しかしながら、これらの提案に係る回転灯は、遊技機に対する取付スペースの問題は一応克服できる反面、遊技機毎に異なる仕様の回転灯を用意することが必要となるため、市販の回転灯を利用する場合に比べて遥かに装置コストが高騰するという新たな問題が生じる。
この発明は上記の問題に着目してなされたもので、既存の回転灯を使用するも、回転灯の本体部周囲を含む発光表示器の窓部全体を発光させることが可能で、かつ、発光表示器全体を他の部分と干渉させることなく小型化できる新規な構成の発光表示器を備えた遊技機を提供するものである。
本発明の請求項1記載した遊技機は、遊技機の窓孔に対して前面に開口部を有する反射ケース体を取付けると共に、前記反射ケース体の内部に反射体の回転中心軸を縦向きにして回転灯を収設した発光表示器を備えてなる遊技機であって、前記反射ケース体の内部空間を主として回転灯の発光部が位置する第1領域と前記回転灯の本体部が位置する第2領域とに分け、第2領域に位置する前記反射ケース体の内壁面を前記反射体の回転中心軸と約45度の角度で交わる鏡面状の傾斜面とし、この傾斜面に前記回転灯の本体部を貫通させて回転灯を反射ケース体に取付けると共に、前記第1領域にて回転灯の発光部と対向し、かつ、前記反射体の回転中心軸と略直交する前記反射ケース体の内壁面、即ち、反射ケース体の天井面を回転灯の発光部から照射される照明光を前記傾斜面に向かって反射可能な反射面とした発光表示器を備えていることを特徴とする。
なお、本発明はパチンコおよびスロットマシン等を含む遊技機を対象とするもので、例えば、パチンコ機の場合は遊技盤の盤面に開設した窓孔の後方に発光表示器の反射ケース体を、その内部が前面の開口部を通して遊技者が視認できるように取付け使用される。また、スロットマシンの場合には、通常、前扉の上部パネル部分に発光表示器を取付ける窓孔部が形成され、ここに反射ケース体が前面の開口を遊技者側に向けて取付け使用される。
また、反射ケース体は通常、ABS樹脂などの合成樹脂材料で型成形され、その表面にアルミニウムやクロム等の金属メッキ層を形成することで、反射ケース体の内壁面が鏡面状に仕上げられる。また、反射ケース体の天井面は回転灯の発光部からの照明光を前記斜面部に反射させ得る構成であれば、どのような態様であってもよく、例えば、微細な凹凸を形成した乱反射面としたり、規則的な凹凸面形状としたり、ホログラムシートを貼り付けたりするなど各種の変形が可能である。
請求項2記載の発明における発光表示器は、前記反射ケース体内部における傾斜面に対し回転灯の本体部を挿通可能な大きさの筒状体を一体に形成すると共に、前記反射ケース体の内部空間に位置する筒状体の外周面が鏡面となっている。なお、筒状体の中心孔は市販の回転灯の本体部を挿通可能な大きさ並びに穴形状、例えば、内径が回転灯の本体部より僅かに大きい円筒形状とすればよいが、外周面については、照明光の反射状態を良くする目的並びに遊技機の役物としての外観を考慮して、単なる円筒形状とするだけでなく、断面多角形状の筒状としたり、外周面にダイアカットなどの凹凸模様を施したりするなどの適宜変更が可能である。
請求項3に記載の発明においては、前記反射ケース体内部のうち、回転灯の発光部を配置した第1領域において、前記回転灯の反射体回転中心軸と平行する内壁面、すなわち、回転灯の発光部の周囲を取巻く反射ケース体の内面を鏡面とした。
請求項4記載の発明においては、発光表示器の反射ケース体内部のうち、回転灯の発光部を配置した第1領域における前記回転灯の反射体回転中心軸と平行する内壁面、すなわち、回転灯の発光部の周囲を取巻く反射ケース体の内面が回転灯の側面からの照明光を遊技者側に向かって反射可能な鏡面を複数備えた三面鏡構造となっている。
請求項5記載の発明においては発光表示器の前記反射ケース体内部における回転灯の発光部と対向する内壁面、すなわち、反射ケース体の天井面が前記回転灯の反射体の回転中心を対称軸とする多面体形状の凹面鏡になっており、回転灯の光源から発せられる照明光を凹面鏡により反射ケース体の第2領域に位置する傾斜面に向かって効率良く反射させるようにした。
請求項6記載の発明においては、発光表示器が反射ケース体の開口部の前面に透明カバーを有していると共に、透明カバーの前記第1領域または第2領域と対応する部分のうち少なくとも一方に図形や文字などを表示し、これが回転灯の発光部や反射ケース体の反射面の前方に位置するようにした。
