[1.パチンコ機の全体構造]
本発明の一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して詳細に説明する。まず、図1乃至図9を参照して本実施形態のパチンコ機1の全体構成について説明する。図1は本発明の一実施形態であるパチンコ機の正面図である。図2はパチンコ機の右側面図であり、図3はパチンコ機の平面図であり、図4はパチンコ機の背面図である。図5はパチンコ機を前から見た斜視図であり、図6はパチンコ機を後ろから見た斜視図である。図7は本体枠から扉枠を開放させると共に、外枠から本体枠を開放させた状態で前から見たパチンコ機の斜視図である。図8はパチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して前から見た分解斜視図であり、図9はパチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して後ろから見た分解斜視図である。
本実施形態のパチンコ機1は、遊技ホールの島設備(図示しない)に設置される枠状の外枠2と、外枠2の前面を開閉可能に閉鎖する扉枠3と、扉枠3を開閉可能に支持していると共に外枠2に開閉可能に取付けられている本体枠4と、本体枠4に前側から着脱可能に取付けられると共に扉枠3を通して遊技者側から視認可能とされ遊技者によって遊技球が打込まれる遊技領域5aを有した遊技盤5と、を備えている。
パチンコ機1の外枠2は、図8及び図9等に示すように、上下に離間しており左右に延びている上枠部材10及び下枠部材20と、上枠部材10及び下枠部材20の両端同士を連結しており上下に延びている左枠部材30及び右枠部材40と、を備えている。上枠部材10、下枠部材20、左枠部材30、及び右枠部材40は、前後の幅が同じ幅に形成されている。また、上枠部材10及び下枠部材20の左右の長さに対して、左枠部材30及び右枠部材40の上下の長さが、長く形成されている。
また、外枠2は、左枠部材30及び右枠部材40の下端同士を連結し下枠部材20の前側に取付けられる幕板部材50と、上枠部材10の正面視左端部側に取付けられている外枠側上ヒンジ部材60と、幕板部材50の正面視左端側上部と左枠部材30とに取付けられている外枠側下ヒンジ部材70と、を備えている。外枠2の外枠側上ヒンジ部材60と外枠側下ヒンジ部材70とによって、本体枠4及び扉枠3が開閉可能に取付けられている。
パチンコ機1の扉枠3は、正面視の外形が四角形で前後に貫通している貫通口111を有した枠状の扉枠ベースユニット100と、扉枠ベースユニット100の前面下部に取付けられ遊技球を貯留可能な上皿201及び下皿202を有した皿ユニット200と、扉枠ベースユニット100の前面上部に取付けられるトップユニット350と、扉枠ベースユニット100の前面左部に取付けられる左サイドユニット400と、扉枠ベースユニット100の前面右部に取付けられる右サイドユニット450と、扉枠ベースユニット100の前面右下部に皿ユニット200を貫通して取付けられ上皿201に貯留された遊技球を遊技盤5の遊技領域内へ打込むために遊技者が操作可能なハンドルユニット500と、扉枠ベースユニット100の後面下部に取付けられ遊技領域内へ打ち損じた遊技球を受けて皿ユニット200の下皿202へ排出するファールカバーユニット520と、扉枠ベースユニット100の後面下部に取付けられ上皿201の遊技球を球発射装置680へ送るための球送りユニット540と、扉枠ベースユニット100の後面に取付けられ貫通口111を閉鎖するガラスユニット560と、ガラスユニット560の後面下部を覆う防犯カバー580と、を備えている。
パチンコ機1の本体枠4は、一部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベース600と、本体枠ベース600の正面視左側の上下両端に取付けられ外枠2の外枠側上ヒンジ部材60及び外枠側下ヒンジ部材70に夫々回転可能に取付けられると共に扉枠3の扉枠側上ヒンジ部材140及び扉枠側下ヒンジ部材150が夫々回転可能に取付けられる本体枠側上ヒンジ部材620及び本体枠側下ヒンジ部材640と、本体枠ベース600の正面視左側面に取付けられる補強フレーム660と、本体枠ベース600の前面下部に取付けられており遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球を打込むための球発射装置680と、本体枠ベースの正面視右側面に取付けられており外枠2と本体枠4、及び扉枠3と本体枠4の間を施錠する施錠ユニット700と、本体枠ベース600の正面視上辺及び左辺に沿って後側に取付けられており遊技者側へ遊技球を払出す逆L字状の払出ユニット800と、本体枠ベース600の後面下部に取付けられている基板ユニット900と、本体枠ベース600の後側に開閉可能に取付けられ本体枠ベース600に取付けられた遊技盤5の後側を覆う裏カバー980と、を備えている。
本体枠4の払出ユニット800は、本体枠ベース600の後側に取付けられる逆L字状の払出ユニットベース801と、払出ユニットベース801の上部に取付けられており上方へ開放された左右に延びた箱状で図示しない島設備から供給される遊技球を貯留する球タンク802と、球タンク802の下側で払出ユニットベース801に取付けられており球タンク802内の遊技球を正面視左方向へ誘導する左右に延びたタンクレール803と、払出ユニットベース801における正面視左側上部の後面に取付けられタンクレール803からの遊技球を蛇行状に下方へ誘導する球誘導ユニット820と、球誘導ユニット820の下側で払出ユニットベース801から着脱可能に取付けられており球誘導ユニット820により誘導された遊技球を払出制御基板ボックス950に収容された払出制御基板からの指示に基づいて一つずつ払出す払出装置830と、払出ユニットベース801の後面に取付けられ払出装置830によって払出された遊技球を下方へ誘導すると共に皿ユニット200における上皿201での遊技球の貯留状態に応じて遊技球を通常放出口又は満タン放出口の何れかから放出させる上部満タン球経路ユニット850と、払出ユニットベース801の下端に取付けられ上部満タン球経路ユニット850の通常放出口から放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の貫通球通路526へ誘導する通常誘導路及び満タン放出口から放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の満タン球受口530へ誘導する満タン誘導路を有した下部満タン球経路ユニット860と、を備えている。
本体枠4の基板ユニット900は、本体枠ベース600の後側に取付けられる基板ユニットベース910と、基板ユニットベース910の正面視左側で本体枠ベース600の後側に取付けられ内部に低音スピーカを有したスピーカユニット920と、基板ユニットベース910の後側で正面視右側に取付けられ内部に電源基板が収容されている電源基板ボックス930と、スピーカユニット920の後側に取付けられており内部にインターフェイス制御基板が収容されているインターフェイス制御基板ボックス940と、電源基板ボックス930及びインターフェイス制御基板ボックス940に跨って取付けられており内部に遊技球の払出しを制御する払出制御基板が収容された払出制御基板ボックス950と、を備えている。
パチンコ機1の遊技盤5は、図8及び図9等に示すように、遊技球が打込まれる遊技領域5aの外周を区画し球発射装置680から発射された遊技球を遊技領域5aの上部に案内する外レール1001及び内レール1002を有した前構成部材1000と、前構成部材1000の後側に取付けられると共に遊技領域5aの後端を区画する平板状の遊技パネル1100と、遊技パネル1100の後側の下部に取付けられており上方に開放された箱状の基板ホルダ1200と、基板ホルダ1200の後側に取付けられておりパチンコ機1の遊技を制御するための主制御基板を有している主制御ユニット1300と、遊技パネル1100の前側で遊技領域5a内に取付けられ遊技領域5a内に打込まれた遊技球を受入可能な複数の入賞口を有した表ユニット(図示は省略)と、基板ホルダ1200の上側で遊技パネル1100の後側に取付けられ遊技パネル1100を通して遊技者側から視認可能な液晶表示装置を有した裏ユニット(図示は省略)と、を備えている。
本実施形態のパチンコ機1は、上皿201に遊技球を貯留した状態で、遊技者がハンドルレバー504を回転操作すると、球発射装置680によってハンドルレバー504の回転角度に応じた強さで遊技球が遊技盤5の遊技領域5a内へ打込まれる。そして、遊技領域5a内に打込まれた遊技球が、図示しない入賞口に受入れられると、受入れられた入賞口に応じて、所定数の遊技球が払出装置830によって上皿201に払出される。この遊技球の払出しによって遊技者の興趣を高めることができるため、上皿201内の遊技球を遊技領域5a内へ打込ませることができ、遊技者に遊技を楽しませることができる。
[2.外枠の全体構成]
パチンコ機1の外枠2について、図10乃至図15を参照して説明する。図10はパチンコ機における外枠の正面図であり、図11は外枠の右側面図である。また、図12は外枠を前から見た斜視図であり、図13は外枠を後ろから見た斜視図である。図14は、外枠を分解して前から見た分解斜視図である。図15は(a)は外枠における外枠側上ヒンジ部材の部位を左枠部材を省略して下側から見た斜視図であり、(b)は(a)を分解して示す分解斜視図である。外枠2は、遊技ホール等のパチンコ機1が設置される島設備(図示は省略)に取付けられるものである。
外枠2は、図示するように、上下に離間しており左右に延びている上枠部材10及び下枠部材20と、上枠部材10及び下枠部材20の両端同士を連結しており上下に延びている左枠部材30及び右枠部材40と、を備えている。上枠部材10、下枠部材20、左枠部材30、及び右枠部材40は、前後の幅が同じ幅に形成されている。また、上枠部材10及び下枠部材20の左右の長さに対して、左枠部材30及び右枠部材40の上下の長さが、長く形成されている。また、外枠2は、上枠部材10及び下枠部材20の左右両端面と、左枠部材30及び右枠部材40の左右方向の外側を向いた側面とが、同一面となるように組立てられている。
また、外枠2は、上枠部材10の正面視左端部側に取付けられている外枠側上ヒンジ部材60と、外枠側上ヒンジ部材60の下面に取付けられているロック部材66と、幕板部材50の正面視左端側上部と左枠部材30とに取付けられている外枠側下ヒンジ部材70と、を備えている。外枠2の外枠側上ヒンジ部材60と外枠側下ヒンジ部材70とによって、本体枠4及び扉枠3を開閉可能に取付けることができる。
また、外枠2は、左枠部材30及び右枠部材40の下端同士を連結し下枠部材20の前側に取付けられる幕板部材50と、幕板部材50の後側に取付けられていると共に両端が左枠部材30及び右枠部材40に夫々取付けられる幕板補強部材80と、幕板部材50の上面における左右中央から左寄りの位置に取付けられている平板状の左滑り部材81と、幕板部材50の上面における右端付近の位置に取付けられている平板状の右滑り部材82と、を備えている。幕板補強部材80は、中実の部材(例えば、木材、合板、等)によって形成されており、下枠部材20、左枠部材30、及び右枠部材40に、取付けられている。
更に、外枠2は、上枠部材10と左枠部材30、上枠部材10と右枠部材40、下枠部材20と左枠部材30、及び下枠部材20と右枠部材40を、夫々連結している連結部材85を備えている。また、外枠2は、右枠部材40の内側(左側面側)に取付けられており後述する施錠ユニット700の外枠用鉤703が係止される上鉤掛部材90及び下鉤掛部材91を、備えている。
[2−1.上枠部材]
外枠2の上枠部材10は、所定厚さの無垢(中実)の材料(例えば、木材、合板、等)によって形成されている。この上枠部材10は、左右両端における前後方向の中央に、上下に貫通しており左右方向中央側へ窪んだ係合切欠部11を備えている。この係合切欠部11内には、連結部材85の後述する左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの上横固定部87が取付けられる。また、上枠部材10は、正面視左側端部の上面と前面に、一般面よりも窪んだ取付段部12を備えている。この取付段部12には、外枠側上ヒンジ部材60が取付けられる。
[2−2.下枠部材]
外枠2の下枠部材20は、所定厚さの無垢(中実)の材料(例えば、木材、合板、等)によって形成されている。この下枠部材20は、左右の長さ及び上下の厚さが、上枠部材10の左右の長さ及び上下の厚さと同じ寸法に形成されていると共に、前後の幅が、上枠部材10の前後の幅よりも長く形成されている。下枠部材20は、左右両端における前後方向の中央よりも後側寄りの位置に、上下に貫通しており左右方向中央側へ窪んだ係合切欠部21を備えている。この係合切欠部21内には、連結部材85の後述する左下連結部材85C及び右下連結部材85Dの下横固定部88が取付けられる。
また、下枠部材20は、左右両端の前面から後方へ窪んだ前端切欠部22を備えている。下枠部材20において、前端切欠部22の後端から下枠部材20の後面までの前後方向の幅が、上枠部材10の前後方向の幅と同じ寸法に形成されている。この下枠部材20は、外枠2に組立てた状態で、左右の前端切欠部22同士の間の部位が、幕板部材50内に挿入される。
[2−3.左枠部材及び右枠部材]
外枠2の左枠部材30及び右枠部材40は、一定の断面形状で上下に延びており、アルミ合金等の金属の押出形材によって形成されている。左枠部材20及び右枠部材40は、平面視において互いに対称の形状に形成されている。左枠部材30及び右枠部材40は、外枠2として組立てた時に、左右方向の外側となる側面において、前後方向中央に対して後寄りの位置から後端付近までの間に、内側へ窪んだ凹部31,41と、凹部31,41の反対側の側面から膨出しており内部が空洞に形成されている突出部32,42と、を備えている。この左枠部材30及び右枠部材40は、突出部32,42によって、強度・剛性が高められている。また、突出部32,42内には、連結部材85の後述する左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの後側の下横固定部88が挿入されて取付けられる。
また、左枠部材30及び右枠部材40は、表面に上下に延びた複数の溝が形成されている。この複数の溝によって、パチンコ機1を遊技ホール等の島設備に設置したり運搬したりする等の際に、作業者の指掛りとなってパチンコ機1を持ち易くすることができると共に、パチンコ機1の外観の意匠性を高めることとができる。
[2−4.幕板部材]
外枠2の幕板部材50は、後側が開放された箱状に形成されている。幕板部材50は、上面における正面視左端付近に後方へ平板状に延出している後方延出部51と、後方延出部51の左端から遊技球が通過可能な大きさでU字状に切欠かれており上下に貫通している左排出孔52と、後方延出部51における左排出孔52の右側において遊技球が通過可能な大きさで上下に貫通している右排出孔53と、後方延出部51の後端を含む幕板部材50の上面の後端から上方へ平板状に延出している立壁部54と、立壁部54の上端付近から前方へ膨出しており前面が上方へ向かうに従って後方へ向かうように傾斜している返し部55と、を備えている。
幕板部材50は、後方延出部51の前側の上面と、後方延出部51の上面とに、外枠側下ヒンジ部材70が載置されるように、外枠側下ヒンジ部材70の後述する水平部71が取付けられる。また、幕板部材50の左排出孔52は、外枠2に組立てた状態で外枠側下ヒンジ部材60の後述する排出孔74と一致する位置に形成されている。また、右排出孔53は、外枠に組立てた状態で外枠側下ヒンジ部材60よりも右側となる位置に形成されている。右排出孔53は、左排出孔52よりも大きく形成されている(図18等を参照)。
また、幕板部材50は、後方延出部51よりも右側の上面が、前端側が低くなるように傾斜している。また、幕板部材50は、上面における後方延出部51よりも右側の部位に左滑り部材81を取付けるための左取付部56と、上面における右端付近に右滑り部材82を取付けるための右取付部57と、を備えている。幕板部材50は、上面に、左滑り部材81及び右滑り部材82を介して本体枠3の下面が載置される。
この幕板部材50は、図示するように、前面に浅いレリーフ状の装飾が形成されている。また、幕板部材50は、図示は省略するが、箱状の内部が複数のリブによって格子状に仕切られており、強度・剛性が高められている。また、幕板部材50は、幕板補強部材80の前側半分を、内部に収容可能に形成されている。
[2−5.外枠側上ヒンジ部材]
外枠2の外枠側上ヒンジ部材60は、図示するように、水平に延びた平板状で外形が四角形の上固定部61と、上固定部61の前端から前方へ延出している平板状の前方延出部62と、前方延出部62の右端から前方へ向かうに従って前方延出部62の左右中央へ延びており上下に貫通している軸受溝63と、上固定部61の平面視左辺から下方へ延びている平板状の横固定部64と、前方延出部62の左端から前端を周って軸受溝63が開口している部位までの端辺から下方へ延びており横固定部64と連続している平板状の垂下部65と、を備えている(図15(b)等を参照)。
外枠側上ヒンジ部材60は、外枠2が組立てられた状態で、上固定部61が、上枠部材10の取付段部12の上面に載置されており、図示しないビスによって固定されている。
また、前方延出部62は、上枠部材10の前端よりも前方へ延出している。また、横固定部64は、左枠部材30の外側側面の凹部31内に上側から挿入された状態で、ビスによって左枠部材30に固定されている。
この外枠側上ヒンジ部材60は、軸受溝63内に本体枠側上ヒンジ部材620の本体枠上ヒンジピン622を挿入させることで、外枠側下ヒンジ部材70と協働して本体枠4を開閉可能に支持することができる。この外枠側上ヒンジ部材60は、金属板をプレス成型により屈曲させて形成されている。
[2−6.ロック部材]
外枠2のロック部材66は、図15に示すように、左右が所定幅で前後に延びている帯板状のロック本体66aと、ロック本体66aの後端から右方へ突出している操作部66bと、ロック本体66aの後端から左方へ延びた後に斜め左前方へ延びている弾性変形可能な棒状の弾性部66cと、ロック本体66aの後端付近で上下に貫通している取付孔66dと、を備えている。このロック部材66は、合成樹脂によって形成されている。ロック部材66は、取付ビス67によって、外枠側上ヒンジ部材60における前方延出部62の下面に回動可能に取付けられる。
このロック部材66は、取付孔66dを通して、ロック本体66aの後端が、外枠側上ヒンジ部材60の前方延出部62における軸受溝63よりも後側の位置に取付けられる。
また、ロック部材66を外枠側上ヒンジ部材60に取付けた状態では、ロック本体66aが、平面視で軸受溝63を遮ることができると共に、前端付近の右側面が、外枠側上ヒンジ部材60の垂下部65における軸受溝63の開口まで延びている部位と当接可能となるように前方へ延びている(図17を参照)。
また、ロック本体66aの後端から左方へ延びている弾性部66cの先端は、外枠側上ヒンジ部材60における垂下部65の内周面に当接している。このロック部材66は、弾性部66cの付勢力によって取付孔66dを中心に、前端が左方へ回動する方向に付勢されている。従って、通常の状態では、ロック部材66のロック本体66aの前端付近の右側面が、垂下部65に当接している(図17を参照)。この状態では、軸受溝63におけるロック本体66aよりも前側の部位に、本体枠側上ヒンジ部材620の後述する本体枠上ヒンジピン622を収容可能な空間が形成される。
このロック部材66は、操作部66bを操作することで、弾性部66cの付勢力に抗してロック本体66aを回動させることができる。そして、操作部66bの操作によって、ロック本体66aを、その前端が左方へ移動する方向へ回動させることで、平面視において軸受溝63からロック本体66aを後退させることができ、軸受溝63が全通している状態とすることができる。これにより、軸受溝63内に本体枠上ヒンジピン622を挿入したり、軸受溝63内から本体枠上ヒンジピン622を外したりすることができる。
[2−7.外枠側下ヒンジ部材]
外枠2の外枠側下ヒンジ部材70は、図示するように、水平に延びている平板状の水平部71と、水平部71の左辺において前後方向中央よりも後側の部位から上方へ立上がっている平板状の立上り部72と、水平部71の前端付近から上方へ突出している外枠下ヒンジピン73と、水平部71を上下に貫通しており遊技球が一つのみ通過可能な大きさの排出孔74と、を備えている。この外枠側下ヒンジ部材70は、金属板をプレス成型により屈曲させて形成されている。
外枠側下ヒンジ部材70の水平部71は、平面視において、左辺を底辺とした台形に形成されている。外枠下ヒンジピン73は、円柱状で、上下方向中央よりも上部が、上端が窄まった円錐台状に形成されている。この外枠下ヒンジピン73は、水平部71の前端付近における左寄りの位置に取付けられている。排出孔74は、水平部71において、立上り部72の前後方向中央の部位と接し、水平部71の左辺から右方へ逆U字状に延びるように形成されている。この排出孔74は、幕板部材50の左排出孔52と、略同じ大きさに形成されている。
外枠側下ヒンジ部材70は、外枠2が組立てられた状態では、水平部71が、幕板部材50の左端付近の上面と後方延出部51上に載置されており、水平部71が、幕板部材50の上面を貫通する図示しないビスによって幕板補強部材80に固定されている。また、外枠2が組立てられた状態では、立上り部72が、左枠部材30の内側側面における突出部32よりも前側の部位に、図示しないビスによって取付けられている。この外枠側下ヒンジ部材70は、外枠下ヒンジピン73を、本体枠4の本体枠側下ヒンジ部材640における本体枠用下ヒンジ孔(図示は省略)に挿通させることで、外枠側上ヒンジ部材60と協働して本体枠4を開閉可能に取付けることができる。
また、外枠2が組立てられた状態では、排出孔74が、幕板部材50の左排出孔52と一致している。これにより、水平部71上の遊技球を、排出孔74及び左排出孔52を通して、幕板部材50の後側へ落下(排出)させることができる。詳述すると、外枠2に対して本体枠4を閉じる時に、外枠2と本体枠4との間に落下した遊技球が、本体枠4が閉じられるのに従って、外枠2と本体枠4との間が徐々に狭くなることから、間隔が広い後方側へ転動とすることとなり、排出孔74から排出させることができる。この際に、排出孔74が、パチンコ機1に組立てた状態で、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、本体枠4の後端と略同じとなる位置に形成されているため、外枠2と本体枠4との間に落下した遊技球を、排出孔74から排出させることで本体枠4よりも後側へ転動するのを阻止し易くすることができ、外枠側下ヒンジ部材70の部位に遊技球が留まり難くすることができる。
[2−8.連結部材]
外枠2の連結部材85は、上枠部材10と左枠部材30とを連結する左上連結部材85Aと、上枠部材10と右枠部材40とを連結する右上連結部材85Bと、下枠部材20と左枠部材30とを連結する左下連結部材85Cと、下枠部材20と右枠部材40とを連結する右下連結部材85Dと、がある。
連結部材85は、水平に延びた平板状の水平固定部86と、水平固定部86の左右側辺の何れか一方から上方へ延出している平板状の上横固定部87と、水平固定部86における上横固定部87が延出している部位と同じ側から下方へ延出している平板状の下横固定部88と、を備えている。この連結部材85は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
左上連結部材85A及び右上連結部材85Bでは、水平固定部86の前後方向の中央から上横固定部87が上方へ延出していると共に、上横固定部87の前後両側から下横固定部88が下方へ延出している。つまり、左上連結部材85A及び右上連結部材85Bでは、下横固定部88が前後に離間して二つ備えられている。左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの水平固定部86は、上枠部材10の下面に当接した状態で上枠部材10に固定される。また、左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの上横固定部87は、上枠部材10の係合切欠部11内に挿入されて、上枠部材10の左右方向の端部に固定される。また、左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの前側の下横固定部88は、左枠部材30又は右枠部材40突出部32,42よりも前側の内側側面に固定される。更に、左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの後側の下横固定部88は、左枠部材30又は右枠部材40突出部32,42内に挿入されて外側側面から捩じ込まれるビスにより左枠部材30又は右枠部材40に固定される。
左下連結部材85C及び右下連結部材85Dでは、上横固定部87の後端が、水平固定部86の後端よりも後方へ突出していると共に、上横固定部87の水平固定部86よりも後方へ突出している部位の下端から下横固定部88が水平固定部86よりも下方へ延出している。また、左下連結部材85C及び右下連結部材85Dでは、上横固定部87の後端から水平固定部86と同じ側へ突出している屈曲部89を更に備えている。左下連結部材85C及び右下連結部材85Dの水平固定部86は、下枠部材20の上面に当接した状態で固定される。また、左下連結部材85C及び右下連結部材85Dの上横固定部87は、左枠部材30又は右枠部材40の突出部32,42よりも前側の内側側面に固定される。
更に、左下連結部材85C及び右下連結部材85Dの下横固定部88は、下枠部材20の係合切欠部21内に挿入されて下枠部材20の左右方向の端部面に固定される。
[2−9.外枠側上ヒンジ部材のロック機構]
次に、本実施形態のパチンコ機1の外枠2において、外枠側上ヒンジ部材60におけるロック部材66による本体枠4の本体枠側上ヒンジ部材620に対するロック機構について、図16及び図17を参照して説明する。図16は(a)は外枠の外枠側上ヒンジ部材に対して本体枠の本体枠側上ヒンジ部材が取外されている状態を拡大して示す斜視図であり、(b)は外側上ヒンジ部材に本体側上ヒンジ部材が取付けられている状態を拡大して示す斜視図である。図17は外枠におけるロック部材の作用を示す説明図である。
外枠2におけるロック部材66は、外枠側上ヒンジ部材60の前方延出部62に取付けた状態(通常の状態)では、弾性部66cの先端が垂下部65の内周面と当接しており、ロック本体66aがく字状に屈曲した軸受溝63の一部を閉塞するようになっていると共に、ロック本体66aの先端部分が、軸受溝63の最深部分を閉塞した状態とはならず、軸受溝63の最深部分に本体枠4の本体枠側上ヒンジ部材620の本体枠上ヒンジピン622を挿入可能な空間が形成された状態となっている。
本実施形態における外枠側上ヒンジ部材60とロック部材66とを用いた本体枠上ヒンジピン622の支持機構は、本体枠上ヒンジピン622が軸受溝63の最深部分に挿入されてロック本体66aの前端の右側面が、右側の垂下部65と接近している状態(この状態ではロック本体66aの前端の右側面と右側の垂下部65との間に僅かな隙間があり当接した状態となっていない)である通常の軸支状態においては、屈曲している軸受溝63の最深部分に位置する本体枠上ヒンジピン622とロック本体63の前端面との夫々の中心が斜め方向にずれて対向した状態となっている。
そして、この通常の軸支状態においては、重量のある本体枠4を軸支している本体枠上ヒンジピン622が軸受溝63の前端部分に当接した状態となっているので、本体枠上ヒンジピン622からロック部材66aの前端面への負荷がほとんどかかっていない。つまり、ロック部材66の弾性部66cに対し負荷がかかっていない状態となっている。なお、ロック本体66aの前端面が円弧状に形成されているため、ロック部材66を回動させるために操作部66bを回動操作した時に、ロック部材66がスムーズに回動するようになっている。また、図示では、ロック本体66aの前端面の円弧中心が、取付孔66dの中心(ロック部材66の回転中心)とされている。
従って、本体枠上ヒンジピン622がく字状に形成された軸受溝63の傾斜に沿って抜ける方向に作用力Fがかかって、ロック本体66aの円弧状の前端面に当接したとき、その作用力Fを、本体枠上ヒンジピン622と円弧状の前端面との当接部分に作用する分力F1(ロック本体66aの前端面の円弧の法線方向)と、本体枠上ヒンジピン622と軸受溝63の一側内面との当接部分に作用する分力F2と、に分けたときに、分力F1の方向が取付孔66d(取付ビス67)の中心(ロック部材66の回転中心)を向くため、ロック部材66のロック本体66aの前端が、右側の垂下部65から離れる方向に回転させるモーメントが働かず、本体枠上ヒンジピン622がロック部材66のロック本体66aの前端部と軸受溝63の一側内面との間に挟持された状態が保持される。
このため、通常の軸支状態、或は、本体枠上ヒンジピン622の作用力がロック部材66にかかった状態でも、ロック部材66の弾性部66cに常時負荷がかからず、合成樹脂で一体形成される弾性部66cのクリープによる塑性変形を防止し、長期間に亘って本体枠上ヒンジピン622の軸受溝63からの脱落を防止することができる。なお、仮に無理な力がかかってロック部材66のロック本体66aの前端部が右方へ移動する方向へ回転させられても、ロック本体66aの前端右側面が垂下部65に当接してそれ以上回転しないので、ロック部材66が前方延出部62の外側にはみ出ないようになっている。
なお、ロック本体66aの前端面の形状は円弧状でなくても、上記した分力F1の作用により回転モーメントが生じない位置又はロック部材66をその前端部が前方突出部62の外側に向って回転させる回転モーメントが生ずる位置にロック部材66の回転中心(取付ビス67により固定される軸)を位置させることにより、常時ロック部材66の弾性部66cに対しても負荷がかかることはないし、ロック部材66が回転してもロック本体66aの前端の右側面が垂下部65に当接するだけであるため、ロック部材66が前方延出部62の外側にはみ出ることもない。
外枠側上ヒンジ部材60の軸受溝63に、本体枠側上ヒンジ部材620の本体枠上ヒンジピン622を支持させる場合は、軸受溝63の開放されている側から軸受溝63内に本体枠上ヒンジピン622を挿入する。軸受溝63内に本体枠上ヒンジピン622を挿入すると、ロック部材66のロック本体66aの右側面に本体枠上ヒンジピン622が当接し、弾性部66cの付勢力に抗してロック本体66aの前端が左方へ移動するようにロック部材66が取付ビス67を中心に回動する。これにより、軸受溝63を閉鎖していたロック本体66aが後退して軸受溝63が開放され、軸受溝63の最深部(前端)へ本体枠上ヒンジピン622を移動させることができるようになる。
そして、軸受溝63の最深部に本体枠上ヒンジピン622を移動させると、本体枠上ヒンジピン622とロック部材66のロック本体66aとの当接が解除され、弾性部66cの付勢力によってロック本体66aの前端が右方へ移動するようにロック部材66が回動し、ロック部材66が通常の状態に復帰する。これにより、本体枠上ヒンジピン622が、軸受溝63内におけるロック本体66aの前端よりも前側の空間に収容された状態となり、本体枠上ヒンジピン622が、軸受溝63の最深部において回動可能な状態で保持(ロック)された状態となる。
軸受溝63内から本体枠上ヒンジピン622を取外す場合は、ロック部材66の操作部66bを操作して、ロック本体66aの前端が左方へ移動するようにロック部材66を回動させ、弾性部66cの付勢力に抗して軸受溝63からロック本体66aを後退させる。
これにより、軸受溝63の最深部と開口部とが連通した状態となり、軸受溝63から本体枠上ヒンジピン622を取外すことができる。
[2−10.外枠側下ヒンジ部材の部位における防犯機構と球噛み防止機構]
本実施形態のパチンコ機1における外枠2の外枠側下ヒンジ部材70の部位における防犯機構と外枠2と本体枠4との間に遊技球が挟まれるのを防止するための球噛み防止機構について、図18及び図19を参照して説明する。図18(a)は図1におけるA−A断面図であり、(b)は(a)において外枠に対して扉枠と共に本体枠を開いた状態を示す断面図である。図19(a)は外枠側下ヒンジ部材の部位に誘導羽根を備えて外枠に対して本体枠を開いた状態で示す説明図であり、(b)は(a)の実施形態において外枠に対して本体枠を閉じた状態で示す説明図であり、(c)は(a)及び(b)とは異なる実施形態の誘導羽根を備えて外枠に対して本体枠を開いた状態で示す説明図であり、(d)は(c)の実施形態において外枠に対して本体枠を閉じた状態で示す説明図である。
外枠2は、組立てた状態では、幕板部材50の上面における正面視左端部に外枠側下ヒンジ部材70が取付けられている。外枠側下ヒンジ部材70の水平部71は、幕板部材50の上面の左端付近と後方延出部51の上面とに載置された状態で取付けられている。この幕板部材50には、上面の後端から上方へ立上がっている立壁部54を備えている。これにより、外枠側下ヒンジ部材70と本体枠側下ヒンジ部材640との間の隙間を通して、本体枠4(パチンコ機1)の後側へピアノ線等の不正な工具を侵入させようとしても、不正な工具の先端が幕板部材50の上面の後端から上方へ延出している立壁部54に当接するため、不正な工具がこれ以上後側へ挿入されるのを阻止することができ、外枠側下ヒンジ部材70の部位を介して不正行為が行われるのを防止することができる。
また、立壁部54の上端に、前方へ延出している返し部55を備えているため、立壁部54に当接した不正な工具が上方へ曲がった場合、返し部55によって不正な工具の先端を更に前方へ折返させることができるため、本体枠4の後側に不正な工具が侵入させられるのを阻止することができ、外枠側下ヒンジ部材70の部位を介して不正行為が行われるのを確実に阻止することができる。
ところで、幕板部材50の上面の後端に上方へ延出している立壁部54を備えるようにした場合、図18(b)に示すように、外枠2に対して本体枠4を開いている状態で、遊技球が外枠側下ヒンジ部材70(水平部71)上に落下した場合、水平部71上の遊技球が、立壁部54の存在によって水平部71の後端から後方へ排出されないため、外枠2と本体枠4との間に挟まれてしまう虞がある。これに対して、本実施形態では、外枠側下ヒンジ部材70の水平部71と、幕板部材50の後方延出部51とに、遊技球が通過可能な排出孔74、右排出孔52、及び左排出孔53を備えているため、外枠側下ヒンジ部材70の水平部71上の遊技球を、排出孔74等から下方へ排出することができ、外枠2と本体枠4との間に遊技球が挟まれるのを低減させることができる。
従って、外枠2と本体枠4との間に遊技球が挟まれることで、外枠側下ヒンジ部材70の周りが破損したり、本体枠4が正常な状態で閉まらずに外枠2と本体枠4との間に隙間ができてしまい、その隙間を使って不正行為が行われてしまったりするのを防止することができる。
また、本実施形態では、上記の構成に加えて、外枠2に対して本体枠4を開いている時に、外枠側下ヒンジ部材70上に落下した遊技球を、排出孔74等から排出させ易くするために、図19に示すように、外枠2や本体枠4に、遊技球を排出孔74等へ誘導する誘導羽根95,96を、備えるようにしても良い。
具体的に説明すると、図19(a)及び(b)に示す誘導羽根95は、先端が本体枠4よりも外側へ突出しており、基端側が本体枠4における左側面の後端付近の下側で上下に延びた軸周りに回動可能に取付けられており、棒状に形成されている。この誘導羽根95は、図示しないバネによって、平面視において反時計回りの方向へ回動するように付勢されている。そして、誘導羽根95は、図19(a)に示すように、外枠2に対して本体枠4を開いた状態で、先端が本体枠4の左側面に対して直角よりもやや後方へ斜めに突出した状態となるように、反時計回りの方向への回動端が規制されている。従って、誘導羽根95は、この状態からは、バネの付勢力に抗することで、先端側が後方へ移動するように回動することができる。
外枠2に対して本体枠4を開いている状態から、本体枠4を閉じる方向へ回動させると、誘導羽根95の先端が外枠側下ヒンジ部材70の立上り部72の右側面に当接し、誘導羽根95が図示しないバネの付勢力に抗して基端側を中心に先端が後方へ移動する方向(平面視において時計回りの方向)に回動する。そして、本体枠4を更に閉じる方向へ回動させると、誘導羽根95が本体枠4から後方へ突出しているような状態へ更に回動し、誘導羽根95が邪魔することなく外枠2に対して本体枠4を閉じることができる(図19(b)を参照)。
外枠2に対して本体枠4を閉じる際に、外枠側上ヒンジ部材70の水平部71上に遊技球が落下した場合、本体枠4の後端から誘導羽根95が斜め左後方へ突出しているため、外枠2と本体枠4との間に落下した遊技球を、本体枠4の左側面と誘導羽根95とによって右側へ寄せることができ、本体枠4の後側へ遊技球が転動していってしまうのを抑制することができると共に、遊技球を右側へ寄せることで排出孔74へ誘導することができ、排出孔74から遊技球を排出させることができる。従って、外枠2と本体枠4との間に遊技球が挟まれるのを防止することができる。
なお、外枠2に対して本体枠4を開く時には、誘導羽根95が図示しないバネの付勢力によって、平面視において反時計回りの方向に、図19(a)の位置の状態まで回動する。従って、本実施形態の誘導羽根95は、本体枠4の開閉動作に伴って回動(可動)するものである。
一方、図19(c)及び(d)に示す誘導羽根96は、図示するように、両端が外枠2と本体枠4とに取付けられており、外枠2に対して本体枠4を開けている時には扇状に展開されると共に後方へ向かって低くなるように傾斜し、外枠2に対して本体枠4を閉めた時には折り畳まれる扇形の蛇腹状に形成されている。この誘導羽根96は、上記の誘導羽根95と同様に、本体枠4の開閉動作に伴って可動する。
この誘導羽根96は、外枠2に対して本体枠4を開いている時に、外枠側下ヒンジ部材70上へ遊技球が落下すると、外枠2と本体枠4との間で展開されている誘導羽根96によって、落下してきた遊技球を本体枠4よりも後側へ転動させて誘導することができ、本体枠4の後側で開口している排出孔74や右排出孔53から遊技球を下方へ排出することができる。従って、この誘導羽根96によっても、外枠2と本体枠4との間に遊技球が挟まれるのを防止することができる。
本実施形態によれば、誘導羽根95,96によって、水平部71上の遊技球を排出孔74へ誘導させることができるため、排出孔74を大きくしなくても遊技球を排出孔74から排出させることができ、水平部71を貫通している孔(排出孔74)が大きくなることで外枠側下ヒンジ部材70の強度が低下してしまうのを抑制することができる。従って、外枠2と本体枠4との間に不正行為を行うための工具が差し込まれても、外枠側下ヒンジ部材70が十分な強度を有しているため、外枠側下ヒンジ部材70が歪み難く、外枠側下ヒンジ部材70の部位で隙間が形成されてしまうのを抑制することができ、不正行為が行われるのを防止することができる。
[3.扉枠の全体構成]
パチンコ機1の扉枠3について、図20乃至図26を参照して説明する。図20はパチンコ機における扉枠の正面図であり、図21は扉枠の背面図である。図22は扉枠を右前から見た斜視図であり、図23は扉枠を左前から見た斜視図であり、図24は扉枠を後ろから見た斜視図である。図25は扉枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図26は扉枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
扉枠3は、正面視の外形が四角形で枠状の扉枠ベースユニット100と、扉枠ベースユニット100の前面下部に取付けられる皿ユニット200と、扉枠ベースユニット100の前面上部に取付けられるトップユニット350と、扉枠ベースユニット100の前面左部に取付けられる左サイドユニット400と、扉枠ベースユニット100の前面右部に取付けられる右サイドユニット450と、扉枠ベースユニット100の前面右下部に皿ユニット200を貫通して取付けられるハンドルユニット500と、を備えている。
また、扉枠3は、扉枠ベースユニット100の後面下部に取付けられるファールカバーユニット520と、扉枠ベースユニット100の後面下部に取付けられる球送りユニット540と、扉枠ベースユニット100の後面に取付けられ貫通口111を閉鎖するガラスユニット560と、ガラスユニット560の後面下部を覆う防犯カバー580と、を備えている。
扉枠3の扉枠ベースユニット100は、図25及び図26に等に示すように、外形が縦長の長方形で前後に貫通している貫通口111を有した板状の扉枠ベース110と、扉枠ベース110の前面で正面視右下隅に取付けられておりハンドルユニット500を取付けるための筒状のハンドル取付部材120と、扉枠ベース110の後側に取付けられている枠状の補強ユニット130と、補強ユニット130の正面視左端側の上下両端に取付けられており前方へ突出して本体枠4の本体枠側上ヒンジ部材620及び本体枠側下ヒンジ部材640に回転可能に取付けられる扉枠側上ヒンジ部材140及び扉枠側下ヒンジ部材150と、扉枠ベース110の後側に回動可能に取付けられておりガラスユニット560を着脱可能に取付けるためのガラスユニット取付部材160と、を備えている。
扉枠3の皿ユニット200は、詳細は後述するが、上下に列設されており前方へ膨出しており遊技球を貯留可能な上皿201及び下皿202と、上皿201及び下皿202が取付けられていると共に扉枠ベースユニット100の前面に取付けられる板状の皿ユニットベース210と、上皿201の前側で皿ユニットベース210に取付けられ画像を表示可能な上皿液晶表示装置244、遊技者が操作可能なタッチパネル246及び上皿演出ボタン257を有している演出操作ユニット220と、上皿201及び下皿202を前側から覆う皿ユニットカバー260と、正面視上皿201の右側に配置されており遊技状態に応じて回転する扉右下回転体270Aを有している扉右下演出ユニット270と、扉右下演出ユニット270を前側から覆う透明な演出ユニットカバー300と、上皿201に貯留されている遊技球を下皿202へ抜くための上皿球抜きユニット310と、下皿202に貯留されている遊技球を下方へ抜くための下皿球抜きユニット320と、遊技ホールの島設備においてパチンコ機1と隣接して配置される球貸機(図示は省略する。CRユニットとも称す)を操作するための球貸操作ユニット330と、皿ユニットベース210の上部に取付けられており発光装飾可能な上皿トップ装飾部材340と、を主に備えている。
扉枠3のトップユニット350は、図25及び図26等に示すように、扉枠ベースユニット100の前面において上辺に沿って取付けられる一部が透光性を有したユニットベース360と、ユニットベース360の前面で左右の中央に取付けられており前方へ膨出している透光性を有したトップ装飾部材370と、トップ装飾部材370内に取付けられており高音域のサウンドを出力するトップスピーカ(図示は省略)と、ユニットベース360の後側に取付けられており前面に複数のLEDが取付けられている扉枠上装飾基板380と、を備えている。
扉枠3の左サイドユニット400は、図25及び図26等に示すように、扉枠ベースユニット100の前面で貫通口111の左側外周縁に沿って取付けられる平板状のユニットベース410と、ユニットベース410の前面に取付けられており上端がトップユニット350のトップ装飾部材370の左端まで延びている透光性を有した左サイド装飾部材420と、左サイド装飾部材420の前側で正面視扉枠3の左上隅となる位置に取付けられており左スピーカ(図示は省略)を有した左スピーカユニット430と、ユニットベース410の後側に取付けられており前面に複数のLEDが取付けられた扉枠左装飾基板440と、を備えている。
扉枠3の右サイドユニット450は、図25及び図26等に示すように、扉枠ベースユニット100の前面で貫通口111の右側外周縁に沿って取付けられる平板状のユニットベース410と、ユニットベース410の前側に取付けられており上端がトップユニット350のトップ装飾部材370の右端まで延びている透光性を有した右サイド装飾部材470と、右サイド装飾部材470の前面で正面視扉枠3の右上隅となる位置に取付けられており右スピーカ(図示は省略)を有した右スピーカユニット480と、ユニットベース410と右サイド装飾部材470との間に取付けられており前面に複数のLEDが取付けられた扉枠右装飾基板(図示は省略)と、を備えている。
扉枠3のハンドルユニット500は、図25及び図26等に示すように、扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材120に取付けられるハンドル本体502と、ハンドル本体502に回動可能に取付けられており遊技者が回動操作可能なハンドルレバー504と、ハンドルレバー504の前側からハンドル本体502に取付けられておりハンドル本体502と協働してハンドルレバー504を回動可能に支持しているハンドルカバー506と、を備えている。また、ハンドルユニット500は、図示は省略するが、ハンドル本体502内に取付けられておりハンドルレバー504の回転角度を検知するハンドル操作センサと、ハンドル本体502に取付けられており遊技者が操作可能なストップボタンと、ハンドル本体502内に取付けられており遊技者とハンドルレバー504との接触を検知する接触検知センサと、を備えている。
扉枠3のファールカバーユニット520は、図25、図26、及び図55乃至図57等に示すように、扉枠ベースユニット100の後側に取付けられ前側が開放された浅い箱状のユニット本体522と、ユニット本体522の前面に取付けられている平板状の蓋部材524と、を主に備えている。ファールカバーユニット520は、正面視左上隅において前後に貫通しており本体枠4の下部満タン球経路ユニット860の通常誘導路と皿ユニット200の上皿球供給口210aとを連通させる貫通球通路526と、貫通球通路526の正面視右側で後方へ向かって開口しており本体枠4の下部満タン球経路ユニット860の満タン誘導路と連通可能な満タン球受口528と、満タン球受口528の正面視右側で上方へ向かって開口しており本体枠4の球発射装置680により発射されにも関わらず遊技領域5a内へ到達しなかった遊技球(ファール球)を受けるファール球受口530と、正面視右下隅で前方へ向かって開口しており満タン球受口528及びファール球受口530に受入れられた遊技球を放出すると共に皿ユニット200の下皿球供給口210cと連通する球放出口532と、を備えている。
扉枠3の球送りユニット540は、図25及び図26等に示すように、左右に延びており後側が開放された箱状のユニット本体542と、ユニット本体542の後側に取付けられており前側が開放された箱状でファールカバーユニット520の正面視右側で扉枠ベースユニット100の後側に着脱可能に取付けられるユニットカバー544と、前方へ向かって開口しており皿ユニット200の上皿201に貯留されている遊技球が進入する球進入口546と、球進入口546に進入した遊技球を放出可能とされており後方へ向かって開口している球放出口548と、球進入口546に進入した遊技球を排出可能とされており球進入口546の下側で前方へ向かって開口している球排出口550と、を備えている。また、球送りユニット540は、図示は省略するが、球進入口546から進入した遊技球を一つずつ球放出口548から放出させるための球送りソレノイドと、球進入口546から進入した遊技球を球放出口548側又は球排出口550側の何れかに切換える切換機構と、を備えている。
扉枠3のガラスユニット560は、図25及び図26等に示すように、扉枠ベースユニット100の貫通口111よりも大きい枠状のユニット枠562と、ユニット枠562の前後両側に取付けられておりユニット枠562の枠内を閉鎖する一対のガラス板564と、を備えている。
(扉枠の第1実施形態)
[左・右張出しパネル]
本実施例における扉枠3は、図215に示すように、当該扉枠3の前側において、遊技領域5aを挟むようにその左右両側に、遊技者側に突出する一対のサイド張出し(左張出しパネル490、右張出しパネル491)が設けられている。
本例のサイド張出しは中空構造となっており、内部に、その遊技機の機種に対応する装飾意匠が描かれたシート(図示しない)を入れることができる。また、左張出しパネル490は、左外面用窓部490aと、左内面用窓部490bとを有している。
また、特許請求の範囲に記載の「張出し部」は、明細書中の「サイド張出し」が該当する。
また、図217に示すように、左外面用窓部490aに対応する左外面用収容部492に、左張出しパネル490の上部に形成される左外面用シート挿入口493から所定の形状のシートを入れることで、左張出しパネル490の外側からシートが視認可能となる。また、左内面用窓部490bに対応する左内面用収容部497に、左張出しパネル490の上部に形成される左内面用シート挿入口498から所定の形状のシートを入れることで、左張出しパネル490の内側からシートが視認可能となっている。また、左張出しパネル490の上部には、左外面用シート挿入口493および左内面用シート挿入口498を開閉するための蓋部499が設けられている。図217(A)は、蓋部499が開状態となっている状態を示しており、図217(B)は、蓋部499が閉状態となっている状態を示しており、蓋部499が開状態になることで、左外面用シート挿入口493および左内面用シート挿入口498に対してシートの挿入および抜出が可能となる。この蓋部の開閉は、上下スライド式となっており、外部から手動で開閉(スライド)するようにしてもよいし、遊技者による開放を禁止するために後述する周辺制御基板による駆動制御によって開閉(スライド)するようにしてもよいその場合、扉枠3の裏面に配置されている操作部(後述)に、蓋部499に係る開閉スイッチに対する操作が検出されることにより開状態または閉状態となる構成となっている。なお、図示しないが、左張出しパネル490の内部には、左外面用収容部492に挿入されたシートを照らす複数のLEDが配置されるLED基板Aと、左内面用収容部497に挿入されたシートを照らす複数のLEDが配置されるLED基板Bとが設けられている。また、右張出しパネル491も左張出しパネル490と同じように右外面用窓部491aと、右内面用窓部491bと、各窓部に対応する収容部およびシート挿入口、各種のLED基板を有している。
上記構成により、例えば新台入れ替えなどで、遊技盤を交換することになっても、シートを新しく設置された遊技盤に対応するものに交換するだけでその遊技機特有のサイド張出しとすることが可能となっており、遊技盤を交換する度にサイド張出しを全て交換する必要がなく、低コストでサイド張出しの装飾を一新することができる。さらに、サイド張出しは外部からシートが視認可能な構造になっている。これにより、遊技ホールにいる遊技客が遊技機の正面に移動しなくとも、例えばパチンコ機1が設置されている島の入り口から眺めれば、一目でパチンコ機1が何処に設置されているかがわかるようになっているほか、サイド張出しを備えていない遊技機と比較して、サイド張出しが前方に突出している分宣伝効果が高く、パチンコ機1を選択する可能性が向上するものとなっている。
更に、図218に示すように、サイド張出しの外側と内側とに夫々別の装飾を有するシートを入れることが可能であるため、島設備を通路に沿って見通した際に、角度によっては右外面窓部491aと左内面用窓部490bに配置されたシートが横並びとなるため、右外面窓部491aと左内面用窓部490b夫々に描かれた「星」を模した絵柄の描かれたシートが組み合わさり、一枚の絵柄として見えることから、片方のシートを見るよりシートに施された意匠の迫力が増し、宣伝効果をより高めることが可能となっている。
更に、遊技ホールの島設備に複数のパチンコ機1が並置されている場合、多数のサイド張出しがのぼりのように並んで見え、壮観を呈する。サイド張出しの前記各窓部に対応する収容部に「星」を模した絵柄の描かれたシートを挿入することによって、島設備を通路に沿って見通した際、複数のサイド張出しに挿入されたシートが横並びとなり、一枚の大きな星空のような模様が描かれているように見える。これにより、パチンコ機1を複数並置した島設備全体が、ホール客の目に留まりやすく、他の遊技機よりもパチンコ機1が選択される可能性が向上する装飾性を有した構成とすることができる。
本例のサイド張出しは、扉枠3に対して移動(動作)可能とする可動手段(後述する)を備え、移動前と移動後とで、サイド張出しの有する機能や効果を異ならせるものとしている。可動の種類としては、スライド移動、回転移動などが挙げられるが、本例では、サイド張出しが上下方向にスライド移動する構成となっており、図215に示すように、サイド張出しが下方向にスライドしている状態が移動前(定位置)、図216に示すように、サイド張出しが上方向にスライドしている状態が移動後となっている。
例えば、サイド張出しが上下方向にスライド移動する構造を利用し、パチンコ機1が遊技者によって遊技されていない時、サイド張出しを上方にスライド移動させることによって、仮に他の遊技機にもサイド張出しが備わっていたとしても、それより上方にサイド張出しが位置するため、相対的にパチンコ機1のサイド張出しが目立つことになり、サイド張出しが定位置にある場合に比べて宣伝効果を高められる。結果、当該パチンコ機1が遊技者に選択される可能性を向上させることができる。
また本例において、前述した「遊技されていない時」とは、「デモ状態中」等が例示できる。本実施例におけるデモ状態とは、所謂客待ち状態であり、「後述する特別図柄の変動表示が行われていない状態が所定時間経過すること」で開始されるものであって、扉枠3や遊技領域5aを照らすLED等の発光を抑え、消費電力を少なくする省電力モードのことである。
また、デモ状態は、後述する特別図柄の変動表示が行われることで終了する構成となっている。
尚、本例におけるサイド張出しが上方にスライド移動する条件は、上述のデモ状態が開始することが相当し、本例におけるサイド張出しが下方(定位置)にスライド移動する条件は、上述のデモ状態が終了することが相当する。
なお、「遊技されていない時」としては、上述のデモ状態中に限らず、パチンコ機1の上皿201や下皿202に遊技球が無いことが検知され、且つ、「遊技者とハンドルレバー504への接触が検知されていない時間が所定時間経過した後の状態」等も例示できる。このようにする場合、上皿201や下皿202の所定位置に遊技球の存在を検知可能な検知センサを設ける必要がある。
こうした構成によれば、宣伝効果向上のみならず、パチンコ機が現在遊技中か否かが一目で判るようになる。例えば、食事休憩やトイレ休憩などで一時的に遊技者が離席した場合、ハンドルレバー504への接触が検知されない状態が続くものの、球貸機から遊技球を借りている状態(上皿201や下皿202に遊技球があることが検知される状態)であるため、サイド張出しが下方にスライド移動することがなく、他の遊技者が誤って遊技を始めてしまう事を未然に防ぐことができる。
更に、遊技中でない時にもかかわらず、ハンドルレバー504に触れてしまった場合であっても、貸し球、持ち球がある状態(上皿201や下皿202に遊技球があることが検知される状態)でなければ、ハンドルレバー504への接触が検知されたとしても、サイド張出しが下方にスライド移動することがない為、遊技中でない時の電力消費や、スライド移動させる機構の摩耗などを防ぐことができる。
パチンコ機1が遊技者によって遊技が行われると(上述のデモ状態が終了すると)、サイド張出しが下方向(定位置)へスライド移動する。また、サイド張出しが上下方向に揺動可能な構造を利用し、演出に用いることも可能となっている。例えば、大当り状態中等の特定の遊技状態でサイド張出しを上下に揺動させることによって、遊技を盛り上げる演出用の可動役物として機能させることが出来る。また、前述したようにサイド張出しには複数のLEDが取付けられている(図示は省略)ため、上下方向へ揺動するのみならず、LEDの発光を利用した演出も行うことができるため、従来宣伝用以外に固有の効果を奏するものではなかったサイド張出しを、演出用の機能を付加して用いることもできる。
以上の構成により、サイド張出しが上方向にスライドしている状態では、他の遊技機よりも目立つ宣伝用の部材として使用可能であり、逆にサイド張出しが下方向にスライドしている状態では、遊技状態に応じて上下に可動したり、LEDを使った発光演出を行ったりする演出用の役物として使用可能であるため、サイド張出しの可動位置によって機能が異なる仕様となっている。
なお、サイド張出しが上方向にスライドしている状態と、サイド張出しが下方向(定位置)にスライド移動している状態(定位置の状態)とで、サイド張出しに設けられているLEDの輝度を変化させるようにしてもよい。例えば、サイド張出しが上方向にスライドしている状態と、サイド張出しが下方向(定位置)にスライド移動している状態(定位置の状態)の何れにあるかを、駆動制御に基づく情報や、図示しない検出スイッチによる検出状況によって判別可能とし、その判別結果に基づいて、LEDの輝度を設定するようにできる。より具体的には、サイド張出しを宣伝用の部材として使用するにあたって、サイド張出しが上方向にスライドしている状態では、LEDの輝度を高輝度に設定し、サイド張出しが下方向(定位置)へスライド移動している状態(定位置の状態)では、サイド張出しが上方向にスライドしている状態よりも、LEDの輝度を低輝度に設定すること等が挙げられる。これにより、サイド張出しが遠方から視認される宣伝用に機能する場合と、近方から視認される演出用に機能する場合の夫々において、遊技者の目に与える負担等を適切に抑制することが可能となる。なお、サイド張出しに設けられているLEDは、後述する周辺制御基板と電気的に接続されており、可動位置に応じた輝度の設定は周辺制御基板によって制御される。このため、周辺制御基板は輝度設定手段として作用する。
また、サイド張出しが上方向にスライドしている状態の時、一定の間隔で高輝度と低輝度とを繰り返し切り替える構成とし、サイド張出しが下方向(定位置)にスライドしている状態(定位置の状態)の時には常時低輝度とする構成としても良い。これにより、サイド張出しを遠方から視認した際に、サイド張出しが点滅しているように見えるため、より一層パチンコ機1への注目を高めることができ、パチンコ機1が選択される可能性を向上させることが可能となる。
また、サイド張出しが上方向にスライドしている状態の時、一定の間隔で揺動するようにゆらゆらとサイド張出しを可動させサイド張出しが下方向(定位置)にスライドしている状態(定位置の状態)の時には揺動動作を解除する構成としても良い。動く物を目で追う傾向を利用することで、島設備を通路に沿って見通した際、揺動するサイド張出しに自然と視線が向かうため、どの遊技機よりもパチンコ機1への注目を高めることができ、パチンコ機1が選択される可能性を向上させることが可能となる。
次に、図219〜220を用いてサイド張出しの構造について説明する。図219は、右張出しパネル491と、右張出しパネル491をスライド移動させるベルト式可動部503の模式図であり、図220は、図219のA―A断面を下方から見た図である。また、左張出しパネル490と右張出しパネル491の可動に係る構造は共通の物の為、ここでは、右張出しパネル491の可動構造を説明し、左張出しパネル490の説明は省略する。尚、右張出しパネル491と、ベルト式可動部503、右張出し機構501という。
右張出し機構501は、右張出しパネル491と、ベルト式可動部503とからなる。
ベルト式可動部503は、フレーム部材511と、ベルト機構510とからなる。
ベルト機構510は、歯付ベルト512、上ベルトギア513、下ベルトギア514、連結金具515、ベルト駆動モータ516及びネジ517を有する。
フレーム部材511は、断面コ字型の部材であり、左壁511aと右壁511bと後壁511dとで結合した構造であって、扉枠ベースユニット100にネジ517によってねじ止めされている。フレーム部材511の左壁511aと右壁511bとの間にベルト機構510が組み込まれている。ベルト機構510における上ベルトギア513と下ベルトギア514は、フレーム部材511の左壁511aと右壁511bとの間における上部と下部とに軸支されており、上ベルトギア513と下ベルトギア514との間に無端状の歯付ベルト512が掛け回されている。
また、ベルト駆動モータ516は、上ベルトギア513と接続されており、ベルト駆動モータ516が駆動することによってベルト機構510が稼働する構成となっている。
また、フレーム部材511の左壁511aと右壁511bの前端部には、夫々内側に向かい合って切りかかれたコ字型のスライド凹部518、519が設けられている。スライド凹部518、519は、フレーム部材511の長手方向に貫通して形成され、右張出しパネル491のレールとなる。
また、右張出しパネル491の後端部は、T字型に成形されており、スライド凹部518、519と、T字型に成形された右張出しパネル491の後端部とがスライド自在に嵌合する。そして、右張出しパネル491を上下方向へスライドさせる為に、歯付ベルト512と、右張出しパネル491の後面下部は、連結金具515で取り付け固定されている。これにより、ベルト機構510の駆動に伴って右張出しパネル491が上下にスライド移動する構造となっている。
また、右張出しパネル491の後端部は、当該後端部以外の底面よりも下方に延設されている構造であるため、ベルト式可動部503によって右張出しパネル491が上方にスライド移動された際に、もともと右張出しパネル491が位置していた箇所に生じてしまう扉枠3の隙間を埋める構造となっている。このため、扉枠3内や、遊技領域5a内に異物を入れられることによる不正行為(ゴト)や悪戯が行われることを防ぐことができる。更に、右張出しパネル491と、隙間との間に指など体の一部を挟み込む等の事故や怪我等を防ぐことも可能となっている。
以上、本例におけるサイド張出しの可動構造を説明したが、ベルト機構510を用いた可動構造に限らず、例えばギアの回転力を直線の動きに変換するラック・ピニオンを用いてスライド移動させたり、リニアモーターを用いてスライド移動させたりするなどしてもよく、スライド移動する構成であれば、種々の方法を選択することが出来る。
また、サイド張出しのスライド移動に関して、遊技が行われているか否かによってサイド張出しの高さを変更する構成以外にも、遊技ホール側でサイド張出しの高さを調節できるものとしても良い。
遊技ホールによっては、パチンコ機1が設置される島設備の上方に、遊技者が荷物置きとして利用することができる棚が設置されていることがある。その場合、サイド張出しが上方にスライド移動した際に、棚の高さによっては衝突してしまい、故障や破損が生じる可能性がある。それを防ぐために、本例では遊技ホール側でサイド張出しが上昇する上限値を決めることが可能な構成となっている。
前述したベルト式可動部503の上ベルトギア513の近傍に、当該上ベルトギア513の回転数を検知する回転センサが設けられており(図示は省略)、上ベルトギア513の回転数で、サイド張出しの移動量を特定する。また、サイド張出しが上昇する上限値を決める操作部が扉枠3の裏面に配置されており、遊技ホールの係員のみが操作できるようになっている。
また、遊技ホールの構造によっては、サイド張出しが上方にスライド移動する際に、片方のサイド張出しの移動進路上に障害物がある場合もあるため、左張出しパネル490、右張出しパネル491夫々に、異なる上限値を設定することができるようになっている。
前記操作部は、後述する周辺制御基板と電気的に接続されており、サイド張出しが上方に向けてスライド移動する距離の上限を、操作部に対する操作に応じて0%〜100%まで設定できるものである。0%に設定されると、サイド張出しは定位置のまま上昇しない。また、100%に設定されると、サイド張出しが移動できる最大位置まで上昇することができる構成となっている。遊技ホールの係員が操作部を操作し、例えば50%を上限値として設定すると、50%の値を有した移動量上限信号が、操作部から周辺制御基板に入力される。次いで、前記移動量上限信号に基づいて、周辺制御基板が、夫々のサイド張出しが移動可能な距離の上限値を、最大値の半分に制御される構成となっている。
[扉枠の第1実施形態の変形例]
また、本例の扉枠3では、遊技中にサイド張出しを上下方向に揺動するほか、図221に示すように、遊技状態に応じて例えばサイド張出しを上方向にスライドさせた後に、もともとサイド張出しが位置していた箇所に、遊技者側に突出する一対の左可動シート390、右可動シート391が出現する構成となっている。尚、この例においても、右可動シート391の構造を説明し、左可動シート390の説明は省略する。
右可動シート391は薄い板状の部材で形成されており、外側と内側に、遊技機の機種に対応する装飾意匠が描かれたシートを備えており、演出や宣伝に用いることが可能となっている。
また、右可動シート391は、内側と外側に夫々別のシートを備えている。例えば本例では、遊技者以外のホール客等が視認可能である外側には、遊技機の機種に対応する装飾意匠(ここではテントウムシを模した画像)が描かれたシートを用いて宣伝用として利用し、遊技者が直接視認可能である内側には、大当り状態に発展する確率が高いことを示唆する「激アツ」や、大当たり状態となったことを示す「大当たり!!」等が描かれたシートを用いるなどして、演出用として利用することが可能となっている。
次に、図222(A)を用いて右可動シート391の構造について説明する。図222(A)は、右可動シート391と、右可動シート391を回転移動させる可動シート回転機構を示す図である。また、図222(B)は、右可動シートの回転態様を示す模式的な図である。
可動シート回転機構は、右可動シート391と、回転移動機構392とを有し、当該回転移動機構392は、右可動シート391を、横方向を軸に回転させて、遊技者が視認可能な位置に右可動シート391を出現させるものである。
回転移動機構392は、上段ギア393、中段ギア394及び下段ギア395を有する。上段ギア393は、右可動シート391の回転軸に軸支されており、下段ギアは、前述した下ベルトギア514に軸支されている。また、中段ギア394は上段ギア393と下段ギア395とに噛み合うように配置されている。
ベルト式可動部503によって右張出しパネル491が上方にスライド移動される場合、下ベルトギア514は、時計回りに回転する為、軸支された下段ギア395も連動して時計回りに回転する。それに伴い、下段ギア395と噛み合う中段ギア394が反時計回りに回転し、中段ギア394と噛み合う上段ギア393が時計回りに回転する。上段ギア393の回転に伴って、右可動シート391の回転軸を中心に、回転移動することによって、右可動シート391におけるシートを有している箇所が、遊技者に視認可能に出現する構成となっている。
反対に、ベルト式可動部503によって右張出しパネル491が下方にスライド移動される場合、下ベルトギア514は、反時計回りに回転する為、軸支された下段ギア395も連動して反時計回りに回転する。それに伴い、下段ギア395と噛み合う中段ギア394が時計回りに回転し、中段ギア394と噛み合う上段ギア393が反時計回りに回転する。上段ギア393の回転に伴って、右可動シート391の回転軸を中心に、回転移動することによって、右可動シート391におけるシートを有している箇所が、遊技者が視認可能なように扉枠3内に収納される構成となっている。
また、右可動シートは、カバー部材396を備えており、右可動シート391の下面に、回転可能に軸支されている。
カバー部材396は、右可動シート391を視認可能に出現させた際、扉枠3に生じる隙間を埋める役割を有している。このため、扉枠3内や、遊技領域5a内に異物を入れられることによる不正行為(ゴト)や悪戯が行われることを防ぐことができる。更に、右可動シート391と、隙間との間に指など体の一部を挟み込む等の事故や怪我等を防ぐことも可能となっている。
更に、カバー部材396は、シートストッパ片397が形成されている為、カバー部材396が隙間を埋めている際に、指などで当該カバー部材396を押しても、扉枠3内に向かって回転することがなく、意図的に隙間を発生させてしまう事を防止することができる。
以上の構成により、右可動シート391が視認不可能な位置にある場合は、通常の扉枠として利用し、逆に右可動シート391が視認可能位置に出現した場合は演出用のバリエーションを付加することができる為、右可動シート391の位置によって機能が異なる仕様となっている。
また、これまでに説明してきた左可動シート390、右可動シート391は、薄い板状の部材であり、外側と内側に、遊技機の機種に対応する装飾意匠が描かれたシートを備え
たものとして説明してきたが、これに限るものではなく、例えば、外側と内側に、画像を表示することができる液晶表示装置、有機ELディスプレイ等を備えるようにし、遊技状態や、遊技が行われているか否か等、様々なシチュエーションに応じて、表示される画像を変化させる構成であっても良い。
[扉枠の第2実施形態]
また、サイド張出しの可動は、当該サイド張出しの移動前と移動後とで機能が異なるものであれば、上下方向にスライドする可動手段に限られるものではない。本例におけるサイド張出しの可動構造は、サイド張出しの後端部を軸にして観音開きに回転移動する構成となっており、図223に示すように、サイド張出しが開いている状態が移動前(定位置)。図224に示すように、サイド張出しが閉じている状態が移動後となっている。
また、本例のサイド張出しには、夫々外側に、左張出し表示装置495と、右張出し表示装置496を備えているので、サイド張出しが回転移動する構造を利用し、パチンコ機1が遊技者によって遊技されていない時、または遊技者によって遊技されていて、通常の遊技状態においては、サイド張出しを開状態とし、左張出し表示装置495と、右張出し表示装置496を用いた宣伝の機能を有した役物として用いる。逆に、遊技者によって遊技されていて、例えば大当り状態に発展する確率が高いことを示唆する演出を行う場合や、大当たり状態となったことを示す演出を行う場合など、遊技状態に応じて閉状態とし、サイド張出しで遊技領域の全部又は一部を視認不可能にする。そして、サイド張出しが閉状態となると、左張出し表示装置495と右張出し表示装置496が合体するので、左・右張出し表示装置を用いた画像演出を行ったりする等、演出用の機能を有した役物として用いることができる。
次に、図225を用いてサイド張出しを移動させるための構造について説明する。図225は、サイド張出しと、サイド張出しを回転移動させるラック・ピニオンによるサイド張出し回転機構を示す図である。
サイド張出し回転機構は、左張出しパネル490と、右張出しパネル491と、背反移動機構481とを有し、当該背反移動機構481は、左張出しパネル490と、右張出しパネル491とを観音開きに開閉させるものである。
背反移動機構481は、左ラックギア485と左ピニオン482、右ラックギア486と右ピニオン483及び駆動ギア484を有する。左ラックギア485と右ラックギア486は扉枠ベースユニット100の左右方向に沿って平行に配置されている。左ピニオン482のピニオン軸487は、扉枠ベースユニット100の左辺に沿って縦方向に上下が軸支されており、右ピニオン483のピニオン軸488は、扉枠ベースユニット100の右辺に沿って縦方向に上下が軸支されている。
また、駆動ギア484の駆動軸489は、扉枠ベースユニット100上辺中央部に短い縦方向で軸支されている。そして、左ラックギア485と右ラックギア486とが重なる対後面に、駆動ギア484が左ラックギア485と右ラックギア486とかみ合うように配置されている。
また、左ラックギア485は駆動ギア484と噛み合う箇所では後面にラック歯を有し、左ピニオン482と噛み合う箇所では前面にラック歯を有している。
右ラックギア486は、駆動ギア484と噛み合う箇所及び右ピニオン483と噛み合う箇所共に、前面にラック歯を有している。
そして、ピニオン軸487に左張出しパネル490の後端部が固定されている。また、ピニオン軸488に右張出しパネル491の後端部が固定されている。尚、左ピニオン482と右ピニオン483の位置を前後方向で同位置とするために、左ラックギア485は後方へ屈曲させてある。従って、駆動ギア484が左右に往復回転すると、左ラックギア485と右ラックギア486は平行に背反して移動するので、左張出しパネル490と右張出しパネル491は、左ピニオン482と右ピニオン483を介して観音開きで開閉する。
[扉枠の第3実施形態]
本実施例における、サイド張出しの可動構造は、サイド張出しの下端後部を軸にして回転移動する構成となっており、図226に示すように、左張出しパネル490が直立している状態が移動前(定位置)。図227に示すように、左張出しパネル490が倒れている状態が移動後となっている。
また、本例の左張出しパネル490には、外側に左液晶タッチパネル471を備えているので、左張出しパネル490が回転移動する構造を利用し、パチンコ機1が遊技者によって遊技されていない時、または遊技者によって遊技されていて、通常の遊技状態においては、左張出しパネル490を直立状態とし、左液晶タッチパネル471に画像を表示するなどして宣伝の機能を有した役物として用いる。逆に、遊技者によって遊技されていて、例えば遊技者の操作に応じて演出態様が変化する演出を行う場合などの時は、左張出しパネル490を回転移動させることによって、左液晶タッチパネル471に対する操作が可能な位置に移動するため、遊技者に左液晶タッチパネル471を操作させる演出を行う機能を有した役物として用いることができる。これにより、左張出しパネル490の位置によって機能を異ならせることができる他、新たな操作部が出現した意外性や驚きを与えて遊技者を楽しませることができると共に、遊技者に左液晶タッチパネル471を操作させることで、演出に参加させることができ、遊技者に対して能動的に演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。また、左張出しパネル490を回転移動させて左液晶タッチパネル471を操作可能な状態にすることで、左液晶タッチパネル471と後述するタッチパネル246といった複数のタッチパネルを用いた特別な操作演出も実行可能となる。このような構成によれば、左液晶タッチパネル471とタッチパネル246の両方に対する遊技者操作に応じて演出態様が変化するようにしたり、左液晶タッチパネル471とタッチパネル246のいずれかの遊技者操作に応じて演出態様が変化するようにしたりでき、従来に比して遊戯興趣を向上させることが可能となる。
次に、図228を用いて左張出しパネル490の作動について説明する。図228は、左張出しパネル490と、左張出しパネル490を回転移動させる左張出しパネル回転機構を示す図である。
左張出しパネル回転機構は、左張出しパネル490と、ギアボックス472とを有し、ギアボックス472は、左張出しパネル490の下端後部を前後方向の軸で回転移動させ、左液晶タッチパネル471を遊技者が操作可能な位置まで移動させるものである。
ギアボックス472は、ギアボックスベース473、第1ギア474、第2ギア475、第3ギア476、モータ477、回転軸478、回転ベース479を有する。ギアボックスベース473は、扉枠ベースユニット100に取り付け固定されており、回転ベース479は左張出しパネル490の下端後部に取り付け固定されている。回転軸748は、回転ベースの後面に軸支されており、回転軸748が横方向に回転することで、左張出しパネル490が回転する構造となっている。第1ギア474、第2ギア475、第3ギア476、モータ477は、ギアボックスベース473に配置されており、第1ギア474と回転軸478とが接続され、第3ギア476とモータ477とが接続されている。また、第2ギア475は、第1ギア474と第3ギア476とに噛み合うように配置されている。
左張出しパネル回転機構によって左張出しパネル490を左液晶タッチパネル471に対する操作が可能な位置まで移動される場合、モータ477に接続されている第3ギア476は、時計回りに回転する。それに伴い、第3ギア476と噛み合うように配置された第2ギア475が連動して反時計回りに回転する。それに伴い、第2ギア475と噛み合うように配置された第1ギア474が時計回りに回転する。第1ギア474の回転に伴って、回転軸478と回転ベース479が時計回りに回転することで、左張出しパネル490が倒れた状態となる構造となっている。
反対に、左張出しパネル回転機構によって左張出しパネル490を左液晶タッチパネル471に対する操作が不能な位置まで移動される場合、モータ477に接続されている第3ギア476は、反時計回りに回転する。それに伴い、第3ギア476と噛み合うように配置された第2ギア475が連動して時計回りに回転する。それに伴い、第2ギア475と噛み合うように配置された第1ギア474が反時計回りに回転する。第1ギア474の回転に伴って、回転軸478と回転ベース479が反時計回り回転することで、左張出しパネル490が直立した位置に移動する構造となっている。
また、左張出しパネル490の回転移動に関して、左液晶タッチパネル471に対する操作を行うことが可能となる位置に左張出しパネル490が回転移動した際に、遊技者によって左張出しパネル490の回転角度の調節ができるものとしても良い。
左液晶タッチパネル471に対する操作を行うことが可能となる位置に左張出しパネル490が回転移動したとしても、遊技者によっては、デフォルトの位置では操作がし辛い位置に左液晶タッチパネル471が位置してしまう可能性もある。その場合、快適に操作を行うことができないことによるストレスを感じ、遊技に対する興趣が低下してしまう虞があるため、本例ではそれを解消する。
前述した左張出しパネル回転機構の第1ギア474の近傍に、当該第1ギア474の回転数を検知する回転センサが設けられており(図示は省略)、第1ギア474の回転数で、左張出しパネル490の回転量を特定する。また、左張出しパネル490の回転角度の調節は、タッチパネル246を操作することで行うことができるようになっている。
左張出しパネル490の回転量は、操作部に対する操作に応じて、本例では2段階の角度調節を行うことができ、1段階目に設定されると、左張出しパネル490の回転移動が行われた時、90°以上の回転角度で回転する(デフォルト角度)。また、2段階目に設定されると、左張出しパネル490の回転移動が行われた時、約90°の回転角度で回転する構成となっている。遊技者が、タッチパネル246を操作し、例えば2段階目に設定すると、回転移動量信号が、タッチパネル246から周辺制御基板に入力される。次いで、前記回転移動量信号に基づいて、周辺制御基板が左張出しパネル246の回転量を設定制御する構成となっている。
上述した左張出しパネル490に備えられた遊技者が操作可能な部材は、液晶タッチパネルを例として挙げたが。これに限られるものでなく、例えばボタン等の押下可能な部材を選択するなど、左張出しパネル490が回転移動することによって操作可能となる構成であれば、種々の対応を選択することが可能である。
[3−1.皿ユニットの全体構成]
扉枠3の皿ユニット200について、図27乃至図42を参照して詳細に説明する。図27は扉枠の皿ユニットを前から見た斜視図であり、図28は皿ユニットを後ろから見た斜視図である。図29は皿ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図30は皿ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。図31(a)は皿ユニットの演出操作ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は演出操作ユニットを後ろから見た斜視図である。図32は演出操作ユニットを主な部材毎に分解して上から見た斜視図であり、図33は演出操作ユニットを主な部材毎に分解して下から見た分解斜視図である。図34は演出操作ユニットの取付ベースユニットを分解して上から見た分解斜視図であり、図35は取付ベースユニットを分解して下から見た分解斜視図である。
また、図36は演出操作ユニットのタッチユニットを分解して上から見た分解斜視図であり、図37はタッチユニットを分解して下から見た分解斜視図である。図38は演出操作ユニットのボタンユニットを分解して上から見た分解斜視図であり、図39はボタンユニットを分解して下から見た分解斜視図である。図40は皿ユニットの平面図であり、図41は図40におけるB−B断面において演出操作ユニットの部位を拡大して示す断面図であり、図42は図40におけるC−C断面において演出操作ユニットの部位を拡大して示す断面図である。
更に、図43(a)は皿ユニットの扉右下演出ユニットの正面図であり、(b)は扉右下演出ユニットの右側面図であり、図44(a)は扉右下演出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉右下演出ユニットを後ろから見た斜視図である。図45は、図43(b)の扉右下演出ユニットにおけるD−D断面図である。図46は扉右下演出ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図47は扉右下演出ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図48は扉右下演出ユニットの回転体内部ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図49は回転体内部ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図50(a)は扉右下演出ユニットの扉右下回転体が前を向いた状態の正面図であり、(b)は扉右下回転体が後ろを向いた状態の正面図である。
また、図51(a)は皿ユニットの上皿球抜きユニットを皿ユニットベースに取付けた状態で前から見た斜視図であり、(b)は上皿球抜きユニットを皿ユニットベースに取付けた状態で後ろから見た斜視図である。図52は上皿球抜きユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図53は上皿球抜きユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。また、図54(a)は皿ユニットの下皿球抜きユニットを前から見た斜視図であり、(b)下皿球抜きユニットを分解して前から見た分解斜視図である。
皿ユニット200は、扉枠ベースユニット100から前方へ膨出している。この皿ユニット200は、払出装置830から払出され遊技領域5a内に打込むための遊技球を貯留する上皿201と、上皿201の下側に配置されており上皿201から供給される遊技球を貯留可能な下皿202と、を備えている。また、皿ユニット200は、扉枠ベースユニット100に取付けられる平板状の皿ユニットベース210と、皿ユニットベース210の前面上部に取付けられると共に左右中央より左側が前方へ大きく膨出しており上皿201を形成している上皿本体212と、皿ユニットベース210の前面下部で左右中央に取付けられると共に前方へ大きく膨出しており下皿202を形成している下皿本体214と、を備えている。
また、皿ユニット200は、上皿本体212の前側及び皿ユニットベース210の前面に取付けられる演出操作ユニット220と、上皿本体212、下皿本体214、及び演出操作ユニットの前側及び下側を覆い皿ユニットベース210の前面に取付けられる皿ユニットカバー260と、演出操作ユニット220の右側に配置されており皿ユニットベース210の前面右部に取付けられる扉右下演出ユニット270と、扉右下演出ユニット270の前側を覆い皿ユニットベース210の前面に取付けられる演出ユニットカバー300と、皿ユニットベース210を前後から挟むように取付けられており上皿本体212の上皿201内に貯留されている遊技球を下皿202へ抜き取るための上皿球抜きユニット310と、下皿本体214の下側に取付けられており下皿202に貯留されている遊技球を下方へ排出するための下皿球抜きユニット320と、を備えている。
更に、皿ユニット200は、演出操作ユニット220の上面に取付けられており遊技ホールの島設備においてパチンコ機1と隣接して配置される球貸機を操作するための球貸操作ユニット330と、皿ユニットベース210の上部に取付けられており発光装飾可能な上皿トップ装飾部材340と、皿ユニットカバー260の後側で皿ユニットベース210の前面左側に取付けられており前方へ向かって光を照射可能な複数のLEDを備えている皿ユニット左装飾基板345と、演出ユニットカバー300の後側且つ扉右下演出ユニット270の下側で皿ユニットベース210の前面右側に取付けられており前方へ向かって光を照射可能な複数のLEDを備えている皿ユニット右装飾基板346と、皿ユニットベース210の後側に取付けられており後述する上皿前装飾基板233、上皿後装飾基板235、上皿液晶基板241、加振装置242、タッチパネル246、演出ボタン装飾基板251、演出ボタン押圧センサ258、扉右下中継基板281、皿ユニット左装飾基板345、及び皿ユニット右装飾基板346と遊技盤5の図示しない周辺制御基板との接続を中継する皿ユニット中継基板347と、を備えている。
[3−1a.皿ユニットベース]
皿ユニット200の皿ユニットベース210は、図29及び図30に示すように、扉枠ベースユニット100の全幅に亘って左右に長く延びている。皿ユニットベース210は、正面視左上隅付近で前後に貫通していると共に後方へ筒状に延びている上皿球供給口210aと、上皿球供給口210aの下側で前後に貫通していると共に上下に延びている複数の長穴からなるスピーカスリット210bと、正面視左右中央の下部において前後に貫通していると共に後方へ筒状に延びている下皿球供給口210cと、下皿球供給口210cの正面視右上側で前後に貫通していると共に上下に延びており上部が上皿本体212の右端に位置する上皿球送り口210dと、を備えている。
また、皿ユニットベース210は、上皿球送り口210dの正面視左側で前後に貫通している内周が四角形の透口210eと、透口210eの下辺から前方へ板状に突出している受片210fと、上皿球送り口210dの正面視右上側で前後に貫通している逃し口210gと、正面視右下隅で前後に貫通しており扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材120が挿通されるハンドル挿通口210hと、正面視右隅付近で前後に貫通しており施錠ユニット700の鍵シリンダ710が挿通されるシリンダ挿通口210iと、筒状の下皿球供給口210cの正面視右側の側面において後端から前方へ向かって切欠かれている切欠部210jと、を備えている。
[3−1b.上皿本体]
皿ユニット200の上皿本体212は、図29及び図30に示すように、正面視左右の中央より左側の方が大きく前方へ膨出しており、上方及び後方へ開放された容器状に形成されている。上皿本体212は、正面視右端側に左方及び後方へのみ開放されており遊技球が流通可能な誘導通路部212aを備えている。この上皿本体212は、底面が全体的に右端が低くなるように傾斜している。詳述すると、上皿本体212を皿ユニットベース210に取付けた状態で、上皿本体212の底面が、上皿球供給口210aの下側の位置から上皿球送り口210dの上端から遊技球の外径よりも若干下側の位置へ向かって低くなるように傾斜している。これにより、上皿球供給口210aから前方へ放出された遊技球を、上皿本体212内に受けて貯留することができると共に、受けた遊技球を誘導通路部212aの右端側から上皿球送り口210dへ供給することができる。
また、上皿本体212は、底面の後端側で左右の中央から右端付近まで延びている金属製のアース金具212bを備えている。このアース金具212bは、図示は省略するが、電気的に接地(アース)されており、遊技球が接触することで、遊技球に帯電した静電気を除去することができる。
[3−1c.下皿本体]
皿ユニット200の下皿本体214は、図29及び図30に示すように、前端辺に対して後端辺が長い平面視台形で、上方及び後方が開放された容器状に形成されている。下皿本体214は、底面に上下に貫通しており下皿球抜きユニット320によって閉鎖可能とされている球抜き孔214aを備えており、球抜き孔214aへ向かって低くなるように底面が傾斜している。この下皿本体214は、皿ユニットベース210の下皿球供給口210cから前方へ放出された遊技球を受けて貯留することができると共に、球抜き孔214aから遊技球を皿ユニット200の下方へ排出することができる。
