以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、遊技機1の説明における前後左右とは、遊技中の遊技者から見た方向を指すものとする。
〔遊技機全体図〕
まず、図1及び図2を参照して、本発明の第1の実施の形態の遊技機1について説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態の前面枠及びクリア部材保持枠を閉じた状態の遊技機の斜視図である。図2は、本発明の第1の実施の形態の遊技機の下側部分の正面図である。
図1及び図2に示すように、遊技機1は島設備に固定される本体枠2に、ヒンジ8を介して開閉回動自在に取り付けられる開閉枠3を備える。開閉枠3は、前面枠4及びクリア部材保持枠5によって構成されている。
前面枠4には、遊技領域31を有する遊技盤30(図3参照)が交換可能に配設されるとともに、遊技盤30の前面を覆うクリア部材5aを備えたクリア部材保持枠5が取り付けられる。ここで、クリア部材5aは、ガラス、アクリル、ポリカーボネイト等の透明部材である。このように、クリア部材5aは、遊技盤30の遊技領域31を視認可能とする遊技視認領域として機能する。
前面枠4及びクリア部材保持枠5は、それぞれ個別に開放することが可能となっている。例えば、クリア部材保持枠5のみ開放することで、遊技盤30の遊技領域31(図3参照)にアクセスすることができる。また、前面枠4をクリア部材保持枠5が開放されていない状態で開放することで、遊技盤30の裏面側に配置された遊技制御装置600(図4参照)等にアクセスすることができる。
クリア部材保持枠5のクリア部材5a周囲の縁部分には、種々の枠構成部材が配設されている。
クリア部材保持枠5の上部中央には、点灯器6が下向きに配設されている。点灯器6のドーム型レンズ6aの内部には、発光源としてのLEDと、LEDの周りを回転するように構成された反射板と、反射板を回転させる駆動モータと、が設けられている。駆動モータにより反射板をLED周りに回転させることで、点灯器6のLEDから発せられた光が回転しているような発光演出を行うことが可能となる。点灯器6のLEDは、図5の枠装飾装置21の一部を構成しており、点灯器6の駆動モータは図5の枠演出装置22の一部を構成している。
クリア部材保持枠5の上右角部分及び上左角部分には、上スピーカー7aがそれぞれ配設される。これら上スピーカー7aとは別に遊技機1の下部には、2つの下スピーカー7bが設けられている。下スピーカー7bは、前面枠4の下部の左右両側に配設されている。これら上スピーカー7a及び下スピーカー7bは、効果音や警報音、報知音等を発するものである。
遊技機1で発生する異常には、遊技機1の故障及び不正行為の実施等が含まれる。不正行為には、例えば、発射された遊技球の軌道を磁石によって不正に操作する行為や遊技機1を振動させる行為等が含まれる。これらの不正行為は、磁気センサスイッチ23(図4参照)によって磁気を検出したり、振動センサスイッチ24(図4参照)によって振動を検出したりすることで検知される。
また、不正に前面枠4やクリア部材保持枠5を開放する行為も不正行為に含まれる。前面枠4の開閉状態は前面枠開放検出スイッチ4b(図4参照)によって検出され、クリア部材保持枠5の開閉状態はクリア部材保持枠開放検出スイッチ5b(図4参照)によって検出される。
クリア部材保持枠5の右側部には、遊技機1の上下方向に、前方(遊技者側)に向かって突出する突出演出ユニット200が配設されている。突出演出ユニット200は、遊技の進行状態に応じて発光演出等を行う演出装置である。突出演出ユニット200の詳細については、図31〜図34を参照して後述する。
クリア部材保持枠5の下部には、前面枠4の下部に設置される上皿ユニット10や遊技装置100を覆うカバーユニット150が取り付けられている。
上皿ユニット10には、遊技球を貯留可能な上皿11が形成されている。上皿11は、上面が開口した箱状に形成されており、貯留されている遊技球を一球ずつ球発射装置(図示省略)に供給するように構成されている。
上皿ユニット10の中央上部には、遊技者からの操作入力を受け付ける演出操作部12が配設されている。演出操作部12は、上皿11の右端部の前側に位置するように設けられている。演出操作部12は、遊技者が操作可能な演出ボタン12a及びセレクトボタン12bから構成されている。
そして、遊技者が演出ボタン12aを操作することによって、変動表示装置36(図3参照)に表示される特図変動表示ゲーム等において遊技者の操作を介入させた演出を行うことができる。例えば、演出パターン(演出態様)を選択させたり、始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果を事前に予告する予告演出を実行させたりすることができる。なお、変動表示ゲームには、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームが含まれ、本明細書では、単に変動表示ゲームとした場合には、特図変動表示ゲームを指すものとする。
また、変動表示ゲームの実行中だけでなく、非実行中に遊技者が演出ボタン12aを操作することによっても演出パターンを変更するようにしてもよい。
なお、変動表示ゲームが実行される際の遊技状態は複数の遊技状態からなり、通常遊技状態(通常状態)とは、特別な遊技状態が発生していない遊技状態である。また、特別な遊技状態とは、例えば、後述する特定遊技状態(普電サポート状態または時短状態)や変動表示ゲームにおいて特別結果(大当り)の発生確率が高い状態(確変状態)や大当り状態(特別遊技状態)である。
ここで、確変状態は、次の大当りが発生するまで継続するもの(ループタイプ)、所定回数の変動表示ゲームが実行されるまで継続するもの(回数切りタイプ)、及び所定の確率転落抽選に当選するまで継続するもの(転落抽選タイプ)などが考えられる。
さらに、確変状態を発生させるか否かを大当り図柄乱数によって決定せずに、大当りが発生した場合に必ず確変状態を発生させるようにしてもよいし、特定領域を備える入賞装置などを設け、特定領域を遊技球が通過した場合に確変状態を発生させるようにしてもよい。
また、遊技者がセレクトボタン12bを操作することによって、各種条件等を選択することができる。
上皿ユニット10の右上部には、球貸操作部13が配設されている。球貸操作部13は、球貸ボタン13aと、排出ボタン13bと、残高表示部13cと、を備えている。球貸ボタン13aは遊技球を借りる場合に遊技者が操作するボタンであり、排出ボタン13bはカードユニット(図示省略)からプリペイドカード等を排出させる場合に遊技者が操作するボタンである。残高表示部13cは、プリペイドカード等の残高を表示する表示装置である。
上皿ユニット10よりも下方の前面枠4には、球発射装置(図示省略)の動作を制御するための操作ハンドル14と、遊技球を貯留可能な下皿(貯留皿)15とが設けられている。また、上皿ユニット10の右側の前面枠4には、クリア部材保持枠5を施錠するための鍵穴部16が備えられている。
操作ハンドル14は、前面枠4の右下部であって、右側の下スピーカー7bの下方に配置されている。遊技者が操作ハンドル14を回動操作することによって、球発射装置は上皿11から供給された遊技球を遊技盤30の遊技領域31(図3参照)に発射する。球発射装置から発射される遊技球の発射速度は、操作ハンドル14の回動操作量が大きくなるほど速くなるように設定されている。
下皿15は、上皿11に対して所定の間隔をあけて、上皿11の下方に配置されている。下皿15は、当該下皿15の底面を上下方向に貫通する球抜き穴15a(図2参照)と、球抜き穴15aを開閉するための開閉操作部15bと、を有している。球抜き穴15aは、遊技機1の左右方向(幅方向)の中央に位置するように、下皿15の底面に設けられている。
そして、遊技者が開閉操作部15bを操作して、球抜き穴15aを開くことによって、下皿15に貯留されていた遊技球を球抜き穴15aを通じて外部に排出することができる。また、球抜き穴15aを遊技機1の左右方向中央に配置するので、遊技機1に各台計数機を備えることもできる。
上皿ユニット10の上皿11及び演出操作部12と下皿15との間には、遊技装置100を収容可能な収容スペース17(図25及び図26(A)参照)が形成されており、遊技装置100は、収容スペース17に収容された状態で、前面枠4の前面下部に着脱自在に取り付けられる。遊技装置100とは、遊技の進行状態に応じて使用される演出装置である。
遊技装置100はその全体がカバーユニット150によって覆われる。カバーユニット150は、クリア部材保持枠5の下部に固定されるフレームベース151と、フレームベース151に嵌め込まれるカバー部材152と、を備える。カバー部材152は、樹脂によって形成された透明部材であって、収容スペース17に収容された遊技装置100を取り囲むように構成されている。カバー部材152は、フレームベース151の裏面側に取り付けられる。フレームベース151は、カバー部材152を支持する支持枠であって、クリア部材保持枠5に取り付けられる。本発明の第1の実施の形態では、遊技装置100として回転点灯器110が設けられる。このときカバー部材152が透明部材なので遊技装置100は遊技者から視認されやすく、遊技装置100の装飾効果を高めることができる。なお、遊技装置100及びカバーユニット150の詳細については、図24〜図30を参照して後述する。
〔遊技盤〕
図3は、本発明の実施の形態の遊技機1に備えられる遊技盤30の正面図である。
遊技盤30は、各種部材の取り付けベースとなる平板状の遊技盤本体30a(木製又は合成樹脂製)を備え、該遊技盤本体30aの前面にガイドレール32で囲まれた遊技領域31を有している。また、遊技盤本体30aの前面であってガイドレール32の外側には、前面構成部材(サイドケース)33が取り付けられている。さらに、遊技領域31の右下側の前面構成部材33は、前面の中央部が黒色透明の証紙プレート34で覆われている。そして、このガイドレール32で囲まれた遊技領域31内に打球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うようになっている。遊技領域31には、打球方向変換部材としての風車や多数の障害釘(図示略)などが配設されており、発射された遊技球はこれらの打球方向変換部材により転動方向を変えながら遊技領域31を流下する。
遊技領域31の略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンターケース35が取り付けられている。センターケース35に形成された窓部の後方には、複数の識別情報を変動表示(可変表示)する変動表示ゲームの演出を実行可能な演出表示装置(変動表示装置)としての表示装置36が配置されている。表示装置36は、例えば、液晶ディスプレイを備え、センターケース35の窓部を介して遊技盤30の前面側から表示内容が視認可能となるように配置される。なお、表示装置36は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(例えば、大当り表示、ファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
また、センターケース35の窓部下方には、ステージ部35aが設けられる。センターケース35のステージ部35aには、遊技領域31を流下する遊技球を受け入れられるように遊技領域31に向けて開口し、センターケース35の内部に配置されたワープ通路35bを通過した遊技球が排出される。センターケース35のステージ部35aは、第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38の上方に配置されているため、ステージ部35a上で転動した遊技球が第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38上に流下しやすいように構成されている。第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38についての詳細は後述する。
センターケース35の窓部上方及び窓部右方には、それぞれ上部演出ユニット35c及び側部演出ユニット35dが設けられる。上部演出ユニット35c及び側部演出ユニット35dは、図5の盤装飾装置25(図5参照)の一部を構成し、遊技の進行に基づいて盤演出装置(図5参照)によって可動される。
遊技領域31のセンターケース35の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)39が設けられている。普図始動ゲート39の内部には、該普図始動ゲート39を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ(SW)39a(図4参照)が設けられている。そして、遊技領域31内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート39内を通過すると、普図変動表示ゲームが実行される。
さらに、センターケース35の左下側には、三つの一般入賞口40が配置され、センターケース35の右下側には、一つの一般入賞口40が配置されている。また、一般入賞口40への遊技球の入賞は、一般入賞口44に備えられた入賞口スイッチ(SW)40a〜40n(図4参照)によって検出される。
また、センターケース35の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える第1始動入賞口(第1始動入賞領域)37が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材38aを備えるとともに内部に第2始動入賞口(第2始動入賞領域)38が配設されている。そして、遊技球が第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に入賞した場合には、補助遊技として特図変動表示ゲームが実行される。
第2始動入賞口38の一対の可動部材38aは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、第2始動入賞口38の上方には、第1始動入賞口37が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないように構成されている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド38c(図4参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて第2始動入賞口38に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態、入賞容易状態)に変化させられるように構成されている。
なお、可動部材38aは、後述する遊技制御装置によって制御される。遊技制御装置は、入賞容易状態の発生頻度を高めたり、入賞容易状態の発生時間を長くしたりすることで、前述の特定遊技状態(普電サポート状態、時短状態)を発生させる。
さらに、遊技領域31の第2始動入賞口38の下方には、大入賞口1ソレノイド41b(図4参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉41aを有する大入賞口1を備えた第1特別変動入賞装置41が設けられている。第1特別変動入賞装置41は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態、特別遊技状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてカウント1スイッチ41c(図4参照)が配設されている。
また、遊技領域31のセンターケース35の上方には、大入賞口2ソレノイド42b(図4参照)によって逆「ハ」の字状に開いて開放状態になぅっている一対の開閉部材42aを有する大入賞口2を備えた第2特別変動入賞装置42が設けられている。開閉部材42aは、遊技者が左打ちで発射した遊技球が大入賞口2に届くように遊技球が流下可能な遊技領域31に向かって開放される。第1特別変動入賞装置41と同様に、第2特別変動入賞装置42は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態、特別遊技状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてカウント2スイッチ42c(図4参照)が配設されている。
一般入賞口40、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、第1特別変動入賞装置41の大入賞口1、及び第2特別変動入賞装置42の大入賞口2に遊技球が入賞すると、払出制御装置650(図4参照)は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を払出装置から前面枠4の上皿11又は下皿15に排出するように制御する。また、第1特別変動入賞装置41の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口43が設けられている。
また、遊技領域31の外側(例えば、遊技盤30の右下部)には、表示装置36における特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)、及び普図始動ゲート39への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。さらに、一括表示装置50には、現在の遊技状態などの情報を表示する表示部51〜60が設けられている。
ここで、一括表示装置50について説明する。一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動(保留)記憶数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56)を備える。
また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)57、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)60、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示器58、大当り時のラウンド数(第1特別変動入賞装置41及び第2特別変動入賞装置42の開閉回数)を表示するラウンド表示部59が設けられている。
次に、本発明の第1の実施の形態の遊技機1における遊技の流れ、及び変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム、特図変動表示ゲーム)の詳細について説明する。
前述のように、本発明の第1の実施の形態の遊技機1では、図示しない打球発射装置から遊技領域31に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域31内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域31を流下し、普図始動ゲート39、一般入賞口40、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、第1特別変動入賞装置41又は第2特別変動入賞装置42に入賞するか、遊技領域31の最下部に設けられたアウト口43へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口40、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、第1特別変動入賞装置41又は第2特別変動入賞装置42に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置650によって制御される払出ユニットから、前面枠4の上皿11又は下皿15に排出される。
前述のように、普図始動ゲート39内には、該普図始動ゲート39を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ39a(図4参照)が設けられている。普図始動ゲート39は、例えば、非接触型のスイッチである。遊技領域31内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート39内を通過すると、ゲートスイッチ39aによって検出され、普図変動表示ゲームが実行される。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって第2始動入賞口38が開放状態に変換されている場合に、普図始動ゲート39を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満ならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成してもよい。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、第2始動入賞口38の一対の可動部材38aが所定時間(例えば、0.5秒間)開放される開放状態となる。これにより、第2始動入賞口38に遊技球が入賞し易くなり、特図2変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート39への通過検出時に抽出した普図乱数値が当り値であるときには、普図表示器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、第2始動入賞口38は、内蔵されている普電ソレノイド38c(図4参照)が駆動されることにより、可動部材38aが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、第2始動入賞口38への遊技球の入賞が許容される。
第1始動入賞口37への入賞球及び第2始動入賞口38への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ37b(図4参照)と始動口2スイッチ38b(図4参照)によって検出される。第1始動入賞口37に入賞した遊技球は特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(4〜8)を限度に記憶されるとともに、第2始動入賞口38に入賞した遊技球は特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(4〜8)を限度に記憶される。
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置600(図4参照)内の特図保留記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶として各々所定回数分(例えば、最大で8回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55)に表示されるとともに、センターケース35の表示装置36においても表示される。
遊技制御装置500は、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38への入賞、若しくは各始動記憶に基づいて、特図表示器(表示装置36、特図1表示器51又は特図2表示器52)で特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームを行う。
特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームは、複数の識別情報を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置36にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
表示装置36における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置36では、特図入賞記憶の記憶数に対応する飾り特別図柄による飾り特図変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
さらに、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38への入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、入賞検出時の大当り乱数値が大当り値であるとき)には特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出されて、大当り状態(特別遊技状態)となる。また、これに対応して表示装置36の表示態様も特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字のいずれか)となる。
このとき、第1特別変動入賞装置41及び第2特別変動入賞装置42は、それぞれ大入賞口1ソレノイド41b及び大入賞口2ソレノイド42b(図4参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば、30秒)だけ、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)に変換される。すなわち、第1特別変動入賞装置41及び第2特別変動入賞装置42に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開くので、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でもよいし同一の表示器でもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。また、表示装置36における飾り特図変動表示ゲームについても、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。
また、特図2変動表示ゲームは、特図1変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。すなわち、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの始動記憶があり、特図変動表示ゲームの実行が可能な状態になった場合は、特図2変動表示ゲームが実行される。
また、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、かつ、保留記憶数が0の状態で、第1始動入賞口37(第2始動入賞口38)に遊技球が入賞すると、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の実行権利の発生に伴って始動記憶が記憶される。このとき、保留記憶数が1加算されるとともに、直ちに始動記憶に基づいて、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始され、この際に保留記憶数が1減算される。
一方、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、第1始動入賞口37(第2始動入賞口38)に遊技球が入賞すると、保留記憶数が上限数未満ならば、保留記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶される。そして、保留記憶数が1以上となった状態で、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、保留記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、前述した第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37b、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38b、ゲートスイッチ39a、入賞口スイッチ40a〜40n、カウント1スイッチ41c、カウント2スイッチ42cには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。前面枠4に前面枠開放検出スイッチ4bやクリア部材保持枠5に設けられたクリア部材保持枠開放検出スイッチ5bには、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
〔遊技制御装置〕
図4は、本発明の第1の実施の形態の遊技制御装置500の構成を示すブロック図である。
遊技機1は遊技制御装置600を備え、遊技制御装置600は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)611を有するCPU部610と、入力ポートを有する入力部620と、出力ポートやドライバなどを有する出力部630、CPU部610と入力部620と出力部630との間を接続するデータバス640などからなる。
CPU部610は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン611と、入力部620内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)621からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン611に入力させるインバータなどからなる反転回路612と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)613などを有する。遊技制御装置600及び該遊技制御装置600によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置800で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能に構成される。
電源装置800は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部810と、遊技用マイコン611の内部のRAM611cに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部820と、停電監視回路や初期化スイッチを有し、遊技制御装置600に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部830などを備える。
この実施の形態では、電源装置800は、遊技制御装置600と別個に構成されているが、バックアップ電源部820及び制御信号生成部830は、別個の基板上あるいは遊技制御装置600と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置600は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置800若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部820及び制御信号生成部830を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部820は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置600の遊技用マイコン611(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAM611cに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部830は、例えば通常電源部810で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。遊技制御装置600は、停電復旧後、RAM611cに保持された遊技データに基づいて、停電前の遊技状態に復旧させる。なお、バックアップ電源部820は、遊技データを2〜3日以上保持させることが可能となっている。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン611内のRAM611c及び払出制御装置650内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン611が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン611は、CPU(中央処理ユニット、マイクロプロセッサ)611a、データを書き換え不能に記憶する(読出し専用の)ROM(リードオンメモリ、不揮発性記憶手段)611b及びデータを書き換え可能に記憶する(随時読出し書込み可能な)RAM(ランダムアクセスメモリ、揮発性記憶手段)611cを備える。
