを有する通常電源部310と、遊技用マイコン511の内部のRAM511cに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部320と、停電監視回路や初期化スイッチを有しており、遊技制御装置500に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号等の制御信号を出力する制御信号生成部330とを備える。
バックアップ電源部320は、遊技用マイコン511のRAM511cに記憶された遊技データをバックアップするための電源である。遊技制御装置500は、停電復旧後、RAM511cに保持された遊技データに基づいて、停電前の遊技状態に復旧させる。
制御信号生成部330は、DC12V及びDC5Vを生成するスイッチングレギュレータの入力電圧(保証DC32V)を監視する。検出電圧がDC17.2V〜DC20.0Vのときに停電と判定し、制御信号生成部330から停電監視信号が出力される。停電監視信号は、シュミット回路524を経由して、入力部520の入力ポート523に入力する。停電監視信号の出力後には、停電監視回路はリセット信号を出力する。リセット信号は、シュミット回路524を経由して、遊技用マイコン511及び出力部530の各ポート531a〜531eに入力する。遊技制御装置500は、停電監視信号を受け付けると所定の停電処理を行い、リセット信号を受け付けた後にCPU部510の動作を停止させる。
制御信号生成部330は初期化スイッチ(図示省略)を備えており、電源投入時に初期化スイッチがON状態となっている場合に、制御信号生成部330から初期化スイッチ信号が出力される。初期化スイッチ信号は、シュミット回路524を介して、入力部520の入力ポート523に入力する。初期化スイッチ信号は、遊技用マイコン511のRAM511c及び払出制御装置540のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する信号である。
図10に示す演出制御装置600は、遊技制御装置500の遊技用マイコン511と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)610と、主制御用マイコン610の制御下で映像制御等を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)620と、映像制御用マイコン620からのコマンドやデータに従って変動表示装置35(図2参照)への映像表示のための画像処理を行うVDP(Video Display Processor)630と、各種メロディや効果音等を上スピーカ10a及び下スピーカ10bから再生させる音源LSI605と、を備える。
主制御用マイコン610と映像制御用マイコン620には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(Programmable Read Only Memory)602、603がそれぞれ接続される。
VDP630には、キャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM604が接続される。また、音源LSI605には、音声データ等が記憶された音声ROM606が接続される。
主制御用マイコン610は、遊技制御装置500の遊技用マイコン511からのコマンドを解析し、映像制御用マイコン620へ出力映像の内容を指示したり音源LSI605への再生音を指示したりする。また、主制御用マイコン610は、遊技制御装置500からの制御コマンドに基づいて、LED等の点灯制御、各種モータの駆動制御、演出時間の管理等の処理も実行する。
主制御用マイコン610及び映像制御用マイコン620の作業領域を提供するRAM611、621は、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAM611、621はチップの外部に設けるようにしてもよい。
主制御用マイコン610と映像制御用マイコン620との間、主制御用マイコン610と音源LSI605との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われる。これに対して、主制御用マイコン610とVDP630との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われる。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアル方式の場合よりも短時間のうちにコマンドやデータを送信することができる。
VDP630には、画像ROM604から読み出されたキャラクタ等の画像データを展開したり加工したりするのに使用されるVRAM(ビデオRAM)631、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ632、及びLVDS(小振幅信号伝送)方式で変動表示装置35へ送信する映像信号を生成する信号変換回路633が設けられる。
VDP630から主制御用マイコン610へは、変動表示装置35の映像と、前面枠5や遊技盤30に設けられるLED等の点灯とを同期させるために垂直同期信号VSYNCが出力される。また、VDP630から映像制御用マイコン620へは、VRAM631への描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン620からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが出力される。
映像制御用マイコン620から主制御用マイコン610へは、映像制御用マイコン620が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが出力される。
主制御用マイコン610と音源LSI605との間においては、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け信号CTSと応答信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン620には、主制御用マイコン610よりも高速処理が可能なCPUが使用されている。主制御用マイコン610とは別に映像制御用マイコン620を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン610のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を変動表示装置35に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン620と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。
演出制御装置600は、遊技制御装置500から送信されるコマンドを受信するためのインタフェースチップ(コマンドI/F)601を備えている。演出制御装置600は、コマンドI/F601を介して、遊技制御装置500から送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を演出制御指令コマンドとして受信する。遊技制御装置500の遊技用マイコン511はDC5Vで動作し、演出制御装置600の主制御用マイコン610はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F601には信号のレベル変換の機能が設けられている。
演出制御装置600には、センターケース34や遊技盤30に設けられるLED等を含む盤装飾装置660を制御する盤装飾LED制御回路641、前面枠5等に設けられるLED等を含む枠装飾装置21を制御する枠装飾LED制御回路642、変動表示装置35における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物や各種演出装置等を含む盤演出装置670を駆動制御する盤演出モータ/SOL(ソレノイド)制御回路643、球発射装置の駆動モータ等を含む枠演出装置22を駆動制御する枠演出モータ制御回路644が設けられている。これら制御回路641〜644は、アドレス/データバス640を介して主制御用マイコン610に接続されている。
また、演出制御装置600には、演出ボタン17(図1参照)が操作されたことを検知する演出ボタンSW(スイッチ)651や各種駆動モータが駆動されたことを検知する演出モータSW(スイッチ)652a〜652nのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン610へ検出信号を送信するスイッチ(SW)入力回路650、上スピーカ10a及び下スピーカ10bを駆動するオーディオパワーアンプ等からなるアンプ回路607、608が設けられている。
電源装置300の通常電源部310は、演出制御装置600及び当該演出制御装置600によって制御される電子部品に対して所定レベルの直流電圧を供給するために、複数種類の電圧を生成可能に構成されている。具体的には、駆動モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる変動表示装置35を駆動するためのDC12V、コマンドI/F601の電源電圧となるDC5Vの他に、上スピーカ10a及び下スピーカ10bを駆動するためのDC18Vや、これらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させたりするのに使用するNDC24Vの電圧を生成することが可能となっている。
電源装置300の制御信号生成部330により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン610、映像制御用マイコン620、VDP630、音源LSI605、各種制御回路641〜644、607、608に供給され、これらをリセット状態にする。電源装置300は、映像制御用マイコン620の有する汎用ポートを利用して、VDP630に対するリセット信号を生成して供給する機能を有している。これにより、映像制御用マイコン620とVDP630の動作の連携性を向上させることができる。
〔メイン処理〕
図11〜図35を参照して、遊技制御装置500による遊技制御の具体的処理について説明する。
まず、図11及び図12を参照して、遊技制御装置500が実行するメイン処理を説明する。図11は、メイン処理の前半部のフローチャートである。図12は、メイン処理の後半部のフローチャートである。
メイン処理は、遊技機1の電源投入時に実行される。例えば、遊技場で営業を開始するために遊技機1の電源を投入する場合や停電から復帰した場合に実行される。
遊技制御装置500は、メイン処理の実行が開始されると、割込み処理を禁止する(S101)。次いで、遊技制御装置500は、割込み処理が発生した場合に実行されるジャンプ先を示すベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理を実行し(S102)、割込みが発生した時にレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定する(S103)。そして、遊技制御装置500は、割込み処理のモードを設定する(S104)。
次に、遊技制御装置500は、払出制御装置(払出基板)540のプログラムが正常に起動するまで、例えば4ミリ秒間待機する(S105)。これにより、電源投入の際に、遊技制御装置500が起動完了前の払出制御装置540にコマンドを送信してしまうことを回避でき、払出制御装置540による送信コマンドの取りこぼしを防止できる。
その後、遊技制御装置500は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)に対するアクセスを許可し(S106)、全出力ポートを出力が無い状態(オフ)に設定して(S107)、遊技用マイコン511に予め搭載されているシリアルポートを使用しない状態に設定する(S108)。本実施形態では、払出制御装置540や演出制御装置600とパラレル通信を行っているため、シリアルポートを使用しないためである。
続いて、遊技制御装置500は、電源装置300内の初期化スイッチ信号がオンに設定されているか否か判定する(S109)。
初期化スイッチ信号は、遊技機1に電源が投入された場合に、初期化された状態で遊技を開始するか否かを設定するための信号である。例えば、閉店時などに正常に電源が切断され翌日の開店時に電源が投入された場合には、初期化された状態で遊技が開始されるように、初期化スイッチ信号がオンに設定される。一方、停電発生後に再度電源が投入された場合には、遊技を可能な限り停電前の遊技状態に近い状態で再開するため、遊技機1が初期化されないように、初期化スイッチ信号がオフに設定される。
遊技制御装置500は、初期化スイッチ信号がオフに設定されている場合には(S109の結果が「N」)、RWM内の停電検査領域のデータが正常であるか否かをチェックする(S110〜S113)。停電検査領域には、停電検査領域1及び停電検査領域2が含まれている。そして、停電検査領域1には停電検査領域チェックデータ1、停電検査領域2には停電検査領域チェックデータ2が記憶されている。S110及びS111の処理では、遊技制御装置500は、停電検査領域1に記憶された停電検査領域チェックデータ1が正常であるか否かを判定する。S112及びS113の処理では、遊技制御装置500は、停電検査領域2に記憶された停電検査領域チェックデータ2が正常であるか否かを判定する。
遊技制御装置500は、RWM内の停電検査領域1、2の停電検査領域チェックデータ1、2が正常であると判定された場合には(S111の結果及びS113の結果がともに「Y」)、チェックサムと呼ばれる検証用データを算出するチェックサム算出処理を実行する(S114)。
そして、遊技制御装置500は、チェックサム算出処理で算出されたチェックサムの値と、電源切断時に算出されたチェックサムの値とを比較し(S115)、これらの値が一致するか否かを判定する(S116)。
一方、遊技制御装置500は、初期化スイッチ信号がオンに設定されている場合(S109の結果が「Y」)、停電検査領域1、2の値が正常でない場合(S111又はS113の結果が「N」)、電源切断時のチェックサムの値とS114の処理で算出されたチェックサムの値とが一致しない場合(S116の結果が「N」)には、図12のS140〜S144の初期化処理を実行する。この初期化処理の詳細については後述する。
算出されたチェックサムの値と電源切断時のチェックサムの値とが一致する場合には(S116の結果が「Y」)、停電処理が正常に実行されているため、遊技制御装置500は、停電前の状態に復旧させる処理を実行する(図12のS117〜S123)。
遊技制御装置500は、RWM内の領域を初期化して全ての停電検査領域をクリアし(S117)、チェックサムが記憶されていた領域をクリアする(S118)。そして、遊技制御装置500は、エラー関連の情報、及び不正行為を監視するための情報を記憶する領域をリセットする(S119)。
次に、遊技制御装置500は、RWM内の遊技状態を記憶する領域から停電発生時の遊技状態が高確率状態であったか否かを判定する(S120)。高確率状態でないと判定された場合には(S120の結果が「N」)、遊技制御装置500はS123以降の処理を実行する。
これに対して、停電発生時の遊技状態が高確率状態であったと判定された場合には(S120の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、高確率報知フラグをオンに設定して高確率報知フラグ領域にオン情報を保存し(S121)、状態表示器42に設けられる高確率報知LEDをオン(点灯)に設定してセグメント領域にオンデータを保存する(S122)。そして、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置600に送信する(S123)。特図ゲーム処理番号は、特図ゲームの状態を示す番号であり、停電発生時にRWMの所定の領域に記憶されている。このように、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置600に送信することで、可能な限り停電発生前に近い状態で遊技を再開することが可能となる。
ここで、S140〜S144の初期化処理について説明する。この初期化処理は、正常に電源が切断された遊技機を起動する場合や停電発生前の状態に復帰できない場合に実行される。
初期化処理では、遊技制御装置500は、アクセス禁止領域よりも前の全作業領域をクリアし(S140)、アクセス禁止領域よりも後の全スタック領域をクリアする(S141)。そして、遊技制御装置500は、初期化すべき領域に電源投入時用の初期値を保存する(S142)。その後、遊技制御装置500は、RWMクリアに関する外部情報(セキュリティ信号)を出力する期間の時間値を設定し(S143)、初期化処理の最後に電源投入時のコマンドを演出制御装置600に送信する(S144)。
S123又はS144の処理が終了すると、遊技制御装置500は、遊技用マイコン511内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動させる(S124)。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン511内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器513からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、CTC回路とを備えている。タイマ割込み信号は、分周された信号に基づいてCPU511aに所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込みを発生させるための信号である。乱数更新トリガ信号(CTC)は、分周された信号に基づいて乱数生成回路に供給され、乱数生成回路が乱数を更新するトリガとなる。
