以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態の説明において記す前後左右とは、遊技者から見た、つまり遊技盤に向かって見た方向を指すものとする。
図1を参照して、本実施形態における遊技機(パチンコ機)1について説明する。図1は、遊技機1の斜視図である。
遊技機1は、遊技場に設置される島設備に外枠2を介して固定される。外枠2には、前面枠3がヒンジ4を介して一側部を支点に開閉自在に取り付けられる。
前面枠3は、略正方形状の開口部を有し、その開口部には遊技盤(図示省略)が取り付けられる。前面枠3には、ガラス枠5がヒンジを介して一側部を支点に開閉自在に取り付けられる。ガラス枠5の開口部には透明なカバーガラス5aが取り付けられ、遊技者はカバーガラス5aを通じて遊技盤の遊技領域を視認することができる。
前面枠3の下方には、遊技盤の遊技領域内に遊技球(パチンコ球)を1つずつ順次発射する発射装置の発射操作部6と、球貯留部7aを有し遊技球を発射装置に案内する上皿7と、上皿7の球貯留部7aをオーバーフローした遊技球を貯留可能な下皿8と、音出力装置としてのスピーカ9と、遊技の進行に応じて遊技者によって操作される演出ボタン10とが配設される。スピーカ9は、前面枠3の右側上部及び左側城部にも配設される。
上記した遊技機1は、遊技者の発射操作部6の操作に基づいて発射装置から遊技球を発射させ、遊技盤20の遊技領域内を流下させることにより遊技を行うものである。
図2を参照して、遊技機1に配設される遊技盤20について説明する。図2は、遊技盤20の正面図である。
遊技盤20は、合板やプラスチック等からなる矩形状の遊技盤本体21の表面に、区画部材としてのガイドレール22を設けることで略円形状の遊技領域23を区画形成している。
遊技領域23には、開口部30aを有するセンターケース(包囲枠体)30が配設される。遊技盤20にはセンターケース30の外周に沿った形状の開口が形成され、センターケース30は、その開口に遊技盤20の前方から嵌装される。
遊技盤20の裏面側には、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示可能な表示部41aを有する変動表示装置(表示装置)41が後述する制御ベースユニット40(図4及び図5参照)を介して配設される。制御ベースユニット40には、パトランプユニット50、下部演出ユニット(演出動作装置)70及び上部演出ユニット90を有する演出装置(装飾/演出装置)42が配設される。
変動表示装置41は、表示部41aがセンターケース30の開口部30aに臨んで配設される。変動表示装置41は、表示部41aに複数の変動表示領域(例えば、左側、中央、右側の3つの可変表示領域等)を設定して各表示領域の各々で独立して画像表示がなされる表示装置である。本実施形態では、例えば、任意の画像を表示可能な液晶表示器等で表示画面部分が構成され、その表示画面上の各変動表示領域には複数の識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタ等、遊技の進行に基づく画像が表示される。
遊技領域23におけるセンターケース30の下方で、かつ遊技領域23の略中央には、遊技球の入賞に基づき特別図柄(特図)変動表示ゲームの始動条件を付与可能な始動入賞口25が配設される。始動入賞口25は、遊技球が入賞した場合に第1特図変動表示ゲームが行われる第1始動入賞口25aと、遊技球が入賞した場合に第2特図変動表示ゲームが行われる第2始動入賞口25bとを備える。第2始動入賞口25bは、普通変動入賞装置(普通電動役物)26を有するチューリップタイプとして構成される。
第2始動入賞口25bの下方には、変動表示装置41の作動結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)27が配設される。
遊技領域23におけるセンターケース30の左側方には、遊技球が通過した場合に普通図柄(普図)変動表示ゲームが行われる普図始動ゲート28が配設される。
遊技領域23における始動入賞口25の左右両側方には、遊技球が入賞した場合に賞球を払い出す条件だけが成立する一般入賞口29が配設される。
遊技領域23には、この他に、遊技球の落下方向を変える風車(図示省略)や釘(図示省略)等の方向変換部材、入賞せずに流下した遊技球を回収するアウト口11が配設される。
遊技盤20の右下部には、特図変動表示ゲームの特図の変動表示、特図入賞記憶数(始動記憶数)、普図変動表示ゲームの普図の変動表示、普図入賞記憶数、及び大当たりの決定ラウンド数を表示する状態表示器12が配設される。
発射装置によって打ち出された遊技球は、ガイドレール22の内周壁に沿って区画され遊技球を案内する発射球案内通路13から遊技領域23に発射され、遊技領域23内の各所に配置された方向変換部材によって落下方向を変えながら遊技領域23を流下し、始動入賞口25、一般入賞口29、又は特別変動入賞装置27に入賞するか、遊技領域23の最下部に設けられたアウト口11から排出される。
始動入賞口25、一般入賞口29、特別変動入賞装置27に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が払出装置(図示省略)から排出される。
具体的には、始動入賞口25に遊技球が入賞すると、変動表示装置41では、前述した数字等で構成される識別情報が順に変動表示する特図変動表示ゲームが開始され、特図変動表示ゲームに関する画像が表示される。
始動入賞口25への遊技球の入賞が所定のタイミングでなされたときには大当たり状態となり、三つの表示図柄が揃った状態(大当たり図柄)で停止する。このとき、特別変動入賞装置27は、大入賞口ソレノイド(大入賞口SOL)への通電によって、大入賞口が所定の時間だけ、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)に変換される。すなわち、大入賞口が所定の時間だけ大きく開くので、この間遊技者には、多くの遊技球を獲得することができるという遊技価値が付与される。
また、普図始動ゲート28を遊技球が通過すると、状態表示器12で普図変動表示ゲームが開始される。普図始動ゲート28への遊技球の通過が所定のタイミングでなされたときには普通図柄に関する当たり状態となり、状態表示器12に表示される普通図柄が当たり状態で停止する。このとき、第2始動入賞口25bに設けられた普通変動入賞装置26は、普通電動役物ソレノイド(普電開閉SOL)への通電によって、第2始動入賞口25bへの入口が所定の時間だけ拡開するように変換され、第2始動入賞口25bへの遊技球の入賞可能性が高められる。
次に、図3を参照して、遊技機1の遊技制御装置100及び演出制御装置200について説明する。図3は、本実施形態の遊技機1の遊技制御装置100を中心とする制御系を示すブロック構成図である。
遊技制御装置100は、遊技機1における遊技を統括的に制御する主制御装置である。演出制御装置200は、遊技制御装置100からの指示に基づいて、遊技機1における演出を制御する従属制御装置である。電源装置300は、遊技制御装置100及び演出制御装置200に必要な電力を供給する。
遊技制御装置100は、遊技用マイコン101、入力I/F(Interface)102と、出力I/F103と、外部通信端子104とを備える。遊技用マイコン101、入力I/F102及び出力I/F103は、内部バスによって相互に接続される。
遊技用マイコン101は、遊技制御装置100全体の制御を行う。遊技用マイコン101には、CPU111、ROM112、及びRAM113が含まれる。
CPU111は、入力I/F102を介して各種入力装置、例えば始動口SW121、普図始動ゲートSW122、カウントSW123、一般入賞口SW1241〜124N、ガラス枠開放SW125、前面枠開放SW126、及び磁気/振動SW127からの検出信号を受けて、大当り抽選等の種々の処理を行う。
また、CPU111は、出力I/F103を介して、普電開閉SOL131、大入賞口SOL132、特図表示器133、普図表示器134、遊技状態LED135、排出制御装置136、及び外部情報端子137に指令信号を送信して、遊技を統括的に制御する。