ROM611bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に(書き換え不能に)記憶し、RAM611cは、遊技制御時にCPU611aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM611b又はRAM611cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM611bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターン振り分け情報を記憶している。
変動パターン振り分け情報とは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU611aが参照して変動パターンを決定するための振り分け情報である。また、変動パターン振り分け情報には、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターン振り分け情報、結果が15R大当りや2R大当りとなる場合に選択される大当り変動パターン振り分け情報等が含まれる。さらに、これらの変動パターン振り分け情報には、後半変動パターン振り分け情報、前半変動パターン振り分け情報が含まれている。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機1において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態(例えば、最後に停止する識別情報を除く複数の識別情報が特別遊技状態となる特別結果を発生可能な識別情報で停止し、最後に停止する識別情報が変動表示している状態)をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置36における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
また、リーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル(SP)1リーチ、スペシャル(SP)2リーチ、スペシャル(SP)3リーチ、プレミアムリーチ等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアムリーチの順に高くなるようになっている(リーチ演出によって特別結果態様が導出される確率が異なる)。また、リーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定される場合(はずれとなる場合)における変動表示態様が含まれることもある。
ここで、信頼度の高低は、特別結果態様が導出されるときの演出選択及び特別結果態様が導出されないときの演出選択の割合によって算出することができる。
例えば、特別結果態様が導出される変動表示ゲームでは、上記SP1リーチは10%の割合で選択され、上記SP3リーチは40%の割合で選択されるとする。一方、特別結果態様が導出されない変動表示ゲームでは、上記SP1リーチは5%の割合で選択され、上記SP3リーチは1%の割合で選択されるとする。このような選択割合が設定されていることで、SP1リーチの期待度はSP3リーチの期待度よりも低いということが言える。
本願発明においても、このようなリーチ演出(もしくは特定の演出)に対して選択割合を異ならせているため、上記のような、信頼度の高い演出、信頼度の低い演出の比較が可能となっている。
CPU611aは、ROM611b内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置650や演出制御装置700に対する制御信号(コマンド)を生成したり、ソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力したりして遊技機1全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン611は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数等を生成するための乱数生成回路を備えている。さらに、水晶発振器613からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU611aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU611aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(S1201)や特図普段処理(S1210)にて、ROM611bに記憶されている複数の変動パターン振り分け情報の中から、何れか一の変動パターン振り分け情報を取得する。具体的には、CPU611aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り又ははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態又は高確率状態)、現在の遊技状態としての第2始動入賞口38の動作状態(通常動作状態又は時短動作状態)、保留記憶数などに基づいて、複数の変動パターン振り分け情報の中から、何れか一の変動パターン振り分け情報を選択して取得する。
払出制御装置650は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置600からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置650は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置650が遊技球の発射許可信号を出すことで、図示しない発射制御装置が発射可能状態になる。
遊技制御装置600の入力部620には、第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37b、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38b、普図始動ゲート39内のゲートスイッチ39a、入賞口スイッチ40a〜40n、カウント1スイッチ41c、カウント2スイッチ42cに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)621が設けられている。近接I/F621は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常が検知された場合には異常検知信号を出力するように構成されている。このとき、異常検知信号は、入力ポート623に入力される。
近接I/F621に入力された信号の出力はすべて入力ポート622に供給され、データバス640を介して遊技用マイコン611に読み込まれるとともに、遊技制御装置(主基板)600から中継基板660を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F621の出力のうち始動口1スイッチ37bと始動口2スイッチ38bの検出信号は、入力ポート622の他、反転回路612を介して遊技用マイコン611へ入力されるように構成されている。反転回路612を設けているのは、遊技用マイコン611の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、すなわち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
したがって、始動口1スイッチ37bと始動口2スイッチ38bとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路612を設けずに遊技用マイコン611に検出信号を直接入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ37bと始動口2スイッチ38bからの負論理の信号を遊技用マイコン611に直接入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。前述のように近接I/F621は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F621には、電源装置800から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部620には、遊技機1の前面枠4等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ23及び振動センサスイッチ24からの信号及び近接I/F621により変換された第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37b、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38b、ゲートスイッチ39a、入賞口スイッチ40a〜40n、カウント1スイッチ41c、カウント2スイッチ42cからの信号を取り込んでデータバス640を介して遊技用マイコン611に供給する入力ポート622が設けられている。入力ポート622が保持しているデータは、遊技用マイコン611が入力ポート622に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部620には、遊技機1の前面枠4に設けられた前面枠開放検出スイッチ4b及びクリア部材保持枠5に設けられたクリア部材保持枠開放検出スイッチ5bからの信号、及び払出制御装置650からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス640を介して遊技用マイコン611に供給する入力ポート623が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿15に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部620には、電源装置800からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン611等に入力するためのシュミットトリガ回路624が設けられており、シュミットトリガ回路624はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置800からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦、入力ポート623に入力され、データバス640を介して遊技用マイコン611に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン611に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路624によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン611に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部630の各出力ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部630を介さずに中継基板660に直接出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板660のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板660を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部620の各入力ポート(622,623)には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン611によって出力部630の各出力ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部620の各入力ポート(622,623)から遊技用マイコン611が読み込んだデータは、遊技用マイコン611のリセットによって廃棄されるためである。
遊技制御装置600の出力部630は、データバス640に接続され払出制御装置650へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置700へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート631aと、演出制御装置700へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート631bとを備える。遊技制御装置600から払出制御装置650及び演出制御装置700へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部630には、演出制御装置700の側から遊技制御装置600へ信号を入力できないようにするため、すなわち、片方向通信を担保するために第1出力ポート631aからのデータストローブ信号SSTB及び第2出力ポート631bからの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ632aが設けられている。なお、第1出力ポート631aから払出制御装置650へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部630には、データバス640に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板660を介して出力するバッファ632bが実装可能に構成されている。このバッファ632bは遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F621から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ632bを通さずに中継基板660を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ23や振動センサスイッチ24のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦、遊技用マイコン611に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工される。例えば、遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス640からバッファ632b、中継基板660を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板660には、バッファ632bから出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板660上のポートには、遊技用マイコン611から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部630には、データバス640に接続され第1特別変動入賞装置41、第2特別変動入賞装置42を開閉させるソレノイド(大入賞口1ソレノイド41b、大入賞口2ソレノイド42b)や第2始動入賞口38の可動部材38aを開閉させるソレノイド(普電ソレノイド38c)の開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート631c、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート631d、大当り情報など遊技機1に関する情報を外部情報端子670へ出力するための第5出力ポート631eが設けられている。外部情報端子670から出力された遊技機1に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
さらに、出力部630には、第1ドライバ(駆動回路)633a、第2ドライバ633b、第3ドライバ633c、及び第4ドライバ633dが設けられている。第1ドライバ633aは、第3出力ポート631cから出力される大入賞口1ソレノイド41bや大入賞口2ソレノイド42bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する。また、普電ソレノイド38cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する。第2ドライバ633bは、第3出力ポート631cから出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する。第3ドライバ633cは、第4出力ポート631dから出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する。第4ドライバ633dは、第5出力ポート631eから管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子670へ出力する。
第1ドライバ633aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置800から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ633cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ633bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ633cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ633bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子670へ出力する第4ドライバ633dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ632bや第3出力ポート631c、第1ドライバ633a等は、遊技制御装置600の出力部630、すなわち、主基板ではなく、中継基板660側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部630には、外部の検査装置680へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ634が設けられている。フォトカプラ634は、遊技用マイコン611が検査装置680との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン611が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート622のようなポートは設けられていない。
〔演出制御装置〕
次に、図5を用いて、演出制御装置700の構成について説明する。図5は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置700の構成を示すブロック図である。
演出制御装置700は、遊技用マイコン611と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)710と、該主制御用マイコン710の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)720と、該映像制御用マイコン720からのコマンドやデータに従って表示装置36への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)730と、各種のメロディや効果音などをスピーカー7(7a,7b)から再生させるため音の出力を制御する音源LSI740を備えている。
主制御用マイコン(1stCPU)710と映像制御用マイコン(2ndCPU)720には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM711、712がそれぞれ接続され、VDP730にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM731が接続され、音源LSI740には音声データが記憶された音声ROM741が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)710は、遊技用マイコン611からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン720へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI740への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)710と映像制御用マイコン(2ndCPU)720の作業領域を提供するRAM710a、720aは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAM710a、720aはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)710と映像制御用マイコン(2ndCPU)720との間、主制御用マイコン(1stCPU)710と音源LSI740との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。また、主制御用マイコン(1stCPU)710とVDP730との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアル方式の場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP730には、画像ROM731から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)730aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ730b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置36へ送信する映像信号を生成する信号変換回路730cなどが設けられている。
VDP730から主制御用マイコン710へは表示装置36の映像と前面枠4や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP730から映像制御用マイコン720へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン720からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン720から主制御用マイコン710へは、映像制御用マイコン720が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン710と音源LSI740との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)720には、主制御用マイコン(1stCPU)710よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)710とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)720を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)710のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置36に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)720と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置700には、遊技制御装置600から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)750が設けられている。このコマンドI/F750を介して、遊技制御装置600から演出制御装置700へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置600の遊技用マイコン611はDC5Vで動作し、演出制御装置700の主制御用マイコン(1stCPU)710はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F750には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置700には、遊技盤30(センターケース35を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置25を制御する盤装飾LED制御回路761、前面枠4に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置21を制御する枠装飾LED制御回路762、遊技盤30(センターケース35を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置36における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)26を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路763、前面枠4に設けられている枠演出装置22を駆動制御する枠演出モータ制御回路764が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路761〜764は、アドレス/データバス760を介して主制御用マイコン(1stCPU)710と接続されている。
さらに、演出制御装置700には、遊技機1の前面に設けられた演出ボタン12aに内蔵されているスイッチ12cや盤演出装置26内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチ27のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)710へ検出信号を入力するスイッチ入力回路770、前面枠4に設けられた上スピーカー7aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路742a、前面枠4に設けられた下スピーカーvbを駆動するアンプ回路742bが設けられている。
電源装置800の通常電源部810は、前述のような構成を有する演出制御装置700やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、複数種類の電圧を生成可能に構成されている。具体的には、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる表示装置36を駆動するためのDC12V、コマンドI/F750の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカーを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成することが可能となっている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)710や映像制御用マイコン(2ndCPU)720として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置700に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部810に設けるようにしてもよい。
電源装置800の制御信号生成部830により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン710、映像制御用マイコン720、VDP730、音源LSI740、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路(761〜764)、スピーカーを駆動するアンプ回路742a、742bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン720の有する汎用のポートを利用して、VDP730に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン720とVDP730の動作の連携性を向上させることができる。
〔遊技制御〕
以上が、本発明の第1の実施の形態における遊技機1の構成である。次に、これらの制御回路によって行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置600のCPU611aは、普図始動ゲート39に備えられたゲートスイッチ39aを通過した遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM611bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する。そして、普図表示器53に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器53に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド38cを動作させ、第2始動入賞口38の可動部材38aを所定時間開放する制御を行う。
なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合には、CPU611aは、普図表示器53にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置600のCPU611aは、第1始動入賞口37に備えられた始動口1スイッチ37bからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶する。そして、この始動記憶に基づき、特図1変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM611bに記憶されている判定値と比較し、特図1変動表示ゲームの当り外れを判定する。
また、遊技制御装置600のCPU611aは、第2始動入賞口38に備えられた始動口2スイッチ38bからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶する。そして、この始動記憶に基づき、特図2変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM611bに記憶されている判定値と比較し、特図2変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置600のCPU611aは、上記の特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置700に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
また、演出制御装置700は、遊技制御装置600からの制御信号に基づき、表示装置36で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
さらに、演出制御装置700は、遊技制御装置600からの制御信号に基づき、スピーカー7(7a,7b)からの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
そして、遊技制御装置600のCPU611aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
特別遊技状態を発生させる処理においては、遊技制御装置600のCPU611aは、例えば、大入賞口1ソレノイド41b又は大入賞口2ソレノイド42bにより第1特別変動入賞装置41の開閉扉41a又は第2特別変動入賞装置42の開閉部材42aを開放させ、大入賞口(大入賞口1又は大入賞口2)内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、9個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は1.6秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は2回)継続する(繰り返す)制御(ラウンド遊技)を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