遊技制御装置500は、CTC回路を起動すると、乱数生成回路の起動設定を行う(S125)。具体的には、CPU511aが乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)を設定する等の処理を実行する。そして、遊技制御装置500は、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブし(S126)、割込みを許可する(S127)。
なお、本実施形態のCPU511a内の乱数生成回路では、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変更されるように構成されており、ソフト乱数レジスタの初期値に基づいて各種初期値乱数の初期値(スタート値)を設定することによって、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことが可能となり、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。各種初期値乱数には、例えば、大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数)、普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数(当り乱数)が含まれる。
続いて、遊技制御装置500は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(S128)。本実施形態では、大当り乱数は、乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。すなわち、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
S128の処理の後、遊技制御装置500は、電源装置300から入力される停電監視信号をチェックする回数を設定する(S129)。チェック回数は、通常2以上の値が設定される。停電監視信号をチェックすることで、停電が発生したか否かを判定することができる。遊技制御装置500は、停電監視信号がオンであるか否かを判定し(S130)、停電監視信号がオンでない場合には(S130の結果が「N」)停電していないとしてS128の初期値乱数更新処理を再び実行し、S128からS130までの処理を繰り返し実行する(ループ処理)。
なお、本実施形態では、初期値乱数更新処理(S128)の前に割り込みを許可(S127)するので、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生した場合に、割込み処理を優先して実行することが可能となる。したがって、S128の初期値乱数更新処理の実行が完了するまでタイマ割込み処理を実行できないために、割込み処理に含まれる各種処理を実行する時間が不足してしまうことを回避できる。
一方、停電監視信号がオンに設定されている場合には(S130の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がS129の処理で設定したチェック回数に到達したか否かを判定する(S131)。
停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達していない場合には(S131の結果が「N」)、遊技制御装置500は、再度、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(S130)。これに対して、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達した場合には(S131の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、停電が発生したものと見なして停電発生時の処理を実行する(S132〜S138)。
停電発生時の処理では、遊技制御装置500は、割込みを禁止し(S132)、全出力ポートをオフに設定する(S133)。続いて、遊技制御装置500は、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1を保存し(S134)、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2を保存する(S135)。
そして、遊技制御装置500は、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(S136)、算出されたチェックサムの値をRWMのチェックサム領域に保存する(S137)。その後、遊技制御装置500は、RWMの内容が変更されないように、RWMへのアクセスを禁止し(S138)、遊技機1の電源が遮断されるまで待機する。このように、停電復旧検査領域にチェック用のデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出して記憶させることで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することが可能となる。
〔タイマ割込み処理〕
図13を参照して、遊技制御装置500によって実行されるタイマ割込み処理を説明する。図13は、タイマ割込み処理のフローチャートである。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路によって生成される周期的(例えば、1ミリ秒周期)なタイマ割込み信号がCPU511aに入力されることによって開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置500は、所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すことによってレジスタを退避させる(S201)。なお、本実施形態では、遊技用マイコン511としてZ80系のマイコンを使用している。Z80系のマイコンには表レジスタと裏レジスタが備えられており、表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避させることでS201の処理が実行される。
次に、遊技制御装置500は、入力部520を介して入力される各種センサやスイッチ等からの入力信号を取り込み、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(S202)。各種センサには、第1始動口スイッチ201、第2始動口スイッチ202、ゲートスイッチ203、入賞口スイッチ204a〜204n、カウントスイッチ205等が含まれる。S202の入力処理では、入力信号にチャタリング除去等を行って入力情報を確定させる。
続いて、遊技制御装置500は、各種処理でセットされた遊技制御に関する出力データを、演出制御装置600及び払出制御装置540に送信するための出力処理を実行する(S203)。出力データは、ソレノイド等のアクチュエータの駆動制御を行うための情報であり、制御対象となるソレノイドには大入賞口ソレノイド28や普電ソレノイド27等が含まれる。S203の出力処理には、遊技機1における遊技データを収集する情報収集端末装置(図示せず)に遊技データを出力することも含まれる。
そして、遊技制御装置500は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置600や払出制御装置540等に送信するコマンド送信処理を実行する(S204)。コマンド送信処理については、図14及び図15を参照して後述する。
S204の処理後、遊技制御装置500は、大当り図柄乱数1及び大当り図柄乱数2を更新する乱数更新処理1を実行し(S205)、特図変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新処理2を実行する(S206)。乱数更新処理1及び乱数更新処理2では、各種乱数にランダム性を付与するために、各種乱数に対応するカウンタ(大当り乱数カウンタ、当り乱数カウンタ、演出決定用乱数カウンタ等)の値を1ずつ加算する。
続いて、遊技制御装置500は、各種入賞口スイッチ等を監視したり、枠の不正な開放等のエラーを監視したりする入賞口スイッチ/エラー監視処理を実行する(S207)。各種入賞口スイッチには、例えば、第1始動口スイッチ201、第2始動口スイッチ202、ゲートスイッチ203、入賞口スイッチ204a〜204n、カウントスイッチ205が含まれる。入賞口スイッチ/エラー監視処理では、これらのスイッチから正常な信号が入力されているか否かを監視したり、前面枠5やガラス枠6が不正に開放されていないか等を監視したりする。
S207の処理後、遊技制御装置500は、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行し(S208)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(S209)。なお、特図ゲーム処理の詳細については、図16を参照して後述する。
S209の処理後、遊技制御装置500は、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLED(例えば、状態表示器42)の表示内容を制御するセグメントLED編集処理を実行する(S210)。具体的には、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームの結果をセグメントLEDに出力するためのパラメータを編集する。
そして、遊技制御装置500は、磁気センサスイッチ23や振動センサスイッチ24からの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する磁気エラー監視処理を実行する(S211)。異常の発生を検出した場合には、上スピーカ10a及び下スピーカ10bから報知音を出力したり、遊技状態報知LED12を点灯させたりする等して外部に報知する。
その後、遊技制御装置500は、外部情報端子542から出力する各種信号を編集する外部情報編集処理を実行し(S212)、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する(S213)。
S213の処理後、遊技制御装置500は、S201の処理で一時退避させたレジスタを復帰させ(S214)、禁止設定されていた外部機器による割込み及びタイマ割込みを許可して(S215)、タイマ割込み処理を終了する。
〔コマンド送信処理〕
図14及び図15を参照して、遊技制御装置500によって実行されるコマンド送信処理を説明する。図14は、コマンド送信処理のフローチャートである。図15は、コマンド送信処理中の演出制御コマンド送信処理のフローチャートである。
コマンド送信処理では、遊技制御装置500は、演出制御装置600及び払出制御装置540に対して制御コマンドを送信する。
S301では、遊技制御装置500は、演出制御コマンド送信処理を実行する。演出制御コマンド送信処理において、遊技制御装置500は、特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドや、停電復旧処理を実行させる停電復旧コマンド等を演出制御装置600に送信する。
その後、遊技制御装置500は、払出ユニットから払い出す賞球数を指定する賞球コマンド等を払出制御装置540に送信する払出コマンド送信処理を実行し(S302)、コマンド送信処理を終了する。
図15に示すように、演出制御コマンド送信処理では、遊技制御装置500は、ライトカウンタとリードカウンタを比較して、変動パターン指定コマンドや停電復旧コマンド等の制御コマンドが設定されているかを判定する(S401及びS402)。
送信される制御コマンドが設定されている場合には(S402の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、リードカウンタを1加算して更新する(S403)。これに対して、制御コマンドが設定されていない場合には(S402の結果が「Y」)、遊技制御装置500は演出制御コマンド送信処理を終了する。
S403の処理後、遊技制御装置500は、リードカウンタに対応するコマンド送信領域から制御コマンドのモード部(MODE)をロードし(S404)、S404でロードしたコマンド送信領域をリセットする(S405)。
続いて、遊技制御装置500は、リードカウンタに対応するコマンド送信領域から制御コマンドのアクション部(ACTION)をロードし(S406)、S406でロードしたコマンド送信領域をリセットする(S407)。
S407の処理後、遊技制御装置500は、モード部及びアクション部からなる制御コマンドを演出制御装置600に送信する演出制御コマンド出力処理を実行し(S408)、演出制御コマンド送信処理を終了する。
〔特図ゲーム処理〕
図16を参照して、図13のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(S208)の詳細について説明する。図16は、特図ゲーム処理のフローチャートである。
特図ゲーム処理では、第1始動口スイッチ201及び第2始動口スイッチ202による入力信号の監視、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図(識別図柄、識別情報)の表示の設定が行われる。
特図ゲーム処理が開始されると、遊技制御装置500は、第1始動口スイッチ201及び第2始動口スイッチ202の入賞を監視する始動口スイッチ監視処理を実行する(S501)。
始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37bに遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数等)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理の詳細については、図17を参照して後述する。
S501の処理後、遊技制御装置500は、カウントスイッチ監視処理を実行する(S502)。カウントスイッチ監視処理では、変動入賞装置38に設けられたカウントスイッチ205によって当該変動入賞装置38に入賞した遊技球を検出して、入賞した遊技球の数を監視する。
続いて、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理タイマが既にタイムアップしているか、又は、特図ゲーム処理タイマを1減算して更新した結果、当該特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックする(S503)。特図ゲーム処理タイマは、後述する特図ゲーム処理番号に応じて分岐させる各処理(S509〜S515)を実行するときに初期値がセットされ、S503の処理で当該特図ゲーム処理タイマの値を1減じる。この初期値としてセットされる値は、当該特図ゲーム処理番号に応じた処理を終了させるまでの時間値であり、例えば特図普段処理(S509;特図ゲーム処理番号「0」)においてセットされる値は、特図変動表示ゲームにおいて特別図柄が変動表示されている時間値がセットされる。そして、特図ゲーム処理タイマの値が0になると、タイムアップしたと判断される。
特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない場合には(S504の結果が「N」)、遊技制御装置500はS516以降の処理を実行する。
一方、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした場合には(S504の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(S505)。そして、遊技制御装置500は、特図ゲームシーケンス分岐テーブルに基づいて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(S506)。続いて、遊技制御装置500は、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させ(S507)、ゲーム処理番号に応じて処理を分岐させる(S508)。
ゲーム処理番号が「0」の場合には(S508の結果が「0」)、遊技制御装置500は特図普段処理を実行する(S509)。特図普段処理は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定、特図変動中処理を実行するために必要な情報の設定等を行う。なお、特図普段処理の詳細については、図21を参照して後述する。
ゲーム処理番号が「1」の場合には(S508の結果が「1」)、遊技制御装置500は特図変動中処理を実行する(S510)。特図変動中処理は、特図変動表示ゲームにおける識別情報の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
ゲーム処理番号が「2」の場合には(S508の結果が「2」)、遊技制御装置500は特図表示中処理を実行する(S511)。特図表示中処理は、特図変動表示ゲームの結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間を設定したり、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