[3−1d.演出操作ユニットの全体構成]
皿ユニット200の演出操作ユニット220は、図31乃至図33に示すように、正面視左右の中央で皿ユニットベース210及び上皿本体212に取付けられる取付ベースユニット220Aと、取付ベースユニット220Aに取付けられるタッチユニット220Bと、タッチユニット220Bの正面視左側で取付ベースユニット220Aに取付けられるボタンユニット220Cと、タッチユニット220Bと取付ベースユニット220Aとの間に介装される円筒状の複数のダンパ222と、タッチユニット220B及びボタンユニット220Cの外周を上側から覆うように取付ベースユニット220Aに取付けられるユニットカバー224と、取付ベースユニット220Aの正面視右端に取付けられる装飾部材226と、を備えている。
演出操作ユニット220のダンパ222は、円筒状に形成されており、外周面における軸方向の中央に溝222aが全周に亘って形成されている。本実施形態におけるダンパ222は、合成ゴムによって形成されている。複数のダンパ222によって、タッチユニット220Bが叩かれた時の衝撃を緩和させて取付ベースユニット220や皿ユニットベース210側へ作用する負荷(衝撃)を低減させることができると共に、タッチユニット220Bの後述する加振装置242による振動が、取付ベースユニット220や皿ユニットベース210側へ伝達されるのを低減させることができる。
[3−1d−1.取付ベースユニット]
演出操作ユニット220の取付ベースユニット220Aは、図32乃至図35に示すように、皿ユニットベース210の前面に取付けられ上方が開放された浅い箱状の取付ベース230と、取付ベース230の上側に取付けられると共に後端が上皿本体212の前端に取付けられ上側からタッチユニット200Bを収容可能な上方が開放された浅い箱状のユニットケース231と、ユニットケース231の前端に取付けられる横長の上皿前レンズ部材232と、上皿前レンズ部材232とユニットケース231との間に配置され前面に複数のLEDを備えた上皿前装飾基板233と、上皿前レンズ部材232の前側を覆いユニットカバー224に取付けられる透光性を有した上皿前装飾部材234と、を備えている。
また、取付ベースユニット220Aは、ユニットケース231の後端に取付けられており上方へ向かって光を照射可能な複数のLEDを備えた上皿後装飾基板235と、上皿後装飾基板235の上側に配置されユニットカバー224に取付けられる透光性を有した上皿後装飾部材236と、上皿後装飾部材236の前側においてユニットカバー224とユニットケース231とによって挟持され上皿後装飾基板235からの光を導いて上端が線状に発光可能な線状発光レンズ部材237と、上皿後装飾部材236の正面視右側でユニットカバー224に取付けられる筒状のボタン取付部材238と、ボタン取付部材238によって上下にスライド可能に取付けられる上皿球抜きボタン239と、を備えている。
取付ベース230は、前後の略中央から前側に、前方へ向かうに従って低くなるように傾斜している平板状の取付側受部230aと、取付側受部230aを貫通しており左右に離間した二つの貫通口230bと、貫通口230bの周縁から下方へ延出している筒状の筒状受部230cと、を備えている。貫通口230bは、内周が四角形に形成されている。筒状受部230cは、下方へ向かうに従って窄まるように角錐筒状に形成されている(図42を参照)。詳述すると、筒状受部230cは、前側の内周壁が取付側受部230aの面に対して略垂直に延びており、後側の内周壁が取付側受部230aの面に対して下方へ向かうに従って前方へ向かうように傾斜して延びている。また、筒状受部230cは、左右両側の内周壁が取付側受部230aの面の垂直に対して下端(先端)同士が僅かに接近するように傾斜して延びている。
ユニットケース231は、上方へ開放されておりタッチユニット220Bを収容可能な収容凹部231aと、収容凹部231aの底面の正面視左右両端付近から夫々前後に離間して一対ずつ上方へ円柱状に突出している横支持ピン231bと、収容凹部231aの底面の前端付近から左右に離間して上方へ円柱状に突出している一対の前支持ピン231cと、収容凹部231aにおいて底面の前後端側の左右中央から上方へ突出している中央支持突起231dと、収容凹部231aの底面の下側から下方へ向かうに従って窄まるように角錐状に突出しており左右に離間した二つの受突部231eと、を備えている。
また、ユニットケース231は、収容凹部231aよりも正面視左側で上下に円形に貫通しておりボタンユニット220Cの下部が挿通される挿通孔231fと、上面における挿通孔231fの周りに配置されておりボタンユニット220Cを取付けるためのボタンユニット取付部231gと、収容凹部231aの後側の外周壁において左右に延びていると共に上端から下方へ窪み線状発光レンズ部材237の線状発光部237bが配置される切欠部231hと、を備えている。
ユニットケース231の収容凹部231aは、平面視の形状が、左右に延びた四角形と、その四角形の左右両辺から外側へ突出した台形とを組合せた形状に形成されている。また、収容凹部231aは、左右両側の台形の部位の底面に対して、四角形の部位の底面が、下方へ低く形成されている。この収容凹部231aの底面の段差は、ダンパ222の高さ(軸方向の長さ)よりも若干低く形成されている。
四つの横支持ピン231bは、収容凹部231aにおける台形の部位の底面から上方へ突出しており、筒状のダンパ222内へ挿入可能に形成されている。また、横支持ピン231bは、上端側に、上端側へ向かうに従って直径が小さくなる円錐台状のテーパ部231iを備えている(図41を参照)。横支持ピン231bは、収容凹部231aの底面からテーパ部231iの中間までの距離が、ダンパ222の長さと同じとされており、全体がダンパ222よりも長く形成されている。一対の前支持ピン231cは、筒状のダンパ222内へ挿入可能とされており、ダンパ222の半分の長さよりも若干長く形成されている。
中央支持突起231dの上端は、収容凹部231aにおける台形の部位の底面と同じ高さまで突出している。受突部231eは、外周が四角形の円錐台状に形成されている。二つの受突部231eは、取付ベース230の二つの貫通口230bと対応した位置に形成されている。受突部231eは、前側の外周壁が収容凹部231aの底面に対して略垂直に延びており、後側の外周壁が収容凹部231aの底面に対して下方へ向かうに従って前方へ向かうように傾斜して延びている。また、受突部231eは、左右両側の外周壁が収容凹部231aの面の垂直に対して下端(先端)同士が僅かに接近するように傾斜して延びている。受突部231eの外周壁の形状は、取付ベース230の筒状受部230cの内周壁の形状と対応している。この受突部231eは、組立てた状態で、下端が取付ベース231の貫通口230a内に挿入されると共に、筒状受部230cの内周壁との間に僅かな隙間が形成される。
上皿前装飾部材234は、皿ユニット200が組立てられた状態で、前面が外部に露出する。上皿後装飾基板235は、上皿後装飾部材236を発光装飾させるための複数の装飾用LED235aと、線状発光レンズ部材237を発光装飾させるための複数の周縁用LED235bと、を備えている。
線状発光レンズ部材237は、上皿後装飾部材236よりも左右が長く形成されており、上皿後装飾基板235の複数の周縁用LED235bの上側に配置される受光部237aと、受光部237aと連続しユニットケース231の切欠部231hに嵌め込まれる平板状の線状発光部237bと、を備えている。線状発光レンズ部材237は、線状発光部237bをユニットケース231の切欠部231hに嵌め込むことで、線状発光部237aの前面が収容凹部231aの内周壁の一部を形成する。また、線状発光レンズ部材237は、皿ユニット200が組立てられた状態で、線状発光部237bの上端が外部に露出する。この線状発光レンズ部材237は、周縁用LED235bからの光を受光部237aで受光することができ、受光部237aで受光した光を線状発光部237bへ導光して線状発光部237bの上端全体を(線状に)発光させることができる。
上皿球抜きボタン239は、ボタン取付部材238によって上下にスライド可能に取付けられ、ボタン取付部材238よりも下方へ延出している延出片239aを備えている。
この上皿球抜きボタン239を下方へ押圧することで、上皿球抜きユニット310を動作させて上皿201内に貯留されている遊技球を、上皿201から下皿202へ排出する(抜く)ことができる。
取付ベースユニット220Aは、四つの横支持ピン231bと二つの前支持ピン231cに夫々挿入されたダンパ222によって、タッチユニット220Bを弾性的に支持することができる。また、タッチユニット220Bが取付けられるユニットケース231の下方へ突出している二つの受突部231eの外周面と、ユニットケース231の下側で受突部231eの下端が挿入されている取付ベース230の筒状受部の内周面との間に僅かな隙間を形成している。これにより、タッチユニット220B側からユニットケース231が下方へ移動するような力(衝撃)が作用した時に、その力が直ちに取付ベース230の取付側受部230aに伝達されず、ユニットケース231の収容凹部231aの底面が下方へある程度撓んで受突部231eの下端の外周面が筒状受部230cの内周面に当接することで、取付ベース230側へ力が伝達される。つまり、ユニットケース231から取付ベース230へ力を伝達させる際に、ユニットケース231が撓むため、その撓みによって力をある程度減衰させて取付ベース230へ伝達させることができる。
また、ユニットケース231の受突部231e及び取付ベース230の筒状受部230cは、それらが形成されている面(タッチユニット220Bの上面と平行な面)に対して傾斜した外周面及び内周面を備えているため、受突部231eから筒状受部230cへ伝達される力の一部が、筒状受部230cが備えられている取付側受部230aの底面に沿った方向へ作用する。これにより、受突部231e(ユニットケース231)側からの力が分散し、取付ベース230に対して一方向へ大きな力が作用するのを回避させることができ、取付ベース230が破損し難くなる。
[3−1d−2.タッチユニット]
演出操作ユニット220のタッチユニット220Bは、図36及び図37に示すように、上方が開放された浅い箱状の下ケース240と、下ケース240内に上側から取付けられる上皿液晶基板241と、下ケース240内において上皿液晶基板241の左右両外側に配置される一対の加振装置242と、一対の加振装置242及び上皿液晶基板241の上側を覆うと共に下ケース240に取付けられ上方が開放された浅い箱状のベース部材243と、ベース部材243内に上側から挿入され上皿液晶基板241によって制御され画像を表示可能な上皿液晶表示装置244と、上皿液晶表示装置244の外周を覆う薄い金属板からなる枠状のアース金具245と、アース金具245及び上皿液晶表示装置244の上面を覆う透明なタッチパネル246と、タッチパネル246の外周を上側から覆いベース部材243を通して下ケース240に取付けられる枠状の上カバー247と、を備えている。
また、タッチユニット220Bは、下ケース240、ベース部材243及び上カバー247を組立てた状態で、それらの後端面において、下ケース240の下端から上カバー247の上端まで上下に延びていると共に、下ケース240等の後端面の左右の略全長に亘って延びており、下ケース240、ベース部材243及び上カバー247の後端面に貼付けられている防水性を有したシート状の防水シール248を備えている。
下ケース240は、外形がユニットケース231の収容凹部213aの内形と対応しており、収容凹部213a内に収容可能に形成されている。下ケース240は、左右に延びた長方形状の基板取付部240aと、基板取付部240aの左右両側から夫々台形に突出している平板状の突出部240bと、各突出部240bをダンパ222の外径と同じ内形で上下に貫通していると共に一部が左右方向外側へ開放されており前後に離間して形成された一対のダンパ取付凹部240cと、ダンパ取付凹部240cの内周面から突出しているフランジ部240dと、突出部240bにおける一対のダンパ取付凹部240cの間で基板取付部240a寄りに配置され加振装置242が取付けられる加振装置取付部240eと、を備えている。
下ケース240のダンパ取付凹部240cは、平面視の形状がC字状に形成されており、C字の開放されている側からダンパ222を挿入させることができる。また、フランジ部240dは、ダンパ取付凹部240cの上下の略中央で、ダンパ取付凹部240cのC字状の内周面の全周に亘って備えられている。このフランジ部240dは、ダンパ222の溝222a内に挿入可能とされている。
加振装置242は、小型の加振駆動モータ242aと、加振駆動モータ242aの回転軸に重心が偏芯して取付けられる錘242bと、を備えている。この加振装置242は、加振駆動モータ242aによって錘242bを回転させることで、振動を発生させることができる。
ベース部材243は、上皿液晶表示装置244が上側から挿入され浅い箱状に形成された液晶取付凹部243aと、液晶取付凹部243aの左右両側から外方へ延出している延出部243bと、延出部243bの先端で下ケース240のダンパ取付凹部240cと対応する位置で上下に貫通しており上側が大径に座グリされたネジ孔243cと、ネジ孔243cの下端側に形成されており下端へ向かうに従って直径が大きくなるC面取り状のテーパ部243d(図41を参照)と、を備えている。
ベース部材243のネジ孔243cの下側の内径は、ユニットケース231における横支持ピン231bのテーパ部231iよりも先端側が通過することができると共に、テーパ部231iよりも基端側(下側)が通過することができない大きさに形成されている。
タッチパネル246は、衝撃に強く割れ難い強化ガラスと、強化ガラスの上面に備えられた静電容量方式の透明なセンサシートと、強化ガラス及びセンサシートの外周を覆う枠状の保護カバーと、を備えている。
タッチユニット220Bは、下ケース240の左右に夫々一対ずつ備えられたダンパ取付凹部240c内に、C字の開放されている側からダンパ222を挿入して、ダンパ222を取付けることができる。この際に、ダンパ取付凹部240cの内周面から突出しているフランジ部240dが、ダンパ222の溝222a内に挿入される。これにより、ダンパ取付凹部240c内のダンパ222が、軸方向へ移動するのが規制される。ダンパ取付凹部240cにダンパ222を取付けた状態では、ダンパ222の上端がベース部材243の延出部243bの下面に当接すると共に、ダンパ222の下端が下ケース240の下端(下面)よりも下方へ突出する。
また、タッチユニット220Bは、一対の加振装置242の加振駆動モータ242aが、下ケース240とベース部材243との間に挟持されている。一対の加振装置242は、夫々独立して振動を発生させることができる。
また、タッチユニット220Bは、タッチパネル246を通して上皿液晶表示装置244に表示される画像を上側から視認することができる。そして、上皿液晶表示装置244にボタン等の画像を表示させ、遊技者がその画像のボタンを操作するようにタッチパネル246に触れることで、画像のボタンを操作することができる。
更に、タッチユニット220Bは、後側の外周面に防止水シール248が貼付けられているため、皿ユニット200上で飲み物等の液体をこぼした時に、その液体がタッチユニット220B内に浸入するのを防止することができ、タッチユニット220Bが液体の浸入によって破損するのを防止することができる。
[3−1d−3.ボタンユニット]
演出操作ユニット220のボタンユニット220Cは、図38及び図39に示すように、取付ベースユニット220Aにおけるユニットケース231のボタンユニット取付部231gに取付けられる円筒状のユニット本体250と、ユニット本体250の下側に配置され上面にLEDが備えられた演出ボタン装飾基板251と、演出ボタン装飾基板251の下側を覆いユニット本体250の下側に取付けられる基板カバー252と、を備えている。
また、ボタンユニット220Cは、ユニット本体250内に上側から上下へスライド可能に挿入される筒状のボタンベース253と、ボタンベース253とユニット本体250との間に配置されボタンベース253を上方へ付勢するバネ部材254と、ボタンベース253内に挿入され演出ボタン装飾基板251のLEDからの光を上方へ導くことが可能な導光部材255と、導光部材255の上側に配置され複数の微小なプリズムを備えたシート状の拡散レンズ部材256と、拡散レンズ部材256の上側を覆いボタンベース253に取付けられる透光性を有した上皿演出ボタン257と、演出ボタン装飾基板251の上面に取付けられておりボタンベース253の下降端への移動を検知する演出ボタン押圧センサ258と、を備えている。
ユニット本体250は、外周面の下端から外方へ延出しボタンユニット取付部231gに取付けられる三つの取付片250aと、内周面の下端から内方へ延出しているフランジ状の棚部250bと、内周面に沿って棚部250bを貫通している一対の貫通口250cと、を備えている。
ボタンベース253は、棚部250bの内周に挿入される筒状の下筒部253aと、下筒部253aの上端から上方へ向かうに従って直径が大きくなる円錐筒状の上筒部253bと、上筒部253bの上端から下方へ延出しており下端がユニット本体250の貫通口250cを貫通可能とされていると共に下端から外方へ突出しユニット本体250の下面と係合(当接)可能な爪を有する一対の係合爪部253cと、上筒部253bの外周面から上端の外径よりも短く外方へ放射状に突出しており下端がユニット本体250の棚部250bの上面と当接可能な複数の平板状の当接片253dと、下筒部253a及び上筒部253bの外周面から外方へ平板状に延出しており演出ボタン押圧センサ258に検知される検知片253eと、を備えている。
バネ部材254は、図示するように、コイルバネとされている。このバネ部材254は、下端がユニット本体250の棚部250bの上面に当接され、上端がボタンベース253における複数の当接片253dによって支持される。
導光部材255は、ボタンベース253における上筒部253bの上部に嵌め込まれる円盤状の本体部255aと、本体部255aの下面から下方へボタンベース253の下筒部253aの下端付近まで延びている円柱状の複数の導光部255bと、を備えている。
複数の導光部255bは、演出ボタン装飾基板251のLEDと対応するように備えられており、LEDからの光を導いて本体部255aの上面全体から放出させることができる。
このボタンユニット220Cは、ボタンベース253、導光部材255、拡散レンズ部材256、及び上皿演出ボタン本体が一体的に組立てられており、それらが一緒にユニット本体250内を上下にスライドすることができる。これらボタンベース253等は、バネ部材254の付勢力によって、上皿演出ボタン257の上面がユニット本体250の上端よりも上方へ突出すると共に、ボタンベース253の一対の係合爪部253cがユニット本体250の下面と係合することで、これ以上の上昇が規制され、上皿演出ボタン257等が上昇端に位置した状態となる。
バネ部材254の付勢力に抗して上皿演出ボタン257を下方へ押圧すると、上皿演出ボタン257等が下降し、ボタンベース253の検知片253eが、演出ボタン押圧センサ258によって検知され、上皿演出ボタン257の押圧操作が検知される。上皿演出ボタン257の押圧により、ボタンベース253が下降すると、ボタンベース253の複数の当接片253dの下端が、ユニット本体250の棚部250bの上面に当接し、これ以上の下降が規制され、上皿演出ボタン257等が下降端に位置した状態となる。
また、ボタンユニット220Cは、演出ボタン装飾基板251のLEDを発光させることで、上皿演出ボタン257を発光装飾させることができる。演出ボタン装飾基板251のLEDは、フルカラーLEDとされており、上皿演出ボタン257を様々な色に発光装飾させることができる。
[3−1d−4.演出操作ユニットの特徴]
本実施形態の演出操作ユニット220は、図41に示すように、組立てた状態で、タッチユニット220Bの下ケース240のダンパ取付凹部240cに取付けられたダンパ222の下端が、下ケース240の下面よりも下方へ突出していることから、取付ベースユニット220Aのユニットケース231の収容凹部231aの底面と、タッチユニット220Bの下ケース240の下面との間に、隙間が形成される。また、ユニットケース231の四つの横支持ピン231bの先端面(上端面)は、ベース部材243のネジ孔243cの座グリの底面と一致しており、横支持ピン231bに対するタッチユニット220Bの上方へ移動が、横支持ピン231bの上端にねじ込まれたビス227の頭部の平座金によって規制されている。また、横支持ピン231bの上端側に形成されたテーパ部231iと、ベース部材243のネジ孔243cの下端側に形成されたテーパ部243dとは、互いに離間している。
また、演出操作ユニット220は、図42に示すように、ユニットケース231の前支持ピン231cに挿入されているダンパ222の上面は、収容凹部231aの底面における横支持ピン231b側の底面よりも若干上方へ突出している。また、ユニットケース231の収容凹部231aの底面と、下ケース240の下面との間に隙間が形成されていることから、ユニットケース231の前支持ピン231cに挿入されたダンパ222の上面と、下ケース240の下面との間にも隙間が形成されている。また、ユニットケース231の中央支持突起231dの上面と下ケース240の下面との間にも隙間が形成されている。つまり、タッチユニット220Bは、左右両側の横支持ピン231bに挿入されたダンパ222によって、下面が宙に浮いた状態で取付ベースユニット220Aに取付けられている。
更に、演出操作ユニット220は、取付ベースユニット220Aの取付ベース230における下方へ窄まる角錐筒状の筒状受部230c内に、上側からタッチユニット220Bが取付けられているユニットケース231における下方へ窄まる角錐状の受突部231eの下端が挿入されている。この筒状受部230cの内周壁と、受突部231eの外周壁との間には、僅かな隙間が形成されている。これにより、通常の状態では、取付ベース230には、ユニットケース231の内側(収容凹部231aの中央側)が宙に浮いた状態で、ユニットケース231の外周付近のみが取付けられている。
また、演出操作ユニット220は、図31等に示すように、タッチユニット220Bにおいて遊技領域5aに近い後側の辺に沿って線状発光レンズ部材237の線状発光部237bの上端が線状(帯状)に露出している。線状発光部237bの上端の長さは、タッチユニット220Bの後辺の長さの約2/3である。このタッチユニット220Bの後辺に沿って露出している線状発光部237bの上端の後側に、上皿後装飾部材236が配置されている。また、上皿後装飾部材236の正面視右側に、上皿球抜きボタン239が配置されている。更に、タッチユニット220Bの正面視左側に、ボタンユニット220Cが配置されている。
この演出操作ユニット220は、遊技領域5a内に遊技球を打込むことで変化する遊技状態に応じて、遊技者に対して様々な演出を提示することができる。例えば、タッチユニット220Bの上皿液晶表示装置244に画像を表示させることで、透明なタッチパネル246を通して画像(演出画像)を遊技者に提示して楽しませることができる。
この上皿液晶表示装置244に表示される画像として、操作ボタンを模した画像を表示させると共に、タッチパネル246のセンサシート246bによるタッチの検知を受付可能とすることで、遊技者に対して画像の操作ボタンを操作させることができ、タッチパネル246を用いた演出を楽しませることができる。タッチパネル246を用いた演出の際に上皿液晶表示装置244に表示される画像は、操作ボタンに限定するものではなく、様々な画像を表示させることができる。
また、演出操作ユニット220では、タッチユニット220Bを複数のダンパ222によってユニットケース231から浮いた状態で支持しているため、遊技状態に応じて加振装置242を動作させることで、タッチユニット220Bを振動させることができる。タッチパネル246を用いた演出の際に、加振装置242によってタッチパネル246(タッチユニット220B)を振動させることで、加振装置242による振動をタッチパネル246に接触している遊技者の指や手等に伝達させて、遊技者に対して画像の操作ボタンを操作しているにも関わらず恰も実体のある操作ボタンを操作しているように錯覚させて驚かせることができ、タッチパネル246と振動による演出を遊技者に楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、演出操作ユニット220では、タッチユニット220Bの正面視左側にボタンユニット220Cを備えているため、遊技状態に応じて遊技者に上皿演出ボタン257を押圧操作させて、上皿演出ボタン257の操作を楽しませることができる。詳述すると、タッチパネル246における画像の操作ボタンでは、タッチパネル246に触れるだけであるため実際の操作ボタンと比較して操作感に欠ける嫌いがあるが、上皿演出ボタン257では現実に押圧操作することができるため、上皿演出ボタン257の操作に違和感を与えてしまうことがなく、上皿演出ボタン257の操作を快適に楽しませることができ、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
この演出操作ユニット220は、前方へ膨出している皿ユニット200において上皿201が備えられている部位に配置されているため、タッチユニット220Bやボタンユニット220Cを用いた演出中以外においても、遊技者をタッチユニット220B等を上から叩く虞がある。これに対して、演出操作ユニット220では、タッチユニット220Bをダンパ222によって下側のユニットケース231から浮いた状態で支持しているため、タッチユニット220Bが上から叩かれても、ダンパ222の弾性力によってその衝撃をある程度吸収することができる。詳述すると、タッチユニット220Bが叩かれたり等して上から衝撃(荷重)が作用すると、左右の横支持ピン231bが挿入されているダンパ222に伝達され、タッチユニット220Bが下降しながらダンパ222が圧縮される。横支持ピン231bに支持されたダンパ222が圧縮されることで、タッチユニット220Bからの衝撃が吸収される。
そして、更に、衝撃によってタッチユニット220Bが下降すると、下ケース240の下面が前支持ピン231cが挿入されているダンパ222の上端に当接し、タッチユニット220Bの下降に伴って前支持ピン231cに支持されているダンパ222が下方へ圧縮される。これにより、横支持ピン231bに支持されているダンパ222に加えて、前支持ピン231cに支持されているダンパ222によっても、タッチユニット220Bからの衝撃が吸収される。
タッチユニット220Bに作用する衝撃によってタッチユニット220Bが更に下降すると、タッチユニット220Bの下ケース240の下面がユニットケース231における収容凹部231aの左右両側の底面と中央支持突起231dの上面とに当接する。これにより、タッチユニット220Bからの衝撃が、複数のダンパ222介さず、タッチユニット220Bからユニットケース231へ直接作用することとなる。
更に、タッチユニット220Bが下降すると、中央支持突起231dからの荷重によってユニットケース231の収容凹部231aの底面が、その中央が下方へ移動するように撓むこととなる。この収容凹部231aの底面の撓みによる弾性力によって、タッチユニット220Bからの衝撃が吸収される。この収容凹部231aの底面が撓むことで、収容凹部231aの底面の下側から下方へ突出している一対の受突部231eが下降する。そして、タッチユニット220Bからの衝撃によって受突部231eが更に下降すると、受突部231eの外周壁の下端側が、取付ベース230の筒状受部230cの内周壁に当接し、タッチユニット220Bからの衝撃が、ユニットケース231から取付ベース230へ伝達されることとなる。
受突部231eの外周壁と筒状受部230cの内周壁は、夫々が下方へ窄まる角錐状に形成さていることから、受突部231eから筒状受部230c(取付ベース230側)へ伝達される荷重が、取付ベース230の取付側受部230aの底面に沿った方向と底面に垂直な方向とに分散されて伝達される。このように、タッチユニット220Bに作用した衝撃が、取付ベース230に伝達されるまでに、その衝撃を吸収する構成が幾重にも配置されているため、タッチユニット220Bに作用した衝撃を十分に吸収して緩和させることができ、その衝撃によって、タッチユニット220B、ユニットケース231、取付ベース230等を破損し難くすることができる。
また、演出操作ユニット220は、遊技状態に応じて上皿後装飾基板235の周縁用LED235bによりタッチユニット220Bの後側の外周縁に沿って延びている線状発光レンズ部材237の線状発光部237bの上端を線状に発光させることができる。これにより、遊技者の関心をタッチユニット220Bへ引付けることができ、タッチユニット220Bにおける上皿液晶表示装置244に表示される画像や、タッチパネル246を用いたタッチ演出等を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、遊技状態に応じて、上皿後装飾基板235の装飾用LED235aによりタッチパネル220Bの後側(線状発光部237bよりも後側)に配置されている上皿後装飾部材236を発光装飾させることができる。この上皿後装飾部材236を発光装飾させることで、線状発光レンズ部材237の線状発光部237bの発光と同様に、遊技者の関心をタッチユニット220B等の演出操作ユニット220へ引付けることができ、演出操作ユニット220によって提示される演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、上皿液晶基板241や上皿液晶表示装置244を備えたタッチユニット220Bを、取付ベースユニット220Aの取付ベース230とユニットケース231とによって、皿ユニットカバー260の後述する上皿下被覆部262の上面よりも高い位置に配置していると共に、タッチユニット220Bの後側の外周面に防水シール248を貼付けている。これにより、上皿201において、外気に触れることで上皿本体212や遊技球の表面で結露した水(水滴)が、上皿201の下方(上皿下被覆部262上)へ流動しても、タッチユニット220B内へ結露した水が浸入するのを防止することができ、タッチユニット220Bにおいて不具合が発生するのを防止することができる。
また、図42に示すように、上皿後装飾部材236や線状発光レンズ部材237を発光装飾させる上皿後装飾基板235を、上皿201の底面よりも高い位置に配置しているため、上皿201で結露した水滴にさらされることがなく、上皿後装飾基板235においてショートや腐蝕等の不具合が発生するのを防止することができる。
[3−1e.皿ユニットカバー]
皿ユニット200の皿ユニットカバー260は、図27乃至図30に示すように、左右に延びていると共に、左右の中央が前方へ膨出しており、後方へ開放された殻状に形成されている。皿ユニットカバー260は、左右の略中央で前方へ開口しており後端が皿ユニットベース210によって閉鎖される下皿開口部261と、下皿開口部261の内周壁における天板側(上側)を形成しており上皿本体212及び演出操作ユニット220の下側を覆う上皿下被覆部262と、下皿開口部261の正面視左側に配置されており本体枠4のスピーカユニット920の低音スピーカからの音を透過させるスピーカグリル263と、スピーカグリル263の上側に配置され皿ユニット左装飾基板345によって発光装飾される皿ユニット左装飾部材264と、下皿開口部261の正面視右側に配置されておりハンドルユニット500のハンドル本体502の後部が通過するハンドル口265と、皿ユニットカバー260の底面を形成しており下皿本体214の下側を覆う底板部266と、左右の中央で底板部266を上下に貫通しており下皿球抜きユニット320によって閉鎖される底板開口部267と、を備えている。
下皿開口部261は、内周壁の底板側(下側)が下皿本体214によって閉鎖される。
スピーカグリル263及び皿ユニット左装飾部材264は、金属板に複数の孔を設けたパンチングメタルによって構成されている。
この皿ユニットカバー260は、正面視左側の表面が滑らかな感じに形成されているのに対して、右側の表面がゴツゴツした感じに形成されている。また、正面視の右側は、略全体的に透光性を有している。
皿ユニットカバー260は、皿ユニット200に組立てた状態で、タッチユニット220Bの上面と上皿下被覆部262の下面との間が、片手で掴むことが可能な間隔に形成されている。これにより、遊技者が、タッチユニット220Bをタッチ操作する際に、下皿開口部261の上側を掴むことで、タッチする指(手や腕)を安定させることができ、タッチユニット220Bのタッチ操作を行い易くできる。
詳述すると、組立てた状態では、タッチユニット220Bの前端上面と上皿下被覆部262の下面との間の厚さが約25mmに、タッチユニット220Bの後端上面と上皿下被覆部262の下面との間の厚さが約50mmに、上皿下被覆部262の前端からタッチユニット220Bの後端までの前後の距離が約60mmに、夫々形成されている。また、タッチユニット220Bの上面が、水平に対して約20度傾斜している。これにより、タッチユニット220Bの上面と上皿下被覆部262の下面との間を、遊技者の手で掴むことができる。
[3−1f.扉右下演出ユニット]
皿ユニット200の扉右下演出ユニット270は、図43乃至図50に示すように、ハンドルユニット500の上側、且つ、演出操作ユニット200の右側に配置されており、遊技状態に応じて回転すると共に発光装飾する球状の扉右下回転体270Aを備えている。扉右下演出ユニット270は、皿ユニットベース210の前面で逃し口210gを閉鎖するように取付けられ扉右下回転体270Aを回転可能に支持するユニットベース271と、ユニットベース271に取付けられている扉右下駆動モータ272と、扉右下駆動モータ272の回転軸に固定されている駆動ギア273と、駆動ギア273と噛合し扉右下回転体270Aに取付けられている従動ギア274と、従動ギア274を回転可能に支持しておりユニットベース271に取付けられている軸部材275と、を備えている。
また、扉右下演出ユニット270は、従動ギア274とは扉右下回転体270Aの反対側に取付けられておりユニットベース271に回転可能に支持されている回転体側軸受部材276と、扉右下回転体270Aの従動ギア274とは反対側をユニットベース271と協働して回転可能に支持しているベース側軸受部材277と、ユニットベース271に取付けられており扉右下回転体270Aの回転位置を検知可能な二つの回転検知センサ278と、扉右下回転体270Aの正面視左側でユニットベース271に取付けられている装飾部材279と、ユニットベース271の後側に取付けられており前面に複数のLEDを備えた扉右下ベース装飾基板280と、ユニットベース271の後側に取付けられており扉右下駆動モータ272、回転検知センサ278、扉右下ベース装飾基板280、及び後述する扉右下回転体装飾基板291と周辺制御基板(図示は省略)との接続を中継する扉右下中継基板281と、を備えている。
扉右下回転体270Aは、外殻を構成し夫々が半球殻状の前外殻部材285及び後外殻部材286と、前外殻部材285と後外殻部材286との間に配置される回転体内部ユニット290と、を備えている。前外殻部材285及び後外殻部材286は、回転軸を中心に半円形状の切欠部285a,286aが夫々形成されている。前外殻部材285は、透光性を有した半球殻状の表面に、金属光沢を有し周方向へ帯状に延びている帯装飾285bと、帯装飾285bの中央に配置されているハート形のハート装飾285cと、を備えている。一方、後外殻部材286は、透光性を有した半球殻状の表面に、金属光沢を有し周方向へ帯状に延びている帯装飾286bを備えている。前外殻部材285と後外殻部材286とを合わせた時に、前外殻部材285の帯装飾285bと後外殻部材286の帯装飾286bとが繋がるように形成されている。
回転体内部ユニット290は、図48及び図49に示すように、円盤状で両面に複数のLEDが備えられている扉右下回転体装飾基板291と、扉右下回転体装飾基板291の中心に取付けられており扉右下回転体装飾基板291の面に対して垂直に延びており先端が軸部材275に取付けられる円柱状の第一固定軸部材292と、第一固定軸部材292とは扉右下回転体装飾基板291の反対側に取付けられており扉右下回転体装飾基板291の面に対して垂直に延びており先端がユニットベース271及びベース側軸受部材277に取付けられる円筒状の第二固定軸部材293と、を備えている。図示は省略するが、第二固定軸部材293の内部には、扉右下中継基板281と扉右下回転体装飾基板291とを接続する配線コードが挿入されている。
また、回転体内部ユニット290は、扉右下回転体装飾基板291の両側に配置されており前外殻部材285及び後外殻部材286の内側に取付けられる平板で円環状の透明なリフレクタベース294と、リフレクタベース294に取付けられており円環状で軸方向外側へ開いた朝顔状の第一リフレクタ295と、第一リフレクタ295の円環内を通してリフレクタベース294に取付けられており中心に六角形の貫通孔296aを有した第二リフレクタ296と、を備えている。第一リフレクタ295及び第二リフレクタ296は、表面に金属光沢を有したメッキ層が備えられており、扉右下回転体装飾基板291からの光を反射させることができる。また、第一リフレクタ295及び第二リフレクタ296には、放射状に延びた平板状のリブが複数備えられている。
この回転体内部ユニット290は、扉右下回転体装飾基板291、第一固定軸部材292、及び第二固定軸部材293と、リフレクタベース294、第一リフレクタ295、及び第二リフレクタ296とが、相対回転可能に互いに分離している。
ユニットベース271は、扉右下回転体270Aの後側に配置される環状のリング部271aと、リング部271aの外周におけるリング部271aの中心に対して正面視斜め右上の部位から前方へ平板状に突出している第一突出片271bと、リング部271aの外周における第一突出片271bとは反対側の部位から前方へ平板状に突出している第二突出片271cと、第二突出片271cの前端から後方へ向かってU字状に窪み第二固定軸部材293の先端が挿入される軸受溝271dと、を備えている。
扉右下駆動モータ272は、第一突出片271bの外側の側面(右側の側面)に、回転軸が貫通した状態で取付けられる。従動ギア274は、駆動ギア273よりも大径に形成されている。軸部材275は、第一突出片271bの前端に取付けられる取付部275aと、取付部275aから筒状に突出している筒状軸部275bと、を備えている。この軸部材275は、筒状軸部275bの外周によって従動ギア274を回転可能に支持できると共に、筒状軸部275bの内周によって第一固定軸部材292の先端を回転不能に支持できる。
回転体側軸受部材276は、第二固定軸部材293が回転可能に挿入される軸受孔276aと、外方へ延出している平板状の検知片276bと、を備えている。ベース側軸受部材277は、ユニットベース271における第二突出片271cの前端のU字状の軸受溝271dの開放されている前端側を閉鎖するように、第二突出片271cの前端に取付けられる。二つの回転検知センサ278は、扉右下回転体270Aの回転軸を挟んで対称に第二突出片271cに取付けられる。二つの回転検知センサ275は、扉右下回転体270Aのハート装飾285cが前方を向く回転位置(図50(a)を参照)と、ハート装飾285cが後方を向く回転位置(図50(b)を参照)とを、夫々検知することができる。
本実施形態の扉右下演出ユニット270は、遊技状態に応じて、扉右下駆動モータ272によって扉右下回転体270Aを回転させることができると共に、ハート装飾285cが前方を向くように停止するか否かで、遊技者に対してチャンスの到来等を示唆することができ、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、扉右下演出ユニット270は、扉右下回転体270A内部の扉右下回転体装飾基板291が回転不能に取付けられていることから、扉右下回転体270Aの回転中に、扉右下回転体装飾基板291(のLED)を発光させると、扉右下回転体270Aの回転につれて扉右下回転体装飾基板291から照射される光の位置が移動すると共に、第一リフレクタ295や第二リフレクタ296によって反射誘導される光の方向が変化するため、扉右下回転体装飾基板291のLEDを点滅させなくても、光が点滅しているように扉右下回転体270Aを発光装飾させたり、LEDから多様な色の光を照射することで扉右下回転体270Aを虹色に発光装飾させたりすることができ、遊技者を楽しませることができる。
[3−1g.演出ユニットカバー]
皿ユニット200の演出ユニットカバー300は、図29及び図30に示すように、扉右下演出ユニット270における球状の扉右下回転体270Aの前側を覆う半球状で透明な回転体カバー部301と、回転体カバー部301の外周に形成されており皿ユニットカバー260の正面視右側の装飾と連続した装飾部302と、回転体カバー部301の下部右側において前後に貫通しており施錠ユニット700の鍵シリンダ710が挿通されるシリンダ挿通口303と、を備えている。
演出ユニットカバー300は、全体が後方が開放された容器状で、透光性を有している。この演出ユニットカバー300は、回転体カバー部301の上側が扉右下演出ユニット270の扉右下ベース装飾基板280によって発光装飾されると共に、回転体カバー部301の下側が皿ユニット右装飾基板346によって発光装飾される。
[3−1h.上皿球抜きユニット]
皿ユニット200の上皿球抜きユニット310は、図51乃至図53に示すように、皿ユニットベース210の透口210e及び受片210fを前側から覆うように皿ユニットベース210の前面に取付けられ後方が開放された縦長箱状で上部に上皿球抜きボタン239の延出片239aが挿通可能な挿通口311aを有しているカバー311と、カバー311内における皿ユニットベース210の透口210eの正面視左上となる位置に取付けられている前ベース部材312と、前ベース部材312によって回転可能に支持されており上皿球抜きボタン239の押圧により回動する押圧伝達部材313と、押圧伝達部材313を上皿球抜きボタン239が上昇する方向へ付勢している第一バネ部材314と、を備えている。
また、上皿球抜きユニット310は、皿ユニットベース210の上皿球送り口210dを後側から閉鎖するように皿ユニットベース210の後側に取付けられている後ベース部材315と、後ベース部材315と皿ユニットベース210との間に配置されていると共に後ベース部材315によって昇降可能に取付けられており上側から押圧伝達部材313が接触している上皿球抜きスライダ316と、上皿球抜きスライダ316を上方へ付勢している第二バネ部材317と、を備えている。
前ベース部材312は、皿ユニットベース210の前面と平行に延びておりカバー311に取付けられる平板状のベース部312aと、ベース部312aの左右両辺から前方へ平板状に延出している一対の延出片312bと、延出片312bの前端から後方へU字状に凹んだ軸支部312cと、ベース部312aの前面下端付近に備えられており第一バネ部材314の後端が係止される鉤状のバネ係止部(図示は省略)と、を備えている。
押圧伝達部材313は、両端が前ベース部材312の一対の軸支部312c内へ回転可能に挿入される横長円柱状の軸部313aと、軸部313aから後方へ平板状に延出している後方延出片313bと、後方延出片313bの上面における正面視左端付近から上方へ平板状に延出しており上皿球抜きボタン239の延出片239cの下端が当接可能な上方延出片313cと、後方延出片313bの下面における正面視右端から下方へ平板状に延出している下方延出片313dと、軸部313aにおける正面視左端付近の下側から下方へ突出しており第一バネ部材314の前端が係止される鉤状のバネ係止部313eと、を備えている。下方延出片313dは、後方へ向かうに従って下方へ延びる三角形に形成されており、下端が上皿球抜きスライダ316と当接可能とされている。
後ベース部材315は、皿ユニットベース210の後面と平行に平板状に延びており皿ユニットベース210に取付けられるベース部315aと、ベース部315aの前面で左右に離間して備えられており上皿球抜きスライダ316の左右両端をスライド可能に支持するスライダ支持部315bと、ベース部315aの上端における皿ユニットベース210の上皿球送り口210dの上部と対応する位置に前方へ開口していると共にベース部315aの後側で下方へ開口し遊技球が流通可能な上部入口315cと、を備えている。
また、後ベース部材315は、ベース部315aの後側で上部入口315cと連続して下方へ延びていると共に後方へ開放されており下端が後方へ湾曲している第一誘導路315dと、第一誘導路315dの下側から下方へ延びた後に正面視左方へ延びて左端が左方へ開放されており全体が後方へ開放されているL字状の第二誘導路315eと、第二誘導路315eにおける左方へ延びた部位の後端側を閉鎖している平板状の通路蓋315fと、L字状の第二誘導路315eに二辺が囲まれるようにベース部315aを前後に貫通している開口部315gと、ベース部315aの前面から前方へボス状に突出しており第二バネ部材317の上端が係止されるバネ係止部315hと、を備えている。
後ベース部材315におけるL字状の第二誘導路315eは、左方へ延びた部位が、左方へ向かうに従って低くなるように傾斜している。この第二誘導路315eの左端は、図51(b)に示すように、皿ユニットベース210における筒状の下皿球供給口210cの切欠部210jに挿入されており、第二誘導路315eと下皿球供給口210cとが互いに連通している。
上皿球抜きスライダ316は、平板状で左右両端が後ベース部材315のスライダ支持部315bにスライド可能に支持されるスライダベース316aと、スライダベース316aの上端における正面視中央より左側から前方へ皿ユニットベース210の透口210eを通って受片210fの上側へ延出し上面に押圧伝達部材313の下方延出片313dの下端が当接可能な伝達片316bと、伝達片316bの下側でスライダベース316aの後側から下方へ向かうに従って後方へ突出している三角状の作動伝達部316cと、スライダベース316aの前面から突出しており第二バネ部材317の下端が係止される鉤状のバネ係止部316dと、を備えている。
上皿球抜きユニット310は、皿ユニット200を組立てた状態で、後ベース部材315の上部入口315cが、上皿本体212の誘導通路部212aの正面視右端側となる下端に開口している。これにより、上皿201内の遊技球を、上部入口315cからベース部315aの後側の第一誘導部315dを介して球送りユニット540へ供給することができる。
また、上皿球抜きユニット310は、上皿球抜きボタン239を下方へ押圧すると、上皿球抜きボタン239の延出片239aによって押圧伝達部材313が、第一バネ部材314の付勢力に抗して軸部313aを中心に、下方延出片313dの下端が下方へ移動する方向へ回動する。押圧伝達部材313の回動に伴って下方延出片313dの下端が下方へ移動すると、下方延出片313dの下端が当接している上皿球抜きスライダ316の伝達片316bによって上皿球抜きスライダ316が第二バネ部材317の付勢力に抗して下方へスライドする。
この上皿球抜きスライダ316が下方へスライドすることで、作動伝達部316cが、球送りユニット540の切換機構を動作させて球送りユニット540内での流路が切換えられて、第一誘導路315d側が第二誘導路315e側と連通した状態となる。これにより、上皿201内の遊技球が、上部入口315c、第一誘導路315d、球送りユニット540、及び第二誘導路315eを通って、下皿球供給口210cから下皿202へ排出され、上皿201内の遊技球を抜くことができる。
なお、上皿球抜きボタン239の下方への押圧を解除すると、第一バネ部材314及び第二バネ部材317の付勢力によって、上皿球抜きスライダ316や上皿球抜きボタン239が上昇し、元の状態に復帰することができる。
[3−1i.下皿球抜きユニット]
皿ユニット200の下皿球抜きユニット320は、図54等に示すように、皿ユニットカバー260の底板開口部267を閉鎖するように下皿本体214の下側に取付けられ下皿本体214の球抜き孔214aと一致する開口部321aを有している平板状の下皿球抜きベース321と、下皿球抜きベース321上を左右にスライドし開口部321aを閉鎖可能な平板状のスライド蓋322と、スライド蓋322の前端に取付けられており皿ユニットカバー260の前面から外部へ露出する摘み部323と、スライド蓋322によって開口部321aを閉鎖する方向へスライド蓋322を付勢しているバネ部材324と、バネ部材324の付勢力に抗してスライド蓋322を開口部321aを開放している位置に保持する保持装置325と、を備えている。
下皿球抜きベース321の開口部321aは、正面視左右中から右寄りの位置に形成されている。この下皿球抜きベース321は、下皿本体212に取付けることで、下皿球抜きベース321と下皿本体212との間でスライド蓋322を左右へスライド可能に支持することができる。スライド蓋322は、正面視左端側に保持装置325によって保持される保持突起322aを備えている。
保持装置325は、下皿球抜きベース321に取付けられる本体325aと、本体325aから開閉可能に突出しており保持突起322aを掴むことができる一対の保持爪325bと、を備えている。保持装置325は、開いている一対の保持爪325aの間に、保持突起322aを挿入して本体325a側へ押圧すると、一対の保持爪325bが閉じて保持突起322aを保持すると共に、一対の保持爪325bが閉じた状態で維持される。
この状態で、保持突起322aを本体325a側へ移動させると、一対の保持爪325aが開いた状態となり、保持突起322aの保持が解除される。
この下皿球抜きユニット320は、摘み部323(スライド蓋322)が正面視右側へ移動している状態では、開口部321aと下皿本体214の球抜き孔214aとの間にスライド蓋322が位置し、下皿202内の遊技球が、球抜き孔214aから下方へ抜けることがなく、下皿202内に遊技球を貯留させることができる。
この状態から、摘み部323を左側へ操作することでスライド蓋322が左方へスライドし、開口部321aと球抜き孔214aとが連通する。これにより、下皿202内の遊技球が球抜き孔214a及び開口部321aを通って皿ユニット200の下方へ抜けるようになり、下皿202内の遊技球を抜くことができる。この際に、スライド蓋322の保持突起322aが、保持装置325の一対の保持爪325bによって保持されるため、摘み部323の操作をやめてもスライド蓋322が開いたままの状態となり、下皿202内の遊技球を抜き続けることができる。
スライド蓋322を閉めるには、摘み部323を左側へ僅かに操作すると、一対の保持爪325bが開いて保持突起322aの保持が解除され、バネ部材324の付勢力によってスライド蓋322が右側へスライドして、球抜き孔214aを閉鎖する。このように、下皿球抜きユニット320の摘み部323を操作することで、下皿202に遊技球を貯留させたり、下皿202に貯留された遊技球を抜いたりすることができる。
[3−1j.球貸操作ユニット]
皿ユニット200の球貸操作ユニット330は、図29及び図30等に示すように、演出操作ユニット220における正面視右端付近の上面に取付けられ透光性を有しているユニットケース331と、ユニットケース331の上面に露出しており遊技者が操作可能な球貸ボタン332と、球貸ボタン332の後側でユニットケース331の上面に露出しており遊技者が操作可能な返却ボタン333と、返却ボタン333の後側でユニットケース331の上面を通して遊技者側から視認可能とされている表示部334と、を備えている。
この球貸操作ユニット330は、パチンコ機1に隣接して設けられた球貸機に対して現金やプリペイドカードを投入した上で、球貸ボタン332を押すと、所定数の遊技球を皿ユニット200の上皿201内へ貸出す(払出す)ことができると共に、返却ボタン333を押すと貸出された分の残りを引いた上で投入した現金の残金やプリペイドカードが返却される。また、表示部334には、球貸機に投入した現金やプリペイドカードの残数、或は、球貸機が故障した時のエラーコード等、が表示される。
[3−1k.上皿トップ装飾部材]
皿ユニット200の上皿トップ装飾部材340は、図29及び図30等に示すように、皿ユニットベース210の上端における左右中央に取付けられ左右に帯状に延びた透光性を有する上皿トップレンズ340aと、上皿トップレンズ340aの下側に取付けられており上面に複数のLEDが取付けられた上皿トップ装飾基板340bと、を備えている。
この上皿トップ装飾部材340は、上皿トップ装飾基板340bのLEDを発光させることで、上皿トップレンズ340aを帯状に発光させることができる。この上皿トップ装飾部材340は、演出操作ユニット200の後側に配置されていることから、上皿後装飾部材236や線状発光レンズ部材237等の発光装飾と同様に、上皿トップ装飾部材340を発光装飾させることで、遊技者の関心をタッチユニット220B等の演出操作ユニット220へ引付けることができ、演出操作ユニット220によって提示される演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
[3−1l.皿ユニットの特徴的な作用効果]
本実施形態の皿ユニット200は、遊技領域5aの下側の遊技球を貯留する上皿201を有した皿ユニット200の上面における演出操作ユニット220のタッチユニット220Bに、遊技領域5a内に遊技球を打込むことで変化する遊技状態に応じて上皿液晶表示装置244に画像を表示させる際に、上皿液晶表示装置244の遊技領域5aに近い側の後側の外周縁に沿って帯状の線状発光レンズ部材237、上皿後装飾部材236、及び上皿トップ装飾部材340等を発光させることができるため、遊技者の視線が遊技領域5a内に集中していても、視線(視界)の外側から入る線状発光レンズ部材237等の光に気付くことができ、遊技者の視線(関心)を線状発光レンズ部材237等つまり上皿液晶表示装置244側へ引き付けることができる。従って、上皿液晶表示装置244において、遊技状態に応じて画像等の演出を提示する際に、線状発光レンズ部材237等を発光させることで、遊技者に対して上皿液晶表示装置244による演出の提示に気付かせることができ、上皿液晶表示装置244による演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、皿ユニット200に遊技状態に応じて画像を表示可能な上皿液晶表示装置244を備えていることから、チャンスの到来を示唆する画像を表示させるようにした場合、遊技領域5a外に配置されている上皿液晶表示装置244によってチャンスの到来が示唆されることとなるため、遊技者に対して遊技領域5a内での遊技と、遊技領域5a外の上皿液晶表示装置244での演出との両方を気に掛けさせることができる。従って、遊技領域5a内と遊技領域5a外(上皿液晶表示装置244)とを気に掛けさせることで、スピード感のあるタイトな遊技を楽しませることができ、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができると共に、上皿液晶表示装置244においてチャンスの到来を示唆する画像を表示する時に、線状発光レンズ部材237等を発光させることで、遊技者を上皿液晶表示装置244に注目させることができ、チャンスの到来を確実に認識させて遊技者を楽しませることができる。この場合、遊技者によっては、遊技領域5a内と遊技領域5a外との両方が気になることで、どちらにも集中できなくなって興趣を低下させてしまう虞があるが、遊技状態(チャンスの到来)に応じて線状発光レンズ部材237等が発光するため、線状発光レンズ部材237等が発光するまでは遊技領域5a内へ集中することができ、遊技領域5a内での遊技を楽しませることができると共に、線状発光レンズ部材237等の発光時には上皿液晶表示装置244での演出を楽しませることができ、遊技にメリハリを付けて飽き難くすることができる。
また、遊技領域5aの下側で遊技者側へ膨出した皿ユニット200に上皿液晶表示装置244を備えているため、上皿液晶表示装置244が遊技者から近い位置に配置されることとなる。これにより、本パチンコ機1の正面に位置している遊技者によって上皿液晶表示装置244が隠れ易くなり、上皿液晶表示装置244を隣や後ろの他の遊技者からは見え難くなるため、上皿液晶表示装置244により提示される演出を当該遊技者のみに楽しませることができる。従って、上皿液晶表示装置244による演出を楽しんでいる時に、他の遊技者によって覗かれることで、不快に感じて興趣を低下させてしまうのを低減させることができると共に、上皿液晶表示装置244による演出の提示の際に線状発光レンズ部材237等が発光することで、上皿液晶表示装置244による演出を見逃し難くすることができ、上皿液晶表示装置244による演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、線状発光レンズ部材237等を帯状に発光させるようにしているため、点状に発光させる場合と比較して、線状発光レンズ部材237等の発光を目立ち易くすることができ、遊技者の意識が遊技領域5a内に集中していても、線状発光レンズ部材237等の発光に気付かせ易くすることができ、上皿液晶表示装置244やタッチパネル246等による演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。また、線状発光レンズ部材237等を帯状に発光させるため、他の発光装飾体等の発光とは異なる発光態様となり、発光装飾体等の発光と誤認してしまうのを低減させることができ、確実に線状発光レンズ部材237等の発光に気付かせることができる。
また、上皿液晶表示装置244の外周縁のうち遊技領域5aに近い後側の位置に線状発光レンズ部材237等を配置しているため、線状発光レンズ部材237等を発光させた時に、線状発光レンズ部材237等の光を遊技者の視界に入り易くすることができ、線状発光レンズ部材237等の発光に気付かせて上皿液晶表示装置244の演出を楽しませることができる。
また、上皿201等を有している皿ユニット200の上面に上皿液晶表示装置244等を有した演出操作ユニット200を備えており、皿ユニット200の上皿201は遊技領域5a内に打込むための遊技球の量を確認するための遊技者がある程度の頻度で視線を向けることから、上皿201へ視線を向けた際に上皿液晶表示装置244や線状発光レンズ部材237等が視界に入り易く、線状発光レンズ部材237の発光に気付き易くなる。また、遊技者が上皿201へある程度の頻度で視線を向けることから、視線を遊技領域5a内から上皿201(上皿液晶表示装置244)へ向け易い。従って、線状発光レンズ部材237等の発光に気付いた時に、即座に視線を上皿液晶表示装置244へ移すことができ、上皿液晶表示装置244により提示される演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、遊技領域5aの下側に演出操作ユニット200を配置しており、下側から遊技者へ線状発光レンズ部材237等からの光が照射されるため、遊技領域5aの上側に配置した場合と比較して、遊技者の目に入り易く線状発光レンズ部材237等の発光に気付かせ易くすることができ、遊技者を上皿液晶表示装置244に確実に注目させることが可能となり、演出操作ユニット200による演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、遊技領域5aの左右方向の中央と対応する位置に演出操作ユニット200(上皿液晶表示装置244)を配置しているため、遊技者の視線の中心が遊技領域5a内のどの位置にあっても、線状発光レンズ部材237等からの光に気付き易くすることができ、遊技者を確実に上皿液晶表示装置244へ注目させることが可能となり、演出操作ユニット200による演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、演出操作ユニット200にタッチパネル246を備えているため、画像による演出の他に、遊技者にタッチパネル246を操作させる演出も行うことができ、多彩な演出によって遊技者を楽しませることができると共に、遊技者にタッチパネル246を操作させることで、演出に参加させることができ、遊技者に対して能動的に演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、タッチユニット220Bの後側の外周縁に沿って配置された線状発光レンズ部材237(線状発光部237b)が、上皿201における遊技球を球送りユニット540(球発射装置680)へ送る誘導通路部212aに沿って配置されていると共に、誘導通路部212aとの間に上皿球抜きユニット310を動作させる上皿球抜きボタン239を配置されている。つまり、遊技者が遊技に必要な遊技球を確認する場所の近傍に線状発光レンズ部材237が備えられており、遊技中でも遊技者が気にする位置に線状発光レンズ部材237を配置した構成としているため、線状発光レンズ部材237の発光に気付かせることができ、遊技者の関心をタッチユニット220Bに引付けてタッチユニット220Bによる演出(上皿液晶表示装置244による演出画像、タッチパネル246のタッチ操作、等)のタイミングに気付き易くすることができる。
また、上皿液晶基板241や上皿液晶表示装置244を備えたタッチユニット220Bを、取付ベースユニット220Aの取付ベース230とユニットケース231とによって、皿ユニットカバー260の上皿下被覆部262の上面よりも高い位置に配置していると共に、タッチユニット220Bの後側の外周面に防水シール248を貼付けているため、上皿201において、外気に触れることで上皿本体212や遊技球の表面で結露した水(水滴)が、上皿201の下方(上皿下被覆部262上)へ流動しても、タッチユニット220B内へ結露した水が浸入するのを防止することができ、タッチユニット220Bにおいて不具合が発生するのを防止することができる。
また、図42に示すように、上皿後装飾部材236や線状発光レンズ部材237を発光装飾させる上皿後装飾基板235を、上皿201の底面よりも高い位置に配置しているため、上皿201で結露した水滴にさらされることがなく、上皿後装飾基板235においてショートや腐蝕等の不具合が発生するのを防止することができる。
更に、皿ユニット200の演出操作ユニット220において、加振装置242によってタッチパネル246と上皿液晶表示装置244とを備えたタッチユニット220Bを振動させた際に、タッチユニット220Bが複数(二つ)のダンパ222を挟んで浮いた状態で取付ベースユニット220Aのユニットケース231に取付けられているため、タッチユニット220B(加振装置242)の振動がダンパ222によって吸収・減衰されて取付ベースユニット220Aに伝わることとなり、取付ベースユニット220Aの振動を低減させることができる。従って、タッチユニット220Bのタッチパネル246をタッチ操作した際に、加振装置242によってタッチユニット220Bを振動させると、タッチユニット220Bのみが振動することとなるため、遊技者に対してタッチユニット220Bのタッチパネル246の操作感を十分に付与することができ、遊技者にタッチパネル246のタッチ操作を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、加振装置242によってタッチユニット220Bを振動させることができるため、遊技者に対してタッチパネル246の操作感の他に、タッチユニット220Bの振動によって驚かせたり、タッチパネル246を操作するタイミングを示唆したりすることができ、タッチユニット220Bのタッチパネル246による操作演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、タッチユニット220Bを複数のダンパ222によって下側から支持しているため、タッチユニット220Bを上側から叩いたり強く押したりしてタッチユニット220Bに衝撃や荷重等が加えられても、ダンパ222によってその衝撃等を吸収することが可能となるため、衝撃等によってタッチユニット220Bや取付ベースユニット220A等が破損してしまうのを低減させることができ、タッチユニット220B等の破損により遊技が中断することで遊技者の興趣が低下してしまうのを抑制することができる。
また、タッチユニット220Bの操作する部位をタッチパネル246としていることから、遊技者が操作する際には、ボタンを押圧操作する場合と比較して、タッチパネル246に触れている時間が長くなるため、タッチパネル246に触れた時に加振装置242でタッチユニット220Bを振動させると、その振動を遊技者の指(手)に確実に伝達させることができる。従って、遊技者の指が振動することでタッチパネル246を操作していることを遊技者に実感させることができるため、十分な操作感を付与することができ、遊技者にタッチパネル246の操作を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、タッチユニット220Bの上皿液晶表示装置244に表示される画像を変更することで、タッチ操作(ボタン)の種類を簡単に変更することができ、多様な演出に対応することが可能となり、多様な演出によって遊技者を飽き難くして興趣が低下するのを抑制することができる。更に、タッチユニット220Bにタッチパネル246を備えているため、従来の押圧ボタンと比較して、タッチ、タップ(シングルタップ、ダブルタップ)、ドラッグ、フリック、ピンチ(ピンチアウト、ピンチイン)、スワイプ、タッチアンドホールド、等の様々な操作を行うことができる。これにより、より多彩な操作演出を行うことができ、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、タッチユニット220Bを、取付ベースユニット220A(ユニットケース231)に対して上方へ移動不能且つ下方へ移動可能に取付けるようにしており、複数のダンパ222の弾性力(付勢力)によってタッチユニット220Bが上側の移動端に押し付けられた状態となるため、タッチパネル246の操作中にタッチユニット220Bを動き難くすることができ、タッチパネル246の操作を的確に行い易くすることができる。また、タッチユニット220Bが動き難くなることから、遊技者に対してタッチユニット220Bが動かないものであると思わせることができ、動かないと思っていたタッチユニット220Bが遊技状態に応じて加振装置242により振動することで遊技者を驚かせることができ、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、互いに離間した複数の加振装置242によってタッチユニット220Bを振動させるようにしているため、例えば、タッチパネル246において遊技者が操作する部位に近い位置の加振装置242を駆動させることで、強い振動を伝達させることができる。従って、タッチパネル246において、遊技者が操作すべき位置と異なる位置を操作した場合、遊技者に伝達される振動が異なることとなるため、遊技者に対して、操作を間違えていることを知らせることが可能となり、遊技者に対して正しい操作を行わせることができ、タッチパネル246を用いた操作演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、互いに離間した複数の加振装置242を備えているため、各加振装置242の振動の周波数や強さ等を適宜制御することで、タッチパネル246の任意の位置で共振現象を発生させることができる。従って、遊技者が操作した任意の位置で共振現象が発生するように各加振装置242を制御することで、より一層の操作感を付与したり、遊技者を大いに驚かせたりすることができ、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、タッチユニット220Bが上側から叩かれたり強く押されたりしてタッチユニット220Bに衝撃や荷重等が作用した場合、タッチユニット220Bの左右両端側がダンパ222を挟んでユニットケース231に取付けられているため、ダンパ222とタッチユニット220Bの撓りとによって上側からの衝撃等をある程度吸収して(減衰させて)ユニットケース231側へ伝達させることができる。また、ユニットケース231側では、ユニットケース231の外縁が下側の取付ベース230に取付けられているため、ユニットケース231を介したタッチユニット220B側からの衝撃や荷重等を、取付ベース230に対して広く分散させて伝達させることができる。この際に、ユニットケース231の下面から下方へ突出した受突部231eの外周壁と、取付ベース230の取付側受部230aの底面において受突部231eが挿入されている筒状受部230cの内周壁との間に隙間が形成されているため、タッチユニット220Bからの衝撃や荷重等によって、ユニットケース231が下方へ撓んだ後に、受突部231eと筒状受部230cとが当接してユニットケース231から取付ベース230へ衝撃等が伝達されることとなり、ユニットケース231の撓みによって、衝撃等が更に減衰された状態で取付ベース230に伝達される。この受突部231eの外周壁と筒状受部230cの内周壁は、下方へ窄まっているため、受突部231eと筒状受部230cとが当接すると、受突部231e(ユニットケース231)側からの衝撃や荷重等が、取付ベース230の取付側受部230aの底面に対して斜め方向へ伝達され、取付ベース230の取付側受部230aの底面に垂直な方向と底面に沿った方向とに分解されることとなり、取付ベース230を撓ませようする底面に垂直な方向(下方向)の力が小さくなって取付ベース230側へ伝達される。従って、タッチユニット220Bが上側から叩かれたり強く押されたりしても、複数のダンパ222、ユニットケース231、取付ベース230によって、その衝撃等を効果的に減衰させることができ、タッチユニット220Bや取付ベースユニット220Aが破損するのを抑制することができる。
[3−2.ファールカバーユニット]
扉枠3のファールカバーユニット520について、図55乃至図57を参照して詳細に説明する。図55(a)は扉枠のファールカバーユニットを前から見た斜視図であり、(b)はファールカバーユニットを後ろから見た斜視図である。また、図56(a)はファールカバーユニットを蓋部材を外して前から見た分解斜視図であり、(b)はファールカバーユニットを蓋部材を外して後ろから見た分解斜視図である。更に、図57は、蓋部材を外した状態のファールカバーユニットの正面図である。
本実施形態のファールカバーユニット520は、図示するように、扉枠ベースユニット100の後側に取付けられ前側が開放された浅い箱状のユニット本体522と、ユニット本体522の前面に取付けられている平板状の蓋部材524と、を備えている。ファールカバーユニット520は、正面視左上隅において前後に貫通しており本体枠4の下部満タン球経路ユニット860の通常誘導路861と皿ユニット200の上皿球供給口210aとを連通させる貫通球通路526と、貫通球通路526の正面視右側で後方へ向かって開口しており本体枠4の下部満タン球経路ユニット860の満タン誘導路862と連通可能な満タン球受口528と、を備えている。
また、ファールカバーユニット520は、満タン球受口528の正面視右側で上方へ向かって開口しており本体枠4の球発射装置680により発射されにも関わらず遊技領域5a内へ到達しなかった遊技球(ファール球)を受けるファール球受口530と、正面視右下隅で前方へ向かって開口しており満タン球受口528及びファール球受口530に受入れられた遊技球を放出すると共に皿ユニット200の下皿球供給口210cと連通する球放出口532と、を備えている。
更に、ファールカバーユニット520は、ユニット本体522及び蓋部材524とによって、満タン球受口528及びファール球受口530と球放出口532との間に形成されており所定量の遊技球を貯留可能な広さを有している貯留通路533と、貯留通路533の内壁の一部を構成しており下端が回動可能にユニット本体522に取付けられている平板状の可動片534と、可動片534の貯留通路533から遠ざかる方向への回動を検知する満タン検知センサ535と、可動片534を貯留通路533の中心側へ付勢しているバネ536と、を備えている。
このファールカバーユニット520は、皿ユニット200の下皿202内が遊技球で一杯になって、球放出口532から遊技球が下皿202側へ放出されなく無くると、貯留通路533内にある程度の数の遊技球を貯留することができる。そして、貯留通路533内にある程度の数の遊技球が貯留されると、遊技球の重さによって可動片534の上端が貯留通路533から遠ざかる方向へ移動するように可動片534が回動し、その回動が満タン検知センサ535によって検知される。これにより、下皿202が遊技球で満タンになっていると判断することができるため、満タン検知センサ535により満タンが検知されると、これ以上の遊技球の払出しを停止させると共に、その旨を遊技者や遊技ホールの係員等に報知して、下皿202の満タンを解消させるように促すことができる。
また、ファールカバーユニット520は、ユニット本体522の後側で貫通球通路526の下側に取付けられており、本体枠4の後述する払出ユニット800における下部満タン球経路ユニット860の誘導路開閉扉863の作動突部863eが当接可能な扉開閉当接部537を備えている(図80を参照)。扉開閉当接部537は、後面が下方へ向かうに従って前方へ移動するように傾斜している。この扉開閉当接部537は、本体枠4に対して扉枠3を閉じると、誘導路開閉扉863の作動突部863eが当接するように形成されている。この扉開閉当接部537に誘導路開閉扉863の作動突部863eが当接することで、誘導路開閉扉863が回動して通常誘導路861及び満タン誘導路862の下流端(前側開口)を開放させることができる。
[4.本体枠の全体構成]
本実施形態のパチンコ機1における本体枠4について、図58乃至図61を参照して説明する。図58は本体枠を前から見た斜視図であり、図59は本体枠を後ろから見た斜視図である。また、図60は本体枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図61は本体枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。本実施形態の本体枠4は、図示するように、前方が開放された箱状に形成されており、内部に遊技盤5が着脱可能に収容される。この本体枠4は、正面左辺側前端の上下において、遊技ホールの島設備に取付けられる枠状の外枠2に開閉可能に取付けられると共に、開放された前面側が閉鎖されるように扉枠3が開閉可能に取付けられるものである。
本実施形態の本体枠4は、一部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベース600と、本体枠ベース600の正面視左側の上下両端に取付けられ外枠2の外枠側上ヒンジ部材60及び外枠側下ヒンジ部材70に夫々回転可能に取付けられると共に扉枠3の扉枠側上ヒンジ部材140及び扉枠側下ヒンジ部材150が夫々回転可能に取付けられる本体枠側上ヒンジ部材620及び本体枠側下ヒンジ部材640と、本体枠ベース600の正面視左側面に取付けられる補強フレーム660と、を備えている。
また、本体枠4は、本体枠ベース600の前面下部に取付けられており遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球を打込むための球発射装置680と、本体枠ベースの正面視右側面に取付けられており外枠2と本体枠4、及び扉枠3と本体枠4の間を施錠する施錠ユニット700と、本体枠ベース600の正面視上辺及び左辺に沿って後側に取付けられており遊技者側へ遊技球を払出す逆L字状の払出ユニット800と、本体枠ベース600の後面下部に取付けられている基板ユニット900と、本体枠ベース600の後側に開閉可能に取付けられ本体枠ベース600に取付けられた遊技盤5の後側を覆う裏カバー980と、を備えている。
[4−1.本体枠ベース]
本実施形態における本体枠4の本体枠ベース600は、図58乃至図61に示すように、正面視の形状が上下に延びた長方形に形成されている。この本体枠ベース600は、上端よりやや下側の位置から全高の約3/4の高さの範囲で前後に貫通しており遊技盤5が前側から挿入される遊技盤挿入口601と、遊技盤挿入口601の下辺を形成しており遊技盤5が載置される遊技盤載置部602と、遊技盤載置部602の左右方向中央から上方へ突出しており遊技盤5の下端の左右及び後方への移動を規制する遊技盤規制部603と、を備えている。
また、本体枠4は、遊技盤載置部602の正面視右下側に形成されている球発射装置680を取付けるための発射装置取付部604と、発射装置取付部604の正面視右側で前後に貫通しており施錠ユニット700の鍵シリンダ710が挿通されるシリンダ挿通口605と、遊技盤載置部602の正面視左右中央から左寄り下側で前後に貫通しており基板ユニット900の低音スピーカを前方へ臨ませる接続用開口部606と、遊技盤載置部602の正面視左下側で前後に貫通しており基板ユニット900におけるスピーカユニット920を前方へ臨ませる円形状のスピーカ用開口部607と、を備えている。
更に、本体枠4は、遊技盤挿入口601の正面視右辺から後方へ板状に延出しており、右側面に施錠ユニット700が取付けられると共に、後端に裏カバー980が回動可能に取付けられる後方延出部608を備えている。また、本体枠4は、後面における正面視左端の上下両端部付近に形成されており、本体枠側上ヒンジ部材620及び本体枠側下ヒンジ部材640を取付けるための上ヒンジ取付部609及び下ヒンジ取付部610を備えている。
また、本体枠4は、接続用開口部606を開閉可能に閉鎖する開口カバー615と、遊技盤載置部602の正面視左右中央より左側でやや下側の位置に回動可能に取付けられ、遊技盤挿入口601に挿通された遊技盤5の前方への移動を規制可能な遊技盤ロック部材616と、を備えている。
[4−2.本体枠側上ヒンジ部材及び本体枠側下ヒンジ部材]
本実施形態における本体枠4の本体枠側上ヒンジ部材620と本体枠側下ヒンジ部材640について、図47乃至図50を参照して説明する。この本体枠側上ヒンジ部材620及び本体枠側下ヒンジ部材640は、本体枠4の上ヒンジ取付部609及び下ヒンジ取付部610に取付けられるものである。
本体枠側上ヒンジ部材620は、水平に延びた平板状の板材の後部が下方へL字状に折り曲げられている上ヒンジ本体621と、上ヒンジ本体621の前端から上方へ円柱状に突出しており外枠側上ヒンジ部材60に軸支される本体枠上ヒンジピン622と、本体枠上ヒンジピン622の正面視左側で上ヒンジ本体621を貫通しており扉枠側上ヒンジ部材140を軸支するための扉枠用上ヒンジ孔623と、を備えている。本体枠側上ヒンジ部材620は、上ヒンジ本体621における下方へ折り曲げられた部位が、本体枠4の上ヒンジ取付部609に取付けられる。
本体枠側下ヒンジ部材640は、水平に延びた平板状の板材の後部が上方へL字状に折り曲げられている下ヒンジ第一本体641と、下ヒンジ第一本体641の前端で上下に貫通しており外枠2の外枠側下ヒンジ部材70に軸支される外枠用下ヒンジ孔(図示は省略)と、下ヒンジ第一本体641の上側に配置されており水平に延びた平板状の板材の後部が上方へL字状に折り曲げられて下ヒンジ第二本体643と、下ヒンジ第二本体643の前端で上下に貫通しており扉枠3の扉枠側下ヒンジ部材150を軸支するための扉枠用下ヒンジ孔644と、下ヒンジ第二本体643の水平に延びている部位における扉枠用下ヒンジ孔644よりも後側で左端から上方へ延出しており扉枠3の回動範囲を規制するための規制片645と、を備えている。
下ヒンジ第二本体643は、水平に延びた部位が、下ヒンジ第一本体641の水平に延びた部位の上側に一定の間隔を開けた状態で、上方へ折り曲げられた部位が下ヒンジ第一本体641の上方へ折り曲げられた部位の前面に当接している。この本体枠側下ヒンジ部材640は、下ヒンジ第一本体641及び下ヒンジ第二本体643の上方へ折り曲げられた部位が、本体枠4の下ヒンジ取付部610に取付けられる。
[4−3.補強フレーム]
本実施形態における本体枠4の補強フレーム660について、図47乃至図50を参照して説明する。補強フレーム660は、本体枠ベース600の左側面に取付けられるものである。この補強フレーム660は、平面視の断面形状が、右側が開放されたコ字状に形成されており、一定の断面形状で上下に延びている。また、補強フレーム660には、前端から右方へ延びている部位の後側に、本体枠ベース600の遊技盤挿入口601に挿入された遊技盤5が前方及び上下に移動するのを規制する左位置決め部材661が、上下に離間して一組取付けられている。
この補強フレーム660によって本体枠ベース600のヒンジ側(正面視左側)を補強することができると共に、外枠2と本体枠4の間を通した左側からの本体枠4内(遊技盤5)への不正な工具の差し込みを防止することができる。
[4−4.球発射装置]
本実施形態における本体枠4の球発射装置680について、図58、図60及び図61を参照して説明する。球発射装置680は、皿ユニット200の上皿201に貯留されている遊技球を、本体枠4に取付けられた遊技盤5の遊技領域5a内に打込むための装置である。この球発射装置680は、扉枠3の前面右下隅のハンドルユニット500のハンドルレバー504の回動角度に応じて、遊技球の打込強さが変化する。
球発射装置680は、本体枠ベース600の発射装置取付部604に取付けられる平板状の発射ベース681と、発射ベース681の正面視右部の後面に取付けられており回動軸が発射ベース681を貫通して前方へ延出しているロータリーソレノイドからなる発射ソレノイド682と、発射ソレノイド682の回転軸に基端が取付けられている打球槌683と、打球槌683の先端付近から左斜め上方へ延出するように発射ベース681の前面に取付けられており遊技球が転動可能な発射レール684と、を備えている。
この球発射装置680は、扉枠3の球送りユニット540から遊技球が発射レール684の上面右端に供給されるようになっており、発射レール684の上面右端に遊技球が供給されている状態で、ハンドルレバー504を回動操作すると、その回動操作角度に応じた強さで発射ソレノイド682が駆動して、打球槌683により遊技球を打球する。そして、打球槌683により打たれた遊技球は、発射レール684を通って遊技盤5の外レール1001及び内レール1002に案内されて遊技領域5a内に打込まれる。
なお、遊技球の打込強さ等の関係で、打球した遊技球が遊技領域5a内に到達しなかった場合は、発射レール684と遊技盤5(外レール1001及び内レール1002)との間から、下方のファールカバーユニット520のファール球受口530へ落下し、ファールカバーユニット520内を通って下皿202に排出される。
[4−5.施錠ユニット]
本実施形態における本体枠4の施錠ユニット700について、図58乃至図61を参照して説明する。本実施形態の施錠ユニット700は、本体枠4に取付けられ、本体枠4と扉枠3、本体枠4と外枠2、との間を施錠することができる。施錠ユニット700は、本体枠ベース600の後方延出部608の右側面に取付けられ上下に延びているユニットベース701と、ユニットベース701から前方へ突出しており扉枠3と係止可能な複数の扉枠用鉤702と、ユニットベース701から後方へ突出しており外枠2と係止可能な複数の外枠用鉤703と、ユニットベース701の下部にから前方に円柱状に突出しており前側から挿入した開錠鍵の回動方向に応じて扉枠用鉤702又は外枠用鉤703の何れかの係止を開錠させる鍵シリンダ710と、を備えている。
[4−6.払出ユニット]
本実施形態における本体枠4の払出ユニット800について、図62乃至図73を参照して説明する。図62は払出ユニットを前から見た斜視図であり、図63は払出ユニットを後ろから見た斜視図である。また、図64は払出ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図65は払出ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。また、図66(a)は払出ユニットの球誘導ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は球誘導ユニットを後ろから見た斜視図である。更に、図67は、球誘導ユニットの分解斜視図である。また、図68(a)は払出ユニットの払出装置を前から見た斜視図であり、(b)は払出装置を後ろから見た斜視図である。また、図69は払出装置を分解して前から見た分解斜視図であり、図70は払出装置を分解して後ろから見た分解斜視図である。更に、図71(a)は払出装置の正面図であり、(b)は(a)におけるE−E線で切断した断面図である。また、図72(a)は払出装置において球抜き可動片により球抜き通路を閉鎖した状態を示す説明図であり、(b)は球抜き可動片により球抜き通路を開放した状態を示す説明図である。図73は、払出装置における払出羽根の部位を拡大して示す説明図である。
また、図74(a)は払出ユニットにおける上部満タン球経路ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は上部満タン球経路ユニットを後ろから見た斜視図である。また、図75(a)は上部満タン球経路ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は上部満タン球経路ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。更に、図76(a)は払出ユニットにおける下部満タン球経路ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は下部満タン球経路ユニットを後ろから見た斜視図である。また、図77は下部満タン球経路ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図78は下部満タン球経路ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。更に、図79(a)は下部満タン球経路ユニットにおいて誘導路開閉扉が閉じている状態を示す説明図であり、(b)は誘導路開閉扉が開いている状態を示す説明図である。また、図80は、扉枠のファールカバーユニットと下部満タン球経路ユニットとの関係を示す説明図である。図81は、図76乃至図80とは異なる実施形態の誘導路開閉扉を示す説明図である。また、図82は、払出ユニットにおける遊技球の流れを示す説明図である。
本実施形態の払出ユニット800は、図62及び図63等に示すように、本体枠ベース600の後側に取付けられる逆L字状の払出ユニットベース801と、払出ユニットベース801の上部に取付けられており上方へ開放された左右に延びた箱状で図示しない遊技ホールの島設備から供給される遊技球を貯留する球タンク802と、球タンク802の下側で払出ユニットベース801に取付けられており球タンク802内の遊技球を正面視左方向へ誘導する左右に延びたタンクレール803と、を備えている。タンクレール803内では、遊技球を左方へ誘導させながら、上方から揺動可能に垂下している球均し部材804(図82を参照)によって、前後二列に整列させる。
また、払出ユニット800は、払出ユニットベース801における正面視左側上部の後面に取付けられタンクレール803からの遊技球を蛇行状に下方へ誘導する球誘導ユニット820と、球誘導ユニット820の下側で払出ユニットベース801から着脱可能に取付けられており球誘導ユニット820により誘導された遊技球を払出制御基板ボックス950に収容された払出制御基板からの指示に基づいて一つずつ払出す払出装置830と、を備えている。タンクレール803から払出装置830までは、遊技球が二列で流通し、払出装置830からは、遊技球が一つずつ払出される。