以下、遊技制御装置600による制御について具体的な処理を説明する。
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、遊技制御装置600による制御のうちメイン処理について説明する。図6Aは、本発明の第1の実施の形態の遊技制御装置によって実行されるメイン処理の前半部のフローチャートである。図6Bは、本発明の第1の実施の形態の遊技制御装置によって実行されるメイン処理の後半部のフローチャートである。
メイン処理は、遊技機1の電源投入時に実行される。例えば、遊技場で営業を開始するために遊技機の電源を投入する場合や停電から復帰した場合に実行される。
遊技制御装置600は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込み禁止する(S601)。次いで、割込みが発生した場合に実行されるジャンプ先を示すベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理を実行する(S602)。さらに、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定する(S603)。さらに、割込み処理のモードを設定する(S604)。
次に、遊技制御装置600は、払出制御装置(払出基板)650のプログラムが正常に起動するまで待機する(S605)。例えば、4ミリ秒間待機する。このように制御することによって、電源投入の際に、遊技制御装置600が先に起動してしまい、払出制御装置650の起動が完了する前に、コマンドを当該払出制御装置650に送信してしまい、払出制御装置650が送信されたコマンドを取りこぼすのを回避することができる。
その後、遊技制御装置600は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)に対するアクセスを許可する(S606)。さらに、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(S607)。また、遊技用マイコン511に予め搭載されているシリアルポートを使用しない状態に設定する(S608)。本実施形態では、払出制御装置650や演出制御装置700とパラレル通信を行っているため、シリアルポートを使用しないためである。
続いて、遊技制御装置600は、電源装置800内の初期化スイッチ信号がオンに設定されているか否か判定する(S609)。初期化スイッチ信号は、遊技機1に電源が投入された場合に、初期化された状態で遊技を開始するか否かを設定するための信号である。例えば、閉店時などに正常に電源が切断され、翌日の開店時に電源が投入された場合には、初期化された状態で遊技が開始されるように、初期化スイッチ信号がオンに設定される。一方、停電発生後に再度電源が投入された場合には、遊技を可能な限り停電前の遊技状態に近い状態で再開するために、遊技機が初期化されないように、初期化スイッチ信号がオフに設定される。
遊技制御装置600は、初期化スイッチ信号がオフに設定されている場合には(S609の結果が「N」)、RWM内の停電検査領域のデータが正常であるか否かをチェックする(S610)。さらに詳しく説明すると、停電検査領域には、停電検査領域1及び停電検査領域2が含まれている。そして、停電検査領域1には停電検査領域チェックデータ1、停電検査領域2には停電検査領域チェックデータ2が記憶される。S610の処理では停電検査領域1に記憶された停電検査領域チェックデータ1及び停電検査領域2に記憶された停電検査領域チェックデータ2が正常であるか否かをチェックする。
遊技制御装置600は、RWM内の停電検査領域の停電検査領域チェックデータが正常である、すなわち停電復旧可能と判定された場合には(S611の結果が「Y」)、チェックサムと呼ばれる検証用データを算出するチェックサム算出処理を実行する(S612)。
そして、遊技制御装置600は、チェックサム算出処理で算出されたチェックサムの値と、電源切断時に算出されたチェックサムの値とを比較し、これらの値が一致する、すなわちチェックサムが正常か否かを判定する(S613)。
一方、遊技制御装置600は、初期化スイッチ信号がオンに設定されている場合(S609の結果が「Y」)、停電復旧しない(停電検査領域の値が正常でない)場合(S611の結果が「N」)、チェックサムが正常でない(電源切断時のチェックサムの値とS612の処理で算出されたチェックサムの値とが一致しない)場合には(S613の結果が「N」)、図6BのS641〜S643の初期化処理を実行する。初期化処理の詳細については後述する。
遊技制御装置600は、チェックサムが正常である(算出されたチェックサムの値と電源切断時のチェックサムの値とが一致する)場合には(S613の結果が「Y」)、停電処理が正常に実行されたため、停電前の状態に復旧させるための処理を実行する(図6BのS614〜S619)。まず、停電時の情報が正常に記憶されていたか否かを判定するための情報が記憶されていた、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の領域をクリア(初期化)する(S614)。具体的には、すべての停電検査領域をクリアし、チェックサムが記憶されていた領域をクリアする。さらに、エラー関連の情報、及び不正行為を監視するための情報を記憶する領域をリセットする(S615)。
次に、遊技制御装置600は、RWM内の遊技状態を記憶する領域から停電発生時の遊技状態が高確率状態であったか否かを判定する(S616)。高確率でないと判定された場合には(S616の結果が「N」)、S619以降の処理を実行する。
また、遊技制御装置600は、停電発生時の遊技状態が高確率状態であったと判定された場合には(S616の結果が「Y」)、高確率報知フラグをオンに設定して高確率報知フラグ領域にセーブ(保存)する(S617)。続いて、一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器58)をオン(点灯)に設定する(S618)。
さらに、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置700に送信する(S619)。特図ゲーム処理番号は、特図ゲームの状態を示す番号であり、停電発生時にRWMの所定の領域に記憶されている。このように、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置700に送信することによって、可能な限り停電発生前に近い状態で遊技を再開することができるのである。
ここで、初期化処理を実行する場合について説明する。前述のように、初期化処理は、正常に電源が切断された遊技機を起動する場合や停電発生前の状態に復帰できない場合に実行される。
遊技制御装置600は、初期化処理において、まず、使用する作業領域をリセット(クリア)する(S641)。そして、初期化すべき領域に電源投入時用の初期値をセーブ(保存)する(S642)。例えば、RWMクリアに関する外部情報(セキュリティ信号)を出力する出力タイマ初期値をセキュリティ信号制御タイマ領域にセーブする。
続いて、遊技制御装置600は、初期化処理の最後に電源投入時のコマンドを演出制御装置700に送信し(S643)、S620以降の処理を実行する。
遊技制御装置600は、S619又はS643の処理が終了すると、遊技用マイコン611(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動させる(S620)。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン611内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器613からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、前述したCTC回路とを備えている。タイマ割込み信号は、分周された信号に基づいてCPU611aに所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込みを発生させるための信号である。乱数更新トリガ信号(CTC)は、分周された信号に基づいて乱数生成回路に供給され、乱数生成回路が乱数を更新するトリガとなる。
遊技制御装置600は、CTC回路を起動すると、乱数生成回路の起動設定を行う(S621)。具体的には、CPU611aが乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)を設定するなどの処理を実行する。さらに、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブする(S622)。その後、遊技制御装置600は、割込みを許可する(S623)。
なお、本実施形態のCPU611a内の乱数生成回路では、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変更されるように構成されており、ソフト乱数レジスタの初期値に基づいて各種初期値乱数の初期値(スタート値)を設定することによって、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことが可能となり、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。各種初期値乱数には、例えば、大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数(当り乱数)が含まれる。
続いて、遊技制御装置600は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(S624)。また、本実施形態では、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。すなわち、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。なお、各種乱数の発生源は前述の態様に限定されるわけではなく、大当り乱数がソフトウェア乱数であってもよいし、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数がハードウェア乱数であってもよい。
さらに、初期値乱数更新処理が実行された後、遊技制御装置600は、電源装置800から入力され、ポート及びデータバスを介して読み込まれる停電監視信号がオンであるか否かを判定する(S625)。停電監視信号がオンでない場合、すなわち、停電していない場合には(S625の結果が「N」)、S624の初期値乱数更新処理を再び実行し、S624及びS625の処理を繰り返し実行する(ループ処理)。
また、初期値乱数更新処理(S624)の前に割り込みを許可(S623)することによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生した場合に、割込み処理を優先して実行することが可能となる。したがって、初期値乱数更新処理の実行が完了するまでタイマ割込み処理を実行できないために、割込み処理に含まれる各種処理を実行する時間が不足してしまうことを回避できる。
なお、初期値乱数更新処理(S624)は、メイン処理の他に、タイマ割込み処理(図7)で初期値乱数更新処理を実行してもよい。ただし、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行する場合には、両方の処理で初期値乱数更新処理が実行されることを回避するため、メイン処理における初期値乱数更新処理の実行時に割込みを禁止し、初期値乱数を更新後に割込みを解除する必要がある。しかし、本実施形態のようにタイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行せず、メイン処理でのみ初期値乱数更新処理を実行すれば、初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても問題が生じることはなく、さらに、メイン処理が簡素化されるという利点がある。
一方、遊技制御装置600は、停電監視信号がオンに設定されている場合には(S625の結果が「Y」)、停電が発生したものと見なして停電発生時の処理を実行する(S626〜S631)。
遊技制御装置600は、割込みを禁止し(S626)、全出力ポートにオフデータを出力して全出力ポートをオフに設定する(S627)。その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし、さらに、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(S628)。
さらに、遊技制御装置600は、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(S629)、算出されたチェックサムの値をRWMのチェックサム領域にセーブ(保存)する(S630)。最後に、RWMの内容が変更されないように、RWMへのアクセスを禁止し(S631)、遊技機1の電源が遮断されるまで待機する。このように、停電復旧検査領域にチェック用のデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出して記憶させることで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することが可能となる。
〔タイマ割込み処理(遊技制御装置)〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図7は、本発明の第1の実施の形態のタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路によって生成される周期的(例えば、1ミリ秒周期)なタイマ割込み信号がCPU611aに入力されることによって開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すことによってレジスタを退避させる(S701)。なお、本実施形態では遊技用マイコンとしてZ80系のマイコンを使用している。Z80系のマイコンには、表レジスタと裏レジスタが備えられており、表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避させることでS701の処理を実装することが可能である。
次に、遊技制御装置600は、入力部620を介して入力される各種センサやスイッチなどからの入力信号を取り込み、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(S702)。各種センサには、始動口1スイッチ37b、始動口2スイッチ38b、普図のゲートスイッチ39a、カウント1スイッチ41c、カウント2スイッチ42cなどが含まれる。また、入力処理では、入力信号にチャタリング除去等を行って入力情報を確定させる。
さらに、遊技制御装置600は、各種処理でセットされた遊技制御に関する出力データを、演出制御装置700及び払出制御装置650に送信するための出力処理を実行する(S703)。出力データは、ソレノイド等のアクチュエータの駆動制御などを行うための情報であり、制御対象となるソレノイドには、例えば、大入賞口1ソレノイド(SOL)41b、大入賞口2ソレノイド(SOL)42b、普電ソレノイド(SOL)38cが含まれる。また、出力処理では、遊技機における遊技データを収集する情報収集端末装置(図示せず)に遊技データを出力する処理も含まれる。
次に、遊技制御装置600は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置700や払出制御装置650等に送信(出力)するコマンド送信処理を実行する(S704)。なお、コマンド送信処理の詳細については、図8〜図11にて後述する。
さらに、遊技制御装置600は、大当り図柄乱数1及び大当り図柄乱数2を更新する乱数更新処理1を実行し(S705)、続いて特図変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新処理2を実行する(S706)。乱数更新処理1及び乱数更新処理2では、各種乱数にランダム性を付与するために、各種乱数に対応するカウンタ(大当り乱数カウンタ、当り乱数カウンタ、演出決定用乱数カウンタなど)の値を1ずつ加算する。
その後、遊技制御装置600は、各種入賞口スイッチなどを監視したり、枠の不正な開放などのエラーを監視したりする入賞口スイッチ/エラー監視処理が実行される(S707)。各種入賞口スイッチには、例えば、始動口1スイッチ37b、始動口2スイッチ38b、普図のゲートスイッチ39a、入賞口スイッチ40a〜40n、カウント1スイッチ41c、カウント2スイッチ42cが含まれる。入賞口スイッチ/エラー監視処理では、これらのスイッチから正常な信号が入力されているか否かを監視したりする。エラーの監視としては、前面枠4やクリア部材保持枠5が不正に開放されていないかなどを対象としている。
さらに、遊技制御装置600は、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行する(S708)。なお、特図ゲーム処理の詳細については、図12にて後述する。続いて、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(S709)。
次に、遊技制御装置600は、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDの表示内容を制御するセグメントLED編集処理を実行する(S710)。具体的には、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームの結果をセグメントLED(例えば、一括表示装置50)に出力するためのパラメータを編集する。
遊技制御装置600は、磁気センサスイッチ23や振動センサスイッチ24からの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する磁石/振動不正監視処理を実行する(S711)。異常の発生を検出した場合には、スピーカー7から報知音を出力したりするなどして外部に報知する。
次に、遊技制御装置600は、外部情報端子670から出力する各種信号を編集する外部情報編集処理を実行する(S712)。
そして、遊技制御装置600は、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する(S713)。その後、S701の処理で一時退避されていたレジスタを復帰させ(S714)、禁止設定されていた外部機器による割込み及びタイマ割込みを許可し(S715)、タイマ割込み処理を終了し、メイン処理に復帰する。
〔コマンド送信処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理におけるコマンド送信処理(S704)の詳細について説明する。図8は、本発明の第1の実施の形態のコマンド送信処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置700に送信する演出制御コマンド処理を実行する(S801)。具体的には、特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド、及び停電から復旧した場合に演出制御装置700に停電復旧処理を実行させる停電復旧コマンドを演出制御装置700に送信したりする。なお、演出制御コマンド送信処理の詳細については、図9にて後述する。
次に、遊技制御装置600は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置650に送信する払出コマンド送信処理を実行する(S802)。具体的には、払出装置から払い出す賞球数を指定する賞球コマンドを払出制御装置650に送信したりする。
〔演出制御コマンド送信処理〕
次に、前述したコマンド送信処理における演出制御コマンド送信処理(S801)の詳細について説明する。図9は、本発明の第1の実施の形態の演出制御コマンド送信処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、RWM内のコマンド送信領域にコマンドが設定されたときに1加算更新されるライトカウンタの値と、コマンド送信領域からコマンドが読み出されるときに1加算更新されるリードカウンタの値とを比較し、コマンドが設定されているかチェックして判定する(S901、S902)。具体的には、ライトカウンタの値とリードカウンタの値とが同一であれば設定コマンドなしと判定し、ライトカウンタの値とリードカウンタの値とが一致しない場合には未送信のコマンドが設定されていると判定する。そして、コマンドが設定されていない場合には(S902の結果が「N」)、演出制御コマンド送信処理を終了する。
遊技制御装置600は、コマンドが設定されている場合には(S902の結果が「Y」)、リードカウンタを1加算更新する(S903)。そして、リードカウンタに対応するコマンド送信領域(MODE)からMODEコマンドをロードし(S904)、取得したMODEコマンドが設定されていたコマンド送信領域をリセットする(S905)。
続いて、遊技制御装置600は、リードカウンタに対応するコマンド送信領域(ACTION)からACTIONコマンドをロードし(S906)、取得したACTIONコマンドが設定されていたコマンド送信領域をリセットする(S907)。
その後、遊技制御装置600は、コマンドを演出制御装置700へ出力する演出制御コマンド出力処理を実行し(S908)、演出制御コマンド送信処理を終了する。なお、演出制御コマンド出力処理の詳細については、図10にて後述する。
〔演出制御コマンド出力処理〕
次に、前述した演出制御コマンド送信処理における演出制御コマンド出力処理(S908)の詳細について説明する。図10は、本発明の第1の実施の形態の演出制御コマンド出力処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、遊技用マイコン611のRAM611cから出力部630の第2出力ポート631bへMODEコマンドを出力する(S1001)。そして、MODEコマンド出力中を示すデータストローブ信号SSTBのOFF時間を準備する(S1002)。その後、データストローブ信号SSTB及び演出制御コマンドの前半の8ビット(MODE)を出力部630へ出力するコマンドデータ出力処理を実行する(S1003)。なお、コマンドデータ出力処理の詳細については、図11にて後述する。
次に、遊技制御装置600は、遊技用マイコン611のRAM611cから出力部630の第2出力ポート631bへACTIONコマンドを出力する(S1004)。そして、ACTIONコマンド出力中を示すデータストローブ信号SSTBのOFF時間を準備する(S1005)。その後、データストローブ信号SSTB及び演出制御コマンドの後半の8ビット(ACTION)を出力部630へ出力するコマンドデータ出力処理を実行し(S1006)、演出制御コマンド出力処理を終了する。
〔コマンドデータ出力処理〕
次に、前述した演出制御コマンド出力処理におけるコマンドデータ出力処理(S1003、S1006)の詳細について説明する。図11は、本発明の第1の実施の形態のコマンドデータ出力処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、第2出力ポート631bの直前の状態が失われないようにするため、第1出力ポート631aのデータストローブ信号SSTBを含むポート状態保持データをロードする(S1101)。
そして、遊技制御装置600は、制御情報として演出制御コマンドを第2出力ポート631bへ出力し(S1102)、OFF状態(データの読取り無効を示す例えばロウレベル)のデータストローブ信号SSTBを第1出力ポート631aへ出力する(S1103)。このときデータストローブ信号SSTB以外の信号は、直前の状態を保持したままデータストローブ信号SSTBと一緒に出力される。
遊技制御装置600は、データストローブ信号SSTBをOFF状態にすべきOFF時間が終了したか否か判定する(S1104)。ここで、OFF時間が終了していない場合には(S1104の結果が「N」)、前述のS1102及びS1103の処理を繰り返す。
一方、遊技制御装置600は、OFF時間が終了した場合には(S1104の結果が「Y」)、データストローブ信号SSTBのON状態(データの読取り有効を示す例えばハイレベル)の時間を設定する(S1105)。そして、ON状態のデータストローブ信号SSTBを設定する(S1106)。その後、制御情報として演出制御コマンドを第2出力ポート631bへ出力し(S1107)、ON状態(ハイレベル)のデータストローブ信号SSTBを第1出力ポート631aへ出力する(S1108)。このときデータストローブ信号SSTB以外の信号は、直前の状態を保持したままデータストローブ信号SSTBと一緒に出力される。
遊技制御装置600は、データストローブ信号SSTBをON状態にすべきON時間が終了したか否か判定する(S1109)。ここで、ON時間が終了していない場合には(S1109の結果が「N」)、前述のS1107及びS1108の処理を繰り返す。
一方、遊技制御装置600は、ON時間が終了した場合には(S1109の結果が「Y」)、ON状態のデータストローブ信号SSTBを設定して(S1110)、第1出力ポート631aに出力する(S1111)。その後、コマンドデータ出力処理を終了する。
このように演出制御コマンド出力処理(図10)及びコマンドデータ出力処理(図11)では、始めにデータストローブ信号SSTBによって読取り無効期間(OFF状態)を設け、その間に演出制御コマンドを出力部630の第2出力ポート631bへ出力することで、読取り有効(ON状態)となったら演出制御コマンドがバッファ632aを介して演出制御装置700に取り込まれるよう処理している。ここで出力された演出制御コマンドは、後述する演出制御装置700によるコマンド受信割込み処理(図22)で演出制御装置700側に読み取られる。
なお、S1107に示すようにON状態でも演出制御コマンドを出力しているのは、S1107〜S1109のループ処理中に停電が発生した場合に、出力中の演出制御コマンドが停電復帰後に出力されなくなるのを回避するためである。また、ノイズによってコマンドコードが変更してしまうのを回避することもできる。なお、S1104及びS1109の処理は、各々の処理のみをループさせることも可能である。
〔特図ゲーム処理〕
続いて、前述したタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(S708)の詳細について説明する。図12は、本発明の第1の実施の形態の特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ37b及び始動口2スイッチ38bによる入力信号の監視、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図(識別情報)の表示の設定を行う。
特図ゲーム処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、始動口1スイッチ37b及び始動口2スイッチ38bの入賞を監視する始動スイッチ監視処理を実行する(S1201)。
始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動スイッチ監視処理についての詳細は、図13にて後述する。
次に、遊技制御装置600は、カウントスイッチ監視処理1を実行する(S1202)。カウントスイッチ監視処理1では、第1特別変動入賞装置41内に設けられたカウント1スイッチ41cによって当該第1特別変動入賞装置41に入賞した遊技球を検出し、入賞した遊技球の数を監視する。
また、遊技制御装置600は、カウントスイッチ監視処理2を実行する(S1203)。カウントスイッチ監視処理2では、第2特別変動入賞装置42内に設けられたカウント2スイッチ42cによって当該第2特別変動入賞装置42に入賞した遊技球を検出し、入賞した遊技球の数を監視する。
次に、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマが既にタイムアップしているか、又は、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)した結果、当該特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックする(S1204)。なお、特図ゲーム処理タイマは、後述する特図ゲーム処理番号に応じて分岐させる各処理(S1210〜S1216)を実行するときに初期値がセットされ、S1204の処理で当該特図ゲーム処理タイマの値を1減じる。この初期値としてセットされる値は、当該特図ゲーム処理番号に応じた処理を終了させるまでの時間値であり、例えば、特図普段処理(S1210;特図ゲーム処理番号「0」)においてセットされる値は、特図変動表示ゲームにおいて特別図柄が変動表示されている時間値がセットされる。そして、特図ゲーム処理タイマの値が0になると、タイムアップしたと判断される。
遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない場合には(S1205の結果が「N」)、S1217以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした場合には(S1205の結果が「Y」)、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(S1206)。さらに、当該テーブルに基づいて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(S1207)。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させ(S1208)、ゲーム処理番号に応じて処理を分岐させる(S1209)。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「0」の場合には(S1209の結果が「0」)、特図普段処理を実行する(S1210)。特図普段処理は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定、特図変動中処理を実行するために必要な情報の設定等を行う。なお、特図普段処理についての詳細は、図16にて後述する。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「1」の場合には(S1209の結果が「1」)、特図変動中処理を実行する(S1211)。特図変動中処理は、特図変動表示ゲームにおける識別情報の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「2」の場合には(S1209の結果が「2」)、特図表示中処理を実行する(S1212)。特図表示中処理は、特図変動表示ゲームの結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間を設定したり、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「3」の場合には(S1209の結果が「3」)、ファンファーレ/インターバル中処理を実行する(S1213)。ファンファーレ/インターバル中処理は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「4」の場合には(S1209の結果が「4」)、第1特別変動入賞装置41の大入賞口1又は第2特別変動入賞装置42の大入賞口2に係る大入賞口開放中処理を実行する(S1214)。大入賞口開放中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定したり、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報を設定したりする。