ゲーム処理番号が「3」の場合には(S508の結果が「3」)、遊技制御装置500は、ファンファーレ/インターバル中処理を実行する(S512)。ファンファーレ/インターバル中処理は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
ゲーム処理番号が「4」の場合には(S1008の結果が「4」)、遊技制御装置500は大入賞口開放中処理を実行する(S513)。大入賞口開放中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定したり、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報を設定したりする。
大入賞口開放中処理は、特図変動表示ゲームの結果が特別結果になった場合に大入賞口の開放時間に基づいて変動入賞装置38の開閉扉38aを開放して遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生させるものである。
ゲーム処理番号が「5」の場合には(S508の結果が「5」)、遊技制御装置500は大入賞口残存球処理を実行する(S514)。大入賞口残存球処理は、大当りラウンドが最終ラウンドの場合に大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定したり、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
大入賞口残存球処理では、特別図柄の処理タイマの更新とファンファーレ/インターバル中処理、又は大当り終了処理を行うために必要な情報を設定する。また、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数(所定数)だけ入賞したかを判定し、いずれかの条件が成立した場合に開閉扉38aを閉鎖する。これが所定ラウンド数繰り返し実行された後、特図ゲーム処理番号を6に設定する。
ゲーム処理番号が「6」の場合には(S508の結果が「6」)、遊技制御装置500は大当り終了処理を実行する(S515)。大当り終了処理は、S509の特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う。なお、大当り終了処理の詳細については、図31を参照して後述する。
S504、S509〜S515のいずれかの処理を実行した後、遊技制御装置500は、状態表示器42の特図1表示器における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備し(S516)、特図1表示器に係る図柄変動制御処理を実行する(S517)。
次に、遊技制御装置500は、状態表示器42の特図2表示器における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備し(S518)、特図2表示器に係る図柄変動制御処理を実行して(S519)、特図ゲーム処理を終了する。
〔始動口スイッチ監視処理〕
図17を参照して、図16の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(S501)の詳細について説明する。図17は、始動口スイッチ監視処理のフローチャートである。
始動口スイッチ監視処理が開始されると、遊技制御装置500は、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことによる保留の情報を設定するテーブルを準備する(S601)。
そして、遊技制御装置500は、第1始動入賞口37a又は第2始動入賞口37bに遊技球が入賞した場合に共通して実行される特図始動口スイッチ共通処理を実行する(S602)。なお、特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、図18を参照して後述する。
続いて、遊技制御装置500は、普通電動役物(第2始動入賞口37bの開閉部材37c)が作動中であるか否か、すなわち開閉部材37cが遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを確認する(S603)。
開閉部材37cが作動中である場合には(S603の結果が「Y」)、遊技制御装置500はS606以降の処理を実行する。これに対して、開閉部材37cが作動中でない場合には(S603の結果が「N」)、遊技制御装置500は、第2始動入賞口37bへの不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する(S604及びS605)。
不正入賞について具体的に説明すると、第2始動入賞口37bは、開閉部材37cが閉状態の場合には遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合には何らかの異常や不正が発生した可能性が高く、閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数している。S604及びS605の処理では、遊技制御装置500は、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかを判定する。
不正入賞数が不正判定個数以上の場合には(S605の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、第2始動入賞口37bへの遊技球の入賞を無効として特図変動表示ゲームに関する処理を実行せずに始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、不正入賞数が不正判定個数未満の場合には(S605の結果が「N」)、遊技制御装置500は、第2始動入賞口37bによる保留の情報を設定するテーブルを準備し(S606)、特図始動口スイッチ共通処理を実行して(S607)、始動口スイッチ監視処理を終了する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
図18を参照して、図17の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(S602及びS607)の詳細について説明する。図18は、特図始動口スイッチ共通処理のフローチャートである。
特図始動口スイッチ共通処理は、第1始動入賞口37aや第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことによって第1始動口スイッチ201や第2始動口スイッチ202から信号入力があった場合に共通して実行される処理である。
遊技制御装置500は、第1始動口スイッチ201及び第2始動口スイッチ202のうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば第1始動口スイッチ201)から信号が入力されたか否かを判定する(S701及びS702)。対象の始動口スイッチから信号が入力されていない場合には(S702の結果が「N」)、遊技制御装置500は特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、対象の始動口スイッチから信号が入力された場合には(S702の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、当該対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグをRWMの所定の領域にセーブする(S703)。そして、遊技制御装置500は、対象の始動口スイッチに対応するハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、以降の処理で使用するための準備を行う(S704)。
続いて、遊技制御装置500は、対象の始動口スイッチに対応する始動入賞口への入賞の回数に関する情報、すなわち遊技機1の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードして(S705)、ロードした値に1加算して更新し、始動口信号出力回数がオーバーフローするか否かを確認する(S706及びS707)。
始動口信号出力回数がオーバーフローしない場合には(S707の結果が「N」)、遊技制御装置500は、更新後の始動口信号出力回数の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブする(S708)。
S708の処理の終了後、又は始動口信号出力回数がオーバーフローする場合には(S707の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留数(始動記憶数)が上限値未満か否かを確認する(S709及びS710)。
特図保留数が上限値未満でない場合には(S710の結果が「N」)、遊技制御装置500は、対象の始動口スイッチが第1始動口スイッチ201であるか否かを判断する(S711及びS712)。対象の始動口スイッチが第1始動口スイッチ201である場合には(S712の結果が「Y」)、遊技制御装置500は飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(S713)、コマンド設定処理を実行して(S714)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。これに対して、対象の始動口スイッチが第2始動口スイッチ202である場合には(S712の結果が「N」)、遊技制御装置500は特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
特図保留数が上限値未満の場合には(S710の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、始動口スイッチによって検出された入賞に対応する情報を設定する。つまり、遊技制御装置500は、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数)を1加算して更新する(S715)。
S715の処理の後、遊技制御装置500は、飾り特図保留数コマンドを準備する。飾り特図保留数コマンドは、モード部とアクション部によって構成される。つまり、遊技制御装置500は、まず対象の始動口スイッチの飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備し(S716)、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備する(S717)。そして、遊技制御装置500は、準備された飾り特図保留数コマンドを設定するためのコマンド設定処理を実行し(S718)、更新された特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する(S719)。
S719の処理の後、遊技制御装置500は、大当り乱数をRWMの大当り乱数セーブ領域にセーブし(S720)、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数を抽出し(S721)、大当り図柄乱数をRWMの乱数セーブ領域にセーブする(S722)。
S722の処理後、遊技制御装置500は、対応する変動パターン乱数1を抽出し、抽出した値をRWMの変動パターン乱数1セーブ領域にセーブする(S723)。続いて、遊技制御装置500は、対応する変動パターン乱数2を抽出し、抽出した値をRWMの変動パターン乱数2セーブ領域にセーブし(S724)、対応する変動パターン乱数3を抽出し、抽出した値をRWMの変動パターン乱数3セーブ領域にセーブする(S725)。変動パターン乱数1〜3は、例えば、前半と後半の変動パターンを個別に設定したり、特定の演出を実行したりするために用いられる。
ここで、特図変動表示ゲームにおける変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数は、大当り図柄乱数のように乱数生成回路のソフトウェアによって更新されるものとは異なり、遊技制御用プログラムによって更新されるものである。なお、変動パターン乱数の更新は遊技制御用プログラムによって更新することに限らず、乱数生成回路のハードウェア又はソフトウェアで更新するようにしてもよい。
S725の処理後、遊技制御装置500は、対応する転落抽選乱数を抽出し、抽出した値をRWMの乱数セーブ領域にセーブする(S726)。転落抽選は遊技状態が高確率状態であるときに実行されるが、S726の処理は遊技状態に関係なく毎回実行される。
続いて、遊技制御装置500は、S722の処理でRWMにセーブされた大当り図柄乱数をロードし、ロードした値を用いて特図保留情報判定処理を実行し(S727)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。なお、特図保留情報判定処理については、図19を参照して後述する。
〔特図保留情報判定処理〕
図19を参照して、図18の特図始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(S727)の詳細について説明する。図19は、特図保留情報判定処理のフローチャートである。
特図保留情報判定処理(事前判定手段)は、各始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定するための先読み処理である。
遊技制御装置500は、まず、先読み演出を実行してよい条件を満たしているか否かを判定する(S801及びS802)。先読み演出を実行してよい条件とは、例えば、遊技状態が特別遊技状態(大当り状態等)ではないことである。
先読み演出を実行してよい条件を満たしていない場合には(S802の結果が「N」)、遊技制御装置500は、以降の先読み処理を行わずに特図保留情報判定処理を終了する。これに対して、先読み演出を実行してよい条件を満たしている場合には(S802の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、転落判定処理を実行する(S803)。転落判定処理では、遊技制御装置500は、保留中の始動記憶に含まれる転落抽選乱数値が転落当選範囲にあるか否かを判定する。なお、転落判定処理の詳細については、図20を参照して後述する。
S803の処理後、遊技制御装置500は、転落抽選が当選したという転落情報があるか否かを判定する(S804)。
転落情報がある場合には(S804の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、以降の先読み処理を行わずに特図保留情報判定処理を終了する。一方、転落情報がない場合には(S804の結果が「N」)、遊技制御装置500は、保留中の始動記憶が大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(S805)。大当り判定処理では、遊技制御装置500は、保留中の始動記憶に含まれる大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かを判定することによって、当該始動記憶にかかる変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かを判定する。
S805の処理後、遊技制御装置500は、大当り判定処理の判定結果が大当りであるか否かを判定する(S806)。
大当り判定処理の判定結果が大当りでない場合には(S806の結果が「N」)、遊技制御装置500は、演出内容を選択するためのテーブルとしてはずれ情報テーブルを設定し(S809)、S810以降の処理を実行する。一方、大当り判定処理の判定結果が大当りの場合には(S806の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを大当り時の識別図柄を特定するためのテーブルとして設定し(S807)、当該大当り図柄乱数をチェックして対応する大当り情報テーブルを取得して設定する(S808)。
このように保留中の始動記憶が大当り、又ははずれのいずれの結果となるかに応じて演出内容が変わるので、遊技制御装置500は、結果に対応するテーブルを設定する(S808、S809)。
続いて、遊技制御装置500は、設定した情報テーブルから図柄情報を取得し、当該図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(S810)。そして、遊技制御装置500は、設定した情報テーブルから始動口入賞演出図柄コマンドを取得し、当該始動口入賞演出図柄コマンドをRWMの入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(S811)。
S811の処理後、遊技制御装置500は、対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグを準備し(S812)、始動口入賞演出コマンドを設定する対象のテーブルを準備する(S813)。
そして、遊技制御装置500は、対象の始動口に関して設定された特図情報を設定するための特図情報設定処理を実行する(S814)。続いて、遊技制御装置500は、特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理を実行し(S815)、特図変動表示ゲームの前半変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(S816)。
後半変動パターン設定処理(S815)及び変動パターン設定処理(S816)は、識別情報の変動態様を示す複数の変動パターンから一つの変動パターンを選択する処理であり、特図変動表示ゲームはこれらの処理によって選択された変動パターンに基づいて実行される。