ROM112は、遊技制御のための不変の情報(プログラム、データ等)を記憶している。
RAM113は、遊技制御に必要な情報を一時的に記憶するワークエリアとして利用される。
外部通信端子104は、遊技用マイコン101に接続され、遊技制御装置100の設定情報等を検査する検査装置等の外部機器に接続するためのインターフェースである。
始動口SW121は、始動入賞口25に遊技球が入賞したことを検出するスイッチである。
普図始動ゲートSW122は、普図始動ゲート28を遊技球が通過したことを検出するスイッチである。
カウントSW123は、特別変動入賞装置27に遊技球が入賞したことを検出するスイッチである。遊技球の入賞が検出されると、入賞した遊技球の数がカウントされ、例えば、RAM113に記憶される。
入賞口SW1241〜124Nは、一般入賞口29に遊技球が入賞したことを検出するスイッチである。
ガラス枠開放SW125は、例えば、ガラス枠5の裏面に設けられ、ガラス枠5が開放されたことを検出する。ガラス枠開放SW125は、ガラス枠5が前面枠3から開放されるとオンに設定され、ガラス枠5が前面枠3に閉止されるとオフに設定される。
前面枠開放SW126は、前面枠3が開放されたことを検出する。前面枠開放SW126は、前面枠3が外枠2から開放されるとオンに設定され、前面枠3が外枠2に閉止されるとオフに設定される。
磁気/振動SW127は、発射された遊技球の軌道を磁石によって操作する不正行為を検出したり、遊技機1を振動させる不正行為を検出したりするためのスイッチである。
普電開閉SOL131は、第2始動入賞口25bに設けられた普通変動入賞装置26を動作させるソレノイドである。
大入賞口SOL132は、特別変動入賞装置27の大入賞口を開閉させるソレノイドである。
特図表示器133及び普図表示器134は、図2に示した状態表示器12に配設される。特図表示器133は、特図変動表示ゲームの特図の変動表示及び特図入賞記憶数(始動記憶数)の表示を行う。普図表示器134は、普図変動表示ゲームの普図の変動表示及び普図入賞記憶数の表示を行う。
遊技状態LED135は、ガラス枠5に配設され、異常等が検出された場合に信号を受信し、異常等の遊技状態を報知する。
排出制御装置136は、遊技制御装置100からの賞球指令信号に基づいて払出装置(払出ユニット)の動作を制御し、賞球を排出する。また、排出制御装置136は、図示しないカードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出装置(払出ユニット)の動作を制御し、貸球を排出する。
遊技制御装置100は、変動表示ゲームの開始を示すスタート信号や特別遊技状態(大当り)の発生を示す特賞信号等の遊技機データを、外部情報端子137を介して、図示しない情報収集端末装置に出力する。また、遊技制御装置100は、変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド及びエラー指定コマンド等を演出制御指令信号として、出力I/F103を介して、演出制御装置200に送信する。
演出制御装置200は、遊技制御装置100から送信された演出制御指令信号に基づいて、遊技を演出する各装置を制御する。各装置による遊技の演出には、変動表示装置41の表示、演出装置(装飾/演出装置)42におけるパトランプユニット50の発光演出や下部演出ユニット70の動作演出、上部演出ユニット90の動作演出、及びスピーカ9による効果音の出力等が含まれる。また、前面枠3やガラス枠5が開放された場合等にも、演出制御装置200によってスピーカ9から報知音が出力される。
演出制御装置200は、CPU201、PROM202、RAM203、I/O(入出力I/F)204、RTC205、バックアップ電源206、音LSI207、VDP208、画像ROM209及びVRAM210を備える。
CPU201は、遊技制御装置100からの指令に基づいて、各種演出を制御する。
PROM202は、遊技制御のための不変の情報(プログラム、データ等)を記憶している。
RAM203は、遊技における演出制御に必要な情報を一時的に記憶するワークエリアとして利用される。
I/O204は、遊技制御装置100などに接続するためのインターフェースである。I/O204は、遊技者による演出ボタン10の操作を検出する演出ボタンSW221からの入力を受け付けるとともに、演出制御信号を演出装置(装飾/演出装置)42に出力する。
RTC205は、時間情報(日付情報、時刻情報)を計時可能な計時手段であり、CPU201からの要求に応じて時間値を提供する。RTC205は、遊技機1の電源装置300とは独立したバックアップ電源206によって電力が供給されており、遊技機1の電源遮断時にも継続して動作可能である。
バックアップ電源206は、電池やコンデンサ等である。
音LSI207は、CPU201からの要求に応じて、効果音や報知音等の音声を、スピーカ9を介して出力する。
VDP208は、CPU201からの要求に応じて、変動表示装置41に識別情報やキャラクタなどの画像を出力する。VDP208には、画像データなどが記憶された画像ROM209が接続される。画像ROM209には、機種毎に共通の画像情報と、当該機種のシリーズに対応する画像情報が記憶される。また、VDP208には、画像処理に必要な情報を一時的に記憶するVRAM210が接続する。
電源装置300は、電源回路などの通常電源310とバックアップ電源320とを備える。電源装置300は、さらに図示しない停電監視回路が備えている。停電監視回路は、電源装置300の電圧降下を検出した時に、遊技制御装置100等に対して停電検出信号とリセット信号とを順に出力する。
遊技制御装置100は、停電検出信号を受け付けた時に所定の停電処理を行い、リセット信号を受け付けた時にCPU111の動作を停止させる。
バックアップ電源320は、停電時等、通常電源310から電力が供給されない場合に、遊技情報や遊技制御情報等の遊技データをRAM113に保持させるために必要な電力を供給する。遊技制御装置100は、停電復旧後には、RAM113に保持された遊技データに基づいて停電前の遊技状態に復旧する。
図4及び図5を参照して、センターケース30及び制御ベースユニット40について説明する。図4は、センターケース30と制御ベースユニット40とを示す斜視図である。図5は、制御ベースユニット40の分解斜視図である。
図4に示すように、センターケース30は遊技盤20の前面に取り付けられ、制御ベースユニット40は遊技盤20の裏面に取り付けられる。
センターケース30は、開口部30aを有する異形リング状の部材であり、合成樹脂にて形成される。
センターケース30は、遊技盤20に形成された開口に嵌装される嵌装部31aと、嵌装部31aに対して鍔状に形成された鍔部31bとからなる本体ベース31を備え、鍔部31bを介して遊技盤20に固定される。つまり、鍔部31bよりも前方側が遊技領域23内に配設されることになる。
本体ベース31の前面には、前方に立設して形成され遊技領域23を流下する遊技球を案内するガイド部32が配設される。ガイド部32は、センターケース30の開口部30aに沿って配設される。
遊技領域23内に発射された遊技球は、ガイドレール22とセンターケース30のガイド部32との間の領域を流下する。図1にも示したように、センターケース30の左側方の遊技領域23は大きく形成されるのに対して、センターケース30の右側方の遊技領域23は遊技球1つが通過できる程度の大きさである。したがって、遊技機1では、主としてセンターケース30の左側方の遊技領域23に遊技球を流下させることによって遊技が行われる。
再び、図4を参照する。センターケース30の左側部には、遊技領域23を流下する遊技球をセンターケース30内に導くためのワープ通路34が配設される。また、センターケース30の内側下部には、ワープ通路34から流入した遊技球が転動可能であって、この遊技球を始動入賞口25の上方の遊技領域23へと流下させるステージ33が配設される。
ワープ通路34は、本体ベース31の内部に形成され、流入口34aと、流路34bと、排出口34cとを備える。