請求項7記載の発明においては、発光表示器の反射ケース体を遊技機の窓孔部に対して上下反転取付け可能な構成、すなわち、遊技機側の窓孔に対する反射ケース体の開口部側における取付け部構造を回転対称形状とすることで、発光表示器を複数の態様で遊技機に取付け可能とした。
請求項8記載の発明においては、発光表示器の回転灯が、その本体部に回転灯の反射体を回転駆動するモータと、反射体の回転軸の中心付近に配置した多色発光光源とを含んでおり、多色発光光源は反射体の回転と同期して一回転中に複数回発光色が変化可能に制御される構成とした。
上記請求項1記載の発明によれば、回転灯を本体部も含めて発光表示器の反射ケース体の高さ範囲内にコンパクトに収めることが可能であると共に、回転灯の光源から発せられる照明光を反射ケース体の内壁面や天井面および傾斜面で反射させて発光表示器の縦方向全領域から前方に向かって発光させることが出来るので発光表示器全体の見栄えが良く、さらに回転灯の発光部が位置する第1領域と回転灯の本体部が位置する第2領域とでは回転灯の照明光の移動形態が異なるので視覚的効果も高くなる。
前記請求項2の発明によれば、反射ケース体の内部に設けた傾斜面に外周面を鏡面とした筒状体を一体に形成しているので、回転灯を反射ケース体に収容した場合に、その本体部の外面が鏡面の筒状体に覆われて美観が向上すると共に、筒状体の外周面に回転灯の発光部から照射される照明光の一部が反射して回転灯の本体部周辺を光らせる効果が発揮される。
前記請求項3の発明によれば、回転灯の照明光が、これを取巻く反射ケース体の垂直内壁面に反射して横方向に走るため、発光表示器を更にインパクトのある表示形態とすることができる。なお、本発明においては発光表示器の反射ケース体内壁面のうち、傾斜面および天井面は回転灯の光を反射可能な反射面とすることが必須であるが、回転灯の発光部を取巻く垂直な内壁面は必ずしも鏡面とする必要はない。ただし、請求項3のように回転灯の発光部を取巻く反射ケース体の内壁面を鏡面とすれば発光表示器の第1領域および第2領域が、同時に発光し、夫々異なる向きに反射光が走査する特殊な発光表示態様となるので、前述の如く垂直内壁面が鏡面でない場合と比較し、大幅に視覚的効果を増大させることが可能になる。
前記請求項4の発明によれば、回転灯の側面の実像を反射ケース体の垂直内壁面に反射させることで回転灯側面の虚像を複数出現させ、あたかも複数の回転灯が存在し、これらが同時点灯したかの如きインパクトに富んだ視覚的効果を発揮させることができる。
さらに、前記請求項5記載の発明によれば、発光表示器の第1領域または第2領域のうち回転灯の本体部を配置した領域において、天井面に反射した回転灯の照明光を傾斜面により前方に向かって反射させることで、回転灯の照明光があたかも点滅しながら回転するような特殊な発光態様とすることが出来、もう一方の領域において横方向に移動する回転灯の光の動きとの対比が明確になるので、視覚的効果がさらに高まる。
前記請求項6の発明によれば、発光表示器前面の開口部に設けた透明カバーに図形や文字などを表示し、回転灯や反射面の前方に固定表示を配置することで、回転灯の非点灯時は遊技者に回転灯の存在を意識させず、回転灯の点灯時は図形や文字の隙間から回転灯の強烈な光が前方へ洩れ出すようにすることで発光表示器による報知に意外性をもたせることが出来る。なお、文字や図形の背景部分にハーフミラー加工を施しておけば、回転灯が点灯している場合と点灯していない場合との対比を更に強調表現することができる。
前記請求項7記載の発明によれば、発光表示器の反射ケース体が遊技機の前面に設けた窓孔部に対して上下反転取付け可能となっていることにより、回転灯の取付角度を180度変更することが可能であり、これに伴って遊技者からの回転灯の反射光の見え方が変化するので、コストをかけずに発光表示器の視覚的効果を変更することができる。また、回転灯全体が反射ケース体内に収容され本体部が反射ケース体から突出しないので、発光表示部の反射ケース体を天地逆に取付けても反射ケース体の周囲の制御基板ケースやリールなど他の装置と干渉することがない。
前記請求項8の発明によれば、回転灯の発光時に、回転灯から前方へダイレクトに照射される照明光の色彩と、反射ケース体の内壁面に反射して前方に照射される照明光の色彩とを変化させることが可能であるため、発光表示器の内部にあたかも発光色が異なる複数の回転灯を内蔵しているかのような印象を遊技者に生じさせることができ、視覚効果を更に向上させることができる。