S816の処理後、遊技制御装置500は、前半変動番号に対応する始動口入賞演出コマンド(MODE)を算出して準備し(S817)、後半変動番号の値を始動口入賞演出コマンド(ACTION)として準備し(S818)、コマンド設定処理を実行する(S819)。続いて、遊技制御装置500は、入賞演出図柄コマンド領域から始動口入賞演出図柄コマンドをロードして準備し(S820)、コマンド設定処理を実行して(S821)、特図保留情報判定処理を終了する。
上記した特図保留情報判定処理では、S817及びS818の処理で始動口入賞演出コマンドを準備し、S820の処理で始動口入賞演出図柄コマンドを準備して、始動記憶に対応する判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置600に対して通知する。演出制御装置600は、変動表示装置35に表示されている保留表示の表示態様を変化させる等して、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に特図変動表示ゲームの結果を報知する先読み演出を行う。先読み演出は、S820の処理において所定確率で実行されるように設定されている。
〔転落判定処理〕
図20を参照して、図19の特図保留情報判定処理における転落判定処理(S803)の詳細について説明する。図20は、転落判定処理のフローチャートである。
遊技制御装置500は、まず、大当り発生確率が高確率であるか否かを判定する(S901)。遊技制御装置500は、図18のS726においてRWMの乱数セーブ領域にセーブした転落抽選乱数値が、転落当選判定値と一致するか否かを判定する。本実施形態では、転落当選判定値として連続する複数の値が設定され、転落当選範囲が設けられている。転落当選の確率は約1/70に設定される。
高確率状態でない場合には(S901の結果が「N」)、遊技制御装置500は転落判定処理を終了する。一方、高確率状態である場合は(S901の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、S902以降の処理で転落当選を判定する。
S901の処理後、遊技制御装置500は、転落抽選乱数値と比較する転落当選範囲の下限値、すなわち転落当選判定値の下限判定値をRWMに設定する(S902)。そして、遊技制御装置500は、転落抽選乱数値が下限判定値未満であるか否かを判定して(S903及びS904)、転落抽選乱数値が下限判定値未満である場合には(S904の結果が「Y」)転落判定処理を終了する。
転落抽選乱数値が下限判定値以上である場合には(S904の結果が「N」)、遊技制御装置500は、転落当選範囲の上限値、すなわち転落当選判定値の上限判定値をRWMに設定して(S905)、転落抽選乱数値が上限値以下であるか否かを判定する(S906及びS907)。
転落抽選乱数値が上限値より大きい場合は(S907の結果が「N」)、遊技制御装置500は転落判定処理を終了する。これに対して、転落抽選乱数値が上限値以下である場合には(S907の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、転落抽選が当選したと判定して、転落情報をRWMの作業用の設定情報領域にセーブする(S908)。
S908の処理後、遊技制御装置500は、当選した転落抽選乱数を記憶する始動記憶に対応して転落情報コマンドを準備し(S909)、コマンド設定処理を実行して(S910)、転落判定処理を終了する。
〔特図普段処理〕
図21を参照して、図16の特図ゲーム処理における特図普段処理(S509)の詳細を説明する。図21は、特図普段処理のフローチャートである。
遊技制御装置500は、まず、特図2保留数(特図2始動記憶数)が0であるか否かを判定する(S1001及びS1002)。
遊技制御装置500は、特図2保留数が0の場合には(S1002の結果が「Y」)、特図1保留数(特図1始動記憶数)が0であるか否かを判定する(S1003及びS1004)。本実施形態では、特図2保留数のチェックを特図1保留数のチェックよりも先に行うことによって、特図1変動表示ゲームよりも遊技者にとって有利な特図2変動表示ゲームを優先して実行するようにしている。
遊技制御装置500は、特図1保留数が0の場合には(S1004の結果が「Y」)、既に客待ちデモが開始されているか否かを判定する(S1005及びS1006)。客待ちデモを開始していない、すなわち開始済みでない場合には(S1006の結果が「N」)、遊技制御装置500は、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグを設定する(S1007)。その後、遊技制御装置500は、客待ちデモコマンドを準備し(S1008)、コマンド設定処理を実行する(S1009)。
一方、既に客待ちデモが開始されている場合には(S1006の結果が「Y」)、既に客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグが設定済みであり、客待ちデモコマンドが演出制御装置600に送信済みであるため、遊技制御装置500はS1010の処理を実行する。
S1009の処理後、又は既に客待ちデモが開始されている場合(S1006の結果が「Y」)には、遊技制御装置500は、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する特図普段処理移行設定処理1を実行し(S1010)、特図普段処理を終了する。特図普段処理に移行するためのテーブルには、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等が含まれる。
一方、S1002の処理において、特図2保留数が0でない場合(S1002の結果が「N」)、すなわち第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことによる特図2変動表示ゲームが実行される場合には、遊技制御装置500は特図2変動開始処理1を実行する(S1011)。なお、S1011における特図2変動開始処理1の詳細については、図23を参照して後述する。
S1011の処理後、遊技制御装置500は、特図変動中処理に移行するための第2特図用テーブルを準備する特図変動中処理移行設定処理(特図2)を実行して(S1012)、特図普段処理を終了する。遊技制御装置500は、第2特図用テーブルに、特図変動中処理に係る特図ゲーム処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第2特図の変動中に係る試験信号、特図2表示器における特図2変動表示ゲームの制御用の情報(特図2表示器の変動中に係るフラグ、特図2表示器の点滅の周期のタイマの初期値等)を設定する。
また、S1004の処理において、特図1保留数が0でない場合(S1004の結果が「N」)、すなわち第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことによる特図1変動表示ゲームが実行される場合には、遊技制御装置500は特図1変動開始処理1を実行する(S1013)。なお、S1013における特図1変動開始処理1の詳細については、図22を参照して後述する。
S1013の処理後、遊技制御装置500は、特図変動中処理に移行するための第1特図用テーブルを準備する特図変動中処理移行設定処理(特図1)を実行して(S1014)、特図普段処理を終了する。遊技制御装置500は、第1特図用テーブルに、特図変動中処理に係る特図ゲーム処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第1特図の変動中に係る試験信号、特図1表示器における特図1変動表示ゲームの制御用の情報(特図1表示器の変動中に係るフラグ、特図1表示器の点滅の周期のタイマの初期値等)を設定する。
〔特図1変動開始処理1、特図2変動開始処理1〕
図22及び図23を参照して、図21の特図普段処理における特図1変動開始処理1(S1013)及び特図2変動開始処理1(S1011)の詳細を説明する。図22は特図1変動開始処理1のフローチャートであり、図23は特図2変動開始処理1のフローチャートである。
図22に示す特図1変動開始処理1は、特図1変動表示ゲームの開始時に実行される処理である。
遊技制御装置500は、まず転落抽選処理を実行する(S1101a)。図20の転落判定処理は、始動記憶に対する先読み処理の一つであるので、当該始動記憶で転落するか否かを判定するのみである。転落抽選処理(転落抽選手段)では、高確率状態から低確率状態に実際に転落させるための処理を実行する。なお、転落抽選処理の詳細については、図24を参照して後述する。
次に、遊技制御装置500は、特図1変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ1に、はずれ情報又は大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理を実行する(S1102a)。
S1102aの処理後、遊技制御装置500は、特図1変動表示ゲームにおける停止図柄(特図1停止図柄)を設定する特図1停止図柄設定処理を実行する(S1103a)。
続いて、遊技制御装置500は、特図1停止図柄番号に対応する信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブする(S1104a)。その後、遊技制御装置500は、RWMの図柄情報領域に設定された図柄情報をロードし、その図柄情報をRWMの作業用図柄情報領域にセーブする(S1105a)。
S1105aの処理後、遊技制御装置500は、特図1変動フラグ(変動中フラグ)をロードして準備し(S1106a)、特図1変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(S1107a)。
その後、遊技制御装置500は、特図後半変動の設定に係る特図1用テーブルを準備し(S1108a)、特図情報を設定する特図情報設定処理を実行する(S1109a)。そして、遊技制御装置500は、特図1変動表示ゲームにおける変動態様のうち後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理を実行し(S1110a)、前半変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(S1111a)。
S1111aの処理後、遊技制御装置500は、特図1変動表示ゲームを開始するための情報を設定する変動開始情報設定処理を実行して(S1112a)、特図1変動開始処理1を終了する。
なお、図23の特図2変動表示ゲームの開始時に実行される特図2変動開始処理1(図21のS1011)についても、図22の特図1変動開始処理1と同様の手順で実行される。図23のS1101b〜S1112bの処理は図22のS1101a〜S1112aの処理に対応して、S1102bの処理でフラグ2が処理対象となり、S1103b及びS1104bの処理で特図2停止図柄が処理対象となり、S1106b及びS1107bの処理で特図2変動フラグが処理対象となる。
〔転落抽選処理〕
図24を参照して、図22及び図23の特図1及び特図2変動開始処理1における転落抽選処理(S1101a及びS1101b)の詳細を説明する。図24は、転落抽選処理のフローチャートである。
遊技制御装置500は、図18のS726においてRWMの乱数セーブ領域にセーブした転落抽選乱数をロードし、以降の処理で使用するための準備を行う(S1201)。
S1202〜S1208の処理は、図20の転落判定処理のS901〜S907の処理と同様である。図20の転落判定処理では、対象の始動記憶はまだ保留状態であり、転落抽選が当選したか否かを判定しているのみで、当選しても実際に転落を実行しない。これに対して、図24の転落抽選処理では、対象の始動記憶の特図変動表示ゲームが開始される際に再び転落抽選が当選したか否かを判定し、当選したら実際に転落を実行するための処理を行う。
S1201の処理後、遊技制御装置500は、大当りの確率状態が高確率状態であるか否かを判定する(S1202)。
高確率状態でない場合には(S1202の結果が「N」)、遊技制御装置500は、RWMの乱数セーブ領域を0クリアして(S1210)、転落抽選処理を終了する。
一方、高確率状態である場合には(S1202の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、転落当選判定値の下限判定値をRWMに設定し(S1203)、転落抽選乱数値が下限判定値未満であるか否かを判定する(S1204及びS1205)。転落抽選乱数値が下限判定値未満である場合には(S1205の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、RWMの乱数セーブ領域を0クリアして(S1210)、転落抽選処理を終了する。
転落抽選乱数値が下限判定値以上である場合には(S1205の結果が「N」)、遊技制御装置500は、転落当選判定値の上限判定値をRWMに設定して(S1206)、転落抽選乱数値が上限値以下であるか否かを判定する(S1207及びS1208)。転落抽選乱数値が上限値より大きい場合には(S1208の結果が「N」)、遊技制御装置500は、RWMの乱数セーブ領域を0クリアして(S1210)、転落抽選処理を終了する。
一方、転落抽選乱数値が上限値以下である場合には(S1208の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、転落抽選が当選したと判定して、転落時情報設定処理を実行する(S1209)。なお、転落時情報設定処理についての詳細は、図25を参照して後述する。
S1209の処理後、遊技制御装置500は、RWMの乱数セーブ領域を0クリアして(S1210)、転落抽選処理を終了する。
〔転落時情報設定処理〕
図25を参照して、図24の転落抽選処理における転落時情報設定処理(S1209)の詳細を説明する。図25は、転落時情報設定処理のフローチャートである。
遊技制御装置500は、まず、RWMの遊技状態表示番号領域に低確率状態であることを示す番号をセーブする(S1301)。
S1301の処理後、遊技制御装置500は、普電サポートに関するフラグが普電サポートフラグAであるか否かを判定する(S1302及びS1303)。
普電サポート状態(普電サポートあり)になると、第2始動入賞口37bにおける開閉部材(普通電動役物)37cの開時間が普通動作時(通常補助状態)よりも延長され、入賞容易状態となる確率が高い特別補助状態となる。本実施形態では、普電サポートが終了するタイミングに応じて、普電サポートフラグA、Bのいずれかが設定される。普電サポートフラグAは、転落抽選が当選して特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態から低確率状態に転落した場合に、普電サポートが終了するものであることを示す(図34参照)。普電サポートフラグBは、所定回数の特図変動表示ゲームが実施された場合に、普電サポートが終了するものであることを示す(図34参照)。
フラグが普電サポートフラグBである場合には(S1303の結果が「N」)、遊技制御装置500は、時短中であるか否かを判定する(S1311)。遊技制御装置500は、時短中でない場合にはS1307の処理を実行し、時短中である場合にはS1308の処理を実行する。
フラグが普電サポートフラグAである場合には(S1303の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、RWMの普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率フラグ及び普電サポートなしフラグをセーブする(S1304)。このS1304の処理において、普電サポートフラグAがクリアされる。そして、遊技制御装置500は、RWMの特図ゲームモードフラグ領域から時短フラグをクリアし(S1305)、第1特図変動表示ゲーム又は第2特図変動表示ゲームの始動記憶内に低確率状態での当たりがあるか否かを判定する(S1306)。
始動記憶内に当りの特図変動表示ゲームがない場合(S1306の結果が「N」)、又は普電サポートフラグBであって時短中でない場合(S1311の結果が「N」)には、遊技制御装置500は連続大当り回数をリセットする(S1307)。
一方、始動記憶内に当りの特図変動表示ゲームがある場合には(S1306の結果が「Y」)、遊技制御装置500は連続大当り加算フラグをオンにする(S1312)。なお、S1307やS1312等の処理は、図30の連続大当り回数設定処理に関連する処理である。連続大当り回数設定処理は、所定遊技状態期間内における特図変動表示ゲームの大当り回数を計数し、連続大当り回数として遊技者に報知する処理である。
S1307の処理後、S1312の処理後、又はS1311の結果が「Y」である場合に、遊技制御装置500は、RWMの特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率フラグをセーブし(S1308)、停電復旧後に停電前の遊技状態に復旧できるようにRWMの停電復旧時送信コマンド領域に低確率状態である確率情報コマンドをセーブする(S1309)。
S1309の処理後、遊技制御装置500は、低確率状態である確率情報コマンドを演出制御装置600に送信するためにコマンド設定処理を実行して(S1310)、転落時情報設定処理を終了する。
〔特図表示中処理〕
図26及び図27を参照して、図16の特図ゲーム処理における特図表示中処理(S511)の詳細を説明する。図26は特図表示中処理の前半部分のフローチャートであり、図27は特図表示中処理の後半部分のフローチャートである。