流入口34aは、遊技領域23に向けて開口し、遊技領域23を流下する遊技球を受け入れる。流入口34aは、遊技領域23におけるセンターケース30の左側方を流下する遊技球を受け入れるため、左斜め上方に向けて開口する。
流路34bは、流入口34aから流入した遊技球を通過させる通路である。流路34bは、通過する遊技球の転動の勢いを弱めるため、蛇行して形成される。
排出口34cは、ステージ33の左端部に開口し、流路34bを通過した遊技球をステージ33に排出する。排出口34cから排出された遊技球は、ステージ33へ流入する。
ステージ33は、センターケース30の内側底部に左右方向に延設され、かつ中央部が始動入賞口25の直上方となるように配設される。ステージ33は、左右両端部が高く中央部が低い全体として略円弧状に形成される。ステージ33は、有色透明な合成樹脂にて形成される。
ステージ33は、遊技球が転動可能に左右方向に延設され、ワープ通路34の排出口34cが左側部に形成された第1転動部35と、遊技球が転動可能に左右方向に延設され、第1転動部35の手前側でかつ遊技領域23に臨む第2転動部36とを備える。
第1転動部35の中央部には、遊技球を第2転動部36へと案内する案内溝35aが形成される。また、第1転動部35の中央部の左右両側にも、遊技球を第2転動部36へと案内する案内溝35b、35cが形成される。
第2転動部36は、中央側において第1転動部35よりも低くなるように形成される。第2転動部36の中央部には、始動入賞口25の上方側の遊技領域23に遊技球を導く案内溝36aが形成される。第2転動部36の案内溝36aは、第1転動部35の案内溝35aに対応する位置に配設される。
センターケース30のワープ通路34から第1転動部35へと流入した遊技球は、第1転動部35の案内溝35a、35b、35cのいずれかを通じて第2転動部36へと導かれる。第2転動部36に流入した遊技球は、案内溝36aを介して、始動入賞口25の上方の遊技領域23へと排出される。
第1転動部35の案内溝35aから第2転動部36の案内溝36aへと導かれた遊技球は、始動入賞口25の直上方に排出されるので、始動入賞口25へ入賞する確率が高くなる。一方、第1転動部35の案内溝35b、35cから第2転動部36の案内溝36aへと導かれた遊技球は、始動入賞口25の直上方からずれた位置に排出されやすく、始動入賞口25へ入賞する確率は低くなる。
図5を参照して、制御ベースユニット40について説明する。
制御ベースユニット40は、演出装置42及び制御ベース43を備える。
制御ベース43は、遊技盤20の裏面に取り付けられる枠体である。制御ベース43には、演出装置42を収容する収容部43aと、変動表示装置41の表示部41aが臨む開口部43bとが形成される。制御ベース43の収容部43a内に演出装置42が配設され、制御ベース43の裏面に変動表示装置41が配設される。
演出装置42は、制御ベース43内に収容されて固定されるベース部材44を備え、そのベース部材44に各部品が取り付けられる。ベース部材44には、制御ベース43の開口部43bに対応する開口部44aが形成される。
ベース部材44の右側には、発光演出を行うパトランプユニット50が配設される。ベース部材44の上部及び下部のそれぞれには、表示部41aの手前側を上下方向に移動可能な上部演出ユニット90及び下部演出ユニット70が配設される。
また、ベース部材44には、変動表示装置41の表示部41aの前面を覆い、遊技球が表示部41aに当たることを防止するための透明なクリアカバー45も配設される。クリアカバー45は、ステージ33を転動する遊技球が下部演出ユニット70等の装飾に当たることも防止している。
上記したパトランプユニット50、下部演出ユニット70及び上部演出ユニット90は、図2において示したようにセンターケース30内に配設され、かつ変動表示装置41の表示部41aの外縁に沿うように配設される。
図6〜図9を参照して、パトランプユニット50について詳しく説明する。図6は、パトランプユニット50の斜視図である。図7は、パトランプユニット50を構成するパトランプ51の分解斜視図である。図8(A)はパトランプ51の縦断面図であり、図8(B)はパトランプ51の背面側の斜視図である。図9(A)は内部リフレクタ53、仕切レンズ54及びカバーレンズ55を取り付けていない状態におけるパトランプ51の平面図であり、図9(B)はパトランプ51の点灯パターンを示す図である。
図6に示すように、パトランプユニット50は、上下方向に3つのパトランプ(発光演出装置)51を連設して構成される。3つのパトランプ51はそれぞれ、演出装置42のベース部材44に固定される。これら3つのパトランプ51は、それぞれ同様の構成を有している。
図7〜図9(A)に示すように、パトランプ51の取付ベース52は、メッキ加工された略D字状の枠部材である。取付ベース52は、略中央位置に、内部リフレクタ53の下端を支持する円柱状のリフレクタ支持部52aを有する。リフレクタ支持部52aの上面で、内部リフレクタ53の下端を支持する。リフレクタ支持部52aの中心位置には上下方向に貫通する貫通孔52bが形成され、貫通孔52bを中心とする対称位置には内部リフレクタ53の周方向位置を位置決めするための位置決め穴52cが形成される。
取付ベース52は、リフレクタ支持部52aの周囲に開口部52dを備える。開口部52dは、リフレクタ支持部52aの外周から放射状に延設される4つの仕切壁52eによって、前側領域52d1、後側領域52d2、右側領域52d3及び左側領域52d4に仕切られる(図9(A)参照)。仕切壁52eの上面には、仕切レンズ54の下端を支持するレンズ支持部52fが突出形成される。レンズ支持部52fの上面は、リフレクタ支持部52aの上面と同一面上に形成される。
また、取付ベース52の前側にはカバーレンズ55の係合突起55aと係合する係合受け部52gが形成され、取付ベース52の後端には後述する外部リフレクタ60の支持溝60bに挿入される後側突出部52hが形成される。
取付ベース52の下部には、LED基板56が固定される。LED基板56は、取付ベース52の貫通孔52bの下方に配設される中央LED(中央発光手段)56aと、取付ベース52の開口部52dに臨むように配設される内部LED(発光手段)56bと、取付ベース52の後側位置に配設される外部LED(外部発光手段)56cとを備える。中央LED56aは1つ、外部LED56cは2つ配設される。内部LED56bは開口部52dの領域52d1〜52d4毎に複数(例えば6個)配設され、それら内部LED56bは、上下方向に延在する中心軸の周囲に、平面視で円環状となるように配置される(図9(A)参照)。中央LED56a、内部LED56b及び外部LED56cは、上方に向かって発光する。中央LED56a、内部LED56b及び外部LED56cの点灯パターンは、LEDコネクタ56dを介して演出制御装置200(図3参照)によって制御される。
基板ホルダ57は、LED基板56を覆うように、LED基板56の下方から取付ベース52に固定される。基板ホルダ57には、LED基板56において発生した熱を外部に逃すための排熱孔57aが複数設けられる。また、基板ホルダ57の後側には、外部リフレクタ60の下端と係合する係合溝57bが形成される。
基板ホルダ57と取付ベース52との間には、取付ベース52の前側縁部を装飾する第1飾り部材58が配設される。第1飾り部材58は、取付ベース52の縁部と基板ホルダ57の縁部とによって挟持される。
また、基板ホルダ57の下部には、パトランプ51の下部を装飾する第2飾り部材59が固定される。
一方、取付ベース52のリフレクタ支持部52aの上面には、仕切レンズ54を嵌装した状態で内部リフレクタ53が取り付けられる。
内部リフレクタ53は、メッキ加工された中空円筒状部材であって、内部LED56bから発せられたLED光を周囲に反射させる。内部リフレクタ53は、仕切レンズ54内に収装される円筒状の収装部53aと、収装部53aから上方に向かって徐々に拡径する拡径部53bと、収装部53a及び拡径部53bの上下方向に亘って形成されるリッジ部53cとを備える。
