JPH0326166Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、内外装用のパネルを建物等の下地
壁面に固着するためのパネル固着具に関するもの
である。

〔従来技術およびその問題点〕

この種のパネル固着具としては、第１図および
第２図に示すように、内外装工事においてパネル
２を釘、ビス又は接着剤により固着させる為に、
下地壁面１へ格子組みして取付けられる胴縁３が
一般に知られている。また第２図に示すような胴
縁３も知られている。

更に下地壁面にパネルを取付けるものとして
は、第３図に示すように接着モルタル４でパネル
２を固着するものも知られている。

しかし第１図や第２図に示した胴縁では、下地
壁面とパネル間の寸法を広くしたり狭くしたりす
る必要がある時に、胴縁を所定の寸法のものに代
えて組み直さなければならない。また第２図に示
すような胴縁であると、その断面形状は一定であ
り、断面形状を変えることができないため、パネ
ル２を不陸なく取付けるには、下地壁面１の不陸
調整を行う必要がある。

このように従来の固着具である胴縁は、前述し
た作業（組み直し・下地壁面の不陸調整）などを
必要とし、コストが高くなる等の問題点がある。

また、第３図に示した接着モルタルを使用する
場合、まず墨出しによりパネル位置の基準となる
下地モルタルの饅頭を作り、これを基準にパネル
を貼るという作業が必要になる。そのためパネル
を不陸なく貼り付けるのに時間がかかると共に、
湿式工法であるために、作業現場が汚れたり、施
工後に黴が発生する等の問題点がある。

そこで、これらの従来技術の問題点を解決した
パネル固着具として、例えば実開昭50−33505号
公報に示されているような、螺合部の端部に垂直
にプレートを設けてなる雌型支持具と、螺入部の
端部に垂直にプレートを設けてなる雄型支持具と
から形成され、前記各プレートをパネルまたは下
地壁面に当接させて取付けて前記螺合部へ前記螺
入部を螺入させることにより、パネルと下地壁面
との間隔を調節可能にしてパネルを下地壁面に取
付ける為のパネル固着具が提案されている。

しかし、近年は、下地壁が構造躯体へロツキン
グ機構により取付けられていることが多くなり、
そのため前述した従来例のようにパネルが下地壁
へ剛に固定されていたり、前述の実開昭50−
33505号公報に示されたパネル固着具でパネルが
下地壁に固定されていると、下地壁が地震時等に
ロツキング現象を起こしたときにパネルの亀裂や
剥離等の故障を起こさせてしまう。

〔考案の目的〕

この考案は螺合部の端部に垂直にプレートを設
けてなる雌型支持具と、螺入部の端部に垂直にプ
レートを設けてなる雄型支持具とから形成され、
前記各プレートをパネルまたは下地壁面に当接さ
せて取り付け、前記螺合部へ前記螺入部を螺入さ
せることにより、パネルと下地壁面との間隙を調
節可能に構成したパネルを下地壁面に取り付ける
為のパネル固着具に於いて、前記雄型支持具の螺
入部は、その軸方向に長く、且つ該雄型支持具の
螺入部の前記雌型支持具に螺入されれない部分の
長さが前記雌型支持具の螺合部の軸方向長さより
も長い長さであると共に、該雄型支持具の螺入部
が弾性体で形成されていることを特徴とするパネ
ル固着具に係るものである。

そしてこの考案のパネル固着具は、前記雄型支
持具の螺入部がその軸方向に長く、かつ該雄型支
持具の螺入部の雌型支持具に螺入されない部分の
長さが雌型支持具の螺合部の軸方向長さよりも長
い長さであるとともに、該雄型支持具の螺入部が
弾性体で形成されていることを特徴とする。

即ちこの考案の固着具は、雄型支持具と雌型支
持具の各プレートをパネルまたは下地壁面に当接
させて取付けて前記螺合部への前記螺入部の螺入
量を調整することにより、パネルと下地壁面との
間隔を調節可能にするという長所を残して、更
に、雄型支持具の螺入部をその軸方向に長くし、
該雄型支持具の螺入部の雌型支持具に螺入されな
い部分の長さも雌型支持具の螺合部の軸方向長さ
よりも長い長さとし、その上、雄型支持具の螺入
部を弾性体で形成したものである。