遊技制御装置500は、特図2変動表示ゲームが大当りになる場合にRWMの大当りフラグ2領域に設定される大当りフラグ2をロードし(S1401)、大当りフラグ2領域をクリアする(S1402)。
S1402の処理後、遊技制御装置500は、ロードされた大当りフラグ2が大当りであるか否かを判定する(S1403及びS1404)。
大当りフラグ2が大当りである場合には(S1404の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、RWMの大当りフラグ1領域をクリアし(S1410)、特図2変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)の開始に関する信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブする(S1411)。特図2大当りの開始に関する信号には、条件装置作動中信号をONにしたり、役物連続作動装置作動中信号をONにしたり、特別図柄2当り信号をONにしたりすることが含まれる。
一方、大当りフラグ2が大当りでない場合には(S1404の結果が「N」)、遊技制御装置500は、RWMの大当りフラグ1領域に設定される大当りフラグ1をロードする(S1405)。そして、遊技制御装置500は、RWMの大当りフラグ1領域をクリアする(S1406)。続いて、遊技制御装置500は、ロードされた大当りフラグ1が大当りであるか否かを判定する(S1407及びS1408)。
大当りフラグ1が大当りでない場合には(S1408の結果が「N」)、遊技制御装置500は図27のS1428以降の処理を実施する。図27のS1428以降の処理については後述する。
一方、大当りフラグ1が大当りである場合には(S1408の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、特図1変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブする(S1409)。特図1大当りの開始に関する信号には、特図2大当りの場合と同様に、条件装置作動中信号をONにしたり、役物連続作動装置作動中信号をONにしたり、特別図柄1当り信号をONにしたりすることが含まれる。
特図1大当りに関する試験信号をセーブする処理(S1409)、又は特図2大当りに関する試験信号をセーブする処理(S1411)が完了すると、遊技制御装置500はラウンド数上限値テーブルを設定する(S1412)。
S1412の処理後、遊技制御装置500は、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値を取得し、当該ラウンド数上限値をRWMのラウンド数上限値領域にセーブする(S1413)。続いて、遊技制御装置500は、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得し、当該ラウンドLEDポインタをRWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(S1414)。このように、ラウンド数上限値テーブル上には、ラウンド数上限値及びラウンドLEDポインタが定義される。
S1414の処理後、遊技制御装置500は、特別遊技状態の発生回数を加算して連続大当り回数を算出する連続大当り回数設定処理を実行する(S1415)。この連続大当り回数設定処理の詳細については、図30を参照して後述する。
その後、遊技制御装置500は、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率(低確率)とする情報に対応する確率情報コマンドを準備し(S1416)、コマンド設定処理を実行する(S1417)。
S1417の処理後、遊技制御装置500は、実行中の特図変動表示ゲームの停止図柄を示す図柄情報をRWMからロードし、当該図柄情報に対応するファンファーレコマンドを準備し(S1418)、コマンド設定処理を実行する(S1419)。出力されるファンファーレは、大当りの種類(例えば、15R確変大当りと2R確変大当り)によって異なるため、対応するファンファーレコマンドを演出制御装置600に送信するように設定する。
その後、遊技制御装置500は、変動表示装置35で表示される飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄情報に対応する飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードして準備し(S1420)、当該飾り特図コマンドに対するコマンド設定処理を実行する(S1421)。
S1421の処理後、遊技制御装置500は、大入賞口開放情報をロードし、当該大入賞口開放情報に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブするとともに、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する信号もRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(S1422)。
続いて、遊技制御装置500は、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間を設定し(S1423)、当該大当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(S1424)。
S1424の処理後、遊技制御装置500は、大入賞口への不正入賞数をセーブしている大入賞口不正入賞数領域をリセットし(S1425)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(S1426)。
そして、遊技制御装置500は、ファンファーレ/インターバル中処理に移行するためのファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1を実行し(S1427)、特図表示中処理を終了する。ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1では、特図ゲーム処理においてファンファーレ/インターバル中処理に対応する処理番号「3」を設定し、各種状態を示す情報を設定したり、変動パターン振り分け情報領域にセーブされた変動パターン振り分け情報をクリアしたりする。
ここで、各種状態を示す情報としては、例えば、外部情報端子に出力用の遊技状態が特別遊技状態(大当り状態)であることを示す信号、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率状態(低確率状態)であることを示す試験信号、大入賞口不正監視期間における大入賞口への入賞数のクリアに係る情報、特別遊技状態のラウンド数のクリアに係る情報、高確率状態の表示に係る遊技状態表示LED(エラー表示器)を消灯させる情報、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報、停電復旧時に点灯した高確率状態の表示に係る遊技状態表示LED(エラー表示器)を消灯させる情報、特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報や、停電復旧時に演出制御装置600に出力される、普図変動表示ゲームや特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率状態(低確率状態)であることを示す情報や、大当り後の残り時間短縮変動回数のクリアに係る情報など)等が挙げられる。
ところで、S1408の処理で大当りフラグ1が大当りでないと判定されると、遊技制御装置500は、図27のS1428の処理を実行する。S1428では、遊技制御装置500は、遊技状態が時短中であるか否かを判定する。
遊技状態が時短中である場合には(S1428の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、普電サポートに関するフラグが普電サポートフラグBであるか否かを判定する(S1429及びS1430)。普電サポートフラグBである場合には(S1430の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、時間短縮変動回数(時短変動回数)を1減算して更新する(S1431)。
普電サポートに関するフラグが普電サポートフラグAである場合には(S1430の結果が「N」)、普電サポートの終了タイミングが特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態から低確率状態に転落する時であるため、S1431の処理を実行せずに、特図普段処理移行設定処理1を実行する(S1438)。
S1431の処理後、遊技制御装置500は、S1431の処理で更新された時短変動回数が0であるか否かを判定する(S1432)。時短変動回数が0になると、今回の特図変動表示ゲームで時短状態が終了する。そして、時短変動回数が0の場合には(S1432の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、保留されている特図変動表示ゲームの始動記憶内において、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなるものが含まれているか否かを判定する(S1433)。
始動記憶内に特図変動表示ゲームの結果が大当りとなるものが含まれている場合には(S1433の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、連続大当り加算フラグをオンに設定する(S1434)。S1434の処理後、遊技制御装置500は、特図普段処理移行設定処理2を実行する(S1435)。
なお、S1433の処理において始動記憶内に特図変動表示ゲームの結果が大当りとなるものが含まれていないと判定された場合には(S1433の結果が「N」)、遊技制御装置500は、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態であるか否かを判定する(S1436)。高確率状態でない場合には(S1436の結果が「N」)、遊技制御装置500は、連続大当り回数を0にリセットして(S1437)、特図普段処理移行設定処理2を実行する(S1435)。これに対して、高確率状態である場合には(S1436の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、連続大当り回数をリセットせずに、特図普段処理移行設定処理2を実行する(S1435)。
遊技制御装置500は、特図普段処理移行設定処理2を実行後(S1435)に、特図表示中処理を終了する。S1435の特図普段処理移行設定処理2では、遊技状態を通常状態に移行させるために必要な各種フラグやパラメータを設定する。特図普段処理移行設定処理2についての詳細は、図29を参照して後述する。
ところで、遊技状態が時短中でない場合(S1428の結果が「N」)、普電サポートに関するフラグが普電サポートフラグAである場合(S1430の結果が「N」)、又は次回の特図変動表示ゲームも時短状態となる場合(S1432の結果が「N」)には、遊技制御装置500は、特図普段処理移行設定処理1を実行し(S1438)、特図表示中処理を終了する。特図普段処理移行設定処理1についての詳細は、図28を参照して後述する。
〔特図普段処理移行設定処理1〕
図28を参照して、特図表示中処理における特図普段処理移行設定処理1(図27のS1435)の詳細を説明する。図28は、特図普段処理移行設定処理1のフローチャートである。
遊技制御装置500は、特図ゲーム処理番号として0(特図普段処理)を設定し(S1501)、RWMの特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(S1502)。
続いて、遊技制御装置500は、特図1変動フラグ又は特図2変動フラグをオフするために変動図柄判別フラグ領域をリセットする(S1503)。
S1503の処理後、遊技制御装置500は、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(S1504)、特図普段処理移行設定処理1を終了する。
〔特図普段処理移行設定処理2〕
図29を参照して、特図表示中処理における特図普段処理移行設定処理2(図27のS1438)の詳細を説明する。図29は、特図普段処理移行設定処理2(時短終了時)のフローチャートである。
遊技制御装置500は、特図ゲーム処理番号として0(特図普段処理)を設定し(S1601)、RWMの特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(S1602)。そして、遊技制御装置500は、時短の終了に関する信号を、遊技場内部管理装置へ送信するために外部情報出力データ領域にセーブするとともに試射試験装置に送信するために試験信号出力データ領域にセーブする(S1603及びS1604)。
S1604の処理後、遊技制御装置500は、RWMの遊技状態表示番号領域に低確率時の番号をセーブし(S1605)、RWMの普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率及び普電サポートなしフラグをセーブする(S1606)。このように、時短状態の終了とともに普電サポートは低サポ状態(普電サポートなし)に設定され、普電サポートフラグAがクリアされる。
S1606の処理後、遊技制御装置500は、RWMの特図ゲームモードフラグ領域から時短フラグをクリアし(S1607)、RWMの変動図柄判別フラグ領域をリセットして特図変動フラグをクリアする(S1608)。その後、遊技制御装置500は、特図変動表示ゲームで実行される特殊演出に関する特殊演出情報領域をリセットして(S1609)、特図普段処理移行設定処理2を終了する。
〔連続大当り回数設定処理〕
図30を参照して、図26の特図表示中処理における連続大当り回数設定処理(S1415)の詳細を説明する。図30は、連続大当り回数設置処理のフローチャートである。
遊技制御装置500は、まず、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態であるか否かを判定する(S1701)。
高確率状態でない場合には(S1701の結果が「N」)、遊技制御装置500は、第2始動入賞口37bにおける開閉部材37cの状態が普電サポート状態であるか否かを判定する(S1702)。
特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態である場合(S1701の結果が「Y」)又は、開閉部材37cの状態が普電サポート状態である場合(S1702の結果が「Y」)には、遊技制御装置500は、所定遊技状態期間内における特図変動表示ゲームの大当り回数を計数した連続大当り回数をロードし(S1703)、ロードした連続大当り回数を1加算して更新する(S1704)。
S1704の処理後、遊技制御装置500は、連続大当り回数を遊技者に報知するため、連続大当り演出コマンドを演出制御装置600に送信し(S1705)、連続大当り回数設定処理を終了する。演出制御装置600は、所定の遊技状態で実施されている場合に、連続大当り演出コマンドに基づいて連続大当り回数を変動表示装置35に表示させる(連続大当り回数表示手段)。
ところで、開閉部材37cの状態が普電サポート状態でない場合(S1702の結果が「N」)には、遊技制御装置500は、連続大当り加算フラグがオンに設定されているか否かを判定する(S1706)。
連続大当り加算フラグがオンでない場合には(S1706の結果が「N」)、遊技制御装置500は、連続大当り回数を0にリセットし(S1710)、連続大当り回数設定処理を終了する。
一方、連続大当り加算フラグがオンである場合には(S1706の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、連続大当り回数をロードし(S1707)、ロードした連続大当り回数を1加算して更新する(S1708)。続いて、遊技制御装置500は、連続大当り加算フラグをオフに設定し(S1709)、連続大当り演出コマンドを演出制御装置600に送信して(S1705)、連続大当り回数設定処理を終了する。なお、S1704及びS1708の処理が連続大当り回数算出手段を構成する。
上記した連続大当り回数設定処理では、所定遊技状態期間内における連続大当り回数を遊技者に報知することで、遊技者に達成感を与えることができ、遊技の興趣を向上させることが可能となる。
〔大当り終了処理〕
図31を参照して、図16の特図ゲーム処理における大当り終了処理(S515)の詳細を説明する。図31は、大当り終了処理のフローチャートである。
大当り終了処理は、特別遊技状態終了後の遊技状態の設定等を行う処理である。
遊技制御装置500は、確率変動判定フラグ領域に格納された確率変動判定フラグが潜伏突入フラグであることを判定する(S1801及びS1802)。確率変動判定フラグには、潜伏確変状態の有無や、普電サポートの有無、普電サポートの種類及び回数等の情報が含まれる。
確率変動判定フラグが潜伏突入フラグでない場合には(S1802の結果が「N」)、遊技制御装置500は、遊技状態を確変状態に設定する大当り終了設定処理1を実行する(S1803)。確変状態とは、特図変動表示ゲームにおいて大当りとなる確率が通常時よりも高い状態であって、高確率であることを遊技者が認識できる状態のことをいう。大当り終了設定処理1の詳細については、図32を参照して後述する。