仕切レンズ54は、透光性の樹脂によって形成されており、内部リフレクタ53を嵌装する円筒状の円筒レンズ54aと、内部リフレクタ53の周囲を仕切る側壁レンズ(区画レンズ)54bとを備える。
内部リフレクタ53のリッジ部53cは、収装部53a及び拡径部53bから突出形成される。リッジ部53cは、内部リフレクタ53の周方向において等間隔に4つ配設される。
内部リフレクタ53の収装部53aは、外周に形成されたリッジ部53cを介して仕切レンズ54の円筒レンズ54a内に嵌装される。収装部53aの下端には、一対の突起53dが形成される(図8(A)参照)。これら突起53dを取付ベース52の位置決め穴52cに嵌め合わせることで、取付ベース52に対する内部リフレクタ53の周方向位置を決定することができる。このように位置決めされた状態で、収装部53aの下端が、取付ベース52のリフレクタ支持部52aに固定される。
図7及び図8(A)に示すように、内部リフレクタ53の拡径部53bは、収装部53a側から上方に向かって徐々に拡径する。拡径部53bの表面には、拡径部53bの中心を通る中心線に対して傾斜角度の小さいテーパ面53eと、中心線に対して傾斜角度の大きい段差面53fとが上方に向かって交互に形成される。また、拡径部53bには、仕切レンズ54の側壁レンズ54bの上端が挿通する挿通溝53gが上下方向に形成される。
仕切レンズ54の円筒レンズ54aは上部ほど外径が大きくなるように構成されており、円筒レンズ54aの外周面には、周方向に亘って段差を有する第1レンズカット部54cが形成される。第1レンズカット部54cは、円筒レンズ54aの外周面に水平に形成される。第1レンズカット部54cは複数形成され、これら第1レンズカット部54cは上下方向に所定間隔をあけて平行に設けられる。これら第1レンズカット部54cは、円筒レンズ54aの下端に対向するように配置される内部LED56bからのLED光を屈折させる。
仕切レンズ54の側壁レンズ54bは、円筒レンズ54aの外周から外側に突出形成されるとともに、円筒レンズ54aよりも上方に延設された板状部材である。側壁レンズ54bは、複数(例えば8個)設けられ、円筒レンズ54aの外周に放射状に配設される。
仕切レンズ54の円筒レンズ54a内に内部リフレクタ53の収装部53aを上方から挿入した状態では、仕切レンズ54の側壁レンズ54bの上端は、内部リフレクタ53の挿通溝53gを上下方向に挿通する。側壁レンズ54bの内面には、内部リフレクタ53組付時に内部リフレクタ53の拡径部53bの外周面に当接し、仕切レンズ54に対する内部リフレクタ53の上下方向位置を決定する位置決め用のストッパ54dが形成される。
側壁レンズ54bは上方に向かって板厚が徐々に厚くなるよう構成されており、側壁レンズ54bの側面には段差を有する第2レンズカット部(側面レンズカット部)54eが形成される。第2レンズカット部54eは、側壁レンズ54bの側面において奥側下方から手前側上方に向かって斜めに形成される。第2レンズカット部54eは側壁レンズ54bの側面に複数形成され、これら第2レンズカット部54eは側壁レンズ54bの下端に対向するように配置される内部LED56bからのLED光を屈折させる。
側壁レンズ54bの外面は上方に向かって徐々に内部リフレクタ53に接近するように湾曲形成されており、側壁レンズ54bの外面には段差を有する第3レンズカット部(外面レンズカット部)54fが形成される。第3レンズカット部54fは、側壁レンズ54bの外面に水平に形成される。第3レンズカット部54fは複数形成され、これら第3レンズカット部54fは上下方向に所定間隔をあけて平行に設けられる。これら第3レンズカット部54fは側壁レンズ54bの下端に対向するように配置される内部LED56bからのLED光を屈折させる。
カバーレンズ55は、透光性のカップ状部材であって、内部リフレクタ53と仕切レンズ54とを覆うように取付ベース52の上面に取り付けられる。カバーレンズ55は、前側端部に係合突起55aを備える。カバーレンズ55は、係合突起55aが取付ベース52の係合受け部52gに係合した状態で、取付ベース52に固定される。
複数の部材が取り付けられる取付ベース52の後側には、外部リフレクタ60が配設される。外部リフレクタ60は、メッキ加工された樹脂性部材であって、演出装置42のベース部材44(図5参照)に固定される。
外部リフレクタ60の前面には、反射面60aが形成される。反射面60aは、カバーレンズ55の形状に沿って湾曲する面であり、カバーレンズ55の後側に透過したLED光を遊技者側に反射させる。
外部リフレクタ60の下部には、取付ベース52の後側突出部52hを支持するための支持溝60bが形成される。外部リフレクタ60の支持溝60bの下端には、基板ホルダ57の係合溝57bと係合する係合突起60cが形成される。取付ベース52の後側突出部52hが支持溝60bに挿入された状態で、取付ベース52の下部に基板ホルダ57を取り付けると、外部リフレクタ60の係合突起60cが基板ホルダ57の係合溝57bに嵌り込むので、取付ベース52、基板ホルダ57及び外部リフレクタ60の3つの部材が相互に固定される。外部リフレクタ60を取付ベース52と基板ホルダ57とによって挟持するように構成したので、取付ベース52、基板ホルダ57及び外部リフレクタ60の3部材の組み立て工数を低減できる。
このように外部リフレクタ60に取付ベース52を組み付けた状態では、取付ベース52の下部に配設されるLED基板56の外部LED56cは、外部リフレクタ60の裏面に取り付けられる外部レンズ61の下端に対向するように配置される(図8(B)及び図9(A)参照)。
ここで、外部リフレクタ60の反射面60aには、前後方向に貫通し、外部LED56cからのLED光を遊技者側に通過させる貫通口60dが形成される。貫通口60dは、反射面60aにおいて、上下方向に延設される縦貫通口と、斜め方向に延設される傾斜貫通口とから構成される。
外部リフレクタ60の裏面には、貫通口60dを覆うように外部レンズ61が取り付けられる。外部レンズ61は、透光性の樹脂によって、外部リフレクタ60の反射面60aの形状に沿って湾曲するように形成される。外部レンズ61の表面には、外部リフレクタ60の貫通口60dと対応する位置に、外部レンズカット部(図示省略)が突出して形成される。外部レンズカット部は、外部レンズ61内を通過する外部LED56cのLED光を屈折させて、貫通口60dに導く。
上記のように構成されるパトランプ51を3つ備えるパトランプユニット50の発光演出制御について、図6、図9(A)及び図9(B)を参照して説明する。
図6に示すパトランプユニット50の3つのパトランプ51は、演出制御装置200によって遊技状態に応じて発光演出制御される。
例えば、特図変動表示ゲームが開始してリーチ状態になる可能性が低い場合等、大当たりとなる期待度が小さい時には、3つのパトランプ51のうち、一番下側のパトランプ51を点灯させる。特図変動表示ゲームがリーチ状態となった場合等、期待度が中程度の時には、3つのパトランプ51のうち、中側のパトランプ51を点灯させる。特図変動表示ゲームがスペシャルリーチ状態となった場合等、期待度が大きい時には、3つのパトランプ51のうち、一番上側のパトランプ51を点灯させる。なお、期待度が高くなるほど点灯させるパトランプ51の数を増やすように演出してもよい。
ここで、リーチ状態とは、例えば、最後に停止する特別図柄以外の図柄(例えば、左図柄と中図柄)が同一の内容となる組み合わせで仮停止し、かつ最後に停止する図柄(例えば、右図柄)のみが変動している状態をいう。また、スペシャルリーチ状態とは、通常のリーチ状態より変動表示の時間を長くしたり、キャラクタなどを登場させたりするリーチ状態であって、通常のリーチ状態に比べて大当りの確率が高いものである。
パトランプ51の点灯パターンも、演出制御装置200によって遊技状態に応じて制御される。図9(B)は、パトランプ51の内部LED56bの点灯パターンの一例を示すものである。