更に、払出ユニット800は、払出ユニットベース801の後面に取付けられ払出装置830によって払出された遊技球を下方へ誘導すると共に皿ユニット200における上皿201での遊技球の貯留状態に応じて遊技球を通常放出口850d又は満タン放出口850eの何れかから放出させる上部満タン球経路ユニット850と、払出ユニットベース801の下端に取付けられ上部満タン球経路ユニット850の通常放出口850dから放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の貫通球通路526へ誘導する通常誘導路861、満タン放出口850eから放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の満タン球受口530へ誘導する満タン誘導路862、及び通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を本体枠4に対する扉枠3の開閉に応じて開閉する誘導路開閉扉863、を有した下部満タン球経路ユニット860と、を備えている。
[4−6a.球誘導ユニット]
本実施形態における払出ユニット800の球誘導ユニット820について、図66及び図67を参照して説明する。球誘導ユニット820は、上下に延びており後側が開放された箱状の前ケース821と、前ケース821の後側に取付けられており前側が開放された箱状の後ケース822と、前ケース821と後ケース822との間に取付けられており前ケース821と後ケース822と間を仕切る平板状の仕切板823と、仕切板823を貫通して前後両端が前ケース821及び後ケース822に取付けられている棒状の軸部材824と、軸部材824によって回動可能に取付けられており前ケース内及び後ケース内に夫々配置されている一対の可動片部材前825及び可動片部材後826と、前ケース821内に取付けられており一対の可動片部材前825及び可動片部材後826の回動位置を検知可能な球切れ検知センサ827と、を備えている。
前ケース821は、右側面の上部において遊技球が通過可能に開口している球誘導入口821aと、底面の左右方向中央よりも右寄りの位置で遊技球が通過可能に開口している球誘導出口821bと、球誘導入口821aと球誘導出口821bとを連通しており遊技球が流通可能な誘導通路821cと、を備えている。誘導通路821cは、球誘導入口821aから左端付近まで水平に対して小さい角度で低くなるように斜めに延びている導入部821dと、導入部821dから前ケース821の左辺に沿って高さの中央付近まで下方へ真っ直ぐ延びている検知部821eと、検知部821dから前ケース821の左右の幅で蛇行状に延びている蛇行部821fと、で構成されている。また、前ケース821は、誘導通路821cにおける検知部821eの正面視右側の壁に切欠部821gを備えている。
後ケース822は、右側面の上部において遊技球が通過可能に開口している球誘導入口822aと、底面の左右方向中央よりも右寄りの位置で遊技球が通過可能に開口している球誘導出口822bと、球誘導入口822aと球誘導出口822bとを連通しており遊技球が流通可能な誘導通路822cと、を備えている。誘導通路822cは、球誘導入口822aから左端付近まで水平に対して小さい角度で低くなるように斜めに延びている導入部822dと、導入部822dから後ケース822の左辺に沿って高さの中央付近まで下方へ真っ直ぐ延びている検知部822eと、検知部822dから後ケース822の左右の幅で蛇行状に延びている蛇行部822fと、で構成されている。また、後ケース822は、誘導通路822cにおける検知部822eの正面視右側の壁に切欠部822gを備えている。
この後ケース822は、前ケース821に対して左右に略対称に形成されており、球誘導ユニット820を組立てた状態で、誘導通路821cと誘導通路822cとが前後に一致するように形成されている。
軸部材824は、前ケース821及び後ケース822における切欠部821g,822gの上端の下側且つ誘導通路821c,822cの外側の位置に前後の端部が取付けられている。
可動片部材前825は、上下に延びた平板状の可動片825aと、可動片825aの右側の面の上端で前後に貫通しており軸部材824が挿通される軸孔825bと、可動片825aの上端から可動片825aの右面に対して直角に右方向へ延びている延出部825cと、延出部825cと可動片825aとを連結しており軸孔825bを中心に扇状に延びている連結部825dと、延出部825cの上部及び連結部825dの外周の中央付近から外方へ夫々突出しており前後に貫通している貫通孔を有した錘取付部825eと、延出部825cの右側先端から外方へ平板状に延出しており球切れ検知センサ827により検知可能な検知片825fと、連結部825dの外周における可動片825aに近い位置から外方へ平板状に延出しているストッパ片825gと、を備えている。
この可動片部材前825は、軸孔825bに軸部材824を通すと、その自重によって、連結部825dの外周から突出している錘取付部825eが、軸孔825bの直下に位置するように回動し、可動片825aが軸孔825bの部位から斜め下方へ延出した状態となる。従って、球誘導ユニット820を組立てた状態では、連結部825dが前ケース821の切欠部821gに挿通されて、可動片825aの下端が誘導通路821c内に突出した状態となると共に、ストッパ片825gが誘導通路821c(検知部821e)の外壁に当接した状態となる。このストッパ片825gが誘導通路821cの外壁に当接することで、可動片825aの下端が、誘導通路821c内へ突出する方向(正面視左方向)へこれ以上回動するのが規制される。また、可動片部材前825は、可動片825aの下端を、誘導通路821cの壁に接近させる方向(正面視右方向)へ回動させると、可動片825aの左側の面が、誘導通路821cの内面と一致する。この状態では、可動片部材前825の検知片825fは、球切れ検知センサ827に対して非検知の状態となる。
つまり、誘導通路821c内に遊技球がある時は、球切れ検知センサ827が非検知となる。
可動片部材後826は、上下に延びた平板状の可動片826aと、可動片826aの右側の面の上端で前後に貫通しており軸部材824が挿通される軸孔826bと、可動片826aの上端から可動片826aの右面に対して直角に右方向へ延びている延出部826cと、延出部826cと可動片826aとを連結しており軸孔826bを中心に扇状に延びている連結部826dと、延出部826cの上部及び連結部826dの外周の中央付近から外方へ夫々突出しており前後に貫通している貫通孔を有した錘取付部826eと、延出部826cの右側先端から外方へ平板状に延出しており球切れ検知センサ827により検知可能な検知片826fと、連結部826dの外周における可動片826aに近い位置から外方へ平板状に延出しているストッパ片826gと、を備えている。
この可動片部材後826は、軸孔826bに軸部材824を通すと、その自重によって、連結部826dの外周から突出している錘取付部826eが、軸孔826bの直下に位置するように回動し、可動片826aが軸孔826bの部位から斜め下方へ延出した状態となる。従って、球誘導ユニット820を組立てた状態では、連結部826dが後ケース822の切欠部822gに挿通されて、可動片826aの下端が誘導通路822c内に突出した状態となると共に、ストッパ片826gが誘導通路822c(検知部822e)の外壁に当接した状態となる。このストッパ片826gが誘導通路822cの外壁に当接することで、可動片826aの下端が、誘導通路822c内へ突出する方向(正面視左方向)へこれ以上回動するのが規制される。また、可動片部材前826は、可動片826aの下端を、誘導通路822cの壁に接近させる方向(正面視右方向)へ回動させると、可動片826aの左側の面が、誘導通路822cの内面と一致する。この状態では、可動片部材前826の検知片826fは、球切れ検知センサ827に対して非検知の状態となる。
つまり、誘導通路822c内に遊技球がある時は、球切れ検知センサ827が非検知となる。
本実施形態の球誘導ユニット820は、タンクレール803によって複数の遊技球が前後に夫々一列で並ばされた状態で供給され、複数の遊技球が一列に並んだ状態で、前ケース821及び後ケース822によって、前後に二列の状態で下方の払出装置830へ誘導することができる(図82を参照)。この際に、前ケース821と後ケース822とは仕切板823によって仕切られているため、夫々の誘導通路821c,822cを流通する遊技球が、互いに干渉し合うことはなく、良好に流通することができる。
また、球誘導ユニット820の誘導通路821c,822c内を遊技球が流通すると、遊技球が可動片部材前825及び可動片部材後826の可動片825a,826aに当接し、可動片825a,826aが誘導通路821c,822cの壁面と一致する方向へ可動片部材前825及び可動片部材後826が回動する。これにより、可動片部材前825及び可動片部材後826の検知片825f,826fが球切れ検知センサ827に対して非検知の状態となり、誘導通路821c,822c内に遊技球があることが判る。
そして、球誘導ユニット820の下流側の払出装置830により遊技球の払出し等が行われると、誘導通路821c,822c内の遊技球が下流へ流れることとなる。誘導通路821c,822c内を遊技球が流れると、導入部821d,822dを流れる遊技球の勢いが強くなり、導入部821d,822dを流れた遊技球が、検知部821e,822eの上部で可動片825a,826a側へ跳ね返り、可動片825a,826aに当接することとなる。この遊技球の当接により、可動片825a,826aが振動することとなるため、その振動により可動片825a,826aと誘導通路821c,822cの切欠部821g,822gとの間に挟まれたり侵入したりした埃やゴミ等を除去することができ、自重等によって可動片825,826aが良好に回動できるようになる。
また、球誘導ユニット820は、各誘導通路821c,822c内を流通する遊技球を夫々別々の可動片部材前825及び可動片部材826によって検知するようにしていると共に、可動片部材前825及び可動片部材後826の夫々の検知片825f,826fを一つの球切れ検知センサ827で検知するようにしているため、何れかの誘導通路821c,822c内の遊技球がなくなると、可動片部材前825又は可動片部材後826の可動片825a,826aが誘導通路821c,822c内へ突出するように回動し、遊技球のなくなった側の検知片825f,826fが球切れ検知センサ827で検知される。
従って、遊技球の球切れを早期に検知することができるため、速やかに遊技球を補充させることができ、遊技が中断する時間を可及的に短くすることで、遊技者の興趣の低下を抑制することができる。
更に、可動片部材前825及び可動片部材後826の錘取付部825e,826eに、錘として金属ビスを捩じ込んで取付けることで、可動片部材前825及び可動片部材後826と錘の重量とによって、可動片825a,826aの下端側を、誘導通路821c,822c内に突出する方向へ回動させ易くすることができる。また、可動片825a,826aの上端を誘導通路821c,822cの外側で回動可能に取付けて、下端側が誘導通路821c,822c内に突出するようにしているため、誘導通路821c,822c内の埃やゴミ等が、可動片825a,826aの上端や下端に付着することがない。従って、可動片825a,826aが誘導通路821c,822cの壁側に回動しても、可動片825a,826aの下端と壁との間に埃やゴミ等が噛み込むことはないため、自重等によって良好に回動することができ、可動片825a,826aが回動しなくなるような不具合の発生を抑制することができる。
このように、本実施形態の球誘導ユニット820は、自重によって下端側が遊技球の流通する誘導通路821c,822c内へ突出する可動片部材前825及び可動片部材後826の可動片825a,826aにおいて、遊技球と当接する面の反対側の錘取付部825e,826eに金属ビスからなる錘を取付けることで、可動片部材前825及び可動片部材826の自重と錘の重量とによって、可動片825a,826aの下端側を誘導通路821c,822c内に回動(突出)させ易くすることができる。また、可動片825a,826aの上端を誘導通路822cの外側で回動可能に取付けて、下端側が誘導通路821c,822c内に突出するようにしているため、誘導通路821c,822c内の埃やゴミ等が、可動片825a,826aの上端や下端に付着することがない。従って、可動片825a,826aが誘導通路821c,822cの壁側に回動しても、可動片825a,826aの下端と壁との間に埃やゴミ等が噛み込むことはないため、自重等によって良好に回動することができ、可動片825a,826(可動片部材前825及び可動片部材後826)が回動しなくなるような不具合の発生を抑制することができる。
また、錘としての金属ビスを、貫通孔とされた錘取付部825e,826eに捩じ込んで取付けるため、可動片部材前825及び可動片部材後826が頻繁に回動しても、錘が可動片部材前825及び可動片部材後826(錘取付部825e,826e)から外れることがなく、長期に亘って可動片部材前825及び可動片部材後826を良好な状態に維持することができる。また、錘取付部825e,826eに金属ビスを捩じ込むだけで、可動片部材前825及び可動片部材後826に錘を容易に取付けることができるため、錘の取付けの手間を簡略化することができ、パチンコ機1の組立てに係るコストを低減させることができる。
更に、誘導通路821c,822c内において可動片825a,825cが内部に突出する部位よりも上流側に、可動片825a,825cへ向かって遊技球を誘導させる導入部822dを備えていることから、誘導通路821c,822c内を遊技球が流れることで、遊技球が可動片825a,826aに当接するため、遊技球の当接によって可動片825a,826aを振動させることができる。従って、可動片825a,826aの振動により、可動片825a,826aと誘導通路821c,822cの壁との間に挟まれたり侵入したりした埃やゴミ等を除去することができ、自重等によって可動片部材前825及び可動片部材後826が良好に回動するようにできる。
従って、可動片部材前825及び可動片部材後826を良好に回動させることができるため、誘導通路821c,822c内の遊技球の状態(有無)を確実に検知させることができ、遊技球の誤検知等による不具合の発生を抑制させることができる。また、払出装置830へ供給される遊技球が誘導通路821c,822c内からなくなっても、可動片825a,826aを介して確実に誘導通路821c,822c内の有無を検知することができるため、速やかに遊技球を補充させることができ、遊技が中断する時間を可及的に短くすることで、遊技者の興趣の低下を抑制することができる。
[4−6b.払出装置]
本実施形態における払出ユニット800の払出装置830について、図68乃至図73を参照して説明する。払出装置830は、後側が開放されている箱状で、上面における左右方向中央に遊技球が通過可能に開口している払出入口831a、底面における正面視左端付近で遊技球が通過可能に開口している払出出口831b、底面における正面視右端付近で遊技球が通過可能に開口している球抜き出口831c、払出入口831aと払出出口831bとを連通しており遊技球が流通可能な払出通路831d、及び払出通路831dの途中から分岐して球抜き出口831cと連通しており遊技球が流通可能な球抜き通路831e、を有している前箱831と、前箱831の後側に取付けられており前側が開放されている箱状で、上面における左右方向中央に遊技球が通過可能に開口している払出入口832a、底面における正面視左端付近で遊技球が通過可能に開口している払出出口832b、底面における正面視右端付近で遊技球が通過可能に開口している球抜き出口832c、払出入口832aと払出出口832bとを連通しており遊技球が流通可能な払出通路832d、及び払出通路832dの途中から分岐して球抜き出口832cと連通しており遊技球が流通可能な球抜き通路832e、を有している裏箱832、を備えている。
また、払出装置830は、前箱831の前側に取付けられており後側が開放されている浅い箱状の前カバー833と、前箱831内に取付けられており回転軸が前箱831を貫通して前カバー833内に延出している払出モータ834と、払出モータ834の回転軸に取付けられている駆動ギア835と、駆動ギア835と噛合しており前箱831と前カバー833とで回転可能に取付けられている平歯車状の中間ギア836と、中間ギア836と噛合している従動ギア837と、従動ギア837が回転可能に貫通しており前端が前カバー833に取付けられていると共に後端が前箱831を貫通して裏箱832に取付けられている軸部材838と、軸部材837を貫通して回転可能に取付けられていると共に前箱831及び裏箱832の払出通路831d,832d内に配置されており従動ギア837と一体回転する払出羽根839と、前箱831と裏箱832との間に取付けられており払出羽根839の回転を検知する羽根回転検知センサ840と、を備えている。
更に、払出装置830は、前箱831と裏箱832の間に取付けられており前箱831の払出通路831dと裏箱832の払出通路832dとを仕切る平板状の仕切板841と、前箱831と裏箱832との間に取付けられており払出羽根839の回転により払出されて払出出口831b,832bから放出される遊技球を検知する払出検知センサ842と、払出通路831d,832dと球抜き通路831e,832eとが分岐している部位で前箱831と裏箱832とによって回動可能に取付けられており球抜き通路831e,832eを閉鎖可能な球抜き可動片843と、前箱831及び裏箱832の正面視右側面上部で上下にスライド可能に取付けられており球抜き可動片843を回動可能又は回動不能とする球抜きレバー844と、を備えている。
前箱831の払出通路831dは、払出入口831aから球抜き出口831cへ向かうように正面視右下へ斜めに延び、前箱831の全高に対して上面から約1/3の高さのところで下方へ垂直に延びるように折れ曲がり、全高の中央付近で左方へ略水平に延びるように曲がった後に、前箱831の左右の幅に対して左端から約1/3のところで再び下方へ垂直に延びるように折れ曲がっており、前箱831の全高に対して底面から約1/4の高さのところで払出出口831bの直上へ位置するようにクランク状に折れ曲がって払出出口831bへ垂直に延びている。払出通路831d内のクランク状に折れ曲がっている部位に払出羽根839が配置される。
一方、球抜き通路831eは、払出通路831dにおいて払出入口831aから右下へ斜めに延びている部位を更に延長する形態で、前箱831の全高に対して上面から約1/3の高さから中央付近の高さまでの間で分岐している。
また、前箱831は、払出通路831d内の払出出口831bへ向かって垂直に延びている部位において下方へ向かうに従って後方へ突出している誘導棚831fと、正面視右側面の上部に形成されており球抜きレバー844を上下にスライド可能に取付けるためのレバー取付部831gと、を備えている。
裏箱832の払出通路832dは、払出入口832aから球抜き出口832cへ向かうように正面視右下へ斜めに延び、裏箱832の全高に対して上面から約1/3の高さのところで下方へ垂直に延びるように折れ曲がり、全高の中央付近で左方へ略水平に延びるように曲がった後に、裏箱832の左右の幅に対して左端から約1/3のところで再び下方へ垂直に延びるように折れ曲がっており、裏箱832の全高に対して底面から約1/4の高さのところで払出出口832bの直上へ位置するようにクランク状に折れ曲がって払出出口832bへ垂直に延びている。払出通路832d内のクランク状に折れ曲がっている部位に払出羽根839が配置される。
一方、球抜き通路832eは、払出通路832dにおいて払出入口832aから右下へ斜めに延びている部位を更に延長する形態で、裏箱832の全高に対して上面から約1/3の高さから中央付近の高さまでの間で分岐している。
また、裏箱832は、払出通路832d内の払出出口832bへ向かって垂直に延びている部位において下方へ向かうに従って前方へ突出している誘導棚832fと、正面視右側面の上部に形成されており球抜きレバー844を上下にスライド可能に取付けるためのレバー取付部832gと、を備えている。
前箱831及び裏箱832の払出通路831d,832dと球抜き通路831e,832eは、同じ形状に形成されている。払出通路831d,832dは、払出羽根839が配置されている部位の上流までが仕切板841によって仕切られている。また、誘導棚831f,832fと払出出口831b,832bとの間に、払出検知センサ842が取付けられている。つまり、前箱831の払出通路831dを流通した遊技球と、裏箱832の払出通路832dを流通した遊技球とは、夫々の誘導棚831f,832fによって前箱831と裏箱832との前後の境界付近に寄せられて、一つの払出検知センサ842により検知される。
従動ギア837は、中間ギア836と噛合する平歯車状のギア部837aと、ギア部837aの後面から周方向へ60度の角度の間隔で放射状に突出しており羽根回転検知センサ840によって検知可能な複数の検知片837bと、ギア部837aの中心から後方へ円筒状に突出していると共に後端の周面に凹凸が形成されており払出羽根839と連結可能な連結部837cと、を備えている。
払出羽根839は、前後に円筒状に延びており軸部材838が挿通されるベース筒部839aと、ベース筒部839aの前端から周方向に一定間隔でベース筒部839aの軸直角方向へ突出している複数(三つ)の前羽根839bと、ベース筒部839aの後端から前羽根839bとは互い違いとなるように周方向に一定間隔でベース筒部839aの軸直角方向へ突出している複数(三つ)の後羽根839cと、ベース筒部839aの前端から前方へ筒状に突出していると共に前端の周面に従動ギア837の連結部387cと連結可能な凹凸が形成されている被連結部839dと、を備えている。
払出羽根839の前羽根839b及び後羽根839cは、周方向へ120度の角度の間隔で夫々三つずつ備えられており、互い違いとなるように、前羽根839bに対して後羽根839cが、周方向へ60度の角度でオフセットして外方へ延出している。本実施形態の払出羽根839は、三つの前羽根839b(後羽根839c)同士の間が中心側へ窪んだ円弧によって結ばれており、その円弧の直径が遊技球の直径と同じか若干大きい。これにより、前羽根839b(後羽根839c)同士の間には、遊技球が一つのみ収容することが可能な球収容部839eが形成されている。
また、三つの前羽根839b及び後羽根839cは、ベース筒部839aの軸を中心としたそれらの外周の直径D1が、遊技球の外径の1〜1.4倍に形成されている。また、前羽根839b(後羽根839c)同士の間の円弧の部位(球収容部839e)におけるベース筒部839aの軸に最も接近した部位までの、ベース筒部839aの軸を中心とした直径D2は、遊技球の外径の約0.3〜0.4倍に形成されている(図73を参照)。
つまり、前羽根839b及び後羽根839cの外周から球収容部839eの最も凹んだ部位までの深さ[(直径D1−直径D2)/2]が、遊技球の外径の0.1〜0.4倍とされている。
従って、前羽根839b(後羽根839c)同士の間の円弧の部位(球収容部839e)により、遊技球の外周の約3/10(1/4〜1/3の間)を保持することができる。
換言すると、遊技球の外径の約1/5(1/7〜1/4)の深さを収容することができる。これにより、払出通路831d,832d内の遊技球を、速やかに前羽根839b(後羽根839c)同士の間(球収容部839e)に収容することができる。
本実施形態の払出羽根839は、払出装置830を組立てた状態で、前羽根839bが前箱831の払出通路831d内に、後羽根839cが裏箱832の払出通路832d内に位置し、夫々の払出通路831d,832d内の遊技球を、夫々払出すことができる。
また、払出羽根839は、払出通路831d,832dにおいて、前箱821及び裏箱832の全高の中央よりも下側でクランク状に折れ曲がっている部位に配置されている。詳しくは、払出通路831d,832dにおいて、前箱821及び裏箱832の全高の中央付近から下方へ垂直に延びている部位の直下に、払出羽根839の回転中心が位置している。そして、払出通路831d,832dのクランク状に折れ曲がっている部位では、払出羽根839から遠い側の壁(内壁)が、払出羽根839の回転中心を中心とし、前羽根839b及び後羽根839cの外周から遊技球の外径よりも小さい距離Sだけ離れた円弧状に形成されている(図62を参照)。なお、本実施形態では、距離Sが、遊技球の外径の0.7〜0.9倍とされている。換言すると、球収容部839eの最も凹んだ部位から払出通路831d,832dの円弧状に形成されている部位までの距離が、遊技球の外径の1.03〜1.1倍とされている。
これにより、払出装置830は、払出羽根839上に流下してきた遊技球が、前羽根839b,839cの外周に当接すると、払出通路831d,832dのクランク状に折れ曲がっている部位を通ることができず、払出出口831b,832bから下方へ放出されることはない。一方、遊技球が、球収容部839eに収容されると、払出羽根839の回転と共に移動し、払出通路831d,832dのクランク状に折れ曲がっている部位を通ることができ、払出出口831b,832bから下方へ放出される。
また、払出装置830では、前羽根839b及び後羽根839cの直径D1を、遊技球の外径の約1.2〜1.4倍とすると共に、球収容部839eにより遊技球の外径の1/7〜1/4の深さを収容するようにしているため、払出羽根839の外径を可及的に小さくしつつ、遊技球の収容にかかる時間を短くすることができる。これにより、払出羽根839を速く回転させても、球収容部839eに遊技球を収容させて、払出出口831b,832b側へ送ることができる。従って、従来よりも単位時間当りの遊技球の払出数を多くすることができ、遊技球の払出しにかかる時間を短縮することができる。
球抜き可動片843は、上下及び前後に板状に延びており下部が折れ曲がって正面視く字状に形成されている本体部843aと、本体部843aの上端で前後に筒状に延びており両端が夫々前箱831及び裏箱832に回動可能に取付けられる軸筒部843bと、本体部843aのく字状に折れ曲がっている外側面の上部から突出している突出部843cと、本体部843cのく字状に折れ曲がっている下部において前後に貫通している貫通孔からなる錘取付部843d(図72を参照)と、を備えている。
球抜き可動片843は、払出装置830を組立てた状態では、本体部843aの下部が正面視斜め左下へ延びるような向きで、上端の軸筒部843bが、前箱831及び裏箱832の払出通路831d,832dにおいて、払出入口831a,832aから正面視右下へ斜めに延びている部位で、且つ、下方へ折れ曲がる部位よりもやや上側の正面視右側の壁の外側の位置で、回動可能に取付けられている。
本実施形態の払出装置830は、通常の状態では、球抜きレバー844を下方へスライドさせた状態としており、球抜きレバー844の下部が球抜き可動片843の突出部843cに正面視右側から当接している。これにより、球抜き可動片843は、正面視反時計回りへの回動が規制されている(図72(a)を参照)。
この通常の状態では、球抜き可動片843のく字状に折れ曲がっている本体部843aにおいて、曲がっている部位よりも上側が垂直に延びていると共に、曲がっている部位の下側が正面視斜め左下へ延びている。そして、本体部843aの下端は、払出通路831d,832dと球抜き通路831e,832eとが分岐している部位の近傍に位置している。従って、球抜き可動片843(本体部843a)によって、球抜き通路831e,832eを閉鎖していると共に、本体部843aの左側を向いた面が、払出通路831d,832dの一部の壁を形成している。
本実施形態の球抜き可動片843は、通常の状態において、球抜き可動片843の重心が、軸筒部843bの中心を通る垂直線の正面視左側に位置するように形成されており、自重によって正面視反時計回りに回転させようとする力が作用しているが、球抜きレバー844によって反時計回りへの回動が規制されているため、通常の状態が維持される。
通常の状態から、球抜きレバー844を上方へスライドさせると、球抜きレバー844の下部が、球抜き可動片843の突出部843cから離れ、球抜き可動片843の正面視反時計回りへの回動の規制が解除される。従って、球抜き可動片843は、重心が軸筒部843bの直下へ位置するように、自重によって反時計回りへ回動することとなる。なお、球抜き可動片843は、本体部843aの下部の右側側面が、前箱831及び裏箱832の右側面を形成している部材の左面に当接するまで、反時計回りに回動することができる(図61(b)を参照)。これにより、球抜き通路831e,832eが開放された状態となり、払出入口831a,832aから進入した遊技球が、払出通路831d,832dの途中で、球抜き可動片843の本体部843aに当接して球抜き可動片843を正面視反時計回りへ回動させて球抜き通路831e,832eを開放し、開放された球抜き通路831e,832eを流通して球抜き出口831c,832cから下方へ放出されることとなる。
本実施形態では、球抜き可動片843に錘取付部843dを備えているため、この錘取付部843dに金属ビスからなる錘を捩じ込んで取付けることで、球抜きレバー844を上方へスライドさせて、正面視反時計回りへの回動の規制を解除した時に、球抜き可動片843の自重と錘の重量とによって、球抜き可動片843の下端を球抜き通路381e,832e内へ突出する方向へ(正面視反時計回りに)回動させ易くすることができる。
また、球抜きレバー844を下方へスライドさせて球抜き通路831e,832eを閉鎖している通常の状態において、払出入口831a,832aから進入した遊技球が、球抜き可動片843の本体部843aに当接するようにしているため、遊技球の当接によって球抜き可動片843を振動させることができる。従って、球抜き可動片843の下端と球抜き通路831e,832eの内面との間に挟まれたり侵入したりした埃やゴミ等を、球抜き可動片843の振動によって除去することができ、埃やゴミ等を噛み込んで球抜き可動片843が回動できなくなるのを防止することができる。
また、錘としての金属ビスを、貫通孔とされた錘取付部843dに捩じ込んで取付けることができるため、球抜き可動片843が頻繁に回動しても、錘が球抜き可動片843(錘取付部843d)から外れることがなく、長期に亘って球抜き可動片843を良好な状態に維持することができる。また、錘取付部843dに金属ビスを捩じ込むだけで、球抜き可動片843に錘を容易に取付けることができるため、錘の取付けの手間を簡略化することができ、パチンコ機1の組立てに係るコストを低減させることができる。
ところで、球抜き可動片843によって球抜き通路831e,832eを長期に亘って閉鎖していると、球抜き可動片843の回転軸に微細な埃が付着したり回転軸が錆びたりして、球抜き可動片843が回動し辛くなることがある。これに対して、本実施形態では、払出入口831a,832aから進入した遊技球が、球抜き可動片843の本体部843aに当接するようにしているため、球抜き可動片843により球抜き通路831e,832eを閉鎖している状態から、閉鎖を解除する球抜きレバー844を上方へスライドさせてロックを外した時に、遊技球が球抜き可動片843に当接することで、その当接の衝撃によって球抜き可動片843を回動させることができ、球抜き通路831e,832eを確実に開放させることができる。
従って、球抜きレバー844を操作して球抜き通路831e,832eを開放させる際に、球抜き可動片843が良好に回動することができるため、遊技球の抜取り作業を確実に行うことができ、メンテナンス等の際の作業性を良くすることができる。
[4−6c.上部満タン球経路ユニット]
本実施形態における払出ユニット800の上部満タン球経路ユニット850について、図74及び図75を参照して詳細に説明する。上部満タン球経路ユニット850は、払出ユニットベース801において、払出装置830の下側の位置に取付けられるものである。この上部満タン球経路ユニット850は、払出ユニットベース801に取付けられ後側が開放された箱状の上部満タンベース851と、上部満タンベース851の後側に取付けられており前側が開放された箱状の上部満タンカバー852と、上部満タンカバー852の後側に回転可能に取付けられており払出装置830を上方へ押圧可能な払出装置押圧部材853と、を備えている。
また、上部満タン球経路ユニット850は、上面における正面視左右中央から左側の部位で遊技球が通過可能に上方へ開口している上部払出球受口850aと、上面における正面視左右中央から右側の部位で遊技球が通過可能に上方へ開口している上部球抜き入口850bと、上部満タンベース851と上部満タンカバー852との間に形成されており上部払出球受口850aに受けられた遊技球が流通する所定広さの上部球貯留通路850cと、上部球貯留通路850cの下端における上部払出球受口850aの直下の部位で下方へ開口している通常放出口850dと、上部球貯留通路850cの下端における通常放出口850dを除いた部位で下方へ開口している満タン放出口850eと、通常放出口850dと満タン放出口850eとの間から上方へ突出しており上部球貯留通路850c内の下部を左右に仕切っている仕切片850fと、を備えている。
また、上部満タン球経路ユニット850は、上部球抜き入口850bから進入した遊技球を下方へ誘導する上部球抜き通路850gと、上部球抜き通路850gの下端で下方へ向かって開口している上部球抜き出口850hと、を備えている。この上部満タン球経路ユニット850は、正面視で左側から、通常放出口850d、満タン放出口850e、上部球抜き出口850hが順に並んで下方へ開口している。また、上部満タン球経路ユニット850は、上部満タンベース851の右端に裏カバー980を取付けるための裏カバー取付部854を備えている。
この上部満タン球経路ユニット850は、払出ユニット800に組立てた状態で、上部払出球受口850aが、払出装置830の払出出口831bの直下に位置していると共に、上部球抜き入口850bが、払出装置830の球抜き出口831cの直下に位置している。また、上部満タン球経路ユニット850は、払出ユニット800に組立てた状態で、通常放出口850d、満タン放出口850e、及び上部球抜き出口850hは、下部満タン球経路ユニット860の通常誘導路861、満タン誘導路862、及び下部球抜き誘導路865の夫々後端開口の直上に夫々開口している(図82を参照)。
上部満タン球経路ユニット850は、払出装置830によって払出されて払出出口831bから下方へ放出された遊技球が、上部払出球受口850aから上部球貯留通路850c内へ進入する。上部球貯留通路850cの下端の通常放出口850dが閉鎖されていない状態では、上部払出球受口850aから上部球貯留通路850c内へ進入した遊技球が、上部払出球受口850aの直下に開口している通常放出口850dから放出される。
扉枠3の上皿201内が遊技球で満たされて遊技球を貯留させることができなくなり、更に、下部満タン球経路ユニット860の通常誘導路861内が遊技球で満たされると、通常放出口850dが閉鎖された状態となる。この状態で上部球貯留通路850c内に遊技球が進入すると、通常放出口850dの上側に貯留される。そして、通常放出口850dの上側に貯留されている遊技球の量が、仕切片850fよりも高くなると、新たに上部球貯留通路850c内に進入してきた遊技球は、仕切片850fを乗り越えて満タン放出口850eから下方へ放出されることとなり、下部満タン球経路ユニット860の満タン誘導路862を通って下皿202に送られることとなる。
このように、上部満タン球経路ユニット850は、払出装置830から払出された遊技球を、扉枠3における上皿201での遊技球の貯留量に応じて、自動的に上皿201から下皿202へ振分けることができる。
[4−6d.下部満タン球経路ユニット]
本実施形態における払出ユニット800の下部満タン球経路ユニット860について、図76乃至図81を参照して詳細に説明する。下部満タン球経路ユニット860は、払出ユニットベース801における上部満タン球経路ユニット850の下側に取付けられるものである。下部満タン球経路ユニット860は、上部満タン球経路ユニット850の通常放出口850dから放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の貫通球通路526へ誘導する通常誘導路861と、上部満タン球経路ユニット850の満タン放出口850eから放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の満タン球受口530へ誘導する満タン誘導路862と、通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を本体枠4に対する扉枠3の開閉に応じて開閉する誘導路開閉扉863と、誘導路開閉扉863を通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を閉鎖する方向へ付勢している閉鎖バネ864と、を備えている。
また、下部満タン球経路ユニット860は、上部満タン球経路ユニット850の上部球抜き出口850hから放出された遊技球を前方へ誘導し前後方向の中央右端から基板ユニット900の基板ユニットベース910上へ放出する下部球抜き誘導路865を、備えている。
下部満タン球経路ユニット860は、通常誘導路861、満タン誘導路862、及び下部球抜き誘導路865が、正面視において、左側から順に右側へ並んでいる。これら通常誘導路861、満タン誘導路862、及び下部球抜き誘導路865は、後端が上方へ向かって開口している。また、通常誘導路861、及び満タン誘導路862は、左右に遊技球が複数並ぶ幅で、前端側が低くなるように本体枠4の前端付近まで前方へ延びている。更に、満タン誘導路862は、通常誘導路861よりも低い位置で前方へ延びている。これら通常誘導路861、満タン誘導路862、及び下部球抜き誘導路865は、図示するように、上下に分割可能な上ケース866及び下ケース867によって形成されている。
誘導路開閉扉863は、下ケース867の前端における通常誘導路861と満タン誘導路862との間の部位に、回動可能に取付けられており、閉鎖バネ864によって正面視時計回りの方向へ付勢されている。更に詳述すると、下部満タン球経路ユニット860の前端において、正面視で通常誘導路861の前端開口の右側に開口している満タン誘導路862は、通常誘導路861に対して一つの遊技球の高さ分低い位置に配置されている。
そして、誘導路開閉扉863は、通常誘導路861の下側で、且つ、満タン誘導路862の左側の位置で、前後に延びた軸周りに対して回動可能に取付けられている。
誘導路開閉扉863は、回転可能に取付けられる円盤状の基部863aと、基部863aから斜め左上側に平板状に延びており通常誘導路861の前端開口を閉鎖可能な第一扉板部863bと、基部863aから右側に平板状に延びており満タン誘導路862の前端開口を閉鎖可能な第二扉板部863cと、基部863aから斜め左下側に平板状に延びている延出部863dと、延出部863dの先端部前面から前方へ突出しており扉枠3におけるファールカバーユニット520の扉開閉当接部537と当接可能な作動突部863eと、を備えている。
ここで、通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を閉鎖するとは、開口を密閉する必要はなく、遊技球が通過不能となれば良いことである。作動突部863eは、正面視の形状が、基部863aを中心とした短い円弧状に形成されており、前端面が、反時計回りの方向の端部側へ近付くに従って前方へ突出するように傾斜している。
誘導路開閉扉863は、閉鎖バネ864によって正面視時計回りの方向へ付勢されており、第二扉板部863cが、下ケース867の前端における満タン誘導路862の前端開口の下側から前方へ突出しているボス部867aに当接することで、時計回りの方向への回動が規制される。
本実施形態の下部満タン球経路ユニット860は、パチンコ機1を組立てた状態で、前端が、扉枠3のファールカバーユニット520における貫通球通路526、満タン球受口530、及び扉開閉当接部537と対向する位置に取付けられている(図80を参照)。
そして、誘導路開閉扉863は、本体枠4に対して扉枠3が開いている状態では、作動突部863eに何も当接していないため、誘導路開閉扉863は閉鎖バネ864の付勢力によって、正面視時計回りの方向へ回動させられ、第二扉板部863cが下ケース867のボス部867aに当接した状態で停止する。この状態では、第一扉板部863bと第二扉板部863cが、通常誘導路861と満タン誘導路862の前端開口の前面に位置しており、前端開口を閉鎖している(図79(a)を参照)。従って、この状態では、通常誘導路861及び満タン誘導路862内の遊技球が、前端開口から前方へ移動することができず、扉枠3を開けても、通常誘導路861や満タン誘導路862から遊技球がこぼれることはない。
そして、本体枠4に対して扉枠3を閉じると、誘導路開閉扉863の作動突部863eの前端面に、扉枠3におけるファールカバーユニット520の扉開閉当接部537が当接し、作動突部863eの前端面の傾斜によって、閉鎖バネ864の付勢力に抗して誘導路開閉扉863を正面視反時計回りの方向へ回動させようとする力が作用する。これにより、通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を閉鎖していた第一扉板部863bと第二扉板部863cが、前端開口から離れる方向へ回動し、通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口が開放された状態となる(図79(b)を参照)。この状態では、図示するように、第一扉板部863bが通常誘導路861の前端開口の下側に、第二扉板部863cが満タン誘導路862の前端開口の上側に位置している。
この通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を開放させた状態では、本体枠4に対して扉枠3が完全に閉じられた状態となっていると共に、通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口の前側に、扉枠3におけるファールカバーユニット520の貫通球通路526及び満タン球受口528が位置しており、通常誘導路861及び満タン誘導路862側から、貫通球通路526及び満タン球受口528側へ遊技球を受渡すことができる。
このように、通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を上下方向に異ならせると共に、誘導路開閉扉863を回動させることで通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を開閉させるようにしているため、誘導路開閉扉863の動作範囲を可及的に狭くすることができ、通常誘導路861及び満タン誘導路862の開閉機構を小型化することができる。従って、相対的に他の部材のためのスペースを広くすることができ、パチンコ機1の内部空間をより有効活用することができる。
本実施形態の払出ユニット800は、扉枠3の上皿201が遊技球で一杯になり、上皿201へ遊技球を放出することができなくなった状態で、払出装置830から更に多くの遊技球が払出されると、下部満タン球経路ユニット860の通常誘導路861内が遊技球で一杯になるまで遊技球を貯留することができる。そして、通常誘導路861が遊技球で一杯になった状態で払出装置830から更に遊技球が払出されると、上部満タン球経路ユニット850の上部球貯留通路850c内において、遊技球が通常放出口850dよりも上側に留って仕切片850fを超えると、満タン放出口850e側へ流通するようになり、満タン放出口850eから、下部満タン球経路ユニット860の満タン誘導路862、ファールカバーユニット520を通って下皿202へ遊技球の払出しが自動的に切換えられる。その後、払出装置830から更に遊技球が払出されて、上皿201に加えて下皿202も遊技球で一杯になって下皿202へ遊技球を供給することができなくなると、ファールカバーユニット520の貯留通路533内に遊技球が貯留される。そして、貯留通路533内に遊技球が貯留されることで可動片534が回動して満タン検知センサ535により検知されると、上皿201及び下皿202が遊技球で満タンであることが報知されると共に、満タン検知センサ535による可動片534の検知が解除されるまで払出装置830による遊技球の払出しが一時的に停止される。
なお、満タン検知センサ535による可動片534の検知に対する払出装置830による遊技球の払出しの停止を、例えば、ファールカバーユニット520の貯留通路533内に可動片534が検知されるまで遊技球が貯留されている状態で、その上流側の貯留通路533、下部満タン球経路ユニット860の満タン誘導路862、及び上部満タン球経路ユニット850の上部球貯留通路850c内を満たすことが可能な数の遊技球が払出されると、払出装置830による遊技球の払出しを停止させるようにしても良い。これにより、従来のパチンコ機よりも多くの遊技球を貯留することができるため、大当り遊技中等の多くの遊技球が払出される遊技状態において、遊技球の払出しによって上皿201や下皿202が遊技球で一杯になることに対して気に掛ける必要を低減させることができ、遊技者を大当り遊技に専念させて楽しませることができる。
このように、本実施形態の払出ユニット800では、上部満タン球経路ユニット850及び下部満タン球経路ユニット860内において、従来のパチンコ機よりも多くの遊技球を貯留することができるため、本体枠4に対して扉枠3を開いた時に、上部満タン球経路ユニット850及び下部満タン球経路ユニット860内に多くの遊技球が貯留されていると、それら遊技球の荷重が、通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を閉鎖している誘導路開閉扉863に大きく作用することとなり、誘導路開閉扉863が破損し易くなる虞がある。そこで、図81に示すような実施形態の誘導路開閉扉870としても良い。
図81に示す誘導路開閉扉870は、回転可能に取付けられる円盤状の基部870aと、基部870aから斜め左上側に平板状に延びており通常誘導路861の前端開口を閉鎖可能な第一扉板部870bと、基部870aから右側に平板状に延びており満タン誘導路862の前端開口を閉鎖可能な第二扉板部870cと、基部870aから斜め左下側に平板状に延びている延出部(図示は省略)と、延出部の先端部前面から前方へ突出しており扉枠3におけるファールカバーユニット520の扉開閉当接部537と当接可能な作動突部870eと、を備えている。また、誘導路開閉扉870は、第一扉板部870b及び第二扉板部870cの後面に、遊技球の一部が嵌る複数の凹部870を備えている。
誘導路開閉扉870の第一扉板部870b及び第二扉板部870cの後面は、図示するように、基部870aから遠ざかるに従って後方へ移動するように斜めに傾斜している。
従って、通常誘導路861や満タン誘導路862内を前方へ向かって転動してきた遊技球が、第一扉板部870bや第二扉板部870cの後面に当接すると、後面の傾斜によって基部870a側へ転動することとなり、通常誘導路861や満タン誘導路862内に貯留された遊技球を基部870a側へ寄せることができる。これにより、通常誘導路861や満タン誘導路862内に貯留された遊技球の荷重が、第一扉板部870bや第二扉板部870cにおいて、下ケース867に取付けられている基部870aに近い位置に作用するため、第一扉板部870bや第二扉板部870cを変形し難くさせることができ、誘導路開閉扉870を破損し難くして耐久性を高めることができる。
また、誘導路開閉扉870の複数の凹部870dは、図示するように、第一扉板部870b及び第二扉板部870cの後面において、遊技球が基部870a側へ寄った位置で保持されるように配置されている。これにより、通常誘導路861や満タン誘導路862内を流通してきた遊技球が凹部870dに嵌ることで、確実に遊技球を基部870a側へ寄った位置とすることができ、上述と同様の作用効果を奏することができる。
なお、図示は省略するが、凹部870dは、遊技球が嵌った状態でも誘導路開閉扉870が回動できるように、基部870aを中心として円弧状に延びている。
この場合、通常誘導路861及び満タン誘導路862の左右の幅Wを、遊技球の直径の整数倍と異ならせることが望ましい。これにより、第一扉板部870b及び第二扉板部870cの後面によって基部870a側へ寄せられた遊技球に対して、その後側に当接する遊技球が、通常誘導路861及び満タン誘導路862の左右外側の内壁に当接していると、後側の遊技球から作用する荷重の方向が基部870a側へ寄った斜め前方へ向くこととなり、下ケース867に取付けられている基部870a側へ荷重を多く作用させることができ、上述した作用効果を確実に発揮させることができる。
[4−7.基板ユニット]
本実施形態における本体枠4の基板ユニット900について、図58乃至図61を参照して説明する。本体枠4の基板ユニット900は、本体枠ベース600の後側に取付けられる基板ユニットベース910と、基板ユニットベース910の正面視左側で本体枠ベース600の後側に取付けられ内部に低音スピーカを有したスピーカユニット920と、基板ユニットベース910の後側で正面視右側に取付けられ内部に電源基板が収容されている電源基板ボックス930と、スピーカユニット920の後側に取付けられており内部にインターフェイス制御基板が収容されているインターフェイス制御基板ボックス940と、電源基板ボックス930及びインターフェイス制御基板ボックス940に跨って取付けられており内部に遊技球の払出しを制御する払出制御基板が収容された払出制御基板ボックス950と、を備えている。
払出制御基板ボックス950内に収容された払出制御基板によって、払出装置830が制御されている。
[5.遊技盤の全体構成]
次に、パチンコ機1の遊技盤5の全体構成について、図83乃至図90を参照して詳細に説明する。図83は、遊技盤の正面図である。図84は遊技盤を右前から見た斜視図であり、図85は遊技盤を左前から見た斜視図である。また、図86は、遊技盤を後ろから見た斜視図である。更に、図87は遊技盤を主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図88は遊技盤を主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。また、図89は遊技盤における前構成部材と遊技パネルのみを示す前から見た斜視図であり、図90は遊技盤における前構成部材と遊技パネルのみを示す後ろから見た斜視図である。
本実施形態の遊技盤5は、図示するように、遊技者がハンドルユニット500のハンドルレバー504を操作することで遊技球が打込まれる遊技領域5aを有している。また、遊技盤5は、遊技領域5aの外周を区画し外形が正面視略四角形状とされた前構成部材1000と、前構成部材1000の後側に取付けられており遊技領域5aの後端を区画する板状の遊技パネル1100と、遊技パネル1100の後側下部に取付けられている基板ホルダ1200と、基板ホルダ1200の後面に取付けられており遊技球を遊技領域5a内へ打込むことで行われる遊技内容を制御する主制御基板を有している主制御ユニット1300と、を備えている。遊技パネル1100の前面において遊技領域5a内となる部位には、遊技球と当接する複数の障害釘が所定のゲージ配列で植設されている(図示は省略)。
また、遊技盤5は、主制御基板からの制御信号に基づいて遊技状況を表示し前構成部材1000の左下隅に遊技者側へ視認可能に取付けられている機能表示ユニット1400と、遊技パネル1100の後側に前側から視認可能に取付けられている中央液晶表示装置1500と、中央液晶表示装置1500の後側に取付けられている周辺制御ユニット1600と、遊技パネル1100の前面に取付けられる表ユニット2000と、遊技パネル1100の後面に取付けられる裏ユニット3000と、を更に備えている。
遊技パネル1100は、外周が枠状の前構成部材1000の内周よりもやや大きく形成されていると共に透明な平板状のパネル板1110と、パネル板1110の外周を保持しており前構成部材1000の後側に取付けられると共に後面に裏ユニット3000が取付けられる枠状のパネルホルダ1120と、を備えている。
表ユニット2000は、遊技領域5a内に打込まれた遊技球を受入可能としており常時開口している複数の一般入賞口2001と、複数の一般入賞口2001とは遊技領域5a内の異なる位置で遊技球を受入可能に常時開口している第一始動口2002と、遊技領域5a内の所定位置に取付けられており遊技球の通過を検知するゲート部2003と、遊技球がゲート部2003を通過することにより抽選される普通抽選結果に応じて遊技球の受入れが可能となる第二始動口2004と、第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球の受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて何れかにおいて遊技球の受入れが可能となる下大入賞口2005及び上大入賞口2006と、を備えている。
また、技領域5a内の左右方向中央でアウト口1111の直上に取付けられており第一始動口2002を有している始動口ユニット2100と、始動口ユニット2100の正面視左方で内レール1002に沿って取付けられており複数の一般入賞口2001を有しているサイドユニット2200と、始動口ユニット2100の右方に取付けられており一つの一般入賞口2001、ゲート部2003、第二始動口2004、及び下大入賞口2005を有しているアタッカユニット2300と、始動口ユニット2100、サイドユニット2200、及びアタッカユニット2300の上方に取付けられており上大入賞口2006を有している枠状のセンター役物2500と、を備えている。
裏ユニット3000は、パネルホルダ1120の後面に取付けられ前方が開放されている箱状の裏箱3010と、裏箱3010の後面に取付けられており中央液晶表示装置1500を着脱可能に取付けるためのロック機構3020と、裏箱3010の下部左側前端付近に取付けられている左下球通路ユニット3030と、裏箱3010の下部右側前端付近に取付けられている右下球通路ユニット3040と、を備えている。
また、裏ユニット3000は、裏箱3010の後面で開口部3010aの背面視左方に取付けられているランプ駆動基板3060と、ランプ駆動基板3060の後方を覆うランプ駆動基板カバー3061と、裏箱3010の後面で開口部3010aの背面視下方に取付けられているモータ駆動基板3062と、モータ駆動基板3062の後方を覆うモータ駆動基板カバー3063と、裏箱3010の後面で背面視左下隅に取付けられているパネル中継基板3064と、を備えている。
更に、裏ユニット3000は、裏箱3010の前端で上辺及び左辺に沿って取付けられている裏周縁装飾ユニット3080と、裏箱3010内で開口部3010aの上方に取付けられている裏上可動演出ユニット3100と、裏箱3010内の前端付近で開口部3010aの下方に取付けられている裏下前可動演出ユニット3200と、裏箱3010内で開口部3010aの右方に取付けられている裏右可動演出ユニット3300と、裏箱3010内で開口部3010aの左方に取付けられている裏左可動演出ユニット3400と、裏箱3010内で開口部3010aの下方且つ裏下前可動演出ユニット3200の後方に取付けられている裏下後可動演出ユニット3500と、裏箱3010内で裏上可動演出ユニット3100及び裏下後可動演出ユニット3500の夫々左右両側に取付けられている裏四隅可動演出ユニット3600と、を備えている。
[5−1.前構成部材]
次に、前構成部材1000について、図83乃至図90を参照して説明する。前構成部材1000は、正面視の外形が略正方形とされ、内形が略円形状に前後方向へ貫通しており、内形の内周によって遊技領域5aの外周を区画している。この前構成部材1000は、正面視で左右方向中央から左寄りの下端から時計回りの周方向へ沿って円弧状に延び正面視左右方向中央上端を通り過ぎて右斜め上部まで延びた外レール1001と、外レール1001に略沿って前構成部材1000の内側に配置され正面視左右方向中央下部から正面視左斜め上部まで円弧状に延びた内レール1002と、内レール1002の下端の正面視右側で遊技領域5aの最も低くなった位置に形成されており後方へ向かって低くなるように傾斜しているアウト誘導部1003と、を備えている。
また、前構成部材1000は、アウト誘導部1003の正面視右端から前構成部材1000の右辺付近まで右端側が僅かに高くなるように直線状に傾斜している右下レール1004と、右下レール1004の右端から前構成部材1000の右辺に沿って外レール1001の上端の下側まで延びており上部が前構成部材1000の内側へ湾曲している右レール1005と、右レール1005の上端と外レール1001の上端とを繋いでおり外レール1001に沿って転動して来た遊技球が当接する衝止部1006と、を備えている。この衝止部1006は、遊技領域5a内に打ち込まれた遊技球の勢いを緩めて和らげる緩衝部材として作用するものであり、本例ではゴム等により形成されている。なお、緩衝部材として作用するものであれば衝止部1006の素材はゴムに限られない。
また、前構成部材1000は、内レール1002の上端に回動可能に軸支され、外レール1001との間を閉鎖するように内レール1002の上端から上方へ延出した閉鎖位置と正面視時計回りの方向へ回動して外レール1001との間を開放した開放位置との間でのみ回動可能とされると共に閉鎖位置側へ復帰するように図示しないバネによって付勢された逆流防止部材1007を、備えている。
[5−2.遊技パネル]
次に、遊技パネル1100について、図83乃至図90を参照して説明する。遊技パネル1100は、外周が枠状の前構成部材1000の内周よりもやや大きく形成されていると共に透明な合成樹脂で形成されている平板状のパネル板1110と、パネル板1110の外周を保持しており前構成部材1000の後側に取付けられると共に後面に裏ユニット3000が取付けられる枠状のパネルホルダ1120と、を備えている。遊技パネル1100のパネル板1110は、遊技領域5a内において最も低い位置となる部位に前後に貫通しているアウト口1111が形成されている。また、パネル板1110には、前後に貫通しており表ユニット2000を取付けるための取付口1112(図89及び図90等を参照)が複数形成されている。
パネルホルダ1120は、パネル板1110を後側から着脱可能に保持している。また、パネルホルダ1120は、裏ユニット3000を取付けるための取付孔と、位置決め孔とが後面に複数形成されている。
遊技パネル1100を前構成部材1000の後側に取付けた状態では、前構成部材1000のアウト誘導部1003の後側にパネル板1110のアウト口1111が開口した状態となる。これにより、遊技領域5aの下端へ流下した遊技球が、アウト誘導部1003によって後側のアウト口1111へ誘導され、アウト口1111を通って遊技パネル1100の後側へ排出させることができる。
[5−3.基板ホルダ]
次に、基板ホルダ1200について、図83乃至図90を参照して説明する。基板ホルダ1200は、上方及び前方が開放された横長の箱状に形成されており、底面が左右方向中央へ向かって低くなるように傾斜している。この基板ホルダ1200は、遊技盤5に組立てた状態では、遊技パネル1100の後側に取付けられている裏ユニット3000の下部を下側から覆うことができる。これにより、アウト口1111を通って遊技パネル1100の後側へ排出された遊技球、及び、表ユニット2000及び裏ユニット3000から下方へ排出された遊技球、を全て受けることができ、底面に形成された排出部1201(図87を参照)から下方へ排出させることができる。
[5−4.主制御基板ユニット]
次に、主制御ユニット1300について、図83乃至図90を参照して説明する。主制御ユニット1300は、基板ホルダ1200の後面に着脱可能に取付けられている。この主制御ユニット1300は、遊技内容及び遊技球の払出し等を制御する主制御基板(図示は省略)と、主制御基板を収容しており基板ホルダ1200に取付けられる主制御基板ボックス1320と、を備えている。
主制御基板ボックス1320は、複数の封印機構を備えており、一つの封印機構を用いて主制御基板ボックス1320を閉じると、次に、主制御基板ボックス1320を開けるためにはその封印機構を破壊する必要があり、主制御基板ボックス1320の開閉の痕跡を残すことができる。従って、開閉の痕跡を見ることで、主制御基板ボックス1320の不正な開閉を発見することができ、主制御基板への不正行為に対する抑止力が高められている。
[5−5.機能表示ユニット]
次に、機能表示ユニット1400について、図83乃至図90を参照して説明する。機能表示ユニット1400は、図83等に示すように、遊技領域5aの外側で前構成部材1000の左下隅に取付けられている。この機能表示ユニット1400は、遊技盤5をパチンコ機1に組立てた状態で、扉枠3の貫通口111を通して前方(遊技者側)から視認することができる(図1を参照)。この機能表示ユニット1400は、複数のLEDを用いて、遊技状態(遊技状況)や、普通抽選結果や特別抽選結果等を表示するものである。
機能表示ユニット1400は、詳細な図示は省略するが、遊技状態を表示する一つのLEDからなる状態表示器と、後述するゲート部に対する遊技球の通過により抽選される普通抽選結果を表示する二つのLEDからなる普通図柄表示器と、ゲート部に対する遊技球の通過に係る保留数を表示する二つのLEDからなる普通保留表示器と、後述する第一始動口への遊技球の受入れにより抽選された第一特別抽選結果を表示する八つのLEDからなる第一特別図柄表示器と、第一始動口への遊技球の受入れ係る保留数を表示する二つのLEDからなる第一特別保留数表示器と、後述する第二始動口への遊技球の受入れにより抽選された第二特別抽選結果を表示する八つのLEDからなる第二特別図柄表示器と、第二始動口への遊技球の受入れ係る保留数を表示する二つのLEDからなる第二特別保留数表示器と、第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果が「大当り」等の時に、後述する上大入賞口や下大入賞口の開閉パターンの繰返し回数(ラウンド数)を表示する二つのLEDからなるラウンド表示器と、を主に備えている。
この機能表示ユニット1400では、備えられているLEDを、適宜、点灯、消灯、及び、点滅、等させることにより、保留数や図柄等を表示することができる。
[5−6.中央液晶表示装置]
次に、中央液晶表示装置1500について、図83乃至図90を参照して説明する。中央液晶表示装置1500は、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており、遊技パネル1100の後側に裏ユニット3000の裏箱3010を介して取付けられている。
詳述すると、中央液晶表示装置1500は、裏箱3010の後壁の略中央の後面に対して、着脱可能に取付けられている。この中央液晶表示装置1500は、遊技盤5を組立てた状態で、枠状のセンター役物2500の枠内を通して、前側(遊技者側)から視認することができる。この中央液晶表示装置1500は、白色LEDをバックライトとしたフルカラーの表示装置であり、静止画像や動画を表示することができる。
中央液晶表示装置1500は、図87及び図88に示すように、正面視左側面から外方へ突出している二つの左固定片1501と、正面視右側面から外方へ突出している右固定片1502と、を備えている。この中央液晶表示装置1500は、液晶画面を前方へ向けた状態で、後述する裏箱3010の枠状の液晶取付部内の正面視左内周面に開口している二つの固定溝に、裏箱3010の斜め後方から二つの左固定片1501を挿入した上で、右固定片1502側を前方へ移動させて、右固定片1502をロック機構の開口部内に挿入し、ロック機構を下方へスライドさせることにより、裏箱3010に取付けられる。
[5−7.周辺制御ユニット]
次に、周辺制御ユニット1600について、図83乃至図90を参照して説明する。周辺制御ユニット1600は、中央液晶表示装置1500の後面に取付けられている。周辺制御ユニット1600は、図示は省略するが、主制御基板からの制御信号に基いて遊技者に提示する演出を制御する周辺制御基板と、中央液晶表示装置1500に表示される演出画像の表示を制御する画像表示制御基板と、演出画像、演出サウンド、演出制御プログラム、等が記憶されたROMを備えているROM基板と、周辺制御基板、画像表示制御基板、及びROM基板を収容している周辺制御基板ボックス1620と、を備えている。
[5−8.表ユニットの全体構成]
次に、表ユニット2000について、図91乃至図97を参照して説明する。図91は遊技盤の表ユニットを前から見た斜視図であり、図92は遊技盤の表ユニットを後ろから見た斜視図である。また、図93(a)は表ユニットの始動口ユニットを前上から見た斜視図であり、(b)は始動口ユニットを後ろ下から見た斜視図である。また、図94(a)は表ユニットのサイドユニットを前から見た斜視図であり、(b)はサイドユニットを後ろから見た斜視図である。更に、図95(a)は表ユニットのアタッカユニットを前上から見た斜視図であり、(b)はアタッカユニットを後ろ上から見た斜視図であり、(c)はアタッカユニットを後ろ下から見た斜視図である。また、図96は表ユニットのセンター役物を前から見た斜視図であり、図97は表ユニットのセンター役物を後ろから見た斜視図である。
遊技盤5の表ユニット2000は、遊技パネル1100のパネル板1110に、前方から取付けられており、前端がパネル板1110の前面よりも前方へ突出していると共に、後端が取付口1112を貫通してパネル板1110の後面よりも後方へ突出している。本実施形態の表ユニット2000は、遊技領域5a内に打込まれた遊技球を受入可能としており常時開口している複数の一般入賞口2001と、複数の一般入賞口2001とは遊技領域5a内の異なる位置で遊技球を受入可能に常時開口している第一始動口2002と、遊技領域5a内の所定位置に取付けられており遊技球の通過を検知するゲート部2003と、遊技球がゲート部2003を通過することにより抽選される普通抽選結果に応じて遊技球の受入れが可能となる第二始動口2004と、第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球の受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて何れかにおいて遊技球の受入れが可能となる下大入賞口2005及び上大入賞口2006と、を備えている。
複数(ここでは四つ)の一般入賞口2001は、遊技領域5a内の下部に配置されている。第一始動口2002は、遊技領域5a内の左右方向中央でアウト口1111の直上に配置されている。ゲート部2003は、遊技領域5a内における右部で上下方向中央から下寄りに配置されている。第二始動口2004は、ゲート部2003の直下に配置されている。下大入賞口2005は、第二始動口2004の下方で遊技領域5a内の下端部付近に配置されている。上大入賞口2006は、第二始動口2004の上方で遊技領域5a内の上端部付近に配置されている。
また、表ユニット2000は、遊技領域5a内の左右方向中央でアウト口1111の直上に取付けられており第一始動口2002を有している始動口ユニット2100と、始動口ユニット2100の正面視左方で内レール1002に沿って取付けられており複数(ここでは三つ)の一般入賞口2001を有しているサイドユニット2200と、始動口ユニット2100の右方に取付けられており一つの一般入賞口2001、ゲート部2003、第二始動口2004、及び下大入賞口2005を有しているアタッカユニット2300と、始動口ユニット2100、サイドユニット2200、及びアタッカユニット2300の上方に取付けられており上大入賞口2006を有している枠状のセンター役物2500と、を備えている。
[5−8a.始動口ユニット]
次に、表ユニット2000の始動口ユニット2100について、図93等を参照して説明する。始動口ユニット2100は、遊技領域5a内において、左右方向中央の下端部付近でアウト口1111の直上に配置されており、パネル板1110に前方から取付けられている。この始動口ユニット2100は、第一始動口2002を有している。
始動口ユニット2100は、パネル板1110に取付けられるユニットベース2101と、ユニットベース2101の前面上部に取付けられていると共に前方へ突出しており第一始動口2002を形成している球受部材2102と、球受部材2102の下側でユニットベース2101の前面に取付けられており前方へ突出していると共に左右に延びている箱枠状の前飾りベース2103と、前飾りベース2103内においてユニットベース2101の前面に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている表中央装飾基板2104と、を備えている。
また、始動口ユニット2100は、前飾りベース2103の前面に取付けられており所定の装飾が施されていると共に表中央装飾基板2104によって発光装飾される前面飾り部材2105と、ユニットベース2101の後側に取付けられており第一始動口2002に受入れられた遊技球を下方へ誘導する誘導通路部材2106と、誘導通路部材2106に取付けられており第一始動口2002に受入れられた遊技球を検知する第一始動口センサ2107と、を備えている。
球受部材2102は、上方及び後方が開放された容器状に形成されており、第一始動口2002として上方からの遊技球を受けて後方へ誘導させることができる。前飾りベース2103は、球受部材2102(第一始動口2002)を中心に左右へ均等に延びており、上面が左右両端へ向かうに従って低くなるように傾斜している。前面飾り部材2105は、左右に延びており、後述する下大入賞口2005を開閉する下大入賞口扉部材2352と略同じ大きさ及び形状で板状に形成されているフェイク部2105aを有している。
このフェイク部2105aによって、第一始動口2002の下側に大入賞口があるように遊技者を錯覚させることができる。
[5−8b.サイドユニット]
次に、表ユニット2000のサイドユニット2200について、図94等を参照して説明する。サイドユニット2200は、遊技領域5a内において、始動口ユニット2100の左方で内レール1002に沿って延びており、パネル板1110に前方から取付けられている。サイドユニット2200は、三つの一般入賞口2001を有している。
このサイドユニット2200は、パネル板1110の前面に取付けられ内レール1002に沿うように円弧状に延びている平板状のユニットベース2201と、ユニットベース2201の前面下部の上縁付近に取付けられていると共に前方へ突出しており一般入賞口2001を形成している二つの第一球受部材2202と、ユニットベース2201の前面で左右方向中央から左寄りに取付けられていると共に前方へ突出しており一般入賞口2001を形成している第二球受部材2203と、ユニットベース2201の後方に配置されており前面に複数のLEDが実装されているサイド装飾基板2204と、サイド装飾基板2204を後方から覆うようにユニットベース2201の後面に取付けられている基板カバー2205と、を備えている。
ユニットベース2201は、正面視左方へ向かうに従って高くなるように円弧状に延びている。また、ユニットベース2201は、第二球受部材2203が取付けられる部位よりも左方且つ上方の部位に、右方へ向かって低くなるように傾斜している第一棚部2201aを有し、前方へ突出している突出部2201bを備えている。このユニットベース2201は、透光性を有しており、サイド装飾基板2204により発光装飾される。
第一球受部材2202は、上方及び後方が開放された容器状に形成されており、一般入賞口2001として上方からの遊技球を受けて後方へ誘導させることができる。
第二球受部材2203は、後方が開放された箱状に形成されており、上面に右方へ向かって低くなるように傾斜している第二棚部2203aと、第二棚部2203aの下側で左上方へ開口しており一般入賞口2001を形成している球受部2203bと、を有している。
基板カバー2205は、前方が開放されている浅い箱状に形成されており、二つの第一球受部材2202及び第二球受部材2203の球受部2203bの後方となる部位に上方へ開放されていると共に前後に延びており一般入賞口2001に受入れられた遊技球を後方へ誘導する樋状の誘導部2205aを有している。
サイドユニット2200は、遊技パネル1100(パネル板1110)に取付けた状態で、基板カバー2205が取付口1112内に挿入されており、一般入賞口2001に受入れられた遊技球を、誘導部2205aによってパネル板1112の後方へ誘導することができる。
[5−8c.アタッカユニット]
次に、表ユニット2000のアタッカユニット2300について、図95等を参照して説明する。アタッカユニット2300は、遊技領域5a内において、正面視右下隅に配置されており、パネル板1110に前方から取付けられている。このアタッカユニット2300は、一つの一般入賞口2001、ゲート部2003、第二始動口2004、及び下大入賞口2005を、有している。具体的には、一般入賞口2001の右方に第二始動口2004が配置されていると共に、第二始動口2004の直上にゲート部2003が配置されており、更に、一般入賞口2001及び第二始動口2004の下方に下大入賞口2005が配置されている。下大入賞口2005は、第二始動口2004の直下から一般入賞口2001の直下を超えて左方へ長く左右に延びている。
アタッカユニット2300は、一般入賞口2001及びゲート部2003を有しておりパネル板1110に前方から取付けられるユニットベース2301と、ユニットベース2301の前面上部に取付けられており第二始動口2004の前方を装飾する始動口前部材2302と、ユニットベース2301の前面で始動口前部材2302と下大入賞口2005との間の部位に取付けられており前方へ突出している棚部材2303と、ユニットベース2301の後側に取付けられており第二始動口2004に受入れられた遊技球を誘導する球誘導部材2304と、ユニットベース2301に取付けられており遊技球のゲート部2003の通過を検知するゲートセンサ2305と、を備えている。
また、アタッカユニット2300は、ユニットベース2301の後側において始動口前部材2302と棚部材2303との間に相当する部位に配置されており前面に複数のLEDが実装されている下アタッカ装飾基板2306と、下アタッカ装飾基板2306の後方を覆うようにユニットベース2301の後面に取付けられている基板カバー2307と、下アタッカ装飾基板2306とユニットベース2301との間に取付けられている格子枠状の遮光部材(図示は省略)と、を備えている。
また、アタッカユニット2300は、ユニットベース2301の後側に取付けられており第二始動口2004を開閉させる第二始動口ユニット2320と、ユニットベース2301の後側に取付けられており下大入賞口2005を開閉させる下大入賞口ユニット2350と、を備えている。
ユニットベース2301は、ゲート部2003が上端部から前方へ突出していると共に、一つの一般入賞口2001がゲート部2003の正面視左下の部位から前方へ突出している。また、ユニットベース2301は、一般入賞口2001に受入れられた遊技球を後方へ案内する樋状の樋部2301aを備えている。このユニットベース2301は、透光性を有している。
始動口前部材2302は、第二始動口2004の左右両側辺に沿って前方へ延びている一対の側壁部2302a(図175(a)を参照)と、正面視左側の側壁部2302aの上端から左方へ向かって高くなるように延びている誘導部2302bと、正面視右側の側壁部2302aから右方へ遊技球が通過可能な距離を開けて前方へ延びている平板状の外壁部2302cと、一対の側壁部2302a、誘導部2302b、及び外壁部2302cの前端を連結している平板状の前板部2302dと、を備えている。誘導部2302bは、左端がゲート部2003よりも左方へ延び出している。
棚部材2303は、図175(a)等に示すように、始動口前部材2302の右側の側壁部2302aの直下から一般入賞口2001の左右中央の直下まで、左端が低くなるように上面が延びている。これにより、下大入賞口2005が開状態の時に、遊技球が棚部材2303の上面を転動して左端から放出されると、極めて高い確率で下大入賞口2005に受入れられる。球誘導部材2304は、基板カバー2307の後面に取付けられている。また、球誘導部材2304は、第二始動口2004に受入れられた遊技球を、ユニットベース2301の後方において、第二始動口ユニット2320と下大入賞口ユニット2350との間を通して、下大入賞口ユニット2350よりも後方へ誘導した後に、下方へ放出するように形成されている。
第二始動口ユニット2320は、前端に第二始動口2004が開口しておりユニットベース2301の後面に取付けられている前ケース2321と、前ケース2321の後側に取付けられている後ケース2322と、前ケース2321内に第二始動口2004よりも前方に突出可能に前後へスライド可能に支持されている第二始動口扉部材2323と、第二始動口扉部材2323を前後へスライド駆動させ後ケース2322内に取付けられている始動口ソレノイド2324と、前ケース2321及び後ケース2322に挟まれるように取付けられており第二始動口2004に受入れられた遊技球を検知する第二始動口センサ2325と、を備えている。
第二始動口ユニット2320は、アタッカユニット2300に組立てた状態では、前ケース2321の前端がユニットベース2301を後方から貫通してユニットベース2301の前面と略同一面上に位置している。これにより、第二始動口2004は、前方へ向かって開口している。そして、始動口ソレノイド2324が非通電の通常の状態では、第二始動口扉部材2323が前ケース2321内に没入しており、第二始動口2004の前方を流下する遊技球は第二始動口2004に進入することなく、第二始動口2004を通り過ぎて下方へ流下する。一方、始動口ソレノイド2324に通電されると、第二始動口扉部材2323が、第二始動口2004よりも前方へ突出した状態となる。この状態で、第二始動口2004の前方を遊技球が流下すると、その遊技球が第二始動口扉部材2323に当接して流通方向が下方から後方へと変化し、第二始動口2004に受入れられる。第二始動口2004に受入れられた遊技球は、第二始動口センサ2325により検知された後に、球誘導部材2304に誘導されて下方へ排出される。
下大入賞口ユニット2350は、ユニットベース2301の後面に取付けられ前面に左右に延びた長方形の下大入賞口2005が開口しているユニットケース2351と、下大入賞口2005を開閉可能としユニットケース2351に回動可能に取付けられている横長長方形で平板状の下大入賞口扉部材2352と、ユニットケース2351内に取付けられており遊技状態に応じて下大入賞口扉部材2352を開閉駆動させる下大入賞口ソレノイド2353と、ユニットケース2351に取付けられており下大入賞口2005に受入れられた遊技球を検知する下大入賞口センサ2354と、ユニットケース2351の下面に取付けられており上面に複数のLEDが実装されている下大入賞口装飾基板2355と、下大入賞口ソレノイド2353、下大入賞口センサ2354、始動口ソレノイド2324、及び第二始動口センサ2325等と、主制御基板との接続を中継しているアタッカユニット中継基板2356と、を備えている。
下大入賞口2005は、前方へ向かって開口している。この下大入賞口2005を開閉可能な下大入賞口扉部材2352は、下辺の左右両端部がユニットケース2351によって回動可能に取付けられており、上辺が前方且つ下方へ移動するように回動させることで下大入賞口2005を閉状態から開状態とすることができる。
下大入賞口ユニット2350は、下大入賞口ソレノイド2353が非通電の通常の状態では、下大入賞口扉部材2352が直立して下大入賞口2005を閉鎖している。そして、下大入賞口ソレノイド2353が遊技状態に応じて通電されると、上辺が前方且つ下方へ移動するように下大入賞口扉部材2352が回動して、上辺が下辺よりもやや上方へ位置した状態となる。つまり、下大入賞口扉部材2352が、下大入賞口2005の下辺から前方へ向かって高くなるように傾斜した状態となる。
この状態で下大入賞口2005の前方を遊技球が流下して下大入賞口扉部材2352に当接すると、下大入賞口扉部材2352の傾斜により流通方向が下方から後方へと変化し、下大入賞口2005に受入れられることとなる。そして、下大入賞口2005に受入れられた遊技球は、下大入賞口センサ2354により検知された後に、ユニットケース2351の下面から下方へ排出される。
[5−8d.センター役物]
次に、表ユニット2000のセンター役物2500について、主に図96及び図97を参照して説明する。センター役物2500は、遊技領域5a内において、始動口ユニット2100やアタッカユニット2300よりも上方で正面視略中央でやや上寄りに配置されており、遊技パネル1100のパネル板1110の前面に取付けられている。センター役物2500は、枠状に形成されており、枠内を通して遊技パネル1100の後方に配置されている中央液晶表示装置1500を前方から視認することができる。センター役物2500は、遊技状態に応じて遊技球の受入れが可能となる上大入賞口2006を有している。センター役物2500は、図83等に示すように、下辺の一部が始動口ユニット2100とアタッカユニット2300との間を通って右下レール1004付近まで下方へ延びている。つまり、このセンター役物2500は、遊技領域5aを左右に分断している。
センター役物2500は、パネル板1112の中央で大きく開口している取付口1112の周縁に沿ってパネル板1110の前面に当接する平板枠状のフランジ部2511と、フランジ部2511から前方へ突出しており枠内への遊技球の浸入を阻止する前周壁部2512と、フランジ部2511から後方へ突出して取付口1112内に挿入される後周壁部2513と、を有している枠状のセンターベース2510を備えている。
センターベース2510の前周壁部2512は、下辺の一部を除いてフランジ部2511の略全周に亘って形成されている。前周壁部2512は、上辺における左右方向中央からやや左寄りの位置が最も高くなっている。
また、センター役物2500は、センターベース2510の前周壁部2512において正面視左辺下部の外周面で遊技領域5a内の遊技球が進入可能に開口しているワープ入口2520と、ワープ入口2520に進入した遊技球をセンターベース2510の枠内で下辺の正面視左端付近へ誘導するワープ通路2521と、ワープ通路2521の下流端で遊技球が通過可能に開口しているワープ出口2523と、ワープ出口2523から放出された遊技球が転動可能とされておりセンターベース2510の枠内で下辺に沿って左右に延びていると共に供給された遊技球を遊技領域5a内へ放出するステージ2530と、を備えている。
ステージ2530は、左右両端が高く遊技領域5aの左右方向中央に対応する部位の左右両側が最も低くなるように湾曲しており、最も低くなっている部位の間が若干高くなるように膨出している。このステージ2530は、遊技領域5aの左右方向中央に対応する部位に形成されており前端から後方へ切欠かれている中央誘導溝2531と、最も低くなっている二つの部位に夫々形成されており前方へ向かって低くなると共に左右へ広がる扇状のサイド誘導溝2532と、を備えている。遊技盤5を組立てた状態では、中央誘導溝2531の直下に第一始動口2002が位置しており、中央誘導溝2531から遊技領域5a内へ放出された遊技球が、極めて高い確率で第一始動口2002に受入れられる。
また、センター役物2500は、前周壁部2512の上辺の正面視右端部に取り付けられて衝止部1006に当接して跳ね返った遊技球を後述する上遊技空間2541方向に向けて転動させる誘導部2540を備えている。この誘導部2540は、センター役物2500とは別部材で形成されてセンター役物2500に取り付けられることによって前周壁部2512の上辺の正面視右端部を正面視右方向に延設する。また、誘導部2540はセンター役物2500よりも強度の強い樹脂によって形成されている。具体的には、センター役物2500はPC樹脂(ポリカーボネート樹脂)によって形成されるが、誘導部2540はPC樹脂よりも耐久性に優れたPOM樹脂(ポリアセタール樹脂)によって形成されている。
上記したように遊技領域5a内に打ち込まれた遊技球が衝止部1006に当接すると遊技球はその勢いを緩めるが、一部の遊技球は衝止部1006によってセンター役物2500の前周壁部2512の上辺方向に跳ね返される。また、遊技球を衝止部1006に当接させるために殆どの遊技者はハンドルレバー504を最大まで回動させて遊技球を打ち込むため、打ち出される遊技球の勢いは第一始動口2002への入賞を狙って行う通常の遊技に比べて強くなっている。そして、このように打ち込まれた遊技球が衝止部1006によって跳ね返された場合に、センター役物2500の前周壁部2512の上辺に頻繁に落下してセンター役物2500が破損するおそれがある。そのため、前周壁部2512の上辺の正面視右端部を別部材の誘導部2540としてセンター役物2500に取り付けるとともに、耐久性に優れたPOM樹脂によって形成することでセンター役物2500の破損を防止している。なお、本例ではセンター役物2500全てをPOM樹脂で形成することなく、誘導部2540だけをPOM樹脂で形成したため、仮に誘導部2540が破損した場合であっても誘導部2540だけを交換することによって修復することができ、破損時にも簡便に修復可能である。
また、後述する図176に示すように誘導部2540は前周壁部2512と段差を有するようにセンター役物2500に取り付けられる。本例では、前周壁部2512の上辺が誘導部2540の上辺よりも正面視上方となるように取り付けられている。これによって、衝止部1006によって跳ね返された遊技球がこの段差に達した場合に、段差を超えられずに上遊技空間2541方向に戻されるようになる。また、誘導部2540の上辺は滑らかな鏡面仕上げによって摩擦係数が低くなっており、前周壁部2512と誘導部2540との段差を超えられなかった遊技球を迅速に上遊技空間2541へと流下させるため、誘導部2540の上辺に遊技球が滞留することによる球詰まりの発生を抑止できる。
また、本例では後述する図176に示すように誘導部2540の上辺が右辺(左右の辺)よりも長い立体部材によって形成されている。誘導部2540の上辺は衝止部1006によって跳ね返された遊技球を受け止めるために一定以上の長さを要するが、上辺と右辺(左右の辺)を同程度とすることによって遊技領域5a内のスペースが狭まり、遊技機設計の自由度が低下する。そのため、誘導部2540の右辺(左右の辺)を上辺よりも短く形成することで遊技領域5aの正面視上下方向のスペースを確保して遊技機設計の自由度を低下させないようにしている。
また、センター役物2500は、誘導部2540と衝止部1006とによって挟まれて遊技領域5a内の遊技球が進入可能に開口している右上入口と、右上入口の下方でセンターベース2510の上辺の右部に形成されており正面視左辺に上大入賞口2006が開口している所定広さの上遊技空間2541と、上遊技空間2541の底部における正面視右端からセンターベース2510の右辺に沿って下方へ延びていると共に下端が左方へ折れ曲がっており遊技球が流通可能な右通路2542と、右通路2542の下端で下方へ向かって開口している右下出口2543と、を備えている。
右上入口は、遊技球の外径よりも若干大きい幅で鉛直に延びており、上部が上方へ向かって広がっている。上遊技空間2541は、遊技球が上下方向及び左右方向へ十分に移動できる広さに形成されている。この上遊技空間2541は、右上入口よりも正面視左方に上大入賞口2006が開口している。また、上遊技空間2541は、右上入口の直下に正面視右方へ向かって低くなるように傾斜している案内部2541aを有している。この案内部2541aにより、右上入口を通って落下してきた遊技球を、上遊技空間2541内で跳ね上がらせることなく、上遊技空間2541の底面に沿って転動させて、右通路2542へスムーズに案内させることができる。
右通路2542は、前側と後側の壁面に左右に延びた突条2542aが、上下方向へ交互に複数備えられており、各突条2542aに遊技球が当接することにより、遊技球の流下速度を減衰させることができる。右下出口2543は、遊技盤5を組立てた状態で、アタッカユニット2300におけるゲート部2003の直上に開口している。なお、図示は省略するが、遊技パネル1100(パネル板1110)には、右下出口2543とゲート部2003との間にも、複数の障害釘が植設されている。