一方、確率変動判定フラグが潜伏突入フラグである場合には(S1802の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、遊技状態を潜伏確変状態に設定する大当り終了設定処理2を実行する(S1804)。潜伏確変状態とは、特図変動表示ゲームにおいて大当りとなる確率が高確率であることを遊技者に伏せる状態のことをいう。大当り終了設定処理2の詳細については、図33を参照して後述する。
S1803の処理後又はS1804の処理後、遊技制御装置500は、図16における特図普段処理(S509)を実行するための特図普段処理移行処理を実行し(S1805)、大当り終了処理を終了する。
このように、本実施形態による遊技機1では、特別遊技状態終了後に、確変状態又は潜伏確変状態のどちらかに振り分けられる。
〔大当り終了設定処理1〕
図32を参照して、図31の大当り終了処理における大当り終了設定処理1(S1803)の詳細を説明する。図32は、大当り終了設定処理1のフローチャートである。
大当り終了設定処理1(特定遊技状態実行手段)は、大当り終了後の遊技状態を確変状態に移行させるために必要な情報を設定する処理である。
遊技制御装置500は、確変状態の開始に関する信号を、遊技場内部管理装置へ送信するために外部情報出力データ領域にセーブする(S1901)。続いて、遊技制御装置500は、特図変動表示ゲームの高確率状態の開始に関する信号を、試射試験装置へ送信するために試験信号出力データ領域にセーブする(S1902)。そして、遊技制御装置500は、遊技状態表示番号表示領域に確変状態の番号をセーブする(S1903)。
S1903の処理後、遊技制御装置500は、普図ゲームモードフラグ領域に、普図高確率及び普電サポートフラグAをセーブする(S1904)。続いて、遊技制御装置500は、特図ゲームモードフラグ領域に特図高確率及び時短フラグをセーブする(S1905;確率設定手段)。
S1905の処理後、遊技制御装置500は、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率)をセーブし(S1906)、大当り終了設定処理1を終了する。
〔大当り終了設定処理2〕
図33を参照して、図31の大当り終了処理における大当り終了設定処理2(S1804)の詳細を説明する。図33は、大当り終了設定処理2のフローチャートである。
大当り終了設定処理2(特定遊技状態実行手段)は、大当り終了後の遊技状態を潜伏確変状態に移行させるために必要な情報を設定する処理である。
遊技制御装置500は、潜伏確変状態の開始に関する信号を、遊技場内部管理装置へ送信するために外部情報出力データ領域にセーブする(S2001)。続いて、遊技制御装置500は、潜伏確変状態の開始に関する信号を、試射試験装置へ送信するために試験信号出力データ領域にセーブする(S2002)。そして、遊技制御装置500は、遊技状態表示番号領域に潜伏確変状態の番号をセーブする(S2003)。
S2003の処理後、遊技制御装置500は、普図ゲームモードフラグ領域に、普図高確率及び普電サポートフラグBをセーブする(S2004)。続いて、遊技制御装置500は、特図ゲームモードフラグ領域に特図高確率及び時短フラグをセーブする(S2005)。その後、遊技制御装置500は、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率)をセーブする(S2006)。
S2006の処理後、遊技制御装置500は、時短変動回数領域に時短変動回数初期値をセーブするとともにサポート回数領域に普電サポート回数初期値をセーブし(S2007;選択手段)、大当り終了設定処理2を終了する。
なお、時短変動回数初期値は、時短状態の終了に関するパラメータであり、潜伏確変状態に移行してからの特図変動表示ゲームの実行回数によって定義される。普電サポート回数初期値は、普電サポート状態の終了に関するパラメータであり、潜伏確変状態に移行してからの特図変動表示ゲームの実行回数によって定義される。時短変動回数初期値及び普電サポート回数初期値は、図35に示すように、10回〜90回の範囲で選択される。本実施形態では、時短変動回数初期値及び普電サポート回数初期値を同値として設定するが、それぞれ異なる値を設定してもよい。
〔確変状態及び潜伏確変状態〕
次に、図34及び図35を参照して、大当り終了(特別遊技状態)後に実施される確変状態及び潜伏確変状態について補足する。
図34及び図35に示すように、確変状態では、特図変動表示ゲームにおいて大当りとなる確率が通常遊技状態よりも高確率となり、時短状態及び普電サポート状態に設定される。確変状態における普電サポート状態は、普電サポートフラグAとして識別される。
確変状態では、高確率状態、時短状態、及び普電サポート状態は、転落抽選が当選して特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態から低確率状態に転落した場合に終了するように設定される(条件設定手段)。このように、確変状態における高確率状態、時短状態、及び普電サポート状態の終了条件は、転落抽選の当選を契機としている。
また、確変状態では、所定の特別演出が変動表示装置35に表示される。確変状態における特別演出は、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態であることを遊技者が認識できるような態様で背景やキャラクタを表示するスッキリモード(第1特別演出)である。
なお、特図変動表示ゲームが大当りになって、その後特別遊技状態から確変状態に移行する場合には、当該特図特図変動表示ゲームの当り図柄は0となり、変動表示装置35では0(識別情報)が三つ揃った状態で停止表示される(報知手段)。したがって、遊技者は当り図柄が0であることを視認することで、遊技状態が特別遊技状態後に確変状態になることを認識することができる。
一方、潜伏確変状態では、特図変動表示ゲームにおいて大当りとなる確率が通常遊技状態よりも高確率となり、時短状態及び普電サポート状態に設定される。潜伏確変状態における普電サポート状態は、普電サポートフラグBとして識別される。
高確率状態は、転落抽選が当選して特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態から低確率状態に転落した場合に終了するように設定される(条件設定手段)。このように潜伏確変状態における高確率状態の終了条件は、転落抽選の当選を契機としている。
これに対して、時短状態及び普電サポート状態は、潜伏確変状態移行後に所定回数の特図変動表示ゲームが実施された時に終了するように設定される(条件設定手段)。このように、潜伏確変状態における時短状態及び普電サポート状態の終了条件は、潜伏確変状態移行後の特図変動表示ゲームの実行回数を契機としている。
また、潜伏確変状態では、確変状態における演出とは異なる所定の特別演出が変動表示装置35に表示される。潜伏確変状態における特別演出は、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態であることを遊技者に対して伏せるような態様で背景やキャラクタを表示するドキドキモード(第2特別演出)である。
特図変動表示ゲームが大当りになって、その後特別遊技状態から潜伏確変状態に移行する場合には、当該特図特図変動表示ゲームの当り図柄は1〜9のいずれかとなり、変動表示装置35では1〜9のうちのいずれかの数字(識別情報)が三つ揃った状態で停止表示される(報知手段)。したがって、遊技者は当り図柄が1〜9のいずれかであることを視認することで、遊技状態が特別遊技状態後に潜伏確変状態になることを認識することができる。
また、潜伏確変状態における時短状態及び普電サポート状態の終了条件である特図変動表示ゲームの実行回数と、当り図柄の数字(1〜9)とが対応するように設定されている。つまり、時短状態及び普電サポート状態の終了条件としての特図変動表示ゲームの実行回数は、当り図柄の数字(1〜9)の10倍の数値に設定される。したがって、遊技者は当り図柄が1〜9のいずれかであることを視認することで、時短状態及び普電サポート状態がどの程度継続するかを認識することができる。
なお、本実施形態では、確変状態となる場合の当り図柄を0とし、潜伏確変状態となる場合の当り図柄を1〜9としたが、これら遊技状態と当り図柄の関係は一例であり、これに限定されるものではない。例えば、確変状態となる場合の当り図柄を偶数とし、潜伏確変状態となる場合の当り図柄を奇数としてもよい。
〔1stメイン処理〕
次に、図36〜図40を参照して、演出制御装置600による遊技制御の具体的処理について説明する。
図36を参照して、演出制御装置600によって実行される1stメイン処理の詳細を説明する。図36は、演出制御装置600の主制御用マイコン(1stCPU)610によって実行される1stメイン処理のフローチャートである。1stメイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。
1stメイン処理が開始されると、演出制御装置600は、割込みを禁止して(S2101)、作業領域であるRAM611を0クリアする(S2102)。
続いて、演出制御装置600は、主制御用マイコン610を初期化するCPU初期化処理を実行し(S2103)、各種処理の実行に必要な初期値をRAM611に設定して(S2104)、乱数初期化処理を実行する(S2105)。
S2105の処理後、演出制御装置600は、所定のタイミング、例えば1ミリ秒間隔で、割込みを発生させるための各種割込みタイマを起動し(S2106)、割込みを許可する(S2107)。
ここで、演出制御装置600の主制御用マイコン610は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(S2108)。WDTは、S2103のCPU初期化処理で起動され、CPUが正常に動作しているか否かを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPUがリセットされる。
S2108の処理後、演出制御装置600は、遊技者による演出ボタン17の操作に基づく操作信号に応じて、演出ボタン入力処理を実行する(S2109)。その後、演出制御装置600は、遊技制御装置500から受信した遊技制御コマンドを解析する遊技制御コマンド解析処理を実行する(S2110)。遊技制御コマンド解析処理において、演出制御装置600は、制御コマンドを正常に受信できたか否かを判定し、正常に受信した場合には後述するシーン制御処理で用いるために各種制御コマンドをそれぞれ特定して区分けする。
S2110の処理後、演出制御装置600は、テストモード処理を実行する(S2111)。テストモード処理は、工場出荷時の検査の際に検査用のコマンドを受信してLEDの点灯等を検査する時に実行される。
続いて、演出制御装置600は、S2110の遊技制御コマンド解析処理において解析された制御コマンドに基づき、変動表示装置35で表示するシーン(表示内容)を制御するシーン制御処理を実行する(S2112)。
S2112の処理後、演出制御装置600は、遊技機1における異常の発生を監視する遊技機エラー監視処理を実行する(S2113)。遊技機エラー監視処理では、演出制御装置600に関わる異常のほか、遊技制御装置500からエラー報知を指示するコマンドを受信した場合等に、警報音等による報知が実行される。
続いて、演出制御装置600は、映像制御用マイコン(2ndCPU)620に送信するコマンドを編集する演出コマンド編集処理を実行する(S2114)。
S2214の処理後、演出制御装置600は、上スピーカ10a及び下スピーカ10bから出力される音を制御するサウンド制御処理を実行する(S2115)。その後、演出制御装置600は、LED等の装飾装置を含む盤装飾装置660(図10参照)や枠装飾装置21(図10参照)を制御する装飾制御処理を実行し(S2116)、電動役物等の演出装置を含む盤演出装置670(図10参照)や枠演出装置22(図10参照)を制御するモータ/SOL制御処理を実行する(S2117)。
S2217の処理後、演出制御装置600は、乱数を更新するための乱数更新処理を実行して(S2118)、S2108の処理に戻る。以降、演出制御装置600は、S2108からS2118までの処理を繰り返す。
〔2ndメイン処理〕
次に、図37を参照して、演出制御装置600によって実行される2ndメイン処理の詳細を説明する。図37は、演出制御装置600の映像制御用マイコン(2ndCPU)620によって実行される2ndメイン処理のフローチャートである。2ndメイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。
2ndメイン処理が実行されると、演出制御装置600は、映像制御用マイコン620を初期化するCPU初期化処理を実行する(S2201)。そして、演出制御装置600は、作業領域であるRAM621を0クリアし(S2202)、各種処理の実行に必要な初期値をRAM621に設定する(S2203)。続いて、演出制御装置600は、画像処理を行うVDP630を初期化するVDP初期化処理を実行し(S2204)、Vブランク割込み等の各種割込みを許可する(S2205)。
S2205の処理後、演出制御装置600は、各種制御処理の初期化処理を実行する(S2206)。各種制御処理の初期化処理では、後述する通常ゲーム処理(S2211)で実行される各制御処理で使用される変数の初期化等が実行される。この初期化処理において、演出制御装置600は、例えば、変動表示装置35に表示される映像の背景を初期化したり、図柄の配列を初期化したりする。
S2206の処理後、演出制御装置600は、変動表示装置35の画面描画を許可する(S2207)。その後、演出制御装置600は、システム周期待ちフラグを0クリアして(S2208)、システム周期待ちフラグが1になるまで待機する(S2209)。詳細な説明は省略するが、システム周期待ちフラグは、Vブランク割込み処理で所定の処理が完了すると1に設定される。
システム周期待ちフラグが1である場合には(S2209の結果が「Y」)、演出制御装置600は、映像制御用マイコン(2ndCPU)620が正常に動作しているか否かを判定するためのWDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(S2210)。WDTがクリアされずに所定の時間経過すると、映像制御用マイコン620がリセットされる。
S2210の処理後、演出制御装置600は、変動表示装置35における飾り特図変動表示ゲームや様々な画像の表示を制御する通常ゲーム処理を実行し(S2211)、S2208の処理に戻る。以降、演出制御装置600は、S2208からS2211までの処理を繰り返す。
〔通常ゲーム処理〕
図38を参照して、2ndメイン処理における通常ゲーム処理(S2211)の詳細を説明する。図38は、演出制御装置600の映像制御用マイコン(2ndCPU)620が実行する通常ゲーム処理のフローチャートである。
演出制御装置600は、まず、主制御用マイコン(1stCPU)610で受信したコマンドをチェックする受信コマンドチェック処理を実行する(S2301)。
次に、演出制御装置600は、変動表示装置35に表示される画像のうち、静止画である背景の描画を準備する背景処理を実行する(S2302)。続いて、演出制御装置600は、変動表示装置35に表示される画像のうち、変動表示する飾り特別図柄の描画を準備するリール制御/表示処理を実行し(S2303)、変動表示装置35に表示される画像のうち、各変動表示ゲームの始動記憶を表示する保留表示の描画を準備する保留表示処理を実行する(S2304)。
そして、始動記憶数が無い場合や特図変動表示ゲームが所定時間なされない場合等には、演出制御装置600は、変動表示装置35に客待ちデモ画面を表示する客待ちデモ処理を実行する(S2305)。
続いて、演出制御装置600は、1stメイン処理のシーン制御処理(S2112)でのシーン描画を準備するシーン制御/表示処理を実行する(S2306)。S2302の背景処理は静止画像の描画に対して実行されるのに対して、S2306の2ndシーン制御/表示処理は演出の中で動きのある画像の描画に対して実行される。
S2306の処理後、演出制御装置600は、変動表示装置35に実際に画像を表示させるための表示システム処理を実行し(S2307)、通常ゲーム処理を終了する。
〔特別演出開始処理〕
図39を参照して、図38のシーン制御/表示処理(S2306)で実施される特別演出開始処理について説明する。図39は、演出制御装置600の映像制御用マイコン(2ndCPU)620が実行する特別演出開始処理のフローチャートである。
特別演出開始処理(演出表示手段)は、確変状態又は潜伏確変状態において変動表示装置35で実施される特別演出の態様(パターン)を設定する処理である。
演出制御装置600(映像制御用マイコン620)は、特別遊技状態において大当りラウンドが終了するタイミングか否かを判定する(S2401)。
大当りラウンド終了時である場合には(S2401の結果が「Y」)、演出制御装置600は、再演出フラグをオフに設定する(S2402)。再演出フラグは、後述する復活演出状態(図41参照)に関するフラグである。
S2402の処理後、演出制御装置600は、特別遊技状態後に潜伏確変状態に移行するか否かを判定する(S2403)。この判定は、図31の大当り終了処理のS1802と同様に、確率変動判定フラグが潜伏突入フラグであるか否かによって行われる。
特別遊技状態後に潜伏確変状態に移行する場合には(S2403の結果が「Y」)、演出制御装置600は、変動表示装置35で第2特別演出(ドキドキモード)を実行するように演出態様情報を設定する第2特別演出設定処理を実行し(S2404)、特別演出開始処理を終了する。
これに対して、特別遊技状態後に確変状態に移行する場合には(S2403の結果が「N」)、演出制御装置600は、変動表示装置35で第1特別演出(スッキリモード)を実行するように演出態様情報を設定する第1特別演出設定処理を実行し(S2405)、特別演出開始処理を終了する。