パトランプ51の第1点灯パターンでは、左側領域52d4に臨む内部LED56bから順に、前側領域52d1に臨む内部LED56b、右側領域52d3に臨む内部LED56b、後側領域52d2に臨む内部LED56bと点灯させ、点灯領域以外の領域の内部LED56bは消灯させる。これを繰り返すことで、パトランプ51からのLED光が図9(A)の平面視において反時計回りに回転するような発光演出が可能となる。なお、期待度等が高くなるほど各領域52d1〜52d4での内部LED56bの点灯時間を短くして、パトランプ51におけるLED光の回転速度を速くする。
パトランプ51の第2点灯パターンでは、右側領域52d3に臨む内部LED56bから順に、前側領域52d1に臨む内部LED56b、左側領域52d4に臨む内部LED56b、後側領域52d2に臨む内部LED56bと点灯させ、点灯領域以外の領域の内部LED56bは消灯させる。これを繰り返すことで、パトランプ51からのLED光が図9(A)の平面視において時計回りに回転するような発光演出が可能となる。なお、期待度等が高くなるほど各領域52d1〜52d4での内部LED56bの点灯時間を短くして、パトランプ51におけるLED光の回転速度を速くする。
パトランプ51の第3点灯パターンでは、各領域52d1〜52d4の内部LED56bを同時に点滅させることで、パトランプ51からのLED光が回転せずに点滅するような発光演出が可能となる。なお、期待度等が高くなるほど内部LED56bの点滅間隔を短くして、パトランプ51におけるLED光の点滅速度を速くする。
パトランプ51の第4点灯パターンでは、各領域52d1〜52d4のうち点灯させる領域をランダムに選択し、選択された領域における内部LED56bを点灯させ、点灯領域以外の領域の内部LED56bは消灯させる。これにより、パトランプ51でのランダム点灯が可能となる。なお、期待度等が高くなるほど各領域52d1〜52d4での内部LED56bの点灯時間を短くして、パトランプ51におけるLED光のランダム点灯速度を速くする。
なお、遊技状態によっては、パトランプ51の各領域52d1〜52d4の内部LED56bを常時点灯させるようにしてもよい。
パトランプ51のLED基板56に配設される中央LED56a及び外部LED56cの点灯パターンも演出制御装置200によって制御される。中央LED56a及び外部LED56cは、遊技状態に応じて点灯、点滅又は消灯するように制御される。
図8(A)及び図8(B)を参照して、本実施形態におけるパトランプ51の作用・効果について説明する。
パトランプ51では、内部LED56bから上方に向かって発せられたLED光を内部リフレクタ53によって周囲に反射させる。内部リフレクタ53の外周には仕切レンズ54の側壁レンズ54bが複数配設され、これら側壁レンズ54bは内部LED56bからのLED光や内部リフレクタ53によって反射されたLED光が拡散し過ぎてしまわないように区画するので、内部リフレクタ53によって反射されたLED光が際立つようになる。また、仕切レンズ54の下方に配設される内部LED56bのLED光は、仕切レンズ54の円筒レンズ54a及び側壁レンズ54bの内部を下方から上方に通過して、一部の光が第1〜第3レンズカット部54c、54e、54fによって屈折されることで、仕切レンズ54自体が発光しているかのように見える。さらに、仕切レンズ54の側壁レンズ54bは透光性を有しているので、後側領域52d2に臨む内部LED56bが点灯した場合であっても、遊技者は、後側領域52d2の内部LED56bのLED光の一部を、側壁レンズ54bを介して視認することができる。したがって、パトランプ51からは変化に富んだLED光が発せられるので、効果的な発光演出を行うことが可能となる。また、内部LED56bを第1点灯パターンや第2点灯パターンのように順番に点灯すれば、パトランプ51からのLED光が回転するような発光演出が可能となる。さらに、側方の領域(例えば、左側領域52d4や右側領域52d3)を起点として内部LED56bを順番に点灯させることで、前方や後方の領域(例えば、前側領域52d1や後側領域52d4)を起点とする場合よりも、内部LED56bの点灯初期の段階からLED光が回転しているように視認させることが可能となる。
パトランプ51の内部リフレクタ53の拡径部53bにはテーパ面53eと段差面53fとが交互に形成されるので、内部LED56bから発せられたLED光の反射方向に変化がつき、反射光の進路が単調となるのを抑制することができる。したがって、パトランプ51の発光演出をさらに向上させることが可能となる。
仕切レンズ54の円筒レンズ54aには第1レンズカット部54cが形成され、仕切レンズ54の側壁レンズ54bには第2レンズカット部54e及び第3レンズカット部54fが形成されるので、仕切レンズ54の内部を通過するLED光の一部の屈折方向を第1〜第3レンズカット部54c、54e、54fで変化させることができ、LED光の進路が単調となるのを抑制することができる。したがって、パトランプ51での発光演出効果を高めることが可能となる。
パトランプ51では、内部リフレクタ53及び仕切レンズ54の周囲を覆うようにカバーレンズ55が配設されるので、内部リフレクタ53からの反射光や仕切レンズ54内を透過したLED光によってカバーレンズ55自体が発光しているように見える。また、中央LED56aからのLED光は取付ベース52の貫通孔52bと内部リフレクタ53の内部を通過してカバーレンズ55の頂部を照射するので、カバーレンズ55の頂部も発光しているように見える。したがって、パトランプ51での発光演出効果を高めることが可能となる。
パトランプ51は、カバーレンズ55の形状に沿って湾曲する反射面60aを有する外部リフレクタ60を備え、カバーレンズ55を透過したLED光を反射面60aによって遊技者側に反射させる。これにより、遊技者は外部リフレクタ60からの反射光も視認することができる。したがって、後側領域52d2に位置する内部LED56bからのLED光を遊技者に視認させることができ、パトランプ51の発光演出をさらに向上させることが可能となる。
パトランプ51では、外部リフレクタ60に貫通口60dが形成され、レンズカット部を備えた外部レンズ61が外部リフレクタ60の裏面に取り付けられ、外部リフレクタ60の下方に外部LED56cが配設される。外部LED56cから上方に向かって発せられたLED光は、外部レンズ61の内部を下方から上方に向かって通過し、LED光の一部が外部レンズ61に形成された外部レンズカット部で屈折する。このように屈折したLED光は、外部リフレクタ60の貫通口60dを通って遊技者側に進行する。これにより、遊技者は外部レンズ61のレンズカット部で屈折したLED光を視認することができる。したがって、パトランプ51の発光演出をさらに向上させることが可能となる。
次に、図10〜図15を参照して、下部演出ユニット70について詳しく説明する。
図10は、下部演出ユニット70の斜視図である。図11は、下部演出ユニット70の分解斜視図である。図12は、下部演出ユニット70の下部ベース部材71及び駆動機構74の斜視図である。図13(A)は下部演出ユニット70の移動機構80の分解斜視図であり、図13(B)は移動機構80の斜視図である。図14(A)及び図14(B)は、初期位置での下部演出ユニット70の正面図及び背面図である。図15(A)及び図15(B)は、上限位置での下部演出ユニット70の正面図及び背面図である。
図10及び図11に示すように、下部演出ユニット70は、演出装置42のベース部材44(図5参照)の下部を構成する下部ベース部材71と、変動表示装置41の表示部41a(図5参照)の前面を覆うように下部ベース部材71の前面に取り付けられるクリアカバー45と、クリアカバー45の下部を装飾する装飾部材72と、下部ベース部材71とクリアカバー45との間で可動演出部73を上下方向に移動させる移動機構80と、移動機構80を駆動する駆動機構74とを備える。
図14及び図15に示すように、下部演出ユニット70は、移動機構80によって可動演出部73の姿勢を水平状態に維持したまま上下方向に移動させ、初期位置としての下限位置(第1位置)又は下限位置よりもセンターケース30(図2参照)の中央寄りの位置である上限位置(第2位置)との間で所定の演出を行うものである。なお、図14及び図15における下部演出ユニット70は、クリアカバー45と装飾部材72を省略した状態である。