また、大入賞口開放中処理は、特図変動表示ゲームの結果が特別結果になった場合に大入賞口の開放時間に基づいて第1特別変動入賞装置41の開閉扉41a又は第2特別変動入賞装置42の開閉部材42aを開放して遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生させるものである。このため、遊技制御装置600は特別遊技状態制御手段を成す。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「5」の場合には(S1209の結果が「5」)、大入賞口残存球処理を実行する(S1215)。大入賞口残存球処理は、大当りラウンドが最終ラウンドの場合に大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定したり、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「6」の場合には(S1209の結果が「6」)、大当り終了処理を実行する(S1216)。大当り終了処理は、S1210の特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
その後、遊技制御装置600は、特図1表示器51における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(S1217)。続いて、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理を実行する(S1218)。
さらに、遊技制御装置600は、特図2表示器52における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(S1219)。続いて、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理を実行し(S1220)、特図ゲーム処理を終了する。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理(図12)における始動口スイッチ監視処理(S1201)の詳細について説明する。図13は、本発明の第1の実施の形態の始動口スイッチ監視処理のフローチャートである。
始動口スイッチ監視処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、第1始動入賞口37に遊技球が入賞したことによる保留の情報を設定するテーブルを準備する(S1301)。
続いて、遊技制御装置600は、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に遊技球が入賞した場合に共通して実行される特図始動口スイッチ共通処理を実行する(S1302)。なお、特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、図14にて後述する。
次に、遊技制御装置600は、普通電動役物(第2始動入賞口38の可動部材38a)が作動中である、すなわち、第2始動入賞口38の可動部材38aが遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックする(S1303)。普通電動役物が作動中である場合には(S1303の結果が「Y」)、S1306以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置600は、普通電動役物が作動中でない場合には(S1303の結果が「N」)、第2始動入賞口38への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックし(S1304)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する(S1305)。
不正入賞について具体的に説明すると、第2始動入賞口38は、可動部材38aが閉状態の場合には遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合には何らかの異常や不正が発生した可能性が高く、閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数している。そして、S1304及びS1305の処理において、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかを判定する。
遊技制御装置600は、不正入賞数が不正判定個数以上の場合には(S1305の結果が「Y」)、第2始動入賞口38への遊技球の入賞と無効として特図変動表示ゲームに関する処理を実行せずに、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、不正入賞数が不正判定個数未満の場合には(S1305の結果が「N」)、第2始動入賞口38による保留の情報を設定するテーブルを準備し(S1306)、特図始動口スイッチ共通処理を実行する(S1307)。その後、始動口スイッチ監視処理を終了する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、前述した始動口スイッチ監視処理(図13)における特図始動口スイッチ共通処理(S1302、S1307)の詳細について説明する。図14は、本発明の第1の実施の形態の特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。
特図始動口スイッチ共通処理は、第1始動入賞口37や第2始動入賞口38に遊技球が入賞したことによって始動口1スイッチ37bや始動口2スイッチ38bから信号入力があった場合に共通して実行される処理である。
遊技制御装置600は、まず、始動口1スイッチ37b及び始動口2スイッチ38bのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ37b)から信号が入力されたか否かをチェックする(S1401、S1402)。対象の始動口スイッチから信号が入力されていない場合には(S1402の結果が「N」)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、対象の始動口スイッチから信号が入力された場合には(S1402の結果が「Y」)、当該対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグをRWMの所定の領域にセーブする(S1403)。さらに、対象始動口スイッチに対応するハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、以降の処理で使用するための準備を行う(S1404)。
続いて、遊技制御装置600は、対象の始動口スイッチに対応する始動入賞口への入賞の回数に関する情報、すなわち、遊技機1の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードして、ロードした値に1加算して更新し、始動口信号出力回数がオーバーフローするか否かをチェックする(S1405、S1406)。
そして、遊技制御装置600は、始動口信号出力回数がオーバーフローしない場合には(S1406の結果が「N」)、更新後の始動口信号出力回数の値を、RWMの始動口信号出力回数領域にセーブする(S1407)。
遊技制御装置600は、S1407の処理が終了した後、又は、始動口信号出力回数がオーバーフローする場合には(S1406の結果が「Y」)、対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックする(S1408、S1409)。
遊技制御装置600は、特図保留数が上限値未満の場合には(S1409の結果が「Y」)、始動口スイッチによって検出された入賞に対応する情報を設定する。具体的には、まず、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数)を1加算して更新する(S1410)。
続いて、遊技制御装置600は、飾り特図保留数コマンドを準備する。飾り特図保留数コマンドは、MODE部とACTION部によって構成される。具体的に説明すると、遊技制御装置600は、まず、対象の始動口スイッチの飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備し(S1411)、さらに、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備する(S1412)。そして、準備された飾り特図保留数コマンドを設定するためのコマンド設定処理を実行する(S1413)。そして、更新された特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する(S1414)。
次に、遊技制御装置600は、大当り乱数をRWMの対象の乱数セーブ領域にセーブし(S1415)、さらに、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数を抽出して、RWMの乱数セーブ領域にセーブする(S1416)。続いて、対応する変動パターン乱数1を抽出し、抽出した値をRWMの乱数セーブ領域にセーブする(S1417)。同様に、対応する変動パターン乱数2を抽出し、抽出した値をRWMの乱数セーブ領域にセーブする(S1418)。さらに、対応する変動パターン乱数3を抽出し、抽出した値をRWMの乱数セーブ領域にセーブする(S1419)。変動パターン乱数1〜3は、例えば、前半と後半の変動パターンを個別に設定したり、特定の演出を実行したりするために用いられる。
本発明の第1の実施の形態において、大当り乱数は、始動口1スイッチ37b及び始動口2スイッチ38bのどちらの始動口スイッチが遊技球の入賞を検出しても同じ手順で抽出される。すなわち、第1始動入賞口37から入賞した場合であっても、第2始動入賞口38から入賞した場合であっても、入賞した遊技球が大当りとなる乱数は同じである。なお、始動入賞口毎に大当り乱数を設定してもよい。
ここで、特図変動表示ゲーム(特図1又は特図2)における変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数(変動パターン1〜3)は、大当り図柄乱数のように乱数生成回路のソフトウェアによって更新されるものとは異なり、遊技制御用プログラムによって更新されるものである。なお、変動パターン乱数の更新は遊技制御用プログラムによって更新することに限らず、乱数生成回路のハードウェア又はソフトウェアで更新するようにしてもよい。
そして、遊技制御装置600は、S1416の処理でRWMにセーブされた対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数をロードし、ロードした値を後述する特図保留情報判定処理にて使用するために準備する(S1420)。最後に、特図保留情報判定処理を実行し(S1421)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、特図保留数が上限値未満でない場合には(S1409の結果が「N」)、始動口スイッチによって検出された入賞に対応する情報は記憶されないので、その後の処理を行わず特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、前述した特図始動口スイッチ共通処理(図14)における特図保留情報判定処理(S1421)の詳細について説明する。図15は、本発明の第1の実施の形態の特図保留情報判定処理の手順を示すフローチャートである。
特図保留情報判定処理は、各始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定するための先読み処理である。
遊技制御装置600は、まず、特図始動口スイッチ共通処理における監視対象の始動口スイッチが始動口2スイッチ38bであるか否かをチェックする(S1501)。監視対象が始動口2スイッチ38bでない場合には(S1502の結果が「N」)、普通電動役物(第2始動入賞口38に備えられた可動部材38a)の開放延長機能が作動中、すなわち、普電サポート中であるか否かを判定する(S1503)。
遊技制御装置600は、普電サポート中でない場合には(S1503の結果が「N」)、遊技機1が大当り中(特別遊技状態)であるか否かを判定する(S1504)。そして、遊技機1が大当り中でない場合には(S1504の結果が「N」)、保留中の始動記憶が大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(S1505)。大当り判定処理は、保留中の始動記憶に含まれる大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かを判定することによって、当該始動記憶にかかる変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かを判定する。
一方、遊技制御装置600は、普電サポート中の場合(S1503の結果が「Y」)、又は、大当り中の場合には(S1504の結果が「Y」)、特図保留情報判定処理を終了する。すなわち、監視対象の始動口スイッチが始動口1スイッチ37bであって、かつ、普電サポート中又は大当り中の場合には、当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定する先読み処理を実行しないように構成される。
また、遊技制御装置600は、監視対象が始動口2スイッチ38bの場合には(S1502の結果が「Y」)、大当り判定処理を実行する(S1505)。すなわち、監視対象の始動口スイッチが始動口2スイッチ38bの場合には、普電サポート中又は大当り中であるか否かにかかわらず、当該始動記憶に対応した先読み処理を実行する。
その後、遊技制御装置600は、S1505の大当り判定処理の判定結果が大当りであるか否かを判定する(S1506)。大当り判定処理の判定結果が大当りでない場合には(S1506の結果が「N」)、演出内容を選択するためのテーブルとしてはずれ情報テーブルを設定する(S1514)。そして、S1515以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置600は、大当り判定処理の判定結果が大当りの場合には(S1506の結果が「Y」)、監視対象の始動口スイッチが始動口1スイッチ37bであるか否かをチェックする(S1507、S1508)。
そして、遊技制御装置600は、監視対象の始動口スイッチが始動口1スイッチ37bでない場合には(S1508の結果が「N」)、大当り図柄乱数チェックテーブル2を大当り時の識別図柄を特定するためのテーブルとして準備する(S1511)。また、監視対象の始動口スイッチが始動口1スイッチ37bである場合には(S1508の結果が「Y」)、大当り図柄乱数チェックテーブル1を大当り時の識別図柄を特定するためのテーブルとして準備する(S1512)。
次に、遊技制御装置600は、大当り図柄乱数をチェックして、大当り図柄乱数に対応する入賞情報ポインタを取得し(S1511)、大当り情報テーブルのアドレステーブルを設定する(S1512)。さらに、入賞情報ポインタに対応する大当り情報テーブルを取得して設定する(S1513)。
続いて、遊技制御装置600は、S1513又はS1514の処理で設定した情報テーブルから図柄情報を取得し(S1515)、当該図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(S1516)。
そして、遊技制御装置600は、設定した情報テーブルから始動口入賞演出図柄コマンドを取得し(S1517)、当該始動口入賞演出図柄コマンドをRWMの入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(S1518)。
次に、遊技制御装置600は、監視対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグを準備し(S1519)、始動口入賞演出コマンドを設定する対象のテーブルを準備する(S1520)。
その後、遊技制御装置600は、監視対象の始動口に関して設定された特図情報を設定するための特図情報設定処理を実行する(S1521)。続いて、特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理を実行した後(S1522)、特図変動表示ゲームの前半変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(S1523)。
後半変動パターン設定処理(S1522)及び変動パターン設定処理(S1523)は、識別情報の変動態様を示す複数の変動パターンから一つの変動パターンを選択する処理であり、特図変動表示ゲームはこれらの処理によって選択された変動パターンに基づいて実行される。
そして、遊技制御装置600は、前半変動番号に対応する変動(始動口入賞演出)コマンド(MODE)を算出して準備し(S1524)、後半変動番号の値を変動コマンド(ACTION)として準備し(S1525)、コマンド設定処理を実行する(S1526)。続いて、入賞演出図柄コマンド領域から始動口入賞演出図柄コマンドをロードして準備し(S1527)、コマンド設定処理を実行する(S1528)。その後、特図保留情報判定処理を終了する。
すなわち、S1524及びS1525の処理で始動口入賞演出コマンドを準備し、さらに、S1527の処理で始動口入賞演出図柄コマンドを準備して、始動記憶に対応する判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置700に対して通知することが可能になっている。演出制御装置700は、表示装置36に表示されている保留表示の表示態様を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に特図変動表示ゲームの結果を報知する。
〔特図普段処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理(図12)における特図普段処理(S1210)の詳細について説明する。図16は、本発明の第1の実施の形態の特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(S1601、S1602)。
遊技制御装置600は、特図2保留数が0の場合には(S1602の結果が「Y」)、第1始動記憶数(特図1保留数)が0であるか否かをチェックする(S1603、S1604)。このように、特図2保留数のチェック(S1601)を、特図1保留数のチェック(S1603)よりも先に行うことによって、特図1変動表示ゲームよりも遊技者にとって有利な特図2変動表示ゲームを優先して実行するようにしている。
さらに、遊技制御装置600は、特図1保留数が0の場合には(S1604の結果が「Y」)、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックする(S1605、S1606)。客待ちデモを開始していない、すなわち、開始済みでない場合には(S1606の結果が「N」)、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグを設定する(S1607)。続いて、客待ちデモコマンドを準備し(S1608)、コマンド設定処理を実行する(S1609)。
一方、既に客待ちデモが開始されている場合には(S1606の結果が「Y」)、既に客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグが設定済みであり、客待ちデモコマンドが演出制御装置700に送信済みであるため、遊技制御装置600は、S1610以降の処理を実行する。
次に、遊技制御装置600は、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する特図普段処理移行設定処理1を実行する(S1610)。具体的には、当該テーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を実行する。その後、特図普段処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、特図2保留数が0でない場合(S1602の結果が「N」)、すなわち、第2始動入賞口38に遊技球が入賞したことによる特図変動表示ゲームが実行される場合には、特図2変動開始処理を実行する(S1611)。なお、S1611における特図2変動開始処理の詳細については、図18にて後述する。
そして、遊技制御装置600は、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第2特図用)を準備する特図変動中処理移行設定処理(特図2)を実行する(S1612)。具体的には、当該テーブルに、特図変動中処理に係る特図ゲーム処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第2特図の変動中に係る試験信号、特図2表示器52における特図2変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図2表示器52の変動中に係るフラグ、特図2表示器52の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する処理を実行する。その後、特図普段処理を終了する。
また、遊技制御装置600は、特図1保留数が0でない場合(S1604の結果が「N」)、すなわち、第1始動入賞口37に遊技球が入賞したことによる特図変動表示ゲームが実行される場合には、特図1変動開始処理を実行する(S1613)。なお、S1613における特図1変動開始処理の詳細については、図17にて後述する。
そして、遊技制御装置600は、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第1特図用)を準備する特図変動中処理移行設定処理(特図1)を実行する(S1614)。具体的には、当該テーブルに、特図変動中処理に係る特図ゲーム処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第1特図の変動中に係る試験信号、特図1表示器51における特図1変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図1表示器51の変動中に係るフラグ、特図1表示器51の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する。その後、特図普段処理を終了する。
〔特図1変動開始処理〕
次に、前述した特図普段処理(図16)における特図1変動開始処理(S1613)の詳細について説明する。図17は、本発明の第1の実施の形態の特図1変動開始処理の手順を示すフローチャートである。特図1変動開始処理1は、特図1変動表示ゲームの開始時に実行される。
遊技制御装置600は、まず、特図1変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ1に、はずれ情報又は大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理を実行する(S1701)。
さらに、遊技制御装置600は、特図1変動表示ゲームが小当りであるか否かを判定するための小当りフラグ1に、はずれ情報又は小当り情報を設定する小当りフラグ1設定処理を実行する(S1702)。なお、小当りフラグ1設定処理の詳細については、図19にて後述する。
ここで、大当りと小当りとの違いについて説明する。
大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果であり、小当りとは条件装置の作動を伴わない特別結果である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての特別変動入賞装置を連続して作動させるための特定のフラグがセットされることを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小当り抽選に当選した場合のように上述のフラグがセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は、上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様の意味を有する用語として使用している。
具体的には、大当りの場合は、大当りフラグが設定されることにより第1特別変動入賞装置41又は第2特別変動入賞装置42が開放されるのに対して、小当りの場合は、小当りフラグが設定されることにより第1特別変動入賞装置41又は第2特別変動入賞装置42が開放される。
続いて、遊技制御装置600は、特図1変動表示ゲームにおける停止図柄(特図1停止図柄)を設定する特図1停止図柄設定処理を実行する(S1703)。
その後、遊技制御装置600は、第1特図停止図柄番号(特図1停止図柄)に対応する試験信号をセーブする(S1704)。続いて、図柄情報領域から設定された図柄情報をロードした後(S1705)、当該図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(S1706)。
次に、遊技制御装置600は、特図1変動フラグ(変動中フラグ)をロードして準備し(S1707)、特図1変動フラグをRWMの特図変動フラグ領域にセーブする(S1708)。
続いて、遊技制御装置600は、特図後半変動の設定に係るテーブルを準備し(S1709)、特図情報を設定する特図情報設定処理を実行する(S1710)。続いて、特図1変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理を実行し(S1711)、前半変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(S1712)。
その後、遊技制御装置600は、特図1変動表示ゲームを開始するための情報を設定する変動開始情報設定処理を実行し(S1713)、特図1変動開始処理を終了する。
〔特図2変動開始処理〕
続いて、前述した特図普段処理(図16)における特図2変動開始処理(S1611)の詳細について説明する。図18は、本発明の第1の実施の形態の特図2変動開始処理の手順を示すフローチャートである。特図2変動開始処理1は、特図2変動表示ゲームの開始時に実行される。
遊技制御装置600は、特図2変動開始処理1についても前述した特図1変動開始処理と同様の手順で実行する。
具体的には、S1801〜S1813の処理はそれぞれS1701〜S1713の処理に対応して、S1801及びS1802の処理で大当りフラグ2及び小当りフラグ2が処理対象となり、S1803及びS1804の処理で特図2停止図柄が処理対象となり、S1807及びS1808の処理で特図2変動フラグが処理対象となる。
〔小当りフラグ1設定処理〕
続いて、前述した特図1変動開始処理(図17)における小当りフラグ1設定処理(S1702)の詳細について説明する。図19は、本発明の第1の実施の形態の小当りフラグ1設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、RWMの小当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブする(S1901)。そして、小当り1フラグ設定処理の前に実行されるS1701の大当り1フラグ設定処理の結果、大当りフラグ1が大当りか否かをチェックする(S1902)。
そして、大当りである場合は(S1903の結果が「Y」)、遊技制御装置600は、小当りフラグ1ははずれ情報を保持した状態で、RWMの特図1用大当り乱数セーブ領域を0クリアして(S1909)、小当りフラグ1設定処理を終了する。
一方、大当りでない場合は(S1903の結果が「N」)、遊技制御装置600は、RWMの特図1用大当り乱数セーブ領域から大当り乱数をロードして、準備する(S1904)。
本発明の第1の実施の形態では、小当り判定に用いる小当り乱数は、大当り判定に用いる大当り乱数を併用する。なお、大当り乱数とは別に小当り乱数を設定してもよい。また、小当りとなる確率は、大当りとなる確率よりも大きく設定され、例えば、大当り確率が1/399に対して、小当り確率は1/100とする。
さらに、遊技制御装置600は、特図1判定データを準備して(S1905)、小当り乱数値、すなわち、大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かを判定する小当り判定処理を実行する(S1906)。そして、判定結果が小当りにならない場合は(S1907の結果が「N」)、RWMの特図1用大当り乱数セーブ領域を0クリアして(S1909)、小当りフラグ1設定処理を終了する。
一方、判定結果が小当りになる場合は(S1907の結果が「Y」)、遊技制御装置600は、小当りフラグ1領域のはずれ情報を小当り情報に置き換えてセーブする(S1908)。続いて、RWMの特図1用大当り乱数セーブ領域を0クリアして(S1909)、小当りフラグ1設定処理を終了する。
〔小当りフラグ2設定処理〕
続いて、前述した特図2変動開始処理(図18)における小当りフラグ2設定処理(S1802)の詳細について説明する。図20は、本発明の第1の実施の形態の小当りフラグ2設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、小当りフラグ2設定処理についても前述した小当りフラグ1設定処理と同様の手順で実行する。
具体的には、S2001〜S2009の処理はそれぞれS1901〜S1909の処理に対応して、S2001及びS2008の処理で小当りフラグ2が処理対象となり、S2002の処理で大当りフラグ2が処理対象となる。また、S2004及びS2009の処理で特図2用の大当り乱数セーブ領域が用いられ、S2005の処理で特図2判定データが用いられる。
また、小当りフラグ1に対応するS1906の小当り判定処理と、小当りフラグ2に対応するS2006の小当り判定処理とでは、小当りとなる確率を変えてもよいし、同じにしてもよい。例えば、特図1変動表示ゲームにおいて小当りとなる確率を1/100と設定して、特図2変動表示ゲームにおいて小当りとなる確率を1/200と設定してもよい。
以下、演出制御装置700による制御について具体的な処理を説明する。
〔1stCPUメイン処理(演出制御装置)〕
次に、演出制御装置700によって実行されるメイン処理の詳細を説明する。図21は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置700の主制御用マイコン(1stCPU)710によって実行されるメイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込みを禁止する(S2101)。次に作業領域であるRAM710aを0クリアする(S2102)。そしてCPU初期化処理を実行する(S2103)。その後、各種処理の実行に必要な初期値をRAM710aに設定し(S22104)、乱数初期化処理を実行する(S2105)。続いて所定のタイミング(例えば、1ミリ秒)で割込みを発生させるための各種割込みタイマを起動させる(S2106)。そして割込みを許可する(S2107)。割込みの発生タイミングでは後述するコマンド受信割込み処理(図22)が実行される。
ここで、主制御用マイコン(1stCPU)710は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(S2108)。WDTは、上述したCPU初期化処理(S2103)で起動され、CPUが正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPUがリセットされる。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)710は、遊技者による演出操作部12の操作信号を検出したり、検出した信号に応じた処理を行ったりする演出ボタン入力処理を実行する(S2109)。また、遊技制御装置600から受信した遊技制御コマンドを解析する遊技制御コマンド解析処理を実行する(S2110)。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)710は、テストモード処理を実行する(S2111)。テストモード処理は、工場出荷時の検査の際に検査用のコマンドを受信してLEDの点灯等を検査する。したがって、テストモード処理は、工場出荷時にCPUを検査するときに実行される。
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)710は、遊技制御コマンド解析処理(S2110)において解析された制御コマンドに基づき、表示装置36に表示させるシーン(表示内容)を制御するシーン制御処理を実行する(S2112)。