更に、センター役物2500は、上大入賞口2006を閉鎖している上大入賞口扉部材2550と、上大入賞口扉部材2550を遊技状態に応じて開閉駆動する上大入賞口ソレノイド2551と、上大入賞口2006に受入れられた遊技球を検知する上大入賞口センサ2552と、上大入賞口センサ2552により検知された遊技球をフランジ部2511よりも後方へ誘導する後方誘導路2553(図175を参照)と、後方誘導路2553の後端に開口しており遊技球が通過可能な後方放出口2554と、後方誘導路2553の途中から分岐しておりセンターベース2510の正面視右辺に沿って遊技球を下方へ誘導する逃し通路2555と、逃し通路の下端に開口している排出口2556と、を備えている。
上大入賞口扉部材2550は、上遊技空間2541内における右上入口よりも正面視左方に開口している上大入賞口2006を開閉するものである。この上大入賞口扉部材2550は、下端が右上入口よりも左方で上遊技空間2541の底面付近で前後に延びた軸周りに対して回転可能に取付けられており、直立した状態で上端が上遊技空間の天井付近まで延びている。この上大入賞口扉部材2550は、通常の状態では直立しており、上大入賞口2006を閉鎖している。そして、遊技状態に応じて上大入賞口ソレノイド2551に通電されると、上端が正面視右方へ移動するように回動して、遊技球が受入可能となるように上大入賞口2006を開放する。この状態では、上大入賞口扉部材2550の上端が、下端よりも高くなっていると共に右上入口よりも正面視右方へ位置している。従って、右上入口を通って上大入賞口扉部材2550に落下した遊技球は、上大入賞口扉部材2550により誘導されて上大入賞口2006に受入れられる。
上大入賞口2006に受入れられた遊技球は、上大入賞口扉部材2550の左下に配置されている上大入賞口センサ2552に検知された後に、後方誘導路2553によりフランジ部2551の後方へ誘導される。この後方誘導路2553の後端に開口している後方放出口2554は、通常は後述する裏ユニット3000の裏右可動演出ユニット3300における裏右回転装飾体3310の第一装飾面3310aの外周面によって閉鎖されている。従って、後方放出口2554から遊技球が放出されない時には、後方放出口2554の直前で分岐している逃し通路2555へ遊技球が進入し、逃し通路2555を通って排出口2556から下方へ排出される。
また、センター役物2500は、センターベース2510の上辺に取付けられている表上可動演出ユニット2560と、センターベース2510の下辺に取付けられている表下可動演出ユニット2570と、を備えている。センター役物2500の表上可動演出ユニット2560は、センターベース2510の枠内において昇降可能に取付けられておりパチンコ機1のコンセプトに沿った装飾が施されている表上可動装飾体2561と、表上可動装飾体2561の後側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている表上可動装飾体装飾基板(図示は省略)と、センターベース2510の後側に取付けられており遊技状態に応じて表上可動装飾体2561を昇降させる表上駆動モータ2563と、を備えている。
表下可動演出ユニット2570は、センターベース2510の下辺におけるステージ2530よりも下方へ延出している部位に取付けられており前面に装飾が施されている平板状で透光性を有している表下装飾体2571と、表下装飾体2571よりも前方で回転可能に取付けられている第一回転装飾体2572、第二回転装飾体2573、及び第三回転装飾体2574と、センターベース2510の後側に取付けられており遊技状態に応じて第一回転装飾体2572、第二回転装飾体2573、及び第三回転装飾体2574を回転させる表下駆動モータ2575と、表下装飾体2571の後側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている表下可動装飾体装飾基板2576と、を備えている。
表下可動演出ユニット2570は、第一回転装飾体2572、第二回転装飾体2573、及び第三回転装飾体2574が、手裏剣を模した形状に形成されており、表下駆動モータ2575の駆動により、夫々同一方向へ回転する。
[5−9.裏ユニットの全体構成]
次に、遊技盤5における裏ユニット3000の全体構成について、主に図98乃至図101を参照して詳細に説明する。図98は裏ユニットを前から見た斜視図であり、図99は裏ユニットを後ろから見た斜視図である。図100は裏ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図101は裏ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。裏ユニット3000は、遊技パネル1100におけるパネルホルダ1120の後面に取付けられている。また、裏ユニット3000の後面には中央液晶表示装置1500が着脱可能に取付けられている。
裏ユニット3000は、パネルホルダ1120の後面に取付けられ前方が開放されている箱状で後壁に四角い開口部3010aを有している裏箱3010と、裏箱3010の後面に取付けられており中央液晶表示装置1500を着脱可能に取付けるためのロック機構3020と、裏箱3010の下部左側前端付近に取付けられておりサイドユニット2200の一般入賞口2001に受入れられた遊技球を下方へ誘導して基板ホルダ1200上へ放出する左下球通路ユニット3030と、裏箱3010の下部右側前端付近に取付けられておりアタッカユニット2300の一般入賞口2001に受入れられた遊技球と上大入賞口2006に受入れられて後述する裏右可動演出ユニット3300における裏右下ベース3303の排出口3303aから排出された遊技球とセンター役物2500の逃し通路2555の排出口2556から排出された遊技球とを下方へ誘導して基板ホルダ1200上へ放出する右下球通路ユニット3040と、左下球通路ユニット3030及び右下球通路ユニット3040に夫々取付けられており一般入賞口2001に受入れられた遊技球を検知する一般入賞口センサ3050と、を備えている。
また、裏ユニット3000は、裏箱3010の後面で開口部3010aの背面視左方に取付けられており周辺制御基板からの制御コマンドに基づいて各装飾基板を駆動するランプ駆動基板3060と、ランプ駆動基板3060の後方を覆うように裏箱3010の後面に取付けられているランプ駆動基板カバー3061と、裏箱3010の後面で開口部3010aの背面視下方に取付けられており周辺制御基板からの制御コマンドに基づいて各駆動モータを駆動するモータ駆動基板3062と、モータ駆動基板3062の後方を覆うように裏箱3010の後面に取付けられているモータ駆動基板カバー3063と、裏箱3010の後面で背面視左下隅に取付けられており主制御基板と各入賞口センサや各入賞口ソレノイド等との接続を中継しているパネル中継基板3064と、を備えている。
更に、裏ユニット3000は、裏箱3010の前端で上辺及び左辺に沿って取付けられている裏周縁装飾ユニット3080と、裏箱3010内で開口部3010aの上方に取付けられている裏上可動演出ユニット3100と、裏箱3010内の前端付近で開口部3010aの下方に取付けられている裏下前可動演出ユニット3200と、裏箱3010内で開口部3010aの右方に取付けられている裏右可動演出ユニット3300と、裏箱3010内で開口部3010aの左方に取付けられている裏左可動演出ユニット3400と、裏箱3010内で開口部3010aの下方且つ裏下前可動演出ユニット3200の後方に取付けられている裏下後可動演出ユニット3500と、裏箱3010内で裏上可動演出ユニット3100及び裏下後可動演出ユニット3500の夫々左右両側に取付けられている裏四隅可動演出ユニット3600と、を備えている。
[5−9a.裏箱]
次に、裏ユニット3000の裏箱3010について、図98乃至図101等を参照して詳細に説明する。裏箱3010は、前方が開放されている箱状で後壁に四角く貫通している開口部3010aと、開口部3010aの周縁から間隔を開けて後方へ平板状に突出している枠状の液晶取付部3010bと、液晶取付部3010bにおける背面視右辺において内側から外側へ向かって窪んでおり中央液晶表示装置1500の左固定片1501が挿入される二つの固定溝3010cと、液晶取付部3010bの背面視左辺の上下方向中央において後端から裏箱3010の後壁まで切欠かれている切欠部3010dと、を備えている。
開口部3010aは、中央液晶表示装置1500の表示画面と略同じ大きさに形成されている。また、液晶取付部3010bは、枠内に中央液晶表示装置1500を嵌め込むことが可能な大きさに形成されている。裏箱3010は、後面における切欠部3010dの背面視左側にロック機構3020が上下にスライド可能に取付けられる。
また、裏箱3010は、前端から外方へ延出している平板状の固定片部3010eを備えている。この固定片部3010eは、前面が遊技パネル1100のパネルホルダ1120の後面に当接した状態で、パネルホルダ1120に取付けられる。
また、裏箱3010は、詳細な説明は省略するが、各可動演出ユニット等を取付けるためのボスや取付孔等が適宜位置に形成されている。
[5−9b.左下球通路ユニット]
次に、裏ユニット3000の左下球通路ユニット3030について、図98乃至図101等を参照して詳細に説明する。この左下球通路ユニット3030は、裏箱3010において、サイドユニット2200の後方に相当する部位に取付けられている。この左下球通路ユニット3030は、正面視形状が上下に延びる辺が左右に延びる辺よりも短いL字形状に形成されており、内部が中空に形成されている。左下球通路ユニット3030は、前面に前方へ向かって開口しており遊技球が通過可能な三つの進入口3031を備えている。これら三つの進入口3031は、サイドユニット2200における三つの誘導部2205aと対応した位置に形成されている。
この左下球通路ユニット3030は、中空の内部が、正面視右方へ向かって低くなるように傾斜しており、三つの進入口3031から進入した遊技球が、下面の右端付近で下方へ放出される。この左下球通路ユニット3030には、一般入賞口センサ3050が取付けられており、進入口3031から内部に進入した遊技球が一般入賞口センサ3050によって検知される。つまり、サイドユニット2200の一般入賞口2001に受入れられた遊技球は、左下球通路ユニット3030に取付けられている一般入賞口センサ3050によって検知される。
[5−9c.右下球通路ユニット]
次に、裏ユニット3000の右下球通路ユニット3040について、図98乃至図101等を参照して詳細に説明する。この右下球通路ユニット3040は、裏箱3010において、アタッカユニット2300の後方に相当する部位に取付けられている。この右下球通路ユニット3040は、前方へ向かって開口しておりアタッカユニット2300の一般入賞口2001に受入れられた遊技球が進入可能な第一進入口3041と、後述する裏右可動演出ユニット3300の下面に開口している排出口3303aの直下で上方へ向かって開口している第二進入口3042と、第二進入口3042の正面視右方且つ上方で上方へ向かって開口しておりセンター役物2500の逃し通路2555を流通して排出口2556から排出された遊技球が進入可能な第三進入口3043と、を備えている。
この右下球通路ユニット3040は、第一進入口3041、第二進入口3042、及び第三進入口3043に進入した遊技球を、夫々独立した通路を通して下方へ排出している。右下球通路ユニット3040には、第一進入口3041に進入した遊技球を検知する一般入賞口センサ3050が取付けられている。つまり、アタッカユニット2300の一般入賞口2001に受入れられた遊技球は、右下球通路ユニット3040に取付けられている一般入賞口センサ3050により検知される。
[5−9d.裏周縁装飾ユニット]
次に、裏ユニット3000の裏周縁装飾ユニット3080について、図98乃至図101等を参照して詳細に説明する。この裏周縁装飾ユニット3080は、遊技領域5a内においてセンター役物2500の上方、左方、及び左下方に相当する部位で、裏箱3010の前端の上辺及び左辺に沿って取付けられている。この裏周縁装飾ユニット3080は、C字状に延びている透光性を有した裏周縁装飾部材3081と、裏周縁装飾部材3081の後側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている裏周縁装飾基板3082と、裏周縁装飾基板3082の後方を覆っており裏周縁装飾部材3081の後側に取付けられている基板カバー3083と、を備えている。
この裏周縁装飾ユニット3080は、裏周縁装飾基板3082のLEDを適宜発光させることにより、裏周縁装飾部材3081を発光装飾させることができる。また、遊技盤5を組立てた状態では、透明なパネル板1110を通して裏周縁装飾部材3081の前面が遊技者側から視認可能となり、遊技領域5a内におけるセンター役物2500の外側を装飾している。
[5−9e.裏上可動演出ユニット]
次に、裏ユニット3000の裏上可動演出ユニット3100について、主に図102乃至図116を参照して詳細に説明する。図102(a)は裏ユニットにおける裏上可動演出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は裏上可動演出ユニットを後ろから見た斜視図である。また、図103は裏上可動演出ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図104は裏上可動演出ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。また、図105は裏上可動演出ユニットの裏上装飾体ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図106は裏上可動演出ユニットの裏上装飾体ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。更に、図107は、裏上可動装飾体ユニットにおける裏上副装飾体の動きを示す説明図である。また、図108は裏上可動演出ユニットの裏上装飾体ユニットが退避位置の時の内部機構の状態を示す正面図であり、図109は裏上可動演出ユニットの裏上装飾体ユニットが第一出現位置の時の内部機構の状態を示す正面図であり、図110は裏上可動演出ユニットの裏上装飾体ユニットが第二出現位置の時の内部機構の状態を示す正面図である。
また、図111(a)は裏上可動演出ユニットの内部機構の一部を示す正面図であり、(b)は内部機構における(a)とは異なる一部を前から見た斜視図であり、(c)は(b)を後ろから見た斜視図である。更に、図112は、裏上可動演出ユニットの内部機構の一部の動きを示す説明図である。また、図113(a)は退避位置における内部機構を構成している主な部材の状態を示す説明図であり、(b)は(a)の状態から第一伝達部材が回転して第一被伝達部材への回転の伝達が開始された状態を示す説明図であり、図114(c)は図113(b)の状態から第一伝達部材と共に第一被伝達部材が更に回転して裏上装飾体ユニットが退避位置から第一出現位置へ向かって下降している状態を示す説明図であり、(d)は(c)の状態から第一伝達部材と共に第一被伝達部材が更に回転して第一被伝達部材への回転の伝達が終了し裏上装飾体ユニットが第一出現位置に到達した状態を示す説明図である。
更に、図115(e)は図114(d)の状態から第一伝達部材と一緒に回転していた伝達機構の第二伝達部材が更に回転して第二被伝達部材への回転の伝達が開始された状態を示す説明図であり、(f)は(e)の状態から第二伝達部材と共に第二被伝達部材が回転して裏上装飾体ユニットが第一出現位置から第二出現位置へ向かって下降しながら回転している状態を示す説明図であり、図116(g)は図115の(f)の状態から第二伝達部材と共に第二被伝達部材が回転して裏上装飾体ユニットが第二出現位置へ向かって更に下降しながら回転している状態を示す説明図であり、(h)は(g)の状態から第二伝達部材と共に第二被伝達部材が更に回転して第二被伝達部材への回転の伝達が終了し裏上装飾体ユニットが第一出現位置の状態から下降しながら半回転して第二出現位置に到達した状態を示す説明図である。
裏上可動演出ユニット3100は、裏箱3010内において、開口部3010aの上方に取付けられている。この裏上可動演出ユニット3100は、裏箱3010内に取付けられ左右に延びているユニットベース3101と、ユニットベース3101の後側に取付けられておりユニットベース3101との間に空間を形成している後カバー3102と、ユニットベース3101の正面視右端付近の前面に取付けられており回転軸がユニットベース3101を貫通してユニットベース3101と後カバー3102との間へ突出している裏上駆動モータ3103と、を備えている。
また、裏上可動演出ユニット3100は、裏上駆動モータ3103の回転軸に固定されている平歯車状の駆動ギア3104と、駆動ギア3104と噛合している平歯車状の第一大径ギア3105a、及び第一大径ギア3105aよりも小径で第一大径ギア3105aの後側で第一大径ギア3105aと一体回転する第一小径ギア3105bを有しており、駆動ギア3104の正面視左方に配置されている第一従動ギア3105と、第一従動ギア3105の第一小径ギア3105bと噛合している平歯車状の第二大径ギア3106a、及び第二大径ギア3106aよりも小径で第二大径ギア3106aの前側で第二大径ギア3106aと一体回転する第二小径ギア3106bを有しており、第一従動ギア3105の正面視左方に配置されている第二従動ギア3106と、第二従動ギア3106の第二小径ギア3106bと噛合している平歯車状の第一伝達ギア3107aを有しており第二従動ギア3106の正面視左方に配置されている第一伝達部材3107と、第一伝達部材3107の第一伝達ギア3107aと噛合している平歯車状の第二伝達ギア3108aを有しており第一伝達部材3107の正面視左方に配置されている第二伝達部材3108と、を備えている(図111(a)等を参照)。
第一従動ギア3105、第二従動ギア3106、第一伝達部材3107、及び第二伝達部材3108は、ユニットベース3101と後カバー3102との間で、ユニットベース3101と後カバー3102とにより回転可能に取付けられている。
第一伝達部材3107は、平歯車状の第一伝達ギア3107aの前面で外周縁付近から回転軸と平行に前方へ突出している円柱状の第一伝達ピン3107bと、第一伝達ピン3107bの公転半径よりも小さい半径で第一伝達ギア3107aの前面から同心円上に前方へ突出している円盤状の第一ロック突部3107cと、第一ロック突部3107cと第一伝達ピン3107bとの間で、第一ロック突部3107cの外周面における第一伝達ギア3107aの中心と第一伝達ピン3107bの中心とを結んだ軸線を境に両側へ均等な範囲から第一ロック突部3107cの中心へ向かって扇状に切欠かれている第一切欠部3107dと、を有している。
第二伝達部材3108は、平歯車状の第二伝達ギア3108aの前面で外周縁付近から回転軸と平行に前方へ突出している円柱状の第二伝達ピン3108bと、第二伝達ピン3108bの公転半径よりも小さい半径で第二伝達ギア3108aの前面から同心円上に前方へ突出している円盤状の第二ロック突部3108cと、第二ロック突部3108cと第二伝達ピン3108bとの間で、第二ロック突部3108cの外周面における第二伝達ギア3108aの中心と第二伝達ピン3108bの中心とを結んだ軸線を境に両側へ均等な範囲から第二ロック突部3108cの中心へ向かって扇状に切欠かれている第二切欠部3108dと、を有している。
第一伝達部材3107及び第二伝達部材3108の第一伝達ギア3107a及び第二伝達ギア3108aは、同一の直径に形成されている。また、第一伝達部材3107及び第二伝達部材3108の第一伝達ピン3107b及び第二伝達ピン3108bは、円柱状の直径が同一に形成されていると共に、公転半径が同一に形成されている。第一伝達部材3107及び第二伝達部材3108の第一ロック突部3107c及び第二ロック突部3108cは、同一の直径に形成されている。更に、第一伝達部材3107及び第二伝達部材3108の第一切欠部3107d及び第二切欠部3108dは、第一ロック突部3107c及び第二ロック突部3108cの円周に対して72度の角度範囲で扇状に形成されている。
更に、裏上可動演出ユニット3100は、ユニットベース3101の正面視左端付近の前面において下端がユニットベース3101に取付けられており上下に延びている円柱状のスライドシャフト3109と、スライドシャフト3109の上端をユニットベース3101の前面に取付けているシャフト取付部材3110と、スライドシャフト3109により上下にスライド可能に取付けられており後方へ延出している平板状り検知片3111aを有している左スライダ3111と、左スライダ3111の検知片3111aを検知しユニットベース3101に取付けられている裏上昇降検知センサ3112と、ユニットベース3101の前面で裏上駆動モータ3103よりも正面視左方で上部が取付けられており、下端がユニットベース3101の下面より下方へ突出するように上下に延びているレールブラケット3113と、レールブラケット3113の正面視左側面に取付けられており上下にスライドする右スライダ3114aを有しているスライドレール3114と、スライドレール3114の右スライダ3114aに取付けられており上下に延びたラックギア3115aを有しているラック部材3115と、左右両端が左スライダ3111とラック部材3115とに夫々取付けられている平板状の第一可動ベース3116と、を備えている。
また、裏上可動演出ユニット3100は、流滴状に形成されている平板状の第一基板部3117a、及び第一基板部3117aにおける流滴状の先端から前方へ突出している円柱状の第一作用ピン3117bを有しており、ユニットベース3101の前面における第一伝達部材3107の正面視右方の位置で第一作用ピン3117bが公転するようにユニットベース3101に回転可能に取付けられていると共に第一伝達部材3107の回転が伝達可能とされている第一被伝達部材3117と、第一被伝達部材3117の第一作用ピン3117bが左右方向へ摺動可能に挿入される第一軸受スリット3118aを有しており第一可動ベース3116の後面に取付けられている軸受部材3118と、を備えている。
第一可動ベース3116は、前後に貫通していると共に下端から上下方向中央付近まで延びている開口部3116aを有している。第一可動ベース3116の後面において、開口部3116aの正面視右方にラック部材3115が取付けられている。ラック部材3115のラックギア3115aは、歯先が正面視左方を向いた状態で開口部3116aに沿って延びている。
この第一可動ベース3116は、左スライダ3111及び右スライダ3114aを介して、スライドシャフト3109及びスライドレール3114により上下へスライド可能(昇降可能)に取付けられている。また、第一可動ベース3116は、軸受部材3118の第一軸受スリット3118aに挿入されている第一被伝達部材3117の第一作用ピン3117bにより、上下方向の位置が規制されている。従って、第一被伝達部材3117を回転させて第一作用ピン3117bを公転させて、第一作用ピン3117bの上下方向の位置を変化させると、第一作用ピン3117bが第一軸受スリット3118a内を左右方向へ摺動すると共に、第一可動ベース3116が上下方向へスライドする。つまり、第一被伝達部材3117を回転させると、第一可動ベース3116が上下にスライドする。
第一被伝達部材3117の第一基板部3117aは、正面視の形状が、第二従動ギア3106の第二大径ギア3106aのギア歯の谷径と略同じ直径の基円と、その基円の外方から接するように延びた二辺と、で主に構成された形状(所謂、流滴状)に形成されている。第一被伝達部材3117は、第一ベース部3117aにおける基円の中心を、回転中心としており、この回転中心は、第二従動ギア3106の中心と同軸上に配置されている。第一作用ピン3117bは、第一基板部3117aにおける基円と接している二辺が交わっている(流滴状の先端)付近から突出している。
この第一被伝達部材3117は、第一基板部3117aの基円と同じ直径で第一基板部3117aの後面から後方へ突出している円筒状の第一被伝達本体部3117cと、第一被伝達本体部3117cの外周面から中心へ向かって凹んでおり第一伝達ピン3107bが摺動可能に挿入される第一伝達スリット3117dと、第一被伝達本体部3117cの外周面における第一伝達スリット3117dの両側において、外周面から中心へ向かって円弧状に凹んでいる一対の第一ロック凹部3117eと、を有している。
第一ロック凹部3117eは、第一伝達部材3107の第一ロック突部3107cの直径に対して、若干大きい直径の円弧で凹んでいる。また、一対の第一ロック凹部3117eは、夫々の凹んでいる円弧の中心と、第一被伝達部材3117の回転中心とを結ぶ線同士が、90度の角度で交わるように形成されている。
この第一被伝達部材3117は、裏上可動演出ユニット3100を組立てた状態では、第一被伝達本体部3117cが、第一伝達部材3107の第一伝達ピン3107b及び第一ロック突部3107cと、前後方向の位置が同じとなっている。これにより、第一伝達スリット3117d内に第一伝達ピン3107bを挿入させることができ、第一伝達ピン3170b及び第一伝達スリット3117dを介して回転を伝達させることができる。また、第一ロック凹部3117e内に第一ロック突部3107cの一部を挿入させることができ、第一ロック凹部3117e内に第一ロック突部3107cの一部が挿入されることにより、第一被伝達部材3117の回転を規制(ロック)することができる。
また、裏上可動演出ユニット3100は、上端部に前後に貫通していると共に左右に延びている第二軸受スリット3119a、及び上下方向の略中央で前後に貫通している軸受孔3119bを有しており、軸受孔3119bが開口部3116aから前方へ臨むように第一可動ベース3116の後面において上下にスライド可能に取付けられている第二可動ベース3119と、第一可動ベース3116の前方に配置されており、第二可動ベース3119の軸受孔3119aへ回転可能に挿入される軸部3151aを有し、パチンコ機1のコンセプトに沿った所定のキャラクタの顔を含む頭部を模した裏上装飾体ユニット3150と、第二可動ベース3119を貫通している裏上装飾体ユニット3150の軸部3151aの後端に取付けられておりラック部材3115のラックギア3115aと噛合している平歯車状の装飾体回転ギア3120と、装飾体回転ギア3120の後方を被覆するように第二可動ベース3119の後面に取付けられている平板状のギアカバー3121と、を備えている。
第二可動ベース3119を、第一可動ベース3116に対して相対的にスライドさせると、第二可動ベース3119の軸受孔3119bに取付けられている裏上装飾体ユニット3150も第二可動ベース3119と一緒にスライドする。この際に、第一可動ベース3116に取付けられているラック部材3115のラックギア3115aに、裏上装飾体ユニット3150の軸部3151aに取付けられている装飾体回転ギア3120が噛合しているため、第二可動ベース3119がスライドすると、装飾体回転ギア3120が裏上装飾体ユニット3150と共に回転する。
更に、裏上可動演出ユニット3100は、正面視第二伝達部材3108の下方且つユニットベース3101の前方でユニットベース3101に回転可能に取付けられており第二伝達部材3108の回転が伝達可能とされている第二被伝達部材3122と、第二被伝達部材3122の前面で回転面に沿った方向へスライド可能に取付けられている回転リンク部材3123と、回転リンク部材3123の前面で第二被伝達部材3122に対するスライド方向と交差している方向へスライド可能に取付けられていると共に、第一可動ベース3116の後方で回転可能に取付けられており、回転中心に対して偏芯した位置から後方へ突出し第二可動ベース3119の第二軸受スリット3119a内へ摺動可能に挿入される円柱状の第二作用ピン3124aを有している第二可動ベース駆動部材3124と、第二可動ベース駆動部材3124を第一可動ベース3116に対して回転可能に取付けている軸部材3125と、を備えている。
第二被伝達部材3122は、ユニットベース3101に回転可能に取付けられる円盤状の第二基板部3122aと、第二基板部3122aの周縁から後方へ突出している円筒状の第二被伝達本体部3122bと、第二被伝達本体部3122bの外周面から中心へ向かって凹んでおり第二伝達ピン3108bが摺動可能に挿入される第二伝達スリット3122cと、第二被伝達本体部3122bの外周面における第二伝達スリット3122cの両側において、外周面から中心へ向かって円弧状に凹んでいる一対の第二ロック凹部3122dと、第二基板部3122aの前面から後方へ凹んでいると共に回転軸に対して直角に延びており一方の端部が第二基板部3122aの外周面に開口している溝状の第一伝達案内部3122eと、を有している(図111(b)及び(c)等を参照)。
第二被伝達部材3122は、第二基板部3122a(第二被伝達本体部3122b)の半径が、回転中心から第二伝達部材3108の回転中心まで距離よりも短く、且つ、第二ロック突部3108cの外周面までの距離よりも長く形成されている。第二ロック凹部3122dは、第二伝達部材3108の第二ロック突部3108cの直径に対して、若干大きい直径の円弧で凹んでいる。また、一対の第二ロック凹部3122dは、夫々の凹んでいる円弧の中心と、第二被伝達部材3122の回転中心とを結ぶ線同士が、90度の角度で交わるように形成されている。
第一案内伝達部3122eは、第二伝達スリット3122cの延びている方向に対して、54度の角度で傾いて延びている。また、第一案内伝達部3122eは、第二伝達スリット3122cが周面に開口している方向とは、反対方向へ周面に開口している。
回転リンク部材3123は、平板状のリンク本体部3123aと、リンク本体部3123aの後面から突出しており第二被伝達部材3122の第一伝達案内部3122e内へ摺動可能に挿入される平板状の一対の第一被伝達案内部3123bと、リンク本体部3123aの前面から突出している前方突部3123cと、前方突部3123cの前面から後方へ凹んでいると共に第一被伝達案内部3123bが延びている方向に対して交差する方向に延びており両端が前方突部3123cの外周面に開口している溝状の第二伝達案内部3123dと、を有している(図111(b)及び(c)等を参照)。
回転リンク部材3123の一対の第一被伝達案内部3123bは、リンク本体部3123aの中心を通る軸線に対して対称に備えられていると共に、中心から偏芯して備えられている。第二伝達案内部3123cは、リンク本体部3123aの中心を通る軸線上に備えられている。第一被伝達案内部3123bと第二伝達案内部3123cは、95度の角度で交差する方向へ夫々が延びている。
第二可動ベース駆動部材3124は、第二作用ピン3124aが回転中心に対して偏芯した位置から後方へ突出しており、第一可動ベース3116に回転可能に取付けられる駆動本体部3124bと、駆動本体部3124bの後面から後方へ突出し回転中心を通ると共に回転軸に対して直角に延びており、回転リンク部材3123の第二伝達案内部3123d内に摺動可能に挿入される第二被伝達案内部3124cと、を有している(図111(b)及び(c)等を参照)。
裏上装飾体ユニット3150は、図105及び図106等に示すように、平板状で後面の中央から円柱状に突出している軸部3151aを有している装飾体ベース3151と、装飾体ベース3151の前面に取付けられており所定のキャラクタの頭部を立体的に模しており二つの楕円状の開口部3152aを有している裏上装飾体3152と、装飾体ベース3151の前面に取付けられており前面に複数のLEDが実装されているC字状の裏上装飾基板3153と、を備えている。
また、裏上装飾体ユニット3150は、裏上装飾体3152の後方で装飾体ベース3151の前面の略中央に配置されており左右に延びている円柱状の案内シャフト3154と、案内シャフト3154の両端を装飾体ベース3151の前面に取付けている一対のシャフトブラケット3155と、案内シャフト3154によって左右へ案内可能に取付けられており、左右方向中央下部に上下に延びている案内スリット3156aを有している平板状の副装飾体用スライダ3156と、副装飾体用スライダ3156の前面に取付けられており裏上装飾体3152の一対の開口部3152aを閉鎖していると共に開口部3152aから臨む部位に楕円形の副装飾3157aが施されている裏上副装飾体3157と、裏上副装飾体3157の後方で副装飾体用スライダ3156の前面に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている裏上副装飾基板3158と、を備えている。
更に、裏上装飾体ユニット3150は、装飾体ベース3151の前面下端付近に回転軸が左右に延びるように取付けられている裏上副駆動モータ3159と、裏上副駆動モータ3159の回転軸に取付けられているウォームギア3160と、ウォームギア3160よりも上方で装飾体ベース3151に回転可能に取付けられている円盤状の本体部3161a、本体部3161aの外周面に沿って延びておりウォームギア3160と噛合しているギア部3161b、本体部3161aにおけるギア部3161bと反対側の外周面から副装飾体用スライダ3156の後方へ延出している延出片3161c、及び延出片3161cの先端から前方へ突出しており副装飾体用スライダ3156の案内スリット3156a内へ摺動可能に挿入されている円柱状の摺動ピン3161d、を有しているギア部材3161と、を備えている。
裏上装飾体ユニット3150は、裏上装飾体3152の二つの開口部3152aが所定のキャラクタの目の外周を形成しており、二つの開口部3152aから前方へ臨む裏上副装飾体3157の副装飾3157aが瞳を形成している。裏上装飾体3152及び裏上副装飾体3157は、透光性を有しており、夫々の後方に配置されている裏上装飾基板3153及び裏上副装飾基板3158のLEDにより発光装飾される。
この裏上装飾体ユニット3150は、図示するように、通常の状態では、裏上装飾体3152によって摸されている所定のキャラクタの頭部が、天地が逆転した状態となっている。また、裏上装飾体ユニット3150は、裏上副駆動モータ3159の回転駆動により、裏上装飾体3152に対して裏上副装飾体3157を左右にスライドさせることができる。これにより、裏上装飾体3152によって摸されている所定のキャラクタの瞳(副装飾3157a)が左右にキョロキョロする可動演出を行うことができる。
続いて、裏上可動演出ユニット3100の動作について、詳細に説明する。まず、裏上装飾体ユニット3150における裏上副装飾体3157の動作について説明する。図107(a)に示すように、通常の状態では、ギア部材3161の延出片3161cが、上方へ鉛直に延びた状態で取付けられている。この状態では、副装飾体用スライダ3156が左右に延びているスライド範囲の略中央に位置しており、副装飾体用スライダ3156の前面に取付けられている裏上副装飾体3157の二つの副装飾3157aが、裏上装飾体3152の二つの開口部3152a内の略中央に夫々位置している。つまり、通常の状態では、裏上装飾体3152により摸されている所定のキャラクタが正面を見ている。
この通常の状態で、例えば、裏上副駆動モータ3159によりウォームギア3160を、右側面視において時計回りの方向へ回転させると、ウォームギア3160に噛合しているギア部3161bによりギア部材3161が正面視反時計回りの方向へ回転し、回転中心よりも上方に位置している摺動ピン3161dが左方へ移動するように公転する。この摺動ピン3161dの左方への公転移動により、摺動ピン3161dが案内スリット3156a内を下方へ摺動すると共に、摺動ピン3161dが案内スリット3156aの内面を左方へ押圧し、副装飾体用スライダ3156が左方へスライドする。これにより、副装飾3157aが左方へ移動するため、裏上装飾体3152により摸されている所定のキャラクタが左方を見ている状態となる(図107(b)を参照)。
一方、裏上副駆動モータ3159によりウォームギア3160を、右側面視において反時計回りの方向へ回転させると、ウォームギア3160に噛合しているギア部3161bによりギア部材3161が正面視時計回りの方向へ回転し、回転中心よりも上方に位置している摺動ピン3161dが右方へ移動するように公転する。この摺動ピン3161dの右方への公転移動により、摺動ピン3161dが案内スリット3156a内を下方へ摺動すると共に、摺動ピン3161dが案内スリット3156aの内面を右方へ押圧し、副装飾体用スライダ3156が右方へスライドする。これにより、副装飾3157aが右方へ移動するため、裏上装飾体3152により摸されている所定のキャラクタが右方を見ている状態となる(図107(c)を参照)。
このように、裏上副駆動モータ3159の回転駆動により、副装飾3157aを左右へ移動させることができるため、遊技状態に応じて、裏上装飾体3152により摸されている所定のキャラクタが見ている方向が変化する可動演出を行うことができる。また、副装飾3157aを左右へ往復移動させることで、裏上装飾体3152により摸されている所定のキャラクタの目を、キョロキョロさせる可動演出も行うことができ、多彩な可動演出を遊技者に提示することができる。
続いて、裏上可動演出ユニット3100における裏上装飾体ユニット3150の昇降動作について詳細に説明する。本実施形態の裏上可動演出ユニット3100は、裏上装飾体ユニット3150を昇降させることができると共に、裏上装飾体ユニット3150を180度回転させることができる。
まず、裏上装飾体ユニット3150を昇降させるための裏上可動演出ユニット3100の内部機構について説明する。図108及び図111等に示すように、正面視右端に回転軸を前後方向へ向けた裏上駆動モータ3103が配置されている。この裏上駆動モータ3103の回転軸に取付けられている駆動ギア3104と噛合する第一従動ギア3105の回転中心は、駆動ギア3104の回転中心に対して正面視左下に配置されている。この第一従動ギア3105と噛合する第二従動ギア3106の回転中心は、第一従動ギア3105の回転中心に対して正面視左上で、駆動ギア3104の回転中心と略同じ高さに配置されている。また、第二従動ギア3106と噛合する第一伝達ギア3107aを有する第一伝達部材3107の回転中心は、第二従動ギア3106の回転中心に対して正面視左下で、第一従動ギア3105の回転中心と略同じ高さに配置されている。更に、第一伝達部材3107の第一伝達ギア3107aと噛合する第二伝達ギア3108aを有する第二伝達部材3108の回転中心は、第一伝達部材3107の回転中心に対して正面視左上で、第二従動ギア3106の回転中心よりも高い位置に配置されている。
また、第一伝達部材3106からの回転が伝達される第一被伝達部材3117の回転中心は、第一伝達部材3106の回転中心に対して正面視右上で、第二従動ギア3106と同軸上の位置に配置されている。一方、第二伝達部材3108からの回転が伝達される第二被伝達部材3122の回転中心は、第二伝達部材3108の回転中心に対して正面視直下からやや左寄りで、第二伝達部材3107の回転中心よりも低い位置に配置されている。この第二被伝達部材3122の回転が伝達される第二可動ベース駆動部材3124の回転中心は、第二被伝達部材3122の回転中心を通る上下に鉛直に延びた軸線上に配置されている。
裏上装飾体ユニット3150は、通常の状態では、上下の昇降範囲内における上昇端に位置していると共に、裏上装飾体3152により摸されている所定のキャラクタの天地が逆転している。この裏上装飾体ユニット3150は、通常の状態では、図83等に示すように、その大部分がセンター役物2500の後方に位置しており、僅かな一部のみがセンター役物2500の枠内を通して遊技者側から視認することができる。つまり、裏上装飾体ユニット3150は、通常の状態では、遊技者側からほとんど視認することができない退避位置に位置している。
裏上装飾体ユニット3150が退避位置の時には、図108及び図113(a)等に示すように、第一伝達部材3107の第一伝達ピン3107bが第一伝達部材3107の回転中心に対して正面視左上(鉛直線から左方へ約27度傾いた位置)に位置していると共に、第二伝達部材3108の第二伝達ピン3108bが第二伝達部材3108の回転中心に対して正面視右上(鉛直線から右方へ約13度傾いた位置)に位置している。また、この退避位置の時には、第一被伝達部材3117の第一作用ピン3117bが、第一被伝達部材3117の回転中心に対して正面視左上(鉛直線から左方へ約45度傾いた位置)に位置していると共に、第一被伝達部材3117の第一伝達スリット3117dが、回転中心から第一作用ピン3117bを結んだ軸線よりも水平に対して小さい角度(鉛直線に対して約72度の角度)で正面視左上へ向かって延びている。
また、退避位置の時には、第二被伝達部材3122の第二伝達スリット3122cが、回転中心から正面視左上(鉛直線から左方へ約36度の角度)へ向かって延びている。また、第二可動ベース駆動部材3124は、回転中心が第二被伝達部材3122の回転中心よりも上方で、第二伝達部材3108の回転中心よりもやや下方に位置していると共に、第二作用ピン3124aが第二可動ベース駆動部材3124の回転中心に対して正面視右上(鉛直線から右方へ約45度傾いた位置)に位置している。
更に、退避位置の時には、第一伝達部材3107の第一ロック突部3107cが第一被伝達部材3117の一方(第一伝達部材3107の回転中心に近い方)の第一ロック凹部3117eに挿入されている。これにより、第一被伝達部材3117の回転が規制(ロック)されていため、第一可動ベース3116が上下にスライドすることはない。また、第二伝達部材3108の第二ロック突部3108cが第二被伝達部材3122の一方(第二伝達部材3108の回転中心に近い方)の第二ロック凹部3122dに挿入されている。
これにより、第二被伝達部材3122の回転が規制(ロック)されているため、第二可動ベース駆動部材3124は回転することはなく、第二可動ベース3119が上下にスライドすることはない。
また、裏上装飾体ユニット3150が退避位置の時には、第一可動ベース3116を上下へスライド可能に取付けている左スライダ3111の検知片3111aが、裏上昇降検知センサ3112により検知されている。
裏上可動演出ユニット3100は、裏上装飾体ユニット3150が退避位置の状態で、裏上駆動モータ3103により駆動ギア3104を正面視反時計回りの方向へ回転させると、第一従動ギア3105及び第二従動ギア3106を介して第一伝達部材3107が時計回りの方向へ、第二伝達部材3108が反時計回りの方向へ、夫々同じ速度で回転する。そして、まず、第一伝達部材3107の第一伝達ピン3107dが第一被伝達部材3117の第一伝達スリット3117d内への進入を開始する(図113(b)を参照)。
そして、駆動ギア3104を更に反時計回りの方向へ回転させて第一伝達部材3107が更に時計回りの方向へ回転すると、第一切欠部3107dが第一ロック凹部3117eの位置へ回動してきて第一ロック凹部3117e内から第一ロック突部3107cが外れると共に、第一伝達ピン3107bが第一伝達スリット3117dの内面に当接して、第一伝達スリット3117dを下方へ押圧する。これにより、第一伝達部材3107の回転が第一被伝達部材3117に伝達されて第一被伝達部材3117が正面視反時計回りの方向へ回転する。この際に、第一ロック凹部3117eの部位には第一切欠部3107dが位置し、第一ロック凹部3117e内から第一ロック突部3107cが外れた(ロックが解除された)状態となっているため、第一ロック突部3107cにより回転が阻止されることなく第一被伝達部材3117が回転する(図114(c))を参照。
この第一被伝達部材3117が正面視反時計回りの方向へ回転することで、第一作用ピン3117bが下方へ向かうように公転し、第一作用ピン3117bが摺動可能に挿入されている第一軸受スリット3118aを介して第一可動ベース3116が下方へスライドすることとなる。この第一可動ベース3116には、第二可動ベース3119を介して裏上装飾体ユニット3150が取付けられていることから、第一可動ベース3116と共に裏上装飾体ユニット3105も下方へスライドする。
第一可動ベース3116が下方へスライドする際に、回転リンク部材3123の第二伝達案内部3123dが上下に延びていることから、第一可動ベース3116に取付けられていると共に第二伝達案内部3123dに案内されている第二被伝達案内部3124cを有する第二可動ベース駆動部材3214が、第一可動ベース3116と一緒に下方へ移動することができ、第一可動ベース3116がスムーズにスライドする。
そして、駆動ギア3104を更に反時計回りの方向へ回転させて第一伝達部材3107が更に正面視時計回りの方向へ回転すると、第一伝達ピン3107bが第一伝達スリット3117dから外れると共に、第一ロック突部3107cが、当初第一ロック突部3107cが挿入されていた第一ロック凹部3117eとは異なるもう一方の第一ロック凹部3117e内に進入する。これにより、第一被伝達部材3117の回転が停止し、第一可動ベース3116の下方へのスライドが停止する(図109及び図114(d)を参照)。
この状態は、第一可動ベース3116が、昇降範囲の下降端に位置した状態であり、裏上装飾体ユニット3150が第一出現位置に位置している状態である。また、第一伝達部材3107において、第一伝達ピン3107bが第一被伝達部材3117の第一伝達スリット3117d内に挿入されている回転範囲が、第一特定回転範囲である。
裏上装飾体ユニット3150が第一出現位置の状態では、退避位置の状態と同様に天地が逆転している状態で、図147に示すように、裏上装飾体3152の上下方向のおよそ半分が、センター役物2500の枠内から遊技者側へ臨んでいる。この第一出現位置の状態では、裏上装飾体3152の一対の開口部3152aと、開口部3152a内に臨んでいる副装飾3157aとが、部分的に遊技者側から視認することができるため、これにより、裏上装飾体3152により摸されている所定のキャラクタが、上から逆さまになって覗いているような可動演出を提示することができる。
裏上装飾体ユニット3150が第一出現位置の状態では、第一伝達部材3107と一緒に回転している第二伝達部材3108の第二伝達ピン3108bが、第二被伝達部材3122の第二伝達スリット3122cに到達していない。また、第一可動ベース3116に取付けられている第二可動ベース駆動部材3124の回転中心が、第二被伝達部材3122の回転中心よりも下方に位置していると共に、回転リンク部材3123の第二伝達案内部3123dに対して第二可動ベース駆動部材3124の第二被伝達案内部3124cの上部のみが案内された状態となっている。
裏上装飾体ユニット3150が第一出現位置の状態から、駆動ギア3104を更に反時計回りの方向へ回転させて、第一伝達部材3107を更に時計回りの方向へ回転させると共に第二伝達部材3108を更に正面視反時計回りの方向へ回転させると、第一伝達ピン3107bが第一伝達スリット3117dから遠ざかると共に、第二伝達ピン3108bが第二被伝達部材3122の第二伝達スリット3122c内へ進入を開始する(図115(e)を参照)。
そして、駆動ギア3104を更に反時計回りの方向へ回転させて第二伝達部材3108が更に反時計回りの方向へ回転すると、第二切欠部3108dが第二ロック凹部3122dの位置へ回動してきて第二ロック凹部3122d内から第二ロック突部3108cが外れると共に、第二伝達ピン3108bが第二伝達スリット3122cの内面に当接して、第二伝達スリット3122cを正面視右方へ押圧する。これにより、第二伝達部材3108の回転が第二被伝達部材3122に伝達されて第二被伝達部材3122が正面視時計回りの方向へ回転する。この際に、第二ロック凹部3122dの部位には第二切欠部3108dが位置し、第二ロック凹部3122d内から第二ロック突部3108cが外れた(ロックが解除された)状態となっているため、第二ロック突部3108cにより回転が阻止されることなく第二被伝達部材3122が回転する(図115(f))を参照。
この第二被伝達部材3122が正面視時計回りの方向へ回転すると、第二被伝達部材3122の前面に形成されている第一伝達案内部3122eも回転するため、この第一伝達案内部3122eにスライド可能に案内されている第一被伝達案内部3123bを有する回転リンク部材3123も、同じ時計回りの方向へ回転しようとする。一方、回転リンク部材3123の前面の第二伝達案内部3123dには、第一可動ベース3116に回転可能に取付けられている第二可動ベース駆動部材3124の第二被伝達案内部3124cの上部がスライド可能に案内されている。これにより、第一被伝達部材3122によって回転リンク部材3123を、時計回りの方向へ回転させようとすると、第二伝達案内部3123dも回転しようとして、第二伝達案内部3123d及び第二被伝達案内部3124cを介して、回転リンク部材3123を中心として第二可動ベース駆動部材3124を公転させようとする。
しかしながら、第二可動ベース駆動部材3124は、第一可動ベース3116に回転可能に取付けられており、回転リンク部材3123を中心として公転することができないため、第二被伝達案内部3124cに作用する力の反力によって、逆に回転リンク部材3123を、第二可動ベース駆動部材3124を中心として公転させようとする。この際に、回転リンク部材3123が、第一伝達案内部3122eの延びている方向(第一方向)と、第二伝達案内部3123dの延びている方向(第一方向に対して交差している方向へ延びている第二方向)へ、スライドすることができるため、回転リンク部材3123に作用する力が小さくなるように、回転リンク部材3123が第一方向と第二方向へ沿ってスライドすることとなる。これにより、回転リンク部材3123の回転と、第一方向及び第二方向へのスライドとによって、第一被伝達部材3122の回転が第二可動ベース駆動部材3124に伝達され、第二可動ベース駆動部材3124が正面視時計回りの方向へ回転することとなる(図115(f)〜図116(h)を参照)。
換言すると、回転リンク部材3123は、第一伝達案内部3122e及び第一被伝達案内部3123bにより、第二被伝達部材3122により強制的に回転させられる。この回転リンク部材3123が正面視時計回りの方向へ回転すると、図115(e)において上下に延びていた第二伝達案内部3123dが、その上端が右方へ移動するように斜めに回転傾斜する(図115(f)を参照)。この第二伝達案内部3123dが回転傾斜すると、第二伝達案内部3123dに案内されている第二被伝達案内部3124cを介して第二可動ベース駆動部材3124が公転しようとするが、第二可動ベース駆動部材3124が第一可動ベース3116に取付けられて公転することができないため、回転リンク部材3123から第二可動ベース駆動部材3124へ作用する力の反力により、回転リンク部材3123が第一伝達案内部3122eに沿って開放されている側(正面視右方)へ大きくスライドすると共に、第二伝達案内部3123dに沿って第二可動ベース駆動部材3124の回転中心側(下方)へ僅かにスライドし、第二伝達案内部3123dが傾斜した角度と同じ角度で第二可動ベース駆動部材3124が回転する。
この第二可動ベース駆動部材3124が正面視時計回りの方向へ回転すると、その第二作用ピン3124aが下方へ移動するように公転するため、第二作用ピン3124aが摺動可能に挿入されている第二軸受スリット3119aを介して第二可動ベース3119が下方へスライドすることとなる。この第二可動ベース3119には、裏上装飾体ユニット3150が取付けられていることから、第二可動ベース3119と共に裏上装飾体ユニット3105も第一出現位置から更に下方へスライドする。この際に、裏上装飾体ユニット3150は、軸部3151aと第二可動ベース3119の軸受孔3119bとにより回転可能に取付けられていると共に、軸部3151aの後端に取付けられている装飾体回転ギア3120が、第一可動ベース3116に取付けられているラック部材3115のラックギア3115aと噛合しているため、第二可動ベース3119が下方へスライドすると、装飾体回転ギア3120と一緒に裏上装飾体ユニット3150が正面視反時計回りの方向へ回転する(図115(f)等を参照)。
駆動ギア3104を更に反時計回りの方向へ回転させて第二伝達部材3108を介して第二被伝達部材3122が更に時計回りの方向へ回転すると、回転リンク部材3123が第二被伝達部材3122と同じ角度で時計回りの方向へ回転し、第一伝達案内部3122eに沿って開放されている側へ更にスライドすると共に、第二伝達案内部3123dに沿って回転リンク部材3123の中心が第二可動ベース駆動部材3124の回転中心に接近するようにスライドして、第二可動ベース駆動部材3124が更に時計回り周りの方向へ回転する。これにより、第二可動ベース3119と共に裏上装飾体ユニット3150が更に下方へスライドすると共に、裏上装飾体ユニット3150が反時計回りの方向へ更に回転する(図116(g)を参照)。
そして、駆動ギア3104を更に反時計回りの方向へ回転させて第二伝達部材3108が更に反時計回りの方向へ回転すると、第二伝達ピン3108bが第二伝達スリット3122cから外れると共に、第二ロック突部3108cが、当初第二ロック突部3108cが挿入されていた第二ロック凹部3122dとは異なるもう一つの第二ロック凹部3122d内に進入する。これにより、第二被伝達部材3122の回転が停止し、第二可動ベース3199の下方へのスライドが停止すると共に、裏上装飾体ユニット3150が第一出現位置の状態に対して天地が180度回転した状態で停止する(図110及び図116(h)を参照)。この状態は、第一可動ベース3116及び第二可動ベース3119が、伴に昇降範囲の下降端に位置した状態であり、裏上装飾体ユニット3150が第二出現位置に位置している状態である。また、第二伝達部材3108において、第二伝達ピン3108bが第二被伝達部材3122の第二伝達スリット3122c内に挿入されている回転範囲が、第二特定回転範囲である。
裏上装飾体ユニット3150(裏上装飾体3152)が第二出現位置の状態では、第二被伝達部材3122の第二ロック凹部3122d内に、第二伝達部材3108の第二ロック突部3108cが挿入されているため、第二被伝達部材3122の回転が阻止されており、第二可動ベース3119がこれ以上下方へスライドすることはない。また、裏上装飾体ユニット3150が第二出現位置の状態では、図148に示すように、裏上装飾体3152により摸されている所定のキャラクタの天地が正常な状態になっていると共に、裏上装飾体3152がセンター役物2500の枠内の略中央に位置して裏上装飾体3152の略全体が遊技者側から視認することができる。
この裏上可動演出ユニット3100は、裏上装飾体ユニット3150が第一出現位置から第二出現位置へ下降すると、天地が逆転していた裏上装飾体3152が下降しながら180度回転しながら下降して、天地が正常な状態でセンター役物2500の枠内(中央液晶表示装置1500の前面)の略中央に位置する可動演出を遊技者に提示することができ、遊技者を大いに驚かせることができる。
裏上装飾体ユニット3150が第二出現位置の状態で、裏上駆動モータ3103により駆動ギア3104を、上記とは範囲方向(正面視時計回りの方向)へ回転させると、裏上装飾体ユニット3150が逆の動作をしながら第一出現位置を通って退避位置へ向かって上昇し、左スライダ3111の検知片3111aが裏上昇降検知センサ3112により検知されると、裏上駆動モータ3103による駆動ギア3104の回転が停止して、裏上装飾体ユニット3150が退避位置に復帰する。
この裏上可動演出ユニット3100は、裏上装飾体ユニット3150を、退避位置から第一出現位置へ、更に、第一出現位置から第二出現位置へ、二段階に昇降させることができると共に、昇降とは別に裏上副装飾体3157(副装飾3157a)を裏上装飾体3152に対して左右(裏上装飾体3152の天地方向に対して直角方向)にスライドさせることができるため、それらの動きを適宜組合せることで、多彩な可動演出を提示することができる。
[5−9f.裏下前可動演出ユニット]
次に、裏ユニット3000の裏下前可動演出ユニット3200について、主に図117及び図118を参照して詳細に説明する。図117(a)は裏ユニットの裏下前可動演出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は裏ユニットの裏下前可動演出ユニットを後ろから見た斜視図である。また、図118(a)は裏下前可動演出ユニットの裏下前第一装飾体と裏下前第二装飾体とを通常の退避位置の状態で正面から示す説明図であり、(b)は裏下前可動演出ユニットの裏下前第一装飾体と裏下前第二装飾体とを出現位置の状態で正面から示す説明図である。
裏下前可動演出ユニット3200は、裏箱3010内の前端付近で開口部3101aよりも下方に配置されている。この裏下前可動演出ユニット3200は、裏下後可動演出ユニット3500の前面に取付けられる平板状のユニットベース3201と、ユニットベース3201の後面における正面視左上隅に取付けられており回転軸がユニットベース3201を貫通して前方へ突出している裏下前駆動モータ3202と、裏下前駆動モータ3202の回転軸に取付けられている駆動ギア3203と、駆動ギア3203に正面視右下から噛合しておりユニットベース3201に回転可能に取付けられている伝達ギア3204と、伝達ギア3204に正面視右下から噛合しておりユニットベース3201に回転可能に取付けられているピニオンギア3205と、を備えている。
また、裏下前可動演出ユニット3200は、ピニオンギア3205に正面視右方から噛合していると共に上下に延びているラックギア3206a、及び正面視右方へ突出している平板状の検知片3206bを有しており、ユニットベース3201に上下へスライド可能に取付けられているラック部材3206と、ユニットベース3201の前面に取付けられており、駆動ギア3203、伝達ギア3204、ピニオンギア3205、及びラック部材3206を前方から覆うユニットカバー3207と、ユニットカバー3207に取付けられておりラック部材3206の検知片3206bを検知可能な裏下前可動検知センサ3208と、を備えている。
更に、裏下前可動演出ユニット3200は、正面視左右方向中央と左端との間の位置から後方へ円柱状に突出しているリンクピン3209aを有しており、正面視左端がラック部材3206の上端に取付けられていると共に正面視右端がユニットベース3201に上下へスライド可能に取付けられている立体的な装飾が施された透光性を有する裏下前第一装飾体3209と、裏下前第一装飾体3209の後面に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている裏下前第一装飾基板3210と、帯板状で基端部が裏下前第一装飾体3209とユニットベース3201との間におけるユニットベース3201の左右方向中央付近で回転可能にユニットベース3201及びユニットカバー3207に取付けられていると共に、リンクピン3209aが摺動可能に挿入されている円弧状に延びたリンクスリット3211aを有しているリンク部材3211と、リンク部材3211の先端部に取付けられており所定のキャラクタの手を模した裏下前第二装飾体3212と、裏下前第二装飾体3212の後面に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている裏下前第二装飾基板3213と、を備えている。
続いて、裏下前可動演出ユニット3200における裏下前第一装飾体3209及び裏下前第二装飾体3212の動作について説明する。この裏下前可動演出ユニット3200は、図118(a)に示すように、通常の状態では、裏下前第一装飾体3209が取付けられているラック部材3206、上下のスライド方向に対して下降端に位置していると共に、裏下前第二装飾体3212が取付けられているリンク部材3211が、先端が水平に対して若干上方へ位置するように斜めに延びている。
この状態では、裏下前第一装飾体3209及び裏下前第二装飾体3212が、センター役物2500の枠内よりも下方に位置しており、遊技者側から視認することができない(図83等を参照)。つまり、通常の状態では、裏下前第一装飾体3209及び裏下前第二装飾体3212が、遊技者から視認できない退避位置の状態にある。裏下前第一装飾体3209及び裏下前第二装飾体3212が退避位置の状態では、ラック部材3206の検知片3206bが、裏下前可動検知センサ3208により検知されている。
裏下前可動演出ユニット3200は、通常の状態で、裏下前駆動モータ3202により駆動ギア3203を正面視反時計回りの方向へ回転させると、ピニオンギア3205が反時計回りの方向へ回転し、ピニオンギア3205と噛合しているラックギア3206aによりラック部材3206が上昇する。このラック部材3206の上端には裏下前第一装飾体3209が取付けられているため、ラック部材3206と一緒に裏下前第一装飾体3209も上昇する。
この裏下前第一装飾体3209が上昇すると、リンク部材3211のリンクスリット3211a内に挿入されているリンクピン3209aも上昇するため、リンクピン3209aがリンクスリット3211aの内面を上方へ押圧しながらリンクスリット3211a内を摺動することとなり、リンク部材3211が基端を中心に正面視時計回りの方向へ回動することとなる。そして、リンク部材3211の先端には裏下前第二装飾体3212が取付けられていることから、裏下前第一装飾体3209の上昇に伴って、裏下前第二装飾体3212が上方へ移動するように回動する。
その後、ラック部材3206が上昇端に到達すると、裏下前駆動モータ3202の回転が停止し、裏下前第一装飾体3209の上昇が停止すると共に、裏下前第二装飾体3212の回動が停止する。この状態では、図118(b)に示すように、リンク部材3211が略鉛直に直立した状態となり、裏下前第一装飾体3209の上方に裏下前第二装飾体3212が位置している。
また、裏下前第一装飾体3209及び裏下前第二装飾体3212が上昇した状態では、図148に示すように、裏下前第一装飾体3209及び裏下前第二装飾体3212が、センター役物2500の正面視枠内に位置しており、遊技者側(前方)から十分に視認することができる。つまり、裏下前第一装飾体3209及び裏下前第二装飾体3212が、遊技者側から視認できる出現位置の状態にある。この裏下前第一装飾体3209及び裏下前第二装飾体3212は、図148に示すように、出現位置の状態で、裏上可動演出ユニット3100の裏上装飾体3152よりも前方に位置しており、裏上装飾体3152と接触することはない。また、裏下前第二装飾体3212は、出現位置へ移動させることで、第二出現位置の裏上装飾体3152に対して、一部が前後に重なるように形成されている。
なお、裏下前第一装飾体3209及び裏下前第二装飾体3212が出現位置の状態で、裏下前駆動モータ3102により駆動ギア3103を、上記とは逆方向(正面視時計回りの方向)へ回転させると、裏下前第一装飾体3209が下降すると共に、裏下前第二装飾体3212が正面視左方へ移動するように回動する。そして、ラック部材3206の検知片3206bが裏下前可動検知センサ3208により検知されると、裏下前駆動モータ3102の回転駆動が停止し、裏下前第一装飾体3209の下降が停止すると共に、裏下前第二装飾体3212の回動が停止して、裏下前第一装飾体3209及び裏下前第二装飾体3212が退避位置に復帰した状態となる。
このように、裏下前可動演出ユニット3200は、裏下前第一装飾体3209及び裏下前第二装飾体3212を、センター役物2500の枠外(退避位置)と枠内(出現位置)との間で移動させることができるため、センター役物2500の枠内に出現させることで遊技者を驚かせることができる。また、裏下前第一装飾体3209が上昇し、裏下前第二装飾体3212が回動して出現するようにしており、裏下前第一装飾体3209と裏下前第二装飾体3212とが互いに異なる動きをして出現するため、可動演出の動きが複雑な動きをしているように錯覚させることができ、遊技者を楽しませることができる。
[5−9g.裏右可動演出ユニット]
次に、裏ユニット3000の裏右可動演出ユニット3300について、主に図119及び図120を参照して詳細に説明する。図119(a)は裏ユニットの裏右可動演出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は裏ユニットの裏右可動演出ユニットを後ろから見た斜視図である。また、図120(a)は裏右回転装飾体の第一装飾面を正面へ向けた状態で示す裏右可動演出ユニットの正面図であり、(b)は(a)において裏右回転装飾体のシャッターを開いた状態で示す裏右可動演出ユニットの正面図であり、(c)は裏右回転装飾体の第二装飾面を正面へ向けた状態で示す裏右可動演出ユニットの正面図であり、(d)は裏右回転装飾体の第三装飾面を正面へ向けた状態で示す裏右可動演出ユニットの正面図である。
裏右可動演出ユニット3300は、裏箱3010内で開口部3010aの正面視右方に取付けられている。この裏右可動演出ユニット3300は、裏箱3010内に取付けられ正面視コ字状で上下に延びている裏右板金ベース3301と、裏右板金ベース3301の前面上部に取付けられている裏右上ベース3302と、裏右板金ベース3301の前面下部に取付けられている裏右下ベース3303と、裏右下ベース3303の下面に取付けられている裏右駆動モータ3304と、裏右駆動モータ3304により回転駆動され、裏右上ベース3302及び裏右下ベース3303により回転可能に取付けられている円柱状の裏右回転装飾体3310と、を備えている。
裏右板金ベース3301は、金属板により形成されている。裏右上ベース3302は、裏右回転装飾体3310の上部を覆う高さの低い円筒状のカバー部3302aと、カバー部3302aの周方向の所定範囲を切欠いた切欠部3302bと、を有している。裏右下ベース3303は、上下に貫通している排出口3303aを有している。裏右上ベース3302の切欠部3302bは、遊技盤5を組立てた状態で、センター役物2500における後方放出口2554の直後に位置している。また、裏右下ベース3303の排出口3303aは、右下球通路ユニット3040の第二進入口3042の直上に位置している。
裏右回転装飾体3310は、外周面を周方向へ三つに分割している第一装飾面3310a、第二装飾面3310b、及び第三装飾面3310cを有している。裏右回転装飾体3310は、第一装飾面3310aにおいて上下に延びて開口している開口部3311と、開口部3311を回転中心側から閉鎖しており夫々上下にスライド可能に取付けられている一対のシャッター3312と、一対のシャッター3312よりも回転中心側で開口部3311における上下方向中央に取付けられている内側装飾体3313と、内側装飾体3313よりも回転中心側に取付けられており外側を向いている面に複数のLEDが実装されている裏右第一装飾基板(図示は省略)と、裏右第一装飾基板よりも回転中心側に取付けられており一対のシャッター3312を接近又は離反するようにスライドさせる裏右シャッターソレノイド(図示は省略)と、を備えている。
裏右回転装飾体3310の第一装飾面3310aでは、通常は一対のシャッター3312が互いに接近して当接している(図120(a)を参照)。そして、遊技状態に応じて裏右シャッターソレノイドの駆動により一対のシャッター3312を離反させると、一対のシャッター3312の間から内側装飾体3313が外側へ臨んだ状態となり、この状態で裏右第一装飾基板のLEDを発光させることで発光装飾された内側装飾体3313を遊技者に見せることができる。
また、裏右回転装飾体3310における第二装飾面3310bには、詳細な図示は省略するが、所定の文字をレリーフ状に形成しており透光性を有している裏右文字装飾3318を有している。この第二装飾面3310bよりも回転中心側には、外側を向いている面に複数のLEDが実装されている裏右第二装飾基板(図示は省略)が取付けられており、裏右第二装飾基板により第二装飾面3310b(裏右文字装飾3318)を発光装飾させることができる。
更に、裏右回転装飾体3310における第三装飾面3310cには、図120(d)に示すように、裏右上ベース3302のカバー部3302aと同じ高さの部位に遊技球が進入可能に開口している裏右球入口3320と、裏右球入口3320と連通していると共に裏右下ベース3303の排出口3303aと連通可能とされており外周面よりも回転中心側に配置されている遊技球が流通可能な裏右演出空間3321と、裏右演出空間3321内に取付けられており裏右球入口3320に進入した遊技球を下方へ向かって螺旋状に転動させる球誘導部材3322と、裏右演出空間3321に隣接して上下に延びており前面に複数のLEDが実装されている裏右第三装飾基板3323と、を備えている。
続いて、裏右可動演出ユニット3300における裏右回転装飾体3310の動作について説明する。この裏右可動演出ユニット3300は、裏右駆動モータ3304の回転駆動により、裏右回転装飾体3310を、上下方向に延びている軸線を中心として何れの方向へも回転させることができる。裏右可動演出ユニット3300は、通常の状態(第一装飾状態)では、図120(a)に示すように、第一装飾面3310aが前方を向いている。
この第一装飾面3310aでは、開口部3311よりも回転中心側に配置されている一対のシャッター3312が、通常は互いに当接して開口部3311を閉鎖している。
また、第一装飾状態では、裏右上ベース3302におけるカバー部3302aの切欠部3302bが、第一装飾面3310aの外周面により閉鎖されている。従って、裏右可動演出ユニット3300が第一装飾状態では、切欠部3302bと一致しているセンター役物2500の後方放出口2554も、第一装飾面3310aの外周面により閉鎖されている。これにより、第一装飾状態で、センター役物2500の上大入賞口2006に遊技球が受入れられた場合、後方誘導路2553の後方放出口2554が第一装飾面3310aの外周面により閉鎖されているため、上大入賞口2006に受入れられた遊技球は、後方誘導路2553の後端付近で分岐している逃し通路2555へ進入し、逃し通路2555を通って排出口2556から裏右球通路ユニット3040の第三進入口3043へ受け渡され、裏右球通路ユニット3040内を通って下方へ排出される。
この裏右可動演出ユニット3300は、第一装飾状態で、図示しない裏右シャッターソレノイドに通電させると、一対のシャッター3312が上下方向へ離反して、一対のシャッター3312の間から内側装飾体3313が外側へ臨む状態となる(図120(b)を参照)。そして、内側装飾体3313よりも回転中心側に配置されている図示しない裏右第一装飾基板のLED(高輝度LED)を発光させて、一対のシャッター3312の間から臨む内側装飾体3313を発光装飾させる。これにより、遊技者に対してチャンスの到来等を示唆することができる。
また、裏右可動演出ユニット3300は、裏右駆動モータ3304の回転駆動により裏右回転装飾体3310の第二装飾面3310bを前方へ向けて停止させた状態(第二装飾状態)とすることができる(図120(c)を参照)。この第二装飾状態で、図示しない裏右第二装飾基板のLEDを発光させることにより、第二装飾面3310bに形成されている所定の文字からなる裏右文字装飾3318を発光装飾させることができ、遊技者に対してチャンスの到来等を示唆することができる。また、第二装飾状態では、第一装飾状態と同様に、カバー部3302aの切欠部3302bが第二装飾面3310bの外周面により閉鎖されている。
更に、裏右可動演出ユニット3300は、裏右駆動モータ3304の回転駆動により裏右回転装飾体3310の第三装飾面3310cを前方へ向けて停止させた状態(第三装飾状態)とすることができる(図120(d)を参照)。この第三装飾状態では、図示するように、遊技球を流通させることが可能な裏右演出空間3321が遊技者側から視認することができる。また、第三装飾状態では、裏右球入口3320がカバー部3302aの切欠部3302bの部位に位置している。従って、第三装飾状態では、センター役物2500の後方放出口2554と裏右球入口3320とが一致して、遊技球が流通可能に連通している。
そして、第三装飾状態で、センター役物2500の上大入賞口2006に受入れられた遊技球は、後方誘導路2553の後方放出口2554から裏右球入口3320へ進入し、裏右演出空間3321に配置されている球誘導部材3322により、裏右演出空間3321内を上下に延びた軸線周りを螺旋状に複数回(ここでは8回)回転しながら流下する(図175(a)を参照)。これにより、上大入賞口2006に受入れられた遊技球を、裏右演出空間3321で螺旋状に流下させることができるため、上大入賞口2006に受入れられた遊技球を遊技者に確実に視認させることができ、上大入賞口2006への遊技球の受入れによる遊技球の払出しに対する期待感を高めさせることができると共に、螺旋状に流下する遊技球により遊技者を楽しませることができ、興趣の低下を抑制することができる。また、上大入賞口2006内に受け入れられた遊技球を螺旋状に回転しながら流下させることで上大入賞口2006に実際に入球した個数よりも多くの個数が入球しているように遊技者を錯覚させることができるという効果も奏する。
その後、裏右演出空間3321内を流下した遊技球は、裏右下ベース3303の排出口3303aから排出されて、直下に開口している右下球誘導ユニット3040の第二進入口3042に進入し、右下球通路ユニット3040内を通って下方の基板ホルダ1200内に排出される。
このように、裏右可動演出ユニット3300によれば、多彩な可動演出を遊技者に提示することができ、遊技者を楽しませることができる。
[5−9h.裏左可動演出ユニット]
次に、裏ユニット3000の裏左可動演出ユニット3400について、主に図121乃至図123を参照して詳細に説明する。図121(a)は裏ユニットの裏左可動演出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は裏ユニットの裏左可動演出ユニットを後ろから見た斜視図である。また、図122(a)は裏左回転装飾体の第一装飾面を正面へ向けた状態で示す裏左可動演出ユニットの正面図であり、(b)は裏左回転装飾体の第二装飾面を正面に向けた状態で示す裏左可動演出ユニットの正面図であり、(c)は裏左回転装飾体の第三装飾面を正面に向けた状態で示す裏左可動演出ユニットの正面図であり、(d)は(a)の状態で裏左回転装飾体の裏左突出装飾体を出現位置とした状態を示す裏左可動演出ユニットの正面図である。更に、図123は、図122(a)におけるF−F線で切断した断面図である。
裏左可動演出ユニット3400は、裏箱3010内で開口部3010aの正面視左方に取付けられている。この裏左可動演出ユニット3400は、裏箱3010内に取付けられ正面視コ字状で上下に延びている裏左板金ベース3401と、裏左板金ベース3401の前面上部に取付けられている裏左上ベース3402と、裏左板金ベース3401の前面下部に取付けられている裏左下ベース3403と、裏左下ベース3403の下面に取付けられている裏左駆動モータ3404と、裏左駆動モータ3404により回転駆動され、裏左上ベース3402及び裏左下ベース3403により回転可能に取付けられている円柱状の裏左回転装飾体3410と、を備えている。裏左板金ベース3401は、金属板により形成されている。
裏左回転装飾体3410は、外周面を周方向へ三つに分割している第一装飾面3410a、第二装飾面3410b、及び第三装飾面3410cを有している。この裏左回転装飾体3410は、図122(a)に示すように、第一装飾面3410aに、ドアを摸したドア装飾3411を有している。裏左回転装飾体3410は、第一装飾面よりも回転中心側に配置されており、外側を向いている面に複数のLEDが実装されている裏左第一装飾基板3412を有している。この裏左第一装飾基板3412のLEDを適宜発光させることで、第一装飾面3410aを発光装飾させることができる。
また、裏左回転装飾体3410の第二装飾面3410bには、詳細な図示は省略するが、裏右回転装飾体3310の裏右文字装飾3318とは異なる文字を、レリーフ状に形成している透光性を有する裏左文字装飾3413を有している。この第二装飾面3410bよりも回転中心側には、外側を向いている面に複数のLEDが実装されている裏左第二装飾基板3414が取付けられており、裏左第二装飾基板3414により第二装飾面3410b(裏左文字装飾3413)を発光装飾させることができる。
更に、裏左回転装飾体3410の第三装飾面3410cには、外周面を形成している裏左投影部3415と、裏左投影部3415よりも回転中心側に配置されており透光性を有する投影フィルム3416と、投影フィルム3416よりも回転中心側に配置されており外側を向いている面に複数のカラーLEDが実装されている裏左第三装飾基板3417と、を備えている。投影フィルム3416は、図示は省略するが、単色で表されると共に互いに異なる図柄とされている、赤色で投影される赤図柄と、青色で投影される青図柄と、を有しており、赤図柄と青図柄とが重なっている部位が乳白色又は透明とされ、且つ、赤図柄及び青図柄以外の部位が黒色又は不透光性とされている。この第三装飾面3410cでは、裏左第三装飾基板3417において、赤色の光を発光させると赤図柄を裏左投影部3415に投影させることができ、青色の光を発光させると青図柄を裏左投影部3415に投影させることができる。
また、第三装飾面3410cには、裏左投影部3415における第一装飾面3410aに近い側の端部で上下に配置されており開閉可能な一対の扉部材3420と、各扉部材3420よりも回転中心側に配置されており裏左回転装飾体3410の外周面よりも内側の退避位置と外周面よりも外側へ突出する出現位置との間でスライド可能に取付けられている一対の裏左突出装飾体3421と、裏左回転装飾体3410内に取付けられており各裏左突出装飾体3421をスライド駆動させる一対の裏左装飾体ソレノイド3422と、を備えている。
扉部材3420は、図示するように、上下に延びた略長方形に形成されている。この扉部材3420は、図示は省略するが、第一装飾面3410aから遠い側の上下に延びている辺の両端が回転可能に取付けられており、反対側の上下に延びている辺側が第三装飾面3410cよりも外側へ移動するように開閉する。また、扉部材3420は、回転可能に取付けられている上下に延びている辺付近の内側面から突出している鉤状の閉止爪3420aを有している。
裏左突出装飾体3421は、第一装飾面3410aを前方(正面)へ向けた時に、スライド方向が左右方向となるように取付けられている。この裏左突出装飾体3421は、図122(d)等に示すように、手裏剣を摸した形状に形成されている。裏左突出装飾体3421は、先端付近から第一装飾面3410aから遠ざかる方向へ突出しており、扉部材3420の閉止爪3420aと係合可能な閉止片3421aを有している。
続いて、裏左可動演出ユニット3400における裏左回転装飾体3410の動作について説明する。この裏左可動演出ユニット3400は、裏左駆動モータ3404の回転駆動により、裏左回転装飾体3410を、上下方向に延びている軸線を中心として何れの方向へも回転させることができる。裏左可動演出ユニット3400は、通常の状態(第一装飾状態)では、図122(a)に示すように、第一装飾面3410aを前方へ向けて停止している。この第一装飾状態で、裏左第一装飾基板3412のLEDを適宜発光させることで、第一装飾面3410aを発光装飾させることができる。第一装飾面3410aには、ドアを模したドア装飾3411が備えられているため、第一装飾面3410aを発光装飾させることで、遊技者に対してドア装飾3411が開くのではないかと思わせることができ、遊技者の期待感を高めさせることができる。
また、裏左可動演出ユニット3400は、通常の状態では、裏左回転装飾体3410の裏左突出装飾体3421が、図示しないバネの付勢力により、裏左回転装飾体3410の内部に収容された退避位置に位置している。この退避位置の状態では、扉部材3420の外面が第三装飾面3410cと同一面状となる閉状態となっていると共に、裏左突出装飾体3421の閉止片3421aが、扉部材3420の閉止爪3420aに係止されている。これにより、裏左回転装飾体3410をグルグル回転させて裏左突出装飾体3421や扉部材3420に遠心力が作用しても、図示しないバネの付勢力により裏左突出装飾体3421の出現位置へのスライドを阻止することができると共に、閉止片3421aが閉止爪3420aに係止されることで扉部材3420が開くのを阻止することができる。
そして、第一装飾状態の時に、裏左装飾体ソレノイド3422を駆動(通電)させると、図示しないバネの付勢力に抗して裏左突出装飾体3421が、外側へスライドすると共に、裏左突出装飾体3421の先端に押されて扉部材3420が開き、裏左突出装飾体3421が第三装飾面3410cよりも外側へ突出した出現位置の状態となる。これにより、円筒状で回転する裏左回転装飾体3410から、裏左突出装飾体3421が突出することで、遊技者を驚かせることができる。また、一対の裏左突出装飾体3421は、夫々独立して突出させることができるため、多彩な可動演出を遊技者に提示することができる。
この裏左突出装飾体3421は、出現位置の状態で、裏左装飾体ソレノイド3422の駆動を停止させると、図示しないバネにより退避位置へスライドする。この際に、閉止片3421aが、閉止爪3420aに係止され、扉部材3420を開状態から閉状態へ回動させることができ、自動的に通常の状態に復帰する。
また、裏左可動演出ユニット3400は、裏左駆動モータ3404の回転駆動により裏左回転装飾体3410の第二装飾面3410bを前方へ向けて停止させた状態(第二装飾状態)とすることができる(図122(b)を参照)。この第二装飾状態の時に、裏左第二装飾基板3414のLEDを適宜発光させることにより、裏左文字装飾3413を発光装飾させることができ、遊技者に対してチャンスの到来等を示唆することができる。
更に、裏左可動演出ユニット3400は、裏左駆動モータ3404の回転駆動により裏左回転装飾体3410の第三装飾面3410cを前方へ向けて停止させた状態(第三装飾状態)とすることができる(図122(c)を参照)。この第三装飾状態で、裏左第三装飾基板3417のLEDにより、赤色の光を発光させると赤図柄を裏左投影部3415に投影させることができ、青色の光を発光させると青図柄を裏左投影部3415に投影させることができる。これにより、裏左投影部3415に投影される図柄によって、遊技者に対してチャンスの到来等を示唆することができ、遊技者を楽しませたり期待感を高めさせたりすることができる。
このように、裏右可動演出ユニット3300によれば、多彩な可動演出を遊技者に提示することができ、遊技者を楽しませることができる。
[5−9i.裏下後可動演出ユニット]
次に、裏ユニット3000の裏下後可動演出ユニット3500について、主に図124乃至図136を参照して詳細に説明する。図124(a)は裏ユニットの裏下後可動演出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は裏ユニットの裏下後可動演出ユニットを後ろから見た斜視図である。また、図125は裏下後可動演出ユニットの昇降ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図126は裏下後可動演出ユニットの昇降ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。また、図127は裏下後回転装飾ユニットが下降端位置の時の昇降ユニットの状態を正面から示す説明図であり、図128は裏下後回転装飾ユニットが上昇端位置の時の昇降ユニットの状態を正面から示す説明図である。
また、図129(a)は裏下後可動演出ユニットの正面図であり、(b)は裏下後可動演出ユニットの裏下後回転装飾体ユニットを前から見た斜視図であり、(c)は裏下後可動演出ユニットの裏下後回転装飾体ユニットを後ろから見た斜視図である。更に、図130は裏下後回転装飾体ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図131は裏下後回転装飾体ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。また、図132は、図129(a)におけるG−G線で切断した断面図である。
更に、図133(a)は裏下後回転装飾ユニットの裏下後回転装飾体が回転停止している状態を示す正面図であり、(b)は裏下後回転装飾体が正面視反時計回りの方向へ回転している状態を示す正面図であり、(c)は裏下後回転装飾体が開いて正面視時計回りの方向へ回転する直前の状態を示す正面図であり、(d)は裏下後回転装飾体が正面視時計回りの方向へ回転している状態を示す正面図である。また、図134(a)は裏下後回転装飾体ユニットにおいて裏下後回転駆動モータに係る駆動機構の構成を示す説明図であり、(b)は裏下後回転装飾体ユニットにおいて回転ダンパに係る差動機構の構成を示す説明図であり、(c)は裏下後回転装飾体ユニットにおいて裏下後回転駆動モータに係る駆動機構と回転ダンパに係る差動機構とを連結している連結機構の構成を示す説明図である。
また、図135(a)は裏下後回転装飾体が閉じて回転停止している時の連結機構の状態を示す説明図であり、(b)は裏下後回転装飾体が反時計回りの方向へ回転している時の連結機構の状態を示す説明図である。また、図136(a)は裏下後回転装飾体が閉じて回転停止している時の連結機構の状態を示す説明図であり、(b)は駆動機構の連結リングが時計回りの方向へ回転して裏下後回転装飾体が開きつつある時の連結機構の状態を示す説明図であり、(c)は駆動機構の連結リングが更に時計回りの方向へ回転して裏下後回転装飾体が完全に開いた時の連結機構の状態を示す説明図であり、(d)は開いた状態の裏下後回転装飾体が駆動機構の連結機構と共に時計回りの方向へ回転している時の連結機構の状態を示す説明図である。
裏下後可動演出ユニット3500は、裏箱3010内の後端付近で開口部3010aよりも下方に取付けられている。この裏下後可動演出ユニット3500は、裏箱3010内に取付けられると共に前面に裏下前可動演出ユニット3200が取付けられる昇降ユニット3510と、昇降ユニット3510により上下に昇降させられる裏下後回転装飾体ユニット3550と、を備えている。
裏下後可動演出ユニット3500の昇降ユニット3510は、裏箱3010内における開口部3010aよりも下方で後壁の前面に取付けられるユニットベース3511と、ユニットベース3511の正面視左下隅の後面に取付けられておりユニットベース3511を貫通して回転軸が前方へ突出している裏下後昇降駆動モータ3512と、裏下後昇降駆動モータ3512の回転軸に取付けられている平歯車状の昇降駆動ギア3513と、昇降駆動ギア3513と噛合している平歯車状の第一伝達ギア3514a、及び第一伝達ギア3514aの前面で一体回転すると共に第一伝達ギア3514aよりも直径が小さい第二伝達ギア3514bを有しておりユニットベース3511に回転可能に取付けられている伝達ギア部材3514と、伝達ギア部材3514の第二伝達ギア3514bと噛合しておりユニットベース3511に回転可能に取付けられている平歯車状の昇降駆動ピニオンギア3515と、を備えている。
また、昇降ユニット3510は、左右方向略中央で上下に延びており前後方向に貫通している案内スリット3516a、及び正面視左端下部から左方へ突出している平板状の検知片3516b、を有しており、昇降ユニット3510の前面に上下へスライド可能に取付けられていると共に後面において案内スリット3516aにより裏下後回転装飾体ユニット3550を上下にスライド可能に取付けている昇降ベース3516と、昇降ベース3516の正面視左端付近の後面に取付けられており上下に延びていると共に昇降駆動ピニオンギア3515と噛合している昇降駆動ラックギア3517と、上下に延びており上端がユニットベース3511の上端と同じ高さでユニットベース3511の前面に取付けられている固定側ラックギア3518と、固定側ラックギア3518と噛合していると共に裏下後回転装飾体ユニット3550の後面に取付けられている上下に延びた可動側ラックギア3551bと噛合しており、昇降ベース3516に回転可能に取付けられている平歯車状の加速ギア3519と、を備えている。