図11に示すように、下部演出ユニット70の下部ベース部材71は収容部71aを有する枠体であって、この収容部71a内に可動演出部73と移動機構80とを収容する。
可動演出部73は、略直方体状の部材であって、長手方向が水平となるように配設される。可動演出部73は、中央部に変動表示装置41の表示部41a(図5参照)を視認可能な開口部73aを備える。可動演出部73の前面には開口部73aを挟んで一対の表示部73bが配設され、これら表示部73bは遊技状態に応じて所定の図柄(例えば、現在の遊技状態を示す情報等)を表示する。これら表示部73bの上方には、遊技状態に応じて発光する発光部73cがそれぞれ配設される。可動演出部73は、下部において、移動機構80が有する一対のアーム81の上端(一方の端部)に連結する。移動機構80は、下部ベース部材71の収容部71a内において水平方向にスライドし、一対のアーム81を介して可動演出部73を鉛直方向に移動させる。
図11、図13(A)及び図13(B)に示すように、移動機構80は、下部ベース部材71に対して水平方向にスライドするスライド部82を備える。スライド部82は、鉛直断面で2分割可能に構成されており、前方スライド部82aと後方スライド部82bとを有する。前方スライド部82a及び後方スライド部82bの両端にはそれぞれ切欠部82cが形成されており、前方スライド部82a及び後方スライド部82bが組み合わされた状態では、これら切欠部82cを介して、スライド部82の両端にアーム81の一部を収容する収容部83が形成される。
可動演出部73と移動機構80とは、一対のアーム81によって連結される。これら2つのアーム81は、同様の構成であるので、一方のアーム(可動演出部73の右端と移動機構80の右端とを連結するアーム)81を主に説明する。
アーム81は、略ヘの字状のリンク部材であって、上端(一方の端部)にはアーム長手方向に直交する方向(前後方向)に延設される上端軸81aが固定され、下端(他方の端部)には前後方向に延設される下端軸81bが固定される。アーム81の上端は上端軸81aに嵌装されたスリーブ84を介して可動演出部73の右端下部に回転自在に支持され、アーム81の下端は下端軸81bを介してスライド部82の右端の収容部83内に回転自在に支持される。
アーム81が可動演出部73及びスライド部82に取り付けられた状態では、アーム81の上端軸81aは可動演出部73の前面及び裏面から前後方向に突出し、アーム81の下端軸81bはスライド部82の前面及び裏面から前後方向に突出する。
また、アーム81と収容部83の側壁に形成された突起83aとの間には、バネ(付勢部材)85が介装される。バネ85は、アーム81に下方から当接する当接部85aを介して、アーム81の上端が可動演出部73の重量に抗するように付勢する。
なお、上記では一対のアーム81のうち一方のアーム81について説明したが、他方のアーム81も一方のアーム81と同様の構成を有しており、上端軸81aに嵌装されたスリーブ84を介して可動演出部73の左端下部に回転自在に支持され、下端軸81bを介してスライド部82の左端の収容部83内に回転自在に支持される。
図11及び図12に示すように、可動演出部73及び移動機構80を収容する下部ベース部材71は、収容部71aの底面から鉛直方向に延在する壁部71bを備える。
下部ベース部材71の壁部71bの中央には、可動演出部73が初期位置にある場合であっても(図14参照)、変動表示装置41の表示部41a(図5参照)を遊技者が視認できるように凹部71cが形成される。
壁部71bの両端部のそれぞれには、アーム81の下端軸81bを水平方向にガイドする長穴状の水平ガイド溝71d、及びアーム81の上端軸81aを鉛直方向(スライド部82のスライド方向とは異なる方向)にガイドする長穴状の鉛直ガイド溝(ガイド部)71eが配設される。
水平ガイド溝71dにはスライド部82の裏面から突出した下端軸81bの突出部分がブッシュ86を介して挿通され、鉛直ガイド溝71eには可動演出部73の裏面から突出した上端軸81aの突出部分がブッシュ87を介して挿通される。
水平ガイド溝71dの長軸を含む軸心線C1と鉛直ガイド溝71eの長軸を含む軸心線C2とは、水平ガイド溝71dの左側方及び鉛直ガイド溝71eの下方で直交するように設定される。
また、鉛直ガイド溝71eは、上部(可動演出部73の上限位置側)において直線状に延設される直線ガイド部71fと、直線ガイド部71fの下部(可動演出部73の初期位置側)から、水平ガイド溝71dに向かって(可動演出部73が初期位置に移動する時にスライド部82がスライドする方向に)傾斜して延設される傾斜ガイド部71gとを有する。傾斜ガイド部71gは、鉛直方向に対して45度で傾斜する。
図11に示すように、下部ベース部材71の収容部71a内に可動演出部73及び移動機構80を収容した状態で、下部ベース部材71の前面にはクリアカバー45が取り付けられる。
クリアカバー45の下部両端のそれぞれには、アーム81の下端軸81bを水平方向にガイドする長穴状の水平ガイド溝45a、及びアーム81の上端軸81aを鉛直方向(スライド部82のスライド方向とは異なる方向)にガイドする長穴状の鉛直ガイド溝(ガイド部)45bが配設される。
水平ガイド溝45aにはスライド部82の前面から突出した下端軸81bの突出部分がブッシュ86を介して挿通され、鉛直ガイド溝45bには可動演出部73の前面から突出した上端軸81aの突出部分がブッシュ87を介して挿通される。
水平ガイド溝45aの長軸を含む軸心線と鉛直ガイド溝45bの長軸を含む軸心線とは、水平ガイド溝45aの左側方及び鉛直ガイド溝45bの下方で直交するように設定される。
また、鉛直ガイド溝45bは、上部(可動演出部73の上限位置側)において直線状に延設される直線ガイド部45cと、直線ガイド部45cの下部(可動演出部73の初期位置側)から、水平ガイド溝45aに向かって(可動演出部73が初期位置に移動する時にスライド部82がスライドする方向に)傾斜して延設される傾斜ガイド部45dとを有する。傾斜ガイド部45dは、鉛直方向に対して45度で傾斜する。
クリアカバー45の下部前面には、可動演出部73の一部と、移動機構80を隠蔽する板状の装飾部材72が配設される。装飾部材72は、クリアカバー45に設けられた一対の位置決め用突起45eと係合する一対の係合受部72aを有している。また、装飾部材72の中央には、下方に向かって凹設された凹部72bが形成される。このように装飾部材72は凹部72bを有するので、可動演出部73が初期位置にあっても(図14参照)、遊技者は可動演出部73の開口部73aを介して変動表示装置41の表示部41a(図5参照)を視認することができる。
図11及び図12を参照して、移動機構80を駆動する駆動機構74について説明する。
駆動機構74は、下部ベース部材71の右端部に固定される駆動ベース部材75を備える。駆動ベース部材75には、可動演出部73を移動させるための駆動力を発生させるモータ(駆動源)76が締結される。モータ76の出力軸には主動ギア77が固定され、この主動ギア77には従動ギア(回転体)78が噛合する。
従動ギア78は、駆動ベース部材75の前面に配設された軸75aによって回転自在に支持される。従動ギア78には、回転中心から偏心した位置に偏心軸78aが形成される。偏心軸78aは、ブッシュ89を介して、移動機構80の前方スライド部82aの右端部に配設された壁部88の係合溝88aに摺動自在に係合する。係合溝88aは、スライド部82のスライド方向と直交する方向に延設される。
また、駆動ベース部材75には、可動演出部73の初期位置を検出するため、コの字形状の光電センサ79が配設される。移動機構80のスライド部82の壁部88の外面には、可動演出部73が初期位置にある場合に光電センサ79の凹部に挿入され光電センサ79の発射光を遮光する遮光板88bが一体に形成されている。このように光電センサ79と遮光板88bとによって、可動演出部73の初期位置が検出される。