しかも、回転灯の反射体が一回転する間に生じる発光色の数を遊技の信頼度に応じて変更すれば、視認される回転灯の虚像を含む複数の回転灯の色数に応じてゲームへの期待感を報知することが出来る。例えば、赤色点灯している回転灯の数が、1個の場合は大当り信頼度が20パーセント未満と低く、2個の場合は大当り信頼度が50パーセント、3個の場合は100パーセント大当りと言うように、回転灯の発光色を制御することで複数通りの遊技情報を遊技者に伝達することが可能になる。
図1は、本発明を適用したスロットマシンの一実施形態を示している。
スロットマシンMは、前面に開口を有する矩形の筐体1の内部に後述するリールやメダルホッパおよびこれらを駆動制御するための電源ボックスや各種電装基板を収容すると共に、前記筐体1の左側開口縁に対し、前扉2の一側を図示なき上下一対のヒンジ金具により回動自在に蝶着することにより、前扉2が前記筐体1に対し開閉可能な構成となっている。
前記前扉2の上部には筐体1の幅と略等しい横長形状の上部フレーム2Aが取付けられており、上部フレーム2Aの中央位置には、遊技の進行に応じて発光する回転灯Pを内蔵した発光表示器3を取付ける為の窓孔30が形成されていると共に、発光表示器3を取付けた上部フレーム2Aの左右位置には一対の上部スピーカ4L、4Rが音響スリットを形成したカバーにより覆われた状態で取付けられている。また、前記発光表示器3の周囲には、透明なランプカバーの内部に複数のLEDまたは電飾ランプを内蔵した発光表示部5A、5B、5Cが配置されており、前記発光表示器3や前記上部スピーカ4L,4Rから発せられる報知演出と関連して色彩の変化や点滅や順次点灯などの発光表示動作を行うようになっている。
一方、前記発光表示器3の下方には、筐体1の内部に収容した3個のリール6a〜6cを視認するためのリール表示窓7を備えた透明な合成樹脂板からなる正面パネル8が設けられている。前記各リール6a〜6cは、その外周面に回転方向に沿って21コマの図柄が等間隔に配置され、図示なきステッピングモータにより同一方向へ個別に回転されるようになっていると共に、停止状態において各リール6a〜6c上に配置した21コマの図柄のうち、縦3コマ分の図柄が前記正面パネル8のリール表示窓7を通して視認可能となっている。なお、正面パネル8の前面には、後述するメダル投入口12から投入されたメダルの枚数に応じて設定される有効ラインの位置および本数を点灯等により表示する有効ライン表示器(図示せず)が配されている。
前記正面パネル8の下方には、遊技時に遊技者が操作するスイッチ類を配置した横長の操作部9が設けられている。この操作部9は、前記正面パネル8に隣接する上側操作パネル面10と、遊技者と対向する前側操作パネル面11とを有している。前記上側操作パネル面10の右端には、遊技に使用するメダルを投入するためのメダル投入口12が設けられ、左端部には遊技に使用するメダルの数を設定するための1ベットスイッチ13aおよびMAXベットスイッチ13bからなる賭けメダル数設定スイッチ13が設けられている。
前記1ベットスイッチ13aは、これを一回押下操作する毎に、1回の遊技に賭けるメダル枚数を1枚ずつ加算する押ボタンスイッチである。また、MAXベットスイッチ13bは、1回の遊技において賭け得るメダルの最大数を1回の押操作で設定可能とする押ボタンスイッチである。すなわち、MAXベットスイッチ13bを押操作した場合、クレジットにメダル残数が充分ある場合は、賭け枚数が最大賭け枚数、つまり3枚に設定される。また、クレジットにメダル残数が最大賭け枚数に満たない場合は、メダル残数の全てが賭け枚数に加算される。
14は前記正面パネル8のリール窓7の側方に設けられたメダル表示器であって、このメダル表示器14は、LEDタイプの7セグメント表示装置等からなり、遊技中に払い出されるメダル枚数(払出枚数)や、投入されてメモリーに記憶されたメダル枚数(クレジット枚数)や、スロットマシンに隣接配置される台間メダル貸し出し機から貸し出しされるメダルの枚数や台間機に挿入されたカードの残度数等を表示する。
一方、前記操作部9の前側操作パネル面11には、前記3個のリール6a〜6cの回転を開始させるためのレバー式の始動操作スイッチ15や、この始動操作スイッチ15の操作により回転を開始したリール6a〜6cを任意のタイミングで停止させるために、各リールに対応させて設けた停止スイッチ16(16a〜16c)が設けられている。