さらに、主制御用マイコン(1stCPU)710は、遊技機1における異常の発生を監視する遊技機エラー監視処理を実行する(S2113)。演出制御装置700に関わる異常の他に、遊技制御装置600からエラー報知を指示するコマンドを受信した場合などに、警報音の報知など所定の処理を実行する。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)710は、映像制御用マイコン(2ndCPU)720に送信するコマンドを編集する演出コマンド編集処理を実行する(S2114)。
また、主制御用マイコン(1stCPU)710は、スピーカー7から出力される音を制御するサウンド制御処理を実行する(S2115)。また、LED等の装飾装置(盤装飾装置25、枠装飾装置21)を制御する装飾制御処理を実行し(S2116)、さらにモータ及びソレノイドで駆動される電動役物の演出装置(盤演出装置26、枠演出装置22)を制御するモータ/SOL制御処理を実行する(S2117)。
本発明の第1の実施の形態における遊技装置100及び突出演出ユニット200は、遊技進行に応じて発光演出を行う演出装置であり、枠装飾装置21及び枠演出装置22の一部を構成している。遊技装置100及び突出演出ユニット200の発光演出及び可動演出は、それぞれ装飾制御処理(S2116)及びモータ/SOL制御処理(S2117)で実行される。
最後に、主制御用マイコン(1stCPU)710は、乱数を更新するための乱数更新処理を実行して(S2118)、S2108の処理に戻る。以降、S2108からS2118までの処理を繰り返す。
〔コマンド受信割込み処理(1stCPU)〕
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)710によって実行されるコマンド受信割込み処理の詳細について説明する。図22は、本発明の第1の実施の形態のコマンド受信割込み処理の手順を示すフローチャートである。コマンド受信割込み処理は、遊技制御装置600からコマンドを受信するごとに実行される処理である。コマンド受信割込み処理は、前述した1stCPUメイン処理において割込みが許可された(S2107)後に実行可能である。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、遊技制御装置600から受信したコマンドポートの値を取り込む(S2201)。そしてCPUの状態がMODEコマンド(コマンドのMODE部)の受信を待っている状態であるか否かをチェックする(S2202)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)710は、MODEコマンド待ち状態である場合は(S2202の結果が「Y」)、遊技制御装置600から演出制御装置700へ出力するデータストローブ信号SSTBがオンであるかをチェックする(S2203)。そしてSSTBがオンである場合は(S2203の結果が「Y」)、受信したコマンドがMODEコマンドであるかをチェックする(S2204)。受信したコマンドがMODEコマンドである場合は(S2204の結果が「Y」)、S2205〜S2208の処理に移行する。SSTBがオンではない場合(S2203の結果が「N」)、又は、受信したコマンドがMODEコマンドでない場合(S2204の結果が「N」)は、S2217及びS2218の処理に移行する。
また、主制御用マイコン(1stCPU)710は、コマンドが、MODEコマンド待ち状態、かつ、SSTBがオンのときに受信され、該コマンドがMODEコマンドである場合は(S2202,S2203,S2204の結果が全て「Y」)、受信ポインタに対応するコマンドバッファのアドレスを算出する(S2205)。そして算出後のアドレスに受信したコマンドをMODEコマンドとしてセーブする(S2206)。
ここで、主制御用マイコン(1stCPU)710は、タイムアウト監視タイマに初期値を設定してスタートさせる(S2207)。タイムアウト監視タイマは、MODEコマンドを受信してからの経過時間を計測し、設定時間以内にACTIONコマンドを受信しない場合にタイムアウトを発生させる。遊技制御装置600から演出制御装置700に送信されるコマンドは、MODE部(MODEコマンド)及びACTION部(ACTIONコマンド)によって構成されており、通常、連続して送信される。したがって、MODEコマンドを受信してから設定された時間を経過してもACTIONコマンドを受信できなかった場合には、ACTIONコマンドを取りこぼした可能性が高いと判断することができる。そしてCPUの状態をACTIONコマンド(コマンドのACTION部)待ち状態に設定する(S2208)。そしてコマンド受信割込み処理を終了する。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)710は、コマンドが、MODEコマンド待ち状態のときに受信され、このときSSTBがONではない、又は、該コマンドがMODEコマンドでない場合は(S2202の結果が「Y」、かつ、S2203の結果が「N」又はS2204の結果が「N」)、タイムアウト監視タイマを停止する(S2217)。そしてCPUの状態をMODEコマンド待ち状態に設定する(S2218)。そしてコマンド受信割込み処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)710は、MODEコマンド待ち状態でない場合は(S2202の結果が「N」)、ACTIONコマンド待ち状態であり、タイムアウト監視タイマがタイムアウトしているか否かをチェックする(S2209)。すなわち、MODEコマンドを受信してからACTIONコマンドを受信するまでの時間が、タイムアウト監視タイマで設定した時間を超えていないかをチェックする。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、タイムアウトしていない場合は(S2209の結果が「N」)、遊技制御装置600から演出制御装置700へ出力するデータストローブ信号SSTBがオンであるかをチェックする(S2210)。そしてSSTBがオンである場合は(S2210の結果が「Y」)、受信したコマンドがMODEコマンドであるかをチェックする(S2211)。受信したコマンドがMODEコマンドである場合は(S2211の結果が「Y」)、S2205〜S2208の処理に移行する。CPUの状態がACTIONコマンド待ち状態であってもMODEコマンドを受信した場合は、ACTIONコマンドの受信を待たずに、新しく受信した該MODEコマンドを優先に処理する。受信したコマンドがMODEコマンドでない場合は(S2211の結果が「N」)、S2212〜S2214、S2217及びS2218の処理に移行する。
また、主制御用マイコン(1stCPU)710は、タイムアウトしている場合(S2209の結果が「Y」)、又は、SSTBがオンでない場合(S2210の結果が「N」)は、S2215〜S2218の処理に移行する。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、コマンドがMODEコマンドでない場合は(S2211の結果が「N])、ACTIONコマンドを受信したことになるので、受信ポインタに対応するコマンドバッファのアドレスを算出する(S2212)。そして算出後のアドレスに受信したコマンドをACTIONコマンドとしてセーブする(S2213)。
これでMODEコマンド及びACTIONコマンドが1セット揃うので、主制御用マイコン(1stCPU)710は、受信済みコマンド数を1加算して更新する(S2214)。その後、タイムアウト監視タイマを停止する(S2217)。そしてCPUの状態をMODEコマンド待ち状態に設定する(S2218)。そしてコマンド受信割込み処理を終了する。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)710は、MODEコマンドを受信してからACTIONコマンドを受信する前にタイムアウト監視タイマによってタイムアウトが発生した場合(S2209の結果が「Y」)、又は、SSTBがオンでない場合(S2210の結果が「N」)は、受信ポインタに対応するコマンドバッファのアドレスを算出する(S2215)。そして、算出後のアドレスに基づいて、コマンドバッファにセーブされているMODEコマンドを破棄する(S2216)。
その後、主制御用マイコン(1stCPU)710は、タイムアウト監視タイマを停止する(S2217)。そしてCPUの状態をMODEコマンド待ち状態に設定する(S2218)。そして本処理を終了して、メイン処理に戻る。
〔2ndCPUメイン処理(演出制御装置)〕
次に、演出制御装置700によって実行されるもう一方のメイン処理の詳細を説明する。図23は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置700の映像制御用マイコン(2ndCPU)720によって実行されるメイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。
映像制御用マイコン(2ndCPU)720は、メイン処理の実行が開始されると、まず、CPU初期化処理を実行する(S2301)。そして、作業領域であるRAM720aを0クリアして(S2302)、各種処理の実行に必要な初期値をRAM720aに設定する(S2303)。そして、画像処理を行うグラフィックプロセッサを初期化するVDP初期化処理を実行する(S2304)。次に、所定の周期でVDP730に描画開始を指示するVブランク割込み処理などの各種割込みを許可する(S2305)。
さらに、映像制御用マイコン(2ndCPU)720は、各種制御処理の初期化処理を実行する(S2306)。各種制御処理の初期化処理では、後述する通常ゲーム処理(S2311)で実行される各制御処理で使用される変数の初期化などが行われる。例えば、表示装置36に表示される映像の背景を初期化したり、図柄の配列を初期化したりする。そして、表示装置36の画面描画を許可する(S2307)。
その後、映像制御用マイコン(2ndCPU)720は、システム周期待ちフラグをクリア(初期化)して(S2308)、システム周期待ちフラグが1になるまで待機する(S2309)。システム周期待ちフラグは、Vブランク割込み処理で所定の処理が完了すると1に設定される。
映像制御用マイコン(2ndCPU)720は、システム周期待ちフラグが1になったら(S2309の結果が「Y」)、映像制御用マイコン(2ndCPU)720が正常に動作しているかを判定するためのWDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(S2310)。WDTがクリアされずに所定の時間経過すると、映像制御用マイコン(2ndCPU)720がリセットされる。そして、表示装置36で飾り特図変動表示ゲームを実行したり、様々な画像を表示したりする通常ゲーム処理を実行し(S2311)、S2308の処理に戻る。以降、S2308からS2311までの処理を繰り返す。
以下、図24〜図30を参照して、本発明の第1の実施の形態の遊技装置100及び遊技機下部の構造の詳細について説明する。
図24は、本発明の第1の実施の形態のクリア部材保持枠5のみを開いた状態の遊技機1の斜視図である。図25は、クリア部材保持枠5に設けられるカバーユニット150と、前面枠4に設けられる上皿ユニット10及び遊技装置100の分解斜視図である。図26(A)はクリア部材保持枠5及び前面枠4を閉じた状態における遊技機下部の一部縦断面図であり、(B)はクリア部材保持枠5のみを開いた状態における遊技機下部の一部縦断面図である。図27は、クリア部材保持枠5及び前面枠4を閉じた状態における遊技機下部の斜視図である。
〔遊技装置の構造〕
図24に示すように、遊技機1の前面のクリア部材保持枠5が開放されるとクリア部材保持枠5に一体に設けられるカバーユニット150による被覆がなくなり、遊技装置100が露出する。
図24〜図26に示すように、本発明の第1の実施の形態の遊技装置100は、発光演出を行う演出装置である。遊技装置100は、回転点灯器110と、回転点灯器110から発せられた光を反射する反射部120と、反射部120の上部に設けられる上部LED131(図26(A)参照)と、反射部120の下部に設けられる下部LED132と、を備える。
反射部120は、略扇形の板状部材であって、前方に下り傾斜するように前面枠4に配設される。反射部120の中央には円形開口が形成され、当該円形開口を介して回転点灯器110が反射部120に取り付けられる。反射部120の前面には、反射率を高めるためにメッキ加工が施されている。また、反射部120の前面は、光を拡散させるために凹凸状に形成されている。
回転点灯器110は、ドーム形状のレンズ111と、発光源としてのLED112と、当該LED112の周りを回転するように構成された反射板113と、反射板113を回転させる駆動モータ114と、を備える。LED112、反射板113、及び駆動モータ114は、レンズ111内に配設されている。
LED112から発せられた光はレンズ111を透過して遊技者側に導かれるが、レンズ111を透過した光の一部は反射部120で反射されてから遊技者側に導かれる。また、駆動モータ114により反射板113をLED112周りに回転させることで、回転点灯器110のLED112から発せられた光が回転しているような発光演出を行うことができる。
図26(A)に示すように、上部LED131は、光を下向きに照射するように反射部120の上端部に複数設けられる。これら上部LED131は、遊技機1の左右方向に並んで配設されている(図28参照)。上部LED131から発せられた光は、反射部120で反射されてから遊技者側に導かれる。
図24及び図26(A)に示すように、下部LED132は、前方(遊技者側)に向かって斜め上方に光を照射するように反射部120の下端部に複数設けられる。これら下部LED132は、回転点灯器110の外周に沿って略U字状となるように並んで配設されている。下部LED132から発せられた光は、下部LED132に対応して設けられた反射部120の貫通孔を介して遊技者側に導かれる。
なお、回転点灯器110のLED112、上部LED131、及び下部LED132は図5の枠装飾装置21の一部を構成しており、回転点灯器110の駆動モータ114は図5の枠演出装置22の一部を構成している。これらLEDの演出態様については、図28〜図30を参照して後述する。
〔カバーユニットの構造〕
図25に示すように、カバーユニット150は、クリア部材保持枠5の下部に固定されるフレームベース151と、フレームベース151に嵌め込まれるカバー部材152と、を備える。
フレームベース151は、上面に形成された開口151aと、前面に形成された開口151bと、を有している。フレームベース151は、カバー部材152の縁部分を縁取るような形状に構成されている。ここで、カバー部材152は前述したように樹脂によって形成された透明部材であって、フレームベース151の裏面側に取り付けられる。このようなフレームベース151にカバー部材152を取り付けることで、カバー部材152の強度を高めることが可能となる。
また、フレームベース151の表面には、フレームベース151の装飾性を高めるためにメッキ加工が施されている。このように、フレームベース151は、カバー部材152を支持する支持部材として機能するだけでなく、装飾部材としても機能する。なお、フレームベース151は、メッキ加工されたものに限定されず、装飾性があればよい。
前面枠4及びクリア部材保持枠5の両方が閉じられている場合には、図1、図2及び図26(A)に示すように、遊技装置100はフレームベース151及びカバー部材152によって覆われて保護された状態となる。このとき遊技装置100は、開口151a及び開口151bに位置するカバー部材152越しに遊技者から視認可能となる。本発明の第1の実施の形態では、フレームベース151の上面に開口151aを形成しているので、開口151aのカバー部材152を介して、遊技中の遊技者も遊技装置100を容易に視認することができる。
なお、クリア部材保持枠5のみが開放された場合には、図24及び図26(B)に示すように、クリア部材保持枠5の回動に伴ってカバーユニット150を構成するフレームベース151及びカバー部材152も回動するので、前面枠4に取り付けられている遊技装置100が露出する。このようにクリア部材保持枠5を開くことによって、遊技装置100にアクセスすることが可能となり、遊技装置100のメンテナンスや取り替え等を容易に行うことができる。
また、図24、図26(B)及び図27に示すように、カバーユニット150のフレームベース151は、上部側がクリア部材保持枠5に固定されるように構成されており、下部側がクリア部材保持枠5から垂れ下がるように構成されている。フレームベース151の下部側である垂下部151cは、下皿15の右端部分に対して上方から覆い被さるように構成されている。このように、下皿15の右端部分は、フレームベース151の垂下部151cにより遮蔽されている。前面枠4に取り付けられた下皿15の前面の一部を、クリア部材保持枠5に取り付けられたフレームベース151(カバーユニット150)の垂下部151cで遮蔽するような構成は、従来の遊技機にはない構成であり、遊技者に斬新な印象を与えることができる。
〔下皿の球出口〕
図26(A)及び図27に示すように、下皿15の後側壁15cには、上皿11から流下してきた遊技球を下皿15に供給するための球出口15dが形成されている。この球出口15dは、フレームベース151の垂下部151cの後方に位置するように設定される。
球出口15dの前方にフレームベース151の垂下部151cがない場合には、流下勢の強い遊技球が球出口15dから下皿15内に流入したときに遊技球が下皿15の前側壁を超えて飛び出し、遊技機1外に落下してしまう虞がある。しかしながら本発明の第1の実施の形態の遊技機1では、球出口15dの前方にフレームベース151の垂下部151cが位置しているので、遊技球が下皿15の前側壁から飛び出しても図27に示す矢印のように遊技球は垂下部151cに衝突して下皿15内に戻る。このため、下皿15から遊技球が落下してしまうことがない。
また、下皿15の球抜き穴15aも、フレームベース151の垂下部151cの後方に位置するように配設されている。このように構成することで、球抜き穴15aをフレームベース151の垂下部151cで遮蔽することができ、下皿15の装飾性を損なうことがない。このとき球抜き穴15aの全体が垂下部151cの後方に位置するように配設してもよいし、球抜き穴15aの一部が垂下部151cの後方に位置するように配設してもよい。
なお、本発明の第1の実施の形態では、前面枠4に上皿ユニット10、遊技装置100、及び下皿15等が配設されるが、前面枠4をそれぞれ個別に開閉可能な上部前面枠と下部前面枠として構成し、下部前面枠に上皿ユニット10、遊技装置100、及び下皿15等を配設してもよい。
また、前方から見て下皿15の一部が遮蔽される状態であれば、下皿15の遮蔽部材はフレームベース151の垂下部151cに限らない。従来の遊技機は、下皿15の遊技球の貯留部分が全て遊技者から視認可能である。ここでは、下皿15の前面に下皿15の一部を遮蔽する遮蔽部が形成されていればよい。なお、遮蔽部は下皿15の球出口15dの前方を遮蔽するように形成される。
〔遊技装置のLED演出態様〕
次に、図28〜図30を参照して、本発明の第1の実施の形態の遊技装置100及び演出ボタン12aに係るLED演出について説明する。
図28は、本発明の第1の実施の形態の遊技装置と演出操作部の正面図であり、操作連動LED演出について説明する図である。
遊技装置100の回転点灯器110の上方には、衝撃発光LED133が設けられる。衝撃発光LED133は、演出操作部12の演出ボタン12aの下方に配設され、演出ボタン12aの押下操作の衝撃を受けてLED発光するよう構成される。衝撃発光LED133は演出ボタン12aの押下操作に連動して回転点灯器110を照らすので、LED演出に遊技者が関わることができる。よって、装飾効果を高めるとともに遊技の興趣も高めることができる。また、衝撃発光は電力を消費しないので節電効果も高い。
図29は、本発明の第1の実施の形態の遊技装置の縦断面模式図であり、LED演出について説明する図である。図30は、本発明の第1の実施の形態の遊技装置と演出操作部の正面図であり、LED演出について説明する図である。
前述したように、遊技装置100は、回転点灯器110と、反射部120と、上部LED131と、下部LED132とを備えている。上部LED131は反射部120の上端部に下向きに配設されているので、上部LED131の光は下方に照射されて反射部120で反射するので、間接光として利用される。また、下部LED132は反射部120の下端部に前方斜め上方に向かって配設されているので、直接光として利用される。
さらに図30に示すように、上部LED131は、遊技機1の左右方向に8個並んで配設され、下部LED132は、回転点灯器110の外周に沿って略U字状に8個並んで配設される。上部LED131及び下部LED132は、回転点灯器110の内部で回転する反射板113(図26(A)参照)の回転に合わせて順番に点滅する。
このように、遊技装置100の照明に間接光及び直接光を用いることで光の強さが異なる照明演出を行うことができ、また複数用いれば配光パターンが多様化する。よって、LED演出の幅が広がり、装飾効果を高めることができる。また、これら遊技装置100の照明演出に応じてスピーカー7等で効果音を出してもよい。フレームベース151の垂下部151c(遮蔽部)に別途スピーカーを備えれば、遊技装置100に近いのでLEDから音が出ているかのように一体感ある演出が行えるとともに、スピーカー7よりもより遊技者に近いので迫力ある音を遊技者に届けることができる。
〔突出演出ユニット〕
続いて、図31〜図33を参照して、本発明の第1の実施の形態の突出演出ユニット200の構造の詳細について説明する。本発明の第1の実施の形態の突出演出ユニット200は、発光演出を行う演出装置である。
図31は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の右側面図である。図32は、本発明の第1の実施の形態の突出演出ユニットの前面斜視分解図である。図33は、本発明の第1の実施の形態の突出演出ユニットの横断面図である。
図31に示すように、突出演出ユニット200は、クリア部材保持枠5の上突出部5cの下方からカバーユニット150の上端付け根まで上下方向に配設される。また、突出演出ユニット200は、前方(遊技者側)に向かって突出しており、右側(遊技機1の外側)の突出面には外側レンズ部材201(図32参照)が配設される。外側レンズ部材201の表面には、遊技機1の右側から左側に向かって通行する遊技者から視認可能なように遊技機メーカ名が記載されている。
図32に示すように、突出演出ユニット200は、まず、クリア部材保持枠5の右側部にクリア部材5aの縁に沿って遊技盤30に略平行に、複数の外側用LED211(ここでは6個)及び内側用LED212(ここでは14個)を有する側方発光基板210を備える。
図32及び図33に示すように、側方発光基板210をベースに前方には、外側から順に外側レンズ部材201、導光板202、側方ベース部材203及び内側レンズ部材204が備えられる。そして、右側面に外側レンズ部材201を取り付け、その他の部材を内包して前方から側方発光基板210を覆うようにカバー部材205がさらに備えられる。
導光板202は、側方発光基板210の外側用LED211の前方に略垂直に配設され、外側用LED211の光を後端面から取り入れる。そして、導光板202の外側には略平行に外側レンズ部材201が配設されている。これにより、導光板202が取り入れた光を拡散させて均一に面発光することで、外側レンズ部材201は一定の照度で照らされる。
また、外側レンズ部材201は、導光板202との間に所定の間隔をもって配設される。外側レンズ部材201には、前方正面に側方発光基板210に臨む折り返し部201aが設けられており、折り返し部201aの端部はカバー部材205と側方ベース部材203とに挟持される。このため、折り返し部201aは、導光板202を直進した外側用LED211の光によって照らされる。また、外側レンズ部材201は、上下で側方ベース部材203とねじ止めされる。
側方ベース部材203は、導光板202の左側に配設され、隣接する面に導光板202が嵌められる。また、側方ベース部材203は、内側レンズ部材204と一体化しており、前方に境界部203aが位置するように設けられる。そして、側方ベース部材203と内側レンズ部材204は、両者の間に側方発光基板210の内側用LED212が位置するように設けられる。
側方ベース部材203は、反射率を高めるために銀メッキで形成され、内側用LED212の前方向の光を屈折させて左方向の光に変える反射板として機能する。これにより、内側レンズ部材204は、側方ベース部材203を介した内側用LED212の光によって照らされる。また、内側レンズ部材204は、内部の視界を遮るために型板ガラスのように内側の面が凸凹面(型模様)である。内側レンズ部材204は、前方と後方とで表面加工が異なり、前方先端の面を縦縞カットにして残りの面をダイヤモンドカットにする。表面加工により光の透過性と反射をコントロールすることが縦縞カットの方がより直接的に光を遊技者に伝えることができる。
図34は、本発明の第1の実施の形態の突出演出ユニットの別パターンの横断面図である。
前述では外側用LED211と内側用LED212とを側方発光基板210に備えていたが、個別に備えてもよい。外側用LED211は、外側レンズ部材201と略平行に配設されるLEDパネルにしてもよい。また、内側用LED212は、クリア部材保持枠5に対して直角に設けられるLED基板に配設して内側にむけて照射してもよい。
(第1の実施の形態の効果)
本発明の第1の実施の形態によれば、遊技機1は、前面枠4に取り付けられた下皿15の前面の一部を、クリア部材保持枠5に取り付けられたフレームベース151(カバーユニット150)の垂下部151cで遮蔽するので、従来の遊技機にはないデザイン構成になり、遊技者に斬新な印象を与えることができる。
そして、収容スペース17に収容された遊技装置100は着脱可能なので、遊技機1の他の装飾に合わせた遊技装置100にすることができるので高い装飾効果を生み出す。さらに、遊技盤30も交換可能なので、枠を共通化して遊技盤30と遊技装置100とを一緒に交換することで全く異なる遊技機1にすることができ、制作コストを削減することができるとともに低コストで効果的に演出を変更することができる。
また、遊技中の遊技者は遊技領域31を見ているが、遊技装置100はその遊技領域31の近くに設けられるので、遊技者は遊技装置100も容易に視認できる。よって、遊技者に対する遊技装置100の演出効果を高めることができる。また、遊技装置100が配設される収容スペース17を被覆するカバーユニット150のカバー部材152には透明部材を用いるので、遊技者は遊技装置100を視認しやすい。よって、さらに遊技装置100の装飾効果を高めることができる。
なお、カバー部材152は少なくとも上面部分(フレームベース151の開口151a)に透明部材を用いればよい。遊技者が着席した状態で上方から遊技装置100を視認可能であるので、新たな遊技要素として遊技の興趣を高めることができる。また、第1の実施の形態の遊技装置100は回転点灯器110であり、遊技者が凝視しなくともその照明演出は遊技領域31の近くで行われるので遊技領域31を見ている遊技者の視界にも入る。よって、遊技者が直接遊技装置100を見ていない場合にも装飾効果を高めることができる。
さらに、メッキ加工が施され、カバー部材152を縁取るように設けられるフレームベース151は、カバー部材152を支持する支持部材として機能して強度向上に貢献するだけでなく、装飾部材としても機能する。メッキ加工が施されたフレームベース151に縁取られたカバー部材152はショーウィンドウのようで高い装飾効果が得られる。
また、遊技装置100の照明に間接光及び直接光を複数用いて点滅させることで、配光パターンが多様化する。よって、LED演出の幅が広がり、装飾効果を高めることができる。
さらに、演出ボタン12aの押下操作に連動して発光する衝撃発光LED133によって遊技装置100を照らせば、LED演出に遊技者が関わることができる。よって、装飾効果を高めるとともに遊技の興趣も高めることができる。また、衝撃発光は電力を消費しないので節電効果も高い。
また、下皿15の球出口15d及び球抜き穴15aは、フレームベース151の垂下部151cによって遮蔽されるので、下皿15の装飾性を損なうことがなく、下皿15から遊技球が飛び出ることを防止することができる。また、球抜き穴15aを遊技機1の左右方向中央に配置するので、遊技機1は各台計数機に対応することができる。
また、フレームベース151の垂下部151cにスピーカーを設ければ、より遊技者に近い位置で迫力ある音を届けることが出来る。
また、クリア部材保持枠5の右側部に突出演出ユニット200を設け、内側だけでなく外側の遊技機メーカ名が記載された外側レンズ部材201も外側用LED211によって照らすので、遊技機1で遊技を行っている遊技者だけでなく、遊技場内を通行している遊技者の目にも止まり易く遊技機1をアピールすることができ、高い宣伝効果が得られる。また、外側レンズ部材201は、遊技機1の正面の折り返し部201aも照らされるので、遊技を行っている遊技者に対する装飾効果も高い。
(第1の実施の形態の変形例1)
前述の第1の実施の形態におけるカバーユニット150のカバー部材152は、遊技装置100を取り囲んで保護する透明部材である。これに対し、変形例1では、カバーユニット150に側方入光表示装置160を備え、カバー部材152の上面カバー部材152a,152bは導光板として機能する。また、変形例1では、第1の実施の形態における突出演出ユニット200の外側レンズ部材201を可動部材とする。
以下、本発明の第1の実施の形態の変形例1について図35〜図38を参照して説明する。
〔側方入光表示装置〕
図35は、本発明の第1の実施の形態の変形例1の遊技機1の上面図である。本発明の第1の実施の形態の変形例1の遊技機1は、第1の実施の形態の遊技機1に対して側方入光表示装置160が追加される。そこで、側方入光表示装置160について説明する。
側方入光表示装置160は、遊技情報(ここでは「大当り」、「確変」)を発光表示させるためのパターン溝(異方性反射パターン)が形成された導光板152a,152bと、導光板152aの側面から光を照射する複数(ここでは4個)の第1発光部材161と、導光板152bの側面から光を照射する複数(ここでは4個)の第2発光部材162とを備える。
導光板152aは、透明部材であるカバー部材152の一部であって上面右半分の領域に相当する。導光板152aには、「確変」という遊技情報を発光表示させるためのパターン溝が形成されている。すなわち、導光板152aは、側方入光表示装置160の表示部を構成する。
導光板152bは、透明部材であるカバー部材152の一部であって上面左半分の領域に相当する。同様に導光板152bには、「大当り」という遊技情報を発光表示させるためのパターン溝が形成されている。すなわち、導光板152bは、側方入光表示装置160の表示部を構成する。
第1発光部材161は、導光板152aの後方側面、すなわち上皿ユニット10の演出操作部12の縁下方に周縁に沿って配設される4個のLEDである。同様に、第2発光部材162も、導光板152bの後方側面、すなわち上皿ユニット10の演出操作部12の縁下方に周縁に沿って配設される4個のLEDである。
図36(A)は、本発明の第1の実施の形態の変形例1の皿上表示処理の手順を示すフローチャートである。皿上表示処理は、前述の側方入光表示装置160の制御であり、演出制御装置700の主制御用マイコン(1stCPU)710によって前述の装飾制御処理(S2116)の中で実行される。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、まず、所定条件が成立したか否かを判定する(S3601)。所定条件は、遊技状態が大当り中もしくは特定の確変中である場合に成立する。そして、所定条件が成立しない場合には(S3601の結果が「N」)、皿上表示処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)710は、所定条件が成立した場合には(S3601の結果が「Y」)、対応する発光部材を発光して(S3602)、皿上表示処理を終了する。成立した所定条件に対応する発光部材は図36(B)に示すテーブルに基づいて決定される。