上記のように構成される駆動機構74では、モータ76が駆動して主動ギア77が回転すると、主動ギア77の回転が従動ギア78に伝達され、従動ギア78も回転する。従動ギア78が回転すると、従動ギア78に一体形成された偏心軸78aは従動ギア78の回転軸を中心として回動するので、スライド部82の壁部88の係合溝88aを鉛直方向に摺動しながら、スライド部82を下部ベース部材71に対して水平方向に移動させる。このように、駆動機構74は、モータ76の駆動力によって移動機構80のスライド部82を水平方向に移動させる。
図14及び図15を参照して、可動演出部73を初期位置と上限位置との間で移動させる場合の駆動機構74及び移動機構80の動作について説明する。
図14(A)に示すように、可動演出部73が初期位置にある場合には、従動ギア78の偏心軸78aは、移動機構80の壁部88の係合溝88aの上下方向の中間位置にあり、偏心軸78aの軸心と従動ギア78の回転中心とを通る線がスライド部82のスライド方向と平行となるように設定される。
図14(A)及び図15(A)に示すように、可動演出部73を初期位置から上限位置まで移動させる場合には、モータ76を時計回りに駆動して、主動ギア77を介して、従動ギア78を反時計回りに180°回転させる。従動ギア78が反時計周りに回転すると、偏心軸78aは従動ギア78の回転軸を中心として反時計回りに回動するので、スライド部82の係合溝88aを上下方向に摺動しつつ、スライド部82を移動させる。このとき、アーム81の下端軸81bは下部ベース部材71の水平ガイド溝71d(図14(B)、図15(B)参照)及びクリアカバー45の水平ガイド溝45a(図11参照)に沿って移動するので、スライド部82は駆動機構74から離間する方向に水平移動する。このようにスライド部82がスライドすると、アーム81の上端軸81aは、下部ベース部材71の鉛直ガイド溝71e(図14(B)、図15(B)参照)及びクリアカバー45の鉛直ガイド溝45b(図11参照)に沿って上方に移動する。スライド部82が駆動機構74から離間する方向にスライドすることによって、一対のアーム81の上端が同期して上方に移動するので、可動演出部73は姿勢が水平に維持された状態で初期位置から上限位置まで移動する。
可動演出部73が上限位置にある場合には、図15(A)に示すように、従動ギア78の偏心軸78aは、初期位置における偏心軸78aの位置から従動ギア78の回転中心に対して点対称の位置にあり、偏心軸78aの軸心と従動ギア78の回転中心とを通る線はスライド部82のスライド方向と平行となるように設定される。
一方、可動演出部73を上限位置から初期位置まで移動させる場合には、図15(A)の状態からモータ76を時計回りに駆動して、主動ギア77を介して、従動ギア78を反時計回りにさらに180°回転させる。そうすると、偏心軸78aが従動ギア78の回転軸を中心として反時計回りに回動するので、スライド部82の係合溝88aを上下方向に摺動しつつ、スライド部82を移動させる。このとき、アーム81の下端軸81bは下部ベース部材71の水平ガイド溝71d(図14(B)、図15(B)参照)及びクリアカバー45の水平ガイド溝45a(図11参照)に沿って移動するので、スライド部82は駆動機構74に接近する方向に水平移動する。このようにスライド部82がスライドすると、アーム81の上端軸81aは下部ベース部材71の鉛直ガイド溝71e(図14(B)、図15(B)参照)及びクリアカバー45の鉛直ガイド溝45b(図11参照)に沿って下方に移動する。スライド部82が駆動機構74に接近する方向にスライドすることによって、一対のアーム81の上端が同期して下方に移動するので、可動演出部73は姿勢が水平に維持された状態で上限位置から初期位置まで移動する。
なお、可動演出部73を上限位置から初期位置まで移動させる場合には、図15(A)の状態からモータ76を反時計回りに駆動して、主動ギア77を介して、従動ギア78を時計回りに180°回転させるようにしてもよい。
ここで、移動機構80では可動演出部73の重量に抗するようにアーム81の上端をバネ85によって付勢するので(図13参照)、可動演出部73が初期位置から上限位置まで移動する際に、バネ85の付勢力がモータ76の駆動力を補助するように作用する。したがって、モータ76の負荷を軽減することができ、モータ76の小型化及び長寿命化を図ることが可能となる。
可動演出部73をバネ85の付勢力に抗して初期位置で保持したり、可動演出部73を可動演出部73の重量に抗して上限位置で保持したりする場合には、バネ85の付勢力や可動演出部73の重量がスライド部82の係合溝88aを介して偏心軸78aに伝達されて従動ギア78に作用するので、従動ギア78には回転トルクが発生する。本実施形態では、初期位置及び上限位置において、従動ギア78の回転中心と、従動ギア78の偏心軸78aの軸心とを通る線がスライド部82のスライド方向と平行となるように設定し、バネ85の付勢力や可動演出部73の重量を従動ギア78の回転中心で支えるように構成するので、従動ギア78に生じる回転トルクを抑制することができる。したがって、可動演出部73を初期位置及び上限位置で保持することが容易となる。
また、可動演出部73が初期位置にある場合には、アーム81の上端軸81aは鉛直ガイド溝71e、45bの傾斜ガイド部71g、45dに位置する(図11及び図14参照)。バネ85の付勢力等がアーム81の上端に作用しても、アーム81の上端軸81aは傾斜ガイド部71g、45dに係合しているため、バネ85の付勢力等によって可動演出部73が初期位置から移動してしまうことを抑制できる。そして、可動演出部73を初期位置から上限位置に移動させる場合には、アーム81の上端軸81aは傾斜ガイド部71g、45dを介して直線ガイド部71f、45cに導かれるため、アーム81の上端を滑らかに鉛直移動させることができ、可動演出部73を初期位置からスムーズに移動させることが可能となる。
次に、図16を参照して、上述した下部演出ユニット70の演出動作について説明する。図16(A)は通常状態における下部演出ユニット70の演出動作を示し、図16(B)は潜伏確変状態における下部演出ユニット70の演出動作を示す。なお、潜伏確変状態とは、大当たりの発生から所定期間、確変状態になったか否かを遊技者に伏せる状態のことをいう。また、確変状態とは、大当りの確率が低確率である通常状態から高確率に変動した状態をいう。
下部演出ユニット70は、演出制御装置(演出制御手段)200によって遊技状態に応じて制御される(図3参照)。
図16(A)に示すように、下部演出ユニット70はセンターケース30の後方に位置する。通常状態では、下部演出ユニット70の可動演出部73は、初期位置にあって、可動演出部73のほとんどが装飾部材72によって隠蔽される。可動演出部73が初期位置にあっても、遊技者は、装飾部材72の凹部72bと可動演出部73の開口部73aを介して変動表示装置41の表示部41aを視認することができる。開口部73aに対応する表示部41aの表示領域には、遊技状態に応じた報知画像が表示され、例えば演出ボタン10(図1参照)の操作を遊技者に促すような報知画像が表示される。また、通常状態では、可動演出部73の発光部73cにおいて発光演出を行うことで、演出効果が高められる。
遊技が進行して潜伏確変状態となった場合には、図16(B)に示すように駆動機構74のモータ76が駆動して、可動演出部73は姿勢を水平状態に維持したまま初期位置から上限位置まで移動する(図15参照)。これにより、可動演出部73が装飾部材72の上部に出現し、可動演出部73のほぼ全体が視認可能となる。このとき、可動演出部73の表示部73bには、確変状態である可能性の高さに応じた図柄が表示される。また、開口部73aに対応する表示部41aの表示領域には、遊技状態に応じた報知画像が表示され、例えば特別図柄の所定回転後に確変状態になったか否かを遊技者に報知するための回転カウント画像が表示される。さらに、可動演出部73の発光部73cにおいて発光演出を行うことで、演出効果が高められる。
そして、潜伏確変状態の終了後は、駆動機構74のモータ76が駆動して、可動演出部73は姿勢を水平状態に維持したまま上限位置から初期位置まで移動する(図14参照)。
上記した本実施形態の下部演出ユニット70では、下記の効果を得ることができる。