また、前側操作パネル面11の右端には、メダル投入口12から投入されたメダルが、前扉2の裏側に設置されたメダルセレクタ17内に停留した場合にメダルを強制排除するための返却ボタン18が併設されており、前扉2の開放端側には、前扉2の施錠状態を切り替えるためのシリンダ錠19が設けられている。
一方、前記前扉2の下半部には、遊技機のモチーフやキャラクタを意匠的に表現した下部パネル20が配置されており、下部パネル20はその背後に設けた蛍光灯や冷陰極管などのバックライト照明により発光するようになっている。下部パネル20のさらに下方には、役当選時の賞メダル、あるいは精算ボタン21の操作により前扉2の最下部に設けた受皿22内にメダルを送出するためのメダル払出口23が設けられている。また、前記受皿22の左端には灰皿24が設けられている。
かかる構成のスロットマシンMは、遊技者がメダル投入口12に遊技メダルを投入し、始動操作スイッチ15を操作すると遊技機内部では、前記始動操作スイッチ15の操作を契機に抽選が実行されるとともに、各リール6a〜6cの回転を開始させる。各リール6a〜6cが一定の回転速度に達した時点で、停止スイッチ16a〜16cの操作が有効となるので、遊技者が停止スイッチ16a〜16cを適当な順序で押操作すると、その操作タイミングと、前記遊技機内部の抽選結果とに基づいて、対応する各リールが所定の引込みコマ数で停止する。また、いずれかの入賞役に当選しているときに、停止スイッチ16a〜16cをタイミングよく操作すると、有効ライン上に当選役の図柄組合せが成立し、当選役に応じた所定枚数のメダルがメダル払出口23から受皿22に払い出される。
スロットマシンMは、メダル投入口12から投入された遊技メダルの枚数を、所定枚数、例えば50枚を上限として、遊技機内部のメモリーに記憶し、メダル表示器13にてこの枚数を表示する機能を備えている。そして、1ベットスイッチ13aまたはMAXベットスイッチ13bを押下することにより、所定枚数ずつ上記メモリーから減算し、同時に次回遊技の賭け数として設定して遊技に供することが可能になる。
次に、本発明の要部である発光表示器3の構成について詳述する。図2は本発明にかかる発光表示器3を備えたスロットマシンの実施例を示す側断面図、図3は同発光表示器3の分解斜視図、図4は同発光表示器の平断面図であり、これら各図において前記図1と共通する符号を付した箇所は夫々同一部材、同一部分を示している。
発光表示器3は、前記上部フレーム2Aに形成した矩形の窓孔30に背後から装着され、アクリル樹脂やポロカーボネートなどの対衝撃性に優れたプラスチックで成型された透明カバー31と、前ケース32Aおよび後ケース32Bとして前後に2分割された合成樹脂製の上部ケース32と、上部ケース32内に画成される役物収容空間に内蔵された本発明の要部をなす反射ケース体33と、同反射ケース体33によって保持された市販の回転灯Pと、前記上部ケース32の背面に止着された基板ケース34Aに収容された回転灯Pの制御基板34とから構成されている。
前記上部ケース32を構成する前ケース32Aおよび後ケース32Bのうち、前記前ケース32Aは、前面に前記上部フレーム2Aに設けた窓孔30と略等しい大きさの開口を有し、側面から水平外方に突出形成した複数の取付けリブ35を上部フレーム2Aの背面にビス止めすることにより、前ケース32Aの前面で透明カバー31を上部フレーム2Aの窓孔30の周囲に押し付けた状態で上部フレーム2Aの背面に固定される。また、後ケース32Bは、前記前ケース32Aとの間に反射ケース体33を挟持した状態で、反射ケース体33の上下に突出した4箇所の取付け部36を後ケース32Bの四隅に設けた取付け座部37と共に、前ケース32Aの背後にネジで共締めすることにより前ケース32Aを介して上部フレーム2Aに固定されている。なお、反射ケース体33は全体形状および取付け部36の配置が上下反転取付け可能な回転対称構造になっている。
前記反射ケース体33は、通常、ABS樹脂などの合成樹脂材料や金属板により前面に開口を有する横長の箱体形状に成型され、内壁面が表面にアルミやクロムなどのメッキ層を施すことで鏡面状態に仕上げられている。また、反射ケース体33の内部は主として回転灯Pの発光部P1が位置する上半部の第1領域38Aと、回転灯Pの本体部P2が位置する下半部の第2領域38Bとに分かれている。前記第1域38Aにおいて回転灯Pの発光部P1を取巻く内壁面39は図4に示す如く、遊技者の視線の方向、即ち、スロットマシンMの前後方向に対して平行な両側の垂直面39a、39eと、スロットマシンMの前後方向に対して約45度の角度で交わる2つの垂直面39bおよび39dと、回転灯Pの背後に位置する垂直面39cを含む五面体構造になっている。