更に、昇降ユニット3510は、昇降ベース3516の正面視左方で昇降駆動ギア3513、伝達ギア部材3514、昇降駆動ピニオンギア3515、及び固定側ラックギア3518の前方を覆うようにユニットベース3511の前面に取付けられているギアカバー左3520と、ギアカバー左3520の前面に取付けられており昇降ベース3516の検知片3516bを検知可能な裏下後昇降検知センサ3521と、昇降ベース3516の正面視右方でユニットベース3511の前面に回転可能に取付けられている平歯車状の案内ピニオンギア3522と、案内ピニオンギア3522と噛合していると共に上下に延びており昇降ベース3516の正面視右端側後面に取付けられている案内ラックギア3523と、案内ラックギア3523の前方を覆いユニットベース3511の前面に取付けられているギアカバー右3524と、下端側が昇降ベース3516に取付けられていると共に上端側がギアカバー左3520及びギアカバー右3524に夫々取付けられており昇降ベース3516を上方へ付勢している一対のアシストバネ3525と、を備えている。
また、昇降ユニット3510は、ユニットベース3511の正面視右端側の後面に取付けられている基板ベース3526と、基板ベース3526の後面に取付けられており、裏下後昇降駆動モータ3512、裏下後昇降検知センサ3521、裏下後回転駆動モータ3553、裏下後回転検知センサ3570、及び裏下後装飾基板3572とモータ駆動基板3062及びランプ駆動基板3060との接続を中継している裏下後中継基板3527と、を備えている。
続いて、裏下後可動演出ユニット3500における昇降ユニット3510の動作について説明する。この裏下後可動演出ユニット3500は、通常の状態では裏下後回転装飾体ユニット3550が最も下降している下降端位置に位置している。この下降端位置の状態では、図127に示すように、昇降ベース3516に取付けられている昇降駆動ラックギア3517及び案内ラックギア3523の上端において、ユニットベース3511に取付けられている昇降駆動ピニオンギア3515及び案内ピニオンギア3522が、夫々噛合している。また、昇降ベース3516に取付けられている加速ギア3519は、ユニットベース3511に取付けられている固定側ラックギア3518の下端で噛合していると共に、裏下後回転装飾体ユニット3550に取付けられている可動側ラックギア3551bの上端で噛合している。
また、下降端位置の状態では、案内ブッシュ3528を介して昇降ベース3516の案内スリット3516a内に挿入されている裏下後回転装飾体ユニット3550の案内ピン3552bが、案内スリット3516aの下端に位置している。更に、下降端位置の状態では、昇降ベース3516の検知片3516bが、裏下後昇降検知センサ3521により検知されていると共に、一対のアシストバネ3525が、伸長して昇降ベース3516を上方へ付勢している。
裏下後可動演出ユニット3500は、裏下後回転装飾体ユニット3550が、下降端位置の時には、図83等に示すように、裏下後回転装飾体3568が中央液晶表示装置1500の下端よりも下方でセンター役物2500の枠内のステージ2530の上方において一部が遊技者側から視認可能となっている。
裏下後回転装飾体ユニット3550が下降端位置の時に、裏下後昇降駆動モータ3512により昇降駆動ギア3513を正面視反時計回りの方向へ回転させると、昇降駆動ピニオンギア3515が反時計回りの方向へ回転し、昇降駆動ピニオンギア3515と噛合している昇降駆動ラックギア3517により昇降ベース3516が上昇する。この昇降ベース3516が上昇すると、昇降ベース3516に回転可能に取付けられている加速ギア3519も、昇降ベース3516と一緒に上昇する。この加速ギア3519は、ユニットベース3511に取付けられている固定側ラックギア3518と噛合しているため、ユニットベース3511に対して昇降ベース3516(加速ギア3519)が上昇すると、加速ギア3519が正面視反時計回りの方向へ回転することとなる。
この加速ギア3519は、固定側ラックギア3518とは反対側で、裏下後回転装飾体ユニット3550に取付けられている可動側ラックギア3551bが噛合しているため、加速ギア3519が反時計回りの方向へ回転すると、可動側ラックギア3551bを介して裏下後回転装飾体ユニット3550が昇降ベース3516に対して相対的に上昇する。
この際に、裏下後回転装飾体ユニット3550は、ユニットベース3511の固定側ラックギア3518と噛合している加速ギア3519により、昇降ベース3516の二倍の速度で上昇する。
また、昇降ユニット3510では、昇降ベース3516において、昇降駆動ラックギア3517とは反対側の案内ラックギア3523が、ユニットベース3511に回転可能に取付けられている案内ピニオンギア3522と噛合していることから、昇降ベース3516の右端側がこじられることなく、昇降ベース3516が真っ直ぐに上昇することができる。更に、昇降ユニット3510では、一対のアシストバネ3525により昇降ベース3516を上方へ付勢しているため、裏下後昇降駆動モータ3512に係る負荷を低減させている。なお、一対のアシストバネ3525において、昇降駆動ラックギア3517から遠い正面視右側のアシストバネ3525は、左側のアシストバネ3525よりも長く伸長されて付勢力が強められており、昇降ベース3516を傾き難くアシストしている。
そして、裏下後回転装飾体ユニット3550が最も上昇した上昇端位置に位置すると、裏下後昇降駆動モータ3512が停止する。この上昇端位置の状態では、図128に示すように、裏下後回転装飾体ユニット3550の案内ピン3552bが、昇降ベース3516の案内スリット3516aの上端に位置している。また、上昇端位置の状態では、昇降ベース3516に取付けられている昇降駆動ラックギア3517及び案内ラックギア3523の下端において、ユニットベース3511に取付けられている昇降駆動ピニオンギア3515及び案内ピニオンギア3522が、夫々噛合している。また、昇降ベース3516に取付けられている加速ギア3519は、ユニットベース3511に取付けられている固定側ラックギア3518の上端で噛合していると共に、裏下後回転装飾体ユニット3550に取付けられている可動側ラックギア3551bの下端で噛合している。
裏下後回転装飾体ユニット3550が上昇端位置の時には、図152に示すように、裏下後回転装飾体3568が、正面視において、センター役物2500の枠内(中央液晶表示装置1500の前面)の略中央に位置している。なお、裏下後回転装飾体ユニット3550が上昇端位置の状態で、裏下後昇降駆動モータ3512により昇降駆動ギア3513を正面視時計回りの方向へ回転させると、上記とは逆の動作をして裏下後回転装飾体ユニット3550が下降し、下降端位置に復帰する。
続いて、裏下後可動演出ユニット3500の裏下後回転装飾体ユニット3550について説明する。裏下後回転装飾体ユニット3550は、上部から前方へ延びている円筒状の軸筒部3551a、及び下部の後面で上下に延びており加速ギア3159と噛合する可動側ラックギア3551b、を有しており、上下に延びていると共に前方が開放されている浅い容器状の装飾体ベース3551と、上部に装飾体ベース3551の軸筒部3551aよりも大径で前後に貫通しており軸筒部3551aが同心円上に挿通される貫通孔3552a、及び下部から前方へ円柱状に突出しており昇降ユニット3510の案内スリット3516a内に挿入される案内ピン3552b、を有しており、後方が開放されている浅い箱状で装飾体ベース3551の前面に取付けられているベースカバー3552と、を備えている。
また、裏下後回転装飾体ユニット3550は、ベースカバー3552の下部後面に取付けられている裏下後回転駆動モータ3553と、裏下後回転駆動モータ3553の回転軸に取付けられている平歯車状の回転駆動ギア3554と、回転駆動ギア3554と噛合しており装飾体ベース3551とベースカバー3552との間で回転可能に取付けられている平歯車状の第一従動ギア3555と、第一従動ギア3555と噛合しており装飾体ベース3551とベースカバー3552との間で回転可能に取付けられている平歯車状の第二従動ギア3556と、第二従動ギア3556と噛合しており装飾体ベース3551とベースカバー3552との間で回転可能に取付けられている平歯車状の第三従動ギア3557と、第三従動ギア3557と噛合しており装飾体ベース3551とベースカバー3552との間で回転可能に取付けられている平歯車状の第四従動ギア3558と、第四従動ギア3558と噛合している円環状の駆動リングギア3559a、駆動リングギア3559aの前端から周方向へ離間して前方へ突出している複数(ここでは三つ)の係合凸部3559b、及び駆動リングギア3559aの後端から外方へフランジ状に突出しており周方向の一部が切欠かれている駆動検知片3559cを有している駆動ギア部材3559と、周方向へ等間隔に形成されている四つの取付孔3560a、及び後端から前方へ向かって凹んでおり駆動ギア部材3559の複数の係合凸部3559bが挿入係合されている複数の係合凹部3560b、を有しており、駆動ギア部材3559と略同じ大きさの外径及び内径に形成されているリング状の連結リング3560と、を備えている。
駆動リングギア3559a及び連結リング3560の外径と内径は、ベースカバー3552の貫通孔3552aの内径よりも小さく、装飾体ベース3551の軸筒部3551aの外径よりも大きく形成されている。また、駆動リングギア3559a及び連結リング3560は、内形が同一である。裏下後回転装飾体ユニット3550では、裏下後回転駆動モータ3553、回転駆動ギア3554、第一従動ギア3555、第二従動ギア3556、第三従動ギア3557、第四従動ギア3558、駆動ギア部材3559、及び連結リング3560が、裏下後回転駆動モータ3553により直接的に回転駆動される駆動機構3550Aを構成している(図134(a)等を参照)。
更に、裏下後回転装飾体ユニット3550は、前方からベースカバー3552の貫通孔3552a、連結リング3560、及び駆動ギア部材3559を貫通していると共に装飾体ベース3551の軸筒部3551aが挿入される筒状の外筒部3561a、外筒部3561aの後端から前方へ向かって凹んでおり周方向に間隔を開けて形成されている複数の接続凹部3561b、ベースカバー3552の前方で外筒部3561aの前端から外方へ延出している平板状のベース部3561c、ベース部3561cを前後に貫通しており外筒部の軸芯を中心として放射状に延びている四つのガイドスリット3561d、を有している回転装飾体ベース3561と、回転装飾体ベース3561の外筒部3561a内に挿入されていると共に装飾体ベース3551の軸筒部3551aが挿通される円筒状の内筒部3562a、駆動ギア部材3559の後方で内筒部3562aの後端外周に形成されているリング状の差動リングギア3562b、差動リングギア3562bの前面から周方向へ間隔を開けて突出しており回転装飾体ベース3561の接続凹部3561b内に挿入接続される複数の接続凸部3562c、差動リングギア3562bの後端から外方へフランジ状に突出しており周方向の一部が切欠かれている差動検知片3562d、を有している差動ギア部材3562と、差動ギア部材3562の差動リングギア3562bと噛合しており装飾体ベース3551とベースカバー3552との間で第四従動ギア3558と同軸上に回転可能に取付けられている平歯車状の差動伝達ギア3563と、差動伝達ギア3563と噛合している平歯車状のダンパギア3564と、ダンパギア3564に回転抵抗を付与する状態でダンパギア3564を回転可能に取付けており、装飾体ベース3551の後面に取付けられている回転ダンパ部材3565と、を備えている。
回転装飾体ベース3561における外筒部3561aの外径は、駆動ギア部材3559及び連結リング3560の内径よりも若干小さく、外筒部3561aの外周面により駆動ギア部材3559及び連結リング3560を回転可能に取付けている。また、外筒部3561aの内径は、差動ギア部材3562における内筒部3562aの外径よりも若干大きい。ベース部3561cは、ベースカバー3552の貫通孔3552aよりも大きく形成されている。ガイドスリット3561dは、外筒部3561aの周方向に対して90度の角度の間隔で形成されている。
差動ギア部材3562の内筒部3562aは、内径が装飾体ベース3551の軸筒部3551aの外径よりも若干大きく、軸筒部3551aにより回転可能に取付けられる。回転ダンパ部材3565は、詳細な図示は省略するが、内部に封入されている粘性流体の粘性抵抗により、ダンパギア3564が取付けられる回転軸に対して回転抵抗を付与しているものである。裏下後回転装飾体ユニット3550では、回転装飾体ベース3561、差動ギア部材3562、差動伝達ギア3563、ダンパギア3564、及び回転ダンパ部材3565が、回転ダンパ部材3565により直接的に回転抵抗が付与される差動機構3550Bを構成している(図134(b)等を参照)。
また、裏下後回転装飾体ユニット3550は、ガイドスリット3561dを貫通して後方へ突出している円柱状のスライドピン3566aを有しており、回転装飾体ベース3561におけるベース部3561cの前面で各ガイドスリット3561dによりスライド可能に夫々取付けられている四つの装飾体スライダ3566と、前後に貫通しており装飾体スライダ3566のスライドピン3566aが回転可能に挿入される先端孔3567aを先端側に有していると共に、後方へ円柱状に突出しており連結リング3560の取付孔3560aに回転可能に挿入される基端ピン3567bを基端側に有しており、帯板状の四つの連結アーム3567と、各装飾体スライダ3566の前面に取付けられており前面に装飾が施されている四つの裏下後回転装飾体3568と、各裏下後回転装飾体3568の後面に取付けられており連結アーム3567の回動範囲を規制している四つの回動規制部材3569と、を備えている。
裏下後回転装飾体3568は、正面視の形状が略四角形に形成されており、四つの頂点の内の一つが直角に形成されていると共に、直角の頂点を通る対角線上の反対側の頂点が鋭角に形成されている。裏下後回転装飾体3568は、直角の頂点を、回転装飾体ベース3561の回転中心軸側へ向けると共に、直角の頂点を通る対角線が、装飾体スライダ3566のスライド方向(回転装飾体ベース3561のガイドスリット3561dが延びている方向)へ延びるように、装飾体スライダ3566に取付けられている。四つの裏下後回転装飾体3568は、回転装飾体ベース3561のガイドスリット3561dにより、互いに接近・離反するようにスライドすることができる。
裏下後回転装飾体ユニット3550では、装飾体スライダ3566、連結アーム3567、裏下後回転装飾体3568、及び回動規制部材3569が、駆動機構3550Aと差動機構3550Bとを連結して回転を伝達させている連結機構3550Cを構成している(図134(c)等を参照)。
更に、裏下後回転装飾体ユニット3550は、装飾体ベース3551とベースカバー3552との間に取付けられており、駆動ギア部材3559の駆動検知片3559cと差動リングギア3562bの差動検知片3562dの回転位置を検知する裏下後回転検知センサ3570と、回転装飾体ベース3561の中心を前方から貫通して後端が装飾体ベース3551における軸筒部3551aに取付けられている固定装飾体ベース3571と、回転装飾体ベース3561の前方且つ裏下後回転装飾体3568の後方で固定装飾体ベース3571の前面に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている裏下後装飾基板3572と、裏下後装飾基板3572と裏下後回転装飾体3568との間で固定装飾体ベース3571の前面に取付けられており前面に装飾が施されていると共に透光性を有している円盤状の裏下後固定装飾体3573と、を備えている。
続いて、裏下後可動演出ユニット3500における裏下後回転装飾体ユニット3550の裏下後回転装飾体3568の動作について説明する。裏下後回転装飾体ユニット3550は、通常の状態では、四つの裏下後回転装飾体35が回転装飾体ベース3561の回転中心側へスライドして互いに当接している。通常の状態では、駆動ギア部材3559は、駆動検知片3559cの切欠かれている部位を正面視左方へ向けて停止している(図134(a)を参照)。また、差動ギア部材3562は、差動検知片3562dの切欠かれている部位を正面視右方へ向けて停止している(図134(b)を参照)。また、四つの連結アーム3567は、連結リング3560の取付孔3560aに回転可能に取付けられている基端ピン3567bの中心と、先端の先端孔3567aの中心とを結んだ軸線が、連結リング3560の回転中心を中心とした円に接するように延びており、先端孔3567aに回転可能に取付けられている装飾体スライダ3566のスライドピン3566aが、回転装飾体ベース3561におけるガイドスリット3561dの回転中心側の端部に位置している。また、四つの連結アーム3567は、通常の状態では、基端ピン3567bに対して、先端孔3567aが、正面視時計回りの方向へ離れている(図134(c)等を参照)。
この通常の状態(図135(a)等を参照)で、裏下後回転駆動モータ3553により回転駆動ギア3554を正面視時計回りの方向へ回転させると、駆動ギア部材3559と一緒に連結リング3560が正面視反時計回りの方向へ回転することとなる。この連結リング3560が正面視反時計回りの方向へ回転しようとすると、取付孔3560aに取付けられている基端ピン3567bを介して連結アーム3567が、その連結アーム3567の先端孔3567aが装飾体スライダ3566のスライドピン3566aを介して取付けられている回転装飾体ベース3561のガイドスリット3561dから、遠ざかる方向へ移動しようとすることから、先端孔3560aに取付けられているスライドピン3566aが、ガイドスリット3561d内において回転中心側へスライドしようとする。
しかしながら、この通常の状態では、スライドピン3566aがガイドスリット3561dの回転中心側の端部に位置しており、これ以上回転中心側へスライドすることができない。これにより、連結アーム3567がガイドスリット3561dを介して回転装飾体ベース3561を正面視反時計回りの方向へ回転するように引っ張ることとなる。この回転装飾体ベース3561には、差動ギア部材3562、差動伝達ギア3563、及びダンパギア3564を介して回転ダンパ部材3565の回転抵抗が作用しているため、回転ダンパ部材3565の回転抵抗に抗して回転装飾体ベース3561が反時計回りの方向へ回転することとなる。
この回転装飾体ベース3561が正面反時計回りの方向へ回転する際には、装飾体スライダ3566のスライドピン3566aが、ガイドスリット3561dの回転中心側の端部に位置しており、各装飾体スライダ3566に取付けられている裏下後回転装飾体3568が回転中心側へ位置して互いに当接している状態で回転する(図135(b)を参照)。また、四つの裏下後回転装飾体3568の正面視反時計回りの方向への回転中は、裏下後回転装飾体3568が取付けられている装飾体スライダ3566に、連結アーム3567により回転中心側へスライドするような力が作用しているため、裏下後回転装飾体3568が遠心力により外側へスライドすることはない。
一方、通常の状態(図136(a)等を参照)で、裏下後回転駆動モータ3553により回転駆動ギア3554を正面視反時計回りの方向へ回転させると、駆動ギア部材3559と一緒に連結リング3560が時計回りの方向へ回転することとなる。この連結リング3560が時計回りの方向へ回転しようとすると、取付孔3560aに取付けられている基端ピン3567bを介して連結アーム3567が、その連結アーム3567の先端孔3567aが装飾体スライダ3566のスライドピン3566aを介して取付けられている回転装飾体ベース3561のガイドスリット3561dへ、接近する方向へ移動しようとすることから、先端孔3560aに取付けられているスライドピン3566aが、ガイドスリット3561dを介して回転装飾体ベース3561を時計回りの方向へ回転させようとする。
しかしながら、回転装飾体ベース3561には、差動ギア部材3562、差動伝達ギア3563、及びダンパギア3564を介して回転ダンパ部材3565の回転抵抗が作用しているため、回転装飾体ベース3561が時計回りの方向へ回転する前に、スライドピン3566aがガイドスリット3561dに沿って回転中心から外側の方向へ移動することとなる(図136(b)を参照)。これにより、各スライドピン3566a(装飾体スライダ3566)が外側へ向かってスライドすることで、各裏下後回転装飾体3568が、互いに離反するように外側へスライドすることとなる。
そして、連結リング3560が更に正面視時計回りの方向へ回転して、取付孔3560aが回転装飾体ベース3561におけるガイドスリット3561dの軸線上に到達すると、連結アーム3567がガイドスリット3561dに沿って延びた状態となると共に連結アーム3567の側面が回動規制部材3569に当接して、連結アーム3567のこれ以上の回動が阻止される。この状態では、連結アーム3567を介して装飾体スライダ3566が最も外側へスライドした状態となり、各裏下後回転装飾体3568同士が最も離反して開いた状態となる(図136(c)を参照)。また、裏下後回転装飾体3568が開いた状態では、裏下後回転装飾体3568の後方に配置されている裏下後固定装飾体3573が、裏下後回転装飾体3568同士の間から視認できるようになる(図133(c)及び(d)等を参照)。
裏下後回転装飾体3568が開いた状態で、連結リング3560が更に正面視時計回りの方向へ回転すると、回動規制部材3569により連結アーム3567の回動が規制されているため、回転装飾体ベース3561が回転ダンパ部材3565の回転抵抗に抗して時計回りの方向へ回転することとなり、裏下後回転装飾体3568が開いた状態で時計回りの方向へ回転することとなる(図136(d)を参照)。裏下後回転装飾体3568が開くことで大きくなって目立つようになり、遊技者を驚かせることができる。
なお、開いている状態の裏下後回転装飾体3568を閉じる場合は、裏下後回転駆動モータ3553により連結リング3560を上記とは逆の正面視反時計回りの方向へ回転させることで、各裏下後回転装飾体3568が、回転中心側へスライドして、閉じた状態となる。
このように、裏下後可動演出ユニット3500は、裏下後回転装飾体ユニット3550を上昇端位置へ移動させることで、裏下後回転装飾体3568をセンター役物2500の枠内(遊技領域5a)の中央へ移動させることができ、裏下後回転装飾体3568を目立たせることができる。この状態で、裏下後回転装飾体3568を、正面視反時計回りの方向へ回転させると、遊技領域5aの中央で回転することで、遊技者を驚かせることができる。また、裏下後回転装飾体3568を、正面視時計回りの方向へ回転させると、裏下後回転装飾体3568が開いて大きくなった状態で回転するため、遊技者を更に驚かせることができ、多彩な可動演出を遊技者に提示することができる。
[5−9j.裏四隅可動演出ユニット]
次に、裏ユニット3000の裏四隅可動演出ユニット3600について、主に図137乃至図145を参照して詳細に説明する。図137は裏ユニットの裏四隅可動演出ユニットを前から見た斜視図であり、図138は裏ユニットの裏四隅可動演出ユニットを後ろから見た斜視図である。また、図139は裏四隅可動演出ユニットにおける裏四隅第一ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図140は裏四隅可動演出ユニットにおける裏四隅第一ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。また、図141は裏四隅可動演出ユニットにおける裏四隅第二ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図142は裏四隅可動演出ユニットにおける裏四隅第二ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。
また、図143(a)は通常の退避位置の状態での裏四隅可動演出ユニットにおける裏四隅第一ユニットの正面図であり、(b)は裏四隅第一装飾体が出現位置の状態での裏四隅第一ユニットの正面図であり、(c)は裏四隅第二装飾体が出現位置の状態での裏四隅第一ユニットの正面図である。更に、図144(a)は裏四隅第一ユニットにおいて裏四隅第一装飾体が退避位置の時の駆動機構の状態を左側面から示す説明図であり、(b)は裏四隅第一ユニットにおいて裏四隅第一装飾体が退避位置から出現位置へ向かう途中の駆動機構の状態を左側面から示す説明図であり、(c)は裏四隅第一ユニットにおいて裏四隅第一装飾体が出現位置の時の駆動機構の状態を左側面から示す説明図である。また、図145(a)は裏四隅第一ユニットにおいて裏四隅第二装飾体が退避位置の時の駆動機構の状態を左側面から示す説明図であり、(b)は裏四隅第一ユニットにおいて裏四隅第二装飾体が退避位置から出現位置へ向かう途中の駆動機構の状態を左側面から示す説明図であり、(c)は裏四隅第一ユニットにおいて裏四隅第二装飾体が出現位置の時の駆動機構の状態を左側面から示す説明図である。
裏四隅可動演出ユニット3600は、裏箱3010内における開口部3010aよりも外方の四隅に取付けられている。裏四隅可動演出ユニット3600は、裏箱3010内の四隅における右上隅と左下隅に取付けられる裏四隅第一ユニット3610、裏箱3010内の四隅における左上隅と右下隅に取付けられる裏四隅第二ユニット3650と、を備えている。右上隅に取付けられる裏四隅第一ユニット3610Aに対して、左下隅に取付けられる裏四隅第一ユニット3610Bは、前後に延びた軸線周りに180度回転させた状態で取付けられる。また、左上隅に取付けられる裏四隅第二ユニット3650Aに対して、右下隅に取付けられる裏四隅第二ユニット3650Bは、前後に延びた軸線まわりに180度回転させた状態で取付けられる。
以下では、右上隅に取付けられる裏四隅第一ユニット3610(3610A)と、左上隅に取付けられる裏四隅第二ユニット3650(3650A)について説明し、左下隅に取付けられる裏四隅第一ユニット3610(3610B)と右下隅に取付けられる裏四隅第二ユニット3650(3650B)については、右上隅と左上隅に取付けられているものに対して180度回転しているだけであるため、説明は省略する。
まず、裏四隅第一ユニット3610は、図139及び図140等に示すように、裏箱3010内に取付けられ後方及び下方が開放されている浅い箱状のユニットベース3611と、ユニットベース3611の前面における左右方向の略中央に取付けられており左方(裏箱3010の左右方向中央を向いている方)が開放されている浅い箱状のモータベース3612と、モータベース3612の左側面に取付けられておりモータベース3612の開放されている左側面の前後方向略中央よりも前側を覆っているモータベースカバー前3613と、モータベースカバー前3613よりも後方でモータベース3612の左面に取付けられており右方及び前方が開放されている箱状のモータベースカバー後3614と、モータベース3612の右側面の前部に取付けられており回転軸がモータベース3612内に突出している裏四隅駆動モータ3615と、裏四隅駆動モータ3615の回転軸に取付けられておりモータベースカバー前3613により左方が覆われるようにモータベース3612内に収容されている伝達部材3616と、を備えている。
伝達部材3616は、裏四隅駆動モータ3615の回転軸に取付けられている円柱状の取付軸部3616aと、取付軸部3616aの先端から軸直角方向へ延びている円盤状のベース部3616bと、ベース部3616bにおける右方を向いている面から右方へ板状に突出している検知片3616cと、ベース部3616bの左方を向いている面に備えられている第一伝達部3617と、ベース部3616bの右方を向いている面に備えられている第二伝達部3618と、を備えている。
伝達部材3616の第一伝達部3617は、ベース部3616bの周縁付近からベース部3616bの回転軸と平行に左方へ突出している円柱状の第一伝達ピン3617aと、第一伝達ピン3617aの公転半径よりも小さい半径でベース部3616bの左面から同心円上に左方へ突出している円筒状の第一ロック突部3617bと、第一ロック突部3617bと第一伝達ピン3617aとの間で、第一ロック突部3617bの外周面におけるベース部3616bの中心と第一伝達ピン3617aの中心とを結んだ軸線を境に両側へ均等な範囲から第一ロック突部3617bの中心へ向かって扇状に切欠かれている第一切欠部3617cと、を有している。
伝達部材3616の第二伝達部3618は、ベース部3616bの周縁付近からベース部3616bの回転軸と平行に右方へ突出している円柱状の第二伝達ピン3618aと、第二伝達ピン3618aの公転半径よりも小さい半径でベース部3616bの右面から同心円上に右方へ突出している円筒状の第二ロック突部3618bと、第二ロック突部3618bと第二伝達ピン3618aとの間で、第二ロック突部3618bの外周面におけるベース部3616bの中心と第二伝達ピン3618aの中心とを結んだ軸線を境に両側へ均等な範囲から第二ロック突部3618bの中心へ向かって扇状に切欠かれている第二切欠部3618cと、を有している。
伝達部材3616は、第一伝達ピン3617aと第二伝達ピン3618aの公転半径は、同じである。また、第一伝達ピン3617aに対して、第二伝達ピン3618aが、ベース部3616bの回転軸を中心に180度回転した位置から突出している。更に、第一ロック突部3617bと第二ロック突部3618bの直径は、同じである。更に、伝達部材3616は、第一伝達部3617の第一切欠部3617cと第二伝達部3618の第二切欠部3618cが、第一ロック突部3617bと第二ロック突部3618bの円周に対して72度の角度範囲で扇状に形成されている。
また、裏四隅第一ユニット3610は、伝達部材3616よりも後方の位置で両端がモータベース3612及びモータベースカバー後3614に両端が取付けられている円柱状の被伝達軸部材3619と、被伝達軸部材3619が貫通することにより回転可能に取付けられていると共に伝達部材3616における第一伝達部3617からの回転が伝達されて回転し、回転軸に対して直角方向へ延びている作用アーム3620aを有している第一被伝達部材3620と、被伝達軸部材3619の直下における第一被伝達部材3620よりも下方でモータベース3612及びモータベースカバー後3614に両端が取付けられているリンク軸部材3621と、リンク軸部材3621が基端側を貫通することにより回転可能に取付けられており回転軸に対して直角方向へ第一被伝達部材3620の作用アーム3620aと同じ長さで延びているリンクアーム3622と、上端が第一被伝達部材3620における作用アーム3620aの先端に回転可能に取付けられていると共に上端よりも下側でリンクアーム3622が作用アーム3620aと平行に延びるようにリンクアーム3622の先端が回転可能に取付けられており、下方へ延びているリンク部材3623と、リンク部材3623の下端前面に取付けられており手裏剣を摸した裏四隅第一装飾体3624と、裏四隅第一装飾体3624の後面に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている裏四隅第一装飾基板3625と、を備えている。
第一被伝達部材3620は、左端から作用アーム3620aが延出しており被伝達軸部材3619が貫通している軸部3620bと、軸部3620bの右端から回転軸に対して直角方向へ延びている円盤状の第一被伝達本体部3620cと、第一被伝達本体部3620cの外周面から中心へ向かって凹んでおり第一伝達ピン3617aが摺動可能に挿入される第一伝達スリット3620dと、第一被伝達本体部3620cの外周面における第一伝達スリット3620dの両側において、外周面から中心へ向かって円弧状に凹んでいる一対の第一ロック凹部3620eと、を有している。
第一伝達スリット3620dは、第一被伝達本体部3620cの外周面に開口している向きが、作用アーム3620aが延びている向きと略同じである。第一ロック凹部3620eは、第一伝達部3617の第一ロック突部3617bの直径に対して、若干大きい直径の円弧で凹んでいる。また、一対の第一ロック凹部3620eは、夫々の凹んでいる円弧の中心と、第一被伝達部材3620の回転中心とを結ぶ線同士が、90度の角度で交わるように形成されている。
この第一被伝達部材3620は、裏四隅第一ユニット3610(裏四隅可動演出ユニット3600)を組立てた状態では、第一被伝達本体部3620cが、第一伝達部3617の第一伝達ピン3617a及び第一ロック突部3617bと、左右方向の位置が同じとなっている。これにより、第一伝達スリット3620d内に第一伝達ピン3617aを挿入させることができ、第一伝達ピン3617a及び第一伝達スリット3620dを介して回転を伝達させることができる。また、第一ロック凹部3620e内に第一ロック突部3617bの一部を挿入させることができ、第一ロック凹部3620e内に第一ロック突部3617bの一部が挿入されることにより、第一被伝達部材3620の回転を規制(ロック)することができる。
リンク部材3623には、第一被伝達部材3620の作用アーム3620aの先端と、リンクアーム3622の先端とが、夫々リンクピン3626により回転可能に取付けられている。また、リンク部材3623の前面上部にはリンクカバー3627が取付けられている。裏四隅第一ユニット3610は、モータベース3612と、第一被伝達部材3620の作用アーム3620aと、リンクアーム3622と、リンク部材3623とで、平行リンクを形成しており、第一被伝達部材3620を回転させることで、リンク部材3623を介して裏四隅第一装飾体3624を上下に昇降させることができる。
更に、裏四隅第一ユニット3610は、ユニットベース3611の後端開口を閉鎖しておりユニットベース3611に取付けられている平板状のベースカバー3628と、左右に延びている円柱状で被伝達軸部材3619を中心にして公転する第二作用ピン3629aを有しており、モータベース3612と第一被伝達部材3620との間で被伝達軸部材3619が貫通することにより回転可能に取付けられていると共に伝達部材3616における第二伝達部3618からの回転が伝達されて回転する第二被伝達部材3629と、第二被伝達部材3629の第二作用ピン3629aの公転により前後方向へ延びた軸周りに公転し後方へ円柱状に延びている第一連結ピン3630aを有しており、被伝達軸部材3619よりも後方でユニットベース3611とベースカバー3628とにより回転可能に取付けられている回転連結部材3630と、回転連結部材3630よりも下方でユニットベース3611とベースカバー3628とにより前後方向へ延びた軸周りに回転可能に取付けられており、回転中心から偏芯した位置に後方へ円柱状に突出している第二連結ピン3631aを有している裏四隅第二装飾体ベース3631と、を備えている。
また、裏四隅第一ユニット3610は、一方の端部側が回転連結部材3630の第一連結ピン3630aに回転可能に取付けられていると共に、反対側の端部側が裏四隅第二装飾体ベース3631の第二連結ピン3631aに回転可能に取付けられている帯板状の連結アーム3632と、裏四隅第二装飾体ベース3631の前面に取付けられており円弧状に延びている裏四隅第二装飾体3633と、裏四隅第二装飾体3633の後面に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている裏四隅第二装飾基板3634と、裏四隅第二装飾体3633における先端付近の後面に取付けられており裏四隅第二装飾基板3634の後側の一部を覆う基板カバー3635と、モータベース3612に取付けられており伝達部材3616の検知片3616cを検知可能な裏四隅昇降検知センサ3636と、を備えている。
第二被伝達部材3629は、周縁から右方へ第二作用ピン3629aが突出しており被伝達軸部材3619を中心とした円盤状の第二被伝達本体部3629bと、第二被伝達本体部3629bの外周面から中心へ向かって凹んでおり第二伝達ピン3618aが摺動可能に挿入される第二伝達スリット3629cと、第二被伝達本体部3629bの外周面における第二伝達スリット3629cの両側において、外周面から中心へ向かって円弧状に凹んでいる一対の第二ロック凹部3629dと、を有している。
第二被伝達部材3629の第二伝達スリット3629cは、第二被伝達本体部3629bの外周面に開口している向きが、被伝達軸部材3619を挟んで第二作用ピン3629aとは反対方向を向いている。第二ロック凹部3629dは、第二伝達部3618の第二ロック突部3618bの直径に対して、若干大きい直径の円弧で凹んでいる。また、一対の第二ロック凹部3629dは、夫々の凹んでいる円弧の中心と、第二被伝達部材3629の回転中心とを結ぶ線同士が、90度の角度で交わるように形成されている。
この第二被伝達部材3629は、裏四隅第一ユニット3610(裏四隅可動演出ユニット3600)を組立てた状態では、第二被伝達本体部3629bが、第二伝達部3618の第二伝達ピン3618a及び第二ロック突部3618bと、左右方向の位置が同じとなっている。これにより、第二伝達スリット3629c内に第二伝達ピン3618aを挿入させることができ、第二伝達ピン3618a及び第二伝達スリット3629cを介して回転を伝達させることができる。また、第二ロック凹部3629d内に第二ロック突部3618bの一部を挿入させることができ、第二ロック凹部3629d内に第二ロック突部3618bの一部が挿入されることにより、第二被伝達部材3629の回転を規制(ロック)することができる。
回転連結部材3630は、回転中心から軸直角方向へ扇状に延びており後面の周縁から第一連結ピン3630aが後方へ突出している平板状の本体部3630bと、本体部3630bの周辺から前方へ板状に突出している突出片3630cと、突出片3630cの一部が前端から後方へ向かって第二被伝達部材3629の第二作用ピン3629aが摺動可能に挿通されるように切欠かれている第二被作用部3630dと、を備えている。
回転連結部材3630は、回転中心が、第二被伝達部材3629の回転中心と同じ高さに取付けられている。この回転連結部材3630は、第二被伝達部材3629が回転して第二作用ピン3629aが公転することで、第二被作用部3630dが第二作用ピン3629aにより押圧されて回転する。
裏四隅第二装飾体3633は、手裏剣や刀等の刃物の刃先を摸した形状に形成されており、刃先の細くなった側が裏四隅第二装飾体ベース3631に取付けられている。
裏四隅第一ユニット3610は、ベースカバー3628と、回転連結部材3630と、裏四隅第二装飾体ベース3631と、連結アーム3632とで、回転リンクを形成しており、回転連結部材3630が回転すると、連結アーム3632を介して裏四隅第二装飾体ベース3631が同じ方向へ回転する。これにより、裏四隅第二装飾体ベース3631に取付けられている裏四隅第二装飾体3633を、その先端側が下方へ向かうように回転(回動)させることができる。
続いて、裏四隅第二ユニット3650は、図141及び図142等に示すように、裏箱3010内に取付けられ後方及び下方が開放されている浅い箱状のユニットベース3651と、ユニットベース3651の前面における左右方向の略中央に取付けられており右方(裏箱3010の左右方向中央を向いている方)が開放されている浅い箱状のモータベース3652と、モータベース3652の右側面に取付けられておりモータベース3652の開放されている右側面の前後方向略中央よりも前側を覆っているモータベースカバー前3653と、モータベースカバー前3653よりも後方でモータベース3652の右面に取付けられており左方及び前方が開放されている箱状のモータベースカバー後3654と、モータベース3652の左側面の前部に取付けられており回転軸がモータベース3652内に突出している裏四隅駆動モータ3655と、裏四隅駆動モータ3655の回転軸に取付けられておりモータベースカバー前3653により右方が覆われるようにモータベース3652内に収容されている伝達部材3656と、を備えている。
伝達部材3656は、裏四隅駆動モータ3655の回転軸に取付けられている円柱状の取付軸部3656aと、取付軸部3656aの先端から軸直角方向へ延びている円盤状のベース部3656bと、ベース部3656bにおける右方を向いている面から右方へ板状に突出している検知片3656cと、ベース部3656bの右方を向いている面に備えられている第一伝達部3657と、ベース部3656bの左方を向いている面に備えられている第二伝達部3658と、を備えている。
伝達部材3656の第一伝達部3657は、ベース部3656bの周縁付近からベース部3656bの回転軸と平行に右方へ突出している円柱状の第一伝達ピン3657aと、第一伝達ピン3657aの公転半径よりも小さい半径でベース部3656bの右面から同心円上に右方へ突出している円筒状の第一ロック突部3657bと、第一ロック突部3657bと第一伝達ピン3657aとの間で、第一ロック突部3657bの外周面におけるベース部3656bの中心と第一伝達ピン3657aの中心とを結んだ軸線を境に両側へ均等な範囲から第一ロック突部3657bの中心へ向かって扇状に切欠かれている第一切欠部3657cと、を有している。
伝達部材3656の第二伝達部3658は、ベース部3656bの周縁付近からベース部3656bの回転軸と平行に左方へ突出している円柱状の第二伝達ピン3658aと、第二伝達ピン3658aの公転半径よりも小さい半径でベース部3656bの左面から同心円上に左方へ突出している円筒状の第二ロック突部3658bと、第二ロック突部3658bと第二伝達ピン3658aとの間で、第二ロック突部3658bの外周面におけるベース部3656bの中心と第二伝達ピン3658aの中心とを結んだ軸線を境に両側へ均等な範囲から第二ロック突部3658bの中心へ向かって扇状に切欠かれている第二切欠部3658cと、を有している。
伝達部材3656は、第一伝達ピン3657aと第二伝達ピン3658aの公転半径は、同じである。また、第一伝達ピン3657aに対して、第二伝達ピン3658aが、ベース部3656bの回転軸を中心に180度回転した位置から突出している。更に、第一ロック突部3657bと第二ロック突部3658bの直径は、同じである。更に、伝達部材3656は、第一伝達部3657の第一切欠部3657cと第二伝達部3658の第二切欠部3658cが、第一ロック突部3657bと第二ロック突部3658bの円周に対して72度の角度範囲で扇状に形成されている。
また、裏四隅第二ユニット3650は、伝達部材3656よりも後方の位置で両端がモータベース3652及びモータベースカバー後3654に両端が取付けられている円柱状の被伝達軸部材3659と、被伝達軸部材3659が貫通することにより回転可能に取付けられていると共に伝達部材3656における第一伝達部3657からの回転が伝達されて回転し、回転軸に対して直角方向へ延びている作用アーム3660aを有している第一被伝達部材3660と、被伝達軸部材3659の直下における第一被伝達部材3660よりも下方でモータベース3652及びモータベースカバー後3654に両端が取付けられているリンク軸部材3661と、リンク軸部材3661が基端側を貫通することにより回転可能に取付けられており回転軸に対して直角方向へ第一被伝達部材3660の作用アーム3660aと同じ長さで延びているリンクアーム3662と、上端が第一被伝達部材3660における作用アーム3660aの先端に回転可能に取付けられていると共に上端よりも下側でリンクアーム3662が作用アーム3660aと平行に延びるようにリンクアーム3662の先端が回転可能に取付けられており、下方へ延びているリンク部材3663と、リンク部材3663の下端前面に取付けられており手裏剣を摸した裏四隅第一装飾体3664と、裏四隅第一装飾体3664の後面に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている裏四隅第一装飾基板3665と、を備えている。
第一被伝達部材3660は、左端から作用アーム3660aが延出しており被伝達軸部材3659が貫通している軸部3660bと、軸部3660bの右端から回転軸に対して直角方向へ延びている円盤状の第一被伝達本体部3660cと、第一被伝達本体部3660cの外周面から中心へ向かって凹んでおり第一伝達ピン3657aが摺動可能に挿入される第一伝達スリット3660dと、第一被伝達本体部3660cの外周面における第一伝達スリット3660dの両側において、外周面から中心へ向かって円弧状に凹んでいる一対の第一ロック凹部3660eと、を有している。
第一伝達スリット3660dは、第一被伝達本体部3660cの外周面に開口している向きが、作用アーム3660aが延びている向きと略同じである。第一ロック凹部3660eは、第一伝達部3657の第一ロック突部3657bの直径に対して、若干大きい直径の円弧で凹んでいる。また、一対の第一ロック凹部3660eは、夫々の凹んでいる円弧の中心と、第一被伝達部材3660の回転中心とを結ぶ線同士が、90度の角度で交わるように形成されている。
この第一被伝達部材3660は、裏四隅第二ユニット3650(裏四隅可動演出ユニット3600)を組立てた状態では、第一被伝達本体部3660cが、第一伝達部3657の第一伝達ピン3657a及び第一ロック突部3657bと、左右方向の位置が同じとなっている。これにより、第一伝達スリット3660d内に第一伝達ピン3657aを挿入させることができ、第一伝達ピン3657a及び第一伝達スリット3660dを介して回転を伝達させることができる。また、第一ロック凹部3660e内に第一ロック突部3657bの一部を挿入させることができ、第一ロック凹部3660e内に第一ロック突部3657bの一部が挿入されることにより、第一被伝達部材3660の回転を規制(ロック)することができる。
リンク部材3663には、第一被伝達部材3660の作用アーム3660aの先端と、リンクアーム3662の先端とが、夫々リンクピン3666により回転可能に取付けられている。また、リンク部材3663の前面上部にはリンクカバー3667が取付けられている。裏四隅第二ユニット3650は、モータベース3652と、第一被伝達部材3660の作用アーム3660aと、リンクアーム3662と、リンク部材3663とで、平行リンクを形成しており、第一被伝達部材3660を回転させることで、リンク部材3663を介して裏四隅第一装飾体3664を上下に昇降させることができる。
更に、裏四隅第二ユニット3650は、ユニットベース3651の後端開口を閉鎖しておりユニットベース3651に取付けられている平板状のベースカバー3668と、左右に延びている円柱状で被伝達軸部材3659を中心にして公転する第二作用ピン3669aを有しており、モータベース3652と第一被伝達部材3660との間で被伝達軸部材3659が貫通することにより回転可能に取付けられていると共に伝達部材3656における第二伝達部3658からの回転が伝達されて回転する第二被伝達部材3669と、第二被伝達部材3669の第二作用ピン3669aの公転により前後方向へ延びた軸周りに公転し後方へ円柱状に延びている第一連結ピン3670aを有しており、被伝達軸部材3659よりも後方でユニットベース3651とベースカバー3668とにより回転可能に取付けられている回転連結部材3670と、回転連結部材3670よりも下方でユニットベース3651とベースカバー3668とにより前後方向へ延びた軸周りに回転可能に取付けられており、回転中心から偏芯した位置に後方へ円柱状に突出している第二連結ピン3671aを有している裏四隅第二装飾体ベース3671と、を備えている。
また、裏四隅第二ユニット3650は、一方の端部側が回転連結部材3670の第一連結ピン3670aに回転可能に取付けられていると共に、反対側の端部側が裏四隅第二装飾体ベース3671の第二連結ピン3671aに回転可能に取付けられている帯板状の連結アーム3672と、裏四隅第二装飾体ベース3671の前面に取付けられており円弧状に延びている裏四隅第二装飾体3673と、裏四隅第二装飾体3673の後面に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている裏四隅第二装飾基板3674と、裏四隅第二装飾体3673における先端付近の後面に取付けられており裏四隅第二装飾基板3674の後側の一部を覆う基板カバー3675と、モータベース3652に取付けられており伝達部材3656の検知片3656cを検知可能な裏四隅昇降検知センサ3676と、を備えている。
第二被伝達部材3669は、周縁から左方へ第二作用ピン3669aが突出しており被伝達軸部材3659を中心とした円盤状の第二被伝達本体部3669bと、第二被伝達本体部3669bの外周面から中心へ向かって凹んでおり第二伝達ピン3658aが摺動可能に挿入される第二伝達スリット3669cと、第二被伝達本体部3669bの外周面における第二伝達スリット3669cの両側において、外周面から中心へ向かって円弧状に凹んでいる一対の第二ロック凹部3669dと、を有している。
第二被伝達部材3669の第二伝達スリット3669cは、第二被伝達本体部3669bの外周面に開口している向きが、被伝達軸部材3659を挟んで第二作用ピン3669aとは反対方向を向いている。第二ロック凹部3669dは、第二伝達部3658の第二ロック突部3658bの直径に対して、若干大きい直径の円弧で凹んでいる。また、一対の第二ロック凹部3669dは、夫々の凹んでいる円弧の中心と、第二被伝達部材3669の回転中心とを結ぶ線同士が、90度の角度で交わるように形成されている。
この第二被伝達部材3669は、裏四隅第二ユニット3650(裏四隅可動演出ユニット3600)を組立てた状態では、第二被伝達本体部3669bが、第二伝達部3658の第二伝達ピン3658a及び第二ロック突部3658bと、左右方向の位置が同じとなっている。これにより、第二伝達スリット3669c内に第二伝達ピン3658aを挿入させることができ、第二伝達ピン3658a及び第二伝達スリット3669cを介して回転を伝達させることができる。また、第二ロック凹部3669d内に第二ロック突部3658bの一部を挿入させることができ、第二ロック凹部3669d内に第二ロック突部3658bの一部が挿入されることにより、第二被伝達部材3669の回転を規制(ロック)することができる。
回転連結部材3670は、回転中心から軸直角方向へ扇状に延びており後面の周縁から第一連結ピン3670aが後方へ突出している平板状の本体部3670bと、本体部3670bの周辺から前方へ板状に突出している突出片3670cと、突出片3670cの一部が前端から後方へ向かって第二被伝達部材3669の第二作用ピン3669aが摺動可能に挿通されるように切欠かれている第二被作用部3670dと、を備えている。
回転連結部材3670は、回転中心が、第二被伝達部材3669の回転中心と同じ高さに取付けられている。この回転連結部材3670は、第二被伝達部材3669が回転して第二作用ピン3669aが公転することで、第二被作用部3670dが第二作用ピン3669aにより押圧されて回転する。
裏四隅第二装飾体3673は、手裏剣や刀等の刃物の刃先を摸した形状に形成されており、刃先の細くなった側が裏四隅第二装飾体ベース3671に取付けられている。
裏四隅第二ユニット3650は、ベースカバー3668と、回転連結部材3670と、裏四隅第二装飾体ベース3671と、連結アーム3672とで、回転リンクを形成しており、回転連結部材3670が回転すると、連結アーム3672を介して裏四隅第二装飾体ベース3671が同じ方向へ回転する。これにより、裏四隅第二装飾体ベース3671に取付けられている裏四隅第二装飾体3673を、その先端側が下方へ向かうように回転(回動)させることができる。
続いて、裏四隅可動演出ユニット3600における裏四隅第一装飾体3624,3664と裏四隅第二装飾体3633,3673の動作について、主に図143乃至図145を参照して説明する。裏四隅可動演出ユニット3600は、裏四隅第一ユニット3610と裏四隅第二ユニット3650とが、裏四隅第二装飾体3633,3673、裏四隅第二装飾基板3634,3674、及び基板カバー3635,3675を除いて、略左右対称に形成されており、裏四隅第二装飾体3633,3673、裏四隅第二装飾基板3634,3674、及び基板カバー3635,3675が、点対称に形成されている。従って、ここでは、正面視右上隅の裏四隅第一ユニット3610(3610A)のみを用いて説明し、他の裏四隅第一ユニット3610B及び裏四隅第二ユニット3650については説明を省略する。
裏四隅可動演出ユニット3600(裏四隅第一ユニット3610)は、図143(a)等に示すように、上下に移動する裏四隅第一装飾体3624がユニットベース3611に接近している状態となっていると共に、回動する裏四隅第二装飾体3633が水平に延びている状態となっている。この通常の状態では、図83等に示すように、裏四隅第一装飾体3624及び裏四隅第二装飾体3633が、遊技者側から殆ど視認することができない退避位置に位置している。
この通常の状態では、図144(a)及び図145(a)に示すように、伝達部材3616において、第一伝達部3617の第一伝達ピン3617aが回転中心の直上に位置していると共に、第二伝達部3618の第二伝達ピン3618aが回転中心の直下に位置している。また、通常の状態では、第一被伝達部材3620の作用アーム3620aが斜め上前方へ延出していると共に、第一伝達スリット3620dが斜め上前方へ向かって開口しており、第一伝達スリット3620dの下方の第一ロック凹部3620e内に第一伝達部3617の第一ロック突部3617bが挿入されている。これにより、リンク部材3623を介して裏四隅第一装飾体3624が上昇端に位置していると共に、第一被伝達部材3620が回転不能にロックされている。
また、通常の状態では、第二被伝達部材3629において、第二作用ピン3629aが回転中心に対して斜め上後方に位置していると共に第二伝達スリット3629cが斜め下前方へ向かって開口しており、第二伝達スリット3629cの上方の第二ロック凹部3629d内に第二伝達部3618の第二ロック突部3618bが挿入されている。これにより、回転連結部材3630、連結アーム3632、及び裏四隅第二装飾体ベース3631を介して裏四隅第二装飾体3633が略水平に延びていると共に、第二被伝達部材3629が回転不能にロックされている。更に、通常の状態では、伝達部材3616の検知片3616cが、裏四隅昇降検知センサ3636により検知されている。
この通常の状態で、裏四隅駆動モータ3615により第一伝達部3617の第一伝達ピン3617aが後方へ移動するように伝達部材3616を左側面視で反時計回りの方向へ回転させると、第一伝達ピン3617aが後方へ移動するように公転して、第一被伝達部材3620の第一伝達スリット3620d内に進入すると同時に、第一ロック突部3617bが第一ロック凹部3620e内から外れてロックが解除され、第一被伝達部材3620が回転可能な状態となる。また、伝達部材3616の検知片3616cが公転して、裏四隅昇降検知センサ3636が非検知の状態となる。そして、第一伝達ピン3617aが更に反時計回りの方向へ公転すると、第一伝達ピン3617aが第一伝達スリット3620dの内面を下方へ押圧し、第一被伝達部材3620が被伝達軸部材3619を中心に時計回りの方向へ回転することとなる。
この第一被伝達部材3620が左側面視で時計回りの方向へ回転すると、軸直角方向へ延びている作用アーム3620aの先端が下方へ移動するように回転することとなるため、作用アーム3620aの先端に取付けられているリンク部材3623を介して裏四隅第一装飾体3624が下方へ移動することとなる(図144(b)を参照)。この際に、リンク部材3623は、作用アーム3620aとリンクアーム3622とによる平行リンクによって取付けられているため、裏四隅第一装飾体3624がそのままの姿勢で下方へ移動する。
一方、伝達部材3616における第二伝達部3618では、第二伝達ピン3618aが第二被伝達部材3629から遠ざかる方向へ公転すると共に、第二ロック突部3618bが第二ロック凹部3629d内に挿入されており、第二被伝達部材3629が回転することはなく裏四隅第二装飾体3633は退避位置から回動することはない。
そして、第一伝達ピン3617aが更に左側面視で反時計回りの方向へ公転して、第一伝達スリット3620dから外れると、第一被伝達部材3620の回転が停止して、裏四隅第一装飾体3624の下方への移動が停止する(図143(b)及び図144(c)を参照)。この第一伝達ピン3617aが第一伝達スリット3620dから外れる際に、第一伝達スリット3620dの上方の第一ロック凹部3620e内に第一ロック突部3617bが進入し、第一ロック突部3617bにより第一被伝達部材3620の回転がロックされる。従って、第一被伝達部材3620がこれ以上時計回りの方向へ回転することはなく、裏四隅第一装飾体3624が停止したままの状態で維持される。この状態では、図154に示すように、裏四隅第一装飾体3624がセンター役物2500の枠内に位置しており、遊技者側から視認することができる。つまり、裏四隅第一装飾体3624が、出現位置の状態である。
裏四隅第一装飾体3624が出現位置の状態で、裏四隅駆動モータ3615により、伝達部材3616を上記とは逆方向(左側面視で時計回りの方向)へ回転させると、上記とは逆の動作をして第一被伝達部材3620が反時計回りの方向へ回転し、作用アーム3620aを介して裏四隅第一装飾体3624が上昇し、通常の状態(退避位置の状態)に復帰する。そして、伝達部材3616の検知片3616cが、裏四隅昇降検知センサ3636により検知されると、裏四隅駆動モータ3615の回転(駆動)が停止する。本実施形態では、伝達部材3616(第一伝達部3617)において、第一伝達ピン3617aが第一伝達スリット3620d内に挿入されている回転範囲が、第一特定回転範囲である。
この裏四隅第一ユニット3610は、通常の状態(図145(a)の状態)で、裏四隅駆動モータ3615により第二伝達部3618の第二伝達ピン3618aが後方へ移動するように伝達部材3616を左側面視で時計回りの方向へ回転させると、第二伝達ピン3618aが後方へ移動するように公転して、第二被伝達部材3629の第二伝達スリット3629c内に進入すると同時に、第二ロック突部3618bが第二ロック凹部3629d内から外れてロックが解除され、第二被伝達部材3629が回転可能な状態となる。また、伝達部材3616の検知片3616cが公転して、裏四隅昇降検知センサ3636が非検知の状態となる。そして、第二伝達ピン3618aが更に時計回りの方向へ公転すると、第二伝達ピン3618aが第二伝達スリット3629cの内面を上方へ押圧し、第二被伝達部材3629が被伝達軸部材3619を中心に反時計回りの方向へ回転することとなる。
この第二被伝達部材3629が左側面視で反時計回りの方向へ回転すると、第二被伝達部材3629の第二作用ピン3629aが下方へ移動するように公転し、第二作用ピン3629aの下方への移動に伴って、回転連結部材3630の第二被作用部3630dが下方へ移動するように回転連結部材3630が前後に延びた軸周り(正面視で反時計回りの方向)に回転する。そして、回転連結部材3630が回転すると、連結アーム3632により連結されている裏四隅第二装飾体ベース3631が回転連結部材3630と同じ方向へ回転し、裏四隅第二装飾体ベース3631に取付けられている裏四隅第二装飾体3633も同じ方向(先端側が下方へ移動する方向、つまり、正面視で反吐血周りの方向)へ回転することとなる(図145(d)を参照)。
一方、伝達部材3616における第一伝達部3617では、第一伝達ピン3617aが第一被伝達部材3620から遠ざかる方向へ公転すると共に、第一ロック突部3617bが第一ロック凹部3620e内に挿入されており、第一被伝達部材3620が回転することはなく裏四隅第一装飾体3624は退避位置から移動することはない。
そして、第二伝達ピン3618aが更に左側面視で時計回りの方向へ公転して、第二伝達スリット3629cから外れると、第二被伝達部材3629の回転が停止して、裏四隅第二装飾体3633の先端側が下方へ向かう回転が停止する(図143(c)及び図145(c)を参照)。この第二伝達ピン3618aが第二伝達スリット3629cから外れる際に、第二伝達スリット3629cの上方の第二ロック凹部3629d内に第二ロック突部3618bが進入し、第二ロック突部3618bにより第二被伝達部材3629の回転がロックされる。従って、第二被伝達部材3629がこれ以上反時計回りの方向へ回転することはなく、裏四隅第二装飾体3633が回転停止したままの状態で維持される。この状態では、図143(c)に示すように、裏四隅第二装飾体3633が、水平に対して約45度傾いており、図153に示すように、裏四隅第二装飾体3633がセンター役物2500の枠内を通して遊技者側から視認することができる。つまり、裏四隅第二装飾体3633が、出現位置の状態である。
裏四隅第二装飾体3633が出現位置の状態で、裏四隅駆動モータ3615により、伝達部材3616を上記とは逆方向(左側面視で反時計回りの方向)へ回転させると、上記とは逆の動作をして第二被伝達部材3629が時計回りの方向へ回転し、回転連結部材3630や連結アーム3632等を介して裏四隅第二装飾体3633が、その先端側が上昇するように回転し、通常の状態(退避位置の状態)に復帰する。そして、伝達部材3616の検知片3616cが、裏四隅昇降検知センサ3636により検知されると、裏四隅駆動モータ3615の回転(駆動)が停止する。本実施形態では、伝達部材3616(第二伝達部3618)において、第二伝達ピン3618aが第二伝達スリット3629c内に挿入されている回転範囲が、第二特定回転範囲である。
このように、裏四隅可動演出ユニット3600は、一つの裏四隅駆動モータ3615,3655の回転により、裏四隅第一装飾体3624,3664を出現させたり、裏四隅第二装飾体3633,3673を出現させたりすることができると共に、右上隅の裏四隅第一ユニット3610A、左下隅の裏四隅第一ユニット3610B、左上隅の裏四隅第二ユニット3650A、及び右下隅の裏四隅第二ユニット3650Bを、夫々独立して別々に動作させることができるため、より多彩な可動演出を遊技者に提示することができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制することができる。
[5−10.遊技盤における可動演出]
次に、本実施形態の遊技盤5における主な可動演出について、主に図146乃至図154を参照して詳細に説明する。図146は、センター役物における表上可動演出ユニットの表上可動装飾体の動きを示す遊技盤の正面図である。また、図147は裏ユニットにおける裏上可動演出ユニットの裏上装飾体が第一出現位置の状態を示す遊技盤の正面図であり、図148は裏ユニットにおける裏上可動演出ユニットの裏上装飾体が第二出現位置で、且つ、裏下前可動演出ユニットの裏下前第一装飾体と裏下前第二装飾体とが出現位置の状態を示す遊技盤の正面図である。
また、図149は、裏ユニットにおける裏右可動演出ユニットの裏右回転装飾体の第一装飾面を前方へ向けた状態で一対のシャッターが開いていると共に、裏左可動演出ユニットの裏左回転装飾体の第一装飾面を前方へ向けた状態で裏左突出装飾体が出現位置の状態を示す遊技盤の正面図である。更に、図150は、裏ユニットにおける裏右可動演出ユニットの裏右回転装飾体と裏左可動演出ユニットの裏左回転装飾体とを夫々の第二装飾面を前方へ向けた状態で示す遊技盤の正面図である。また、図151は、裏ユニットにおける裏右可動演出ユニットの裏右回転装飾体と裏左可動演出ユニットの裏左回転装飾体とを夫々の第三装飾面を前方へ向けた状態で示す遊技盤の正面図である。
更に、図152は、裏ユニットにおける裏下後可動演出ユニットの裏下後回転装飾体を上昇端位置で正面視反時計回りの方向へ回転させている状態を示す遊技盤の正面図である。また、図153は、裏ユニットにおける裏下後可動演出ユニットの裏下後回転装飾体を上昇端位置で正面視時計回りの方向へ回転させていると共に、裏四隅可動演出ユニットの裏四隅第二装飾体が出現位置の状態を示す遊技盤の正面図である。また、図154は、裏ユニットにおける裏四隅可動演出ユニットの裏四隅第一装飾体を出現位置の状態で示す遊技盤の正面図である。
この遊技盤5は、図83等に示すように、通常の状態では、センター役物2500の枠内を通して後方に配置されている中央液晶表示装置1500の表示画面が、遊技者側から良好に視認することができる。また、通常の状態では、センター役物2500における表上可動演出ユニット2560の表上可動装飾体2561が上昇していると共に、表下可動演出ユニット2570の第一回転装飾体2572、第二回転装飾体2573、及び第三回転装飾体2574が回転停止している。更に、通常の状態では、裏上可動演出ユニット3100の裏上装飾体3152が、天地が逆転した状態でセンター役物2500の枠内よりも上側後方の退避位置に位置しており、一部がセンター役物2500の枠内の上辺よりも下方に突出して遊技者側から視認することができる状態となっている。
また、通常の状態では、裏下前可動演出ユニット3200の裏下前第一装飾体3209と裏下前第二装飾体3212が、センター役物2500の下辺の後方となって遊技者側から視認し難い退避位置に位置している。また、通常の状態では、裏右可動演出ユニット3300と裏左可動演出ユニット3400の裏右回転装飾体3310と裏左回転装飾体3410とが、夫々第一装飾面3310a,3410aを前方(正面)へ向けた状態で回転停止しており、更に、裏右回転装飾体3310の一対のシャッター3312が閉じていると共に、裏左回転装飾体3410の二つの裏左突出装飾体3421が裏左回転装飾体3410内へ視認不能に没入している退避位置に位置している。
更に、通常の状態では、裏下後可動演出ユニット3500の裏下後回転装飾体3568が下降端位置に位置しており、一部が遊技者側から視認できるようにセンター役物2500の下辺から枠内に臨んでいる。また、通常の状態では、裏四隅可動演出ユニット3600の裏四隅第一装飾体3624,3664及び裏四隅第二装飾体3633,3673が、遊技者側から視認し難いセンター役物2500の枠内よりも外方の退避位置に位置している。
この遊技盤5は、通常の状態から、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球が受入れられることで抽選される第一特別抽選結果や第二特別抽選結果に応じて、表上可動演出ユニット2560、表下可動演出ユニット2570、裏上可動演出ユニット3100、裏下前可動演出ユニット3200、裏右可動演出ユニット3300、裏左可動演出ユニット3400、裏下後可動演出ユニット3500、及び裏四隅可動演出ユニット3600が、所定の可動演出を行う。
具体的には、例えば、センター役物2500の表上可動演出ユニット2560では、表上駆動モータ2563の回転駆動により、表上可動装飾体2561を通常の位置から下降させて中央液晶表示装置1500の前面上部に位置させる(図146を参照)。これにより、中央液晶表示装置1500の上部が表上可動装飾体2561により覆われることで、遊技者に対して遊技状態が変化するのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせることができる。
また、センター役物2500の表下可動演出ユニット2570では、表下駆動モータ2575により、第一回転装飾体2572、第二回転装飾体2573、及び第三回転装飾体2574を、グルグルと回転させる(図96(b)を参照)。これにより、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせることができる。
更に、裏ユニット3000の裏上可動演出ユニット3100では、裏上駆動モータ3103の回転駆動により、裏上装飾体3152を天地が逆転している状態で、退避位置から第一出現位置へ下降させる(図147を参照)。この状態では、裏上装飾体3152の一対の開口部3152aと、開口部3152a内に臨んでいる副装飾3157aとが、センター役物2500の枠内を通して部分的に遊技者側から視認することができる。これにより、裏上装飾体3152により摸されている所定のキャラクタが、上から逆さまになって覗いているように見えるため、遊技者を驚かせることができると共に、キャラクタの出現により楽しませることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制することができる。また、この状態で、裏上副駆動モータ3159の回転駆動により、裏上副装飾体3157を左右に往復移動させると、裏上装飾体3152によって摸されている所定のキャラクタの瞳(副装飾3157a)が左右にキョロキョロすることとなり、遊技者を更に驚かせることができると共に可動演出を楽しませることができる。
また、裏上可動演出ユニット3100では、裏上装飾体3152が第一出現位置の状態で、更に裏上駆動モータ3103の回転駆動により、裏上装飾体3152を更に下方の第二出現位置へ移動させる(図148を参照)。裏上装飾体3152が第一出現位置から第二出現位置へ下降する際に、裏上装飾体3152により摸されている所定のキャラクタの天地が逆転していた状態から、天地が正常な状態へ回転しながら下降するため、裏上装飾体3152の動きがダイナミックな動きとなり、遊技者の関心を強く引き付けることができると共に、遊技者を大いに驚かせることができ。
裏上装飾体3152が第二出現位置の状態では、図示するように、裏上装飾体3152により摸されている所定のキャラクタの天地が正常な状態になっていると共に、裏上装飾体3152がセンター役物2500の枠内の略中央に位置している。これにより、裏上装飾体3152が遊技領域5a内で目立つようになり、遊技者の関心を強く引き付けることができると共に、遊技者に対して有利遊技状態が発生するのを大いに予感させることができる。この第二出現位置の状態でも裏上副駆動モータ3159の回転駆動により、裏上装飾体3152によって摸されている所定のキャラクタの瞳を左右にキョロキョロさせることができ、遊技者をより楽しませることができる。
この裏上可動演出ユニット3100では、裏上装飾体3152を、退避位置と第一出現位置との間で昇降させたり、第一出現位置と第二出現位置との間で昇降させたり、退避位置と第二出現位置との間で昇降させたり、することができると共に、第一出現位置や第二出現位置の時に、瞳をキョロキョロさせたりさせなかったりすることができるため、それらの動作を適宜組み合わせることにより多彩な可動演出を行うことができ、遊技者を飽きさせ難くすることができる。
また、裏ユニット3000の裏下前可動演出ユニット3200では、裏上可動演出ユニット3100の裏上装飾体3152が第二出現位置の時に、裏下前駆動モータ3202の回転駆動により、退避位置の裏下前第一装飾体3209と裏下前第二装飾体3212とを、センター役物2500の枠内に位置している出現位置へ移動させる(図148を参照)。これにより、図示するように、手を摸した裏下前第一装飾体3209が、頭(顔)を摸した裏上装飾体3152の前方に位置することで、所定のキャラクタがあたかも呪文を唱えているような(印を結んでいるような)状態となるため、遊技者に対して強いインパクトを与えることができ、有利遊技状態の発生に対する期待感をより一層高めさせることができる。
更に、裏ユニット3000の裏右可動演出ユニット3300では、通常の状態(第一装飾面3310aを前方へ向けて回転停止している状態)で、図示しない裏右シャッターソレノイドにより一対のシャッター3312を離反させて、シャッター3312の間から内側装飾体3313を前方へ臨ませる(図149を参照)と共に、内側装飾体3313を発光装飾させる。これにより、遊技者に対してチャンスの到来等を示唆することができる。
また、裏右可動演出ユニット3300では、裏右駆動モータ3304により、裏右回転装飾体3310を、グルグル回転させる。これにより、遊技者に対して、遊技状態が変化する兆しを感じさせることができ、遊技に対する期待感を高めさて興趣の低下を抑制させることができる。
また、裏右可動演出ユニット3300では、裏右駆動モータ3304により、裏右回転装飾体3310を回転させて第二装飾面3310bを前方(正面)へ向けて停止させる(図150を参照)。これにより、第二装飾面3310bの裏右文字装飾3318が遊技者側から視認できるようになるため、裏右文字装飾3318の認識によりチャンスの到来を遊技者に予感させることができる。
更に、裏右可動演出ユニット3300では、裏右駆動モータ3304により、裏右回転装飾体3310を回転させて第三装飾面3310cを前方(正面)へ向けて停止させる(図151を参照)。これにより、裏右演出空間3321内で上下へ螺旋状に延びている球誘導部材3322が遊技者側から視認できるようになるため、遊技者に対して裏右演出空間3321内へ遊技球が供給される時期、つまり、上大入賞口2006が開くのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせることができる。
また、裏ユニット3000の裏左可動演出ユニット3400では、通常の状態(第一装飾面3410aを前方へ向けて回転停止している状態)で、裏左装飾体ソレノイド3422の駆動により、裏左回転装飾体3410の外周面から裏左突出装飾体3421が外方へ突出する(図149を参照)。これにより、円筒状で回転する裏左回転装飾体3410から、裏左突出装飾体3421が突出することで、遊技者を驚かせることができると共に、何か良いことがあるのではないかと思わせて遊技に対する期待感を高めさせることができる。
また、裏左可動演出ユニット3400では、裏左駆動モータ3404の回転駆動により、裏左回転装飾体3410を、グルグル回転させる。これにより、遊技者に対して、遊技状態が変化する兆しを感じさせることができ、遊技に対する期待感を高めさて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、裏左可動演出ユニット3400では、裏左駆動モータ3404により、裏左回転装飾体3410を回転させて第一装飾面3410aを前方(正面)へ向けて停止させる(図83等を参照)。この第一装飾面3410aには、ドアを模したドア装飾3411が備えられているため、遊技者に対して裏右可動演出ユニット3300における裏右回転装飾体3310の第一装飾面3310aのシャッター3312と同様にドア装飾3411も開くのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせることができる。
また、裏左可動演出ユニット3400では、裏左駆動モータ3404により、裏左回転装飾体3410を回転させて第二装飾面3410bを前方(正面)へ向けて停止させる(図150を参照)。これにより、第二装飾面3410bの裏左文字装飾3413が遊技者側から視認できるようになるため、裏左文字装飾3413の認識によりチャンスの到来を遊技者に予感させることができる。
また、裏左可動演出ユニット3400では、裏左駆動モータ3404により、裏左回転装飾体3410を回転させて第三装飾面3410cを前方(正面)へ向けて停止させる(図151を参照)。そして、図示は省略するが、この状態で、裏左第三装飾基板3417のLEDにより、赤色の光を発光させると赤図柄を裏左投影部3415に投影させることができ、青色の光を発光させると青図柄を裏左投影部3415に投影させることができる。これにより、裏左投影部3415に投影される図柄によって、遊技者に対してチャンスの到来等を示唆することができ、遊技者を楽しませたり期待感を高めさせたりすることができる。
これら裏右可動演出ユニット3300及び裏左可動演出ユニット3400は、裏右回転装飾体3310及び裏左回転装飾体3410を、同時にグルグルと回転させることで、センター役物2500の枠内の左右両端(中央液晶表示装置1500の左右両外側)で可動演出を行うことができ、回転する裏右回転装飾体3310及び裏左回転装飾体3410により遊技者の期待感を高めさせて興趣の低下を抑制することができる。また、裏右回転装飾体3310及び裏左回転装飾体3410を、回転停止させる装飾面を適宜選択することで、可動演出のパターンを多彩にすることができ、遊技者が飽き難くすることができる。
更に、裏ユニット3000の裏下後可動演出ユニット3500では、裏下後昇降駆動モータ3512の回転駆動により、裏下後回転装飾体3568をセンター役物2500の枠内の略中心である上昇端位置へ上昇させる。そして、裏下後回転装飾体3568が上昇端位置の時に、裏下後回転駆動モータ3553により、裏下後回転装飾体3568を正面視反時計回りの方向へグルグルと回転させる(図152を参照)。これにより、センター役物2500のステージ2530の上方で遊技者側へ僅かに望んでいる裏下後回転装飾体3568が上昇してセンター役物2500の枠内の中央に位置することで、遊技者を驚かせて何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせることができる。加えて、裏下後回転装飾体3568が反時計周りの方向へグルグル回転することで、遊技者に対して、更に遊技に対する期待感を高めさせることができる。
また、裏下後可動演出ユニット3500では、裏下後回転装飾体3568が上昇端位置の時に、裏下後回転駆動モータ3553により、裏下後回転装飾体3568を正面視時計回りの方向へ回転させると、四つの裏下後回転装飾体3568が互いに離反するように開いて大きくなった状態で回転する(図153を参照)。これにより、反時計回りに回転している時と比較して、裏下後回転装飾体3568の直径が大きくなるため、遊技者の遊技に対する期待感をより一層高めさせることができる。
また、裏ユニット3000の裏四隅可動演出ユニット3600では、裏四隅駆動モータ3615,3655の回転駆動により、裏四隅第一装飾体3624,3664が、退避位置からセンター役物2500の枠内に位置する出現位置へ昇降する(図154を参照)。
これにより、四つの裏四隅第一装飾体3624,3664が出現することで遊技者を驚かせることができると共に、チャンスの到来等を示唆することができる。
また、裏四隅可動演出ユニット3600では、裏四隅駆動モータ3615,3655の回転駆動により、裏四隅第二装飾体3633,3673が、退避位置からセンター役物2500の枠内に位置する出現位置へ回動する(図153を参照)。これにより、センター役物2500の枠内の中央を中心に放射状に延びる四つの裏四隅第二装飾体3633,3673が出現することで、遊技者を驚かせることができると共に、何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせることができる。裏四隅可動演出ユニット3600では、裏下後可動演出ユニット3500の裏下後回転装飾体3568が上昇端位置の時に、裏四隅第二装飾体3633,3673を出現位置へ回動させることで、センター役物2500の枠内に大型の手裏剣が出現したように見せることができる(図153を参照)。これにより、遊技者に対して有利遊技状態の発生を確信させることができ、遊技に対する期待感を可及的に高めさせることができると共に、遊技に対する興趣を高めさせることができる。
[6.主制御基板の制御処理]
次に、主制御基板(特に主制御基板に搭載される主制御MPU)で実行される制御処理の例について説明する。図155(a)は、当該パチンコ機1に電源が投入されたとき、上記主制御基板の主制御MPUによって行われる制御処理の手順を示すフローチャートである。
同図155(a)に示されるように、この実施の形態にかかる主制御基板はまず、図示しないRAMクリアスイッチが操作されていることを条件にステップS1の処理として、各種のレジスタや主制御内蔵RAMに格納されているデータを初期化する。RAMクリアスイッチはパチンコ機1の背面側に設けられ、本体枠4が開放されなければ操作できないようになっている。また、RAMクリアスイッチは電源投入から所定期間(例えば1秒)が経過する以前の操作に応じてクリア信号を主制御基板に出力し、電源投入時に主制御MPUがクリア信号を入力されていると判断した場合に初期化処理(ステップS1)を実行して各種のレジスタや主制御内蔵RAMに格納されているデータを初期化するようになっている。
なお、図示していないがこの例では、パチンコ機1への電源を遮断するときには遊技の進行状況を示す情報(例えば各種フラグ等)を主制御内蔵RAMに保存するバックアップ処理を実行する。そしてパチンコ機1への電源を投入したときにRAMクリアスイッチが操作されていなければ、初期化処理(ステップS1)を実行することなくバックアップ処理で主制御内蔵RAMに保存された情報を参照し、該情報に応じた状態に復旧させる復旧処理を実行する。また、パチンコ機1への電源投入時にRAMクリアスイッチを操作した場合には、復旧処理を実行することなく初期化処理を実行してパチンコ機1を初期状態に設定するようになっている。
次いで、ステップS2の処理として、予め定められた数値範囲内で更新される数である乱数の更新を行う。すなわち、この実施の形態にかかる主制御基板では、第一特別図柄表示器に変動表示される第一特別図柄及び第二特別図柄表示器に変動表示される第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理に供される特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)、上記特別図柄の変動表示制御に要する所定の時間(変動時間)についての抽選処理に供される変動乱数、上記特別図柄の変動表示に対応して中央液晶表示装置1500で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか否かの抽選処理に供されるリーチ乱数、上記特別乱数に基づいて大当りとすると判定された場合に大当りの種類を決定するための抽選処理に供される図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)、上記第二始動口扉部材2323の動作契機となる当りの当落にかかる抽選処理に供される乱数(普通乱数)等々、といった乱数を保持する乱数カウンタを備えている。
なお、本例では第一特別図柄と第二特別図柄とで共通のリーチ乱数を用いるように、すなわち第一始動口2002に始動入賞した場合であっても、第二始動口2004に始動入賞した場合であっても、リーチ乱数を更新する同一のカウンタからリーチ乱数を取得するように構成しているが、リーチ乱数を更新する乱数の範囲が異なるカウンタから取得することによりリーチ演出の実行割合を異ならせるようにしてもよいし、取得したリーチ乱数と比較するリーチ判定テーブルとして第一特別図柄に対応する第一リーチ判定テーブルと、第二特別図柄と対応し、第一リーチ判定テーブルとは異なる判定値が設定される第二リーチ判定テーブルとを備えることによりリーチ演出の実行割合を異ならせるようにしてもよい。
このステップS2の処理では、これら乱数のうちの当落に関わらない乱数(変動乱数)のみが更新されるかたちで当該乱数カウンタのカウンタ操作が行われることとなる。なお、こうしてステップS1及びS2の処理が行われた後は、上記ステップS2の処理のみが基本的に繰り返し行われる。ただし、この実施の形態では、例えば4mS毎に以下のタイマ割込制御が行われる。
図155(b)は、上記主制御基板の主制御MPUによって定期的に行われるタイマ割込制御についてその処理手順を示すフローチャートである。
同図155(b)に示されるように、この割込制御ではまず、ステップS11の処理として、レジスタの退避処理が行われる。次いで、ステップS12の処理として、上記ゲートセンサ2305、上記第一始動口センサ2107、上記第二始動口センサ2325、上記上大入賞口センサ2552及び下大入賞口センサ2354、上記一般入賞口センサ3050など、各種のセンサからの検出信号が入力される。そして次に、ステップS13の処理として、上記乱数を発生させる乱数カウンタの値を更新するための乱数更新処理が行われる。なお、このステップS13の処理では、上記乱数のうち、上記特別図柄及び上記普通図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(特別乱数、普通乱数)が更新されるかたちで上記乱数カウンタのカウンタ操作が行われる。
そして、こうして乱数の更新が行われた後、当該主制御基板の主制御MPUは、ステップS14の処理として、上記特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む特別図柄プロセス処理を実行する。なお、この特別図柄プロセス処理については後述するが、ここでは、基本的に、上記主制御内蔵RAMに格納されている遊技の進行状況を示す特別図柄プロセスフラグ(第一特別図柄プロセスフラグ、第二特別図柄プロセスフラグ)に基づいて該当する処理が選択的に実行されることとなる。
そして次に、同主制御基板の主制御MPUは、ステップS15の処理として、上記第二始動口扉部材2323の動作契機となる当りの当落にかかる抽選処理を含む普通図柄プロセス処理を実行する。なお、この普通図柄プロセス処理でも、基本的に、遊技の進行状況を示す普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選択的に実行されることとなる。
また、上記主制御基板の主制御MPUは、大当り遊技状態(一部の大当りを除く)の終了後の所定期間内は、上記第二始動口扉部材2323の駆動頻度がより高くなるように当該抽選処理を実行する構成となっている(いわゆる時短状態)。なお、この実施の形態では、上記大当り遊技状態の終了後の所定期間だけ上記普通図柄の変動表示制御に要する時間を短縮することによって、こうした時短状態を実現するようにしている。
具体的には、上記時短状態の制御(時短制御という)において、上記普通図柄の当選確率を1分の1(100%当り)に設定するとともに、上記普通図柄の変動表示制御に要する時間を非時短状態よりも短い所定時間(例えば、0.08秒)に短縮し、上記普通図柄の抽選結果が当りとなったときには、上記第二始動口2004の第二始動口扉部材2323を、例えば、5.5秒間前進させて第二始動口2004への遊技球の受入れを可能とした後に再び後退させて第二始動口2004への遊技球の受入れを不能にする。
一方、上記非時短制御においては、上記普通図柄の当選確率を0%に設定するとともに普通図柄の変動表示制御に要する時間を所定の変動時間(例えば、5秒)に設定することで第二始動口2004への遊技球の受入れを不能とする。なお、非時短状態においても普通図柄の当選確率を0%以上となるようにしてもよく、この場合には時短状態よりも低い当選確率(例えば50%)とし、普通図柄の抽選結果が当りとなったときに上記第二始動口2004の第二始動口扉部材2323を時短状態よりも短い時間、例えば、2秒間前進させて第二始動口2004への遊技球の受入れを可能とした後に再び後退させて第二始動口2004への遊技球の受入れを不能にするようにしてもよい。
つまり、非時短状態では、普通図柄の当選確率は0%であるため、この場合には右打ちしたとしても第二始動口2004への遊技球の入賞は不可能である。従って、非時短状態では、上記第二始動口2004ではなく、上記第一始動口2002に多くの遊技球が入賞するように、センター役物2500の左側を狙って遊技球を発射(いわゆる「左打ち」)することが好ましい。
一方、時短状態では、普通図柄の当選確率は100%であり、更に第二始動口2004の第二始動口扉部材2323を長期間(この例では5.5秒間)に亘って前進させるため、この場合には右打ちすることで第二始動口2004への遊技球の入賞が容易となる。従って、非時短状態では、上記第一始動口2002ではなく、上記第二始動口2004に多くの遊技球が入賞するように、センター役物2500の右側を狙って遊技球を発射(いわゆる「右打ち」)することが好ましい。
なお、時短制御としては、上記普通図柄の当選確率を非時短状態よりも高める制御、上記普通図柄の変動表示制御に要する時間を非時短状態よりも短縮する制御、上記第二始動口2004の第二始動口扉部材2323を前進させる期間を非時短状態よりも延長する制御、上記第二始動口2004の第二始動口扉部材2323を前進させる回数を非時短状態よりも増加する制御、第一特別図柄表示器や第二特別図柄表示器における特別図柄の変動表示制御に要する時間(中央液晶表示装置1500における装飾図柄の変動表示制御に要する時間)を非時短状態よりも短縮する制御、のうち何れか一つ又は任意の組み合わせ(全部でもよい)を実行するようにしてもよい。