図36(B)は、本発明の第1の実施の形態の変形例1の皿上表示処理に用いるテーブルである。
遊技状態が大当り中であるため所定条件が成立した場合には、主制御用マイコン(1stCPU)710は、第2発光部材162を発光する。そして、遊技状態が特定の確変中であるため所定条件が成立した場合には、第1発光部材161を発光する。
これにより、遊技状態が大当り中の場合は、第2発光部材162によって上面カバー部材(導光板)152bの側面に光が照射され、上面カバー部材152bに「大当り」の文字が浮き出る。また、遊技状態が特定の確変中の場合は、第1発光部材161によって上面カバー部材(導光板)152aの側面に光が照射され、上面カバー部材152aに「確変」の文字が浮き出る。
次に、図37を参照して、側方入光表示装置160における発光表示の仕組みについて説明する。図37は、本発明の第1の実施の形態の変形例1の側方入光表示装置160の仕組みを説明する図である。ここでは、側方入光表示装置160は、4つのLEDを有する発光部材163と、矩形形状の導光板164とを備える。上方は斜視図であり、下方は正面図である。
図37に示すように、導光板164の下面には、導光板164の一側面と平行な垂直面f1と、この一側面から入光して垂直面f1を透過した光を導光板164の上面側に反射させる傾斜面f2と、を備える断面レの字状の溝165が形成されている。これにより、発光部材163から照射された光を導光板164の一側面から入光させ、垂直面f1にてそのまま透過させた光を傾斜面f2で反射させ導光板164の上面側に導いて表示情報「A」を表示することが可能になる。
本発明の第1の実施の形態の変形例1では、導光板152aには「確変」を表示するための複数の溝(異方性反射パターン)、同様に、導光板152bには「大当り」を表示するための複数の溝(異方性反射パターン)がそれぞれ形成される。このとき溝は、導光板152a、152bのそれぞれの側面に対向配置された第1発光部材161及び第2発光部材162の光の照射方向に合わせて所定の向き(遊技機1の上方に向かって発光表示される向き)に形成される。
〔突出演出ユニット〕
図38は、本発明の第1の実施の形態の変形例1の突出演出ユニット200の態様を示す側面図である。変形例1では、第1の実施の形態における突出演出ユニット200の外側レンズ部材201を可動部材とする。
突出演出ユニット200は、外側レンズ部材201の下方に回動軸部201bを備える。そして外側レンズ部材201は、カバー部材205よりも外側に凸形状となっているので、回動軸部201bを中心に前方に回動する。外側レンズ部材201の凸面には例えば機種名が記載されている。
(第1の実施の形態の変形例1の効果)
本発明の第1の実施の形態の変形例1によれば、遊技装置100を被覆して保護するカバー部材152の上面カバー部材152a,152bを導光板及び表示部として機能させた側方入光表示装置160を備えるので、装飾性を高めることができる。また、表示部には所定の条件が成立した場合にのみ遊技情報が表示されるので、遊技の興趣を高めることができる。
また、変形例1の突出演出ユニット200は外側レンズ部材201が下端を支点に前方に回動可能であるので、ダイナミックな演出効果を得ることができる。
(第1の実施の形態の変形例2)
前述の第1の実施の形態における遊技装置100の回転点灯器110は、遊技進行に応じて発光演出を行う演出装置(装飾装置)である。これに対し、変形例2の回転点灯器110は、さらに遊技者が操作可能な演出操作部としても機能する。したがって変形例2の回転点灯器110が演出操作部として機能する場合には、回転点灯器110は可動してカバーユニット150のカバー部材152の外側に突出する。
以下、本発明の第1の実施の形態の変形例2について図39〜図42を参照して説明する。
〔遊技装置兼演出操作部の態様変化〕
図39は、本発明の第1の実施の形態の変形例2の遊技装置の態様変化の概念側面図であり、(A)は操作不可能状態図、(B)は上に動作する場合の操作可能状態図 、(C)は前に動作する場合の操作可能状態図である。
図39(A)に示すように、変形例2の遊技機1の上皿ユニット10は、回転点灯器110の上方を避けて配設される。そして、図39(B)に示すように、変形例2の回転点灯器110は、条件成立に応じて上方に可動する。回転点灯器110の可動には、図示を省略するがバネや駆動モータが用いられる。
このときカバー部材152は、回転点灯器110の上方部分(通過部分)を覆わないように設けられる。また、カバー部材152も可動式にして、回転点灯器110が可動する場合に回転点灯器110の上方部分を開放して回転点灯器110がカバー部材152から外側に突出可能になるよう設けられてもよい。
また、回転点灯器110の動作方向は上方に限らず、図39(C)に示すように前方でもよい。回転点灯器110は、前方にスライド可動して突出する。
ここで、回転点灯器110には、遊技者の操作を検出可能な演出スイッチ110aが内蔵される。遊技者が回転点灯器110を操作することで演出制御装置700は演出スイッチ110aの入力を検出する。
〔遊技装置兼演出操作部飛び出し処理〕
図40は、本発明の第1の実施の形態の変形例2の遊技装置兼演出操作部飛び出し処理の手順を示すフローチャートである。遊技装置兼演出操作部飛び出し処理は、装飾装置としてではなく演出操作部としての回転点灯器110の制御であり、演出制御装置700の主制御用マイコン(1stCPU)710によって前述の演出ボタン入力処理(S2109)の中で実行される。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、まず、遊技装置兼演出操作部(ここでは回転点灯器110)の操作条件が成立したか否かを判定する(S4001)。操作条件は、遊技状態が信頼度の高いリーチ中である場合、再抽選時、変動表示ゲームが開始される台詞が表示されるときなどに成立する。そして、操作条件が成立しない場合には(S4001の結果が「N」)、遊技装置兼演出操作部飛び出し処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)710は、操作条件が成立した場合には(S4001の結果が「Y」)、遊技装置兼演出操作部(回転点灯器110)を駆動して遊技者が操作可能な位置に配置する(S4002)。その後、遊技装置兼演出操作部飛び出し処理を終了する。
〔演出操作部の出現パターン〕
図41は、本発明の第1の実施の形態の変形例2の演出操作部の出現パターンの概念図である。
前述したように、変形例2の回転点灯器110は演出操作部として機能し、操作条件が成立した場合にのみ遊技者が操作可能なように出現する。そこで、図41(A)〜(D)に通常は伏在し、一時的に出現して操作可能となるような演出操作部12dの出現パターンを挙げる。
図41(A)は演出操作部12dが横に動作する場合の伏在状態及び出現状態を示し、図41(B)は演出操作部12dが斜めに動作する場合の伏在状態及び出現状態を示す。このように、演出操作部12dは、上に動作するよりも横や斜めに動作した方が伏在する穴に埃が入りにくい。
また、図41(C)は、演出操作部12dが上皿ユニット10の右端部の下方に伏在し、上皿ユニット10の上面に設けられるボタン出し操作部18を操作することによって操作ハンドル14の上方に出現するパターンを示す。このように、演出操作部12dを操作ハンドル14の上方に出現させることで、遊技者に必ず演出操作部12dを操作させることができる。図41(D)は、演出操作部12dがクリア部材保持枠5の右上方の上突出部5cに伏在し、斜め下方に出現するパターンを示す。
このように演出操作部12dは、常時遊技者が操作可能な状態で設けるのが困難な場所にも設けることが可能であり、遊技者の操作への関心を高めることができる。
〔遊技装置着脱パターン〕
図42は、本発明の第1の実施の形態の変形例2の遊技装置の着脱パターンの概念側面図であり、(A)は回転点灯器保持状態、(B)は回転点灯器取り外し状態、(C)はサクラの木ユニット取付状態を示す。
第1の実施の形態の遊技装置100は、収容スペース17に収容された状態で、前面枠4の前面下部に着脱自在に取り付けられている。変形例2では、遊技装置100の回転点灯器110のみを取り替えて、反射部120等他の部材は残す。図42(C)に示すように、回転点灯器110の代わりに例えば桜の木のユニット121を取り付けてもよい。遊技装置100の中心装置を遊技盤30に対応する装置に変更することで、低コストで前面枠4の前面下部を遊技盤30に合った装飾にすることが可能である。
(第1の実施の形態の変形例2の効果)
本発明の第1の実施の形態の変形例2によれば、回転点灯器110(遊技装置100)を装飾装置としてだけでなく演出操作部としても機能させるので、遊技装置は装飾効果だけでなく遊技者の遊技への参加も促すことができ遊技の興趣を向上させることができる。このとき遊技装置100は、上方又は前方に可動して突出するので、遊技者は操作しやすい。
また、遊技装置100(演出操作部)は、所定条件が成立した場合にのみ遊技者が操作可能に出現するので、意外性があり遊技の興趣を高めることができる。また、このような演出操作部の操作に特別感を与えることができるとともに、操作する必要がないときにむやみに操作されて耐久性が低下することを防ぐことができる。
また、前述した演出操作部の突出による操作は、表示装置36における始動記憶表示で予告表示されてもよい(図97参照)。遊技者は、演出操作部が操作可能に突出することを期待することができるので、遊技の興趣を高めることができる。
(第1の実施の形態の変形例3)
前述の第1の実施の形態における遊技装置100(回転点灯器110)を収納する収容スペース17は、図25に示すように前面枠4側の前面下部に設けられている。これに対し、変形例3の収容スペース17は、クリア部材保持枠5側に設けられる。
以下、本発明の第1の実施の形態の変形例3について図43及び図44を参照して説明する。
図43は、本発明の第1の実施の形態の変形例3の収容スペース17について説明する図であり、(A)はカバーユニット150と下皿15の右側面の概念図、(B)はカバーユニット150と下皿15の上面の概念図、(C)はカバーユニット150、遊技装置100及び上皿ユニット10の分解斜視図である。
図43(A)に示すように変形例3の収容スペース17は、クリア部材保持枠5の下部に固定されるフレームベース151を支持枠とするカバーユニット150側に設けられる。したがって、図43(C)に示すように遊技装置100は、クリア部材保持枠5側に設けられる。
なお、図43(B)に示すように、変形例3の下皿15は、球出口15dがフレームベース151の垂下部151cの後方に位置する。このため、球出口15d部分の下皿15の前後幅は他よりも狭い。図26(A)及び図27で述べたように、球出口15dの前方に垂下部151cの裏面が位置するように配設すれば、確実に球出口15dから流下する遊技球を下皿15内に留めておくことができる。そこで、フレームベース151の垂下部151cの前後幅を球出口15d部分の下皿15の前後幅よりも優先して確保すればよい。
図44は、本発明の第1の実施の形態の変形例3のカバーユニット150と下皿15の固定構造について説明する図であり、(A)はカバーユニット150と下皿15の右側面の概念図、(B)はカバーユニット150と下皿15の上面の概念図である。
図44(A)及び(B)に示すように、フレームベース151の垂下部151cと下皿15とを固定するために、下皿15に下皿側操作部19を備えてもよい。下皿側操作部19は下皿15の右端部から前方に延設して設けられ、上面に凸形状の垂下係止部19aが形成される。また、フレームベース151の垂下部151cの下面には、下皿側操作部19の垂下係止部19cが嵌まる凹部151dが形成される。
このように、クリア部材保持枠5が前面枠4に取り付けられる際、フレームベース151の垂下部151cの凹部151dに下皿側操作部19の垂下係止部19aを嵌めることで、クリア部材保持枠5と前面枠4の下端を隙間なく合わせる。
(第1の実施の形態の変形例3の効果)
本発明の第1の実施の形態の変形例3によれば、フレームベース151の垂下部151cの前後幅を十分に確保することができるので、収容スペース17の下方、すなわち遊技装置100の配置スペースを大きくすることができる。よって、遊技装置100の配設の自由度が増すので、多様な遊技装置100を適用することができる。
図44(A)及び(B)に示すような構造にすることで、フレームベース151の垂下部151cの下面を前面枠4の下方の下皿15に隙間なく係止し、確実に固定することができる。また、フレームベース151の垂下部151cに球出口15dから下皿15に流入する遊技球が勢いよく衝突して垂下部151cが変形し、不安定になるのを抑制することができる。
(第1の実施の形態の変形例4)
前述の第1の実施の形態における演出操作部12は、上皿ユニット10の中央上部に設けられ、前方にはカバーユニット150のカバー部材152の上面部分が拡がっている。これに対し、変形例4の演出操作部12は、カバーユニット150の部材152の上面部分前端に設けられる。
以下、本発明の第1の実施の形態の変形例4について図45を参照して説明する。図45は、本発明の第1の実施の形態の変形例4の遊技機1の上面図である。
変形例4の演出操作部12は、カバーユニット150のフレームベース151の上部中央の先端、すなわち上面の開口151aの前方部分にフレームベース151に沿って設けられる。そして、演出操作部12は、上面の開口151aを後方に位置するカバー部材152とともに被覆する。すなわち、演出操作部12は、上面のカバー部材152よりも遊技者側に配設される。
このとき、演出操作部12の操作を検出する配線20は、フレームベース151の裏面に沿って敷設される。そして、配線20は、上皿ユニット10の右上部に設けられる球貸操作部13の配線と合流して本体枠2に設置される演出制御装置700まで延出される。なお、フレームベース151は、メッキ加工された部材でなくとも非透明部材であればよい。
(第1の実施の形態の変形例4の効果)
本発明の第1の実施の形態の変形例4によれば、演出操作部12をカバーユニット150のカバー部材152よりも前方に配置したので、遊技者が操作しやすい。また、カバー部材152の表面に遊技者の指紋等汚れが付着しにくい。
また、演出操作部の配線は、カバーユニット150の外形を縁取る支持部材のフレームベース151の裏面に隠して配設される。遊技者に視認されないように配線可能であり、遊技装置100の視認性を妨げたり、周りの装飾効果を損なったりすることがない。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態の遊技機1は、遊技装置100として遊技球を用いた演出を行う球転動役物140を備え、所定条件が成立した場合にのみ遊技者に視認可能とする。また、第2の実施の形態の遊技機1は遊技盤30の取り替え可能とし、突出演出ユニット200では機種に対応した装飾演出を行う。
以下、本発明の第2の実施の形態について図46〜図53を参照して説明する。
図46は、本発明の第2の実施の形態の遊技機1の斜視図である。
第1の実施の形態の遊技機1の突出演出ユニット200は、遊技機1の右側から左側に向かって通行する遊技者に対して遊技機メーカ名を宣伝している(図1参照)。これに対し、第2の実施の形態の遊技機1の突出演出ユニット200は、前述の通行する遊技者に遊技機1の機種を宣伝する機種依存シート221を備える。第2の実施の形態の突出演出ユニット200の詳細については、図49〜図53にて後述する。
また、第1の実施の形態の遊技機1のカバーユニット150は、カバー部材152に透明部材を用いて内側の遊技装置100を遊技者から常に視認可能にしている。これに対し、第2の実施の形態の遊技機1のカバーユニット150は、カバー部材152に半透鏡(ハーフミラー)部材を用いて特定の場合にのみ内側の遊技装置100を遊技者から視認可能にする。第2の実施の形態の遊技機1の下部の詳細については、図47及び図48にて後述する。
図47は、本発明の第2の実施の形態の遊技機1の下側部分の正面図であり、(A)は通常状態、(B)は所定条件の成立時の状態を示す。
前述したように第2の実施の形態のカバーユニット150のカバー部材152には、半透鏡部材(ハーフミラー)が用いられる。また、図47(A)に示すように、カバー部材152の内側であって遊技装置100の上方には遊技装置照明部材141が設けられる。通常状態では、遊技装置照明部材141は点灯しない。したがって、遊技者はカバー部材152越しに内部の遊技装置100を視認することができない。このときカバー部材152は鏡のように機能し、遊技者は外表面に自身側の様子が映しだされるのを視認できる。
ここで、ハーフミラーの原理について説明する。ハーフミラーはアクリル板やガラスに金属(アルミ等)を薄く蒸着して形成される。この金属の薄さを調節することで反射光と透過光の割合を調整することができ、薄いほどガラスやプラスチック表面の反射光を減らし、透過光を増大させる機能を有する。
したがって、明るい部屋と暗い部屋の間にハーフミラーを設置すると、明るい部屋の反射光が暗い部屋からの透過光よりも強いので、明るい部屋からは部屋の中が映り込んで鏡のように見えて暗い部屋の中が見えず、暗い部屋からは明るい部屋の中が見える。
このように第2の実施の形態では、カバーユニット150の内側(遊技装置100の収容スペース17内)を明るくすることで、カバーユニット150の外側(遊技者側)が暗くなり、遊技者から遊技装置100が視認できるようにカバー部材152にハーフミラーを用いている。
カバーユニット150の内側(遊技装置100の収容スペース17内)を明るくする遊技装置照明部材141は、所定条件の成立により点灯する。この場合、図47(B)に示すように、遊技者からカバー部材152越しに遊技装置100(ここでは球転動役物140)が視認可能になる。なお、遊技装置照明部材141が点灯する場合には、少なくともカバーユニット150の外周り周辺の照明は消灯する。
第2の実施の形態では、遊技装置100として球転動役物140が備えられる。球転動役物140は、複数の穴を有するクルーン142とクルーン142に遊技領域31を流下してアウト口43で回収された遊技球を供給する球誘導樋143とを有する。球誘導樋143を流下する遊技球をクルーン142に供給することで、その遊技球を用いた演出を行う。遊技球を用いた演出とは、例えば遊技球がクルーン142上を転動して特定の穴に落下することで特別な演出を獲得可能にしたりする。なお、球転動役物140に用いる遊技球は、演出用に封入された遊技球を用いてもよい。
〔遊技装置収納空間照明処理〕
続いて、遊技装置照明部材141の制御について説明する。図48は、本発明の第2の実施の形態の遊技装置収納空間照明処理の手順を示すフローチャートである。遊技装置収納空間照明処理は、前述の装飾制御処理(S2116)の一つであり、演出制御装置700の主制御用マイコン(1stCPU)710によって実行される。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、まず、所定条件が成立したか否かを判定する(S4801)。所定条件は、大当りが発生することが判明した場合、大当りが発生した場合、エンディングが発生した場合、演出操作部12を操作した場合、球転動役物140に貯留球が検出された場合等に成立する。そして、所定条件が成立していない場合には(S4801の結果が「N」)、遊技装置収納空間照明処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)710は、所定条件が成立した場合には(S4801の結果が「Y」)、遊技装置照明部材141を点灯して収容スペース17内の遊技装置100(ここでは球転動役物140)を照らす(S4802)。同時に、このときカバーユニット150に光が届くような位置にある照明装置を消灯する。その後、遊技装置収納空間照明処理を終了する。
〔突出演出ユニット〕
図49は、本発明の第2の実施の形態の遊技機1の右側面図である。図50は、本発明の第2の実施の形態の突出演出ユニット200の横断面図である。図51は、本発明の第2の実施の形態の機種依存シート221の取り付け構造について説明する図である。
図49に示すように、第2の実施の形態の突出演出ユニット200の右側(遊技機1の外側)の突出面には機種依存シート221が配設される。機種依存シート221は、塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタラート等によって形成されたプレートである。機種依存シート221には、遊技機1の遊技盤30のキャラクタ(版権絵)が描かれており、実際にその遊技機1で遊技しておらず遊技機1の右側から左側に向かって通行する遊技者に対してもそのキャラクタの機種であることをアピールする。
図50に示すように、第2の実施の形態の突出演出ユニット200は、第1の実施の形態と同様に側方発光基板210を備え、複数の外側用LED211を有するが、内側用LED212は側方発光基板210に対して略垂直に前方に突出して配設される反射板223の左側の面に上下方向に8個設けられる。そして、内側用LED212の光は、反射板223で拡散され内側レンズ部材224を照らす。なお、内側レンズ部材224は単体で設けられており、前方正面に側方発光基板210の外側用LED211に臨む折り返し部224aを有する。折り返し部224aは、外側用LED211の光によって照らされる。
このほか第2の実施の形態の突出演出ユニット200の基本構造は第1の実施の形態と同じであるが、外側用LED211の光は外側レンズ部材201(第1の実施の形態、図33参照)ではなく、機種依存シート221を照らす。
機種依存シート221は、外側用LED211の前方に略垂直に配設される導光板兼プレート係合部222の右側の面に入れ替え可能に取り付けられる。導光板兼プレート係合部222には、前後及び下方にコの字状のスライド溝によってスライド取付部222aが形成されている。そして、図51に示すように、機種依存シート221は、導光板兼プレート係合部222の上方からスライド取付部222aに挿し込むようにして取り付けられる。
このように機種依存シート221は突出演出ユニット200の上方から入れ替え自由な状態になる。そこで、前面枠4には、クリア部材保持枠5を閉じたときに機種依存シート221の上方に位置するシートストッパー4aが突出して設けられる。シートストッパー4aにより導光板兼プレート係合部222のスライド取付部222aの上方後端部が上から抑えられるので、クリア部材保持枠5が開放されない限り機種依存シート221は入れ替え不可能となる。
〔突出演出ユニットの演出態様〕
図52は、本発明の第2の実施の形態の突出演出ユニット200の演出態様の一例を示す図であり、(A)は突出演出ユニット200の内側面(内側レンズ部材224)の表示例、(B)は突出演出ユニット200の外側面(機種依存シート221)の表示例、(C)は突出演出ユニット200の正面(折り返し部224a)の表示例を示す。
突出演出ユニット200の内側レンズ部材224には、図52(A)に示すように8つの遊技状態表示(擬似連、リーチ予告、大当り、Aモード、Bモード、Cモード、確変、通常)が成される。そして、内側用LED212(図50参照)はこれらの遊技状態表示に対応して8個設けられている。遊技者に報知する遊技状態に対応する内側用LED212を発光することで対応する遊技状態表示が点灯するので、遊技者に遊技状態を報知することができる。
また、突出演出ユニット200の機種依存シート221には、図52(B)に示すように遊技機1の機種のキャラクタ(版権絵)が描かれる。そして、遊技進行に応じて外側用LED211(図50参照)を発光することで機種依存シート221が照らされる。
また、突出演出ユニット200の正面部分の折り返し部224aには導光板兼プレート係合部222を介して外側用LED211の光が届く。このため図52(C)に示すように、外側用LED211の色を変化させることで折り返し部224aにおいて遊技状態を報知することができる。例えば、遊技状態が確変中の場合は赤色、電サポ中の場合は黄色、通常遊技中の場合は青色といったように折り返し部224aの照射光を変える。
〔機種依存シート別パターン〕
図53は、本発明の第2の実施の形態の機種依存シート221の別パターンを示す図である。
図53(A)に示すように、機種依存シート221は、上端中央にU字の溝221aを形成することでシート取り外しを容易にすることができる。なお、機種依存シート221の取り外しが容易になっても、図53(B)に示すようにクリア部材保持枠5を閉じれば前面枠4のシートストッパー4aに上から押さえられるので、遊技中に機種依存シート221が取り外されたりすることがない。
(第2の実施の形態の効果)
本発明の第2の実施の形態によれば、遊技装置100として球転動役物140を備えるので、遊技者は遊技領域31以外でも遊技球の転動の行方を見守ることができ、遊技の興趣を高めることができる。また、遊技領域31以外でも遊技球を用いた演出を行うので、遊技領域31における遊技との一体感をもたせることができる。
また、球転動役物140はカバー部材152にハーフミラーを用いることで、所定条件が成立した場合にのみ遊技者に視認可能になるので、遊技の興趣を高めることができる。また、遊技者に視認可能にする場合、すなわち遊技装置100内の照明を点灯する場合には、遊技装置100の周辺の照明は消灯されるので、より球転動役物を認識しやすくなるとともに、遊技者を遊技装置100に集中させることができる。
また、本発明の第2の実施の形態の遊技機1は、、突出演出ユニット200に遊技機1の機種を判別可能な機種依存シート221を備えるので、その遊技機1の遊技者以外の遊技者(通行人)にも機種をアピールすることができる。
また、突出演出ユニット200の機種依存シート221は、遊技盤30の取り替えに合わせて交換可能である。枠構成にも機種(遊技盤30の版権)に関した装飾を施すことができるので、遊技機1の装飾に統一感を出すことができる。また、遊技機1の枠構成は複数の機種に用いることができるので低コスト化を実現できる。
また、機種依存シート221は、突出演出ユニット200の導光板兼プレート係合部222に設けられたスライド取付部222aに上方からスライドして挿入すれば取り付け可能なので、容易に取り替えることができる。
また、スライド取付部22aに挿入された機種依存シート221は、クリア部材保持枠5が閉じた状態では前面枠4のシートストッパー4aによって押さえられるので、遊技中に機種依存シート221が外れてしまうこともない。
(第2の実施の形態の変形例1)
前述の第2の実施の形態における遊技装置100の球転動役物140は、球誘導樋143を流下した遊技球をクルーン142に案内する構成である。これに対し、変形例1の球転動役物140は、クルーン142の代わりに遊技球を貯留可能な球見せ樋144を備える。
以下、本発明の第2の実施の形態の変形例1について図54及び図55を参照して説明する。
〔球見せ樋〕
図54は、本発明の第2の実施の形態の変形例1の球見せ樋144について説明する図であり、(A)〜(C)は動作態様の変化を示す。なお、上段は球誘導樋143と球見せ樋144の上面図であり、下段は正面図である。
図54(A)に示すように、球見せ樋144は球誘導樋143の下方に、球誘導樋143から流下する遊技球を取り込み可能なように上方を開口して設けられる。球見せ樋144は、前面、後面、下面及び右側面によって構成される半筒状の貯留箱であり、遊技球を一列に貯留する。また、球見せ樋144は、中央左寄り下端の樋軸部144aを支点としてシーソーのように上下に動作可能であり、左側面の開口部には貯留した遊技球の放出を防ぐストッパ部144bが設けられている。なお、樋軸部144aは、図示しないモータ等によって軸回転することが可能である。
球見せ樋144は、右側から順に貯留され、遊技球数が増えるにつれ図54(B)に示すように樋軸部144aを支点に右に傾く。そして、球見せ樋144の遊技球を放出する場合には図54(C)に示すように樋軸部144aが反時計回りに軸回転することで球見せ樋144を左に傾かせる。このとき、ストッパ部144bによる遊技球の放出防止も解除されるので、球見せ樋144から遊技球を放出することができる。
〔遊技装置球制御処理〕
図55は、本発明の第2の実施の形態の変形例1の遊技装置球制御処理について説明する図であり、(A)は手順を示すフローチャート、(B)はフローチャートで用いるテーブルの一例を示す。
遊技装置球制御処理は、前述のモータ/SOL制御処理(S2117)の一つであり、演出制御装置700の主制御用マイコン(1stCPU)710によって実行される。ここでは、大当りが発生した場合に、球転動役物140(遊技装置100)の演出が行われる例を挙げる(前述のS4801の処理で「Y」→S4802)。本処理では、確変状態になるか否かに関連して球見せ樋144から放出する遊技球数(放出球数)を設定する。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、まず、大当りが発生したか否かを判定する(S5501)。そして大当りが発生しない場合には(S5501の結果が「N」)、遊技装置球制御処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)710は、大当りが発生する場合には(S5501の結果が「Y」)、確率変動状態が発生するか否かを判定する(S5502)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)710は、確率変動状態が発生する場合には(S5502の結果が「Y」)、Aテーブル(図55(B))を参照して、放出球数を決定し(S5503)、遊技装置球制御処理を終了する。
また、主制御用マイコン(1stCPU)710は、確率変動状態が発生しない場合には(S5501の結果が「N」)、Bテーブル(図55(B))を参照して、放出球数を決定し(S5504)、遊技装置球制御処理を終了する。
図55(B)に示すように、Aテーブル及びBテーブルでは、球見せ樋144から放出する遊技球の数(放出球数)を0個〜4個として各放出球の振り分け割合が設定される。
Aテーブルでは、即ち確率変動状態が発生する場合は、80%の割合で球見せ樋144からの放出球数が3個又は4個となる。また、Bテーブルでは、すなわち確率変動状態が発生しない場合は、80%の割合で球見せ樋144からの放出球球が0個〜2個となる。また、Bテーブルでは放出球数が4個となる振り分けは設定されない。したがって、球見せ樋144からの放出球数が多いほど大当り遊技後に確率変動状態となる可能性が高い。
(第2の実施の形態の変形例1の効果)
本発明の第2の実施の形態の変形例1によれば、球転動役物140(遊技装置100)の演出において、球見せ樋144からの放出球数を変えることで確率変動状態発生の確率を報知することができるので、遊技者は放出球を注視する。このため、遊技者に遊技装置100の演出により関心をもたせることができ、遊技の興趣を高めることができる。
なお、球見せ樋144は、遊技者が正面から見たときに貯留された遊技球を視認可能なように少なくとも前面を透明部材で形成してもよい。これにより、遊技者は球見せ樋144の貯留状況も注視するようになるので、より遊技の興趣を高めることができる。
(第2の実施の形態の変形例2)
以下、前述の第2の実施の形態及び第2の実施の形態の変形例1における遊技装置100の球転動役物140の他の構造について説明する。図56は、本発明の第2の実施の形態の変形例2について説明する図である。
図56(A)に示すように、球転動役物140は、遊技球を攪拌する球攪拌器145と、器形状の球見せ樋146とを有する。そして、例えば球攪拌器145から球見せ樋146に放出される遊技球の色に応じて確率変動状態を発生する確率を報知してもよい。
また、図56(B)に示すように、球転動役物140は、例えば、第2の実施の形態の球転動役物140にCCD147を追加してもよい。そして、CCD147によってクルーン142上の遊技球の動きを撮影し、表示装置36にそのLIVE映像を映し出す。
(第2の実施の形態の変形例2の効果)
本発明の第2の実施の形態の変形例2によれば、球転動役物140(遊技装置100)における遊技球を遊技者が注視するような構成にすることで、遊技の興趣を高めることができる。
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態の遊技機1は、遊技装置100として生物(ここでは蟻)を入れた生物鑑賞ユニット170を備え、突出演出ユニット200として演出制御装置700によって制御される表示器ユニット230を備える。また、下皿15の球出口15dは、所定条件が成立したときにのみ視認可能とする。
以下、本発明の第3の実施の形態について図57〜図61を参照して説明する。