一方、前記第2領域38Bにおいて、反射ケース体33の底面は、回転灯Pに内蔵された反射体Rの回転中心軸Oと約45度の角度で交わるように、後方に向かって約45度傾いた傾斜面40になっていると共に、傾斜面40には、回転灯Pの本体部P2を挿通可能な太さの筒状体41が、前記斜面部40を垂直に貫通するように一体形成されている。なお、前記傾斜面40および筒状体41の外周面は、金属メッキ層を形成した鏡面になっており、回転灯Pの本体部P2を囲繞することで本体部P2の外観的な装飾効果を高めると共に、回転灯Pの発光部P1から照射される照明光を反射ケース体33内で多重反射させることで、前記上部フレーム2Aに設けた窓孔30から遊技者に向かって放出する。
一方、反射ケース体33の前記傾斜面40と対向する天井面42は、前記筒状体41に保持される回転灯Pの反射体Rの回転中心軸と略直交していると共に、全面が前記回転灯Pの照明光を前記斜面部40に向かって反射可能な反射面に構成されている。反射面の具体的な構成としては、例えば、天井面42に微細な凹凸を形成し、その表面を金属メッキ層で覆って乱反射面としたり、ダイアカットと称される規則的な凹凸形状の鏡面にしたりすることによって天井面42で全反射させた回転灯Pの照明光を前記傾斜面40に向かって反射させる作用をなす。
図5および図6は天井面42の実施形態を例示したもので、天井面42は前記回転灯Pの中心軸線と交差する点Qを対称軸とする多面体形状の凹面鏡構造をなしており、点Qから複数の谷線Vが放射方向に延びている。天井面42を多面体形状とした理由は、回転灯Pの光源から反射体Rに反射して旋回する照明光があたかも点滅しながら旋回しているように見せるための工夫である。すなわち、天井面42は上記のような多面体反射鏡構造でなく、連続した凹湾曲面とすることも可能であるが、この場合は回転灯Pの照明光が傾斜面40で反射して連続的に旋回しているように見えるので視覚的なインパクトは、天井面42を多面体構造の反射面とする場合より低くなる。なお、天井面42の断面形状は装置スペースが十分取れる場合は、回転灯Pの光源を中心とする放物面とするのが理想的であり、このようにすれば、回転灯Pから天井面42に向かう光の多くを平行光線として傾斜面40方向へ反射させることができる。
前記反射ケース体33の内壁面である第1領域38Aの垂直面39a、39b、39c、39d、39e、傾斜面40、筒状体41の外周面、天井面42はいずれも表面に金属メッキ層を形成することにより、鏡面仕上げがなされており、回転灯Pが非点灯状態時における発行表示器3の外観を向上させると共に、回転灯Pの照明光を効率良く遊技者に向けて発光させることができる構成となっている。
前記透明カバー31には、その背面に文字や図形を印刷した表示シールSが貼付されている。この表示シールSは透明フィルムの片面に、例えば『CHANS−GAME』『BONUS−GET』などのように、回転灯Pが点灯した場合において遊技者にとって有利なゲーム状態を意味する文字やゲームのモチーフとなるキャラクタ等の図形を、透明インクまたは不透明インクにより印刷され、表示シールSの片面に塗布された粘着剤により透明カバー31の内面に貼り付けられる。
前記表示シールSの大きさおよび印刷領域は、例えば、図3に示すように反射ケース体3の第2領域38B、すなわち、反射ケース体3の下半部において回転灯Pの本体部P2が位置する側を覆う大きさにすることで、回転灯Pが非点灯時は表示シールSの存在により、第2領域38Bの傾斜面40が、文字や図形によって視認し難い状態とし、回転灯Pが点灯した場合は、表示シールSを貼付していない透明な第1領域38Aから回転灯Pの発光部P1からの照明光が遊技者に向かって照射されると共に、第2領域38Bからは天井面42および傾斜面40によって反射した回転灯Pの照明光が、文字や図形の隙間から前方に照射されるので、遊技者は回転灯の点灯によって、遊技機が特別なゲーム制御状態に入ったこと、あるいは特別なゲーム状態に入った可能性が高いことを強烈な視覚的インパクトをもって知ることが可能となる。