また、上記特別図柄プロセス処理(ステップS14)及び普通図柄プロセス処理(ステップS15)が行われると、上記主制御基板の主制御MPUは、次にステップS16の処理として、同特別図柄プロセス処理にて主制御内蔵RAMの所定の領域に設定されたコマンドを上記周辺制御基板などに送信する処理を行う。次いで、ステップS17の処理として、上記普通図柄プロセス処理にて同じく主制御内蔵RAMの所定の領域に設定されたコマンドを例えば上記周辺制御基板などに送信する処理を行う。
また、同主制御基板の主制御MPUは、次にステップS18の処理として、例えばホール管理用コンピュータに供給される当り情報などのデータを出力する情報出力処理を行う。
そして次に、同主制御基板の主制御MPUは、ステップS19の処理として、上記第一始動口センサ2107、上記第二始動口センサ2325、上記上大入賞口センサ2552及び下大入賞口センサ2354、一般入賞口センサ3050などの検出信号がオン状態にあるときは、それら信号に応じた賞球が遊技者に払い出されるよう上記払出制御基板に払出制御コマンドを出力する。これにより、上記払出制御基板に搭載される払出制御MPUは、払出モータ834に駆動信号を出力し、遊技者に賞球を払い出すようになる。本例では上記第一始動口2002に遊技球が入賞して上記第一始動口センサ2107がオン状態になると「3球」、上記第二始動口2004に遊技球が入賞して上記第二始動口センサ2325がオン状態になると「1球」、上記大入賞口(上大入賞口2006、下大入賞口2005)に遊技球が入賞して上大入賞口センサ2552又は下大入賞口センサ2354がオン状態になると「14球」、上記一般入賞口2001に遊技球が入賞して上記一般入賞口センサ3050がオン状態になると「10球」の賞球をそれぞれ遊技者に払い出すようになっている。
また、同主制御基板の主制御MPUは、次にステップS20の処理として、保留数の増減をチェックする記憶処理を実行する。次いで、ステップS21の処理として、パチンコ機1の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する。そしてその後、常時動作するアクチュエータの駆動制御を行うとともに(ステップS22)、上記レジスタの内容を復帰させ(ステップS23)、割込許可状態に設定した時点で(ステップS24)、この制御が終了することとなる。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4mS毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマによる割込処理によって遊技制御処理を実行することとしたが、当該割込処理では例えば割り込みが発生したことを示すフラグのセットのみを行うようにしてもよい。ただしこの場合、遊技制御処理をメイン処理にて実行することとなる。
図156は、上記特別図柄プロセス処理(ステップS14)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、各種の抽選処理に供される乱数が更新されたとすると(ステップS13)、同図156に示されるように、この主制御基板の主制御MPUはまず、上記第一始動口センサ2107による検出信号がオン状態(第一始動口2002への入球あり)にあることを条件に(ステップS31)、第一特別図柄の第一特別乱数を上記乱数カウンタから取得してこれを主制御内蔵RAMの第一特別図柄保留記憶領域に格納するなどの第一始動口通過処理を実行する(ステップS32)。また、上記第二始動口センサ2325による検出信号がオン状態(第二始動口2004への入球あり)にあることを条件に(ステップS33)、第二特別図柄の第二特別乱数を上記乱数カウンタから取得してこれを主制御内蔵RAMの第二特別図柄保留記憶領域に格納するなどの第二始動口通過処理を実行する(ステップS34)。
次いで、大当り遊技状態に制御している旨を示す大当り実行中フラグがセットされているか否かを判別し(ステップS35)、大当り実行中フラグがセットされていれば、大当り遊技状態の制御を行う大当り制御処理(ステップS40)を実行する。なお、大当り制御処理では、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果及び第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が「4R通常大当り」、「4R潜確大当り」、及び「4R確変大当り」のいずれかを示唆する態様となったときに、下大入賞口2005を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は下大入賞口2005に遊技球が9個入賞したことが上記下大入賞口センサ2354で検出されたときに閉鎖させる開閉パターン(ラウンド)を4回繰り返す4R大当り遊技状態(単に長時間開放の4R大当り遊技状態と呼ぶこともある)に制御し、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が「16R突確大当り」を示唆する態様となったときに、下大入賞口2005を短時間開放(例えば0.5秒)した後に閉鎖させる開閉パターンを16回繰り返す16R大当り遊技状態(単に短時間開放の16R大当り遊技状態と呼ぶこともある)に制御し、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が「8R確変大当り」を示唆する態様となったときに、下大入賞口2005を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は下大入賞口2005に遊技球が9個入賞したことが上記下大入賞口センサ2354で検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを8回繰り返した後に下大入賞口2005を短時間開放(例えば0.5秒)した後に閉鎖させる開閉パターンを8回繰り返す8R大当り遊技状態(単に長時間開放の8R大当り遊技状態と呼ぶこともある)に制御し、第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が「16R確変大当り」を示唆する態様となったときに、上大入賞口2006を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は上大入賞口2006に遊技球が9個入賞したことが上記上大入賞口センサ2552で検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを16回繰り返す16R大当り遊技状態(単に長時間開放の16R大当り遊技状態と呼ぶこともある)に制御する処理を実行する。なお、4R大当り遊技状態として下大入賞口2005を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は下大入賞口2005に遊技球が9個入賞したことが上記下大入賞口センサ2354で検出されたときに閉鎖させる開閉パターン(ラウンド)を4回繰り返すものを示したが、その後に下大入賞口2005を短時間開放(例えば0.5秒)した後に閉鎖させる開閉パターンを12回繰り返すことで実質的に4R大当り遊技状態の制御を実行することで、大当り遊技状態となった場合に大当りの種類に拘わらず必ず下大入賞口2005を開閉制御する開閉パターンを16回繰り返すようにしてもよいし、8R大当り遊技状態として下大入賞口2005を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は下大入賞口2005に遊技球が9個入賞したことが上記下大入賞口センサ2354で検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを8回繰り返して、その後に下大入賞口2005を短時間開放(例えば0.5秒)した後に閉鎖させる開閉パターンを行わないようにしてもよい。即ち、下大入賞口2005に遊技球を受け入れ可能なラウンドの繰り返し回数が実質的に一致するものであればその回数等は上記したものに限られない。
また、本実施形態では、主として上記第一始動口2002への遊技球の入賞に基づく遊技が実行される左打ち状態と、主として上記第二始動口2004への遊技球の入賞に基づく遊技が実行される右打ち状態と、のいずれか一方の状態に制御する。具体的には、上記時短制御が実行されている場合には右打ち状態に制御される一方、時短制御が実行されていない場合には左打ち状態に制御される。左打ち状態では最大8ラウンドの長時間開放の大当り遊技状態が実行され、右打ち状態では最大16ラウンドの長時間開放の大当り遊技状態が実行されるため、右打ち状態に移行制御された場合には左打ち状態よりも多量の賞球獲得が可能となっている。
また、大当り制御処理では、このような大入賞口(上大入賞口2006、下大入賞口2005)の開放制御を行った後、高確率フラグ、時短フラグ、及び時短回数カウンタの各セット処理を実行する。高確率フラグは、高確率状態であることを示すフラグであり、後述する図161に示す大当り判定処理で用いられて次に大当りが発生するまではセットされる(後述する図166に示す第一特別図柄停止処理又は図示しない第二特別図柄停止処理)。
時短フラグは、時短制御の実行中(低確率時短状態、高確率時短状態)であることを示すフラグであり、大当り遊技状態終了後に時短制御(高確率時短状態、低確率時短状態)する大当り(4R確変大当り、16R突確大当り、8R確変大当り、16R大当り遊技状態)に基づく大当り遊技状態を終了するときにセットされ、次に大当りとなったときに後述する図166に示す第一特別図柄停止処理又は図示しない第二特別図柄停止処理でリセットされる。
また、大当り実行中フラグがセットされていなければ、第二特別図柄保留記憶領域に記憶される第二特別乱数の個数を示す第二特別保留数カウンタの値が「0」であることを条件に(ステップS37)、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む第一特別図柄プロセス処理を実行し(ステップS38)、第二特別図柄保留記憶領域に記憶される第二特別乱数の個数を示す第二特別保留数カウンタの値が「0」でないことを条件に(ステップS37)、第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む第二特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS39)。このようにこの例では、第二特別保留数カウンタの値が「0」でないときには第二特別図柄の変動表示を優先的に実行するように構成されている。
図157は、上記第一始動口通過処理(ステップS32)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS31の処理において、上記第一始動口センサ2107がオン状態にあり、上記第一始動口2002への遊技球の入球があったと判断されたとすると、同図157に示されるように、上記主制御基板の主制御MPUは、ステップS41の処理として、まず、上記第一特別乱数、上記リーチ乱数、上記第一図柄乱数、上記変動乱数を上記乱数カウンタから取得する。
次いで上記主制御基板の主制御MPUは、上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値を主制御内蔵RAMから取得し、このカウンタ値に基づいて上記第一特別図柄の保留数がその最大値(上限値)である「4」であるか否かの判断を行う(ステップS42)。このステップS42の処理において、上記第一特別図柄の保留数がその最大値でないと判断された場合には、上記第一特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS43〜S44の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS43の処理として、上記第一特別保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS44の処理として、上記ステップS41で取得された各乱数を、上記主制御内蔵RAMの記憶領域のうちの上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値に対応する第一特別図柄保留記憶領域に格納し、処理を終了する。
一方、上記ステップS42の処理において、上記第一特別図柄の保留数がその最大値であると判断された場合には(所謂「あぶれ球」が発生した場合)、上記第一特別図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、ステップS43〜ステップS44の処理を実行することなく、上記ステップS41で取得された各乱数を、上記主制御内蔵RAMの記憶領域のうちの第一特別図柄非抽選記憶領域に格納し(ステップS45)、処理を終了することで、上記第一特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
図158は、上記第二始動口通過処理(ステップS34)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS33の処理において、上記第二始動口センサ2325がオン状態にあり、上記第二始動口2004への遊技球の入球があったと判断されたとすると、同図158に示されるように、上記主制御基板の主制御MPUは、ステップS51の処理として、まず、上記第二特別乱数、上記リーチ乱数、上記第二図柄乱数、上記変動乱数を上記乱数カウンタから取得する。
次いで上記主制御基板の主制御MPUは、上記第二特別保留数カウンタによるカウンタ値を主制御内蔵RAMから取得し、このカウンタ値に基づいて上記第二特別図柄の保留数がその最大値である「4」であるか否かの判断を行う(ステップS52)。このステップS52の処理において、上記第二特別図柄の保留数がその最大値でないと判断された場合には、上記第二特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS53〜S54の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS53の処理として、上記第二特別保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS54の処理として、上記ステップS51で取得された各乱数を、上記主制御内蔵RAMの記憶領域のうちの上記第二特別保留数カウンタによるカウンタ値に対応する第二特別図柄保留記憶領域に格納し、処理を終了する。
一方、上記ステップS52の処理において、上記第二特別図柄の保留数がその最大値であると判断された場合には(所謂「あぶれ球」が発生した場合)、上記第二特別図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、ステップS53〜ステップS54の処理を実行することなく、上記ステップS51で取得された各乱数を、上記主制御内蔵RAMの記憶領域のうちの第二特別図柄非抽選記憶領域に格納し(ステップS55)、処理を終了することで、上記第二特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
第一始動口2002へ遊技球が入球したことに基づいて第一特別図柄の保留数が変化すると上記記憶処理(ステップS20)にて第一特別図柄の保留数を指示するコマンド(第一保留数指定コマンド0〜4)をセットして周辺制御基板に送信し、第二始動口2004へ遊技球が入球したことに基づいて第二特別図柄の保留数が変化すると上記記憶処理(ステップS20)にて第二特別図柄の保留数を指示するコマンド(第二保留数指定コマンド0〜4)をセットして周辺制御基板に送信する。また、第一始動口2002へ遊技球が入球したことに基づいて上記第一特別図柄非抽選記憶領域に乱数が記憶されると当該乱数を通知するコマンド(第一あぶれ球指定コマンド)も上記記憶処理にてセットされて周辺制御基板に送信され、第二始動口2004へ遊技球が入球したことに基づいて上記第二特別図柄非抽選記憶領域に乱数が記憶されると当該乱数を通知するコマンド(第二あぶれ球指定コマンド)も上記記憶処理にてセットされて周辺制御基板に送信される。なお、第一あぶれ球コマンド及び第二あぶれ球コマンドを上記記憶処理で周辺制御基板に送信したときには上記第一特別図柄非抽選記憶領域及び第二特別図柄非抽選記憶領域の記憶内容をクリアする。
図159は、第一特別図柄プロセス処理(ステップS38)についてその手順を示すフローチャートである。なお、特別図柄プロセス処理のステップS38で実行される第一特別図柄プロセス処理と特別図柄プロセス処理のステップS39で実行される第二特別図柄プロセス処理とは同様のプログラムモジュールであり、判定に用いる乱数やテーブルが異なるだけであるため、ここでは特別図柄プロセス処理のステップS38で実行される第一特別図柄プロセス処理についてのみ説明する。第一特別図柄プロセス処理では、上記第一特別図柄プロセスフラグに応じて、以下の5つのプロセス処理のうち1つを選択的に実行することとなる。
1.主制御内蔵RAMに格納されている第一特別乱数を読み出し、読み出した第一特別乱数に基づいて上記第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理などが行われる第一特別図柄通常処理(ステップS80)
2.第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて第一特別図柄の変動制御停止時の態様の決定処理などが行われる第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS81)
3.変動乱数に基づいて上記第一特別図柄表示器に表示される第一特別図柄の変動態様や、上記中央液晶表示装置1500に特別図柄に対応して実行される演出表示の変動態様についての抽選処理などが行われる第一変動パターン設定処理(ステップS82)
4.第一特別図柄表示器における上記第一特別図柄の変動表示が停止されるまで待機する第一特別図柄変動処理(ステップS83)
5.第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて決定された第一特別図柄の変動制御停止時の態様が上記第一特別図柄表示器に表示されるように上記第一特別図柄の変動表示を停止させる第一特別図柄停止処理(ステップS84)
なお、上記第一特別図柄プロセスフラグは、上記ステップS1の処理(図155参照)において、上記第一特別図柄通常処理(ステップS80)を行うべき旨を示すよう操作されている。
図160は、上記第一特別図柄通常処理(ステップS80)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄通常処理を行うべき旨を示しているときは、同図160に示されるように、上記主制御基板の主制御MPUは、まず、ステップS101の処理として、上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値に基づいて保留の状態にある第一特別図柄の変動表示制御があるか否かの判断を行う。この結果、保留の状態にある第一特別図柄の変動表示制御があると判断された場合には、次にステップS102の処理として、上記主制御内蔵RAMの第一特別図柄保留記憶領域に格納されている第一特別図柄の表示態様に関わる乱数(例えば、第一特別乱数、第一図柄乱数、リーチ乱数、変動乱数)のうちの最先の記憶領域に格納された乱数を同主制御内蔵RAMから読み出す。そして次に、ステップS103及びS104の処理として、上記第一特別保留数カウンタをカウントダウンするとともに、上記主制御内蔵RAMの第一特別図柄保留記憶領域の各記憶領域に格納されている上記第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(第一特別乱数、第一図柄乱数、リーチ乱数、変動乱数)を先入れ先出し(First−In First−Out)の態様にてシフト操作する。
具体的には、第一特別図柄保留記憶領域は4つの記憶領域(第一特別図柄保留記憶領域a〜第一特別図柄保留記憶領域d)を有し、第一始動口2002への始動入賞の発生に応じて抽出した乱数を1番目(最先)の領域から順に記憶する。そして、n番目(n=1〜3)の記憶領域に乱数が記憶されている場合に始動入賞が発生するとn+1番目(n=1〜3)の記憶領域に抽出した乱数を記憶し、1番目の記憶領域に格納された乱数に基づく変動表示の開始条件が成立すると1番目の記憶領域に記憶されている各種乱数を読み出すとともにN番目(N=2〜4)の記憶領域に記憶されている各種乱数をN−1番目(N=2〜4)番目の記憶領域に移動させる。これにより、上記第一特別図柄の変動表示制御の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の保留(最も先に発生した保留)から順に変動表示制御の保留が解除されるようになる。同様に第二特別図柄保留記憶領域は4つの記憶領域(第二特別図柄保留記憶領域a〜第二特別図柄保留記憶領域d)を有し、第二始動口2004への始動入賞の発生に応じて抽出した乱数を1番目(最先)の領域から順に記憶する。そして、n番目(n=1〜3)の記憶領域に乱数が記憶されている場合に始動入賞が発生するとn+1番目(n=1〜3)の記憶領域に抽出した乱数を記憶し、1番目の記憶領域に格納された乱数に基づく変動表示の開始条件が成立すると1番目の記憶領域に記憶されている各種乱数を読み出すとともにN番目(N=2〜4)の記憶領域に記憶されている各種乱数をN−1番目(N=2〜4)番目の記憶領域に移動させる。
これにより、上記第二特別図柄の変動表示制御の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の保留(最も先に発生した保留)から順に変動表示制御の保留が解除されるようになる。
そしてその後、ステップS105の処理として、上記読み出された第一特別図柄の第一特別乱数に基づいて上記大当りの当落についての抽選処理である大当り判定処理を行う。
その後、上記第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS81)にプロセス移行されるよう上記第一特別図柄プロセスフラグが更新された時点で(ステップS106)、この処理を終了する。
図161は、上記大当り判定処理(ステップS105)についてその手順を示すフローチャートである。
上記主制御基板の主制御MPUは、現在の遊技状態が高確率状態(高確率時短状態、高確率非時短状態)であれば(ステップS111)、図162(A)に示す高確率時の大当り判定テーブルを選択し(ステップS112)、現在の遊技状態が低確率状態であれば(ステップS111)、図162(A)に示す低確率時の大当り判定テーブルを選択し(ステップS113)、選択した大当り判定テーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一特別乱数とを比較する(ステップS114)。
図162(A)に示すように大当り判定テーブルは、主制御内蔵ROMに記憶され、特別乱数の種類毎(第一特別乱数、第二特別乱数)に遊技状態が低確率時(低確率非時短状態及び低確率時短状態)の場合に使用する低確率時の大当り判定テーブルと、遊技状態が高確率時(高確率非時短状態、高確率時短状態)の場合に使用する高確率時の大当り判定テーブルと、を備えている。そして、第一特別乱数と比較するために参照される低確率時の大当り判定テーブルでは、1種類の第一特別乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、399種類の第一特別乱数が上記はずれであることを示すはずれ判定値と一致するように上記第一特別乱数がそれぞれ関連付けされている(低確率時の大当り確率;400分の1)。また、本例では特別図柄プロセス処理のステップS39で実行される第二特別図柄プロセス処理内において、第二特別乱数と比較するために参照される低確率時の大当り判定テーブルでは、第一特別乱数と比較するために参照される低確率時の大当り判定テーブルと同様に1種類の第二特別乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、399種類の第二特別乱数が上記はずれであることを示すはずれ判定値と一致するように上記第二特別乱数がそれぞれ関連付けされている(低確率時の大当り確率;400分の1)。
また、第一特別乱数と比較するために参照される高確率時の大当り判定テーブルでは、10種類の第一特別乱数が大当り判定値と一致し、390種類の第一特別乱数がはずれ判定値と一致するように上記第一特別乱数がそれぞれ関連付けされている(高確率時の大当り確率;40分の1)。また、本例では特別図柄プロセス処理のステップS39で実行される第二特別図柄プロセス処理内において、第二特別乱数と比較するために参照される高確率時の大当り判定テーブルでは、第一特別乱数と比較するために参照される高確率時の大当り判定テーブルと同様に10種類の第二特別乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、390種類の第二特別乱数が上記はずれであることを示すはずれ判定値と一致するように上記第二特別乱数がそれぞれ関連付けされている(高確率時の大当り確率;40分の1)。なお、第一特別乱数と比較するために参照される大当り判定テーブルと、第二特別乱数と比較するために参照される大当り判定テーブルに設定される大当り判定値(大当り判定値の個数を同数として大当り判定値を異ならせるものであってもよいし(大当り確率は共通)、大当り判定値の個数を異ならせるものであってもよい(大当り確率を異ならせる))を異ならせるようにしてもよく、この場合には低確率時の大当り判定テーブルと高確率時の大当り判定テーブルのうち少なくとも一方の大当り判定値を異ならせるようにすればよい(両方異ならせるようにしてもよい)。
上記主制御基板の主制御MPUは、選択した大当り判定テーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一特別乱数との比較の結果、大当りとすると判定した場合には(ステップS115)、当該変動が大当りに当選していることを示す大当りフラグをセットし(ステップS116)、大当り判定処理を終了する。
また、上記ステップS115で、はずれとすると判定した場合には、リーチ判定テーブルとステップS102で読み出したリーチ乱数とを比較する(ステップS119)。
図示しないリーチ判定テーブルは、上記主制御内蔵ROMに記憶され、遊技状態が高確率非時短状態時の場合に使用する高確率非時短状態時のリーチ判定テーブルと、遊技状態が高確率時短状態時の場合に使用する高確率時短状態時のリーチ判定テーブルと、遊技状態が低確率状態時(低確率非時短状態及び低確率時短状態)の場合に使用する低確率状態時のリーチ判定テーブルと、を備えている。そして、高確率時短状態時のリーチ判定テーブルでは、1種類のリーチ乱数がリーチすることを示すリーチ判定値と一致し、71種類のリーチ乱数がリーチしないことを示すリーチ判定値と一致するように上記リーチ乱数がそれぞれ関連付けされている。
また、低確率状態時のリーチ判定テーブルでは、高確率時短状態時のリーチ判定テーブルに設定されるリーチ乱数と同一のリーチ乱数を含む5種類のリーチ乱数がリーチすることを示すリーチ判定値と一致し、67種類のリーチ乱数がリーチしないことを示すリーチ判定値と一致するように上記リーチ乱数がそれぞれ関連付けされている。このように、この実施の形態では、低確率状態時では、リーチすることを示すリーチ判定値が高確率時短状態時よりも高められる。
さらに、高確率非時短状態時のリーチ判定テーブルでは、高確率時短状態時及び低確率状態時のリーチ判定テーブルに設定されるリーチ乱数と同一のリーチ乱数を含む6種類のリーチ乱数がリーチすることを示すリーチ判定値と一致し、66種類のリーチ乱数がリーチしないことを示すリーチ判定値と一致するように上記リーチ乱数がそれぞれ関連付けされている。このように、この実施の形態では、高確率非時短状態時では、リーチすることを示すリーチ判定値が高確率時短状態時及び低確率状態(低確率時短状態、低確率非時短状態)よりも高められる。
上記主制御基板の主制御MPUは、選択したリーチ判定テーブルとステップS102で読み出したリーチ乱数との比較の結果(ステップS119)、リーチはずれとすると判定した場合には(ステップS120)、当該変動がリーチとなることを示すリーチフラグをセットして処理を終了する(ステップS121)。
図163は、上記第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS81)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄停止図柄設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図163に示されるように、上記主制御基板の主制御MPUは、まず、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様の抽選処理の結果、すなわち上記大当り判定処理(ステップS105)の結果を判別する。抽選処理結果の判別は、大当りフラグがセットされているか否か(ステップS131)を判別することにより行う。
主制御MPUは、ステップS131で大当りフラグがセットされていれば、図162(B)に示す図柄決定テーブルを選択して、第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一図柄乱数と選択した図柄決定テーブルとを比較することにより第一特別図柄の変動制御停止時の態様(第一特別図柄の停止図柄)としての大当り図柄を決定する(ステップS132)。
図162(B)に示すように図柄決定テーブルには、判定結果(4R通常大当り、4R潜確大当り、4R確変大当り、16R突確大当り、8R確変大当り、16R確変大当り)に応じて各々図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)が関連付けされるかたちで記憶されている。主制御基板の主制御MPUでは、取得した図柄乱数に対応して関連付けされている判定結果を特定することにより、大当りの種類を決定する。なお、本例の図柄決定テーブルでは、第一図柄乱数に基づいて決定される大当りの種類の決定確率と第二図柄乱数に基づいて決定される大当りの種類の決定確率とが異なるように設定している。
具体的には、
1.下大入賞口2005を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は下大入賞口2005に遊技球が9個入賞したことが上記下大入賞口センサ2354で検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを4回繰り返すことで遊技球が下大入賞口2005に入球可能(容易)な4R大当り遊技状態に制御し、次に大当り遊技状態が発生するまで低確率非時短状態(所謂通常状態)に制御する4R通常大当り
2.下大入賞口2005を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は下大入賞口2005に遊技球が9個入賞したことが上記下大入賞口センサ2354で検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを4回繰り返すことで遊技球が下大入賞口2005に入球可能(容易)な4R大当り遊技状態に制御し、次に大当り遊技状態が発生するまで高確率非時短状態に制御し、高確率状態に制御されていることを判別困難な演出を実行する4R潜確大当り
3.下大入賞口2005を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は下大入賞口2005に遊技球が9個入賞したことが上記下大入賞口センサ2354で検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを4回繰り返すことで遊技球が下大入賞口2005に入球可能(容易)な4R大当り遊技状態に制御し、次に大当り遊技状態が発生するまで高確率時短状態に制御する4R確変大当り
4.下大入賞口2005を短時間開放(例えば0.5秒)した後に閉鎖させる開閉パターンを16回繰り返すことで遊技球が下大入賞口2005に入球困難な16R大当り遊技状態に制御し、次に大当り遊技状態が発生するまで高確率時短状態に制御し、遊技の途中で大当り遊技状態の発生なしに突然高確率時短状態に移行制御されたかの演出を実行する16R突確大当り
5.下大入賞口2005を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は下大入賞口2005に遊技球が9個入賞したことが上記下大入賞口センサ2354で検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを8回繰り返した後、下大入賞口2005を短時間開放(例えば0.5秒)した後に閉鎖させる開閉パターンを8回繰り返すことで遊技球が下大入賞口2005に入球可能(容易)な8R大当り遊技状態に制御し、次に大当り遊技状態が発生するまで高確率時短状態に制御する8R確変大当り
6.上大入賞口2006を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は上大入賞口2006に遊技球が9個入賞したことが上記上大入賞口センサ2552で検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを16回繰り返すことで遊技球が上大入賞口2006に入球可能(容易)な16R大当り遊技状態に制御し、次に大当り遊技状態が発生するまで高確率時短状態に制御する16R確変大当り
なお、上記左打ち状態では遊技球がゲート部2003を通過することがなく、第二始動口扉部材2323の駆動は行われない。そのため、左打ち状態では第二始動口2004への遊技球の入賞は発生せず、第一始動口2002への遊技球の入賞のみが発生することになり、第二特別図柄の保留球がある場合を除き第一特別図柄表示器における第一特別図柄の変動表示のみが実行され、第一特別図柄に関連した大当り(4R通常大当り、4R潜確大当り、4R確変大当り、16R突確大当り、8R確変大当り)が発生することになる。
同様に、上記右打ち状態では第一始動口2002に遊技球は入賞しない。そのため、右打ち状態では第二始動口2004への遊技球の入賞のみが発生することになり、第一特別図柄の保留球がある場合を除き第二特別図柄表示器における第二特別図柄の変動表示のみが実行され、第二特別図柄に関連した大当り(4R通常大当り、4R潜確大当り、4R確変大当り、16R確変大当り)が発生することになる。
また、第一特別図柄に関連した大当りでは最大で下大入賞口2005を長時間開放(例えば28.5秒)する開閉パターンを8回繰り返し可能であるのに対し、第二特別図柄に関連した大当りでは最大で上大入賞口2006を長時間開放(例えば28.5秒)する開閉パターンを16回繰り返し可能であり、さらに第一特別図柄に関連する上記下大入賞口2005を長時間開放(例えば28.5秒)する開閉パターンを8回繰り返す8R確変大当りに決定される割合(31%)よりも第二特別図柄に関連する上記上大入賞口2006を長時間開放(例えば28.5秒)する開閉パターンを16回繰り返す16R確変大当りに決定される割合(63%)を2倍程度高く設定するため、主として上記第二始動口2004への遊技球の入賞に基づく遊技が実行される右打ち状態では主として上記第一始動口2002への遊技球の入賞に基づく遊技が実行される左打ち状態に比べて多量の賞球の獲得が可能である。
なお、第一特別図柄停止図柄設定処理において4R通常大当りに決定した場合には大当り図柄として4R通常大当り図柄に決定し、4R潜確大当りに決定した場合には大当り図柄として4R潜確大当り図柄に決定し、4R確変大当りに決定した場合には大当り図柄として4R確変大当り図柄に決定し、16R突確大当りに決定した場合には大当り図柄として16R突確大当り図柄に決定し、8R確変大当りに決定した場合には大当り図柄として8R確変大当り図柄に決定する。また、図示しないが第二特別図柄停止図柄設定処理において4R通常大当りに決定した場合には大当り図柄として4R通常大当り図柄に決定し、4R潜確大当りに決定した場合には大当り図柄として4R潜確大当り図柄に決定し、4R確変大当りに決定した場合には大当り図柄として4R確変大当り図柄に決定し、16R確変大当りに決定した場合には大当り図柄として16R確変大当り図柄に決定する。
また、主制御基板の主制御MPUは、ステップS131で大当りフラグがセットされていなければ、第一特別図柄の変動停止時の態様としてはずれ図柄に決定した後(ステップS136)、上記大当り間回数計数カウンタを1加算して(ステップS135b)、ステップS137に移行する。
そして、こうして停止図柄についての決定処理が行われた後は、主制御基板の主制御MPUは、ステップS137の処理として、上記抽選結果(大当りの種類、リーチはずれ、はずれのいずれかを指示(第一特別図柄の停止図柄の態様を指示するものであってもよい))が上記周辺制御基板に送信されるよう抽選結果それぞれに応じた判定結果通知コマンドをセットする。そしてその後は、ステップS138の処理として、上記第1変動パターン設定処理(ステップS82)にプロセス移行されるよう上記第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
周辺制御基板に搭載される周辺制御MPUは、受信した判定結果通知コマンド及び変動パターンコマンドに基づいて中央液晶表示装置1500を表示制御する(左・中・右の装飾図柄を変動表示して左装飾図柄→右装飾図柄→中装飾図柄の順序で停止表示させる(なお左・中・右の装飾図柄を同一図柄で同期して変動表示し同時に停止表示する場合もある))。具体的には、周辺制御MPUは、中央液晶表示装置1500に表示される装飾図柄の変動停止時の態様(停止図柄)として、受信した判定結果通知コマンドから大当りのうち4R通常大当りを特定した場合には4R通常大当り図柄(左・中・右の装飾図柄が「0」〜「9」の図柄のうち同一の偶数図柄となる組合せ)に決定し、大当りのうち4R潜確大当りを特定した場合には4R潜確大当り図柄(4R通常大当り図柄と同様の左・中・右の装飾図柄が「0」〜「9」の装飾図柄のうち同一の偶数図柄となる組合せ)に決定し、大当りのうち4R確変大当りを特定した場合には4R確変大当り図柄(左・中・右の装飾図柄が全て「1」又は「9」となる組合せ)に決定し、大当りのうち16R突確大当りを特定した場合には16R突確大当り図柄(左・中・右の装飾図柄が「1」、「3」、及び「5」の全ての図柄を含む組合せ)に決定し、大当りのうち8R確変大当りを特定した場合には8R確変大当り図柄(左・中・右の装飾図柄が全て「5」となる組合せ)に決定し、大当りのうち16R確変大当りを特定した場合には16R確変大当り図柄(左・中・右の装飾図柄が全て「7」となる組合せ)に決定する。また、リーチはずれを特定した場合にはリーチを伴ったはずれ図柄(左・右の装飾図柄が「0」〜「9」の同一の図柄の組み合わせであって中装飾図柄が異なる図柄の組み合わせ;リーチハズレ図柄)に決定し、はずれを特定した場合には、リーチを伴わないはずれ図柄(左・中・右の装飾図柄のうち少なくとも左・右の装飾図柄が異なる図柄となる組合せ)に決定し、変動パターンコマンドから特定される変動時間の経過時(遊技演出の終了時)においてその決定された停止図柄を中央液晶表示装置1500に表示制御する。
図164は、上記第一変動パターン設定処理(ステップS82)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一変動パターン設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図164に示されるように、上記主制御基板の主制御MPUは、大当りフラグがセットされていれば(ステップS141)、第一特別図柄停止図柄設定処理のステップS132で決定した大当りの種類に応じた大当り時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択し(ステップS142)、リーチフラグがセットされていれば(ステップS145)、リーチ時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択し(ステップS146)、大当りフラグとリーチフラグとのいずれもセットされていない場合、すなわち通常のはずれ(リーチ演出を実行しないはずれ)となる場合には、はずれ時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択する(ステップS147)。
そして、選択した変動パターンテーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した変動乱数とを比較することにより実行する変動パターンを決定し(ステップS148)、決定した変動パターンを開始することを周辺制御基板に通知する変動パターンコマンドをセットして第一特別図柄表示器に表示される第一特別図柄の変動表示を開始する(ステップS149)。また、主制御MPUは、変動パターンを決定すると決定した変動パターンに対応して設定されている変動時間を変動タイマに設定する(ステップS150)。そして、上記第一特別図柄変動処理(ステップS83)にプロセス移行されるよう上記第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で(ステップS155)、この処理を終了する。これにより、こうして決定された変動時間だけ第一特別図柄表示器にて第一特別図柄の変動表示制御が行われるとともに該特別図柄の変動表示に同期して上記中央液晶表示装置1500にて演出制御が行われるようになる。
なお、本例の変動パターンテーブルは、特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)及び図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)に基づく判定結果毎に複数種類設けられている。また、各変動パターンテーブルに設定される変動パターンには上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示制御に要する所定の時間(変動時間)を示す複数の変動時間情報が上記変動乱数にそれぞれ対応して関連付けされるかたちで記憶されている。しかして、主制御MPUは、特別乱数及び図柄乱数に基づく判定結果に応じた複数種類の変動パターンテーブルのうち、選択した変動パターンテーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した変動乱数とを比較し、上記読み出した変動乱数に関連付けされている変動時間情報をこのテーブルから取得することで、上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動パターンを決定する。これにより、上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動パターンについての抽選処理が行われるようになる。なお、上記変動パターンテーブルは、上記主制御内蔵ROMに記憶されている。
また、本例のリーチ時の変動パターンテーブルでは、いずれのリーチ演出を実行するかを示す判定値と変動乱数とを比較することにより実行するリーチ演出の態様種別を決定するように設定されている。例えば、241種類の変動乱数のうち164種類の変動乱数がノーマルリーチ演出のいずれかを実行することを示す判定値(0〜163)として設定され、59種類の変動乱数が大当り期待度の低いスーパーリーチ演出のいずれかを実行することを示す判定値(164〜222)として設定され、18種類の変動乱数が大当り期待度の高いスーパーリーチ演出のいずれかを実行することを示す判定値(223〜240)として設定される。なお、スーパーリーチ演出とは、ノーマルリーチ演出よりも大当り期待度が高く、大当り遊技状態の発生を望む遊技者に対してはスーパーリーチ演出が実行されたときに大当り遊技状態に対する遊技者の期待度が高まるようになっている。
また、第一特別乱数及び第一図柄乱数に対応して設けられて第一特別図柄の変動時間を決定するときに用いられるはずれ時の変動パターンテーブルでは、非時短状態と時短状態とに共通して12秒の変動時間が設定されている。一方、第二特別乱数及び第二図柄乱数に対応して設けられて第二特別図柄の変動時間を決定するときに用いられるはずれ時の変動パターンテーブルでは、時短状態として0.3秒の変動時間が設定され、非時短状態として12秒の変動時間が設定されている。このように第一特別図柄の変動時間は、時短状態中と非時短状態中とで同一とされ、時短状態中の第二始動口2004への遊技球の入賞を促すとともに遊技者が第二始動口2004へ遊技球を入賞させるための時間を確保している。
また、上記したように右打ち状態では遊技球1個が通過できるような間隔だけが設けられて遊技球の転動が制限され、極めて高い確率でゲート部2003及び第二始動口2004へと案内される。即ち、右打ち状態では極めて高い確率でゲート部2003を遊技球が通過するように構成されるとともに、普通図柄が当りとなり、第二始動口2004の第二始動口扉部材2323が前進された状態では、極めて高い確率(センター役物2500の右側へ打込まれた遊技球の略全て)で第二始動口2004へ遊技球が受け入れられるように構成される。また、時短状態では普通図柄の当選確率が100%当りとなるように設定され、普通図柄が当りとなると第二始動口2004の第二始動口扉部材2323が長期間(本例では5.5秒間)に亘って前進した状態に維持され、第二始動口2004への遊技球の受入れが可能になる。なお、本例では遊技者がハンドルレバー504を操作しているときには0.6秒間隔で遊技球が発射される。そして、発射された遊技球がセンター役物2500の右側へ打込まれると極めて高い確率で第二始動口2004へ遊技球が受け入れられるため、時短状態で第二始動口2004の第二始動口扉部材2323が前進し、第二始動口2004への遊技球の受入れが可能となっている状態では約0.6秒間隔で第二始動口2004への遊技球の入賞が発生することになる。本例では上記したように第二始動口2004への遊技球の入賞に基づく第二特別図柄のはずれ時の変動パターンテーブルには時短状態の変動時間として極めて短い0.3秒に設定されている。また、第二特別図柄の変動表示を停止してから再び変動表示を開始するまでのインターバル時間は約0.6秒に設定されている。即ち、時短状態では第二特別図柄の変動表示の実行間隔が非時短状態(変動時間12秒、インターバル時間0.6秒)に比べて極端に短縮され、第二始動口2004への遊技球の入賞間隔と時短状態では第二特別図柄の変動表示の実行間隔との差を狭めているため、第二始動口2004へ極めて短時間で多量の遊技球が入賞しても、第二特別図柄の変動表示を極めて短時間で実行して第二特別図柄の保留数の増大を防止し、上記時短状態では非時短状態に比べて単位時間当たりの変動表示回数が極めて増大する。これにより、上記右打ち状態に移行制御される高確率時短状態では以前の遊技機に比べて極めて短時間で次の大当りに当選可能となり、短時間で多量の賞球の獲得が可能になるため、遊技興趣を向上させることができる。
図165は、上記第一特別図柄変動処理(ステップS83)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄変動処理を行うべき旨を示しているときは、同図165に示されるように、上記主制御基板の主制御MPUは、まず、ステップS171の処理として、上記変動パターンについての抽選処理(ステップS82)で決定した変動パターンに応じた変動時間が設定される変動タイマを1減算する。そして、変動時間タイマが0、すなわち、上記抽選された変動時間が経過したと判断されると(ステップS172)、次にステップS173の処理に移行する。すなわち、このステップS173の処理において、上記第一特別図柄停止処理(ステップS84)にプロセス移行されるよう上記第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
図166は、上記第一特別図柄停止処理(ステップS84)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄停止処理を行うべき旨を示しているときは、同図166に示されるように、上記主制御基板の主制御MPUは、まず、ステップS181の処理として、上記第一特別図柄停止図柄設定処理にて決定された停止図柄を上記第一特別図柄表示器に表示させるための表示制御を行うとともに、上記中央液晶表示装置1500に第一特別図柄の停止図柄に応じた装飾図柄の表示結果の導出表示を指示する停止表示コマンドを上記周辺制御基板へのコマンドとしてセットする(ステップS182)。
また、上記主制御基板の主制御MPUは、上記大当りフラグがセットされているときは(ステップS186)、大当り遊技状態を開始することを示す大当り開始コマンドをセットし(ステップS187)、大当り遊技状態の開始までの待機時間(大当り遊技状態を開始する旨の表示等を行う時間)をインターバルタイマにセットする(ステップS188)。そして、大当り遊技状態の実行中であることを示す大当り実行中フラグをセットするとともに上記高確率フラグがセットされていれば当該高確率フラグをリセットし、また、上記時短フラグがセットされていれば当該時短フラグをリセットし(ステップS189)、第一特別図柄プロセスフラグを初期値である第一特別図柄通常処理にプロセス移行されるように更新した時点で(ステップS194)、この処理を終了する。なお、大当り開始コマンドは、周辺制御基板に送信されるコマンドであり、大当りの種類に応じて個々に用意されている。ステップS187では、大当りの種類(4R通常大当り、4R潜確大当り、4R確変大当り、16R突確大当り、8R確変大当り、16R確変大当り)に応じた大当り開始コマンド(4R通常大当り開始コマンド、4R潜確大当り開始コマンド、4R確変大当り開始コマンド、16R突確大当り開始コマンド、8R確変大当り開始コマンド、16R確変大当り開始コマンド)をセットする。これにより、大当り開始コマンドによって指示された大当りの種類に応じた大当り遊技状態の演出が中央液晶表示装置1500、ランプ・LED及びスピーカ130,222,262等により実行される。
[7.周辺制御基板の制御処理]
次に、周辺制御基板に搭載される周辺制御MPUによって実行される処理について説明する。図167は、当該パチンコ機1に電源が投入されるとき、上記周辺制御基板に搭載される周辺制御MPUによって行われる制御についてその処理手順を示すフローチャートである。
図167に示すように、パチンコ機1への電力供給が開始されると、周辺制御MPUは、初期設定処理を行う(ステップS501)。この初期設定処理は、周辺制御基板に搭載される周辺制御MPUに内蔵されているRAMをクリアする処理等が行われる。なお、この初期設定処理中では割込禁止となっており、初期設定処理のあと割込許可となる。初期設定処理(ステップS501)が終了すると、16mS経過フラグTがセットされたか否かを監視するループ処理を開始する(ステップS502)。
この実施の形態では、周辺制御MPUは、2mS経過毎に割込を発生させ、2mS定常処理を実行する。2mS定常処理では、16mS経過監視カウンタをカウントアップする(16mS経過監視カウンタを1加算する)処理が実行され、16mS経過監視カウンタの値が8になったとき、すなわち、16mS経過したときに16mS経過フラグTをセットするとともに、16mS経過監視カウンタをリセット(0にする)処理が実行される。
このように、16mS経過フラグTは、2mS定常処理にて16mS毎に「1」に設定(セット)され、通常は「0」に設定(リセット)されている。ステップS502で16mS経過フラグがセットされている(16mS経過フラグTが「1」)ときには、16mS経過フラグをリセットした後(ステップS503)、16mS定常処理を行う(ステップS504)。
この16mS定常処理では、主制御基板から受信したコマンドにもとづいて中央液晶表示装置1500、ランプ・LED、スピーカ130,222,262等を制御する処理が実行される。16mS定常処理を終了すると、再びステップS502に戻り、16mS経過フラグTがセットされる毎に、つまり16mS毎に上記したステップS503〜ステップS504を繰り返し行う。一方、ステップS502で16mS経過フラグTがセットされていない(16mS経過フラグTが「0」)ときには、16mS経過フラグTがセットされるまでループ処理を行う。
図168は、サブメイン処理にて16mS毎に実行される16mS定常処理の一例を示すフローチャートである。16mS定常処理において、周辺制御MPUは、ステップS601〜ステップS606の処理を実行する。ステップS601のコマンド解析処理では、主制御基板から受信したコマンドを解析する。ステップS602の演出制御処理では、変動パターン設定処理(第一変動パターン設定処理のステップS149、第二変動パターン設定処理)でセットされることにより送信された変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて中央液晶表示装置1500に関わる制御処理を実行する。
また、ステップS603の音制御処理では、スピーカ130,222,262に関わる制御処理を実行する。ステップS604のランプ制御処理では、パチンコ機1に設けられたランプ・LEDに関わる制御処理を実行する。ステップS605の情報出力処理では、ランプ駆動基板3060にランプ・LEDの点灯信号を送信する処理などを実行する。ステップS606の乱数更新処理では、演出制御処理(ステップS602)で各種設定に用いられる乱数を更新する処理を実行する。
なお、16mS定常処理におけるステップS601〜ステップS606の処理は16mS以内に終了する。仮に、16mS定常処理を開始してから当該16mS定常処理の終了までに16mS以上かかったとしても、16mS定常処理を開始してから16mS経過したときに直ぐに16mS定常処理を最初から(ステップS601のコマンド解析処理から)実行しない。すなわち、16mS定常処理の実行中に16mS経過したときには、16mS経過フラグのセットのみを行い、当該16mS定常処理の終了後にステップS502で16mS経過フラグがセットされていると判定されたときに16mS定常処理を開始する。
また、この実施の形態では、16mS定常処理にて乱数更新処理(ステップS606)を実行して各種乱数を更新するように構成しているが、各種乱数を更新する時期(タイミング)はこれに限られるものではない。例えば、サブメイン処理におけるループ処理および16mS定常処理のいずれか一方または両方にて各種乱数を更新するように構成してもよい。
[8.バトル演出]
次に当選時短縮制御について図169乃至図173を参照して説明する。図169及び図173は、上記高確率時短状態に制御されている場合に、リーチ(リーチはずれ、リーチ当り)となることを示す判定結果通知コマンドと変動パターンコマンドとを受信したことが上記コマンド解析処理(ステップS601)で特定された場合に中央液晶表示装置1500で実行されるバトル演出のタイミングチャートであり、図171乃至図173は、上記高確率時短状態に制御されている場合に、リーチとなることを示す判定結果通知コマンドと変動パターンコマンドとを受信したことが上記コマンド解析処理(ステップS601)で特定された場合に中央液晶表示装置1500で実行されるバトル演出の一例を示す説明図である。
なお、本例では高確率時短状態中には中央液晶表示装置1500にてメインキャラクタ1500aが歩く態様を表示すると共に、中央液晶表示装置1500の左下部に左・中・右の装飾図柄を縮小して変動表示を実行する。そして、リーチとなることを示す判定結果通知コマンドと変動パターンコマンドとを受信した場合には、メインキャラクタ1500aと対峙するように敵キャラクタ1500bを表出してメインキャラクタ1500aと敵キャラクタ1500bとを対決させるバトル演出を実行する。そして、受信した判定結果通知コマンドが大当りを示す場合には、バトル演出の結果としてメインキャラクタ1500aが敵キャラクタ1500bに勝利する態様を表示し、受信した判定結果通知コマンドがはずれを示す場合には、バトル演出の結果としてメインキャラクタ1500aが敵キャラクタ1500bに敗北する態様を表示するようになっている。
また、上記バトル演出では、中央液晶表示装置1500にメインキャラクタ1500aと敵キャラクタ1500bとを対峙させて表示した後、一旦ブラックアウト(画面を消灯することで中央液晶表示装置1500に表示されている態様を視認できない状態)し、その後メインキャラクタ1500aと敵キャラクタ1500bとの一方を表示する。このブラックアウト後に表示されるキャラクタによって先制攻撃がなされることが示され、ブラックアウト後にメインキャラクタ1500aが表示された場合には、必ず大当りとなる。
一方、ブラックアウト後に敵キャラクタ1500bが表示された場合には、敵キャラクタ1500bの攻撃を回避すれば必ず大当りとなる。このように、遊技者はブラックアウト後にメインキャラクタ1500aが表示されたことによって大当りとなることを認識できると共に、ブラックアウト後に敵キャラクタ1500bが表示された場合でも敵キャラクタ1500bの攻撃を回避したことによって大当りとなることを認識できるようになる。
このように、バトル演出の途中で大当りとなることが確定したにも拘らずそれ以降にもバトル演出が継続されて長期間に亘って変動表示が実行されると、単位時間当たりの特別図柄の変動表示回数が減って、大当り遊技状態の獲得回数や獲得可能な賞球の期待値が減るため、遊技者に不利益を与え、遊技興趣を低下させるおそれがある。本例では、バトル演出の途中で大当りとなることが確定した場合には、その時点で大入賞口(上大入賞口2006又は下大入賞口2005)を開放制御して大当り遊技状態の制御を開始しながらも、バトル演出を最後まで実行すべくその演出を継続させるようにしている。以下、詳細に説明する。
本例では、高確率時短状態中にリーチとなる場合の変動パターンとして、バトル演出ショートとバトル演出ロングとが設けられ、バトル演出ショートは大当りとなる場合にだけ実行され、バトル演出ロングは大当りとなる場合とはずれとなる場合との両方で実行されるようになっている。まず、上記バトル演出ショートの変動パターンに基づいて実行されるバトル演出について図169及び図171(A)〜図172(I)を参照して説明する。なお、高確率時短状態では上記右打ちを行って第二始動口2004への遊技球の入球させる遊技が行われるため、中央液晶表示装置1500にはその旨(右打ち→)が表示されている。
図171(A)に示すように遊技状態が高確率時短状態に制御されている場合には、周辺制御MPUはメインキャラクタ1500aが移動している態様を中央液晶表示装置1500に表示する。そしてその状態で第二始動口2004へ遊技球が入賞したことに基づいて上記第二特別図柄プロセス処理(ステップS39)が実行されると、図169に示すように主制御MPUは第二特別図柄表示器にて第二特別図柄の変動表示を開始すると共に、周辺制御基板に判定結果通知コマンドと変動パターンコマンド(この場合には大当りとなることを示す判定結果通知コマンドとバトル演出ショートの変動パターンを示す変動パターンコマンド)を送信する。主制御MPUから判定結果通知コマンドと変動パターンコマンドとを受信すると周辺制御MPUは、中央液晶表示装置1500の左下部に縮小表示される左・中・右の装飾図柄を変動表示し、受信した変動パターンコマンドによって指定される変動時間が経過したときに装飾図柄を全て停止表示する。また、主制御MPUから受信した判定結果通知コマンドと変動パターンコマンドとによってリーチすること(リーチしてはずれ、リーチして大当り)が示された場合には、メインキャラクタ1500aが立ち止って何かに気付いた態様を表示する(図171(B))。
次いで周辺制御MPUは、メインキャラクタ1500aと対峙するように敵キャラクタ1500bを中央液晶表示装置1500に表出させた後(図171(C))、中央液晶表示装置1500の表示画面をブラックアウトする(図171(D))。そして、受信した判定結果通知コマンドによって高確率時短状態を継続する大当り(この例では4R確変大当り、16R確変大当り)となることが示されると共に変動パターンコマンドによってバトル演出ショートの変動パターンの実行を指示されていれば、周辺制御MPUは中央液晶表示装置1500の表示画面を徐々に明るくしてメインキャラクタ1500aだけを浮かび上がらせると共に中央液晶表示装置1500の左下部に縮小表示される左・中・右の装飾図柄を大当りの態様(大当り図柄)で停止表示して「大当り確定!」と表示することで大当りとなることを遊技者に通知する(図171(E))。
また、図169に示すように主制御MPUによって第二特別図柄表示器にて変動表示される第二特別図柄の変動時間は、中央液晶表示装置1500で変動表示される装飾図柄の変動時間とほぼ一致し、中央液晶表示装置1500の表示画面をブラックアウトした後にメインキャラクタ1500aだけを浮かび上がらせるというバトル演出の途中のタイミングで第二特別図柄表示器に第二特別図柄の大当り図柄が停止表示され、第二特別図柄の大当り図柄が停止表示されたことに基づいて主制御MPUは大入賞口(上大入賞口2006又は下大入賞口2005)の開放制御を開始する。また、主制御MPUによって大入賞口(上大入賞口2006又は下大入賞口2005)の開放制御を開始する場合には周辺制御MPUにより「大当り確定!」と表示することで大当り遊技状態の制御を開始することを通知するため、大当り遊技状態の制御が開始されることを遊技者に認識させることができ、大当り遊技状態の制御が開始されることに気付かずに遊技者が不利益を被ることを抑止できる。なお、大当り遊技状態の制御が開始されることを遊技者に確実に認識させるものであれば上記した例に限らず、スピーカ130,222,262等の音声出力(大当りを開始します。右打ちしてください。)や、大当りを開始することを通知する表示(大当りを開始します。)などを実行するようにしてもよい。
周辺制御MPUは、図169に示すように主制御MPUによって大当り遊技状態の制御が開始された以降にもバトル演出を継続して実行し、メインキャラクタ1500aが敵キャラクタ1500bに攻撃する態様を表示する(図172(F))。次いで周辺制御MPUは、中央液晶表示装置1500に「ボタンを押してとどめを刺せ!」と表示すると共にタイマをスタートして有効期間の計測を開始し(図172(G))、有効期間内に上皿演出ボタン257が操作されて演出ボタン押圧センサ258からの検出信号が周辺制御MPUに入力されたことに基づいて昇降ユニット3510により裏下後回転装飾体ユニット3550を遊技者側から視認不能な退避位置(上昇端位置)から、円弧状に下方へスライドして遊技者側から視認可能となる出現位置(下降端位置)へ移動させると共に、回転連結部材3630を回転させて裏四隅第二装飾体ベース3631及び裏四隅第二装飾体ベース3631に取付けられている裏四隅第二装飾体3633を回転(回動)させる(図172(H))。
そして周辺制御MPUは、メインキャラクタ1500aが勝利した態様を表示しした後(図172(I))、図169に示すように大当り遊技状態の演出表示(大当り演出;ラウンド演出表示等)を実行する。このように、バトル演出ショートの演出が完結する以前に大当り遊技状態が開始されても、周辺制御MPUはバトル演出ショートの演出の続きを継続して実行し、上皿演出ボタン257の操作に応じて裏下後回転装飾体ユニット3550を出現させることによってバトル演出ショートの演出が完結する方向に進めるようになっている(図172(H))。換言すると、バトル演出が実行されると遊技者はバトル演出ショートの演出を完結すべく、上皿演出ボタン257を操作して裏下後回転装飾体ユニット3550を出現させる。このように遊技者による上皿演出ボタン257の操作に応じてバトル演出ショートの演出を完結させることができるため、遊技者の意向を演出に反映させて満足感や達成感を得ることができ、従来の遊技機よりも魅力的な演出を実行できる。なお、図169に示すように上皿演出ボタン257の有効期間は大当り遊技状態の1ラウンドを終了するまで継続されるものであるが、有効期間内に上皿演出ボタン257が操作されなかった場合であっても有効期間経過後に裏下後回転装飾体ユニット3550を表出させるようにしてもよいし、有効期間内に上皿演出ボタン257が操作されなかった場合には裏下後回転装飾体ユニット3550を表出させることなくメインキャラクタ1500aが勝利した態様を表示するようにしてもよい。
また本例では、バトル演出の途中で大当りとなることを遊技者に通知すると共に大当り遊技状態の制御を開始し、大当り遊技状態の実行中にバトル演出の続きを実行して演出結果を表示することで、本来であればバトル演出を全て実行した後に開始される大当り遊技状態の開始時期を早めると共に、大当り遊技状態の開始前に実行されるバトル演出の変動時間を短縮し、単位時間当たりの特別図柄の変動表示回数が低減することを抑止している。具体的には、本例ではバトル演出ショートの全ての演出を実行するために要する期間として58秒〜87秒の期間(上皿演出ボタン257の操作タイミングによって異なる)が設定される。ところが、大当り遊技状態の開始前に実行される演出を実行する期間に対応する変動時間は12秒となっており、バトル演出ショートの変動パターンが選択されて第二特別図柄を変動表示した後、12秒経過したときに第二特別図柄が大当り図柄で停止表示されて大当り遊技状態の制御が開始される。そして、バトル演出ショートの演出のうち大部分(この例では46秒〜75秒であるが、全期間の半分以上であればよい)の演出は、大当り遊技状態中に実行され、大当り遊技状態の制御前に実行されるバトル演出ショートの演出期間は12秒であるのに対し、大当り遊技状態中に実行されるバトル演出ショートの演出期間は46秒〜75秒(上皿演出ボタン257の操作タイミングによって異なる)となっている。
このように、バトル演出ショートの実行に要する全演出期間のうち大当り遊技状態中に実行される期間(大当り演出として実行される期間)を、大当り遊技状態の開始前に実行される期間(変動時間)よりも長くすることで変動表示に要する時間を低減し、単位時間当たりの特別図柄の変動表示回数が低減することを抑止できるようになっている。上記したように大当り遊技状態では、大入賞口(上大入賞口2006又は下大入賞口2005)を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は大入賞口(上大入賞口2006又は下大入賞口2005)に遊技球が9個入賞したことが上記上大入賞口センサ2552又は下大入賞口センサ2354で検出されたときに閉鎖させる開閉パターン(ラウンド)を複数回(この例では4回又は16回)実行するため、大当り遊技状態を開始してから終了するまでには必ず一定期間以上の期間が必要となる。そして、バトル演出ショートの全演出のうち一部の演出を大当り遊技状態の開始以前に変動表示演出(特別図柄(この場合には第二特別図柄)の変動表示に同期して中央液晶表示装置1500で実行される演出表示)として実行して残りの演出を大当り遊技状態の開始後に大当り演出として実行すると共に、大当り遊技状態の開始以前に変動表示演出として実行されるバトル演出ショートの演出期間が、大当り遊技状態の開始後に大当り演出として実行されるバトル演出ショートの演出期間よりも相対的に短くなるようにバトル演出ショートの変動時間を設定している。これによって、遊技者にとってはハンドルレバー504を操作して大入賞口(上大入賞口2006又は下大入賞口2005)に遊技球を入賞させるだけに過ぎなかった大当り遊技状態の実行期間中にバトル演出ショートの一部の演出を実行して、大当り遊技状態の開始前にバトル演出ショートの演出を途中で終了されることなく最後まで実行可能としながらも、バトル演出ショートの全ての演出を変動表示演出として第二特別図柄の変動表示中に実行する場合に比べてバトル演出ショートの変動時間を46秒〜75秒短縮できるため、特別図柄(この場合には第二特別図柄)の変動表示を開始してから大当り遊技状態を終了するまでの期間を短縮させることができ、変動時間が短縮されることによって単位時間当たりの特別図柄の変動表示回数が低減することを抑止できるため、大当り判定処理の実行機会を増大させ得る。また、変動表示に要する時間を低減しても、変動表示の開始から大当り遊技状態の実行中までの長期間に亘ってバトル演出を実行することができるため、演出内容を簡素化することなくバトル演出を実行して変動時間を低減することができ、演出内容が簡素化することによる遊技興趣の低下を抑止できる。
また上記した例では、大当りとなることが確定した後にボタン操作を要求する演出(ボタン演出)が実行され、有効期間内に上皿演出ボタン257が操作されたことに基づいて裏下後回転装飾体ユニット3550を遊技者側から視認不能な退避位置から視認可能となる出現位置へと移動させるようになっている。換言すると大当りとなることが確定したことを遊技者に通知して、有効期間内に上皿演出ボタン257を操作すれば必ず裏下後回転装飾体ユニット3550が出現するということを遊技者が予め把握している状態でボタン演出を実行している。通常、ボタン演出は変動表示の結果が確定する以前に実行されるものであり、変動表示の結果がはずれとなる場合には有効期間内に上皿演出ボタン257を操作しても裏下後回転装飾体ユニット3550を退避位置から出現位置に出現させる可能性が低くなるように設定され、変動表示の結果が大当りとなる場合には有効期間内に上皿演出ボタン257を操作した場合には裏下後回転装飾体ユニット3550を退避位置から出現位置に出現させる可能性が高くなるように設定されている。
また、上記したように低確率時の大当り確率は400分の1に設定され、高確率時の大当り確率は40分の1に設定されるため、実行される変動表示の殆どは表示結果がはずれとなるものであり、ボタン演出が実行された場合に上皿演出ボタン257を操作しても裏下後回転装飾体ユニット3550を退避位置から出現位置に出現させる可能性は低い。このように、ボタン演出が実行されたときに上皿演出ボタン257を操作しても裏下後回転装飾体ユニット3550が退避位置から出現位置に出現されない場合には遊技者にストレスを感じさせ、また上皿演出ボタン257を操作しても裏下後回転装飾体ユニット3550が退避位置から出現位置に出現される可能性が低いためボタン演出が実行されたときに遊技興趣を低下させるおそれがあった。
本例では、上記したように大当りとなることが確定した後にボタン演出を実行して有効期間内に上皿演出ボタン257を操作した場合には必ず裏下後回転装飾体ユニット3550が退避位置から出現位置に出現することを遊技者が予め把握している状態でボタン演出を実行するため、大当りとなることが確定する以前に実行されたボタン演出にて溜まったストレスを発散すべく上皿演出ボタン257を操作させることができる。また、大当りとなることが確定したことによって周囲の遊技者に注目された状態で上皿演出ボタン257を操作して裏下後回転装飾体ユニット3550を出現させることができるため、優越感を得ることができ、大当りとなったことの喜びをさらに高めることができる。
次に、上記バトル演出ロングの変動パターンに基づいて実行されるバトル演出について図170及び図171(A)〜図171(D)、図171(E’)、図172、図173を参照して説明する。なお、バトル演出ロングの変動パターンに基づいて実行される演出は、上記バトル演出ショートの変動パターンに基づいて実行される演出と同様の演出を含むものであるであるため、重複する部分についてはバトル演出ショートをバトル演出ロングと読み替えるものとし、以下にはバトル演出ショートの演出とは異なる部分についてのみ説明する。
主制御MPUから判定結果コマンドと変動パターンコマンド(この場合にはバトル演出ロングの変動パターンを示す変動パターンコマンド)を受信したことに基づいて周辺制御MPUによって図171(A)〜図171(D)を実行した後、中央液晶表示装置1500の表示画面を徐々に明るくして敵キャラクタ1500bだけを浮かび上がらせた場合には(図171(E’))、敵キャラクタ1500bによる攻撃が行われる。なお、図170に示すように敵キャラクタ1500bによる攻撃は第二特別図柄の変動表示中に行われる。
受信した判定結果通知コマンドが高確率時短状態を継続する大当り(この例では4R確変大当り、16R確変大当り)を示すものであると共に変動パターンコマンドによってバトル演出ロングの変動パターンの実行を指示されている場合には、周辺制御MPUは敵キャラクタ1500bの攻撃をメインキャラクタ1500aが回避する態様を表示すると共に(図173(F’))、中央液晶表示装置1500の左下部に縮小表示される左・中・右の装飾図柄を大当りの態様(大当り図柄)で停止表示して「攻撃回避!大当り確定!」と表示することで大当りとなることを遊技者に通知する(図173(G’))。その後、図172(F)〜図172(I)の演出を実行する。また、図170に示すように主制御MPUによって第二特別図柄表示器にて変動表示される第二特別図柄の変動時間は、中央液晶表示装置1500で変動表示される装飾図柄の変動時間とほぼ一致し、メインキャラクタ1500aが敵キャラクタ1500bの攻撃を回避するというバトル演出の途中のタイミングで第二特別図柄表示器に第二特別図柄の大当り図柄が停止表示され、第二特別図柄の大当り図柄が停止表示されたことに基づいて主制御MPUは大入賞口(上大入賞口2006又は下大入賞口2005)の開放制御を開始する。
一方、受信した判定結果通知コマンドがはずれや高確率時短状態を終了する大当り(この例では4R通常大当り、4R潜確大当り)を示すものであると共に変動パターンコマンドによってバトル演出ロングの変動パターンの実行を指示されている場合には、周辺制御MPUは敵キャラクタ1500bの攻撃をメインキャラクタ1500aが受ける態様を表示した後(図173(F’’))、受信した判定結果通知コマンドがはずれであれば中央液晶表示装置1500の左下部に縮小表示される左・中・右の装飾図柄をはずれの態様(この場合にはリーチはずれ図柄)で停止表示し、受信した判定結果通知コマンドが高確率時短状態を終了する大当り(この例では4R通常大当り、4R潜確大当り)であれば中央液晶表示装置1500の左下部に縮小表示される左・中・右の装飾図柄を大当りの態様で停止表示して「敗北・・・」と表示することではずれや高確率時短状態を終了することを遊技者に通知する(図173(G’’))。その後、受信した判定結果通知コマンドがはずれであれば図171(A)に戻ってメインキャラクタ1500aが移動している態様を中央液晶表示装置1500に表示し、受信した判定結果通知コマンドが高確率時短状態を終了する大当り(この例では4R通常大当り、4R潜確大当り)であれば大当り遊技状態を開始する旨を通知して大当り遊技状態の制御を実行した後に図171(A)に戻ってメインキャラクタ1500aが移動している態様を中央液晶表示装置1500に表示する。
なお、大当りとなる場合に実行されるバトル演出ロングの全ての演出を実行するために要する期間として78秒〜107秒の期間(上皿演出ボタン257の操作タイミングによって異なる)が設定される。ところが、大当り遊技状態の開始前に実行される演出を実行する期間に対応する変動時間は32秒となっており、バトル演出ロングの変動パターンが選択されて第二特別図柄を変動表示した後、32秒経過したときに第二特別図柄が大当り図柄で停止表示されて大当り遊技状態の制御が開始される。そして、バトル演出ロングの演出のうち大部分(この例では46秒〜75秒であるが、全期間の半分以上であればよい)の演出は、大当り遊技状態中に実行され、大当り遊技状態の制御前に実行されるバトル演出ロングの演出期間は32秒であるのに対し、大当り遊技状態中に実行されるバトル演出ロングの演出期間は46秒〜75秒(上皿演出ボタン257の操作タイミングによって異なる)となっている。
このように、バトル演出ショートよりも演出期間が長いバトル演出を実行する場合であっても、バトル演出ロングの実行に要する全演出期間のうち大当り遊技状態中に実行される期間(大当り演出として実行される期間)を、大当り遊技状態の開始前に実行される期間(変動時間)よりも長くすることで変動表示に要する時間を低減し、単位時間当たりの特別図柄の変動表示回数が低減することを抑止できるようになっている。即ち、バトル演出ロングの全演出のうち一部の演出を大当り遊技状態の開始以前に変動表示演出(特別図柄(この場合には第二特別図柄)の変動表示に同期して中央液晶表示装置1500で実行される演出表示)として実行して残りの演出を大当り遊技状態の開始後に大当り演出として実行すると共に、大当り遊技状態の開始以前に変動表示演出として実行されるバトル演出ロングの演出期間が、大当り遊技状態の開始後に大当り演出として実行されるバトル演出ロングの演出期間よりも相対的に短くなるようにバトル演出ロングの変動時間を設定している。これによって、遊技者にとってはハンドルレバー504を操作して大入賞口(上大入賞口2006又は下大入賞口2005)に遊技球を入賞させるだけに過ぎなかった大当り遊技状態の実行期間中にバトル演出ロングの一部の演出を実行して、バトル演出ロングの全ての演出を途中で終了することなく最後まで実行しながらもバトル演出ロングの全ての演出を変動表示演出として第二特別図柄の変動表示中に実行する場合に比べてバトル演出ロングの変動時間を46秒〜75秒短縮して特別図柄(この場合には第二特別図柄)の変動表示を開始してから大当り遊技状態を終了するまでの期間を短縮させることができ、変動時間が短縮されることによって単位時間当たりの特別図柄の変動表示回数が低減することを抑止できるため、大当り判定処理の実行機会を増大させ得る。また、変動表示に要する時間を低減しても、変動表示の開始から大当り遊技状態の実行中までの長期間に亘ってバトル演出を実行することができるため、演出内容を簡素化することなくバトル演出を実行して変動時間を低減することができ、演出内容が簡素化することによる遊技興趣の低下を抑止できる。
また、はずれや高確率時短状態を終了する大当り(この例では4R通常大当り、4R潜確大当り)となる場合に実行されるバトル演出ロングの全ての演出を実行するために要する期間として65秒が設定されている。換言すると、はずれや高確率時短状態を終了する大当り(この例では4R通常大当り、4R潜確大当り)となる場合に実行されるバトル演出ロングの変動時間は65秒に設定されている。なお、バトル演出ロングを実行して敵キャラクタ1500bの攻撃を回避できずにメインキャラクタ1500aが受ける態様を表示した後に、メインキャラクタ1500aを復活させて敵キャラクタ1500bを倒す演出を実行することで大当りとなることを通知するようにしてもよく、この場合にはメインキャラクタ1500aを復活させたときに第二特別図柄の大当り図柄を停止表示すると共に左・中・右の装飾図柄の大当り図柄を停止表示して大当り遊技状態の制御を開始した後に、敵キャラクタ1500bを倒す演出(例えば図172(F)〜図172(I)の演出)を実行するようにしてもよい。この場合には、大当り遊技状態中に実行される演出の期間よりも、大当り遊技状態の開始前に実行される演出の期間の方が長くなることもあるが、この場合であっても少なくとも全ての演出を大当り遊技状態の開始前に実行する場合に比べて演出期間を短縮させることができるため、単位時間当たりの特別図柄の変動表示回数が低減することを抑止できる。
以上、上記バトル演出について好適な実施形態を挙げて説明したが、本例はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、上記実施形態の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記実施形態では、遊技機としてパチンコ機1に適用したものを示したが、これに限定するものではなく、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機に、適用しても良く、この場合でも、上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、上記した例では高確率時短状態中に行われるものを示したが、変動表示に関連して実行される演出を全て大当り遊技状態の開始前に実行する場合に比べて演出期間を短縮させる制御を実行するものであれば高確率時短状態に限られるものではなく、低確率非時短状態(いわゆる通常状態)、低確率時短状態(いわゆる時短状態)、高確率非時短状態、高確率時短状態(いわゆる確変状態)のうちのいずれか一つ又は任意の組み合わせ(全部でもよい)で実行するものであってもよい。また、高確率時短状態以外の場合にも上記演出期間を短縮させる制御を実行する場合には、遊技状態毎にその演出の出現頻度や大当り期待度を異ならせるようにしてもよい。例えば、非時短状態(高確率非時短状態、低確率非時短状態)では時短状態(高確率時短状態、低確率時短状態)よりも出現頻度を低くすると共に時短状態よりも大当り期待度を低くしてもよいし、大当りとなる場合に非時短状態ではバトル演出のロングバージョン(バトル演出ロング)の選択割合を高め、時短状態ではバトル演出のショートバージョン(バトル演出ショート)の選択割合を高めることで時短状態では非時短状態よりも特別図柄(この場合には第二特別図柄)の変動表示を開始してから大当り遊技状態を終了するまでの期間を短縮させる効果を高めるようにしてもよい。
また、上記したようにバトル演出ショートとバトル演出ロングとのうち高確率時短状態を継続する大当りとなる変動パターンでは大当り遊技状態中にボタン演出を実行するが、上皿演出ボタン257の操作タイミングに応じてバトル演出の終了後に実行される大当り演出の演出内容を異ならせるようにしてもよい。例えば、ボタン演出が実行されたときに大当り遊技状態の所定ラウンド(例えば3ラウンド)が終了するまで上皿演出ボタン257の有効期間として設定し、早いラウンド(例えば2ラウンドが終了するまで)で上皿演出ボタン257が操作された場合には大当り遊技状態の残りのラウンドを実行するまでの間に終了する一連の大当り演出(動画など)を実行し、遅いラウンド(例えば3ラウンド)で上皿演出ボタン257が操作された場合には同様の演出を実行しながらも大当り遊技状態の残りのラウンドを実行したときに一連の大当り演出が途中で終了するようにしてもよい。このように上皿演出ボタン257の操作タイミングが遅い場合には大当り演出が途中で終了するため、早いタイミングで上皿演出ボタン257を操作させることができる。
また、上記したような上皿演出ボタン257の操作タイミングに拘わらず共通の大当り演出を実行しながらも上皿演出ボタン257の操作タイミングに応じて大当り演出が完結するまで実行されるか途中で終了するかを異ならせるものに限らず、上皿演出ボタン257の操作タイミングに応じて異なる演出を実行するようにしてもよく、例えば上皿演出ボタン257の操作タイミングが早い場合には遊技者を楽しませるような演出を表示する一方、上皿演出ボタン257の操作タイミングが遅い場合には遊技者を不快にさせるような演出を表示することで早いタイミングで上皿演出ボタン257を操作させるようにしてもよいし、上皿演出ボタン257が操作されたタイミング(ラウンド、経過時間、上皿演出ボタン257を操作するまでに大入賞口(上大入賞口2006又は下大入賞口2005)に入球した遊技球の個数など)に応じてバトル演出の終了後に実行される大当り演出の種類を異ならせることで大当り演出として実行される種類についても考えながら遊技者自身により決定したタイミングで上皿演出ボタン257を操作させてバトル演出を完結させるようにしてもよい。このように、上皿演出ボタン257を操作したタイミングに応じてその後の展開を異ならせることにより、遊技者に上皿演出ボタン257を操作するタイミングについても考えさせて大当り遊技状態中の遊技を楽しませることができるため、従来の大当り遊技状態で実行されている大当り演出よりも魅力的な演出を実行することができる。
また、上皿演出ボタン257の操作タイミングに応じてバトル演出の態様を変化させるようにしてもよく、例えば上皿演出ボタン257の操作タイミング(ラウンド、経過時間、上皿演出ボタン257を操作するまでに大入賞口(上大入賞口2006又は下大入賞口2005)に入球した遊技球の個数など)が早い又は遅いほど裏下後回転装飾体ユニット3550を出現させるときのエフェクト表示(例えば裏下後回転装飾体ユニット3550の周囲に炎を表示する場合に炎の大きさや色)が派手になるようにしてもよい。上皿演出ボタン257の操作タイミングが早いほど裏下後回転装飾体ユニット3550を出現させるときのエフェクト表示を派手にすることにより早いタイミングで上皿演出ボタン257を操作させることができ、上皿演出ボタン257の操作タイミングが遅いほど裏下後回転装飾体ユニット3550を出現させるときのエフェクト表示を派手にすることにより遅いタイミングで上皿演出ボタン257を操作させることができる。このように、演出を適宜設定することで所定のタイミングで上皿演出ボタン257を操作するように遊技者を誘導することが可能になる。
また、上皿演出ボタン257の操作タイミングとして上皿演出ボタン257を操作するまでに大入賞口(上大入賞口2006又は下大入賞口2005)に入球した遊技球の個数に応じてその後の演出(バトル演出、大当り演出のいずれか一方又は双方)の態様を異ならせる場合には、高確率時短状態の制御を開始してから実行された全ての大当り遊技状態で大入賞口(上大入賞口2006又は下大入賞口2005)に入球した遊技球の個数に応じて変化させるようにしてもよい。この場合には、高確率時短状態にて実行される大当り遊技状態の回数が増えるほど演出の態様を異ならせることができるため、大当り遊技状態の回数に応じて実行される演出の態様によって遊技者に優越感や満足感を与えることができ、大当りとなったことの喜びをさらに高めることができる。
また、上記した例ではボタン演出が実行されて有効期間内に上皿演出ボタン257が操作された場合にはその時点で有効期間が終了して裏下後回転装飾体ユニット3550を所定回数(本例では一度だけ)出現させるように構成したが、これに限らず裏下後回転装飾体ユニット3550が出現した場合であっても有効期間を終了させることなく、有効期間内であれば裏下後回転装飾体ユニット3550が退避した後に再び上皿演出ボタン257を操作することで裏下後回転装飾体ユニット3550を出現させるようにしてもよいし、大当り遊技状態中の所定のラウンド(全てのラウンドであってもよいし、特定のラウンド(例えば10ラウンドが終了するまでや奇数ラウンドなど)で上皿演出ボタン257を操作した場合には裏下後回転装飾体ユニット3550を出現させるようにしてもよい。これにより、大当りとなったことの喜びをさらに高めることができ、上皿演出ボタン257の操作による裏下後回転装飾体ユニット3550の出現によって大当りとなったことを周囲にアピールして優越感を与えることができる。
また、上記した例では大当りとなる場合に限らず、はずれとなる場合にもバトル演出(バトル演出ショート、バトル演出ロング)を実行し得る構成としたが、高確率時短状態中には大当りとなる場合にだけバトル演出の変動パターンを実行し得るものとし、はずれとなる場合にはバトル演出を実行し得ないようにしてもよい。このように構成することにより、バトル演出が実行された場合には必ず大当りとなるため、余裕をもって演出に注目させることができると共に大当り遊技状態の制御が開始されるタイミングや大当りの種類(4R通常大当り、4R潜確大当り、4R確変大当り、16R確変大当り)にも注目させることができる。
また、高確率時短状態中に判定結果通知コマンドによって高確率時短状態を終了する大当り(4R通常大当り、4R潜確大当り)が指示されると共に、変動パターンコマンドによってバトル演出(バトル演出ショート、バトル演出ロング)の変動パターンが指示された場合には、バトル演出の終了後に大当り遊技状態の制御を開始するように構成したが、この場合に実行される4R大当り遊技状態では16R大当り遊技状態に比べて大当り遊技状態を開始してから終了するまでに必要とされる期間が短いものであるため、バトル演出を最後まで変動表示演出として第二特別図柄の変動表示中に実行しても特別図柄(この場合には第二特別図柄)の変動表示を開始してから16大当り遊技状態を終了するまでの期間に比べて特別図柄(この場合には第二特別図柄)の変動表示を開始してから4大当り遊技状態を終了するまでの期間を短くすることができる。