図57は、本発明の第3の実施の形態の遊技機1の斜視図である。
第2の実施の形態の遊技機1の突出演出ユニット200は、遊技機1の右側から左側に向かって通行する遊技者に対して静止画が描かれた機種依存シート221を用いて遊技機1の機種を宣伝している(図46参照)。これに対し、第3の実施の形態の遊技機1の突出演出ユニット200は、機種キャラクタの動画を表示する表示器ユニット230を用いて宣伝する。第3の実施の形態の突出演出ユニット200の詳細については、図61にて後述する。
また、第3の実施の形態の遊技機1のカバーユニット150は、第1の実施の形態と同じであり、カバー部材152に透明部材を用いて内側の遊技装置100を遊技者から常に視認可能にしている。ここで、第3の実施の形態では、遊技装置100として容器内で生物が生存可能な生物鑑賞ユニット170(図58(B)参照)を備えている。第3の実施の形態の遊技装置100の詳細については、図58にて後述する。
そして、生物鑑賞ユニット170は透明部材の容器であるため、遊技者は、カバー部材152及び生物鑑賞ユニット170越しに垂下部151c裏に位置する下皿15の球出口15d(図59(B)参照)を視認することができる。そこで、第3の実施の形態では、所定の条件が成立した場合のみ球出口15dを視認可能にする。球出口15d周辺の詳細については、図59及び図60にて後述する。
〔遊技装置-生物鑑賞ユニット〕
図58は、本発明の第3の実施の形態の遊技装置100について説明する図であり、(A)は遊技機1の下側部分の正面図、(B)は遊技装置100としての生物鑑賞ユニット170を示す。
図58(A)に示すように、第3の実施の形態では、カバーユニット150のカバー部材152越しに生物鑑賞ユニット170が視認可能である。生物鑑賞ユニット170は、図58(B)に示すように、収容スペース17を模った外形透明容器である。生物鑑賞ユニット170は、複数の蟻171と、特殊ジェル172とからなる。特殊ジェル172は、透明で蟻171のための水分を栄養分が配合されている。そして、蟻171は特殊ジェル172を餌にするとともに、特殊ジェル172に巣穴を掘って巣173を形成するので、遊技者は蟻171の巣173を立体的に鑑賞することができる。なお、このような蟻171の生物鑑賞ユニット170は、一日一回新鮮な空気を入れてやればよく、定期的に餌や水を与える必要もないので、手間がかからない。
図59は、本発明の第3の実施の形態の球出口15dについて説明する図であり、(A)は通常状態における遊技機1の下側部分の正面図、(B)は所定条件の成立時の遊技機1の下側の正面図を示す。
図59(A)に示すように、第3の実施の形態では、下皿15の球出口15dの前方であってカバーユニット150の垂下部151cの後方にハーフミラー15eが配設される。また、下皿15の球出口15dの右上方であってハーフミラー15eの後方には、球出口15dを照らす下皿球出口照明装置15fが配設される。そして、通常状態では下皿球出口照明装置15fは消灯しているので、ハーフミラー15eは後方の球出口15dを透過しない。よって、遊技者は球出口15dを視認することができない。
そして、大当りが発生すると下皿15には球出口15dから遊技球が流入する。そこで、大当りの発生を所定条件の成立として、下皿球出口照明装置15fを点灯する。これにより、図59(B)に示すように、球出口15dがハーフミラー15eを透過して遊技者が視認可能になる。
〔球出口照明処理〕
次に、図60を参照して、前述の下皿球出口照明装置15fの制御について説明する。図60は、本発明の第3の実施の形態の球出口照明処理の手順を示すフローチャートである。球出口照明処理は、前述の装飾制御処理(S2116)の一つであり、演出制御装置700の主制御用マイコン(1stCPU)710によって実行される。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、まず、大当りが発生したか否かを判定する(S6001)。そして、大当りが発生していない場合には(S6001の結果が「N」)、球出口照明処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)710は、大当りが発生した場合には(S6001の結果が「Y」)、下皿球出口照明装置15fを点灯して下皿15の球出口15dを照らす(S6002)。その後、球出口照明処理を終了する。
〔突出演出ユニット−表示器ユニット〕
図61は、本発明の第3の実施の形態の突出演出ユニット200の演出態様の一例を示す図であり、(A)は突出演出ユニット200の内側面(内側表示器232)の表示例、(B)は突出演出ユニット200の外側面(外側表示器231)の表示例を示す。
第3の実施の形態の突出演出ユニット200は表示器ユニット230として機能する。表示器ユニット230は、片面に面発光の表示面を設けた2枚の表示パネルを合わせて表裏を視認可能とする。2枚の表示パネルの非表示面を背中合わせにすることで、各表示パネルの表示面が外側の表示パネル(外側表示器)231と内側の表示パネル(内側表示器)232とを構成する。なお、表示パネルには、液晶や有機ELが用いられる。
外側表示器231及び内側表示器232は、遊技盤30の裏面に取り付けられる演出制御装置700によって表示制御され、図61(A)に示すように実際に遊技を行っている遊技者が視認可能な内側表示器232には現在の遊技状態を報知する表示が実行される。また、図61(B)に示すように、右から左に通行する遊技者が視認可能な外側表示器231には遊技機1の機種キャラクタ(遊技盤30の要素)が第2の実施の形態のように静止画ではなく動画で表示される。
なお、表示器ユニット230は、表裏両方から視認可能な1枚の表示パネルでもよい。1枚の表示パネル領域を外側表示器231の表示領域と内側表示器232の表示領域とに分けてもよいし、外側表示器231又は内側表示器232のどちらかの表示領域として片側のみ視認可能にしてもよい。
(第3の実施の形態の効果)
本発明の第3の実施の形態によれば、遊技装置100として蟻171を鑑賞可能な生物鑑賞ユニット170を備える。生物を身近に置いて観察可能にすることで、遊技に対する遊技者の緊張を解いて遊技者を和ませることができ、ストレス軽減に効果を奏する。
また、所定の条件が成立した場合のみ下皿15の球出口15dを遊技者から視認可能にするので、第3の実施の形態のように大当りの発生を成立条件とした場合には、賞球として下皿15に流入する遊技球を視認することができ、遊技の興趣を高めることができる。また、通常状態では遊技装置100越しに球出口15dが見えないので、遊技装置100の装飾性を損なうことがない。
さらに、突出演出ユニット200は動画表示を実行可能な表示器ユニット230を備えるので、単一な表示を行う第1実施形態及び第2実施形態よりもより高い装飾効果が得られる。また、表示器ユニット230の表示は演出制御装置700によって制御されるので、遊技機1の現在の遊技状態や遊技盤30の要素を反映した表示制御が実行可能であり、さらに高い演出効果が得られる。
(第3の実施の形態の変形例1)
前述の第3の実施の形態における遊技装置100は、生物鑑賞ユニット170である。これに対し、変形例1の遊技装置100は、投影装置180を備える。また、第3の実施の形態における突出演出ユニット200は、外側表示器231及び内側表示器232を有する表示器ユニット(第1突出表示装置)230で構成される。これに対し、変形例1の突出演出ユニット200は、さらに前方にスライドして突出する第2突出表示装置240を備える。
以下、本発明の第3の実施の形態の変形例1について、図62〜図66を参照して説明する。
〔遊技装置−投影装置〕
図62は、本発明の第3の実施の形態の変形例1の遊技装置100について説明する図であり、(A)は遊技機1及び遊技者の右側面図、(B)は投影装置180による投影内容の一例を示す。
第3の実施の形態では、遊技装置100として投影装置180を備える。図62(A)に示すように、投影装置180は上皿ユニット10の下面前方に配設される。このとき遊技装置100(投影装置180)を覆うカバーユニット150は不要である。ここで遊技者は遊技装置100の収容スペース17に手を入れ、投影装置180に手のひらを向ける。
そして投影装置180は、成立した所定条件に応じて投影するレンズ画を切り替えて内蔵する照明部材を点灯する。レンズ画には例えばリーチの発展先が描かれており、図62(B)に示すように遊技者の手のひらに投影される。
〔投影処理〕
次に、図63を参照して、前述の投影装置180の制御について説明する。図63は、本発明の第3の実施の形態の変形例1の投影処理の手順を示すフローチャートである。投影処理は、前述のシーン制御処理(S2112)の一つであり、演出制御装置700の主制御用マイコン(1stCPU)710によって実行される。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、まず、所定条件が成立したか否かを判定する(S6301)。ここでレンズ画に対応するリーチ、大当り及び電サポ状態といったモードが発生することが決定している場合に所定条件が成立したとする。リーチが発生する場合にはリーチの種類、大当りが発生する場合には大当り図柄又は大当り中の演出情報、モードが発生する場合にはモードの種類が報知される。投影装置180による報知は、所定条件を成立させたリーチ、大当り及びモードが開始する前に行われてもよい。そして、所定条件が成立しない場合には(S6301の結果が「N」)、投影処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)710は、所定条件が成立した場合には(S6301の結果が「Y」)、投影装置180の照明部材を点灯する(S6302)。その後、投影処理を終了する。
〔突出演出ユニット−第1及び第2突出表示装置〕
図64は、本発明の第3の実施の形態の変形例1の突出演出ユニット200の演出態様の一例を示す図であり、(A)は突出演出ユニット200の上面図の態様変化例、(B)は突出演出ユニット200の右側面図の態様変化例を示す。
図64(A)及び(B)に示すように、第3の実施の形態の変形例1の突出演出ユニット200は、第3の実施の形態の表示器ユニット(第1突出表示装置)230の内部に前方にスライドして延びるスライド突出表示器(第2突出表示装置)240を備える。突出演出ユニット200は、通常状態では第1突出表示装置230のみで機種キャラクタを表示するが、所定条件が成立した場合には第2突出表示装置240及び第1突出表示装置230でも同様に機種キャラクタを表示する。このとき表示される機種キャラクタは第2突出表示装置240の突出前後で変形して表示される。
続いて、第1突出表示装置230及び第2突出表示装置240の制御について説明する。図65は、本発明の第3の実施の形態の変形例1の演出制御装置700の構成のうち第1の実施の形態(図5)と異なる構成についてのみ説明する簡易ブロック図である。
演出制御装置700には、第2突出表示装置240内の突出部駆動モータ241の初期位置を検出する第1突出部位置検出センサ240aのオン/オフ状態、突出完了位置を検出する第2突出部位置検出センサ240bのオン/オフ状態を検出した検出信号が入力される。そして、演出制御装置700は、検出信号に基づいて第2突出表示装置240をスライド可動する突出部駆動モータ241を駆動制御する。なお、第2突出表示装置240のスライド可動に係る駆動制御処理は、演出制御装置700の主制御用マイコン(1stCPU)710によって実行される。
また、第1突出表示装置230及び第2突出表示装置240の表示内容に係る映像制御処理は、演出制御装置700の映像制御用マイコン(2ndCPU)720によって実行される。
〔第2突出表示装置駆動制御処理〕
図66は、本発明の第3の実施の形態の変形例1の第2突出表示装置駆動制御処理の手順を示すフローチャートである。第2突出表示装置駆動制御処理は、前述のモータ/SOL制御処理(S2117)の一つであり、演出制御装置700の主制御用マイコン(1stCPU)710によって実行される。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、まず、第2突出部位置検出センサ240bがオンになったか否か、すなわち第2突出表示装置240のスライド可動が完了したか否かを判定する(S6601)。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、第2突出部位置検出センサ240bがオンになっていない場合には(S6601の結果が「N」)、第1突出部駆動モータフラグがオンであるか否かを判定する(S6602)。第1突出部駆動モータフラグは、突出部駆動モータ241を正回転させて第2突出表示装置240を前方に突出させる場合にオン状態となる。そして第1突出部駆動モータフラグがオンでない場合には(S6602の結果が「N」)、遊技状態が第1所定条件を成立(例えば、リーチや所定の遊技状態の発生)したか否かを判定する(S6603)。第1所定条件が成立していない場合には(S6603の結果が「N」)、まだ第2突出表示装置240を用いた演出を行うタイミングではないので、第2突出表示装置駆動制御処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)710は、第1所定条件が成立した場合には(S6603の結果が「Y」)、第2突出表示装置240を前方に出すために第1突出部駆動モータフラグをオンにする(S6604)。その後、第2突出表示装置駆動制御処理を終了する。
遊技状態が第1所定条件を成立すると第1突出部駆動モータフラグがオン状態になるので、主制御用マイコン(1stCPU)710は、前述のS6602の処理の結果を「Y]と判定する。そして、再度第2突出部位置検出センサ240bがオンになったか否かを判定する(S6605)。ここで第2突出部位置検出センサ240bがオンでない場合には(S6605の結果が「N」)、突出部駆動モータ241を正回転駆動して(S6606)、第2突出表示装置駆動制御処理を終了する。なお、第2突出表示装置240のスライド可動が完了するまで、S6601→S6602→S6605→S6606の処理が繰り返され、第2突出表示装置240が前方に突出される。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)710は、突出部駆動モータ241を駆動して(このとき第1突出部駆動モータフラグがオン状態)第2突出表示装置240のスライド可動が完了したら(S6605の結果が「Y])、突出部駆動モータ241を停止し(S6607)、第1突出部駆動モータフラグをオフにして(S6608)、第2突出表示装置駆動制御処理を終了する。
ここで、第2突出表示装置240の前方への突出が完了すると、主制御用マイコン(1stCPU)710は、前述のS6601の処理の結果を「Y」と判定する。そして、第2突出部駆動モータフラグがオンであるか否かを判定する(S6609)。第2突出部駆動モータフラグは、突出部駆動モータ241を逆回転させて第2突出表示装置240を後方に戻す場合にオン状態となる。そして第2突出部駆動モータフラグがオンでない場合には(S6609の結果が「N」)、遊技状態が第2所定条件を成立(例えば、リーチの外れ結果、所定の遊技状態の終了)したか否かを判定する(S6610)。第2所定条件が成立していない場合には(S6610の結果が「N」)、まだ第2突出表示装置240を初期位置に戻すタイミングではないので、第2突出表示装置駆動制御処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)710は、第2所定条件が成立した場合には(S6610の結果が「Y」)、第2突出表示装置240を後方の初期位置に戻すために第2突出部駆動モータフラグをオンにする(S6611)。その後、第2突出表示装置駆動制御処理を終了する。
遊技状態が第2所定条件を成立すると第2突出部駆動モータフラグがオン状態になるので、主制御用マイコン(1stCPU)710は、前述のS6609の処理の結果を「Y]と判定する。そして、第1突出部位置検出センサ240aがオンになったか否かを判定する(S6612)。ここで第1突出部位置検出センサ240aがオンでない場合には(S6612の結果が「N」)、突出部駆動モータ241を逆回転駆動して(S6613)、第2突出表示装置駆動制御処理を終了する。なお、第2突出表示装置240のスライド可動が完了するまで、S6601→S6609→S6612→S6613の処理が繰り返され、第2突出表示装置240が後方の初期位置に戻される。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)710は、突出部駆動モータ241を駆動して(このとき第2突出部駆動モータフラグがオン状態)第2突出表示装置240のスライド可動が完了したら(S6612の結果が「Y])、突出部駆動モータ241を停止し(S6614)、第2突出部駆動モータフラグをオフにして(S6615)、第2突出表示装置駆動制御処理を終了する。
(第3の実施の形態の変形例1の効果)
本発明の第3の実施の形態の変形例1によれば、遊技装置100の投影装置180によって遊技者の手に遊技情報が投影されるので、遊技者が遊技の演出を身近に感じることができる。よって、遊技の興趣を高めることができる。
また、変形例1の突出演出ユニット200は遊技状態に応じてスライドして現れる第2突出表示装置240を備えるので、突出演出ユニット200における演出効果をさらに高めることができる。
(第3の実施の形態の変形例2)
本発明の第3の実施の形態の変形例2における遊技機1は、遊技機1内に所定数の遊技球を封入し、球発射装置から発射されて遊技領域31を流下した遊技球を回収して再び球発射装置に導いて遊技球を循環使用する封入球式の遊技機である。
以下、本発明の第3の実施の形態の変形例2について、図67を参照して説明する。図67は、本発明の第3の実施の形態の変形例2の遊技機1の正面図であり、(A)は遊技装置100を遊技機1の下部に配置した図、(B)は遊技装置100を遊技機1の右側部に配置した図、(C)は遊技装置100を遊技機1の上部に配置した図を示す。
封入球式の遊技機1を用いれば、上皿ユニット10及び下皿15を必要としない。したがって遊技盤30の遊技領域31を視認可能とする遊技視認領域を確保していれば、図67(A)〜(C)に示すように、その周縁の枠に自由に遊技装置100を取り付けることが可能である。
(第3の実施の形態の変形例2の効果)
本発明の第3の実施の形態の変形例2によれば、封入球式の遊技機1を用いることで遊技装置100設置の自由度が増し、多種多様な遊技機の導入が可能になる。
(第4の実施の形態)
本発明の第4の実施の形態の遊技機1は、第3の実施の形態の遊技機1をベースとし、突出演出ユニット200に外側表示器231を有する表示器ユニット230と、遊技盤30の遊技領域31の前方を横断可能な枠側可動役物250とを備える。
以下、本発明の第4の実施の形態について、図68〜図72を参照して説明する。図68は、本発明の第4の実施の形態の遊技機1について説明する図である。図68(A)は遊技機1の上面図であり、図68(B)及び(C)は遊技機1の正面図であり、突出演出ユニット200の枠側可動役物250の動作態様を示す。
第4の実施の形態の突出演出ユニット200は、図68(A)及び(B)に示すように内部に枠側可動役物250を収納する。枠側可動役物250は、クリア部材保持枠5の上スピーカー7aの下方から操作ハンドル14の上方まで上下方向に設けられ、下端には回動軸部251が固定して配設される。そして、回動軸部251の枠側可動役物駆動モータ252(図70参照)が駆動すると、図68(C)に示すように枠側可動役物250が遊技者に視認可能に出現し、遊技領域31の前方を横切るように動作する。
なお、本実施の形態の遊技機1は、センターケース35に枠側可動役物250と同様の動作を行う盤側可動役物255を備え、枠側可動役物250と関連した演出を実行する。図69〜図72では、枠側可動役物250及び盤側可動役物255の動作について説明する。
図69は、本発明の第4の実施の形態の遊技機1の正面図であり、(A)〜(C)は枠側可動役物250及び盤側可動役物255の演出態様を示す。
図69(A)に示すように、静止状態において枠側可動役物250は突出演出ユニット200の内部に収納され、盤側可動役物255もセンターケース35の内部に収納され、双方の可動役物は遊技者から視認されない。
そして、図69(B)に示すように、所定のタイミングでまず盤側可動役物255が回動軸部256を中心に反時計まわりに回動されて表示装置36の前方に出現する演出が実行される。このとき枠側可動役物250は突出演出ユニット200の内部に収納された状態である。
その後、図69(C)に示すように、表示装置36の前方で盤側可動役物255が停止し、次に枠側可動役物250が回動軸部251を中心に反時計まわりに回動されて表示装置36の前方を横切る演出が実行される。このとき枠側可動役物250は、クリア部材保持枠5に設けられているので、盤側可動役物255よりも前方で動作し、盤側可動役物255の回動よりも大きく回動する。
続いて、突出演出ユニット200及び盤側可動役物255の制御について説明する。図70は、本発明の第4の実施の形態の演出制御装置700の構成のうち第1の実施の形態(図5)と異なる構成についてのみ説明する簡易ブロック図である。
演出制御装置700には、枠側可動役物250の回動軸部251に設けられる枠側可動役物駆動モータ252の初期位置を検出する第1枠側可動役物位置検出センサ250aのオン/オフ状態、動作完了位置を検出する第2枠側可動役物位置検出センサ250bのオン/オフ状態を検出した検出信号が入力される。そして、演出制御装置700は、検出信号に基づいて枠側可動役物250を回動する枠側可動役物駆動モータ252を駆動制御する。同様に、演出制御装置700には、盤側可動役物255の回動軸部256に設けられる盤側可動役物駆動モータ257の初期位置を検出する第1盤側可動役物位置検出センサ255aのオン/オフ状態、動作完了位置を検出する第2盤側可動役物位置検出センサ255bのオン/オフ状態を検出した検出信号が入力される。そして、演出制御装置700は、検出信号に基づいて盤側可動役物255を回動する盤側可動役物駆動モータ257を駆動制御する。なお、演出制御装置700は、突出演出ユニット(突出表示装置)200の外側表示器231に表示する映像の制御も行う。
ここで、枠側可動役物250及び盤側可動役物255の動作に係る制御処理は、演出制御装置700の主制御用マイコン(1stCPU)710によって実行される。また、外側表示器231の表示内容に係る映像制御処理は、演出制御装置700の映像制御用マイコン(2ndCPU)720によって実行される。
図71は、本発明の第4の実施の形態の枠側可動役物250及び盤側可動役物255の動作タイミングを示すタイムチャートである。
図69(A)〜(C)の動作態様で前述したように、第4の実施の形態では、枠側可動役物250の動作の前に盤側可動役物255を動作させる。そして、盤側可動役物255の動作が停止した後に、枠側可動役物250の動作が開始する。
〔枠/盤可動役物制御処理〕
図72は、本発明の第4の実施の形態の枠/盤可動役物制御処理について説明する図であり、(A)は手順を示すフローチャート、(B)はフローチャートで用いるテーブルの一例を示す。
遊技装置球制御処理は、前述のモータ/SOL制御処理(S2117)の一つであり、演出制御装置700の主制御用マイコン(1stCPU)710によって実行される。ここでは、遊技状態に応じて枠側可動役物250及び盤側可動役物255の動作の有無を設定する。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、まず、大当りが発生したか否かを判定する(S7201)。そして大当りが発生しない場合には(S7201の結果が「N」)、Aテーブル(図72(B))を参照して可動役物の動作を決定し(S7202)、枠/盤可動役物制御処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)710は、大当りが発生する場合には(S7201の結果が「Y」)、確率変動状態が発生するか否かを判定する(S7203)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)710は、確率変動状態が発生しない場合には(S7203の結果が「N」)、Bテーブル(図72(B))を参照して、可動役物の動作を決定し(S7204)、枠/盤可動役物制御処理を終了する。
また、主制御用マイコン(1stCPU)710は、確率変動状態が発生する場合には(S7203の結果が「Y」)、Cテーブル(図72(B))を参照して、可動役物の動作を決定し(S7205)、枠/盤可動役物制御処理を終了する。
図72(B)に示すように、Aテーブル、Bテーブル及びCテーブルでは、枠側可動役物250及び盤側可動役物255の動作パターンに「共に動かず」、「盤側のみ動作」、「枠側のみ動作」及び「共に動作」の4パターンを設定し、各パターンの振り分け割合を設定している。
Aテーブルは、90%の割合で枠側可動役物250及び盤側可動役物255が動かない。また、大当りかつ確率変動状態が発生する場合に用いられるCテーブルは、60%の割合で枠側可動役物250及び盤側可動役物255が共に動く。Cテーブルで共に動かない割合は1%である。そして、大当りが発生しても確率変動状態は発生しない場合に用いられるBテーブルは、30%の割合で枠側可動役物250及び盤側可動役物255が共に動く。Bテーブルで共に動かない割合は35%である。このように、遊技状態が遊技者にとって有利な状態になるほど、枠側可動役物250及び盤側可動役物255が共に動く演出が実行される確率が高くなる。
(本発明の第4の実施の形態の効果)
本発明の第4の実施の形態によれば、遊技情報に応じて突出演出ユニット200の内側から枠側可動役物250が出現するので、遊技の興趣を高めることができる。また、枠側可動役物250は、遊技盤30のセンターケース35に設けられる盤側可動役物255の動作と関連して、盤側可動役物255の動作後に出現して表示装置36の前方を横切る。センターケース35だけでなくクリア部材保持枠5からも可動役物が出てきて2段階の動作演出が実行されるので、遊技者の意表を突くことができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、枠側可動役物250は演出制御装置700によって制御されるので、遊技盤30に依存した演出が可能である。また、遊技者は枠側可動役物250及び盤側可動役物255の動作から遊技情報を判断することができるので、より動作演出に関心を持たせることができる。
(本発明の第4の実施の形態の変形例1)
本発明の第4の実施の形態の変形例1の遊技機1は、前述の第4の実施の形態の遊技機1の枠側可動役物250の形状が異なり、変形例1の枠側可動役物250は動作時に扇状に展開する。また、変形例1の遊技盤30には、前述の盤側可動役物255の代わりに遊技者から視認可能な位置に演出役物253が配設され、枠側可動役物250の動作に合わせて動作される。
以下、本発明の第4の実施の形態の変形例1について、図73及び図74を参照して説明する。図73は、本発明の第4の実施の形態の変形例1の遊技機1の正面図であり、(A)〜(D)は枠側可動役物250及び演出役物253の演出態様を示す。
第4の実施の形態の変形例1の枠側可動役物250は、図73(A)に示すように静止状態では突出演出ユニット200の内部に収納されている。また、演出役物253は、表示装置36の右側のセンターケース35に配設され、静止状態では表示内容「A」が遊技者に視認可能なように表示されている。
そして、図73(B)に示すように、所定条件が成立すると枠側可動役物250が回動軸部251を中心に反時計まわりに回動されて表示装置36の前方に出現する。変形例1の枠側可動役物250は複数の面が折り重なって収納されており、回動により各面が扇状に展開して扇面が形成される。このとき枠側可動役物250は、図73(C)に示すように遊技機1の遊技視認領域であるクリア部材5a越しに後方に位置する表示装置36や演出役物253を覆うので、遊技者から視認不可能にする。
その後、図73(D)に示すように、枠側可動役物250は扇状に展開された面が順次折りたたまれて突出演出ユニット200に収納される。このとき、演出役物253は、枠側可動役物250の一連の動作終了後、表示内容が「A」から「B」に切り替わる。すなわち、演出役物253は、枠側可動役物250によって被覆されて遊技者から視認されない間に表示内容を切り替える。例えば演出役物253の一方の面に表示内容「A」、他方の面に表示内容「B」を描き、表示面を反転することで表示内容を切り替える。
〔演出役物動作処理〕
図74は、本発明の第4の実施の形態の変形例1の演出役物動作処理の手順を示すフローチャートである。
演出役物動作処理は、前述のモータ/SOL制御処理(S2117)の一つであり、演出制御装置700の主制御用マイコン(1stCPU)710によって実行される。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、まず、所定条件が成立したか否かを判定する(S7401)。ここで、所定条件の成立には、例えば大当りや確率変動状態の発生を条件とする。そして、所定条件が成立しない場合には(S7401の結果が「N」)、演出役物動作処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)710は、所定条件が成立する場合には(S7401の結果が「Y」)、枠側可動役物250の動作及び演出役物253の動作を実行する(S7402)。その後、演出役物動作処理を終了する。
(本発明の第4の実施の形態の変形例1の効果)
本発明の第4の実施の形態の変形例1によれば、一連の動作演出において枠側可動役物250の展開動作が完了して初期状態(収納状態)に戻る過程になっても、遊技者は演出役物253の変化に関心を持ち続けるので、遊技の興趣を高めることができる。
(本発明の第4の実施の形態の変形例2)
本発明の第4の実施の形態の変形例2の遊技機1は、枠側可動役物250として内蔵パトランプを備える。以下、本発明の第4の実施の形態の変形例2について、図75を参照して説明する。図75は、本発明の第4の実施の形態の変形例2の遊技機1について説明する図であり、(A)は枠側可動役物250の動作態様、(B)は遊技盤30について説明する図である。
図75(A)及び(B)に示すように、変形例2の枠側可動役物250は、通常状態ではクリア部材保持枠5の上右角部分の上突出部5cに収納され、所定のタイミングで遊技領域31に向かって突出する。枠側可動役物250は、パトランプ機能を有する。
枠側可動役物250が突出すると、正面から遊技機1を見たときに、図75(B)に示すように遊技領域31の一部が覆われて遊技者から視認不可能になる。そこで、変形例2の遊技領域31は、突出した枠側可動役物250によって覆われる領域に遊技球が流下しないように遊技球の流下流路が設けられる。
なお、第4実施の形態で前述したように、枠側可動役物250と関連して動作可能な盤側可動役物255を備えてもよい。また、枠側可動役物250は常時遊技者から視認可能に配設されていてもよく、動作時に遊技領域31の前面を一部覆っても、遊技領域31を流下する遊技球を視認可能なように遊技球の流下流路が形成される。
(本発明の第4の実施の形態の変形例2の効果)
本発明の第4の実施の形態の変形例2によれば、所定のタイミングで遊技機1の上右角から枠側可動役物(パトランプ)250が飛び出し、パトランプ250を用いた装飾演出が可能になるので遊技の興趣を高めることができる。また、枠側可動役物250は遊技機1の上方に設けられるので、遊技者の手が届きにくく破損しにくい。
また、枠側可動役物250が遊技機1の内側に向かって突出しても遊技領域31を流下する遊技球を見失うことがないように球流路を設けているので、遊技者にストレスを感じさせない。また、変形例2の枠側可動役物250も演出制御装置700によって制御されるので、第4の実施の形態で述べたような遊技情報に応じた動作が可能であり、遊技盤30に依存した演出が可能である。
(本発明の第4の実施の形態の変形例3)
本発明の第4の実施の形態の変形例3の遊技機1は、第4の実施の形態のように枠側可動役物250及び盤側可動役物255が演出制御装置700の制御により連動して動作するが、枠側可動役物250は常に遊技者から視認可能であり、配置や動作態様が異なる。以下、本発明の第4の実施の形態の変形例3について、図76を参照して説明する。図76は、本発明の第4の実施の形態の変形例3の遊技機1の正面図であり、(A)〜(D)は枠側可動役物250及び盤側可動役物255の演出態様を示す。