〔実施例〕

以下この考案のパネル固着具を図示する実施例
によつて説明する。

第４図、第５図、第６図に示すように、パネル
固着具５は、螺合部６ａの端部に対し垂直に方形
のプレート６ｂを設けてなる雌型支持具６と、螺
入部７ａの端部に垂直に円形のプレート７ａを設
けてなる雄型支持具７とから形成されている。

そして雄型支持具７は、その螺入部７ａを雌型
支持具６の螺合部６ａに螺入可能に構成されてい
る。この実施例では、螺入部７ａにネジが切つて
あると共に、螺入部７ａに対応するネジ切りが螺
合部６ａになされており、螺入可能に構成されて
いる。また雄型支持具７の螺入部７ａは、その軸
方向に長く、かつ該螺入部７ａの雌型支持具６に
螺入されない部分の長さが、雌型支持具６の螺合
部６ａの軸方向長さよりも長い長さでのものであ
る。さらにこの雄型支持具７の螺入部７ａは、ナ
イロン・プラスチツク等の柔軟性材料である弾性
体で形成されている。

なお雌型支持具６および雄型支持具７の各プレ
ート６ｂ，７ｂは、この実施例で示した方形、円
形に限らずどのような形状でもかまわないが、図
面に示したように、螺合部６ａや螺入部７ａの直
径よりも充分に大きいことが好ましい。

以上のような構成からなるこの考案のパネル固
着具５を使用する際には、まず雌型支持具６を下
地壁面１の所定位置へ複数取付ける。この取付け
は、プレート６ｂを下地壁面１に当接させて、釘
やビスや接着剤等によつて固定することで行われ
る。

次に下地壁面１に取付けられた雌型支持具６の
螺合部６ａへ、雄型支持具７の螺入部７ａを螺入
する。

そしてこのように雌型支持具６へ取付けられた
雄型支持具７のプレート７ａに、釘やビスや接着
剤等によつてパネル２を固定する。このときパネ
ル２は不陸になつていない。

なおこの時、下地壁面１には、雌型支持具６の
代わりに雄型支持具７を取りつけてもよい。この
取付けは雌型支持具６と同様にプレート７ｂで行
う。

このようなパネル固着具の取付けの大略は、前
述した実開昭50−33505号公報等に記載された固
着具と同様である。

〔考案の効果〕

この考案は、以上のような構成からなり、施工
性や経済性に優れていると共に、雄型支持具の螺
入部がその軸方向に長く、かつ該雄型支持具の螺
入部の雌型支持具に螺入されない部分の長さが雌
型支持具の螺合部の軸方向長さよりも長い長さの
ものであり、更に、該雄型支持具の螺入部は弾性
体で形成されている。

そのため地震時に下地壁面がロツキング現象を
起こしても、この雄型支持具の螺入部で下地壁の
変形を吸収できる。このことは、地震時のロツキ
ング現象による下地壁面の不陸現象をパネルへ影
響を与えることがない。

このようにこの考案のパネル固着具は免震性に
おいて優れた効果を示す。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は従来の固着具によるパネ
ル取付状態を示す縦断面図、第３図は従来のパネ
ル取付状態の別態様を示す縦断面図、第４はこの
考案のパネル固着具を示す分解斜視図、第５図は
この考案のパネル固着具を示す正面図、第６図は
この考案のパネル固着具によるパネル取付状態を
示す縦断面図である。 １……下地壁面、２……パネル、３……胴縁、
４……接着モルタル、５……固着具、６……雌型
支持具、６ａ……螺合部、６ｂ……プレート、７
……雄型支持具、７ａ……螺入部、７ｂ……プレ
ート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 螺合部の端部に垂直にプレートを設けてなる雌
   型支持具と、螺入部の端部に垂直にプレートを設
   けてなる雄型支持具とから形成され、前記各プレ
   ートをパネルまたは下地壁面に当接させて取り付
   け、前記螺合部へ前記螺入部を螺入させることに
   より、パネルと下地壁面との間隙を調節可能に構
   成したパネルを下地壁面に取り付ける為のパネル
   固着具に於いて、前記雄型支持具の螺入部は、そ
   の軸方向に長く、且つ該雄型支持具の螺入部の前
   記雌型支持具に螺入されない部分の長さが前記雌
   型支持具の螺合部の軸方向長さよりも長い長さで
   あると共に、該雄型支持具の螺入部が弾性体で形
   成されていることを特徴とするパネル固着具。