[9.リアルタイム演出]
次に、リアルタイム演出について説明する。リアルタイム演出とは、遊技球が始動入賞したか否かに係らず、メインキャラクタ1500aがフィールド内を歩き進む映像を、複数のシーンに区分けして順番に表示し、区分けしたシーンをループさせて中央液晶表示装置1500に表示中、遊技球が始動口ユニット2100の第一始動口2002又は第二始動口2004へ入球し、それに応じて変動表示を開始することを契機に、現在表示されているループ映像のシーンからシームレスに実行される演出である。
本実施例におけるリアルタイム演出では、例えば中央液晶表示装置1500にてメインキャラクタがフィールド(本例では電車の車両内)内を歩き進むループ映像が表示されており、その映像の表示中に遊技球が始動入賞し、変動表示が行われるその時に、中央液晶表示装置1500に表示されているループ映像のフィールド内に表示されているオブジェクトに対応した演出を、主制御基板から出力される変動パターンに応じた変動時間に応じて周辺制御MPUが選択する構成となっている。例えば、メインキャラクタがフィールドを歩き進み、窓が表示されている場面となった時に変動表示が行われる場合、例えば、窓を突き破って敵が飛び出してくる等、窓を用いた演出を実行することにより、変動表示前に表示される場面と、変動表示中に表示される場面とをリアルタイムに連動させて演出を行うことができ、バリエーションに富んだ演出を楽しませることが可能となっている。
[ループ映像]
本例におけるループ映像を図206乃至208を用いて説明する。図206は、ループ映像における、メインキャラクタ1500aが歩き進むフィールドの見取り図を示す図である。図207は、中央液晶表示装置1500に表示されるループ映像を示す図であり、(A)は、図206におけるシーン1(以下、単にシーン1という。)のエリアにメインキャラクタ1500aが表示されている時に表示されるループ映像であり、(B)は、シーン2のエリアにメインキャラクタ1500aが表示されている時に表示されるループ映像であり、(C)は、シーン3のエリアにメインキャラクタ1500aが表示されている時に表示されるループ映像である。図208は、図207におけるループ映像の続きを示す図であり、(D)は、シーン4のエリアにメインキャラクタ1500aが表示されている時に表示されるループ映像であり、(E)は、シーン5のエリアにメインキャラクタ1500aが表示されている時に表示されるループ映像であり、(F)は、シーン6のエリアにメインキャラクタ1500aが表示されている時に表示されるループ映像である。
まず、ループ映像とは、図206に示すように、予め指定されたフィールド内をメインキャラクタ1500aがスタート地点からゴール地点まで歩き進み、ゴール地点まで到達すると、再びスタート地点に戻り、再度ゴール地点まで歩き進む、といった循環的に繰り返し表示する映像を示すものである。このフィールドは、その場所ごとにシーンが設定されており、全部で1〜6までの6シーンに区分けされている。
シーン1からループ映像がスタートし、シーン2、シーン3と歩き進んで行き、シーン6が最後のシーンとなっている。シーン6に進んだ後は再度シーン1に戻り、以降ループする。また、シーン1のスタート地点からシーン6のゴール地点に到達するまでの所要時間は、例えば60秒〜70秒とする。
尚、本例における中央液晶表示装置に表示されるシーン1からシーン6までのループ映像は、メインキャラクタ1500aの側方からカメラを向けているように表示しているが、これに限定されるものではなく、例えば、メインキャラクタ1500aの背後からカメラを向けて、歩き進むメインキャラクタ1500aを追従するような表示態様としても良い。
[リアルタイム演出の種類]
図209は、リアルタイム演出に用いられる演出パターンを格納している演出テーブルを示す図である。
本例におけるリアルタイム演出は、図209に示すように、PTN1〜PTN8までの、合計8種類の演出パターンが用意されている。
PTN1は、ループ映像を表示中、そのループ映像中に扉が表示されている時、主制御MPUから受信した判定結果通知コマンドと変動パターンコマンドとによってリーチすること(リーチしてはずれ、リーチして大当り)が示された場合に選択可能な演出パターンである。この演出パターンは固定オブジェクトである扉を利用した演出であり、扉が勢いよく開いてからクリーチャーが飛び出す演出が実行される。
PTN2は、ループ映像を表示中、そのループ映像中に窓が表示されている時、主制御MPUから受信した判定結果通知コマンドと変動パターンコマンドとによってリーチすること(リーチしてはずれ、リーチして大当り)が示された場合、又は変動表示の変動時間が12秒以上である時に選択可能な演出パターンである。この演出パターンは固定オブジェクトである窓を利用した演出であり、窓が破られてクリーチャーが飛び込んでくる演出が実行される。
PTN3は、ループ映像を表示中、そのループ映像中に扉が表示されている時、主制御MPUから受信した判定結果通知コマンドと変動パターンコマンドとによって変動表示の変動時間が5秒未満である場合以外に選択可能な演出パターンである。この演出パターンは固定オブジェクトである扉を利用した演出であり、扉が勢いよく開くのみの演出が実行される。
PTN4は、ループ映像を表示中、そのループ映像中に窓が表示されている時に選択可能な演出パターンである。この演出パターンは固定オブジェクトである窓を利用した演出であり、窓が破られるのみの演出が実行される。
PTN5は、前記PTN1〜PTN4の演出パターンの表示が不可能である時(ループ映像中に扉や窓のオブジェクトが表示されていない)、主制御MPUから受信した判定結果通知コマンドと変動パターンコマンドとによってリーチすること(リーチしてはずれ、リーチして大当り)が示された場合に選択可能な演出パターンである。この演出パターンは、映像とアクションを利用した演出であり、メインキャラクタ1500aの背後からカメラを向けるような映像を表示し、メインキャラクタ1500aが立ち止まり、カメラ方向へ振り返る、次いでカメラが再びメインキャラクタ1500aの背後に回り込むと、メインキャラクタ1500aの目の前に敵が出現する演出が実行される。
PTN6は、前記PTN1〜PTN4の演出パターンの表示が不可能である時、主制御MPUから受信した判定結果通知コマンドと変動パターンコマンドとによって変動表示の変動時間が12秒未満である場合以外に選択可能な演出パターンである。この演出パターンは、映像とアクションを利用した演出であり、メインキャラクタ1500aの背後からカメラを向けるような映像を表示し、メインキャラクタ1500aが立ち止まり、カメラ方向へ振り返る、次いでカメラが再びメインキャラクタ1500aの背後に回り込むものの、メインキャラクタ1500aの目の前に敵が出現しない演出が実行される。
PTN7は、前記PTN1〜PTN6の演出パターンの表示が不可能である時、主制御MPUから受信した判定結果通知コマンドと変動パターンコマンドとによって変動表示の変動時間が5秒未満である場合以外に選択可能な演出パターンである。この演出パターンは、メインキャラクタ1500aがアクションを行う演出であり、メインキャラクタ1500aが立ち止まって無線機を取り出し一言セリフを発する(例えば「This is Tom, over.」等)演出が実行される。その後、背景を変化させる差し替え演出を実行する。
PTN8は、前記PTN1〜PTN6の演出パターンの表示が不可能である時、主制御MPUから受信した判定結果通知コマンドと変動パターンコマンドとによって変動表示の変動時間が5秒未満である場合以外に選択可能な演出パターンである。この演出パターンは、メインキャラクタ1500aがアクションを行う演出であり、メインキャラクタ1500aが立ち止まってカメラ方向へ振り返り、親指を立ててサムアップポーズをとる演出が実行される。その後、背景を変化させる差し替え演出を実行する。
また、上記PTN1〜8の変動パターンのいずれも実行できない時、即ちループ映像中に扉や窓のオブジェクトが表示されておらず、変動時間や変動パターンの条件が満たされていない場合は、背景を変化させる差し替え演出を実行するようになっている。
尚、上記扉や窓を利用したオブジェクトアクションが選択可能な期間は、シーン毎に予め定められている。以下、図210を用いて説明する。
図210は、オブジェクトアクションを実行可能な期間をシーン毎にグラフで示した図である。L1は、扉を利用したオブジェクトアクション、即ちPTN1又はPTN3を示すものであり、L2は、窓を利用したオブジェクトアクション、即ちPTN2又はPTN4を示すものである。シーン1〜6において、上記L1及びL2が表示されている範囲の期間であって、且つ前述した変動時間や変動パターンの条件が満たされている場合に、夫々の演出パターンを条件に従って選択するようになっており、L1及びL2が表示されていない範囲の期間であって、且つ前述した変動時間や変動パターンの条件が満たされていない場合、夫々の演出パターンが選択不可能となっている。尚、L1及びL2両方の演出パターンが選択可能な期間に変動表示が実行された場合は、主制御基板から受信した変動パターンコマンドに基づいて特定された変動時間や、リーチを伴う変動であるか否かに応じて、演出パターンが決定される構成となっている。
[リアルタイム演出の実行契機]
遊技盤面にて始動入賞が発生していない時は、前述したシーン1からシーン6までのループ映像が循環的にループして、中央液晶表示装置1500に表示されている。そして、メインキャラクタ1500aが、フィールドを歩き進んでいるループ映像の表示中、例えばシーン2のエリアにメインキャラクタ1500aが存在している時に遊技球が始動入賞した場合、主制御基板から周辺制御基板へ変動パターンコマンドが出力され、周辺制御MPUによって主制御基板から受信したコマンドを解析し、変動時間が特定される。それを契機に、リアルタイム演出決定処理が実行される。
次に、周辺制御MPUによって、リアルタイム演出を行うことが決定された場合における制御処理を、図211を用いて説明する。
図211は、周辺制御MPUによってリアルタイム演出を行うことが決定された場合に、いずれの演出パターンを選択するかを、変動時間に応じて段階的に選択するフローチャートである。またこの処理は、周辺制御MPUによる、16mS定常処理(図167参照)における、ステップS602の演出制御処理にて実行される処理である。
リアルタイム演出決定処理が開始されると、ステップS700において、当該変動における変動時間がPTN1〜PTN4を実行できる秒数であった場合は、(ステップS700においてYES)オブジェクトアクションを実行することを決定し(ステップS704)、リアルタイム演出決定処理を終了する。
一方、当該変動における変動時間がPTN1〜PTN4を実行できる秒数でなかった場合は、(ステップS700においてNO)当該変動における変動時間がPTN5〜PTN6を実行できる秒数であるか否かの判定を行う(ステップS702)。
次に、ステップS702において、当該変動における変動時間がPTN5〜PTN6を実行できる秒数であった場合は、(ステップS702においてYES)カメラアクションを実行することを決定し(ステップS708)、リアルタイム演出決定処理を終了する。
一方、当該変動における変動時間がPTN5〜PTN6を実行できる秒数でなかった場合は、(ステップS702においてNO)当該変動における変動時間がPTN7〜PTN8を実行できる秒数であるか否かの判定を行う(ステップS706)。
次に、ステップS706において、当該変動における変動時間がPTN7〜PTN8を実行できる秒数であった場合は、(ステップS706においてYES)主人公アクションを実行することを決定し(ステップS712)、リアルタイム演出決定処理を終了する。
一方、当該変動における変動時間がPTN7〜PTN8を実行できる秒数でなかった場合は、(ステップS706においてNO)差し替え予告を実行することを決定し、リアルタイム演出決定処理を終了する(ステップS710)。
[リアルタイム演出における演出の流れ例1]
次に本例のリアルタイム演出における流れの一例を、図212を用いて説明する。
図212は、シーン1のエリアにメインキャラクタ1500aがいる時に実行されるリアルタイム演出の一例を示す図である。
図212(A)に示すようにループ映像の表示中、メインキャラクタ1500aがフィールドを歩き進み、例えばメインキャラクタ1500aがフィールドにおけるシーン1のエリアにいる状態の時に、図212(B)に示すように遊技球が始動入賞した場合、主制御基板から周辺制御基板へ変動パターンコマンドが出力され、周辺制御MPUによって主制御基板から受信したコマンドを解析し、変動時間が特定される。次いで、特定された変動時間がPTN1〜4の演出パターンを実行可能な場合、オブジェクトアクションを実行することが決定される。
オブジェクトアクションを実行することが決定されると、PTN1〜4の演出パターンのいずれかを選択することとなる。解析した変動パターンコマンドがリーチを伴わないものであった場合、PTN1はリーチを伴う変動パターンにのみ選択可能な演出パターンなので、この場合はPTN2〜4のいずれかを選択する。シーン1のエリアには、固定オブジェクトとして、左隅に扉、右隅に窓が配置されている(図212(A)参照)が、図212(A)では、扉は全体を視認可能となっており、窓は一部のみしか視認できないため、この場合、PTN3の演出パターンを実行することが決定される。
PTN3の演出パターンが実行されると、図212(C)に示すように、表示されているループ映像から場面が切り替わることなく、シームレスで扉が勢いよく開く演出に移行する。この時、メインキャラクタ1500aは、扉が勢いよく開いたことに驚き、図212(D)に示すように扉へ注意を払うようなアクションを行う。その後は図212(E)に示すように、再びメインキャラクタ1500aがフィールドを歩き進むループ映像へシームレスに移行する。
尚、上記の例1において、解析した変動パターンコマンドがリーチを伴うものであった場合、PTN1〜4のいずれかを選択することになる。例1においては、扉は全体を視認可能となっており、窓は一部のみしか視認できないため、PTN1又はPTN3のいずれかの演出パターンが選択される。この場合、周辺制御MPUによって、乱数抽選と振分テーブルとでいずれか一方の演出パターンに振分けられる。例えば、リーチを伴う変動パターンの場合のみに選択可能なPTN1が10%、リーチを伴う変動パターン以外であっても選択可能なPTN3が90%の割合で選択される。
また、固定オブジェクトである窓や扉が、一部しか見えない、又はまったく見えない状態であっても、扉や窓を用いた演出パターンを選択するようにしても良い、その場合、扉が勢いよく開かれたり、窓が破られたりする状況を伝えるために、スピーカユニット920を用いた音のみで演出を表現する構成となっている。これにより、見えないところで扉が勢いよく開かれたり、窓が破られたりするドキドキ感や恐怖感を遊技者に与えることができ、遊技に対する興趣を向上させることが出来る。
[リアルタイム演出における演出の流れ例2]
ループ映像の表示中、メインキャラクタ1500aがフィールドを歩き進み、例えばメインキャラクタ1500aがフィールドにおけるシーン2のエリアにいる状態の時に、遊技球が始動入賞した場合、主制御基板から周辺制御基板へ変動パターンコマンドが出力され、周辺制御MPUによって主制御基板から受信したコマンドを解析し、変動時間が特定される。次いで、特定された変動時間がPTN1〜4の演出パターンを実行不可能な場合であって、PTN5〜6の演出パターンを実行可能な場合、カメラアクションを行うことが決定される。
カメラアクションを実行することが決定されると、PTN5〜6の演出パターンのいずれかを選択することとなる。解析した変動パターンコマンドがリーチを伴わないものであった場合、変動時間が12秒未満以外の場合に選択可能なPTN6の演出パターンを実行することが決定される。
PTN6の演出パターンが実行されると、表示されているループ映像から場面が切り替わることなく、メインキャラクタ1500aが立ち止まり、カメラ方向へ振り返る演出へ移行する。次いで、カメラが再びメインキャラクタ1500aの背後に回り込むと、メインキャラクタ1500aの目の前に敵が出現する。そして、その敵に対して所持している銃などの武器を構えるアクションを行う。その後は、再びメインキャラクタ1500aがフィールドを歩き進むループ映像へシームレスに移行する。
尚、上記の例2において、解析した変動パターンコマンドがリーチを伴うものであった場合、PTN5〜6のいずれかを選択することになる。この場合、周辺制御MPUによって、乱数抽選と振分テーブルとでいずれか一方の演出パターンに振分けられる。例えば、リーチを伴う変動パターンの場合のみに選択可能なPTN5が20%、リーチを伴う変動パターン以外であっても選択可能なPTN6が80%の割合で選択される。
[リアルタイム演出における演出の流れ例3]
ループ映像の表示中、メインキャラクタ1500aがフィールドを歩き進み、例えばメインキャラクタ1500aがフィールドにおけるシーン5のエリアにいる状態の時に、遊技球が始動入賞した場合、主制御基板から周辺制御基板へ変動パターンコマンドが出力され、周辺制御MPUによって主制御基板から受信したコマンドを解析し、変動時間が特定される。次いで、特定された変動時間がPTN1〜6の演出パターンを実行不可能な場合であって、PTN7〜8の演出パターンを実行可能な場合、主人公アクションを行うことが決定される。
主人公アクションを実行することが決定されると、PTN7〜8の演出パターンのいずれかを選択することとなる。解析した変動パターンコマンドがリーチを伴わないものであった場合、どちらの変動パターンも変動時間が5秒未満以外の場合に選択可能な演出パターンなので、この場合、周辺制御MPUによって、乱数抽選と振分テーブルとでいずれか一方の演出パターンに振分けられる。例えば、PTN7が95%、PTN8が5%の割合で選択される。
例えばPTN7の演出パターンが実行されると、表示されているループ映像から場面が切り替わることなく、メインキャラクタ1500aが立ち止まり、無線機を取り出して一言セリフを言う演出へ移行する。次いで、メインキャラクタ1500aが無線機に向かって、「This is Tom, over.」というセリフを発するアクションを行う。その後は、メインキャラクタ1500aがフィールドを歩き進むループ映像へシームレスに移行せずに、差し替え画像を表示し、背景を切替える表示を行い、シームレスでない場面切替えを行う。
[リアルタイム演出における演出の流れ例4]
ループ映像の表示中、メインキャラクタ1500aがフィールドを歩き進み、例えばメインキャラクタ1500aがフィールドにおけるシーン5のエリアにいる状態の時に、遊技球が始動入賞した場合、主制御基板から周辺制御基板へ変動パターンコマンドが出力され、周辺制御MPUによって主制御基板から受信したコマンドを解析し、変動時間が特定される。次いで、ループ映像中に扉や窓のオブジェクトが表示されておらず、特定された変動時間や変動パターンの条件が満たされていないことに基づき、PTN1〜8の演出パターンを実行不可能な場合は、差し替え予告を行うことが決定される。
差し替え予告が実行されることが決定されると、上記の各種アクション演出を行わず、背景を切替える差し替え画像を表示し、差し替え予告を行う。
以上説明したように、本実施例によれば、従来のループ映像と変動表示との関連性が薄かった演出からとは異なり、変動表示前に表示される場面と、変動表示中に表示される場面とをリアルタイムに連動させて、シームレスな演出を行うことができる為、今までにない演出態様を遊技者に提供することが可能となり、遊技に対する興趣を向上させることができる。
[ループ映像への復帰]
前述した演出パターンのうちPTN7〜8及び、PTN1〜8の演出パターンが選択不可能だった場合に実行される演出は、ループ映像から画面を切り替える差し替え画像を表示する演出(差し替え予告)を実行するものである。そのため、本例では、差し替え演出が終了した後、ループ映像へ戻る際に、差し替え演出が実行される前にメインキャラクタ1500aが存在していたシーンのエリアに戻るものである。例えば、シーン2のエリアにメインキャラクタ1500aが存在している時に上記差し替え演出が行われ、再度ループ映像に戻る時、スタート地点であるシーン1のエリアに戻るものではなく、シーン2のエリアにおける指定された復帰ポイントに戻るものであり、差し替え演出が行われる前にメインキャラクタ1500aが存在していたシーンのエリアからループ映像を再び表示する、ループ映像処理を実行する構成となっている。以下、図213乃至214を用いて説明する。
図213は、後述するループ映像処理と選択された演出パターンとの流れを示すフローチャートであり、図214は、ループ演出の流れを示すフローチャートである。
ループ映像と、選択された演出パターンを実行する処理は、周辺制御MPUによる、16mS定常処理(図167参照)における、ステップS602の演出制御処理にて実行される。
差し替え演出を行った後、上記指定された復帰ポイントに戻るために、本例では差し替え演出である、差し替え画像が表示される直前にメインキャラクタ1500aがいずれのシーンに存在していたかをポインタの値で識別している。ポインタのデフォルト値は、シーン1に対応させて「1」とされている。メインキャラクタ1500aがフィールドを歩き進み、次のシーンに移動すると、ポイント値が+1され、上限値は「6」とされている。即ち、シーン1にメインキャラクタ1500aが存在している時のポイント値は「1」であり、シーン6にメインキャラクタ1500aが存在している時のポイント値は「6」である。
例えば、ループ映像の表示中、シーン2にメインキャラクタ1500aが存在している時に差し替え演出が行われる場合、ポイント値は「2」である、その後差し替え演出が終了し、ループ映像に再び移行する際は、ポイント値「2」に対応したシーン2の開始地点にメインキャラクタ1500aが復帰し、ループ映像に戻る構成となっている。
ループ映像処理が開始されると、ステップS720において、差し替え演出が実行中である場合は、(ステップS720においてYES)ループ映像処理を終了する。
一方、差し替え演出が実行中でない場合は、(ステップS720においてNO)ループ映像におけるポインタの値に対応するシーン(ポインタの値が「3」であった場合、シーン3を表示)を表示する(ステップS722)。
次いで、ステップS724において、表示されているループ映像の1シーンが終了(歩き進むメインキャラクタ1500aがシーンを跨いだ)したか否かを判定し、1シーンが終了していない場合(ステップS724においてNO)は、ループ映像処理を終了する。
一方、1シーンが終了した場合は、ポインタの値が上限値(「6」)であるか否かの判定を行う(ステップS726)。
次に、ステップS726おいて、ポインタの値が上限値でなかった場合は、(ステップS726においてNO)ポインタの値に1を足して、ループ映像処理を終了する。
一方、ポインタの値が上限値であった場合は、(ステップS726においてYES)ポインタの値をデフォルト値である「1」に戻して、ループ映像処理を終了する。
以上説明した構成によれば、ループ映像において、メインキャラクタ1500aが存在しているシーンに対応してポインタの値が設定されており、そのポインタの値に応じて、ループ映像におけるいずれのシーンを表示するかが決定されるものである。即ち、差し替え演出が実行された後、ループ映像に再び戻る時、単にループ映像のスタート地点に戻るものではなく、差し替え演出が行われる前にメインキャラクタ1500aが存在していたシーンからループ演出を開始することが出来るため、例えば、差し替え演出が行われる前は、メインキャラクタ1500aはシーン4に存在していたにもかかわらず、差し替え演出が終了した後、ループ映像に戻る際、シーン4のエリアと異なる位置からループ映像が開始されてしまう事により感じる違和感を覚えさせてしまうことを防止することができ、遊技に対する興趣の低下を抑制することができる。
尚、上述したループ映像への復帰処理として、メインキャラクタ1500aがいずれのシーンに存在していたかをする識別ポインタの値は、メインキャラクタ1500aがシーンを移動する毎に加算されるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、ポインタの値の上限値を増やし、夫々のシーンにおける複数個所においてポインタの値が加算される地点を設けることにより、より細かく復帰ポイントを設定することができる。これにより、差し替え演出が実行される前にメインキャラクタ1500a存在していた位置に近い箇所からループ演出を再度開始することが可能となり、より一層、違和感を覚えさせることなく自然にループ映像に復帰させることができる。
[10.遊技内容]
次に、本実施形態のパチンコ機1による遊技内容について、主に図174乃至図176を参照して説明する。図174は、前構成部材及び表ユニットを遊技領域内における前後方向の略中央で切断した遊技盤の正面図である。また、図175(a)は図174において遊技領域内の右部を拡大して示す正面図であり、(b)は(a)におけるH−H線で切断して要部のみを示す断面図である。更に、図176は、図174において上大入賞口付近を拡大して示す説明図である。
本実施形態のパチンコ機1は、扉枠3の前面右下隅に配置されたハンドルユニット500のハンドルレバー504を遊技者が回転操作することで、皿ユニット200の上皿201に貯留された遊技球が、遊技盤5における外レール1001と内レール1002との間を通って遊技領域5a内の上部へと打ち込まれて、遊技球による遊技が開始される。遊技領域5a内の上部へ打ち込まれた遊技球は、その打込強さによって遊技領域5a内を左右に分割しているセンター役物2500の上側の左側、或いは、右側の何れかを流下する。
なお、遊技球の打込み強さは、ハンドルレバー504の回転量によって調整することができ、時計回りの方向へ回転させるほど強く打込むことができる。
また、遊技領域5a内には、適宜位置に所定のゲージ配列で複数の障害釘(図示は省略)が遊技パネル1100(パネル板1110)の前面に植設されており、遊技球が障害釘に当接することで、遊技球の流下速度が抑制されると共に、遊技球に様々な動きが付与されて、その動きを楽しませられるようになっている。また、遊技領域5a内には、障害釘の他に、遊技球の当接により回転する風車(図示は省略)が適宜位置に備えられている。
ハンドルレバー504の回動角度に応じて球発射装置680が所定の打込強さ未満の打込強さで遊技球を打込むことによりセンター役物2500の上部へ打込まれた遊技球は、センター役物2500の前周壁部2512の外周面のうち、最も高くなった部位よりも正面視左側へ進入する。そして、センター役物2500の前周壁部2512の外周面の最も高くなった部位よりも左側に進入した遊技球は、図示しない複数の障害釘に遊技球が当接しながら、センター役物2500の左側を流下することとなる。そして、センター役物2500の左側を流下する遊技球が、センター役物2500の前周壁部2512の外周面に開口しているワープ入口2520に進入すると、ワープ通路2521を通ってセンター役物2500の枠内に開口しているワープ出口2523からステージ2530の左端に供給される。
センター役物2500のステージ2530に供給された遊技球は、ステージ2530上を左右へ転動して行ったり来たりして、遊技領域5aにおける左右方向中央の両側に形成されているサイド誘導溝2532から前方へ放出されると、遊技領域5a内におけるステージ2530の下方で始動口ユニット2100の上方の領域を流下することとなる。これにより、始動口ユニット2100の第一始動口2002に遊技球が受入れられる可能性がある。
ステージ2530を転動している遊技球が、ステージ2530の遊技領域5aにおける左右方向中央の中央誘導溝2531から前方へ放出されると、中央誘導溝2531の直下に開口している始動口ユニット2100の第一始動口2002に、高い確率で受入れられる。この第一始動口2002に遊技球が受入れられると、主制御基板及び払出制御基板を介して払出装置830から所定数(例えば、3個)の遊技球が、上皿201に払出される。
ところで、センター役物2500の左側へ流下した遊技球が、ワープ入口2520に進入しなかった場合、複数の障害釘やサイドユニット2200の第一棚部2201a等によって、センター役物2500の下方で遊技領域5a内の左右方向中央へ向かうように誘導され、下流側に配置されている一般入賞口2001や第一始動口2002等に受入れられる可能性がある。そして、一般入賞口2001に遊技球が受入れられると、主制御基板及び払出制御基板を介して払出装置830から所定数(例えば、10個)の遊技球が、上皿201に払出される。
また、センター役物2500の左側へ流下した遊技球は、始動口ユニット2100とアタッカユニット2300との間に延びているセンター役物2500の下辺により、アタッカユニット2300側へは流下することはなく、アタッカユニット2300の一般入賞口2001、第二始動口2004、及び下大入賞口2005等に受入れられることはない。
なお、始動口ユニット2100には、第一始動口2002の下側に、アタッカユニット2300における下大入賞口2005を開閉する下大入賞口扉部材2352と似ている横長四角形のフェイク部2105aが備えられているため、従来のパチンコ機のように第一始動口の下側に大入賞口があると錯覚させることができる。
一方、ハンドルレバー504の回動角度に応じて球発射装置680が所定の打込強さ以上の打込強さで打込むことにより遊技領域5a内においてセンター役物2500の上部に打込まれた遊技球は、センター役物2500の前周壁部2512の外周面の最も高くなった部位よりも右側に進入する(打込まれる)。そして、センター役物2500の前周壁部2512の外周面の最も高くなった部位よりも右側に進入した遊技球は、右上入口から上遊技空間2541、及び右通路2542を通って右下出口2543からアタッカユニット2300におけるゲート部2003の直上へ放出される。これにより、センター役物2500の右側を流下するように打込まれた(右打ちされた)遊技球は、極めて高い確率でゲート部2003を通過することとなる。そして、ゲート部2003を通過した遊技球は、第二始動口2004の前方を通って棚部材2303上に流下し、棚部材2303上を正面視左方へ転動した後に、棚部材2303の正面視左端から下方へ放出される。棚部材2303から放出された遊技球は、下大入賞口2005の前方を通って右下レール1005上へ流下し、右下レール1005上を正面視左方へ転動してアウト口1111から遊技領域5a外へ排出される。
右下出口2543から放出された遊技球が、ゲート部2003の正面視左側を流下した場合、アタッカユニット2300の一般入賞口2001、始動口前部材2302の誘導部2302bを介して第二始動口2004、又は、下大入賞口2005に、受入れられる可能性がある。一方、ゲート部2003の正面視右側を遊技球が流下した場合、一般入賞口2001や第二始動口2004等に受入れられることなく、右下レール1005上へ流下して、アウト口1111から排出される。
従って、下大入賞口2005が開いている時に、ゲート部2003及びゲート部2003の左側を遊技球が通過すると、高い確率で下大入賞口2005に受入れられる。
ゲート部2003を遊技球が通過してゲートセンサ2305により検知されると、主制御基板において普通抽選が行われ、抽選された普通抽選結果が「普通当り」の場合、第二始動口扉部材2323が所定時間(例えば、0.3〜3秒)の間、前進して第二始動口2004を開状態とする。従って、第二始動口扉部材2323が前進して開状態となっているタイミングで、遊技球が第二始動口2004の前方に到達すると、第二始動口扉部材2323により流通方向が後方へ変えられて第二始動口2004に受入れられることとなる。第二始動口2004に遊技球が受入れられると、主制御基板及び払出制御基板を介して払出装置830から所定数(例えば、4個)の遊技球が、上皿201に払出される。
本実施形態では、ゲート部2003を遊技球が通過することで行われる普通抽選において、普通抽選を開始してから普通抽選結果を示唆するまでにある程度の時間を設定している(例えば、0.1〜10秒、普通変動時間とも称す)。この普通抽選結果の示唆は、遊技盤5の機能表示ユニット1400に表示される。
また、遊技球がゲート部2003を通過してから普通抽選結果が示唆されるまでの間に、遊技球がゲート部2003を通過すると、普通抽選結果の示唆を開始することができないため、普通抽選結果の示唆の開始を、先の普通抽選結果の示唆が終了するまで保留するようにしている。また、普通抽選結果の保留数は、4つまでを上限とし、それ以上については、ゲート部2003を遊技球が通過しても、保留せずに破棄している。これにより、保留が貯まることで遊技ホール側の負担の増加を抑制している。
本実施形態のパチンコ機1は、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球が受入れられると、主制御基板において、遊技者に有利な有利遊技状態(例えば、「大当り」、「中当り」、「小当り」、「確率変動当り」、「時間短縮当り」、等)を発生させる特別抽選結果の抽選が行われる。そして、抽選された特別抽選結果を、所定時間(例えば、5〜360秒)かけて遊技者に示唆する。なお、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球が受入れられることで抽選される特別抽選結果には、「ハズレ」、「小当り」、「2R大当り」、「15R大当り」、「確変(確率変更)当り」、「時短(時間短縮)当り」、「確変時短当り」、「確変時短無し当り」、等がある。
第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球の受入れにより抽選された特別抽選結果(第一特別抽選結果及び第二特別抽選結果)が、有利遊技状態を発生させる特別抽選結果の場合、アタッカユニット2300の下大入賞口扉部材2352、又は、センター役物2500の上大入賞口扉部材2550の何れかが、抽選された特別抽選結果に応じた開閉パターンで開閉動作し、下大入賞口2005又は上大入賞口2006へ遊技球を受入れさせることができるようになる。この下大入賞口2005又は上大入賞口2006が開状態の時に、下大入賞口2005又は上大入賞口2006に遊技球が受入れられると、主制御基板及び払出基板によって払出装置830から所定数(例えば、10個、又は、13個)の遊技球が、上皿201に払出される。従って、下大入賞口扉部材2352又は上大入賞口扉部材2550が所定パターンで開閉動作している時に、下大入賞口2005又は上大入賞口2006に遊技球を受入れさせることで、多くの遊技球を払出させることができ、遊技者を楽しませることができる。
特別抽選結果が「小当り」の場合、下大入賞口扉部材2352又は上大入賞口扉部材2550が、所定短時間(例えば、0.2秒〜0.6秒の間)の間、開状態となって閉鎖する開閉パターンを複数回(例えば、2回)繰返す。一方、特別抽選結果が「大当り」の場合、下大入賞口扉部材2352又は上大入賞口扉部材2550が、開状態となった後に、所定時間(例えば、約30秒)経過、或いは、下大入賞口2005又は上大入賞口2006への所定個数(例えば、10個)の遊技球の受入れ、の何れかの条件が充足すると、下大入賞口扉部材2352又は上大入賞口扉部材2550を閉状態とする開閉パターン(一回の開閉パターンを1ラウンドと称す)を、所定回数(所定ラウンド数)繰返す。例えば、「2R大当り」であれば2ラウンド、「15R大当り」であれば15ラウンド、夫々繰返して、遊技者に有利な有利遊技状態を発生させる。
なお、「大当り」では、大当り遊技の終了後に、「大当り」等の特別抽選結果が抽選される確率を変更(「確変当り」)したり、特別抽選結果を示唆する演出画像の表示時間を変更(「時短当り」)したりする「当り」がある。
[第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球の受入れに関わる保留記憶]
本実施形態では、第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球の受入れにより特別抽選を実行するために乱数値が取得され、取得された乱数値に基づく変動表示が開始されるまでの間に、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球が受入れられると、変動を開始することができないため、先に実行された変動表示が完了するまで、乱数値が保留される。この保留される乱数値の保留数は、第一始動口2002及び第二始動口2004に対して、夫々4つまでを上限とし、それを超えるものについては、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球が受入れられても乱数値を取得せずに、破棄している。
[周辺制御基板への保留数指定コマンドの送信]
先に述べたように、主制御MPUは、第一始動口2002へ遊技球が入球したことに基づいて第一特別図柄の保留数が変化すると、すなわち、図157に示した第一始動口通過処理のステップS43による第1特別保留数カウンタの値を1加算した場合、並びに、第一特別図柄の保留記憶を1つ消化するとき、すなわち、図160に示した第1特別図柄通常処理のステップS103による第1特別保留数カウンタの値を1減算した場合、図155(b)の記憶処理(ステップS20)にて、第一特別図柄の保留数を指示するコマンド(第一保留数指定コマンド0〜4)をセットして周辺制御基板に送信する。
また、第二始動口2004へ遊技球が入球したことに基づいて第二特別図柄の保留数が変化すると、すなわち、図158のステップS53による1加算した場合、並びに、第二特別図柄の保留記憶を1つ消化するとき、すなわち、第1特別図柄通常処理と同様のアルゴリズムであるために図示及び説明を省略した第2特別図柄通常処理において、第2特別保留数カウンタの値を1減算した場合、記憶処理(ステップS20)にて第二特別図柄の保留数を指示するコマンド(第二保留数指定コマンド0〜4)をセットして周辺制御基板に送信する。
[周辺制御基板におけるコマンドの受信]
先述したように、周辺制御MPUは、16mS定常処理(図167参照)において、主制御基板から受信したコマンドにもとづいて中央液晶表示装置1500、ランプ・LED、スピーカ130,222,262等を制御する処理を実行する。
[コマンドの解析処理]
すなわち、周辺制御MPUは、16mS毎に、図168の16mS定常処理の一例として示したステップS601〜ステップS606の処理を実行する。例えば、ステップS601のコマンド解析処理において、主制御基板から受信したコマンドを解析する。
[演出制御処理]
また、ステップS602の演出制御処理では、コマンドの解析結果に基づいて、一例として、ステップS137の処理として、抽選結果(大当りの種類、リーチはずれ、はずれのいずれかを指示(第一特別図柄の停止図柄の態様を指示するものであってもよい))が周辺制御基板に送信されるよう抽選結果それぞれに応じて送信された判定結果通知コマンドや、変動パターン設定処理(第一変動パターン設定処理のステップS149、第二変動パターン設定処理)でセットされることにより送信された変動パターンコマンドを受信したことに基づいて中央液晶表示装置1500に関わる制御処理を実行する。
周辺制御MPUは、受信した判定結果通知コマンド及び変動パターンコマンドに基づいて中央液晶表示装置1500を表示制御する(左・中・右の装飾図柄を変動表示して左装飾図柄→右装飾図柄→中装飾図柄の順序で停止表示させる(なお左・中・右の装飾図柄を同一図柄で同期して変動表示し同時に停止表示する場合もある))。
さらに、第一保留数指定コマンド0〜4及び第二保留数指定コマンド0〜4を受信したことが上記コマンド解析処理(ステップS601)で解析された場合にも、ステップS602の演出制御処理において、中央液晶表示装置1500の表示パネルにおいて、第一特別図柄に関わる第1保留数、及び第二特別図柄に関わる第2保留数を表示させるための制御処理を実行する。
[中央液晶表示装置1500における装飾図柄の表示]
次に、中央液晶表示装置1500における表示態様に関する実施例について説明する。図177は、実施例における中央液晶表示装置1500の表示パネルにおける保留数表示の一例を示す図である。ここでは、遊技機1の対面に直座する遊技者が、中央液晶表示装置1500の表示パネルに描画される装飾図柄の1変動の演出の進行途中における、保留記憶の表示態様の一例について説明する。
なお、「1変動」とは、図83の遊技盤5の正面図に示した機能表示ユニット1400の第1特別図柄表示器(図示せず)が第一始動口2002への遊技球の受入れにより抽選された第一特別抽選結果を第一特別図柄として変動開始してから停止表示するまでであり、又は機能表示ユニット1400の第2特別図柄表示器(図示せず)が第二始動口2004への遊技球の受入れにより抽選された第二特別抽選結果を第二特別図柄として変動開始して停止表示するまでであり、中央液晶表示装置1500の表示パネルに描画される演出も第一特別図柄又は第二特別図柄の変動表示される時間に合わせて行われている。
本例の遊技機1は、先述したように、通常の遊技状態では、即ち、左打ち状態では、遊技球がゲート部2003を通過することがなく、第二始動口扉部材2323の駆動は行われない。そのため、左打ち状態では第二始動口2004への遊技球の入賞は発生せず、第一始動口2002への遊技球の入賞のみが発生することになる。但し、第二特別図柄の保留球がある場合を除き第一特別図柄表示器における第一特別図柄の変動表示のみが実行され、第一特別図柄に関連した大当り(4R通常大当り、4R潜確大当り、4R確変大当り、16R突確大当り、8R確変大当り)が発生することになる。このため、以下では、主として、第一特別図柄の保留記憶がある場合について説明することとする。
第一始動口2002への遊技球の受入れにより抽選された第一特別抽選結果は、主制御基板からのコマンドに基づいて、周辺制御基板の周辺制御MPUが演出制御することにより、図177(A)に示すように、中央液晶表示装置1500の表示パネルの上部において、左側には装飾図柄1600a、中央には装飾図柄1600b、そして右側には装飾図柄1600cの変動表示が開始され、所定時間経過した後に装飾図柄1600a〜1600cの変動表示が停止されて第一特別抽選結果(当落判定結果)を遊技者が認識することができるようになっている。
図177(A)では、変動中の装飾図柄の一例として、中央液晶表示装置1500の表示パネルにおいて左装飾図柄1600a及び右装飾図柄1600cを同一図柄で停止表示させ、中装飾図柄1600bのみ変動している表示態様とすることで装飾図柄によりリーチ状態を発生させる例が示されている。図177(A)では、一例として、左装飾図柄及び右装飾図柄が図柄「7」で停止表示され、中装飾図柄1600bのみ変動しているリーチを示している。
[中央液晶表示装置1500における保留記憶の表示]
また、図177(A)に示すように、遊技者から視認可能である中央液晶表示装置1500の表示パネルの下部左側には第一特別図柄に関わる第1保留数表示領域1510(第一始動口2002に係る)が設定され、表示パネルの下部右側には第二特別図柄に関わる第2保留数表示領域1580(第二始動口2004に係る)が設定されている。
図177(A)では、第1保留数表示領域1510において、第一特別図柄について抽選結果の保留数に対応させて保留されていることを表す保留画像1521、1522が2つ表示され、第一特別図柄について抽選結果の第1保留数が「2」であることが示されている。また、第2保留数表示領域1580においては、第二特別図柄について抽選結果の第2保留数に対応させて保留されていることを表す保留画像が表示されておらず、第二特別図柄について抽選結果の保留数なしであることが示されている。
なお、第一特別図柄についての第1保留数表示領域1510における第1保留数の表示は、左方から中央寄りに向けて1番目の保留記憶、2番目の保留記憶、3番目の保留記憶、4番目の保留記憶のように保留画像1521〜1524が表示される。また、第二特別図柄についての第2保留数の第2保留数表示領域1580における保留数の表示は、中央寄りから右方に向けて1番目の保留記憶、2番目の保留記憶、3番目の保留記憶、4番目の保留記憶のように保留画像が表示されるようになっている。
また、本例において、保留記憶されていることを表す保留画像1521〜1524は、複数種類の表示態様を取り得る。例えば、画像の形状は同じであって表示色が異なる態様、画像の表示色が同じであって形状が異なる態様、画像の形状と表示色の両方が異なる態様、の複数種類の表示態様を取り得る。
なお、本実施形態では、第一特別図柄について保留記憶されていることを表す保留画像1521〜1524は、円形状で表示されるものとされ、保留画像1521〜1524の表示色が複数色に変化するものとしている。
図177(A)では、第一特別図柄について1番目の保留記憶と2番目の保留記憶についての保留画像1521と保留画像1522とが、保留記憶の通常の表示態様、例えば、円形状で表示色「青」(第1の保留画像)で表示され、遊技者から視認可能となっている。
次いで、図177(B)では、周辺制御MPUにより、主制御基板から受信した停止表示コマンドがステップS601のコマンド解析処理にて特定されたことに応じて、変動中の中装飾図柄1600bが図柄「5」で停止表示され、結果として、左装飾図柄が「7」、中装飾図柄が図柄「5」及び右装飾図柄が図柄「7」で停止表示され、装飾図柄の変動停止結果が「リーチはずれ」であることが遊技者に報知されたことを示している。
次に、図177(C)では、周辺制御MPUにより、主制御基板から送信された判定結果通知コマンドと変動パターンコマンドとがステップS601のコマンド解析処理にて特定され、これに応じて、中央液晶表示装置1500の表示パネルにおいて左装飾図柄1600a、中装飾図柄1600b及び右装飾図柄1600cの図柄変動が開始されたことが示されている。以下、このことを、保留記憶の消化という。
周辺制御MPUにより、主制御基板から送信された判定結果通知コマンドと変動パターンコマンドとがステップS601のコマンド解析処理にて特定され、これに応じて、中央液晶表示装置1500の表示パネルにおいて左装飾図柄1600a、中装飾図柄1600b及び右装飾図柄1600cの図柄変動が開始される。
そうして、この後には、周辺制御MPUにより、主制御基板から送信された第一保留数指定コマンド「1」を受信したことがコマンド解析処理(ステップS601)で解析され、このことに応じて、第一特別図柄について1番目の保留記憶が消化され、1番目の保留記憶として表示されていた保留画像1521が消滅すると共に、図180(A)において第一特別図柄について2番目の保留記憶として表示されていた保留画像1522が、新たな1番目の保留記憶となって保留画像1521(円形状で表示色「青」)として移動表示され、第一特別図柄について抽選結果の第1保留数が「1」となる。
[保留変更演出]
図178は、中央液晶表示装置1500の表示パネルにおける保留数表示を用いた保留変更演出の一例を示す図である。図178(A)では、装飾図柄1600a〜1600cの変動中に、主制御基板から送信された第一保留数指定コマンド「2」を受信したことがコマンド解析処理(ステップS601)で解析され、さらにその後に、主制御基板から送信された第一保留数指定コマンド「3」を受信したことがコマンド解析処理(ステップS601)で解析されたことを表している。
このことに応じて、図178(A)において中央液晶表示装置1500の表示パネルにおいて、第一特別図柄について、1番目の保留記憶として表示されていた保留画像1521の右側に新たに2番目の保留記憶となって保留画像1522(円形状で表示色「青」)が表示され、さらに、2番目の保留記憶として表示されていた保留画像1522の右側に新たに3番目の保留記憶となって保留画像1523(円形状で表示色「青」)が表示され、第一特別図柄について抽選結果の第1保留数が「3」となったことが示されている。
次に、図178(B)では、装飾図柄1600a〜1600cの変動中に、主制御基板から送信された第一保留数指定コマンド「4」を受信したことがコマンド解析処理(ステップS601)で解析され、これに応じて、第一特別図柄について、さらに、3番目の保留記憶として表示されていた保留画像1523の右側に新たに4番目の保留記憶となって保留画像1524(円形状で表示色「青」)が表示され、第一特別図柄について抽選結果の第1保留数が「4」となり、第一特別図柄について保留記憶数が上限に達したことが示されている。なお、以下の説明において、第1保留数表示領域1510を、単に、保留数表示領域1510ということにする。
[上皿演出ボタン257と保留記憶を表す保留画像とを用いた保留変更演出]
従来の保留予告演出を行うようにした遊技機では、通常の遊技状態にあっては、大当りとなる確率は低く抑えられているし、リーチとなる確率もそれほど高くはない。そのため、遊技者が保留予告演出を見る機会が低いものだった。換言すると、保留予告演出が行われる確率が低いと云えるものだった。
さらに、操作ボタンが操作されたことを条件として保留予告を行うようにしているものもある。以下、このような演出形態を遊技者が操作することにより演出内容が変化するため、「参加型演出」という。しかし、保留予告演出が行われる確率が低いため、遊技者によっては、せっかく演出用として備えられている操作ボタンを有効として操作できる機会に恵まれず、不満を抱いて、遊技の興趣を低下させてしまう虞があった。
そこで、以下に説明する実施形態は、参加型演出に参加できる機会を拡張することで、遊技の興趣の低下を抑止することを可能とする遊技機に係る発明に関わる。
本実施形態では、演出制御を司る周辺制御MPUが、第一特別図柄について抽選結果の第1保留数が所定数(例えば、上限である「4」であってもよいし、それよりも少ない数例えば「3」又は「2」であってもよい)に達したことを条件として、保留変更演出を行うか否かの抽選を行う。即ち、本例では、主制御基板から送信された第一保留数指定コマンド「4」を受信したことがコマンド解析処理(ステップS601)で解析されたことを条件として、保留変更演出を行うか否かの抽選(保留変更演出の抽選という)を行うようにしている。
保留変更演出の抽選で保留変更演出を行うことが決定された場合に、遊技者による上皿演出ボタン257(図22、図31)への操作を有効とし、上皿演出ボタン257への操作が演出ボタン押圧センサ258(図38)によって検出される度に、保留記憶を表す保留画像の表示色を変化させる、という保留変更演出を行う。
[保留変更演出の画面]
また、本例の保留変更演出にあっては、始動入賞のタイミングに基づいて最終的に表示する保留画像の表示色(最終表示色という)を決定するようにしている。図178(C)には、保留変更演出を行うことが決定された場合に、中央液晶表示装置1500の表示パネルにおいて表示される保留変更演出画面の一例が示されている。
図178(C)に示すように、中央液晶表示装置1500の表示パネルの右上部に左・中・右の装飾図柄を縮小して変動表示を実行する。さらに、中央液晶表示装置1500の表示パネルの略中央に、「ボタンを押すと保留の色が変わるぞ!」という文字を表示させ、上皿演出ボタン257(図22、図31)への操作が有効であることを示唆すると共に、遊技者にボタン操作を促す、ことが示されている。
なお、上述の上皿演出ボタン257(図22、図31)への操作を有効とする有効期間をどのくらいの期間とするかは任意に設定することができるが、一例として、主制御基板から送信された次回の制御コマンドを受信したことがコマンド解析処理(ステップS601)で解析されるまで、とすることができる。
なお、上記制御コマンドとしては、例えば、停止表示コマンド、大当り開始コマンド、判定結果通知コマンド、第一保留数指定コマンドのうちの何れか、または、これらの制御コマンドから複数選ばれた組み合せとすることができる。本例では、説明を理解し易くするために、主制御基板から送信された次回の停止表示コマンドを受信したことがコマンド解析処理(ステップS601)で解析されるまで、とする。
図179は、図178(C)に続いて行われる中央液晶表示装置1500の表示パネルにおける保留数表示を用いた保留変更演出の一例を示す図である。図179(A)では、遊技者へのボタン操作の示唆に応じて、遊技者が上皿演出ボタン257への操作(1回目)を行った結果、図179(C)において、4番目の保留記憶となって通常の表示態様で表示されていた保留画像1524(円形状で表示色「青」)の表示色が「緑」に変化したことが示されている。
図178(C)並びに図179に明示されていないが、保留変更演出中には、遊技者によるボタン操作に対して対象となる保留記憶の保留画像の表示色がその都度変化するが、対象となる保留記憶の保留画像の最終的な表示色は、保留変更演出を行うことを決定したときに予め決められている。図示の具体的な一例では、対象となる保留記憶の保留画像の最終の表示色は、「赤」に決定されているものとする。そうして、対象となる保留記憶の保留画像の表示色は、結果として決定された最終の表示色で保留数表示領域1510に表示される。
なお、図179(A)では、引き続き、中央液晶表示装置1500の表示パネルの略中央に、「ボタンを押すと保留の色が変わるぞ!」という文字が表示されており、上皿演出ボタン257への操作が有効であることが示唆されていると共に、遊技者にボタン操作を促している、ことが示されている。
次に、図179(B)では、遊技者へのボタン操作の示唆に応じて、遊技者が上皿演出ボタン257への操作(2回目)を行った結果、図179(A)においては、4番目の保留記憶として保留画像1524(円形状で表示色「緑」)で表示されていた保留画像1524の表示色が「黄」に変化したことが示されている。
なお、ここでは、中央液晶表示装置1500の表示パネルの右上部に縮小して表示されている左・中・右の装飾図柄のうち、左装飾図柄が図柄「3」で停止表示され、中・右の装飾図柄は変動表示を続けている。
なお、図179(B)では、引き続き、中央液晶表示装置1500の表示パネルの略中央に、「ボタンを押すと保留の色が変わるぞ!」という文字が表示されており、上皿演出ボタン257への操作が有効であることが示唆されていると共に、遊技者にボタン操作を促している、ことが示されている。
次に、図179(C)では、遊技者へのボタン操作の示唆に応じて、遊技者が上皿演出ボタン257への操作(3回目)を行った結果、図179(B)においては、4番目の保留記憶として保留画像1524(円形状で表示色「黄」)で表示されていた保留画像1524の表示色が「虹」に変化したことが示されている。
なお、ここでは、中央液晶表示装置1500の表示パネルの右上部に縮小して表示されている左・中・右の装飾図柄のうち、右装飾図柄が図柄「3」で停止表示され、中の装飾図柄中の装飾図柄のみが変動表示を続けている。また、左・右の装飾図柄の停止図柄「3」によって、リーチが発生していることが示されている。
図180は、図179(C)に続いて行われる中央液晶表示装置1500の表示パネルにおける保留数表示を用いた保留変更演出の一例を示す図である。図180(A)では、周辺制御MPUにより、主制御基板から受信した停止表示コマンドがステップS601のコマンド解析処理にて特定されたことに応じて、変動中の中装飾図柄1600bが図柄「4」で停止表示され、中央液晶表示装置1500の表示パネルの右上部における左・中・右の装飾図柄の縮小表示が解消されて、中央液晶表示装置1500の表示パネルにおける中央の元の位置と大きさに戻って表示され、結果として、左装飾図柄が「3」、中装飾図柄が図柄「4」及び右装飾図柄が図柄「3」で停止表示され、装飾図柄の変動停止結果が「リーチはずれ」であることが遊技者に報知されたことを示している。
また、図180(A)では、停止表示コマンドがステップS601のコマンド解析処理にて特定されたことに応じて、中央液晶表示装置1500の表示パネルの表示態様から、「ボタンを押すと保留の色が変わるぞ!」という文字が消滅しており、上皿演出ボタン257への操作が有効でなくなったこと(上皿演出ボタン257への操作を有効とする有効期間が終了したこと)が示唆されている、ことが示されている。
このように、制御コマンド(第一保留数指定コマンド「4」)によって指示された保留数が予め定めた所定数(例えば、4)に達していることを条件として、保留変更演出が行われるようになっている。そのため、保留変更演出が行われる機会が遊技者に対して広く与えられている。そうした上で、保留変更演出の実行中において、操作入力装置(上皿演出ボタン257)への操作が行われる度に、保留数表示領域1510に表示された対象となる保留記憶(本例では4番目の保留記憶)の保留画像1524の表示色が変化する。そのため、保留変更演出中には、遊技者が操作入力装置へ操作する機会が、1回のみならず複数回与えられていることになる。しかも、操作入力装置を操作する度に、対象となる保留記憶の保留画像の表示色がその都度変化する。よって、保留演出参加型演出に参加できる機会が拡張されているため、遊技興趣の低下を抑止することができる。
[保留記憶の消化と保留画像との関係]
図180(B)〜(C)は、保留記憶が消化されていく様子を表している。まず、図180(B)には、図180(A)において保留記憶が4つであった後、2つの保留記憶が消化されたことが示されている。
周辺制御MPUにより、主制御基板から送信された判定結果通知コマンドと変動パターンコマンドとがステップS601のコマンド解析処理にて特定され、これに応じて、中央液晶表示装置1500の表示パネルにおいて左装飾図柄1600a、中装飾図柄1600b及び右装飾図柄1600cの図柄変動が開始される。
そうして、この後には、周辺制御MPUにより、主制御基板から送信された第一保留数指定コマンド「3」を受信したことがコマンド解析処理(ステップS601)で解析され、このことに応じて、第一特別図柄について1番目の保留記憶が消化され、1番目の保留記憶として表示されていた保留画像1521が消滅すると共に、図180(A)において第一特別図柄について2番目〜4番目の保留記憶として表示されていた保留画像1522(表示色「青」)、1523(表示色「青」)、1524表示色「虹」が、新たな1番目〜3番目の保留記憶となって保留画像1521(円形状で表示色「青」)、保留画像1522(円形状で表示色「青」)、保留画像1523(円形状で表示色「虹」)として移動表示され、第一特別図柄について抽選結果の第1保留数が「3」となる。
次いで、周辺制御MPUにより、主制御基板から受信した停止表示コマンドがステップS601のコマンド解析処理にて特定されたことに応じて、変動中の中装飾図柄1600bが図柄「省略、但し、はずれ図柄」で停止表示され、結果として、左装飾図柄、中装飾図柄及び右装飾図柄がはずれ図柄の組み合せで停止表示され、装飾図柄の変動停止結果が「はずれ」であることが遊技者に報知されたこととする。
次に、周辺制御MPUにより、主制御基板から送信された判定結果通知コマンドと変動パターンコマンドとがステップS601のコマンド解析処理にて特定され、これに応じて、中央液晶表示装置1500の表示パネルにおいて左装飾図柄1600a、中装飾図柄1600b及び右装飾図柄1600cの図柄変動が開始される。
そうして、この後には、周辺制御MPUにより、主制御基板から送信された第一保留数指定コマンド「2」を受信したことがコマンド解析処理(ステップS601)で解析され、このことに応じて、第一特別図柄について1番目の保留記憶が消化され、1番目の保留記憶として表示されていた保留画像1521(表示色「青」)が消滅すると共に、図180(A)において第一特別図柄について2番目〜3番目の保留記憶として表示されていた1523(表示色「青」)、1524(表示色「虹」)が、新たな1番目と2番目の保留記憶となって保留画像1521(円形状で表示色「青」)、保留画像1522(円形状で表示色「虹」)として移動表示され、第一特別図柄について抽選結果の第1保留数が「2」となる。図180(B)では、以上の経過過程の結果を示している。
この後、周辺制御MPUにより、主制御基板から受信した停止表示コマンドがステップS601のコマンド解析処理にて特定されたことに応じて、変動中の中装飾図柄1600bが図柄「省略、但し、はずれ図柄」で停止表示され、結果として、左装飾図柄、中装飾図柄及び右装飾図柄がはずれ図柄の組み合せで停止表示され、装飾図柄の変動停止結果が「はずれ」であることが遊技者に報知されたこととする。
次に、周辺制御MPUにより、主制御基板から送信された判定結果通知コマンドと変動パターンコマンドとがステップS601のコマンド解析処理にて特定され、これに応じて、中央液晶表示装置1500の表示パネルにおいて左装飾図柄1600a、中装飾図柄1600b及び右装飾図柄1600cの図柄変動が開始される。
そうして、この後には、周辺制御MPUにより、主制御基板から送信された第一保留数指定コマンド「1」を受信したことがコマンド解析処理(ステップS601)で解析され、このことに応じて、第一特別図柄について1番目の保留記憶が消化され、1番目の保留記憶として表示されていた保留画像1521(表示色「青」)が消滅すると共に、図180(B)において第一特別図柄について2番目の保留記憶として表示されていた15223(表示色「虹」)が、図180(C)において新たな1番目の保留記憶となって保留画像1521(円形状で表示色「赤」)として移動表示され、第一特別図柄について抽選結果の第1保留数が「1」となる。
このように、本例では、保留変更演出中に上皿演出ボタン257への遊技者の操作によって、上記の例では対象となる保留記憶の保留画像の表示色が「虹」に変えられるが、対象となった保留記憶の保留画像の最終の表示色は、保留変更演出を行うことを決定したときに予め決められている。
なお、中央液晶表示装置1500の表示パネルの展開される演出は、同表示パネルにて表示されている抽選図柄のリーチ変動状態や大当り報知状態に密接に関わるものであり、遊技者の関心や注目度が非常に高い。
そのため、保留変更演出が終わった後であっても、換言すると、上皿演出ボタン257の有効期間が終了した後であっても、第1保留数表示領域1510において保留記憶の消化に伴って1番目の保留記憶に向けて表示位置を逐次移動させる対象とした保留画像(表示色を変化させた保留画像)の表示色を変えずそのまま維持するようにしている。このため、遊技者が遊技を進行させる上で、表示パネルから供される演出情報によって不利と感じるような影響が与えられることなく、遊技の興趣を低下させないように配慮している。
図示の具体的な一例では、対象となった保留記憶の保留画像が保留数表示領域1510において1番目の保留記憶となって表示されるときには、予め決定された最終の表示色「赤」に変更されて対象となった保留記憶の保留画像が表示される。このため、操作することで保留画像の色を変えたつもりの遊技者に、「あれ・・・? どうして〜赤に変わっちゃっているー」というような驚きと意外性を与えることになる。そのために、遊技者の遊技の興趣の低下を抑止することができる。
図181は、本例の保留変更演出と、対象となる保留画像の表示色の変化と、保留記憶の消化に伴って表示位置を変える対象となる保留画像の表示色とを模式的に表すタイムチャートである。
図181に示すように、主制御MPUによって第一特別図柄表示器において変動表示される第一特別図柄の変動時間と、中央液晶表示装置1500で変動表示される装飾図柄の変動時間とはほぼ一致している。また、第一特別図柄の変動中に、第一始動口2002に遊技球が入賞したことに起因して、主制御MPUの第一特別保留数カウンタの値が「4」に更新され、主制御基板から第一保留数指定コマンド「4」が出力されている。
周辺制御MPUは、主制御基板から送信された第一保留数指定コマンド「4」を受信したことがコマンド解析処理(ステップS601)で解析されたことを条件として、保留変更演出を行うか否かの保留変更演出の抽選を行った結果として、保留変更演出の抽選で保留変更演出を行うことが決定され、本例では、4番目の保留記憶が演出対象の保留記憶とされ、遊技者による上皿演出ボタン257への操作(ボタン操作という)が有効とされている。また、予告対象に決定された4番目の保留記憶として通常の表示色の保留画像1524(円形状で表示色「青」)、同図では「青4」として記載されている、が表示されている。
また、本例の保留変更演出にあっては、始動入賞のタイミングに基づいて最終的に表示する保留画像の表示色(最終表示色という)を決定するようにしており、一例として、演出対象の保留画像の最終表示色が「赤」に決定されているものとする。
図181では、図柄変動中に、遊技者により1回目のボタン操作が行われた結果、「緑4」と記載された、演出対象に決定された4番目の保留記憶としての保留画像1524の表示色が「緑」に変化している。この後、遊技者により2回目のボタン操作が行われた結果、「黄4」と記載された、演出対象に決定された4番目の保留記憶としての保留画像1524の表示色が「黄」に変化している。さらにこの後に、遊技者により3回目のボタン操作が行われた結果、「虹4」と記載された、演出対象に決定された4番目の保留記憶としての保留画像1524の表示色が「虹」に変化している。
その後、第一特別図柄の変動が停止したことに基づき、主制御基板から停止表示コマンドが出力されている。周辺制御MPUは、停止表示コマンドがステップS601のコマンド解析処理にて特定されたことに応じて、中央液晶表示装置1500の表示パネルにおいて装飾図柄の変動を停止させている。また、同時に、ボタン操作が有効でなくなったこと(上皿演出ボタン257への操作を有効とする有効期間が終了したこと)が、示されている。
この後、主制御MPUによって第一特別図柄の保留数の消化に伴って、装飾図柄の変動表示が行われ、図181では、第一特別図柄表示器の第一特別図柄と装飾図柄の各変動表示が3回行われている。1回目の保留記憶の消化に伴って、第一保留数指定コマンド3(以下、単に、保留数指定コマンド3という)が出力され、これに応じて、保留数表示領域1510において保留画像の表示位置のシフトが行われ、演出対象に決定された4番目の保留記憶としての保留画像1524が、表示色を変えずに「虹3」と記載された3番目の保留記憶としての保留画像にシフトされて表示されている。
この後、2回目の保留記憶の消化に伴って、第一保留数指定コマンド2(以下、単に、保留数指定コマンド2という)が出力され、これに応じて、保留数表示領域1510において保留画像の表示位置のシフトが行われ、演出対象に決定された3番目の保留記憶としての保留画像1524が、表示色を変えずに「虹2」と記載された2番目の保留記憶としての保留画像にシフトされて表示されている。
さらに、3回目の保留記憶の消化に伴って、第一保留数指定コマンド1(以下、単に、保留数指定コマンド1という)が出力され、これに応じて、保留数表示領域1510において保留画像の表示位置のシフトが行われ、演出対象に決定された3番目の保留記憶としての保留画像1524が、決定された最終の表示色を変わって「赤1」と記載された1番目の保留記憶としての保留画像にシフトされて表示されている。
[周辺制御MPUによる保留記憶予告に関わる各処理]
図182は、図168のステップS602の演出制御処理のうちの各処理として、周辺制御MPUが保留記憶に関わって実行する各処理を示すフローチャートである。周辺制御MPUは、演出制御処理において、保留数指定コマンド処理(ステップA100)、保留変更演出決定処理(ステップA200)、保留変更演出処理(ステップA300)、保留画像シフト処理(ステップA400)を順次実行する。なお、各処理における実質的な実行条件は以下に説明するとおりである。
図168に示した16ms定常処理におけるステップS601のコマンド解析で解析されたコマンドが第一保留数指定コマンド(以下、単に保留数指定コマンドということとする)であることが特定された場合に、ステップS602の演出制御処理にてステップA100の保留数指定コマンド処理が実行される。
ステップA100の保留数指定コマンド処理において、保留画像を変化させる保留変更演出の実行条件として、保留記憶の数が所定数(本例では、例えば「4」)に達していることが判定された場合には、ステップA200の保留変更演出決定処理が実質的に実行される。
ステップA200の保留変更演出決定処理が実質的に実行され、保留変更演出を行うことが決定された場合に、ステップA300の保留変更演出処理が実質的に実行される。ステップA100において、保留数が1つ減ったことが検出されることで、保留画像の表示位置についてシフトが必要であると判定された場合に、保留画像シフト処理が実質的に実行される。
[保留数指定コマンド処理]
保留数指定コマンド処理は、ステップS601のコマンド解析で解析されたコマンドが保留数指定コマンドであることが特定された場合に、実行される。なお、主制御基板から送信される。保留数指定コマンドは、主制御基板において管理する保留数(記憶数)が変化した場合に出力される制御コマンドで、保留数を指定するコマンドであり、
保留数「0(なし)」を指定する保留数指定コマンド「0」、
保留数「1」を指定する保留数指定コマンド「1」、
保留数「2」を指定する保留数指定コマンド「2」、
保留数「3」を指定する保留数指定コマンド「3」、
保留数「4」(上限数)を指定する保留数指定コマンド「4」、
の5種類がある。
図183乃至図184は、周辺制御MPUが実行する保留数指定コマンド処理のサブルーチンを示すフローチャートである。周辺制御MPUは、保留数指定コマンド処理を開始すると、先ず、ステップS601のコマンド解析で解析された保留数指定コマンドで指定された保留数が「0」(以下、単に、指定された保留数という)であるか否かを判定する(ステップA110)。
周辺制御MPUは、ステップA110にて、指定された保留数が「0」である、と判定した場合には、保留数を記憶するための第1保留数カウンタに値0をセットし(ステップA111)、内蔵RAM(図示せず)に設定された保留画像記憶エリアの1番目〜4番目をクリアし(ステップA112)、保留数指定コマンド処理のサブルーチンを抜けて演出制御処理のルーチンに戻る。
図188は、周辺制御MPUが保留記憶に関わって各処理を実行するために必要な各テーブルや記憶エリアや処理動作を示す図である。図188(D)に示すように、内蔵RAMには、第1保留数カウンタに値1〜4にそれぞれ対応して1番目の保留画像記憶エリア〜4番目の保留画像記憶エリアが設けられている。
一方、周辺制御MPUは、ステップA110にて、指定された保留数が「0」でない、と判定した場合には、ステップA113に進み、指定された保留数が「4」であるか否か(予め定めた所定数に達したか否か)を判定する(ステップA113)。なお、本例では、保留数の値が、予め定めた所定数に達したことを条件として、保留画像による保留変更演出を行うように決定する。所定数としては、本例では例えば「4」として説明をするが、これに限らず。所定数はそれよりも少ない数例えば「3」又は「2」であってもよい。
周辺制御MPUは、ステップA113にて、指定された保留数が「4」である、と判定した場合には、保留数を記憶するための第1保留数カウンタに値4をセットし(ステップA114)、保留画像記憶エリアの4番目に保留画像(円形状)をセットし(ステップA115)、保留画像の表示色を通常(本例では「青」)に設定し(ステップA116)、
後述の保留変更演出決定処理の実行フラグをセットし(ステップA117)、保留数指定コマンド処理のサブルーチンを抜けて演出制御処理のルーチンに戻る。
一方、周辺制御MPUは、ステップA113にて、指定された保留数が「4」でない、と判定した場合には、ステップA113に進む。この場合は、指定された保留数が「1」、「2」、「3」のうちの何れかとなる。ステップA114において、周辺制御MPUは、指定された保留数と第1保留数カウンタの値とを比較する(ステップA120)。
そして、比較した結果が「+1」増加であるか否か判定する(ステップA121)。比較した結果が「+1」増加であると判定した場合、例えば、指定された保留数が「3」であり、第1保留数カウンタの値が2である場合等、保留数を記憶するための第1保留数カウンタに値を+1し(ステップA122)、第1保留数カウンタの値に対応する保留画像記憶エリア(図188(D)参照)に保留画像(円形状)をセットし(ステップA123)、保留画像の表示色を通常(本例では「青」)に設定し(ステップA124)、保留数指定コマンド処理のサブルーチンを抜けて演出制御処理のルーチンに戻る。
一方、ステップA121にて、比較した結果が「+1」増加でないと判定した場合、例えば、指定された保留数が「3」であり、第1保留数カウンタの値が4である場合、或いは、例えば、指定された保留数が「2」であり、第1保留数カウンタの値が3である場合等、比較した結果が「−1」であることになる。
周辺制御MPUは、ステップA121をNOと判定し、保留数を記憶するための第1保留数カウンタに値を−1し(ステップA126)、後述の保留画像シフト処理を実行するためのシフトフラグに1(実行)をセットし(ステップA127)、保留数指定コマンド処理のサブルーチンを抜けて演出制御処理のルーチンに戻る。
[保留変更演出決定処理]
図185は、周辺制御MPUが実行する保留変更演出決定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。周辺制御MPUは、保留変更演出決定処理を開始すると、先ず、実行フラグがセットされているか否かを判定する(ステップA130)。実行フラグは、先に説明した保留数指定コマンド処理のステップA117でセットされるものである。
ステップA130にて、周辺制御MPUは、実行フラグがセットされていないと判定した場合、すなわち、ステップA130をNOと判定した場合、実質的な処理を行うことなく、保留変更演出決定処理のサブルーチンを抜けて演出制御処理のルーチンに戻る。
ステップA130にて、周辺制御MPUは、実行フラグがセットされていると判定した場合、すなわち、ステップA130をYESと判定した場合、保留変更演出用乱数(例えば、0〜99)を取得し(ステップA131)、取得した保留変更演出用乱数の値と保留変更演出決定テーブルとを参照し(ステップA132)、保留変更演出を行うか否かを判定する(ステップA133)。
図188(A)はROM(図示せず)に記憶された保留変更演出決定テーブルの振り分け率の一例を表す図である。図188(A)に示すように、本例では、振分率70%の割合で保留変更演出を行うことが決定される。残りの振分率30%は別演出(保留変更演出ではない演出)が行われるようになっている。
ステップA133にて、周辺制御MPUは、保留変更演出を行わないと判定した場合、すなわち、ステップA133をNOと判定した場合、ステップA140に進み、保留変更演出決定処理の実行フラグをクリアし(ステップA140)、保留変更演出決定処理のサブルーチンを抜けて演出制御処理のルーチンに戻る。この場合には、後述の実質的な保留変更演出処理は実行されない。
ステップA133にて、周辺制御MPUは、保留変更演出を行うと判定した場合、すなわち、ステップA133をYESと判定した場合、ステップA134に進み、保留変更演出処理の実行フラグをセットする(ステップA134)。これにより、保留変更演出処理の実行が決定される。
次いで、周辺制御MPUは、最終表示色乱数(例えば、0〜6)を取得し(ステップA135)、取得した最終表示色決定用乱数の値と最終表示色決定テーブルとを参照し、最終表示色を決定し(ステップA136)、決定した最終表示色の保留画像をRAMの所定エリアに記憶する(ステップA137)。
図188(B)はROM(図示せず)に記憶された最終表示色決定テーブルの一例を表す図である。図188(B)に示すように、取得した最終表示色決定用乱数の値が、「0」であれば保留画像の最終表示色が「青」に決定され、「1」であれば保留画像の最終表示色が「黄」に決定され、「2」であれば保留画像の最終表示色が「緑」に決定され、「3」であれば保留画像の最終表示色が「オレンジ」に決定され、「4」であれば保留画像の最終表示色が「紫」に決定され、「5」であれば保留画像の最終表示色が「赤」に決定され、「6」であれば保留画像の最終表示色が「虹」に決定される。
次いで、周辺制御MPUは、最終表示色を記憶したことを表す記憶フラグに「1(記憶あり)」をセットし(ステップA138)、保留変更演出の対象が何番目の保留画像であるかを表す表示場所カウンタの値に表示箇所を表す数、本例では「4」をセットし(ステップA139)、ステップA140に進み、保留変更演出決定処理の実行フラグをクリアし(ステップA140)、保留変更演出決定処理のサブルーチンを抜けて演出制御処理のルーチンに戻る。この場合には、保留変更演出処理が実行される。
[保留変更演出処理]
図186は、周辺制御MPUが実行する保留変更演出処理のサブルーチンを示すフローチャートである。周辺制御MPUは、保留変更演出処理を開始すると、先ず、実行フラグがセットされているか否かを判定する(ステップA150)。実行フラグは、先に説明した保留変更演出決定処理のステップA134でセットされるものである。
ステップA150にて、周辺制御MPUは、実行フラグがセットされていないと判定した場合、すなわち、ステップA150をNOと判定した場合、実質的な処理を行うことなく、保留変更演出処理のサブルーチンを抜けて演出制御処理のルーチンに戻る。この場合には、実質的に保留変更演出は行われない。
ステップA150にて、周辺制御MPUは、実行フラグがセットされていると判定した場合、すなわち、ステップA150をYESと判定した場合、ボタン操作(上皿演出ボタン257が押下されたか)があるか否かを判定する(ステップA151)。すなわち、実行フラグがセットされている状態が、遊技者による上皿演出ボタン257への操作を有効とする状態となる。
ステップA151にて、周辺制御MPUは、ボタン操作がありと判定した場合、すなわち、ステップA151をYESと判定した場合、操作用乱数(例えば、0〜6)を取得し(ステップA152)、取得した操作用乱数の値と操作時表示色選択テーブルとを参照し(ステップA153)、表示色を決定し(ステップA154)、決定した表示色の保留画像を図188(D)に示す4番目の保留画像記憶エリアに記憶し(ステップA155)、ステップA156に進む。
図188(C)はROM(図示せず)に記憶された操作時表示色選択テーブルの一例を表す図である。図188(C)に示すように、取得した操作用乱数の値が、「0」であれば保留画像の表示色が「虹」に決定され、「1」であれば保留画像の表示色が「黄」に決定され、「2」であれば保留画像の表示色が「緑」に決定され、「3」であれば保留画像の最終表示色が「オレンジ」に決定され、「4」であれば保留画像の最終表示色が「紫」に決定され、「5」であれば保留画像の最終表示色が「緑」に決定され、「6」であれば保留画像の最終表示色が「虹」に決定される。
一方、周辺制御MPUは、ステップA151にて、ボタン操作がなしと判定した場合、すなわち、ステップA151をNOと判定した場合には、ステップA152〜ステップA155の処理を行うことなく、直接ステップA156に進む。
ステップA156に進むと、周辺制御MPUは、停止表示コマンドの受信があるか否かを判定する(ステップA156)。すなわち、周辺制御MPUは、ステップS601のコマンド解析で解析されたコマンドが停止表示コマンドであることが特定された場合に、停止表示コマンドの受信がある、判定する。
ステップA156にて、周辺制御MPUは、停止表示コマンドの受信があると判定した場合、すなわち、ステップA156をYESと判定した場合には、保留変更演出処理の実行フラグをクリアし(ステップA157)、保留変更演出処理のサブルーチンを抜けて演出制御処理のルーチンに戻る。この場合には、これ以降の保留変更演出は行われない。また、本例では、遊技者による上皿演出ボタン257への操作を有効とする状態が終わりとなる。
ステップA156にて、周辺制御MPUは、停止表示コマンドの受信がないと判定した場合、すなわち、ステップA156をNOと判定した場合には、ステップA157の処理を行うことなく、保留変更演出処理のサブルーチンを抜けて演出制御処理のルーチンに戻る。この場合には、実行フラグがセットされているため、引き続き、保留変更演出処理のサブルーチンが実行される。このため、ボタン操作がある度に、ステップA152〜ステップA155が実行される。そのため、保留画像の表示色が変化する。
このように、制御コマンド(第一保留数指定コマンド「4」)によって指示された保留数が予め定めた所定数(例えば、4)に達していることを条件として、保留変更演出が行われるようになっている。そのため、保留変更演出が行われる機会が遊技者に対して広く与えられている。そうした上で、保留変更演出の実行中において、操作入力装置(上皿演出ボタン257)への操作が行われる度に、保留数表示領域1510に表示された演出対象の保留画像1524の表示色が変化する。そのため、保留変更演出中には、遊技者が操作入力装置へ操作する機会が、1回のみならず複数回与えられていることになる。しかも、操作入力装置を操作する度に、演出対象の保留画像の表示色がその都度変化する。よって、保留変更演出による参加型演出に参加できる機会が拡張されているため、遊技興趣の低下を抑止することができる。
[保留画像シフト処理]
図187は、周辺制御MPUが実行する保留画像シフト処理のサブルーチンを示すフローチャートである。周辺制御MPUは、保留画像シフト処理を開始すると、先ず、シフトフラグがセットされているか否かを判定する(ステップA160)。シフトフラグは、先に説明した保留数指定コマンド処理のステップA127でセットされるものである。
ステップA160にて、周辺制御MPUは、シフトフラグがセットされていないと判定した場合、すなわち、ステップA160をNOと判定した場合、実質的な処理を行うことなく、保留画像シフト処理のサブルーチンを抜けて演出制御処理のルーチンに戻る。この場合には、実質的に保留画像の表示位置のシフト(1つ左方に移動)は行われない。
ステップA160にて、周辺制御MPUは、シフトフラグがセットされていると判定した場合、すなわち、ステップA160をYESと判定した場合、図188(D)の2番目〜4番目の保留画像記憶エリアの保留画像をコピー領域1〜3(図示せず)にそれぞれコピーし(ステップA161)、1番目〜4番目の保留画像記憶エリアをクリアし(ステップA162)、コピー領域1〜3(図示せず)にそれぞれコピーした各保留画像を1番目〜3番目の保留画像記憶エリアに記憶する(ステップA163)。図188(E)参照。
次いで、周辺制御MPUは、記憶フラグがセットされているか否かを判定する(ステップA164)。記憶フラグは、先に説明した保留変更演出決定処理のステップA138でセットされるものである。
ステップA164にて、周辺制御MPUは、記憶フラグがセットされていないと判定した場合、すなわち、ステップA164をNOと判定した場合、ステップA165〜ステップA169の各処理を行うことなく、保留画像シフト処理のサブルーチンを抜けて演出制御処理のルーチンに戻る。この場合には、実質的には保留画像の表示位置のシフト(1つ左方に移動)のみが行われる。
一方、ステップA164にて、周辺制御MPUは、記憶フラグがセットされていると判定した場合、すなわち、ステップA164をYESと判定した場合、この場合、保留変更演出が行われたことを示す。周辺制御MPUは、表示場所カウンタの値を−1し(ステップA165)、ステップA166に進み、表示場所カウンタの値が「1(最終の表示色で保留画像を表示する位置)」か否かを判定する(ステップA166)。ステップA165の処理により、演出対象とされた保留画像の表示位置が更新される。
ステップA166にて、周辺制御MPUは、表示場所カウンタの値が「1」ではないと判定した場合、すなわち、ステップA166をNOと判定した場合には、ステップA167〜ステップA169の各処理を行うことなく、保留画像シフト処理のサブルーチンを抜けて演出制御処理のルーチンに戻る。この場合には、やはり実質的には保留画像の表示位置のシフト(1つ左方に移動)のみが行われる。
一方、テップA166にて、周辺制御MPUは、表示場所カウンタの値が「1」であると判定した場合、すなわち、ステップA166をYESと判定した場合には、ステップA167〜ステップA169の各処理を行う。すなわち、1番目の保留画像記憶エリアに、先に決定して記憶した最終表示色の保留画像を記憶し(ステップA167)、記憶フラグをクリアし(ステップA168)、表示場所カウンタに「0」をセットし(ステップA169)、保留画像シフト処理のサブルーチンを抜けて演出制御処理のルーチンに戻る。
なお、保留画像の中央液晶表示装置1500の表示パネルへの表示は、図168のステップS605の情報出力処理で画像データが出力されることで行われる。
以上の説明から明らかなように、遊技者が仮に1度もボタン操作を行わなかった場合であっても、演出の対象とされた保留画像[通常の表示色である「青」]が1番目の表示位置に来たときには、先に決定して記憶した最終表示色で保留画像が表示され、表示色が変化する。
そのため、保留変更演出が終わった後であっても、換言すると、上皿演出ボタン257の有効期間が終了した後であっても、第1保留数表示領域1510において保留記憶の消化に伴って1番目の保留記憶に向けて表示位置を逐次移動させる演出対象とした保留画像(表示色を変化させた保留画像)の表示色を変えずそのまま維持するようにしている。このため、遊技者が遊技を進行させる上で、表示パネルから供される演出情報によって不利と感じるような影響が与えられることなく、遊技の興趣を低下させないように配慮している。
図示の具体的な一例では、演出対象の保留画像が保留数表示領域1510において1番目の保留記憶となって表示されるときには、予め決定された最終の表示色、例えば「赤」に変更されて演出対象とされた保留画像が表示される。このため、操作することで保留画像の色を変えたつもりの遊技者に、「あれ・・・? どうして〜赤に変わっちゃっているー」というような驚きと意外性を与えることになる。そのために、遊技者の遊技の興趣の低下を抑止することができる。
以上、保留変更演出に関する実施形態について説明したが、保留画像が通常の表示色、例えば「青」とは異なる表示色に変わり、最終の表示位置で最終表示色で保留画像が表示されることが、遊技者にどのように受け取られるかは、全て遊技者の想像に委ねられている。
本実施形態では、保留画像の表示色を変化させる条件を、保留数が所定数に達していることを条件としている。そのため、始動口へ入賞した保留記憶が大当りであるか否かやリーチが発生するか否か等に制約されないのである。
なお、上述の実施形態では、ボタン操作の有効期間の終了として停止表示コマンドを受信したとき、としたが、これに限らず、例えば、大当り開始コマンド、判定結果通知コマンド、第一保留数指定コマンド、のうちの何れかとしてもよい。例えば、ボタン操作の有効期間の終了として大当り開始コマンドを受信したとき、とすると、大当り遊技が開始されるまで、複数回の装飾図柄の変動表示に亘って、ボタン操作が有効となり、保留画像の表示色が変化することになる。
そのため、保留変更演出中には、遊技者が操作入力装置へ操作する機会が、1回の装飾図柄による変動表示のみならず複数回の装飾図柄による変動表示に亘って与えられていることになる。しかも、操作入力装置を操作する度に、演出対象の保留画像の表示色がその都度変化する。よって、保留変更演出による参加型演出に参加できる機会が拡張されているため、遊技興趣の低下を抑止することができる。
[上皿演出ボタンと保留画像とを用いた保留予告演出における実施例]
これまで説明してきた保留演出に係る実施形態は、演出制御を司る周辺制御MPUが、第一特別図柄について抽選結果の第1保留数が所定数(例えば、上限である「4」であってもよいし、それよりも少ない数例えば「3」又は「2」であってもよい)に達したことを条件として、保留演出を行うか否かの決定を行うものとして説明したが、本実施例の保留演出は、発射された遊技球が始動入賞したことを契機として、周辺制御MPUが保留演出を行うか否かの決定を行うものであり、保留されている抽選結果を保留消化前に事前判定し、事前判定された保留画像において最終的に表示される保留画像の表示色(最終表示色という)を決定したうえで、所定回数保留画像の表示色を変化させる保留予告演出である。