図76(A)に示すように、静止状態において枠側可動役物250は、遊技領域31を形成するガイドレール32の上半分に沿って遊技機1の左右に跨って配設される。枠側可動役物250は、遊技機1の左右側部中央に設けられる突出部254a、254bに、上下にスライド可能に取り付けられる。また、盤側可動役物255は、表示装置36の上辺に沿って配設され、上下方向にスライド可能に取り付けられる。
図76(B)に示すように、所定のタイミングでまず盤側可動役物255が表示装置36の前方を上から下にスライド可動して表示装置36の中央で停止する。このとき、枠側可動役物250は、静止状態を維持する。
次に、図76(C)に示すように、枠側可動役物250が上から下にスライド可動して盤側可動役物255と前後に重なり合う地点で停止する。このとき枠側可動役物250によって表示装置36の中央部分が覆われるので、遊技者は表示装置36の表示内容を視認しづらい。
その後、図76(D)に示すように、枠側可動役物250及び盤側可動役物255は上に向かってスライド可動して初期位置(図76(A)参照)に戻る。一連の動作演出を特図変動表示ゲームの結果が大当りになる場合に実行する場合は、特図変動表示ゲームが終了するタイミングで枠側可動役物250及び盤側可動役物255による一時的な表示装置36の被覆が解除されるようにすれば、表示装置36には大当りとなる識別情報の停止態様が表示されることになる。
(本発明の第4の実施の形態の変形例3の効果)
本発明の第4の実施の形態の変形例3によれば、枠側可動役物250及び盤側可動役物255が遊技者から視認可能であり、さらに互いに関連して動作するので装飾演出効果を高めることができる。また、表示装置36における特図変動表示ゲームの結果報知に枠側可動役物250及び盤側可動役物255を用いるので、より遊技への関心を高めることができるとともに遊技盤30に依存した演出を行うことができ、遊技の興趣を高めることができる。
(本発明の第4の実施の形態の変形例4)
本発明の第4の実施の形態の変形例4の遊技機1は、第4の実施の形態の枠側可動役物250を備え、変形例4の枠側可動役物250の先端にはLED発光する表示器258が設けられる。
以下、本発明の第4の実施の形態の変形例4について、図77及び図78を参照して説明する。図77は、本発明の第4の実施の形態の変形例4の遊技機1の正面図であり、(A)は枠側可動役物250の演出態様、(B)は表示器258の側面図を示す。
図77(A)に示すように、遊技中において枠側可動役物250は突出演出ユニット200に収納された状態である。このとき遊技機1の上右角には、枠側可動役物250の先端に設けられる表示器258が遊技者から視認可能に配置される。表示器258には「愛」が表示されている。そして、デモ中になると枠側可動役物250は回動軸部251を中心に反時計まわりに回動して表示器258が遊技領域31の第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38周辺を被覆する位置で停止する。このとき表示器258には「節電中」が表示される。なお、表示器258は図77(B)に示すように遊技者から視認可能な表示面258aと、表示面258aの後方にLED基板258bと、を備える。表示器258で表示される内容はLEDの発光色に応じて異なり、例えば「愛」は赤色で表示され「節電中」は青色で表示される。
〔省電力動作処理〕
図78は、本発明の第4の実施の形態の変形例4の省電力動作処理の手順を示すフローチャートである。
省電力動作処理は、前述のモータ/SOL制御処理(S2117)の一つであり、演出制御装置700の主制御用マイコン(1stCPU)710によって実行される。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、まず、デモ画面タイミングか否かを判定する(S7801)。デモ画面タイミングとは、例えば所定時間遊技球の発射がない場合である。そして、デモ画面タイミングでない場合には(S7801の結果が「N」)、省電力動作処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)710は、デモ画面タイミングの場合には(S7801の結果が「Y」)、枠側可動役物250の動作を実行する(S7802)。その後、枠側可動役物250の表示器258の発光色を変更して(S7803)、省電力動作処理を終了する。
(本発明の第4の実施の形態の変形例4の効果)
本発明の第4の実施の形態の変形例4によれば、枠側可動役物250の先端に設ける表示器258は、表示装置36がデモ画面になると遊技機1の中央部分で「節電中」と表示する。表示器258は、遊技機1のクリア部材保持枠5の前面に立体的に配置されるので、空席の遊技機1をアピールする効果が高い。
また、枠側可動役物250の表示器258によって遊技領域31の第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38周辺が覆われる。この被覆の解除条件を一般入賞口40への遊技球の入賞とすれば、第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38周辺の釘状態を見るために遊技者は一般入賞口40を狙って遊技球を発射させるので、遊技機1の稼働率を向上させることができる。
(第5の実施の形態)
本発明の第5の実施の形態の遊技機1は、第3の実施の形態の遊技機1をベースとし、突出演出ユニット200に外側表示器231を有する表示器ユニット230と、遊技者に向かって送風を送る送風口260を有する送風装置261とを備える。
以下、本発明の第5の実施の形態について、図79〜図81を参照して説明する。図79は、本発明の第5の実施の形態の遊技機1について説明する図であり、(A)は遊技機1の上面図、(B)は遊技機1の正面図を示す。
第5の実施の形態の突出演出ユニット200は、図79(A)及び(B)に示すように内部に送風装置261を備える。そして、突出演出ユニット200の中央表面には送風装置261から送られる風を遊技機1の外に出す送風口260が形成される。送風口260は、遊技機1の正面に座る遊技者が顔に風を感じるように遊技機1斜め内側に開口して配設されている。
続いて、送風装置261の制御について説明する。図80は、本発明の第5の実施の形態の演出制御装置700の構成のうち第1の実施の形態(図5)と異なる構成についてのみ説明する簡易ブロック図である。
演出制御装置700は、遊技情報に応じて突出演出ユニット200の外側表示器231及び送風装置261を制御する。なお、送風装置261に係る制御処理は、演出制御装置700の主制御用マイコン(1stCPU)710によって実行される。また、外側表示器231の表示内容に係る映像制御処理は、演出制御装置700の映像制御用マイコン(2ndCPU)720によって実行される。また、主制御用マイコン(1stCPU)710は、送風口260から遊技盤30に依存した香りを放出するように送風装置261を制御することも可能である。例えば、遊技盤30にバラが描かれている場合にはバラの香りがする送風を送る。
〔送風制御処理〕
図81は、本発明の第5の実施の形態の送風制御処理について説明する図であり、(A)は手順を示すフローチャート、(B)はフローチャートで用いるテーブルの一例を示す。
送風制御処理は、前述のモータ/SOL制御処理(S2117)の一つであり、演出制御装置700の主制御用マイコン(1stCPU)710によって実行される。ここでは、遊技状態に応じて送風装置261から送風口260に送る送風強さを設定する。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、まず、大当りが発生したか否かを判定する(S8101)。そして大当りが発生しない場合には(S8101の結果が「N」)、Aテーブル(図81(B))を参照して送風強度を決定し(S8102)、送風制御処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)710は、大当りが発生する場合には(S8101の結果が「Y」)、確率変動状態が発生するか否かを判定する(S8103)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)710は、確率変動状態が発生しない場合には(S8103の結果が「N」)、Bテーブル(図81(B))を参照して、送風強度を決定し(S8104)、送風制御処理を終了する。
また、主制御用マイコン(1stCPU)710は、確率変動状態が発生する場合には(S8103の結果が「Y」)、Cテーブル(図81(B))を参照して、送風強度を決定し(S8105)、送風制御処理を終了する。
図81(B)に示すように、Aテーブル、Bテーブル及びCテーブルでは、送風装置261から送られる送風の強さに「強」、「中」、「弱」及び「無」の4パターンを設け、各パターンの振り分け割合を設定している。
Aテーブルは、90%の割合で送風がない。また、大当りかつ確率変動状態が発生する場合に用いられるCテーブルは、99%の割合で送風が送られ、さらに60%の割合で強い送風が送られる。そして、大当りが発生しても確率変動状態は発生しない場合に用いられるBテーブルは、65%の割合で送風が送られ、さらに30%の割合で強い送風が送られる。このように、遊技状態が遊技者にとって有利な状態になるほど、送風口260から送られる送風が強くなる確率が高い。
(本発明の第5の実施の形態の効果)
本発明の第5の実施の形態によれば、送風装置261は演出制御装置700によって制御されるので、遊技盤30に依存した演出が可能である。よって遊技の興趣を高めることができる。
また、送風口260からの風は遊技者の顔あたりに届くので遊技者は遊技状況を肌で感じることができ、臨場感あふれる演出を提供することができる。また、風で遊技情報を報知することで、遊技者の意表を突く演出ができ、遊技の興趣を高めることができ、送風演出に関心を持たせることができる。
(本発明の第5の実施の形態の変形例1)
本発明の第5の実施の形態の変形例1の遊技機1は、前述の第4の実施の形態の変形例4の遊技機1をベースに、表示器258に換えて3枚の羽根261aの回転によって風を発生させる送風装置261を備える。
以下、本発明の第5の実施の形態の変形例1について、図82及び図83を参照して説明する。図82は、本発明の第5の実施の形態の変形例1の遊技機1の正面図であり、枠側可動役物250及び送風装置261の演出態様を示す。
前述の第4の実施の形態の変形例4の枠側可動役物250及び表示器258は、遊技中は枠側可動役物250が突出演出ユニット200に収納された初期状態を維持して、デモ中に遊技機1の前方中央に出現して表示器258の表示も変化する。これに対し、第5の実施の形態の変形例1の枠側可動役物250及び送風装置261は、遊技状態に応じて動作制御される。そして、枠側可動役物250及び送風装置261は、いずれも動作しなかったり(左側の図)、いずれか一方のみが動作したり、両方が動作したり(右側の図)する。これらの動作パターンは、後述する送風制御処理(図83)で設定される。
〔送風制御処理〕
図83は、本発明の第5の実施の形態の変形例1の送風制御処理について説明する図であり、(A)は手順を示すフローチャート、(B)はフローチャートで用いるテーブルの一例を示す。
送風制御処理は、前述のモータ/SOL制御処理(S2117)の一つであり、演出制御装置700の主制御用マイコン(1stCPU)710によって実行される。ここでは、遊技状態に応じて送風装置261の羽根261aを回して風を送ったり、枠側可動役物250を動作させたりする。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、まず、大当りが発生したか否かを判定する(S8301)。そして大当りが発生しない場合には(S8301の結果が「N」)、Aテーブル(図83(B))を参照して、枠側可動役物250及び送風装置261を制御して(S8302)、送風制御処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)710は、大当りが発生する場合には(S8301の結果が「Y」)、確率変動状態が発生するか否かを判定する(S8303)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)710は、確率変動状態が発生しない場合には(S8303の結果が「N」)、Bテーブル(図83(B))を参照して、枠側可動役物250及び送風装置261を制御し(S8304)、送風制御処理を終了する。
また、主制御用マイコン(1stCPU)710は、確率変動状態が発生する場合には(S8303の結果が「Y」)、Cテーブル(図83(B))を参照して、枠側可動役物250及び送風装置261を制御し(S8305)、送風制御処理を終了する。
図83(B)に示すように、Aテーブル、Bテーブル及びCテーブルでは、枠側可動役物250の動作及び送風装置261の回転の制御パターンに「動かず/回らず」、「動かず/回る」、「動いて/回らず」及び「動いて/回る」の4パターンを設け、各パターンの振り分け割合を設定している。
Aテーブルは、90%の割合で「動かず/回らず」が選択される。また、大当りかつ確率変動状態が発生する場合に用いられるCテーブルは、60%の割合で「動いて/回る」が選択され、1%の割合で「動かず/回らず」が選択される。そして、大当りが発生しても確率変動状態は発生しない場合に用いられるBテーブルは、30%の割合で「動いて/回る」が選択され、35%の割合で「動かず/回らず」が選択される。このように、遊技状態が遊技者にとって有利な状態になるほど、枠側可動役物250及び送風装置261が動作する確率が高い。
(本発明の第5の実施の形態の変形例1の効果)
本発明の第5の実施の形態の変形例1によれば、遊技者は送風装置261の羽根261aが回るのを視認可能なので、送風演出の効果が高い。また、枠側可動役物250が動作したときには送風装置261の風は遊技者の真正面に送られることになり、遊技者にインパクトを与えることができ、高い送風効果が得られる。さらに、白熱した遊技場においては送風による節電効果も期待できる。
(本発明の第5の実施の形態の変形例2)
本発明の第5の実施の形態の変形例2の遊技機1は、第5の実施の形態の遊技機1をベースに、送風装置261から送られる送風を遊技機1の外に送りだす送風口を二箇所追加する。
以下、本発明の第5の実施の形態の変形例2について、図84及び図85を参照して説明する。図84は、本発明の第5の実施の形態の変形例2の遊技機1の正面図である。
前述の第5の実施の形態の送風装置261は1つの送風口(第1送風口)260しか有していなかったが、変形例2では第1送風口260の上方に第2送風口262と、第1送風口260の下方に第3送風口263とを備える。そして、変形例2の送風装置261は、遊技状態に応じて送風の有無、送風を送り出す送風口が制御される。
〔送風制御処理〕
図85は、本発明の第5の実施の形態の変形例2の送風制御処理について説明する図であり、(A)は手順を示すフローチャート、(B)はフローチャートで用いるテーブルの一例を示す。
送風制御処理は、前述のモータ/SOL制御処理(S2117)の一つであり、演出制御装置700の主制御用マイコン(1stCPU)710によって実行される。ここでは、遊技状態に応じて送風装置261の駆動や使用する送風口を制御する。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、まず、大当りが発生したか否かを判定する(S8501)。そして大当りが発生しない場合には(S8501の結果が「N」)、Aテーブル(図85(B))を参照して、送風装置261を制御して(S8502)、送風制御処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)710は、大当りが発生する場合には(S8501の結果が「Y」)、確率変動状態が発生するか否かを判定する(S8503)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)710は、確率変動状態が発生しない場合には(S8503の結果が「N」)、Bテーブル(図85(B))を参照して、送風装置261を制御し(S8504)、送風制御処理を終了する。
また、主制御用マイコン(1stCPU)710は、確率変動状態が発生する場合には(S8503の結果が「Y」)、Cテーブル(図85(B))を参照して、送風装置261を制御し(S8505)、送風制御処理を終了する。
図85(B)に示すように、Aテーブル、Bテーブル及びCテーブルでは、送風装置261の制御パターンに「送風せず」、「第1送風口のみ」、「第2送風口のみ」、「第3送風口のみ」及び「全送風口」の5パターンを設け、各パターンの振り分け割合を設定している。
Aテーブルは、90%の割合で「送風せず」が選択される。また、大当りかつ確率変動状態が発生する場合に用いられるCテーブルは、99%の割合で送風が送られ、60%の割合で「全送風口」から送風する。そして、大当りが発生しても確率変動状態は発生しない場合に用いられるBテーブルは、65%の割合でいずれかの送風口から送風され、35%の割合で「送風せず」が選択される。このように、遊技状態が遊技者にとって有利な状態になるほど、送風装置261が動作する確率が高い。ここでは、変動表示ゲームの信頼度に応じて、電気的駆動源により一の送風口を選択可能に切り替えてもよいし、複数口同時送風してもよい。
なお、第1送風口260、第2送風口262及び第3送風口263は、選択される送風口によって送風強度が異なってもよいし、異なる香りを付けて送風してもよい。また、変動表示ゲームの信頼度に応じて送風強度や香りを変えてもよい。さらに各送風口の周縁にLEDを配設して、使用する送風口の周縁を発光してもよい。
(本発明の第5の実施の形態の変形例2の効果)
本発明の第5の実施の形態の変形例2によれば、複数の送風口が設けられるので、送風口別の匂いや送風強度などを設定して送風演出のパターンを多様化することができ、遊技の興趣を高めることができる。
(本発明の第5の実施の形態の変形例3)
本発明の第5の実施の形態の変形例3の遊技機1は、クリア部材保持枠5の上部中央に配設される点灯器6の換わりに送風装置261を配設する。
以下、本発明の第5の実施の形態の変形例3について、図86〜図88を参照して説明する。図86及び図87は、本発明の第5の実施の形態の変形例3の遊技機1について説明する図である。図86(A)は遊技機1の正面図であり、(B)は遊技機1の側面図である。また、図87は回動可能な送風装置261の態様を示す側面図であり、(A)は回動角度90度、(B)は回動角度45度、(C)は回動角度0度を示す。
図86(A)及び(B)に示すように、本発明の第5の実施の形態の変形例3の送風装置261は、クリア部材保持枠5の上部中央に配設され、矢印に示すように上方の空気を取り込んで下方、すなわち遊技者に向けて送風する。
ここで送風装置261は、図87に示すように回動可能である。送風装置261には、遊技機1の左右方向に延びる回動軸264が中心に設けられている。送風装置261は筒状に貫通した送風筒部265を有する。送風装置261は、送風筒部265の一方から取り入れた空気を回動軸264周りに設けられて羽根261aの回転によって他方に送り出す。送風装置261の回動角度は、送風筒部265の軸が平床に対して成す角度であり、例えば角度が0のときは水平に向けられることになる。なお、送風装置261は、遊技者の手動によって角度調整することができる。
図87(A)に示すように送風装置261を90度に設定すると、送風は遊技機1の上皿ユニット10上に向かって流れる。また、図87(B)に示すように送風装置261を45度に設定すると、遊技者の正面斜め上から送風が当てられる。このときが一番遊技者に風が当りやすい。また、図87(C)に示すように送風装置261を0度に設定すると、送風装置261を取り付けているクリア部材保持枠5に送風筒部265の空気取込口が対面してしまう。さらに、送風口側も水平になることから、0度の場合は遊技者に風が当たらない。
〔送風制御処理〕
図88は、本発明の第5の実施の形態の変形例3の送風制御処理について説明する図であり、(A)は手順を示すフローチャート、(B)はフローチャートで用いるテーブルの一例を示す。
送風制御処理は、前述のモータ/SOL制御処理(S2117)の一つであり、演出制御装置700の主制御用マイコン(1stCPU)710によって実行される。ここでは、遊技状態に応じて送風装置261の回転角度を制御する。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、まず、大当りが発生したか否かを判定する(S8801)。そして大当りが発生しない場合には(S8801の結果が「N」)、Aテーブル(図88(B))を参照して、送風装置261を制御して(S8802)、送風制御処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)710は、大当りが発生する場合には(S8801の結果が「Y」)、確率変動状態が発生するか否かを判定する(S8803)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)710は、確率変動状態が発生しない場合には(S8803の結果が「N」)、Bテーブル(図88(B))を参照して、送風装置261を制御し(S8804)、送風制御処理を終了する。
また、主制御用マイコン(1stCPU)710は、確率変動状態が発生する場合には(S8803の結果が「Y」)、Cテーブル(図88(B))を参照して、送風装置261を制御し(S8805)、送風制御処理を終了する。
図88(B)に示すように、Aテーブル、Bテーブル及びCテーブルでは、送風装置261の回転角度として「0」、「10」、「20」、「30」及び「45」の5パターンを設け、各パターンの振り分け割合を設定している。
Aテーブルは、90%の割合で「0」が選択される。また、大当りかつ確率変動状態が発生する場合に用いられるCテーブルは、60%の割合で一番遊技者に送風があたる「45」が選択され、「0」は1%の割合で選択される。そして、大当りが発生しても確率変動状態は発生しない場合に用いられるBテーブルは、65%の割合で「10」、「20」及び「30」のいずれかの角度が選択され、35%の割合で「0」が選択される。このように、遊技状態が遊技者にとって有利な状態になるほど、遊技者に送風があたりやすい角度に送風装置261が設定される確率が高い。
(本発明の第5の実施の形態の変形例3の効果)
本発明の第5の実施の形態の変形例3によれば、遊技者自身によって送風装置261の角度を調整可能にすれば、遊技者に送風演出停止の選択肢を与えたり、遊技者に当たる送風量を調整可能にしたりすることができる。
(本発明の第6の実施の形態)
本発明の第6の実施の形態の遊技機1は、第3の実施の形態の遊技機1をベースとし、突出演出ユニット200に外側表示器231を有する表示器ユニット230と、遊技者が操作可能な第3演出ボタン281及び第4演出ボタン282の少なくとも一方を有する側部演出操作部280とを備える。
以下、本発明の第6の実施の形態について、図89〜図92を参照して説明する。図89及び図90は、本発明の第6の実施の形態の遊技機1について説明する図である。図89(A)は遊技機1の上面図、(B)は遊技機1の正面図を示す。また、図90は別パターンの遊技機1の正面図を示す。
第6の実施の形態の遊技機1は、図89(A)及び(B)に示すように、突出演出ユニット200の左側(内側)面に遊技者が操作可能な枠側演出操作部280として第3演出ボタン281が設けられる。なお、同様に遊技者が操作可能な第1演出ボタン271及び第2演出ボタン272は、上皿ユニット10の上面に皿上演出操作部270として設けられる。
また、図90に示すように、突出演出ユニット200の枠側演出操作部280として第3演出ボタン281だけでなくさらに第4演出ボタン282を備えてもよい。以降、第4演出ボタン282も設けられる場合について説明する。
次に、図91及び図92を参照して、第1演出ボタン271、第2演出ボタン272、第3演出ボタン281及び第4演出ボタン282を用いた演出について説明する。ここで各演出ボタンの表面に「1」〜「4」が記載されており、遊技者は演出ボタンを識別可能とする。図91は、本発明の第6の実施の形態の表示装置36における画面表示の一例であり、(A)識別情報停止タイミングに合わせた操作演出の画面表示例、(B)音楽のリズムに合わせた操作演出の画面表示例を示す。
図91(A)に示すように、変動表示ゲーム中に行われる操作演出では、表示装置36の下方表示領域に変動中の識別情報の停止タイミングに合わせて遊技者が操作するべき演出ボタンの番号が指示表示される。そして演出ボタンの指示表示は音楽に合わせて右から左に進み、下方表示領域の左端に表示されるタイミングで遊技者は対応する演出ボタンを操作する。ここでは3つの識別情報が順に停止するタイミングで第4演出ボタン282、第2演出ボタン272、第3演出ボタン281を操作することができれば演奏ゲームクリアとなる。
また、図91(B)に示すようにBGM等の音楽に合わせた操作演出を行うことも可能である。例えば337拍子のタイミングで指示表示される演出ボタンの操作を報知する。なお、番号の記載がない表示はいずれの演出ボタンの操作でも構わない。遊技者は演出ボタンの指示表示が表示装置36の左端にくるタイミングで対象の演出ボタンを操作することができれば、ゲームクリアとなる。
〔演出操作部操作検出処理〕
図92は、本発明の第6の実施の形態の演出操作部操作検出処理の手順を示すフローチャートである。演出操作部操作検出処理は、前述の演出ボタン入力処理(S2109)の一つであり、演出制御装置700の主制御用マイコン(1stCPU)710によって実行される。ここでは所定のタイミングに指定された演出ボタンを操作し続けて演奏ゲームをクリアすることで遊技情報が遊技者に報知される。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、まず、所定のタイミングで特定の演出ボタンをオン(操作)したか否かを判定する(S9201)。ここでは、1回の操作だけではなく前述の図91(B)に示したような演奏ゲームにおける一連の操作指示に従って正確に操作してゲームをクリアしたか否かを判定する。そして、クリアできなかった場合には(S9201の結果が「N」)、演出操作部操作検出処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)710は、ゲームをクリアした場合には(S9201の結果が「Y」)、遊技者に遊技情報を報知して(S9202)、演出操作部操作検出処理を終了する。遊技情報の報知は、前述した遊技装置100や突出演出ユニット200を用いて報知してもよいし、表示装置36に表示して報知してもよい。
(本発明の第6の実施の形態の効果)
本発明の第6の実施の形態によれば、突出演出ユニット200に遊技者が操作可能な枠側演出操作部(第3演出ボタン281、第4演出ボタン282)を設けるので、一般的な皿上演出操作部270(第1演出ボタン271や第2演出ボタン272)位置ではない場所への操作が可能になり、操作演出の興趣を高めることができる。また、演出ボタンの操作の組み合わせパターンが増え、遊技者の動作も多様化するので、遊技者を飽きさせることがない。
(本発明の第6の実施の形態の変形例1)
本発明の第6の実施の形態の変形例1の遊技機1は、第6の実施の形態の遊技機1をベースとし、突出演出ユニット200に外側表示器231ではなく内側表示器232を有する表示器ユニット230と、枠側演出操作部280として、遊技者が押圧操作する演出ボタンだけではなく取っ手を引くタイプのレバー操作部283とを備える。
以下、本発明の第6の実施の形態の変形例1について、図93〜図97を参照して説明する。図93及び図94は、本発明の第6の実施の形態の変形例1の遊技機1について説明する図である。図93(A)は遊技機1の正面図、(B)はレバー操作部283の動作態様側面図を示す。また、図94は別パターンの遊技機1の正面図を示す。
第6の実施の形態の変形例1の遊技機1は、図93(A)及び(B)に示すように、突出演出ユニット200の外側手前に上下方向に遊技者が操作可能な枠側操作部演出としてレバー操作部283が配設される。レバー操作部283は、上端に遊技者が手を掛ける取っ手穴283aと、下端に回転支点283bとを有する。遊技者が取っ手穴283aを手前に引くことでレバー操作部283は回転支点283bを中心に動作する。
また、図94に示すように、枠側演出操作部280として、レバー操作部283と、第6の実施の形態の第3演出ボタン281及び第4演出ボタン282とを兼ね備えてもよい。さらに、上皿ユニット10の下面に皿下演出ボタン290を備えてもよい。以降、図94の演出操作部配置パターンの場合について説明する。
図95は、本発明の第6の実施の形態の変形例1の表示装置36における変動表示ゲーム中の操作演出の画面遷移例である。
表示装置36で変動表示される3つの識別情報の下方には、それぞれ対応する演出操作部が表示され、遊技者に操作を促す。ここでは左から順に「レバー操作283」、「皿下演出ボタン290」、「第1演出ボタン271」が表示される。そして、遊技者がまずレバー操作部283を操作すると左端の識別情報の変動が所定の停止態様で停止する。その後、順番に操作することで3つの識別情報が停止態様で揃う。このとき予め変動時間は設定されているので、例えば遊技者の操作が早かった場合には変動時間が終了するまで3つの識別情報は仮停止の状態を維持する。このようなことがないように各識別情報の停止タイミングを予め配分し、停止タイミング直前に演出操作部の操作を促す表示が現れるようにしてもよい。
次に、図96及び図97を参照して、表示装置36における始動記憶の保留表示について説明する。
〔始動記憶表示処理〕
図96は、本発明の第6の実施の形態の変形例1の始動記憶表示処理の手順を示すフローチャートである。始動記憶表示処理は、前述のシーン制御処理(S2112)の一つであり、演出制御装置700の主制御用マイコン(1stCPU)710によって実行される。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、まず、操作可能な演出操作部が指定されている始動記憶が成立したか否かを判定する(S9601)。ここでは始動記憶が有する先読み遊技情報のうち特定の遊技情報に対して演出操作部が設定されている。そして、演出操作部が指定されている始動記憶が成立しない場合には(S9601の結果が「N」)、始動記憶表示処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)710は、演出操作部が指定されている始動記憶が成立した場合には(S9601の結果が「Y」)、対応する演出操作部の表す始動記憶を表示して(S9602)、始動記憶表示処理を終了する。
図97は、本発明の第6の実施の形態の変形例1の表示装置36における始動記憶の保留表示態様を示す画面遷移の一例である。
表示装置36では下方表示領域に始動記憶が表示されるが、前述したように操作可能な演出操作部が指定されている始動記憶はその演出操作部を表す保留表示になる。ここでは左端の保留表示から「レバー操作部283」、「皿下演出ボタン290」、「第1演出ボタン271」を表し、右端の保留表示は通常の保留表示である。
そして、遊技者は保留表示された演出操作部を操作する。ここではレバー操作部283を操作すると、対応する保留表示が今度は先読み結果の予告表示に切り替わる。保留表示は保留玉で表されるので通常時と同じであるが、ここでは先読み結果に応じて保留玉の色や模様が異なる。
(本発明の第6の実施の形態の変形例1の効果)
本発明の第6の実施の形態の変形例1によれば、遊技者が下から上に押圧操作する皿下演出ボタン290や遊技者がレバー操作するレバー操作部283等、一般的な皿上演出操作部270(第1演出ボタン271や第2演出ボタン272)とは異なる操作方法の演出操作部を設けるので、演出ボタンの操作の組み合わせパターンが増えるとともに、操作演出における遊技者の動きに変化ができ遊技の興趣を高めることができる。
また、始動記憶の表示に演出操作部の操作を関連させて、まず対応する演出操作部の予告表示、操作後は先読み予告の保留玉表示と2段階で始動記憶を表示するので、遊技の興趣を高めることができる。
なお、今回開示した実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではない。また、本発明の範囲は前述した発明の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。