図1乃至図4に示す実施形態においては、表示シールSを発光表示器3の窓孔30内における下半分の領域、すなわち、第2領域38Bにのみ設ける場合を開示したが、表示シールSを貼る位置は別段、上半部の第1領域38Aでもよく、この場合は、回転灯Pの点灯時に回転灯Pの発光部P1から水平方向に照射される照明光が表示シールSに書かれた文字や図形の間から断続的に前方に向かって照射されると共に、第2領域38Bからは、透明カバー31を通して天井面42および傾斜面40によって反射した回転灯Pの照明光が遊技者側に照射され、発光表示器3全体に平均した明るさが得られるため、回転灯Pの眩しさを押えることが出来る。更に、表示シールSを窓部30と略同じ大きさにし、文字や図形を透明カバー31の略全体に亘って表示することも可能であり、この場合は、発光表示器3自体にメッセージ表示機能をより多くもたせることが出来る。
前述したように反射ケース体33は全体形状および取付け部36の配置が上下反転取付け可能な回転対称構造になっており、反射ケース体33の第1領域38Aおよび第2領域38Bの配置を反射ケース体33の取付け角度によって反転することが可能であるため、例えば、表示シールSを図1に示すように下半分に貼り付けている場合には、反射ケース体33の上下の組み付け状態を変更するだけで、回転灯Pの取付け角度を変更することが出来ると共に、表示シールSで隠される部分を回転灯Pの発光部P1側にしたり、本体部P2側にしたり自由に変更することができる。
また、上記の実施形態では表示シールSを透明なフィルムに文字や図形を印刷インクで印刷して構成した場合について説明したが、シートS又は透明カバー31を薄膜の金属メッキ層をコーティングしたハーフミラー仕様とし、そこに文字や図形を印刷するようにすれば、回転灯Pが点灯していない場合は、遊技場内の照明がシートS又は透明カバー31の表面で反射して遊技者に回転灯Pが視認し難いため、回転灯Pの存在を意識させることなく文字や図形の情報を強調表示すると共に、回転灯Pが点灯したときは明るい照明光が透過して回転灯Pによるインパクトの強い発光表示を行うことが可能となる。
前記図2において符号50を付した部品は、筐体1の内部において発光表示器3の後方の壁面に固定された透明の主制御基板ケースであって、この主制御基板ケース50内には、前記メダル投入口12から投入されたメダルの枚数や、メダル数設定スイッチ13の操作により設定されたメダル枚数を一時記憶するRAMや、始動操作スイッチ15の操作に応じて内部抽選を実行すると共にリール6a〜6cの回転開始制御を実行したり、遊技者による停止スイッチ16の操作に応じてリール6a〜6cの停止制御を実行したり、停止したリールの図柄の組合せに応じて賞メダルを排出すべくホッパー装置に駆動指令信号を送信したりするCPUや、遊技の制御プログラムを記憶させたROMなどを実装した図示なき前記制御基板が格納されている。
図7および図8は発光表示器3の作用を説明するための概要図である。図7は発光表示器3の側断面図、図8は発光表示器3の正面図を夫々示している。これらの図において前記図1乃至図6と共通する符号を付した箇所は夫々同一部材、同一部分を示している。
回転灯Pが遊技情報を遊技者に伝達するべく発光している場合は、発光部P1の中心に設けた光源P3から鉛直上方に放出される照明光の大半が反射体Rに反射して水平方向に転向すると共に、本体部P1に内蔵されたモータにより反射体Rを回転させることによって発光部P1の周囲に旋回しながら照射される。発光部P1から水平に放射された照明光は、前記第1領域38Aにおいて反射ケース体33の内面に反射し、図8のようにあたかも複数の回転灯Pが同時に点灯しているかのように遊技者から視認されると共に、発光表示器3の中央の回転灯Pと反射ケース体33に写り込んだ回転体Pの虚像P’では、その照明光の進む方向が逆転している為、より一層インパクトの有る発光表示態様とすることができる。
一方、前記回転灯Pの本体部が位置する第2領域38Bにおいては、回転灯Pの光源から上方に放射され拡散した照明光が反射ケース体33の天井面42に反射し、鉛直下方の傾斜面40に向かうと共に、傾斜面40の鏡面で反射して遊技者側に向かうため、発光表示器3の下半部から回転する照明光の動きが視認される。傾斜面40に反射する天井面42の照明光の動きは、反射体Rの回転による旋回動作であり、図8のように回転灯Pの本体部P2を中心とする回転動作として遊技者に視認される。したがって、発光表示器3の高さHの発光領域全体としては、上半部の第1領域38Aが照明光の水平な動きとして視認され、下半部の第2領域38Bが旋回動作として視認されるので、従来の回転灯Pを使用した発光表示器に比べて迫力有る発光態様が遊技者に向けて表示されることになる。