ところで、S2401の処理において特別遊技状態終了時ではないと判定された場合には(S2401の結果が「N」)、演出制御装置600は、再演出フラグがオンであるか否かを判定する(S2406)。
再演出フラグがオフである場合には、演出制御装置600は特別演出開始処理を終了する。一方、再演出フラグがオンである場合には、演出制御装置600は復活演出を実施するための所定条件が成立しているか否かを判定する(S2407)。S2407における判定は、潜伏確変状態での特図変動表示ゲームの実行回数に基づいて行われる。
潜伏確変状態において所定回数の特図変動表示ゲームが実行され所定条件が成立した場合には(S2407の結果が「Y」)、演出制御装置600は、再演出フラグをオフに設定し(S2408)、第2特別演出設定処理(S2404)を実行する。これに対して、潜伏確変状態において所定回数の特図変動表示ゲームが実行されておらず所定条件が成立していない場合には(S2407の結果が「N」)、演出制御装置600は、第2特別演出設定処理(S2404)を実行することなく特別演出開始処理を終了する。
〔特別演出終了処理〕
図40を参照して、図38のシーン制御/表示処理(S2306)で実施される特別演出終了処理について説明する。図40は、演出制御装置600の映像制御用マイコン(2ndCPU)620が実行する特別演出開始処理のフローチャートである。
特別演出開始処理(演出表示手段)は、第1特別演出又は第2特別演出終了後に変動表示装置35で実施される演出の態様(パターン)を設定する処理である。
演出制御装置600(映像制御用マイコン620)は、時短状態であるか否かを判定する(S2501)。なお、S2501では、時短状態であるか否かを判定するのではなく、電動サポート状態であるか否かを判定するようにしてもよい。
時短中である場合には(S2501の結果が「Y」)、演出制御装置600は、時短状態及び電動サポート状態が終了した時点で保留されている始動記憶内に特図変動表示ゲームの結果が当りとなるものがあるか否かを判定する(S2502)。
始動記憶内に特図変動表示ゲームの結果が当りとなるものがある場合には(S2502の結果が「Y」)、演出制御装置600は、当りとなる始動記憶に対応する特図変動表示ゲームが終了するまでの間、第1特別演出又は第2特別演出を終了せずに延長するための演出情報を設定する特別演出延長コマンド設定処理(特別演出延長手段)を実行する(S2503)。
これに対して、始動記憶内に特図変動表示ゲームの結果が当りとなるものがない場合には(S2502の結果が「N」)、演出制御装置600は、通常遊技状態等で表示される通常演出を実施するように演出情報を設定する通常演出設定処理を実行する(S2504)。
ところで、S2501の処理において時短状態ではないと判定された場合には(S2501の結果が「N」)、演出制御装置600は、再演出設定コマンドがあるか否かを判定する(S2505)。再演出設定コマンドは、遊技状態を復活演出状態に移行可能とするためのコマンドであって、確率変動判定フラグ(図31のS1801参照)に所定の確率で含まれる。
再演出設定コマンドがある場合には(S2505の結果が「Y」)、演出制御装置600は、再演出フラグをオンに設定し(S2506)、特別演出終了処理を終了する。これに対して、再演出設定コマンドがない場合には(S2505の結果が「N」)、演出制御装置600は、S2506の処理を実行せずに、特別演出終了処理を終了する。
〔各種遊技状態について〕
図41〜図51を参照して、遊技制御装置500及び演出制御装置600による遊技制御に基づき実行される各種遊技状態について説明する。
まず、図41〜図44を参照して、各遊技状態の遷移について説明する。図41は、遊技機1の遊技状態遷移パターンを示す状態遷移図である。図42〜図44は、遊技状態の遷移を例示するタイミングチャートである。図42は、確変状態から通常遊技状態への遷移を示すタイミングチャートである。図43は、潜伏確変状態1から潜伏確変状態2への遷移を示すタイミングチャートである。図44は、潜伏確変状態1から潜伏確変状態3への遷移を示すタイミングチャートである。
図41に示すように、遊技開始時点では、遊技機1の遊技状態は通常遊技状態(通常状態)である。
通常遊技状態では、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる確率(大当り発生確率)は低確率(特図低確率)に設定され、さらに時短なし及び普電サポートなしの状態となる。通常遊技状態では、変動表示装置35において通常演出態様である通常演出が表示される。通常演出では、遊技者が通常遊技状態であることを認識できるような態様で背景やキャラクタ等が表示される。そして、第1又は第2特図変動表示ゲームの結果が大当りになると、遊技状態は通常遊技状態から特別遊技状態に移行する。
特別遊技状態では、大当り発生確率は高確率(特図高確率)に設定され、さらに時短なし及び普電サポートなしの状態となる。特別遊技状態では、変動入賞装置38の開閉扉38aが所定ラウンド数開閉する。大当りラウンドが終了すると、遊技状態は、特別遊技状態から確変状態又は潜伏確変状態1のいずれかに移行する。
確変状態では、大当り発生確率は高確率に設定され、さらに時短状態及び普電サポート状態(普電サポートフラグAが設定された普電サポート状態)となる。変動表示装置35には、特別演出の一つである第1特別演出(スッキリモード)が表示される。第1特別演出(スッキリモード)では、遊技者が確変状態であることを認識できるような態様で背景やキャラクタ等が表示される。
また、確変状態では、大当り発生確率を高確率から低確率に変換可能な転落抽選が行われる。確変状態は、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなるまで、又は転落抽選が当選(転落)するまで継続するように設定されている。時短状態及び普電サポート状態は、大当りの発生確率が低確率に転落するタイミングに対応して終了する。
確変状態中に特図変動表示ゲームの結果が大当りとなった場合には、遊技状態は、確変状態から特別遊技状態に移行する。
確変状態中に転落抽選が当選し、かつ保留されている始動記憶内に特図変動表示ゲームの結果が大当りとなるものが含まれていない場合には、遊技状態は、図41及び図42に示すように確変状態から通常遊技状態に移行する。転落抽選は特図変動表示ゲームの開始時に行われ、転落抽選が当選すると、当該変動表示ゲームの開始時に大当り発生確率は高確率から低確率に転落し、当該変動表示ゲームの終了時に時短状態及び普電サポート状態は終了する。変動表示装置35における演出は、転落当選のあった特図変動表示ゲームの終了時に、第1特別演出(スッキリモード)から通常演出に切り換わる。
図41に示すように、確変状態中の転落抽選が当選した時に、保留されている始動記憶内に特図変動表示ゲームの結果が大当りとなるものが含まれている場合には、遊技状態は、確変状態から通常遊技状態に移行せずに特殊遊技状態1に移行する。
特殊遊技状態1では、大当り発生確率は低確率に設定され、さらに時短なし及び普電サポートなしの状態となる。特殊遊技状態1は通常遊技状態に似た状態となるが、変動表示装置35では確変状態と同じ第1特別演出(スッキリモード)が表示される。特殊遊技状態1は、大当りとなる始動記憶に対応する特図変動表示ゲームが終了するまで継続するように設定されている。このように特殊遊技状態1では、遊技設定内容が通常遊技状態と同程度に設定されるが、変動表示装置35で表示される演出を、通常演出に切り換えずに、特別遊技状態に移行するまで第1特別演出(スッキリモード)のままとする。
確変状態終了後(転落当選後)に一律して通常遊技状態に移行すると、通常演出の開始により遊技者が遊技への期待を失い離席することがあり、保留されている始動記憶内に大当りとなる特図変動表示ゲームが含まれている場合にその大当りを逃してしまうおそれがある。本実施形態では、確変状態中において転落抽選が当選した時に、始動記憶内に大当りとなるものが含まれている場合には、遊技状態を通常遊技状態ではなく特殊遊技状態1に移行して、大当りとなる始動記憶に対応する特図変動表示ゲームが終了するまで第1特別演出(スッキリモード)を延長するので、遊技の興趣を高めることができる。これにより、転落当選した後においても遊技者が遊技への期待を失うことがなく、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる前に、遊技者が離席することを防止することができる。
一方、特別遊技状態後に遊技状態が潜伏確変状態1へ移行すると、大当り発生確率は高確率に設定され、さらに時短状態及び普電サポート状態(普電サポートフラグBが設定された普電サポート状態)となる。潜伏確変状態1では、変動表示装置35において特別演出の一つである第2特別演出(ドキドキモード)が表示される。第2特別演出(ドキドキモード)では、特図高確率であることを遊技者に対して伏せるような態様で背景やキャラクタ等が表示される。
潜伏確変状態1では、大当り発生確率を高確率から低確率に転落可能な転落抽選が行われる。時短状態及び普電サポート状態は、潜伏確変状態1への移行後、特図変動表示ゲームが所定回数実行されるまで継続される。
潜伏確変状態1中に特図変動表示ゲームの結果が大当りとなった場合には、遊技状態は、潜伏確変状態1から特別遊技状態に移行する。
潜伏確変状態1中に転落抽選が当選した場合には、遊技状態は、図41及び図43に示すように潜伏確変状態1から潜伏確変状態2に移行する。転落抽選は特図変動表示ゲームの開始時に行われ、転落抽選が当選すると、大当りの発生確率は当該変動表示ゲームの開始時に高確率から低確率に転落するが、時短状態及び普電サポート状態はそのまま継続される。また、潜伏確変状態2では、変動表示装置35において、潜伏確変状態1の場合と同様に第2特別演出(ドキドキモード)が表示される。
図41に示すように、潜伏確変状態2は、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなるまで、又は特図変動表示ゲームが所定回数実行されるまで継続するように設定されている。
潜伏確変状態2中に特図変動表示ゲームの結果が大当りとなった場合には、遊技状態は、潜伏確変状態2から特別遊技状態に移行する。
潜伏確変状態2中に特図変動表示ゲームが所定回数実行され、かつ保留されている始動記憶内に特図変動表示ゲームの結果が大当りとなるものが含まれていない場合には、遊技状態は、図41及び図43に示すように潜伏確変状態2から通常遊技状態に移行する。予め設定された所定回数(ST回数)のうち最終回における特図変動表示ゲームが終了する時に、時短状態及び普電サポート状態が終了し、変動表示装置35の演出が第2特別演出(ドキドキモード)から通常演出に切り換わる。
図41に示すように、特図変動表示ゲームが所定回数実行された時に、保留されている始動記憶内に特図変動表示ゲームの結果が大当りとなるものが含まれている場合には、遊技状態は、潜伏確変状態2から通常遊技状態に移行せずに特殊遊技状態2に移行する。
特殊遊技状態2では、大当り発生確率は低確率に設定され、さらに時短なし及び普電サポートなしの状態となる。特殊遊技状態2は通常遊技状態に似た状態となるが、変動表示装置35では潜伏確変状態2と同じ第2特別演出(ドキドキモード)が表示される。特殊遊技状態2は、大当りとなる始動記憶に対応する特図変動表示ゲームが終了するまで継続するように設定されている。特殊遊技状態2では、遊技設定内容が通常遊技状態と同程度に設定されるが、変動表示装置35で表示される演出を、通常演出に切り換えずに、特別遊技状態に移行するまで第2特別演出(ドキドキモード)のままとする。
このように大当りとなる始動記憶に対応する特図変動表示ゲームが終了するまで第2特別演出(ドキドキモード)を延長することで、特殊遊技状態1の場合と同様に遊技の興趣を高めることができる。これにより、時短や普電サポートがなくなった後においても遊技者が遊技への期待を失うことがなく、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる前に遊技者が離席することを防止できる。
ところで、潜伏確変状態1中に特図変動表示ゲームが所定回数実行された時に、保留されている始動記憶内に特図変動表示ゲームの結果が大当りとなるものが含まれていない場合には、遊技状態は、図41及び図44に示すように潜伏確変状態1から潜伏確変状態3に移行する。所定回数(ST回数)のうち最終回の特図変動表示ゲームが終了する時に、時短状態及び普電サポート状態が終了し、変動表示装置35の演出が第2特別演出(ドキドキモード)から通常演出に切り換わる。潜伏確変状態3では大当り発生確率を高確率から低確率に転落可能な転落抽選が行われ、大当り発生確率は潜伏確変状態3中における転落抽選が当選するまで高確率に維持される。
潜伏確変状態3中に特図変動表示ゲームの結果が大当りとなった場合には、遊技状態は、潜伏確変状態3から特別遊技状態に移行する。
潜伏確変状態3中に転落抽選が当選した場合には、遊技状態は、図41及び図44に示すように潜伏確変状態3から通常遊技状態に移行する。転落抽選は特図変動表示ゲームの開始時に行われ、転落抽選が当選すると、当該変動表示ゲームの開始時に大当りの発生確率は高確率から低確率に転落する。
図41に示すように、潜伏確変状態1中において特図変動表示ゲームが所定回数実行された時に、保留されている始動記憶内に特図変動表示ゲームの結果が当りとなるものが含まれている場合には、遊技状態は、潜伏確変状態1から特殊遊技状態3に移行する。
特殊遊技状態3では、大当り発生確率は高確率に設定され、さらに時短なし及び普電サポートなしの状態となる。特殊遊技状態3は潜伏確変状態3に似た状態となるが、変動表示装置35では第2特別演出(ドキドキモード)が表示される。特殊遊技状態3は、大当りとなる始動記憶に対応する特図変動表示ゲームが終了するまで継続するように設定されている。
特殊遊技状態3では、遊技設定内容が潜伏確変状態3と同程度に設定されるが、変動表示装置35で表示される演出を、通常演出に切り換えずに、特別遊技状態に移行するまで第2特別演出(ドキドキモード)のままとする。このように大当りとなる始動記憶に対応する特図変動表示ゲームが終了するまで第2特別演出(ドキドキモード)を延長することで、特殊遊技状態1の場合と同様に遊技の興趣を高めることができる。これにより、時短や普電サポートがなくなった後においても遊技者が遊技への期待を失うことがなく、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる前に遊技者が離席することを防止できる。
なお、潜伏確変状態3中に所定条件が成立した場合には、遊技状態は潜伏確変状態3から復活演出状態に移行する。つまり、再演出フラグがオンであって(図39のS2406の結果が「Y」)、潜伏確変状態3中に特図変動表示ゲームが所定回数実行されると(図39のS2407の結果が「Y」)、遊技状態が潜伏確変状態3から復活演出状態に移行する。
復活演出状態では、潜伏確変状態3とほぼ同様の遊技設定内容が設定され、特図高確率、時短なし、及び普電サポートなしとなるが、変動表示装置35で表示される演出は第2特別演出(ドキドキモード)となる。
復活演出状態中に特図変動表示ゲームの結果が大当りとなった場合には、遊技状態は、復活演出状態から特別遊技状態に移行する。また、復活演出状態中に転落抽選が当選した場合には、遊技状態は、復活演出状態から通常遊技状態に移行する。なお、復活演出状態中に特図変動表示ゲームが所定回数実行された場合には、遊技状態は、復活演出状態から潜伏確変状態3に戻る。
次に、図45〜図51を参照して、各種遊技状態の内容について補足する。
図45は、変動表示装置35に表示される第1特別演出(スッキリモード)及び第2特別演出(ドキドキモード)の一例を示す図である。
図45(A)に示すように、特図変動表示ゲームが開始されると、変動表示装置35の画面(表示部35a)において飾り特図変動表示ゲームが実行され、画面中央に三つの識別図柄が変動表示される。なお、変動表示装置35の画面左下には、第1始動記憶の保留数が表示される。
図45(B−1)に示すように、特図変動表示ゲームが大当りとなってその後確変状態に突入する場合には、飾り特図変動表示ゲームの当り図柄は0となり(図35参照)、変動表示装置35において当り図柄0が三つ揃った状態で停止表示される。その後、図45(C−1)に示すように、遊技状態は特別遊技状態から確変状態に移行し、変動表示装置35での演出は通常演出から第1特別演出(スッキリモード)に切り換わる。そして、図45(D−1)に示すように、確変状態中に保留されている始動記憶に基づき特図変動表示ゲームが実行されていく。
上記の通り、遊技者は、当り図柄が0であることを視認することで、遊技状態が特別遊技状態の後に確変状態になることを認識することが可能となる。
一方、図45(B−2)に示すように、特図変動表示ゲームが大当りとなってその後潜伏確変状態1に突入する場合には、飾り特図変動表示ゲームの当り図柄は1〜9のいずれかの数字となる(図35参照)。潜伏確変状態1において、時短状態及び普電サポート状態の終了条件となる特図変動表示ゲームの実行回数として80回が選択された場合には(図35参照)、変動表示装置35において当り図柄8が三つ揃った状態で停止表示される。
その後、図45(C−2)に示すように、遊技状態は特別遊技状態から潜伏確変状態1に移行し、変動表示装置35での演出は通常演出から第2特別演出(ドキドキモード)に切り換わる。そして、図45(D−2)に示すように、確変状態中に保留されている始動記憶に基づき特図変動表示ゲームが実行されていく。この時、変動表示装置35の画面右上には、時短状態及び普電サポート状態の終了条件となる特図変動表示ゲームの実行回数の残数が「あと80回」とメッセージ表示される。