下部演出ユニット70では、可動演出部73とスライド部82とを一対のアーム81で連結し、駆動機構74のモータ76を駆動して、スライド部82を水平方向に移動させることで、アーム81の上端軸81aを下部ベース部材71の鉛直ガイド溝71e及びクリアカバー45の鉛直ガイド溝45bに沿って鉛直方向に移動させる。このように一対のアーム81の上端を同期して鉛直方向に移動させるので、可動演出部73の姿勢を水平状態に維持したまま可動演出部73を初期位置又は上限位置まで移動させることが可能となる。
下部演出ユニット70では、遊技状態に応じて可動演出部73を初期位置又は上限位置まで移動させ、可動演出部73の開口部73aに対応する表示部41aの表示領域に遊技の進行に関連した報知画像を表示するようにしたので、遊技の興趣を高めることが可能となる。
なお、本実施形態の下部演出ユニット70では可動演出部73とスライド部82とを一対のアーム81で連結するように構成したが、可動演出部73とスライド部82とを3つ以上のアーム81で連結するように構成してもよい。
また、下部演出ユニット70を、センターケース30内の上部や側部に配設するようにしてもよい。
本実施形態の下部演出ユニット70では可動演出部73の姿勢を水平状態に維持したまま鉛直方向に移動させるように構成したが、これに限られるものではない。例えば、センターケース30に配設されるステージ33を可動演出部73として構成し、
ステージ33の下部に一対のアーム81を取り付け、ステージ33の姿勢を水平状態に維持したまま鉛直方向に移動させるようにしてもよい。このように構成すれば、ステージ33と始動入賞口25との距離を遊技状態に応じて変更することができ、ステージ33から遊技領域23に導かれた遊技球の始動入賞口25への入賞確率を変化させることができる。したがって、遊技の興趣をさらに向上させることが可能となる。
次に、図17及び図18を参照して、上部演出ユニット90について説明する。
図17(A)及び図17(B)は、上部演出ユニット90の前面斜視図及び裏面斜視図である。図18(A)は通常状態での上部演出ユニット90の背面図を示し、図18(B)は動作状態での上部演出ユニット90の背面図を示す。
図17及び図18に示すように、上部演出ユニット90は、演出装置42のベース部材44(図5参照)の上部を構成する上部ベース部材91と、上部ベース部材91の前面に配設される中間ベース部材92と、中間ベース部材92の前面に配設される前方ベース部材93とを備える。
前方ベース部材93の前面には、竜の頭部を模した装飾部材94と、剣の形状を模した第1可動演出部95とが配設される。装飾部材94は、上顎部94aと下顎部94bとを有する。第1可動演出部95は、装飾部材94の上顎部94aを挿通し、剣先が下顎部94bの後方に位置するように配設される。第1可動演出部95は、スライド自在に中間ベース部材92に支持される。
また、中間ベース部材92の裏面には、炎の形状(火の玉)を模した第2可動演出部96が配設される。第2可動演出部96は、中間ベース部材92に回転自在に支持される。
図18(A)及び図18(B)に示すように、第1可動演出部95の裏面には突起95aが形成され、この突起95aが中間ベース部材92の上下方向に傾斜して形成されたガイド溝92aに係合する。第1可動演出部95の突起95aは、駆動機構97からの駆動力に基づいてガイド溝92aに沿って移動する。
駆動機構97は、中間ベース部材92の裏面に配設される。駆動機構97は、駆動力を発生させるソレノイド97aと、ソレノイド97aのプランジャと連結するリンク部材97bとを備える。リンク部材97bは、回転自在に中間ベース部材92に軸支される。また、リンク部材97bの一端はソレノイド97aのプランジャに回転自在に支持され、他端は第1可動演出部95の突起95aに回転自在に支持される。なお、中間ベース部材92には、リンク部材97bの他端の回転範囲の上限と下限を決定する上限ストッパ92bと下限ストッパ92cが形成される。
ソレノイド97aがリンク部材97bの一端を押し下げると、リンク部材97bの他端が上方に回動し、第1可動演出部95の突起95aがガイド溝92aに沿って上方に移動するので、第1可動演出部95が斜め上方に移動する。これに対して、ソレノイド97aがリンク部材97bの一端を引き上げると、リンク部材97bの他端が下方に回動し、第1可動演出部95の突起95aがガイド溝92aに沿って下方に移動するので、第1可動演出部95が斜め下方に移動する。
上部演出ユニット90では、遊技状態に応じて駆動機構97のソレノイド97aのプランジャを駆動して、第1可動演出部95を斜め上下方向に往復動させるので、遊技の興趣を向上させることができる。
一方、第2可動演出部96は、中間ベース部材92と上部ベース部材91との間で移動するように構成されている。第2可動演出部96は、基端96aの下部において、中間ベース部材92に配設された軸92dに回転自在に軸支される。第2可動演出部96の上部には、円弧状に形成されたガイド溝96bが形成される。このガイド溝96bには、上部ベース部材91の前面に形成された一対の係合突起91aが係合する。係合突起91aは、第2可動演出部96の回転範囲の上限と下限を決定する上限突起91bと下限突起91cを備える。第2可動演出部96は、駆動機構98からの駆動力に基づいて駆動する。
駆動機構98は、中間ベース部材92の裏面に配設される。駆動機構98は、駆動力を発生させるモータ98aを備える。モータ98aの出力軸に固定される主動ギア(図示省略)には、中間ベース部材92の裏面に軸支された従動ギア98bが噛合する。従動ギア98bの裏面には、回転中心から偏心した位置に偏心軸98cが形成される。従動ギア98bの偏心軸98cと第2可動演出部96とは、リンク部材98dによって連結される。リンク部材98dの一端は偏心軸98cに回転自在に支持され、他端は第2可動演出部96の基端96aの上部に回転自在に支持される。
図18(A)の状態からモータ98aが時計回りに回転すると、従動ギア98bが反時計回りに回転し、リンク部材98dが第2可動演出部96の基端96aの上部を図中右方向に押し出す。そうすると、第2可動演出部96は、軸92dを中心に時計周りに回転し、ガイド溝96bの上端部が下限突起91cに当接した状態で停止する。これにより、第2可動演出部96の先端部分が遊技者によって視認可能な状態となる。これに対して、図18(B)の状態からモータ98aが反時計回りに回転すると、従動ギア98bが時計回りに回転し、リンク部材98dが第2可動演出部96の基端96aの上部を図中左方向に引っ張る。そうすると、第2可動演出部96は、軸92dを中心に反時計周りに回転し、ガイド溝96bの下端部が上限突起91bに当接した状態で停止する。これにより第2可動演出部96は、中間ベース部材92と上部ベース部材91との間に収納され、遊技者に対して隠蔽された状態となる。
上部演出ユニット90では、遊技状態に応じて駆動機構98のモータ98aを駆動して、第2可動演出部96を視認可能状態にしたり隠蔽状態にしたりするので、遊技の興趣を向上させることができる。
上部演出ユニット90では、装飾部材94を前方ベース部材93に取り付けたが、装飾部材94の下顎部94bを前方ベース部材93に回転自在に支持し、駆動機構98のモータ98aの駆動力に基づいて駆動して、竜の口が開閉するような演出を行うようにしてもよい。この場合には、駆動機構98の従動ギア98bの前面に偏心軸(図示省略)を形成し、この偏心軸と下顎部94bとをリンク部材(図示省略)によって連結して、モータ98aの駆動力によって第2可動演出部96と同期して下顎部94bを駆動する。第2可動演出部96が視認可能な状態となる場合に、竜の口が開くように下顎部94bを回転移動すれば、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、従動ギア98bの前面に形成される偏心軸を、裏面に形成される偏心軸98cよりも偏心させれば、下顎部94bの回転移動速度を第2可動演出部96の回転移動速度よりも早めることができ、遊技の興趣をさらに向上させることができる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。