図9は本発明にかかる発光表示器3の異なる使用形態を示す概要図である。図中、前記図7と同一符号を付した部分は同一部材、同一部分を示している。この実施形態では、反射ケース体33が図7とは上下反対の組み付け状態となっている。したがって、発光表示器3の高さHの発光表示領域においては、回転体Pの本体部P2を収容した第2領域38Bが発光表示器3の上半部に位置し、発光部P1を収容した第1領域38Aが下半部に位置している。
したがって、回転灯Pの発光部P1からの照明光は下半部の第1領域38Aにおいて横方向へ断続的に走行する照明光として遊技者に視認されるとともに、上半部の第2領域38Bにおいて回転灯Pの本体部P2を中心に回転する照明光として視認される為、前記図7と異なる発光表示態様を呈することができる。なお、発光表示器3の前面に設けた透明カバー31に文字や図形を印刷した表示シールSを第1領域38A又は第2領域38Bに片寄らせて貼り付けた場合は、特に反射ケース体33の組み付け態様を変更するだけで、文字や図形の影になって隠される部分や透明カバー31を通して直接視認できる領域が変化する。
なお、上記の説明では反射ケース体33の正面形状が横長方形のため、上下反転して取付ける場合のみ説明したが、反射ケース体33の正面形状が正方形や円形あるいは正多角形など回転対称形状とし、取付部を同様の回転対称位置に設けた場合は、どの角度にでも反射ケース体33を組み付けることが可能であり、更に、発光表示器3の表示形態を多様化することが可能になる。
図10は本発明にかかる発光表示器の他の実施形態を示す概要図である。この実施形態においては、反射ケース体133として前記上部フレーム2Aに形成した矩形の窓孔30に適合する矩形の前面開口を備えた半円筒形状とし、回転灯Pの発光部P1の周囲を包囲する上半部の第1領域38Aの垂直壁139を凹湾曲円筒形状の鏡面とした。また、反射ケース体133の半円形の底部は後方に約45度傾いた傾斜面140となっており、傾斜面140の中央部に筒状体141を鉛直方向に貫通させて一体化した構造となっていると共に、前記傾斜面140および筒状体141の外周面は金属メッキ層を施した鏡面になっている。
更に、回転灯Pの発光部P1と対向する天井面142は回転灯Pの反射体Rの回転軸と直交する平面形状となっていると共に、天井面142は回転体Pの発光部の照明光を前記傾斜面140に向かって反射させる為の反射面として、鏡面加工が施されている。
上記構成からなる発光表示器は、図11および図12に示すように、回転灯Pの光源P3から鉛直上方に放射される照明光の大半が反射体Rに反射して、水平方向に放射され、垂直壁139で反射して前方に放射されるが、反射体Rを反れた照明光は天井面142や垂直壁139あるいは筒状体141の外周面で多重反射して拡散しつつ前方に照射されるため、第1領域38Aおよび第2領域38Bが同時に回転灯Pの照明光を反射して発光表示を実行することになる。なお、前記第1領域38Aでは回転灯Pの発光部P1から水平に照射される光が半円筒状の垂直壁に反射しながら水平方向に連続的に移動する発光形態が実行されると共に、第2領域38Bでは天井面142の反射光が回転灯Pの本体部P2を中心として旋回するように移動する。これによって発光表示器全体では、照明光の移動が複合された興趣に富む発光態様が実現される。
つぎに、本発明に係る発光表示器に適用可能な回転灯の実施形態について説明する。図13は本発明にかかる回転灯の実施形態を示す斜視図、図14は図13に示す回転灯の作用を説明する為の説明図である。前記図1乃至図12に示した第1の実施形態と同一符号を付した箇所は同一部分を示している。
回転灯Pは円筒形の本体部201の内部にステッピングモータ202を内蔵しており、モータ202の出力軸203を鉛直方向に配置した状態で支持されている。モータ202の出力軸203の上端にはワンチップ型の多色発光LEDからなる発光体204を中心部に保持する円盤205が止着されている。円盤205と前記本体部201との間には図示しない公知の発電機構が設けられている。外部からのパルス入力によってステッピングモータ202が回転すると、円盤205が回転して本体部201との間に相対運動が生じることにより、発電機構が動作して発光体204に電力を供給する。