また、図45(B−3)に示すように、特図変動表示ゲームが大当りとなってその後潜伏確変状態1に突入する場合には、特図変動表示ゲームの当り図柄は1〜9のいずれかの数字となる(図35参照)。潜伏確変状態1において、時短状態及び普電サポート状態の終了条件となる特図変動表示ゲームの実行回数として30回が選択された場合には(図35参照)、変動表示装置35において当り図柄3が三つ揃った状態で停止表示される。
その後、図45(C−3)に示すように、遊技状態は特別遊技状態から潜伏確変状態1に移行し、変動表示装置35での演出は通常演出から第2特別演出(ドキドキモード)に切り換わる。そして、図45(D−3)に示すように、確変状態中に保留されている始動記憶に基づき特図変動表示ゲームが実行されていく。この時、変動表示装置35の画面右上には、時短状態及び普電サポート状態の終了条件となる特図変動表示ゲームの実行回数の残数が「あと30回」とメッセージ表示される。
上記の通り、遊技者は、当り図柄が0以外の数字であることを視認することで、遊技状態が特別遊技状態の後に潜伏確変状態になることを認識することが可能となる。また、潜伏確変状態における時短状態及び普電サポート状態の終了条件である特図変動表示ゲームの実行回数と、当り図柄の数字(1〜9)とが対応するように設定されているので、遊技者は当り図柄の数字に基づいて時短状態及び普電サポート状態の終了条件を認識することが可能となる。
次に、図46を参照して、確変状態中に実施されるリーチ演出について説明する。図46は、確変状態中に実施されるリーチ演出の一例を示す図である。
図46(A)に示すように、確変状態中に特図変動表示ゲームがリーチ状態になると、所定の確率で通常のリーチ演出とは異なるバトルリーチ演出が実行される。バトルリーチ演出では、変動表示装置35の画面に表示される人物キャラクタと、敵キャラクタとの勝敗に応じて各種遊技結果を遊技者に報知する。なお、変動表示装置35の画面左上に飾り特図変動表示ゲームの三つの識別図柄が表示され、画面左下に第1始動記憶の保留数が表示され、画面右下に第2始動記憶の保留数が表示される。
図46(B)に示すように、バトルリーチ演出において人物キャラクタが敵キャラクタに勝利した場合には、特図変動表示ゲームの結果が大当りになる。これにより、遊技状態は、図41に示すように確変状態から特別遊技状態に移行する。
図46(C)に示すように、バトルリーチ演出において敵キャラクタが逃げ去った場合には、今回の特図変動表示ゲームの結果がはずれとなり、さらに転落抽選の結果もはずれて特図変動表示ゲームにおける大当り発生確率が高確率のまま維持される。これにより、遊技状態は確変状態のまま移行しない。
図46(D)に示すように、バトルリーチ演出において人物キャラクタが敵キャラクタに敗北した場合には、今回の特図変動表示ゲームの結果がはずれとなり、さらに転落抽選が当選して特図変動表示ゲームにおける大当り発生確率が高確率から低確率に転落する。この転落のタイミングに対応して、時短状態及び普電サポート状態も終了する。これにより、遊技状態は、図41に示すように通常遊技状態又は特殊遊技状態1のいずれかに移行する。
次に、図47を参照して、確変状態から通常遊技状態又は特殊遊技状態1への遊技状態の移行について説明する。図47(A−1)〜(D−1)は遊技状態が確変状態から通常遊技状態に移行する場合の演出を例示した図であり、図47(A−2)〜(D−2)は遊技状態が確変状態から特殊遊技状態1に移行する場合の演出を例示した図である。
図47(A−1)及び(B−1)に示すように、確変状態中に特図変動表示ゲームがリーチ状態になると、所定の確率でバトルリーチ演出が実行される。バトルリーチ演出において人物キャラクタが敵キャラクタに敗北した場合には、今回の特図変動表示ゲームの結果がはずれとなり、さらに転落抽選が当選して特図変動表示ゲームにおける大当り発生確率が高確率から低確率に転落する。
図47(B−1)及び(C−1)に示すように、転落抽選の当選時に、保留されている始動記憶内に特図変動表示ゲームの結果が大当りになるものが含まれていない場合には、遊技状態が確変状態から通常遊技状態に移行する。転落抽選の当選に対応して、時短状態及び普電サポート状態が終了し、変動表示装置35での演出が第1特別演出(スッキリモード)から通常演出に切り換わる。そして、図47(D−1)に示すように、通常遊技状態において、保留されている始動記憶に基づいて特図変動表示ゲームが実行されていく。
一方、図47(A−2)及び(B−2)に示すように、確変状態中にバトルリーチ演出が実行され、人物キャラクタが敵キャラクタに敗北した場合には、今回の特図変動表示ゲームの結果がはずれとなり、さらに転落抽選が当選して特図変動表示ゲームにおける大当り発生確率が高確率から低確率に転落する。図47(A−2)及び(B−2)は、第2特図変動表示ゲームに関する始動記憶内に当りとなるものが含まれている点で、図47(A−1)及び(B−1)とは異なる。
図47(B−2)及び(C−2)に示すように、転落抽選の当選時に、保留されている始動記憶内に特図変動表示ゲームの結果が大当りになるものが含まれている場合、例えば特図2変動表示ゲームに関する始動記憶に当りがある場合には、遊技状態が確変状態から特殊遊技状態1に移行する。転落抽選の当選に対応して時短状態及び普電サポート状態は終了するが、変動表示装置35では第1特別演出(スッキリモード)が継続される。
また、図47(B−2)では、人物キャラクタが敗北して転落抽選に当選したことを報知する演出が行われているが、始動記憶に当りがある場合には、転落抽選に当選していた場合でも図46(C)のように大当り発生確率が高確率のまま維持されているかのような演出を行うようにしてもよい。
転落後に通常遊技状態になる場合には図47(C−1)及び(D−1)に示したように通常演出が開始されるが、転落後に特殊遊技状態1になる場合には図47(C−2)及び(D−2)に示すように大当りとなる始動記憶に対応する特図変動表示ゲームが終了するまで第1特別演出(スッキリモード)が延長される。したがって、遊技の興趣を高めることができ、転落当選した後においても遊技者が遊技への期待を失うことがない。
なお、図47(D−2)では、飾り特図変動表示ゲームにおける当り図柄が7であるので、遊技状態は、特殊遊技状態1から特別遊技状態に移行し、その後潜伏確変状態1に移行することとなる。また、時短状態及び普電サポート状態の終了条件となる特図変動表示ゲームの実行回数は70回となる(図35参照)。
次に、図48を参照して、潜伏確変状態1から潜伏確変状態3又は特殊遊技状態3への遊技状態の移行について説明する。図48(A−1)〜(D−1)は遊技状態が潜伏確変状態1から潜伏確変状態3に移行する場合の演出を例示した図であり、図48(A−2)〜(D−2)は遊技状態が潜伏確変状態1から特殊遊技状態3に移行する場合の演出を例示した図である。
潜伏確変状態1では、大当り発生確率は高確率に設定され、さらに時短状態及び普電サポート状態となる。また、変動表示装置35では、特別演出の一つである第2特別演出(ドキドキモード)が表示される。
図48(A−1)及び(B−1)に示すように、潜伏確変状態1中に特図変動表示ゲームがリーチ状態になると、所定のリーチ演出が実行される。なお、変動表示装置35の画面右上には、時短状態及び普電サポート状態の終了条件となる特図変動表示ゲームの実行回数の残数が表示される。
図48(B−1)及び(C−1)に示すように、終了条件に関する最終回の特図変動表示ゲームの結果がはずれとなり、その時に保留されている始動記憶内に特図変動表示ゲームの結果が大当りになるものが含まれていない場合には、遊技状態は潜伏確変状態1から潜伏確変状態3に移行する。潜伏確変状態3への移行にともなって、時短状態及び普電サポート状態は終了し、変動表示装置35での演出は第2特別演出(ドキドキモード)から通常演出に切り換わる。そして、図48(D−1)に示すように、潜伏確変状態3において、保留されている始動記憶に基づいて特図変動表示ゲームが実行されていく。
一方、図48(A−2)及び(B−2)に示すように、潜伏確変状態1中に特図変動表示ゲームがリーチ状態になると、所定のリーチ演出が実行される。図48(A−2)及び(B−2)は、第2特図変動表示ゲームに関する始動記憶内に当りとなるものが含まれている点で、図48(A−1)及び(B−1)とは異なる。
図48(B−2)及び(C−2)に示すように、時短状態及び普電サポート状態の終了条件に関する最終回の特図変動表示ゲームの結果がはずれとなり、さらに保留されている始動記憶内に特図変動表示ゲームの結果が大当りになるものが含まれている場合には、遊技状態は潜伏確変状態1から特殊遊技状態3に移行する。特殊遊技状態3への移行にともなって、時短状態及び普電サポート状態は終了するが、変動表示装置35での演出は第2特別演出(ドキドキモード)のままとなる。
なお、特殊遊技状態3では、変動表示装置35の画面右上に、所定のメッセージを報知可能なメッセージ枠が表示される。このメッセージ枠には、以降の特図変動表示ゲームにおいて大当りになる可能性が高いことを報知するように、例えば「チャンス!」等のメッセージが表示される。
時短状態及び普電サポート状態が終了して潜伏確変状態3になる場合には図48(C−1)及び(D−1)に示したように通常演出が開始されるが、時短状態及び普電サポート状態が終了して特殊遊技状態3になる場合には図47(C−2)及び(D−2)に示すように大当りとなる始動記憶に対応する特図変動表示ゲームが終了するまで第2特別演出(ドキドキモード)が延長される。これにより、遊技の興趣を高めることができ、時短状態及び普電サポート状態が終了した後においても遊技者が遊技への期待を失うことがない。
なお、図47(D−2)では、当り図柄が7であるので、遊技状態は、特殊遊技状態3から特別遊技状態に移行し、その後潜伏確変状態1に移行することとなる。ここで、時短状態及び普電サポート状態の終了条件となる特図変動表示ゲームの実行回数は70回となる(図35参照)。また、変動表示装置35の画面右上のメッセージ枠には、「ラッキー!」等のメッセージが表示される。
次に、図49を参照して、潜伏確変状態3等で実行される連続大当り回数の報知(図30のS1705)について説明する。図49(A−1)〜(E−1)は、遊技状態が潜伏確変状態2から通常遊技状態に移行し、連続大当り回数が報知されない場合の演出を例示した図である。図49(A−2)〜(E−2)は、遊技状態が潜伏確変状態1から潜伏確変状態3に移行し、連続大当り回数が報知される場合の演出を例示した図である。
図49(A−1)及び(B−1)に示すように、潜伏確変状態2において、時短状態及び普電サポート状態の終了条件に関する最終回の特図変動表示ゲームの結果がはずれとなり、さらに保留されている始動記憶内に特図変動表示ゲームの結果が大当りになるものが含まれていない場合には、遊技状態は通常遊技状態に移行する。通常遊技状態への移行にともなって、遊技状態は特図低確率、時短なし、及び普電サポートなしとなり、変動表示装置35での演出は通常演出となる。
その後、通常遊技状態での遊技が継続して行われ、図49(C−1)及び(D−1)に示すように、第1特図変動表示ゲームの結果が当りとなる始動記憶に基づいて特図変動表示ゲームが実行されると、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる。そして、図49(E−1)に示すように、例えば、三つの識別図柄が当り図柄7となって停止表示される。
なお、潜伏確変状態2から通常遊技状態に移行した場合には連続大当り回数がリセットされているため、図49(E−1)のように特図変動表示ゲームの結果が大当りとなっても、変動表示装置35の画面で連続大当り回数が報知されることはない。
一方、図49(A−2)及び(B−2)に示すように、潜伏確変状態1において、時短状態及び普電サポート状態の終了条件に関する最終回の特図変動表示ゲームの結果がはずれとなり、さらに保留されている始動記憶内に特図変動表示ゲームの結果が大当りになるものが含まれていない場合には、遊技状態は潜伏確変状態3に移行する。潜伏確変状態3への移行にともなって、遊技状態は特図高確率、時短なし、及び普電サポートなしとなり、変動表示装置35での演出は通常演出となる。
潜伏確変状態3では、通常演出が実行されるものの、大当り発生確率は高確率に設定されている。このように、潜伏確変状態1から潜伏確変状態3に移行し、第2特別演出(ドキドキモード)から通常演出に切り換わると、遊技者は、遊技状態が潜伏確変状態3に移行したにもかかわらず通常遊技状態に移行したものと認識することとなる。
その後、潜伏確変状態3での遊技が継続して行われ、図49(C−2)及び(D−2)に示すように、第1特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる始動記憶に基づいて特図変動表示ゲームが実行されると、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる。大当りとなる特図変動表示ゲームの実行中には、変動表示装置35の画面右上のメッセージ枠に、例えば「チャンス!」等のメッセージが表示される。
そして、図49(E−2)に示すように、例えば、三つの識別図柄が当り図柄7となって停止表示される。今回の大当りは潜伏確変状態3中の当りであるので、図49(A−2)に示した潜伏確変状態1に突入する契機となった前回の大当りと、今回の大当りとに基づいて連続大当り回数を計数し、その連続大当り回数をメッセージ枠に表示する。メッセージ枠には、例えば「2連続!」と表示される。
通常演出を表示する潜伏確変状態3中に大当りが発生した場合には、これまでに計数した連続大当り回数を変動表示装置35に表示するため、遊技者は通常演出ではあるが潜伏確変状態が継続中であることを認識することができる。このように遊技に意外性を持たせることによって、遊技の興趣を高めることが可能となる。
なお、連続大当り回数は、所定の遊技状態が継続している期間における特図変動表示ゲームの大当り回数を計数したものである。ここで、所定の遊技状態とは、特別遊技状態、確変状態、潜伏確変状態1〜3、特殊遊技状態1〜3、及び復活演出状態である。
次に、図50及び図51を参照して、遊技機1が備える照明装置100の照明ユニット120による発光演出について説明する。図50は、通常遊技状態(特図低確率)で特図変動表示ゲームの結果が大当りになった場合における、照明ユニット120の発光演出態様を示す図である。図51は、潜伏確変状態3(特図高確率)で特図変動表示ゲームの結果が大当りになった場合における、照明ユニット120の発光演出態様を示す図である。
図50(A)に示すように、通常遊技状態では、特図低確率、時短なし、及び普電サポートなしとなって、通常演出が行われる。そして、図50(B)及び図50(C)に示すように、通常遊技状態中に実行された特図変動表示ゲームの結果が大当りになると、遊技機1の上両角部に配設される照明装置100の照明ユニット120が点灯する等して発光演出が行われる。
一方、図51(A)に示すように、潜伏確変状態3では、特図高確率、時短なし、及び普電サポートなしとなって、通常演出が行われる。そして、図51(B)及び図51(C)に示すように、潜伏確変状態3中に実行された特図変動表示ゲームの結果が大当りになると、照明装置100の照明ユニット120が点滅する等して発光演出が行われる。
このように通常演出が表示される潜伏確変状態3(特図高確率)における大当り発生時に、通常遊技状態(特図低確率)における大当り発生時とは異なる発光演出を実行するので、照明ユニット120の発光演出を介して、潜伏確変状態が継続中であることを遊技者に報知することができる。
上記した遊技機1によれば、確変状態は特別遊技状態が終了してから転落抽選が当選するまで行われ、潜伏確変状態(潜伏確変状態1、2)は特別遊技状態が終了してから所定回数の特図変動表示ゲームが実行されるまで行われる。いずれの終了条件(確変状態又は潜伏確変)が選択されたかは特図変動表示ゲームにおける当り図柄の種類によって遊技者に報知されるので(図35参照)、特図変動表示ゲームの結果に対する遊技者の関心だけではなく、大当り時の当り図柄に対する遊技者の関心も高めることができ、遊技の興趣を向上させることが可能となる。
潜伏確変状態(時短状態及び普電サポート状態)の終了条件である特図変動表示ゲームの実行回数は複数パターン用意されており、いずれの実行回数パターンが選択されたかは特図変動表示ゲームにおける当り図柄1〜9の種類によって遊技者に報知されるので(図35参照)、大当り時の当り図柄に対する遊技者の関心をさらに高めることができる。
確変状態での転落時、潜伏確変状態1での所定回数の特図変動表示ゲームの実行時、又は潜伏確変状態2での所定回数の特図変動表示ゲームの実行時に、保留されている始動記憶内に特図変動表示ゲームの結果が大当りになるものが含まれている場合には、大当りとなる始動記憶に対応する特図変動表示ゲームが終了するまで第1特別演出(スッキリモード)又は第2特別演出(ドキドキモード)が延長されるので、遊技者が遊技への期待を失うことがなく、遊技者が離席することを抑制できる。
特別遊技状態、確変状態、潜伏確変状態1〜3、特殊遊技状態1〜3、及び復活演出状態が継続している期間(特図高確率の間、普電サポート状態の間、及び特別演出が延長されている間)において特図変動表示ゲームの大当り回数を計数して連続大当り回数を算出し、所定の遊技状態中に連続大当り回数を変動表示装置35に表示するので、遊技者に達成感を与えることができ、遊技の興趣が高められる。
本発明は、上記の実施形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなし得ることは明白である。
遊技機1の通常遊技状態では、変動表示装置35において通常演出を実行するようにしたが、所定の確率で第2特別演出(ドキドキモード)を一時的に表示するガセ演出を実行するようにしてもよい。