本例の保留予告演出では、上皿演出ボタン257に対する操作が有効となる時点から無効となる時点が予め適宜に設定されており、操作が有効の間は、中央液晶表示装置1500や各種スピーカ等の報知手段を用いて、遊技者に対して上皿演出ボタン257への操作を要求する演出(操作要求演出)を行うことで、上皿演出ボタン257に対する操作が有効である旨を報知し、そして、操作要求演出に応じて遊技者が上皿演出ボタン257を押下操作することによって、大当りに対する期待度に応じて保留画像の表示色を変化させる、という保留予告演出を行う。
以下に、本例の保留予告演出に関する例を説明する。なお、保留予告演出が行われることが決定された保留画像については、以下「予告保留画像」という。また、本例の保留予告演出においても、始動入賞のタイミングに基づいて最終的に表示する保留画像の表示色(最終表示色という)を決定するようにしており、一例として、予告対象の保留画像の最終表示色が大当たりに対する期待度が高い「赤」に決定されているものとする。
また、本実施例では、上皿演出ボタン257に対する押下操作によって変化する保留表示の表示色によって、大当たりに対する期待度を遊技者に示唆する構成としている。
本実施例における予告保留画像の表示色は、「青」、「黄」、「緑」、「橙」、「赤」からなり、[通常の表示色である「青」]が最も大当たりに対する期待度が低い色、[最終表示色である「赤」]が最も大当たりに対する期待度が高い色として設定されており、「青」<「黄」<「緑」<「橙」<「赤」の順で期待度が高い構成となっている。
保留画像の表示色変化の順序としては、[通常の表示色である「青」]が表示されている状態で、操作要求演出に応じて遊技者が上皿演出ボタン257を押下操作することによって「黄」、「緑」、「橙」のいずれかに表示色が変化し、その後特定の契機、例えば、保留予告演出が実行されているとされた保留表示が1番目の保留画像の表示位置にシフトされたら、最終表示色である「赤」に変化する、というものである。
以下、図189を用いて保留予告演出の流れを詳述する。
図189は、保留予告演出における流れの一例を示したものであり、(A)は、3番目の保留画像において保留予告演出が行われる旨を報知している状態を示しており、(B)は、3番目の保留画像が2番目の保留位置にシフトした状態を示しており、(C)は、上皿演出ボタン257に対する操作が行われた後の状態を示しており、(D)は、2番目の保留位置にシフトした保留画像が更に1番目の保留位置にシフトした状態を示すものである。
(A)に示すように、周辺制御MPUによって、3番目の保留位置に表示されている保留画像について保留予告演出が行われることが決定した場合、現在行われている図柄変動が終了するまでに、中央液晶表示装置1500に「3つ目の保留に注目!」というメッセージ画像を表示するほか、3番目の保留位置に表示されている保留画像(予告保留画像)の近傍に、矢印と「コレ!!」と書かれた画像を表示させて、遊技者に対して保留予告演出が行われることを報知し認識させる。
次いで、(B)に示すように、(A)における1番目の保留位置に表示されていた保留画像の変動が開始され、予告保留画像が2番目の保留位置にシフトしたことを契機として、中央液晶表示装置1500に「ボタンを押すと保留の色が変わる?!」という上皿演出ボタン257に対する操作を促す画像が表示される(操作要求演出)。これにより、上皿演出ボタン257に対する操作が有効である旨を遊技者が認識し、更に、上皿演出ボタン257を押下することで、何か得することが起きるのではないかという気持ちを想起させることができる構成としている。
そして、操作要求演出に応答して、上皿演出ボタン257を押下することで、(C−1)に示すように、予告保留画像の表示色が「青」から「緑」に変化する。これにより遊技者は、自らの操作で、予告保留画像の表示色を変化させ、大当たりへの期待度を高めたと想起させることができ、遊技に対する興趣を高めることが可能となる。なお、上皿演出ボタン257を押下したあと「青」の保留画像から何色の保留画像へ変化するかは、周辺制御MPUによって決定されているものである。
また、(B)において、遊技者によって上皿演出ボタン257への操作がなされなかった場合の予告保留画像の変化態様は、(C−2)に示すように、操作が検出された場合よりも大当たりに対する期待度が低い「黄」の表示色に変化するようになっている。これにより、上皿演出ボタン257を操作した場合と比較して、大当たりに係る期待度が低いものとして表示されるものの、通常の表示色である「青」よりも期待度が高い表示色に変化するため、大当たりに対する期待感を持つことができる。また、上皿演出ボタン257を押した場合の方が大当たりに対する期待度が高いとされる表示色に変化することに気付いた遊技者は、上皿演出ボタン257を操作することに対してメリットを感じるため、積極的に演出に参加させることができる上に、遊技に対する興趣を向上させることが可能となっている。
次いで、(D)に示すように、予告保留画像が、1番目の保留記憶となって表示されるときには、予め決定された最終の表示色、本例では「赤」に変更されて表示される。上皿演出ボタン257を操作した遊技者は、予告保留画像の表示色が「青」よりも期待度の高い「緑」に変化し、更には最も期待度が高いとされる「赤」の保留画像に表示色が変化して表示されるのを見て、さらなる期待感を感じることができ、遊技に対する興趣を高めることができる。また、上皿演出ボタン257を操作しそびれてしまった場合であっても、大当たりに対する期待度が低めの「黄」の表示色から、最も期待度が高いとされる「赤」の保留画像に表示色が変化するというフォローがあるため、押しそびれて期待度が低い表示色になってしまった為に期待感が下がってしまってもそれを払拭することができ、遊技に対する興趣の低下を抑制することができる。
また、上記保留予告演出の説明では、予告保留画像が3番目の保留位置から2番目の保留位置にシフトしたことを契機として操作要求演出を行い、1度のみ、予告保留画像の表示色を変化させる構成として説明したが、これに限らず、例えば予告保留画像の保留位置がシフトする毎に操作要求演出を行い、予告保留画像の表示色を変化させるようにしても良い。例えば、4つ目の保留位置にある保留画像を予告保留画像とした場合、3番目の保留位置にシフトしたことを契機として操作要求演出を行い、上皿演出ボタン257を押下することで、予告保留画像の表示色が「青」から「黄」に変化する。次いで予告保留画像が2番目の保留位置にシフトしたことを契機として、操作要求演出を行い、上皿演出ボタン257を押下することで、予告保留画像の表示色が「黄」から「緑」に変化する。そして、予告保留画像が1番目の保留位置にシフトしたところで、最終表示色の「赤」に変化する。
上記の例によれば、指定された予告保留画像の表示位置がシフトする度に保留予告演出を行う構成となっているので、1つの予告保留画像に対して複数回保留画像の表示色を変化させることが可能である。また、遊技者の操作によって上皿演出ボタン257が押下される度に予告保留画像の表示色が大当たりに対する期待度が高い表示になるため、保留予告演出に参加することで大当たりにどんどんと近づいていくと思わせることができるので、遊技者は積極的に保留予告演出に参加するようになり、遊技に対する興趣の向上を望むことができる。
[上皿演出ボタンと保留画像とを用いた保留予告演出における第2実施例]
また、保留予告演出が行われる契機を、予告保留画像の表示位置がシフトする場合とせずに、主制御基板から周辺制御基板に出力される変動パターンに対応して設定されている変動時間によって、予告保留画像に対して保留予告演出を行うか、行わないかが決定されるようにしても良い。
例えば、予告保留画像より前の保留が当該変動となった時、その変動時間が短い場合(例えば10秒未満)に保留予告演出を行った場合、操作要求演出が行われた後、遊技者が上皿演出ボタン257を押下しようとしても、すぐに当該変動の変動表示が終了してしまうため、時間内に上皿演出ボタン257を押下できずに、遊技者はチャンスを逃したと思い、遊技に対する興趣が低下してしまう虞がある。また、時間内に上皿演出ボタン257を押下したいが為に、保留予告演出ばかりに気を取られ、当該変動の変動表示を十分に楽しむことができない虞があるため、本実施例では、予告保留画像の表示位置がシフトした時に変動が行われる保留の変動時間が所定の変動時間(本例では10秒以上)以上である場合に保留予告演出を行うようにしている。
上記構成のように予告保留画像よりも前の保留に係る変動時間が10秒以上の場合に保留予告演出を行うことで、操作要求演出が行われた後、遊技者が上皿演出ボタン257を押下する時間を十分に確保することができる為、時間が足らずに上皿演出ボタン257を押し損じる虞を可及的に抑制することができる他、保留予告演出に気を取られ過ぎて変動表示を楽しめない事態を防ぐことができる。
[上皿演出ボタンと保留画像とを用いた保留予告演出における第3実施例]
また主制御基板から周辺制御基板に出力される変動パターンによって、予告保留画像に対して保留予告演出を行うか、行わないかが決定されるようにしても良い。
本実施例では、予告保留画像の表示位置がシフトした時に変動が行われる保留の変動態様が、リーチを伴う変動である場合に保留予告演出を行うようにしている。
当該変動がリーチを伴う変動表示であると、遊技者は大当りが到来するかもしれないという想いが想起し、当該変動に係る大当たりに対する期待が高まる。その状態で更に予告保留画像に対して保留予告演出を行うことで、大当たりに対する期待感を上乗せすることが可能となり、遊技に対する興趣を高めることができる。また、仮に当該変動の結果が外れであった場合でも、予告保留画像は持続するため、遊技に対する興趣の低下も防ぐことが可能である。
また、前述した実施例において、予告保留画像の最終表示色は、大当たりに対する期待度が高い「赤」に決定されているものとしたが、これに限定されるものではなく、「黄」、「緑」、「橙」など、上皿演出ボタン257に対する押下によって変化する色を最終色としても良い。
更に、1つの予告保留画像にたいして複数回保留予告演出を行う場合、例えば、現在「緑」の表示色が予告保留画像として表示されている時は、「緑」から「黄」に表示色が変化しないようになっている。現在の表示されている表示色よりも低い期待度の表示色に変化しないようになっている為、表示色の変化に係る遊技に対する興趣の低下を抑えることができる。
また、予告保留画像の最終表示色よりも期待度が高い表示色が、上皿演出ボタン257に対する押下に起因した表示色として表示されないようになっている。例えば、予告保留画像の最終表示色が「緑」に設定されている場合は、保留予告演出において上皿ボタン257を押下した時、「緑」より期待度の高い「橙」や「赤」の表示色が表示されないようになっている。これにより、予告保留画像が最終表示色となる時に、現状表示されている予告保留画像以上の期待度とされる表示色が最終表示色として表示されるので、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、保留予告演出に係る予告保留画像の表示色の決定は、周辺制御MPUが決定するものである。標準の表示色である「青」から何色の表示色に変化し、最終的に何色の表示色が表示されるかはシナリオとして決まっているものであり、上述した保留予告演出についても、1つのシナリオパターンとして周辺制御MPUが決定したものである。
図190(a)は、予告保留画像の表示色が変化するパターンを示すシナリオパターンテーブルである。
本例におけるシナリオ決定用乱数は、いずれの保留予告演出に係るパターンを実行するかを決定するように設定されている。本例ではパターン1乃至4のシナリオパターンを有しているが、これに限らず、適宜にシナリオパターンを用意し設けるようにしてもよい。
周辺制御MPUによってパターン1が選択された場合は、予告保留画像の表示位置がシフトすることを契機として保留予告演出が行われる。上皿演出ボタン257を押下することに起因する保留予告演出の回数が1回であり、遊技者によって上皿演出ボタン257が押下された場合は表示色が「緑」に変化し、押下されなかった場合は表示色が「黄」に変化する。そして、予告保留画像が1番目の保留位置にシフトしたところで、最終表示色の「赤」に変化する。
周辺制御MPUによってパターン2が選択された場合は、予告保留画像の表示位置がシフトすることを契機として保留予告演出が行われる。上皿演出ボタン257を押下することに起因する保留予告演出の回数が2回であり、1回目の保留予告演出において遊技者によって上皿演出ボタン257が押下された場合は表示色が「緑」に変化し、押下されなかった場合は表示色が「黄」に変化する。次いで2回目の保留予告演出において遊技者によって上皿演出ボタン257が押下された場合は表示色が「橙」に変化し、押下されなかった場合は表示色が「緑」に変化する。そして、予告保留画像が1番目の保留位置にシフトしたところで、最終表示色の「赤」に変化する。
周辺制御MPUによってパターン3が選択された場合は、予告保留画像の表示位置がシフトすることを契機として保留予告演出が行われる。上皿演出ボタン257を押下することに起因する保留予告演出の回数が2回であり、1回目の保留予告演出において遊技者によって上皿演出ボタン257が押下された場合は表示色が「黄」に変化し、押下されなかった場合は表示色が変化せず、「青」のまま表示される。次いで2回目の保留予告演出において遊技者によって上皿演出ボタン257が押下された場合は表示色が「緑」に変化し、押下されなかった場合は表示色が変化せず、「青」のまま表示される。そして、予告保留画像が1番目の保留位置にシフトしたところで、最終表示色の「橙」に変化する。
周辺制御MPUによってパターン4が選択された場合は、予告保留画像の表示位置がシフトした時に変動が行われる保留の変動態様が、リーチを伴う変動である場合に保留予告演出が行われる。上皿演出ボタン257を押下することに起因する保留予告演出の回数が1回であり、遊技者によって上皿演出ボタン257が押下された場合は表示色が「緑」に変化し、押下されなかった場合は表示色が「黄」に変化する。そして、予告保留画像が1番目の保留位置にシフトしたところで、最終表示色の「赤」に変化する。
以上、周辺制御MPUによって選択されるシナリオパターンの例を説明した。また、周辺制御基板には、保留予告演出において、予告保留画像におけるシナリオパターンを決定する手段として、シナリオパターン決定用乱数と、シナリオパターンテーブルとが予め用意されており、上記シナリオパターン決定用乱数と、シナリオパターンテーブルとに基づいて、いずれの保留予告演出にかかるシナリオが決定されるものとなっている。
図190(b)に示すように、例えば、100種類の変動乱数がシナリオパターンのいずれかを実行することを示す判定値(0〜99)として設定され、変動乱数のうち25種類の変動乱数が、パターン1の保留予告演出を実行することを示す判定値として設定され(0〜24)、20種類の変動乱数が、パターン2を実行することを示す判定値として設定され(25〜44)、40種類の変動乱数が、パターン3を実行することを示す判定値として設定され(45〜89)。10種類の変動乱数が、パターン4を実行することを示す判定値として設定される(90〜99)。
以上説明した本実施例の構成によれば、周辺制御MPUによって決定される保留予告演出に係るシナリオパターンによって、予告保留画像の表示色に係る変化態様が異なり、また、同じシナリオパターンであっても、上皿演出ボタン257に対する操作をするかしないかによって、予告保留画像の表示色に係る変化態様を異ならせるようにしている為、遊技者に様々なバリエーションの保留予告演出を提供することができ、予告保留画像の表示色に係る変化態様によって遊技者を一喜一憂させることが可能となり、遊技に対する興趣を向上させることが可能となる
また、本実施例の構成によれば、周辺制御MPUによって決定される保留予告演出に係るシナリオパターンによって、予告保留画像の表示色に係る変化態様を異ならせるようにしている為、遊技者に様々なバリエーションの保留予告演出を提供することができ、予告保留画像の表示色に係る変化態様によって遊技者を一喜一憂させることが可能となる。
上記に説明した保留予告演出は、上皿演出ボタン257を押下するか否かで、予告保留画像の表示色が変化するものであるが、それ以外にも、例えば予告保留画像より前に変動が行われる保留画像が変動表示される時に、その変動態様がリーチを伴う変動態様である場合、遊技者による上皿演出ボタン257に対する操作を契機とせずに予告保留画像の表示色を変化させる構成であったり、遊技者に対する予告を一切せずに、何の前触れもなしに予告保留画像の保留色を変化させる構成であったりしても良い。
以上説明した本実施例の構成によれば、周辺制御MPUによって決定される保留予告演出に係るシナリオパターンによって、予告保留画像の表示色に係る変化態様が異なり、また、同じシナリオパターンであっても、上皿演出ボタン257に対する操作をするかしないかによって、予告保留画像の表示色に係る変化態様を異ならせるようにしている為、遊技者に様々なバリエーションの保留予告演出を提供することができ、予告保留画像の表示色に係る変化態様によって遊技者を一喜一憂させることが可能となり、遊技に対する興趣を向上させることが可能となる。
[保留予告演出における予告保留画像の変化タイミング]
また、本実施例では、保留予告演出において、上皿演出ボタン257に対する操作を行った後に変化する、予告保留画像の保留色に係る変化タイミングを、複数備える構成としている。
保留予告演出における予告保留画像の表示色が変化するタイミングパターン(以下、変化タイミングパターンという。)は、後述する即時変化パターン、1秒後変化パターン及び2秒後変化パターンからなり、図199は、保留予告演出における予告保留画像の変化タイミングパターンのうち、即時変化パターンが選択された場合のタイムチャートであり、図200は、保留予告演出における予告保留画像の変化タイミングパターンのうち、後述する1秒後変化パターンが選択された場合のタイムチャートであり、図201は、保留予告演出における予告保留画像の変化タイミングパターンのうち、2秒後変化パターンが選択された場合のタイムチャートである。また、図202は、予告保留画像の変化タイミングパターンを示す変化タイミングテーブルである。
図199のタイムチャートにおいては、(A)操作有効期間、(B)操作要求演出、(C)上皿演出ボタン操作検出、(D)即時変化パターンのそれぞれのタイミングが示されており、図200のタイムチャートにおいては、(A)操作有効期間、(B)操作要求演出、(C)上皿演出ボタン操作検出、(E)1秒後変化パターンのそれぞれのタイミングが示されており、図201のタイムチャートにおいては、(A)操作有効期間、(B)操作要求演出、(C)上皿演出ボタン操作検出、(F)2秒後変化パターンの夫々のタイミングが示されている。
保留予告演出が行われる場合、(A)に示すように、上皿演出ボタン257に対する操作が有効となる時点から無効となる時点が予め適宜に設定されており、その間、(B)に示すように、中央液晶表示装置1500や各種スピーカ等の報知手段を用いて、遊技者に対して上皿演出ボタン257への操作を要求する演出(操作要求演出)を行うことで、上皿演出ボタン257に対する操作が有効である旨を報知する構成としている。そして、操作要求演出に応答して、(C)に示すように、遊技者が上皿演出ボタン257を押下操作することによって予告保留画像の表示色が変化するものである。上皿演出ボタン257を押下した後は、(A)の操作有効期間と、(B)の操作要求演出が終了し、予告保留画像の表示色が変化することとなるが、その変化タイミングは、(D)に示すような、上皿演出ボタン257を押下して即時に予告保留画像の表示色が変化する即時変化パターン、(E)に示すような、上皿演出ボタン257を押下して1秒後に予告保留画像の表示色が変化する1秒後変化パターン、(F)に示すような、上皿演出ボタン257を押下して2秒後に予告保留画像の表示色が変化する2秒後変化パターン等がある。
即時変化パターンが選択されている場合は、図199に示すように、(A)の操作有効期間、及び(B)の操作要求演出がon状態である時に、遊技者によって上皿演出ボタン257が押下操作されると、その操作が検出されたことを契機に操作有効期間と操作要求演出がoffとなり、その後予告保留画像の表示色が変化する。
また、1秒後変化パターンが選択されている場合は、図200に示すように、(A)の操作有効期間、及び(B)の操作要求演出がon状態である時に、遊技者によって上皿演出ボタン257が押下操作されると、その操作が検出されたことを契機に操作有効期間と操作要求演出がoffとなり、上皿演出ボタン257の操作が検出された1秒後に予告保留画像の表示色が変化する。
また、2秒後変化パターンが選択されている場合は、図201に示すように、(A)の操作有効期間、及び(B)の操作要求演出がon状態である時に、遊技者によって上皿演出ボタン257が押下操作されると、その操作が検出されたことを契機に操作有効期間と操作要求演出がoffとなり、上皿演出ボタン257の操作が検出された2秒後に予告保留画像の表示色が変化する。
これにより、いずれの変化パターンが選択されているかによって、上皿演出ボタン257が押下されてから予告保留画像の表示色が変化するタイミングが異なるため、予告保留画像の表示色が、どのタイミングで変化するかわからないことで得られるドキドキ感が増加し、保留予告演出における様々なバリエーションを楽しませることが可能となる。
また、保留予告演出において、操作要求演出にて遊技者に対して上皿演出ボタン257への操作を要求したにもかかわらず、上皿演出ボタン257に対する押下操作を受け付ける操作可能期間が終了するまでに押下されなかった場合、即時変化パターンが選択されていた場合は、操作有効期間が終了した後即時に予告保留画像の表示色が変化し、1秒後変化パターンが選択されていた場合は、操作有効期間が終了した1秒後に予告保留画像の表示色が変化し、2秒後変化パターンが選択されていた場合は、操作有効期間が終了した2秒後に予告保留画像の表示色が変化するようになっているが、これに限らず、操作可能期間が終了した後、適宜のタイミングで、予告保留画像の表示色が変化するようにしてもよい。これにより、例えば操作要求演出を見逃してしまい、上皿演出ボタン257に対する操作を行えなかった場合であっても予告保留画像の表示色が変化するため、予告保留画像の表示色が期待度の低い表示色のまま表示されてしまい損をしたという気持ちを想起させてしまう事を抑止することが可能となり、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、周辺制御基板には、保留予告演出において、予告保留画像の表示色が変化するタイミングを決定する手段として、予告保留画像の表示色が変化するタイミングを決定するための変化タイミング決定用乱数と、変化タイミングテーブルとが予め用意されており、上記変化タイミング決定用乱数と変化タイミングテーブルとに基づいて、予告保留画像の表示色の変化タイミングパターンが決定されるものとなっている。そして、始動口へ遊技球が入球したことに応じて周辺制御MPUにより決定された保留予告演出が、遊技者の操作による上皿演出ボタン257に対する操作によって予告保留画像の表示色が変化する演出であった場合に、当該演出が決定された後に、変化タイミング決定用乱数抽出手段によって抽出された変化タイミング決定用乱数と、変化タイミングテーブルとから、予告保留画像の変化タイミングを決定するものである。
次に、変化タイミング決定用乱数について、図202を用いて説明する。本例における変化タイミング決定用乱数は、いずれの予告保留画像の表示色の変化タイミングパターンを実行するかを決定するように設定されている。例えば、100種類の変動乱数が予告保留画像の変化タイミングパターンのうちいずれかを実行することを示す判定値(0〜99)として設定され、変動乱数のうち50種類の変動乱数が、上皿演出ボタン257に対する押下操作後、即時タイミングで予告保留画像の表示色が変化する即時変化パターンを実行することを示す判定値として設定され(0〜49)、30種類の変動乱数が、上皿演出ボタン257に対する押下操作後、1秒後のタイミングで予告保留画像の表示色が変化する1秒後変化パターンを実行することを示す判定値として設定され(50〜79)、20種類の変動乱数が、上皿演出ボタン257に対する押下操作後、2秒後のタイミングで予告保留画像の表示色が変化する2秒後変化パターンを実行することを示す判定値として設定される(80〜99)。
また、保留予告演出における、上皿演出ボタン257に対して押下操作した後の、予告保留画像の表示色が変化するタイミングを決定する契機としては、予告保留画像の表示位置が例えば4番目の保留位置から3番目の保留位置にシフトしたときに、変化タイミング決定用乱数抽出手段によって変化タイミング決定用乱数を抽出し、予告保留画像の表示色が変化するタイミングを決定するようにしても良いし、予告保留画像の表示位置がシフトした時に変動が行われる保留の変動態様が、リーチを伴う変動である場合に、そのリーチを伴う変動が行われたことを契機として変化タイミング決定用乱数抽出手段によって変化タイミング決定用乱数を抽出し、予告保留画像の表示色が変化するタイミングを決定するようにしても良く、種々の契機を選択することができる。
また、遊技中、最後に行われた保留予告演出における予告保留画像の表示色の変化タイミングパターンが、即時変化パターンであり、その次に抽選された予告保留画像の変化タイミングパターンも、即時変化パターンであった場合、遊技者は、予告保留画像の変化タイミングパターンが複数種類用意されていることに気付くことができず、上皿演出ボタン257を押した後の予告保留画像の変化パターンが即時変化パターンのみであると思わせてしまい、遊技に対する興趣を低下させてしまう虞があるので、本例では、最後に行われた予告保留画像の変化タイミングパターンとは異なるタイミングパターンが選択されるようになっている。
また、例えば最後に行われた予告保留画像の変化タイミングパターンとして、即時変化パターンが選択されていた場合、次に選択される変化タイミングパターンは、1秒後変化パターン又は2秒後変化パターンいずれかが選択されるようになっており、1秒後変化パターンが選択されていた場合、次に選択される変化タイミングパターンは、即時変化パターン又は2秒後変化パターンいずれかが選択されるようになっており、2秒後変化パターンが選択されていた場合、次に選択される変化タイミングパターンは、即時変化パターン又は1秒後変化パターンが選択されるようになっている。これにより、最後に選択された変化タイミングパターンとは異なる変化タイミングパターンが選択される為、連続して同じ変化タイミングパターンが選択されてしまう事を防ぐことができ、遊技に対する興趣の低下を抑制することができる。
次に、本例における保留予告演出の流れを、図203を用いて説明する。
図203は、保留予告演出における流れの一例を示したものであり、この例は、1秒後変化演出が選択された場合と即時変化演出が選択された場合とを比較した保留予告演出の一連の流れを示す図である。(A)は、3番目の保留画像において保留予告演出が行われる旨を報知している状態を示しており、(B)は、3番目の上皿演出ボタン257に対する操作で予告保留画像の表示色が変化する旨を示唆し、操作要求演出が行われている状態を表しており、(C−1)は、即時変化パターンが選択された場合で上皿演出ボタン257に対する操作が行われた直後の状態を示しており、(C−2)は、1秒後変化パターンが選択された場合で上皿演出ボタン257に対する操作が行われた直後の状態を示しており、(D)は、(C−2)において上皿演出ボタン257に対する操作が行われてから1秒経過した後の状態を示すものである。
(A)に示すように、周辺制御MPUによって、3番目の保留位置に表示されている保留画像について保留予告演出が行われることが決定した場合、中央液晶表示装置1500に「3つ目の保留に注目!」というメッセージ画像を表示するほか、3番目の保留位置に表示されている保留画像(予告保留画像)の近傍に、矢印と「コレ!!」と書かれた画像を表示させて、遊技者に対して保留予告演出が行われることを報知し認識させる。
次いで、(B)に示すように、中央液晶表示装置1500に「ボタンを押すと保留の色が変わる?!」という画像と、上皿演出ボタン257を模した画像を表示し、上皿演出ボタン257に対する操作を促す画像が表示される(操作要求演出)。これにより、上皿演出ボタン257に対する操作が有効である旨を遊技者が認識し、更に、上皿演出ボタン257を押下することで、予告保留画像の表示色が変化し、何か得することが起きるのではないかという気持ちを想起させることができる。
そして、例えば即時変化パターンが周辺制御MPUによって選択されている場合は、(C−1)に示すように、操作要求演出に応答して上皿演出ボタン257に対する押下が行われた直後に、予告保留画像の表示色が本例では「緑」に変更されて表示される。また、1秒後表示パターンが周辺制御MPUによって選択されている場合は、(C−2)に示すように、操作要求演出に応答して上皿演出ボタン257を押下しても、予告保留画像の表示色が変更されることなく、「青」のまま表示される。
(C−2)に次いで、上皿演出ボタン257を押下してから1秒が経過すると、(D)に示すように、「緑」に変更されて表示される。
このように、即時変化パターンが選択されている場合は上皿演出ボタン257に対する操作を行った直後に予告保留画像が変化し、1秒後変化パターンが選択されている場合は上皿演出ボタン257に対する操作を行った直後は予告保留画像の表示色が「青」のまま変化せず、1秒経過した後に予告保留画像が変化する、という複数の変化タイミングパターンを備えることにより、例えば即時変化パターンが選択されている場合は、上皿演出ボタン257を押下した後即時に予告保留画像の変化の結果を知ることができ、また、1秒後変化パターン、又は2秒後変化パターンが選択されている場合は、一度は予告保留画像の表示色が変化しないものだと思ってしまうものの、時間差で予告保留画像の表示色が変化するようになっている為、保留予告演出に対してドキドキワクワクさせることができ、遊技に対する興趣を向上させることが可能となる。
なお、上皿演出ボタン257を押下したあと「青」の保留画像から何色の保留画像へ変化するかは、周辺制御MPUによって決定されるものである。
[保留予告演出のバリエーション1]
本実施例における保留予告演出は、主制御基板によって有利遊技状態(例えば、大当り)が抽選された時のラウンド数によって、予告保留画像の変化タイミングパターンの抽選割合を変更する構成としている。以下に図204を用いて説明する。
図204は、大当たりが抽選された場合に係るラウンド数毎の予告保留画像の変化タイミングパターンを示す変化タイミングテーブルである。(a)は、15ラウンド大当りが抽選された時に選択される変化タイミングテーブルであり、(b)は、8ラウンド大当りが抽選された時に選択される変化タイミングテーブルであり、(c)は、2ラウンド大当りが抽選された時に選択される変化タイミングテーブルである。
主制御基板によって15ラウンド大当りが抽選された場合は、図204(a)に示すように、変動乱数のうち80種類の変動乱数が、上皿演出ボタン257に対する押下操作後、即時タイミングで予告保留画像の表示色変化が行われる即時変化パターンを実行することを示す判定値として設定され(0〜79)、10種類の変動乱数が、上皿演出ボタン257に対する押下操作後、1秒後のタイミングで予告保留画像の表示色変化が行われる1秒後変化パターンを実行することを示す判定値として設定され(80〜89)、10種類の変動乱数が、上皿演出ボタン257に対する押下操作後、2秒後のタイミングで予告保留画像の表示色変化が行われる2秒後変化パターンを実行することを示す判定値として設定される(90〜99)。
主制御基板によって8ラウンド大当りが抽選された場合は、図204(b)に示すように、変動乱数のうち10種類の変動乱数が、上皿演出ボタン257に対する押下操作後、即時タイミングで予告保留画像の表示色変化が行われる即時変化パターンを実行することを示す判定値として設定され(0〜9)、80種類の変動乱数が、上皿演出ボタン257に対する押下操作後、1秒後のタイミングで予告保留画像の表示色変化が行われる1秒後変化パターンを実行することを示す判定値として設定され(10〜89)、10種類の変動乱数が、上皿演出ボタン257に対する押下操作後、2秒後のタイミングで予告保留画像の表示色変化が行われる2秒後変化パターンを実行することを示す判定値として設定される(90〜99)。
主制御基板によって2ラウンド大当りが抽選された場合は、図204(c)に示すように、変動乱数のうち10種類の変動乱数が、上皿演出ボタン257に対する押下操作後、即時タイミングで予告保留画像の表示色変化が行われる即時変化パターンを実行することを示す判定値として設定され(0〜9)、10種類の変動乱数が、上皿演出ボタン257に対する押下操作後、1秒後のタイミングで予告保留画像の表示色変化が行われる1秒後変化パターンを実行することを示す判定値として設定され(10〜19)、80種類の変動乱数が、上皿演出ボタン257に対する押下操作後、2秒後のタイミングで予告保留画像の表示色変化が行われる2秒後変化パターンを実行することを示す判定値として設定される(20〜99)。
以上説明した本実施例の構成によれば、上皿演出ボタン257を押下した後の予告保留画像変化タイミングパターンによって、大当たりに係るラウンド数をある程度予測することができる。例えば上皿演出ボタン257を押下した後即時に、予告保留画像の表示色が変化した場合、遊技者は、15ラウンド大当りが高確率で到来すると想起し、また、上皿演出ボタン257を押下した2秒後に、予告保留画像の表示色が変化した場合、遊技者は、2ラウンド大当りが高確率で到来すると想起する。これにより、予告保留画像の変化タイミングパターンによって遊技者を一喜一憂させることができ、遊技に対する興趣を向上させることが可能となる。
[予告演出のその他バリエーション]
上述してきた予告演出は、上皿演出ボタン257に対する操作を契機として予告保留画像の表示色を変化させるものであって、更に予告保留画像の表示色が変化するタイミングを複数用意し、様々なバリエーションの保留予告演出を楽しませるものとして説明したが、本例における予告演出は、保留画像を利用したものではなく、保留が複数ある状態において、例えば現在行われている変動(以下、当該変動という。)における演出にて上皿演出ボタン257に対する操作を行う演出ゲームが行われ、遊技者によって上皿演出ボタン257に対する操作が行われると、当該変動より後に消化が行われる変動(予告対象変動)の演出態様に変化をもたらせる予告変動演出を行う、というものである。以下、一連の演出の流れを、図205を用いて説明する。
図205は、本例における予告変動演出における一連の流れを示すものである。(A)予告対象変動より前に消化される変動の変動演出が行われている状態を示しており、(B)は操作要求演出が行われている状態を示しており、(C−1)は(B)で操作要求演出が行われた時に上皿演出ボタン257に対する操作を行わなかった後の状態を示しており、(C−2)は(B)で操作要求演出が行われた時に上皿演出ボタン257に対する操作を行なった後の状態を示しており、(D−1)は、(C−1)の後、当該変動の変動が終了した状態を示しており、(D−2)は、(C−2)の後、当該変動の変動が終了した状態を示しており、(E−1)は(D−1)の後に行われる予告変動演出の演出態様を示しており、(E−2)は、(D−2)の後、予告変動演出が開始された状態を示しており、(F)は(E−2)の後に行われる予告変動演出の演出態様を示すものである。
例えば1番目の保留位置に保留されている変動が予告対象変動である場合、(A)に示すように、予告前変動が行われている時に、(B)に示すように遊技者に対して上皿演出ボタン257への操作を要求する演出(操作要求演出)を行うことで、上皿演出ボタン257に対する操作が有効である旨を報知する。その時遊技者が、操作要求演出に応じて上皿演出ボタン257を押下しなかった場合は、(C−1)に分岐する。(C−1)に示すように、(B)において遊技者による上皿演出ボタン257に対する押下操作がなされなかったため、図柄の変動表示以外の演出は行わずに、(D−1)に移行する。次いで、(D−1)に示すように、当該変動が終了する。その後の(E−1)に示すように、予告変動演出の演出態様は、前に行われた変動演出態様と同様の演出態様となる。
逆に、(B)において遊技者による上皿演出ボタン257に対する押下操作がなされた場合は、(C−2)に示すように、テントウムシを模した画像が中央液晶表示装置に出現して、縦横無尽に飛び回る演出が行われ、(D−2)に移行する。次いで、(D−2)に示すように、当該変動が終了する。その後、(E−2)に示すように、予告対象変動の変動が開始されたことに基づいて、テントウムシを模した画像が再度表示され、次いで(F)に示すように、予告変動演出の態様が、前に行われた変動演出態様とは異なり、変動図柄の表示態様が変化して表示される。これにより遊技者に対して、上皿演出ボタン257を押下すると、何かいいことが起きるかもしれない、という想いを想起させることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、(F)において表示される、予告対象変動より前に行われた変動演出態様とは異なる演出態様は、主制御MPUによって、予告対象変動の抽選結果が特定遊技状態となるか否かを事前に判定した上で変動図柄の態様を変化させるものとしている。
例えば(B)の時点で遊技者により上皿演出ボタン257に対する操作が行われ、次点の(C−2)においてテントウムシを模した画像を用いた演出が行われた後、(D−2)において当該変動の抽選結果が外れであると、遊技者は落胆し、次に変動が行われる予告対象変動に期待を持つこととなる。そして、(E−2)で再度テントウムシを模した画像を用いた演出が行われ、(F)において予告変動演出の態様がこれまでとは異なる態様(本例では変動図柄の見た目が異なる。)となっている為、遊技者は前に行われた変動の抽選結果が外れであったこともあり、予告対象変動に対する期待が強く高まる。この時、予告対象変動の抽選結果が、例えば外れである場合、更に遊技者を落胆させることとなり、期待を膨らませていた分遊技に対する興趣を大きく低下させてしまう事になるので、例えば、予告変動演出の抽選結果が大当たりである場合に、予告変動演出の態様を変化させるようにすることで、(D−2)の時点で一旦落胆するものの、予告対象変動の結果を目の当たりにしたとき、落胆していた分大当たりに対する喜びが大きくなり、遊技に対する興趣を大きく向上させることが出来る。
以上説明したように、本例によると、当該変動における演出にて、上皿演出ボタン257に対する操作を行う演出ゲームが行われ、遊技者によって上皿演出ボタン257に対する操作が行われると、予告対象変動が当該変動となった時に演出態様が変化するため、様々なバリエーションの予告変動演出を楽しませることができ、遊技に対する興趣を増進させることが可能となっている。
また、図205の(B)で表示される操作要求演出において、上皿演出ボタン257を押下操作している場合、当該変動の結果が外れの場合であっても、外れの図柄表示が表示されたことに基づいて(D)の段階で予告変動演出の変動態様が変化するため、大当たりに対する希望を新たに抱くことができ、遊技に対する興趣の低下を抑制することができる。
更に、(C−2)において表示されたテントウムシを模した画像を、(E−2)において再度表示させることにより、(F)の段階で上皿演出ボタン257に対する操作を行ったことで、その操作により予告変動演出の表示態様が変化したと遊技者に気付かせることができ、上皿演出ボタン257に対する自らの操作で、大当たりに対する信頼度が高い演出を引き当てたと想起させることが可能となり、遊技に対する興趣が向上する。
また、本例では、保留画像を用いずに、予告対象変動における予告変動演出の演出態様を変化させるものとして説明したが、当該変動より後に行われる予告対象変動の保留画像の表示色を変化する構成としても良い。
これにより、たとえ当該変動の結果が外れであっても、保留に一定以上の期待度が高い変動がある場合、(B)の段階で上皿演出ボタン257を押下操作していれば、当該変動の図柄変動が停止したことに合わせて、期待度の高い変動の保留画像の表示色を変化させる。これにより当該変動の結果に対して一旦は落胆するものの、予告対象変動に対して新たに期待をもたせることができる為、遊技に対する興趣の低下を抑制することができる。
尚、(B)の段階で上皿演出ボタン257を押下操作がなされなかった場合は、予告対象変動の保留画像の表示色が変化しないため、保留されている変動のうち、期待度の高い変動があっても保留色の変化はないので、遊技者は期待度の高い変動が保留されていることに気付かない。
また、当該変動の結果が大当たりである場合に、(B)の段階で、上皿演出ボタン257を押下操作していれば、当該変動の図柄変動が停止したことに合わせて、期待度の高い変動の保留画像の表示色を変化させる。これにより、当該変動が大当たりとなった喜びに加え、更に予告対象変動に対しても期待をもたせることができる為、遊技に対する興趣のさらなる向上を望むことが可能となる。
尚、(B)の段階で上皿演出ボタン257を押下操作がなされなかった場合は、予告対象変動の保留画像の表示色が変化しないため、保留されている変動のうち、期待度の高い変動があっても保留色の変化はないので、遊技者は期待度の高い変動が保留されていることに気付かない。
これにより、遊技者は、上皿演出ボタン257に対する押下操作を行うことによる、大当たり遊技に対する期待度の上昇を感じることが出来ることに加え、当該変動の保留記憶内の期待度も知ることができ、特に当該変動の抽選結果が外れであった場合、保留内に期待度の高い保留があれば当該変動の抽選結果が外れてしまい落胆を抱いてしまっても、さらなる変動に期待を抱くことが出来るので、遊技興趣の低下を抑制することが出来る。
また、本例における予告変動演出では、変動図柄の表示態様を変化させるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、予告変動演出の背景画像を変化させたり、演出ゲームの内容を変化させたり、所謂先読みゾーンに移行させたりと、種々の演出態様を選択することができる。
また、本例では予告対象変動の、1つ前の変動を予告前変動として説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、予告対象変動の2つ前、3つ前の変動を予告前変動としても良く、適宜選択できるものとする。
本実施形態では、第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球の受入れにより特別抽選の開始から抽選された特別抽選結果が示唆されるまでの間に、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球が受入れられると、特別抽選結果の示唆を開始することができないため、先に抽選された特別抽選結果の示唆が完了するまで、特別抽選結果の示唆の開始が保留される。この保留される特別抽選結果の保留数は、第一始動口2002及び第二始動口2004に対して、夫々4つまでを上限とし、それ以上については、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球が受入れられても特別抽選結果を保留せずに、破棄している。これにより、保留が貯まることで遊技ホール側の負担の増加を抑制している。
この特別抽選結果の示唆は、機能表示ユニット1400と中央液晶表示装置1500とで行われる。機能表示ユニット1400では、主制御基板によって直接制御されて特別抽選結果の示唆が行われる。機能表示ユニット1400(第一特別図柄表示器、第二特別図柄表示器)での特別抽選結果の示唆は、複数のLEDを、点灯・消灯を繰返して所定時間点滅させ、その後に、点灯しているLEDの組み合わせによって特別抽選結果を示唆する。
一方、中央液晶表示装置1500では、主制御基板からの制御信号に基いて、周辺制御基板によって間接的に制御され演出画像として特別抽選結果の示唆が行われる。中央液晶表示装置1500での特別抽選結果を示唆する演出画像は、複数の装飾図柄からなる図柄列を、左右方向へ三つ並べて表示した状態で、各図柄列を変動させ、変動表示されている図柄列を順次停止表示させ、停止表示される三つの図柄列の装飾図柄が、特別抽選結果と対応した組み合わせとなるように夫々の図柄列が停止表示される。特別抽選結果が「ハズレ」以外の場合は、三つの図柄列が停止して各装飾図柄が停止表示された後に、特別抽選結果を示唆する確定画像が中央液晶表示装置1500に表示されて、抽選された特別抽選結果に応じた有利遊技状態(例えば、小当り遊技、大当り遊技、等)が発生する。
なお、機能表示ユニット1400での特別抽選結果を示唆する時間(LEDの点滅時間(変動時間))と、中央液晶表示装置1500での特別抽選結果を示唆する時間(図柄列が変動して確定画像が表示されるまでの時間)とは、異なっており、機能表示ユニット1400の方が短い時間に設定されている。
また、周辺制御基板では、中央液晶表示装置1500による特別抽選結果を示唆するための演出画像の表示の他に、抽選された特別抽選結果に応じて、表上可動演出ユニット2560、表下可動演出ユニット2570、裏上可動演出ユニット3100、裏下前可動演出ユニット3200、裏右可動演出ユニット3300、裏左可動演出ユニット3400、裏下後可動演出ユニット3500、及び裏四隅可動演出ユニット3600、等を適宜用いて可動演出を行うようにしており、可動演出によっても遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
ところで、本実施形態のパチンコ機1では、上大入賞口2006に対して遊技球の受入れが可能となる際に、裏ユニット3000における裏右可動演出ユニット3300の裏右回転装飾体3310を回転させて第三装飾面3310cを前方(正面)へ向けた状態とすると、上大入賞口2006に受入れられた遊技球が流通する後方誘導路2553の後方放出口2554と裏右球入口3320とが一致した状態となる(図175を参照)。この状態で、上大入賞口2006に遊技球が受入れられると、後方誘導路2553の後方放出口2554から裏右球入口3320へと進入し、裏右演出空間3321に配置されている球誘導部材3322により、裏右演出空間3321内を上下に延びた軸線周りを螺旋状に複数回(ここでは8回)回転しながら流下することとなる(図175(a)を参照)。
これにより、上大入賞口2006に受入れられた遊技球を、裏右演出空間3321で螺旋状に流下させることができるため、上大入賞口2006に受入れられた遊技球を遊技者に確実に視認させることができ、上大入賞口2006への遊技球の受入れによる遊技球の払出しに対する期待感を高めさせることができると共に、螺旋状に流下する遊技球により遊技者を楽しませることができ、興趣の低下を抑制することができる。また、球誘導部材3322は中央液晶表示装置1500に隣接して配置されるため、中央液晶表示装置1500に表示される演出画像に注目している遊技者にも球誘導部材3322を遊技球が流下していることを容易に認識させることができる。なお、本例では中央液晶表示装置1500に隣接するように球誘導部材3322を配置したが、球誘導部材3322の一部又は全部が中央液晶表示装置1500と重複するように配置されることで球誘導部材3322を遊技球が流下していることを容易に認識させるようにしてもよい。また、この場合には球誘導部材3322をその背部を視認可能な透明部材で形成することにより中央液晶表示装置1500に表示される演出画像の視認を妨げないようにすることが可能である。
なお、上大入賞口2006が開状態の時に、裏右回転装飾体3310において第三装飾面3310c以外が前方を向いている場合は、後方誘導路2553の後方放出口2554が第一装飾面3310aや第二装飾面3310bの外周面により閉鎖されているため、上大入賞口2006に受入れられた遊技球は、後方誘導路2553の後端付近で分岐している逃し通路2555へ進入し、逃し通路2555を通って下方へ排出される。これにより、上大入賞口2006が受入可能となる際に、裏右可動演出ユニット3300の裏右演出空間3321を用いた演出を行ったり、裏右演出空間3321を用いない演出を行ったりすることができ、多彩なバリエーションを遊技者に提示して楽しませることができる。また、何らかの理由により、裏右回転装飾体3310が第三装飾面3310cを前方へ向けることができなかった場合でも、上大入賞口2006に受入れられた遊技球が、後方誘導路2553において滞ることがなく、遊技を問題なく継続させることができる。
[10.大当り遊技の高速消化]
本例のパチンコ機1では、遊技領域5aの下端部付近に大入賞口を配置する従来の遊技機よりも短時間で大当り遊技の所定回数のラウンドを消化できるようになっている。以下、詳細に説明する。
上記したように、球発射装置680が所定の打込強さ以上の打込強さで遊技領域5a内のセンター役物2500の上部に打込むことにより、センター役物2500の前周壁部2512の外周面の最も高くなった部位よりも右側に進入した遊技球は、衝止部1006に当接してその勢いが弱められた後、右上入口から上遊技空間2541に進入する。
また、図176に示すように右上入口は遊技球の外径よりも若干大きい幅で鉛直に延びているため、衝止部1006に当接してその勢いを弱められた遊技球は右上入口によって転動方向が制限されて真下に落下することになる。
そして、上大入賞口2006を開放している状態では上大入賞口扉部材2550の上端を下端よりも高くすることで上大入賞口扉部材2550に当接した遊技球を極めて高い確率で上大入賞口2006に受入れるだけでなく、上大入賞口扉部材2550の上端を右上入口よりも正面視右方となるように上大入賞口扉部材2550を回動させるようになっている。
本例のパチンコ機1では上遊技空間2541内に障害釘を植設していないため、右上入口から落下してきた遊技球は極めて高い確率で上大入賞口扉部材2550に当接する。そのため、上大入賞口2006を開放している状態でセンター役物2500の前周壁部2512の外周面の最も高くなった部位よりも右側に進入して右上入口から落下してきた遊技球は、極めて高い確率で上大入賞口2006に受入れられる。
このように、上大入賞口2006を遊技領域5a右上端部付近に配置するため、遊技領域5aの下端部付近に大入賞口を配置する従来の遊技機よりも遊技領域5a内に打込まれた遊技球が上大入賞口2006に受入れられるまでの移動距離が短くなり、また、センター役物2500の前周壁部2512の外周面の最も高くなった部位よりも右側に進入した遊技球を極めて高い確率で上大入賞口2006に受入れるため、球発射装置680が遊技領域5a内に遊技球を打込んでから上大入賞口2006に遊技球が受入れられるまでの期間を短縮することができる。これにより、遊技領域5aの下端部付近に大入賞口を配置する従来の遊技機よりも短時間で大当り遊技の所定回数のラウンドを消化できるようになる。
また、上大入賞口2006を遊技領域5a右上端部付近に配置して球発射装置680によって所定の打込強さ以上の打込強さで打込まれた遊技球は、衝止部1006に当接するまで障害釘等の障害物に当接することなく外レール1001の内側を沿って転動して上大入賞口2006に入球可能となるように構成したため、打込まれた遊技球は必ず一定以上の速度で転動するようになり、少なくとも球発射装置680が遊技領域5a内に遊技球を打込んでから遊技球が衝止部1006に当接するまでの期間を短くすることができる。即ち、所定の打込強さ未満の打込強さで遊技球が打込まれた場合に上大入賞口2006に入球可能となるように構成する場合に比べて球発射装置680が遊技領域5a内に遊技球を打込んでから上大入賞口2006に遊技球が受入れられるまでの期間を短縮することができる。
換言すると、上大入賞口2006を遊技領域5a左上端部付近に配置して球発射装置680によって所定の打込強さ未満の打込強さで遊技球が打込まれた場合に遊技球が上大入賞口2006に入球可能となるように構成した場合に比べて、上大入賞口2006を遊技領域5aの右上端部付近に配置して球発射装置680によって所定の打込強さ以上の打込強さで遊技球が打込まれた場合に遊技球が上大入賞口2006に入球可能となるように構成することで遊技球の転動速度が速くなるため、球発射装置680が遊技領域5a内に遊技球を打込んでから上大入賞口2006に遊技球が受入れられるまでの期間を短縮することができ、短時間で大当り遊技の所定回数のラウンドを消化できるようになる。
なお、球発射装置680は約0.6秒毎に1球ずつ遊技球を打込むようになっているため、例えば10個の遊技球を打込むのに要する時間は6秒となる。また、上記したように球発射装置680によって所定の打込強さ以上の打込強さで打込まれた遊技球は、衝止部1006に当接するまで障害釘等の障害物に当接することなく外レール1001の内側を沿って転動するため、球発射装置680によって遊技球が所定の打込強さ以上の打込強さで打込まれて遊技領域5aに進入してから上大入賞口2006に受入れられるまでの期間は極僅か(1秒程度)である。
即ち、大当り遊技における1ラウンドで上大入賞口扉部材2550が開状態となってから10個の遊技球が上大入賞口2006に受入れられるまでの期間は従来の遊技機に比べて半分程度の期間である7〜8秒程であり、さらにラウンド間のインターバル期間(上大入賞口2006を閉鎖してから再び開放するまでの期間)を従来の遊技機(約2.0秒)よりも短い約0.6秒としているため、15ラウンドの大当り遊技であれば113.4秒〜128.4秒程で終了することになる。
このように、本例のパチンコ機1では従来の遊技機よりも大当り遊技に要する期間を短縮させることができるため、第一特別図柄表示器及び第二特別図柄表示器にて単位時間当たりに実行可能な図柄(第一特別図柄表示器で変動表示される第一特別図柄、第二特別図柄表示器で変動表示される第二特別図柄)の変動表示の実行回数(変動表示回数)を従来の遊技機よりも増大させることができ、大当り発生の機会が増大することで遊技興趣の低下を抑止できる。また、従来の遊技機で実行される大当り遊技の実行期間を約半分程度に短縮できるため、大当り遊技自体にも興味を抱かせることができ、遊技興趣の低下を抑止できる。
また、上記したように本例のパチンコ機1では、上大入賞口2006に受入れられた遊技球は、後方誘導路2553の後方放出口2554から裏右球入口3320へ進入し、裏右演出空間3321に配置されている球誘導部材3322により、裏右演出空間3321内を上下に延びた軸線周りを螺旋状に複数回(ここでは8回)回転しながら流下する(図175(a)を参照)。球誘導部材3322を流下する遊技球は、図175(a)に示すように遊技者から断片的に視認可能となっている。この球誘導部材3322を流下する遊技球が裏右下ベース3303の排出口3303aから排出されて遊技者から視認困難になるまでに約2秒程度を要する。上記したように球発射装置680によって遊技球が所定の打込強さ以上の打込強さで打込まれて遊技領域5aに進入してから上大入賞口2006に受入れられるまでの期間は1秒程度であるため、球発射装置680によって遊技球が打込まれてから上大入賞口2006に受入れられるまでの期間は、遊技球が上大入賞口2006に受入れられてから裏右下ベース3303の排出口3303aから排出されて遊技者から視認困難になるまでの期間よりも短くなっている。
このように、遊技者が注目する遊技領域5aでの遊技球の転動だけでなく、通常であれば注目しない上大入賞口2006に受入れられた遊技球についても複雑に転動させて排出されるまでの期間を長くすることで遊技者に注目させることができ、上大入賞口2006に受入れられることでいわゆる死に球となった遊技球を効果的に使用して遊技興趣の低下を抑止することができる。また、球発射装置680によって遊技球が打込まれてから上大入賞口2006に受入れられるまでの期間が短いことで遊技者は打ち込まれた遊技球を視認し難くなり遊技球の打ち込みが順調に行われているかを不安に感じる場合があるが、上大入賞口2006に受入れられた遊技球を複雑に転動させて排出されるまでの期間を長くすることで遊技球の打ち込みが順調に行われていることを遊技者に認識させて、安心させることができる。また、球発射装置680によって遊技球が打込まれてから上大入賞口2006に受入れられるまでの期間を、遊技球が上大入賞口2006に受入れられてから裏右下ベース3303の排出口3303aから排出されて遊技者から視認困難になるまでの期間よりも短くすることで、遊技者の注目を上大入賞口2006に受入れられた遊技球に向けさせることが可能になる。
[11.本実施形態の特徴的な作用効果]
このように、本実施形態のパチンコ機1によると、遊技領域5a内に遊技球を打込んで遊技状態を変化させると、変化した遊技状態に応じて裏上可動演出ユニット3100の裏上駆動モータ3103が回転する。この裏上駆動モータ3103が回転すると、ユニットベース3101に取付けられている第一伝達部材3107と第二伝達部材3108が、裏上駆動モータ3103と一緒に回転する。そして、第一伝達部材3107が回転して第一特定回転範囲の一方の範囲端部から第一特定回転範囲内に入ると、第一伝達部材3107の回転が第一被伝達部材3117に伝達されて第一被伝達部材3117が回転する。この第一被伝達部材3117が回転すると、第一可動ベース3116が、遊技パネル1100の面と平行な方向へ延びている第一可動範囲の両端のうちの一方である基端から反対の先端側、つまり、上端の退避位置から下方の第一出現位置へ向かってスライドする。この第一可動ベース3116には、第二可動ベース3119を介して裏上装飾体3152が取付けられているため、第一可動ベース3116のスライドに伴って裏上装飾体3152が下方へ移動することとなる。その後、第一伝達部材3107が回転して第一特定回転範囲の反対側の範囲端部に到達すると同時に、第一可動ベース3116が第一可動範囲の反対側の先端、つまり、下降端に到達し、更に、第一伝達部材3107が第一特定回転範囲内から離れると、第一可動ベース3116が下降端で可動が停止した状態となる。なお、第一伝達部材3107が回転している間でも、第二伝達部材3108が回転しているが、第二伝達部材3108は第二特定回転範囲内に入っていないため、第二伝達部材3108によって第二可動ベース3119が第一可動ベース3116に対して相対的にスライドさせられることはない。
第一可動ベース3116には、第二伝達部材3108からの回転が伝達される第二可動ベース駆動部材3124が回転可能に取付けられている。この第二可動ベース駆動部材3124は、回転リンク部材3123に第二伝達案内部3123dの延びている方向(第二方向)へスライド可能に取付けられているため、第一可動ベース3116がスライドすると、第二方向が第一可動ベース3116の移動方向と平行になるように回転リンク部材3123及び第二可動ベース駆動部材3124とが夫々回転すると共に、第二可動ベース駆動部材3124が回転リンク部材3123に対して第二方向へ相対的にスライドする。この際に、第二可動ベース駆動部材3124が回転すると、第二可動ベース駆動部材3124が回転した分だけ第二可動ベース3119が第一可動ベース3116に対してスライドし、裏上装飾体3152が第二可動ベース3119の移動方向へ少しだけ移動することとなるが、第二方向が第一可動ベース3116の移動方向と平行になると、第二可動ベース駆動部材3124の回転が停止し、第一可動ベース3116に対する裏上装飾体3152の移動も停止する。この第二可動ベース3119の移動方向は、第一可動ベース3116の移動方向と同じ上下方向であるため、第二可動ベース駆動部材3124の回転により少しだけ第二可動ベース3119がスライドしても、遊技者に気付かれることはなく、裏上装飾体3152に違和感のない動きをさせることができる。なお、最初の状態において、第二方向を第一可動ベース3116の移動方向と平行にしている場合は、回転リンク部材3123及び第二可動ベース駆動部材3124は回転することはなく、第二可動ベース3119は相対的にスライドしない。
続いて、裏上駆動モータ3103の回転により第一伝達部材3107が第一特定回転範囲内から離れ、第一伝達部材3107と第二伝達部材3108とが更に回転して、第二伝達部材3108が第二特定回転範囲の一方の範囲端部から第二特定回転範囲内に入ると、第二伝達部材3108の回転が第二被伝達部材3122に伝達されて第二被伝達部材3122が回転を開始する。この第二被伝達部材3122が回転すると、第一伝達案内部3122eの延びている方向(第一方向)へスライド可能に取付けている部位を介して回転リンク部材3123が、第二被伝達部材3122を中心に公転することとなる。この回転リンク部材3123が公転することにより、第二方向の延びている向きが回転しようとすることとなる。そして、第二方向の向き(回転リンク部材3123)が回転しようとすると、第二可動ベース駆動部材3124を第二方向へスライド可能に取付けている部位からの反力が小さくなるように、回転リンク部材3123が第一方向と第二方向に沿って夫々スライドしながら、第二可動ベース駆動部材3124を回転させることとなり、第二伝達部材3108からの回転を、第二被伝達部材3122及び回転リンク部材3123を介して第二可動ベース駆動部材3124に伝達させることができる。
この第二可動ベース駆動部材3124に回転が伝達されることにより、第一可動ベース3116に対して第二可動ベース3119が、第二可動範囲の両端のうちの一方である基端(上端)から反対の先端(下端)側へ向かって第一可動ベース3116の移動方向と同じ下方向へスライドすることとなる。これにより、第二可動ベース3119に取付けられている裏上装飾体3152も、第二可動ベース3119と一緒に下方へ移動することとなる。
その後、第二伝達部材3108が回転して第二特定回転範囲の反対側の範囲端部に到達すると同時に、第二可動ベース3119が第二可動範囲の反対側の先端(第二出現位置)に到達し、更に、第二伝達部材3108が回転して第二特定回転範囲内から離れると、第二可動ベース3119が第二可動範囲の先端で可動が停止した状態となる。
この第二可動ベース3119が、第一可動ベース3116に対してスライドすると、第二可動ベース3119に回転可能に取付けられている装飾体回転ギア3120が、第一可動ベース3116に取付けられているラック部材3115のラックギア3115aに沿って回転しながら移動することとなる。そして、装飾体回転ギア3120に裏上装飾体3152が取付けられているため、第二可動ベース3119をスライドさせると、裏上装飾体3152が回転しながら第二可動ベース3119と共に下方へ移動することとなる。
なお、この状態で裏上駆動モータ3103を逆回転させることにより、上記とは逆の動きをして第二可動ベース3119及び第一可動ベース3116、つまり、裏上装飾体3152を、最初の状態に戻すことができる。
このように、本実施形態によれば、第一可動ベース3116と第二可動ベース3119とを別々に可動させることができるため、裏上装飾体3152に対して二段階に移動する動きを付与することができ、裏上装飾体3152に複雑な動きをさせることができる。また、裏上装飾体3152の可動演出として、第一可動ベース3116のみを可動させたり、第一可動ベース3116の可動後に第二可動ベース3119を可動させたりすることにより、可動演出のパターンを多彩化することができるため、裏上装飾体3152の可動演出を飽き難くさせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、第二可動ベース3119をスライドさせると、裏上装飾体3152が回転しながら第二可動ベース3119と共に下方へ移動するため、裏上装飾体3152に対して、より多彩な動きを付与することができ、遊技者を飽き難くして遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
更に、第一可動ベース3116と第二可動ベース3119とを同じ上下方向へスライドさせるようにしており、裏上装飾体3152を同一方向へより長い距離を移動させることができるため、裏上装飾体3152による可動演出のインパクトを高めることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、第一伝達部材3107からの回転を、一旦、第一被伝達部材3117に伝達させてから、第一被伝達部材3117により第一可動ベース3116を可動させるようにしているため、第一伝達部材3107における第一特定回転範囲の周長を第一被伝達部材3117によって増幅させることが可能となり、第一可動ベース3116の退避位置から第一出現位置までの第一可動範囲をより大きくすることができ、大きく動く裏上装飾体3152により遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、一つの裏上駆動モータ3103だけで裏上装飾体3152に複雑な動きをさせることができるため、例えば、第一可動ベース3116に第二可動ベース3119を可動させる別の駆動モータを備えるようにした場合と比較して、駆動モータの数を少なくすることができ、可動演出の制御に係る負荷を低減させることができると共に、第一可動ベース3116に駆動モータを備える必要がないことから第一可動ベース3116に作用する荷重(重量)を低減させることができる。また、第一可動ベース3116に第二可動ベース3119用の駆動モータを備える必要がないことから、その駆動モータの重量の分だけ裏上装飾体3152を大きく(重く)することが可能となり、大きな裏上装飾体3152が複雑な動きをすることにより、遊技者に対するインパクトを高くすることができると共に、大きな裏上装飾体3152が二段階の複雑な動きをすることにより遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
[可動役物の可動タイミング]
本例のパチンコ機1では、周辺制御MPUによって可動制御される各種装飾体(以下、可動役物という)を、上皿演出ボタン257への操作に起因して可動制御する演出を行うことができるようになっている。以下、図191〜198を用いて詳細に説明する。
遊技者によるハンドルユニット500への操作によって、遊技球が遊技領域5aへ打込まれ、遊技領域5aを流下した遊技球が第一始動口2002又は第二始動口2004に入球すると、前述した主制御基板において、遊技者に有利な有利遊技状態(例えば、「大当り」、「中当り」、「小当り」、「確率変動当り」、「時間短縮当り」、等)を発生させる特別抽選結果の抽選や、抽選された特別抽選結果を遊技者に示唆する時間(変動時間(例えば、5〜360秒))の決定等が行われ、それらの結果を判定結果通知コマンド及び変動パターンコマンドとして周辺制御基板に出力され、それらコマンドに基づいて、周辺制御MPUが中央液晶表示装置1500や可動役物を用いた変動演出を行う構成となっている。
本例の変動演出は、上皿演出ボタン257を押下させる操作要求演出を実行した後、この操作要求演出に応答して遊技者が上皿演出ボタン257を押下操作することより、その操作に応じて可動役物が様々な態様で可動することにより遊技者が遊技に参加しているような感覚となり、遊技に対する興趣を高めるものとなっている(以下、参加型可動役物演出という)。
尚、本例の参加型可動役物演出では、裏上可動演出ユニット3100を例にとって説明をするが、これに限定するものではなく、表上可動演出ユニット2560、表下可動演出ユニット2570、裏下前可動演出ユニット3200、裏右可動演出ユニット3300、裏左可動演出ユニット3400、裏下後可動演出ユニット3500、及び裏四隅可動演出ユニット3600等を適宜用いて参加型可動役物演出を行うようにしても良い。
次に、参加型可動役物演出について、図191〜194を用いて説明する。
参加型可動役物演出における裏上可動演出ユニット3100の可動パターンは、後述する即時可動パターン、1秒後可動パターン、及び2秒後可動パターンからなり、図191は、参加型可動役物演出における、裏上可動演出ユニット3100の可動パターンのうち、即時可動パターンが選択された場合のタイムチャートであり、図192は、参加型可動役物演出における、裏上可動演出ユニット3100の可動パターンが、後述する1秒後可動パターンが選択された場合のタイムチャートであり、図193は、参加型可動役物演出における、裏上可動演出ユニット3100の可動パターンのうち2秒後可動パターンが選択された場合のタイムチャートである。また、図194は、裏上可動演出ユニット3100が可動するタイミングのパターンを示す可動タイミングテーブルである。
図191のタイムチャートにおいては、(A)操作有効期間、(B)操作要求演出、(C)上皿演出ボタン操作検出、(D)即時可動パターンのそれぞれのタイミングが示されており、図192のタイムチャートにおいては、(A)操作有効期間、(B)操作要求演出、(C)上皿演出ボタン操作検出、(E)1秒後可動パターンのそれぞれのタイミングが示されており、図193のタイムチャートにおいては、(A)操作有効期間、(B)操作要求演出、(C)上皿演出ボタン操作検出、(F)2秒後可動パターンの夫々のタイミングが示されている。
参加型可動役物演出の場合、変動演出が開始され、(A)に示すように、上皿演出ボタン257に対する操作が有効となる時点から無効となる時点が予め適宜に設定されており、その間、(B)に示すように、中央液晶表示装置1500や各種スピーカ等の報知手段を用いて、遊技者に対して上皿演出ボタン257への操作を要求する演出(操作要求演出)を行うことで、上皿演出ボタン257に対する操作が有効である旨を報知する構成としている。そして、操作要求演出に応答して、(C)に示すように、遊技者が上皿演出ボタン257を押下操作することによって裏上可動演出ユニット3100か可動制御されるものである。上皿演出ボタン257を押下した後は、(A)の操作有効期間と、(B)の操作要求演出が終了し、裏上可動演出ユニット3100が可動することとなるが、その可動タイミングは、(D)に示すような、上皿演出ボタン257を押下して即時に裏上可動演出ユニット3100の可動制御が行われる即時可動パターン、(E)に示すような、上皿演出ボタン257を押下して1秒後に裏上可動演出ユニット3100の可動制御が行われる1秒後可動パターン、(F)に示すような、上皿演出ボタン257を押下して2秒後に裏上可動演出ユニット3100の可動制御が行われる2秒後可動パターン等がある。
即時可動パターンが選択されている場合は、図191に示すように、(A)の操作有効期間、及び(B)の操作要求演出がon状態である時に、遊技者によって上皿演出ボタン257が押下操作されると、その操作が検出されたことを契機に操作有効期間と操作要求演出がoffとなり、その後裏上可動演出ユニット3100が可動制御される。
また、1秒後可動パターンが選択されている場合は、図192に示すように、(A)の操作有効期間、及び(B)の操作要求演出がon状態である時に、遊技者によって上皿演出ボタン257が押下操作されると、その操作が検出されたことを契機に操作有効期間と操作要求演出がoffとなり、上皿演出ボタン257の操作が検出された1秒後に裏上可動演出ユニット3100が可動制御される。
また、2秒後可動パターンが選択されている場合は、図193に示すように、(A)の操作有効期間、及び(B)の操作要求演出がon状態である時に、遊技者によって上皿演出ボタン257が押下操作されると、その操作が検出されたことを契機に操作有効期間と操作要求演出がoffとなり、上皿演出ボタン257の操作が検出された2秒後に裏上可動演出ユニット3100が可動制御される。
これにより、いずれの可動パターンが選択されているかによって、上皿演出ボタン257が押下されてから裏上可動演出ユニット3100が可動するタイミングが異なるため、裏上可動演出ユニット3100が、どのタイミングで可動制御されるかわからないことで得られるドキドキ感が増加し、参加型可動役物演出におけるインパクトを強めることが可能となる。
また、参加型可動役物演出において、操作要求演出にて遊技者に対して上皿演出ボタン257への操作を要求する操作要求演出を実行したにもかかわらず、上皿演出ボタン257に対する押下操作を受け付ける操作可能期間の間に押下しなかった場合、即時可動パターンが選択されていた場合は、操作有効期間が終了した後即時に裏上可動演出ユニット3100が可動制御され、1秒後可動パターンが選択されていた場合は、操作有効期間が終了した1秒後に裏上可動演出ユニット3100が可動制御され、2秒後可動パターンが選択されていた場合は、操作有効期間が終了した2秒後に裏上可動演出ユニット3100が可動制御されるようになっているが、これに限らず、操作可能期間が終了した後、適宜のタイミングで、裏上可動演出ユニット3100を可動させるようにしてもよい。または、裏上可動演出ユニット3100を可動させないようにしてもよい。
また、周辺制御基板には、参加型可動役物演出において、裏上可動演出ユニット3100が可動するタイミングを決定する手段として、裏上可動演出ユニット3100が可動するタイミングを決定するためのタイミング決定用乱数と、可動タイミングテーブルとが予め用意されており、上記タイミング決定用乱数と可動タイミングテーブルとに基づいて、参加型可動役物演出の演出態様が決定されるものとなっている。そして、主制御基板によって抽選された特別抽選結果に応じ、周辺制御MPUにより決定された演出パターンが、遊技者の操作による上皿演出ボタン257に対する操作によって裏上可動演出ユニット3100が可動制御される演出であった場合に、当該演出が決定された後に、タイミング決定用乱数抽出手段によって抽出されたタイミング決定用乱数と、可動タイミングテーブルとから、裏上可動演出ユニット3100の可動タイミングを決定するものである。
次に、タイミング決定用乱数について、図194を用いて説明する。本例におけるタイミング決定用乱数は、いずれの参加型可動役物演出を実行するかを決定するように設定されている。例えば、100種類の変動乱数が参加型可動役物演出のいずれかを実行することを示す判定値(0〜99)として設定され、変動乱数のうち60種類の変動乱数が、上皿演出ボタン257に対する押下操作後、即時タイミングで裏上可動演出ユニット3100の可動制御が行われる即時可動パターンを実行することを示す判定値として設定され(0〜59)、25種類の変動乱数が、上皿演出ボタン257に対する押下操作後、1秒後のタイミングで裏上可動演出ユニット3100の可動制御が行われる1秒後可動パターンを実行することを示す判定値として設定され(60〜84)、15種類の変動乱数が、上皿演出ボタン257に対する押下操作後、2秒後のタイミングで裏上可動演出ユニット3100の可動制御が行われる2秒後可動パターンを実行することを示す判定値として設定される(85〜99)。
また、参加型可動役物演出における、上皿演出ボタン257に対して押下操作した後の、裏上可動演出ユニット3100の可動タイミングを決定する時期としては、周辺制御MPUによって演出が決定された後でなくともよく、例えば、主制御基板によって抽選された特別抽選結果に応じ、周辺制御MPUにより決定された演出パターンが、遊技者の操作による上皿演出ボタン257に対する操作によって裏上可動演出ユニット3100が可動制御される演出であった場合に、当該演出が決定され中央液晶表示装置1500等で、遊技者に対して上皿演出ボタン257を押下するよう指示する操作要求演出に応答して、遊技者が上皿演出ボタン257を押下操作した時に、タイミング決定用乱数抽出手段によってタイミング決定用乱数を抽出し、裏上可動演出ユニット3100の可動タイミングを決定するようにしても良い。
また、予告保留画像の変化タイミングパターンにおいて、本例では即時変化パターンが選択される確率が50%、1秒後変化パターンが選択される確率が30%、2秒後変化パターンが選択される確率が20%となっているが、これに限定されるものでは無く、各々の可動パターンが選択される確率は適宜変更しても良い。
[参加型可動役物演出のバリエーション]
また、参加型可動役物演出のバリエーションとして、上皿演出ボタン257が押下されてからいずれタイミングで裏上可動演出ユニット3100が可動制御されるかは、実際に可動制御されているところを見るまで遊技者は分からないものであり、参加型可動役物演出が選択された抽選結果における変動表示が開始され、操作有効期間中に上皿演出ボタンを押下した時に、遊技者に対して裏上可動演出ユニット3100が動かないことを示唆した後に、時間差で裏上可動演出ユニット3100を可動制御させるようにしても良い。以下、図195を用いて説明する。
図195は、参加型可動役物演出において1秒後可動役物演出が選択された場合における可動パターン予告が行われる演出の流れを示したものであり、(A)は参加型可動役物演出より先に抽選された特別抽選結果の示唆が行われている状態を示しており、(B)は参加型可動役物演出が行われている状態を示しており、(C)は操作要求演出が行われている状態を示しており、(D)は上皿演出ボタン257が押下されてから1秒未満の状態を示しており、(E)は上皿演出ボタン257が押下されてから1秒が経過し、裏上可動演出ユニット3100が中央液晶表示装置1500の前方に表出された状態を示すものである。
例えば、1秒後可動パターンが選択されている場合、参加型可動役物演出が選択された特別抽選結果は、先に抽選された特別抽選結果の示唆が完了するまで、特別抽選結果の示唆の開始が保留され、中央液晶表示装置1500にて保留表示が行われる。ここでは、通常の保留表示をH1とし、参加型可動役物演出の保留表示をH2とする。
H2の特別抽選結果の示唆が開始され、中央液晶表示装置1500に上皿演出ボタン257を模した画像が表示され、その下方に「PUSH!!」という画像が表示され、押下操作を促す操作要求演出が行われる。操作要求演出に応じて、上皿演出ボタン257に対して操作が行われると、中央液晶表示装置1500に、「残念!!」というメッセージ画像が表示される。遊技者はこれを見ることにより、裏上可動演出ユニット3100が可動するという望みが絶たれ、一時は落胆するものの、上皿演出ボタン257に対して操作が行われた1秒後に裏上可動演出ユニット3100が回転し、中央液晶表示装置1500を覆うように表出する。
上記に説明したように、上皿演出ボタン257を押下した後、一旦遊技者に対して裏上可動演出ユニット3100が動かないことを示唆した後に、時間差で裏上可動演出ユニット3100を可動制御させるようになっている為、一度は落胆するものの、再び興趣が向上させることができ、遊技に対してドキドキワクワクさせることができ、遊技に対する興趣を向上させることが可能となる。
また、遊技中、最後に行われた参加型可動役物演出における裏上可動演出ユニット3100の可動パターンが、即時可動パターンであり、その次に抽選された参加型可動役物演出の裏上可動演出ユニット3100の可動パターンも、即時可動パターンであった場合、遊技者は、裏上可動演出ユニット3100の可動パターンが複数種類用意されていることに気付くことができず、上皿演出ボタン257を押した後の可動パターンはワンパターンであると思わせてしまい、裏上可動演出ユニット3100の可動にインパクトを感じられず、遊技に対する興趣を低下させてしまう虞があるので、本例では、最後に行われた参加型可動役物演出における可動パターンとは異なる可動パターンが選択されるようになっている。
また、例えば最後に行われた参加型可動役物演出における可動パターンとして、即時可動パターンが選択されていた場合、次に選択される可動パターンは、1秒後可動パターン又は2秒後可動パターンいずれかが選択されるようになっており、1秒後可動パターンが選択されていた場合、次に選択される可動パターンは、即時可動パターン又は2秒後可動パターンいずれかが選択されるようになっており、2秒後可動パターンが選択されていた場合、次に選択される可動パターンは、即時可動パターン又は1秒後可動パターンが選択されるようになっている。これにより、1つ前に選択された可動パターンとは異なる可動パターンが選択される為、連続して同じ可動パターンを見てしまう事を防ぐことができ、遊技に対する興趣の低下を抑制することができる。
また、ガセ演出を行ってから裏上可動演出ユニット3100を可動制御しても良い。例えば2秒後可動パターンが選択された場合、操作要求演出に応じて上皿演出ボタン257を押下した後即時に、裏上可動演出ユニット3100を一時的に振動させる。遊技者は中央液晶表示装置1500の前方に表出されない裏上可動演出ユニット3100を見て、裏上可動演出ユニット3100が可動すると思わせながら可動させない演出、所謂ガセ演出だと錯覚し、一度は落胆するものの、上皿演出ボタン257を押下した2秒後に裏上可動演出ユニット3100が可動する為、再び興趣が向上させることができ、遊技に対するワクワク感を強めることができる。
上記ガセ演出の1パターンとして、例えば2秒後可動パターンが選択されていた場合、操作要求演出に応じて上皿演出ボタン257を押下した後即時に、裏上可動演出ユニット3100を一時的に振動させてから扉右下演出ユニット270が可動制御されるようにしても良い。裏上可動演出ユニット3100を一時的に振動させたことにより、遊技者は裏上可動演出ユニット3100が可動するものだと思い込むが、上皿演出ボタン257を押下した2秒後に扉右下演出ユニット270が可動制御される。これにより、遊技者の予想と違う可動役物が可動制御される為、遊技者を驚かせることができ、参加型可動役物演出に対する興趣を高めることが可能となっている。
尚、本例のこれまでの説明では、参加型可動役物演出において、操作有効期間中に上皿演出ボタン257を押下すれば、選択された可動パターンに応じて裏上可動演出ユニット3100が可動制御されるものであったが、必ずしも可動制御させるものではなく、例えば、参加型可動役物演出として実行される演出ゲームに成功すれば裏上可動演出ユニット3100が可動制御され、逆に失敗すれば裏上可動演出ユニット3100は可動制御されないものとしても良い。以下、図196、197を用いて説明する。
図196は、前記演出ゲームに成功した場合のタイムチャートを示す図であり、図197は、前記演出ゲームに失敗した場合のタイムチャートを示す図である。
例えば、参加型可動役物演出として、上皿演出ボタン257を所定回数(例えば10回)押下操作すると、成功となる演出ゲームが周辺制御基板によって実行された場合、図196に示すように、(A)の操作有効期間、及び(B)の操作要求演出がon状態である時に、(C)に示すように、遊技者による上皿演出ボタン257に対する操作が10回検出されると、演出ゲームを成功させたこととなり、(A)の操作有効期間と、(B)の操作要求演出が終了し、(D)に示すように裏上可動演出ユニット3100が可動する。
また、図197に示すように、(A)の操作有効期間、及び(B)の操作要求演出がon状態である時に、上皿演出ボタン257への操作が10回に満たなかった場合は、裏上可動演出ユニット3100が可動しないようになっている。
また、参加型可動役物演出において、本例では即時可動パターンが選択される確率が60%、1秒後可動パターンが選択される確率が25%、2秒後可動パターンが選択される確率が15%となっているが、これに限定されるものでは無く、各々の可動パターンが選択される確率は適宜変更しても良い。
また本例ではここまで、遊技者が参加できる演出として、遊技者によって操作手段(ここでは上皿演出ボタン257)が操作されてから、可動役物(ここでは裏上可動演出ユニット3100)が可動制御されるタイミングを複数種類用意することで、操作手段の押下に係る可動役物が可動制御されるタイミングが一定とならず、どのタイミングで可動制御されるかわからないことで得られるドキドキ感が増加し、演出におけるインパクトを強めることが可能な参加型可動役物演出の説明をしてきたが、可動役物を利用した演出のみではなく、遊技者による操作手段に対する操作を行ってから、演出態様が切り替わるタイミングが複数種類用意されている演出に限れば、中央液晶表示装置1500を合わせて利用した遊技者参加型の演出の他、中央液晶表示装置1500のみで行われる遊技者参加型の演出であっても良い。
尚、本例では、上皿演出ボタン257のような押下動作が可能な操作手段を参加型可動役物演出に用いる例を示したが、当該操作手段は、上皿演出ボタン257に限られるものではなく、接触操作が可能なタッチパネル246、遊技者が傾動操作することが可能なスティック型の操作手段、遊技者が回転操作をすることが可能な回転型セレクタのような操作手段等を適宜用いるようにしても良い。
[可動役物の可動タイミングにおける第2実施例]
本実施例における参加型可動役物演出は、主制御基板によって有利遊技状態(例えば、大当り)が抽選された時のラウンド数によって、裏上可動演出ユニット3100における可動パターンの抽選割合を変更する構成としている。以下に図198を用いて説明する。
図198は、大当たりが抽選された場合に係るラウンド数毎の裏上可動演出ユニット3100が可動するタイミングのパターンを示す可動タイミングテーブルである。(a)は、15ラウンド大当りが抽選された時に選択される可動タイミングテーブルであり、(b)は、8ラウンド大当りが抽選された時に選択される可動タイミングテーブルであり、(c)は、2ラウンド大当りが抽選された時に選択される可動タイミングテーブルである。
主制御基板によって15ラウンド大当りが抽選された場合は、図198(a)に示すように、変動乱数のうち80種類の変動乱数が、上皿演出ボタン257に対する押下操作後、即時タイミングで裏上可動演出ユニット3100の可動制御が行われる即時可動パターンを実行することを示す判定値として設定され(0〜79)、10種類の変動乱数が、上皿演出ボタン257に対する押下操作後、1秒後のタイミングで裏上可動演出ユニット3100の可動制御が行われる1秒後可動パターンを実行することを示す判定値として設定され(80〜89)、10種類の変動乱数が、上皿演出ボタン257に対する押下操作後、2秒後のタイミングで裏上可動演出ユニット3100の可動制御が行われる2秒後可動パターンを実行することを示す判定値として設定される(90〜99)。
主制御基板によって8ラウンド大当りが抽選された場合は、図198(b)に示すように、変動乱数のうち10種類の変動乱数が、上皿演出ボタン257に対する押下操作後、即時タイミングで裏上可動演出ユニット3100の可動制御が行われる即時可動パターンを実行することを示す判定値として設定され(0〜9)、80種類の変動乱数が、上皿演出ボタン257に対する押下操作後、1秒後のタイミングで裏上可動演出ユニット3100の可動制御が行われる1秒後可動パターンを実行することを示す判定値として設定され(10〜89)、10種類の変動乱数が、上皿演出ボタン257に対する押下操作後、2秒後のタイミングで裏上可動演出ユニット3100の可動制御が行われる2秒後可動パターンを実行することを示す判定値として設定される(90〜99)。
主制御基板によって2ラウンド大当りが抽選された場合は、図198(c)に示すように、変動乱数のうち10種類の変動乱数が、上皿演出ボタン257に対する押下操作後、即時タイミングで裏上可動演出ユニット3100の可動制御が行われる即時可動パターンを実行することを示す判定値として設定され(0〜9)、10種類の変動乱数が、上皿演出ボタン257に対する押下操作後、1秒後のタイミングで裏上可動演出ユニット3100の可動制御が行われる1秒後可動パターンを実行することを示す判定値として設定され(10〜19)、80種類の変動乱数が、上皿演出ボタン257に対する押下操作後、2秒後のタイミングで裏上可動演出ユニット3100の可動制御が行われる2秒後可動パターンを実行することを示す判定値として設定される(20〜99)。
以上説明した本実施例の構成によれば、上皿演出ボタン257を押下した後の裏上可動演出ユニット3100の可動パターンによって、大当たりに係るラウンド数をある程度予測することができる。例えば上皿演出ボタン257を押下した後即時に、裏上可動演出ユニット3100が可動した場合、遊技者は、15ラウンド大当りが高確率で到来すると想起し、また、上皿演出ボタン257を押下した2秒後に、裏上可動演出ユニット3100が即時に可動した場合、遊技者は、2ラウンド大当りが高確率で到来すると想起する。これにより、裏上可動演出ユニット3100の可動パターンによって遊技者を一喜一憂させることができ、遊技に対する興趣を向上させることが可能となる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記実施形態では、遊技機としてパチンコ機1に適用したものを示したが、これに限定するものではなく、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機に、適用しても良く、この場合でも、上記と同様の作用効果を奏することができる。