前記円盤205の下面には、本体部201側に固定したフォトセンサ206の発光部と受光部との間を通過可能な舌片状の検出板207が取付けられている。このフォトセンサ206は円盤205の上面に取付けられた反射体208の回転角度位置を検出するためのもので、検出板207がフォトセンサ206を通過した位置を基点とし、円盤205が何ステップ分回転したかによって反射体208の角度位置が検出される。なお、前記円盤205の中心部に設けた前記発光体204は、外部の制御基盤から図示なきスリップリング機構や無線通信回路を介して入力されるの発光指令信号にしたがって複数の色彩にて発光可能な構成となっている。前記本体部201の上部には円盤205および発光体204ならびに反射体208からなる発光部を保護する透明カバー209が取付けられている。
図14は上記構成からなる回転灯Pの作用を示したもので、例えば、ステッピングモータ202として300ステップ仕様のモータを使用すると仮定すると、300ステップ分の駆動パルスを入力すると円盤205が1回転するので、矢印X方向に100ステップ進むごとに発光体204の発光色を赤色→黄色→青色の順に変更する指令を制御基板から送信すれば、反射体208が1回転する間に120度毎に発光体204が三色に変化する。しかも、円盤205の回転位置の原点は、フォトセンサ206内を検出板207が通過するたびに公知のリール制御の場合と同様にステッピングモータ202を駆動する為のパルスカウンタがリセットされる方式が採用されるため、色変化する角度位置は常時一定である。
このように、回転灯Pが1回転する間に発光体204の発光色を複数に変化させる場合は、前記図4のように第1領域38Aにおいて回転灯Pの周囲の鏡面に回転灯Pの発光部が複数の虚像として視認される状況において、鏡面内に投影された複数の回転灯Pの虚像P´が夫々異なる発光色の回転灯Pとして視認され、従来の単色発光の回転灯に比べてより変化に富む発光表示を行うことが可能になる。
なお、回転灯Pの発光色は前述の図14に示す実施形態のように、常時一定の角度範囲にて同一色彩の発光を行わせ、複数の回転灯を設置しているような錯視を生じさせる以外にも、複数の発光色にランダムに切り替えるようにすれば、より派手な発光演出を実行することが可能となる。
上記のように制御基板からの指令により発光色を複数切替え可能とした発光表示器は、例えば、遊技の進行中に遊技者が大当りに内部当選したような場合、その発光色の変化によって大当り信頼度を暗示的に報知することが可能である。
例えば、図14に示す色彩発光領域のうち、1つの領域のみ赤色点灯し、他は赤色と異なる色彩で発光させた場合、発光表示器の外観は、鏡面に写り込んだ複数の回転灯の虚像P´と実物の回転灯Pとからなる複数の回転灯Pの一つのみが赤色点灯するため、この場合の信頼度は20パーセント以下になる。また、図14に示す色彩発光領域のうち、2つの領域を赤色点灯させた場合は、鏡面に写り込んだ虚像を含む複数の回転灯Pのうち、2個が赤色点灯する為、この場合の報知信頼度は50パーセント以上と報知される。更に、図14に示す色彩発光領域のうち、3個全ての領域を赤色点灯し、図14に示す色彩発光領域のうち、3個全ての領域にて赤色点灯し、鏡面に写り込んだ虚像を含む複数の回転灯Pが全て赤色点灯すれば100パーセント大当りというように、回転灯Pの発光態様を変更することによって、新たな遊技情報を遊技者に伝達することが可能になる。
勿論、回転灯Pの発光色による信頼度報知は抽選によって演出内容が決定されるので、例えば、内部抽選が大当りの場合は、信頼度100パーセントの報知演出コマンドが選択される確率が最も大きい演出抽選テーブルが選択されると共に、内部抽選がハズレの場合は、当然、信頼度100パーセントの演出コマンドが選ばれる確率は0であって、20パーセント以下の信頼度演出が選ばれる確率が最も大きい演出抽選テーブルに切替られる。
回転灯Pの発光色の変化のみでなく、回転灯Pの反射体Rの回転方向を変化させたり、反射体Rの回転方向変化と発光色変化とを組合せたりすることで、より複雑な信頼度報知などの遊技情報を発光表示器に付与することもできる。
なお、上記の各実施例についてはスロットマシンに適用する発光表示器を例示して説明したが、本発明はパチンコ機や他の遊技機にも同様に適用することが可能である。例えば、公知のパチンコ機に適用する場合は、遊技盤の中央のセンター役物取付け位置に窓孔を設け、窓孔の背後に対し、図3で例示した構成の発光表示器を取付ければ、容易に構成することができる。このように回転灯Pをパチンコ遊技機のセンター役物として組み込んだ場合は、遊技盤の背面側において回転灯Pの本体部が発光表示器の取付範囲から外方に突出する恐れが無く、他の制御基板のケースと回転灯の本体部とが干渉することが無い。