JPH0324724Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は建築現場等に仮設される簡易住宅、事
務所及び物置等の組立式建築物に関する。

（従来技術とその問題点） 従来の組立式建築物は鉄骨を枠組し、その鉄骨
に壁パネル、床パネル及び屋根パネルを組付けた
ものであり、次のような問題点がある。

枠組用の鉄骨、壁パネル、床パネル、屋根パネ
ル、及び枠組と各パネルとを連結する多数のね
じ、ナツト等の多くの構成部品からなるのでコス
トが高い。

また構成部品が多いので工程数が多いととも
に、各構成部品の位置決めをしながら組立てるの
で組立時間が著しく長い。

（技術的課題） 本考案が解決しようとする技術的課題は、構成
部品を少なくし且つ各構成部品の位置決めを不要
にすることにある。

（技術手段） 前記課題を解決するための技術手段は、床パネ
ル上に壁パネルを配置すると共に該壁パネル上に
わたつて屋根パネルを載設して組付けてなる組立
式建築物であつて、上記壁パネル同士の係合部に
おける一方の壁パネルに上下方向の凹溝を、他方
の壁パネルに該凹溝に嵌合する凸条を各々設け、
それら凹溝と凸条とを嵌合固定して壁パネル同士
を連結すると共に、上記凹溝と凸条との嵌合境界
部に支柱ボルト通し孔を壁パネルの上下方向に貫
通して設け、且つ前記床パネル及び屋根パネルに
おける上記支柱ボルト通し孔に対応する部位にも
同様に支柱ボルト通し孔を各々設け、屋根パネ
ル、壁パネル及び床パネルの各支柱ボルト通し孔
に支柱ボルトを貫挿して、屋根パネル、壁パネル
及び床パネルを一括して締め付けしてなるという
ことである。

（実施例） 本考案実施の一例を図面により説明する。

本実施例の組立式建築物は建築現場等に仮設す
る簡易事務所であり、床パネル３、壁パネル１及
び屋根パネル２よりなる。

床パネル３は角パイプにより構成した四角枠３
ａに梁３ｂを適宜間隔をおいて架設し、床板３ｃ
を覆設したものであり、前記四角枠３ａの四隅に
支柱ボルト通し孔６ａを各々穿設するとともに、
その近傍には土台となるジヤツキボルト１０を高
さ調整自在に螺合させる。

各壁パネル１は上記床パネル上面に載設するも
ので、外壁パネル１ａと内壁パネル１ｂとの間に
桟１ｃを適宜個数渡して設けたものであり、窓１
ｄ又は扉（図示せず）が適宜設けられている。

各壁パネル１の嵌合構造を第３図、第４図によ
り説明する。

一方の壁パネル１の端部１ｅに凹溝４を形成す
るとともに、他方の壁パネル１の端部１ｆに前記
凹溝と嵌合する凸条５を形成する。この凸条５に
左右方向の貫通孔５ａを複数開設するとともに、
凸条５と凹溝４とが嵌合した時貫通孔５ａと連続
する左右方向の貫通孔４ａ，４ｂを凹溝４の両側
部に各々開設し、一方の貫通孔４ａにナツト８を
埋設するとともに、他方の貫通孔４ｂには座ぐり
４ｃを設ける。

また前記凸条５と凹溝４との嵌合境界部には支
柱ボルト通し孔６ｂを壁面パネル１の上下方向に
貫通して穿設するものであり、上記床パネル３に
穿設した支柱ボルト通し孔６ａと連通するもので
ある。この通し孔６ｂは凸条５と凹溝４とに断面
半円ずつ形成する。このようにすることによつて
非常にめんどうな深孔加工が不要となり、フライ
ス加工等の容易な加工で形成することができる。

而して前記各壁パネル１の嵌合構造は、各壁パ
ネル１の凸条５と凹溝４とを嵌合させてから、六
角ボルト９を貫通孔４ｂ，５ａ，４ａに通してナ
ツト８に締め付けることによつてなされる。

屋根パネル２は前記壁パネル１で囲われた空間
部を覆う板材であり、前記支柱ボルト通し孔６ｂ
と対応して連通する支柱ボルト通し孔６ｃが四隅
に開設されている。

支柱ボルト７はその頭部に吊持環７ａ及び座部
７ｂを一体に形成したボルトであり、屋根パネル
２、壁パネル１及び床パネル３の各支柱ボルト通
し孔６ａ，６ｂ，６ｃを貫通することによつて各
部材１，２，３を位置決めするものである。

而して本実施例の組立手順を説明すれば、先ず
床パネル３を地上に配置し、ジヤツキボルト１０
を調整して水平を出す。次に壁パネル１を床パネ
ル３上で嵌合固定させ、この壁パネル１上に屋根
パネル２を載設する。そして各支柱ボルト通し孔
６ａ，６ｂ，６ｃに支柱ボルト７を貫挿させてナ
ツト１１にて一括して締め付けるものである。

（作用、効果） 本考案は以上のように、構成したので次のよう
な作用、効果がある。

鉄骨を用いず壁パネル、床パネル、屋根パネル
を組立て構成するので、構成部品の数が著しく少
なくコストダウンできるとともに組立工程数が減
少する。

また壁パネル同士は凹溝と凸条を嵌合させるこ
とによつて必然的に位置決めされるとともに、床
パネル及び屋根パネルも支柱ボルトによつて一括
して締め付けられることによつて必然的に位置決
めされるので、位置決め工程が全く不要となり、
組立て時間が著しく短縮される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の組立式建築物を示す一
部切欠横断平面図、第２図はその一部縦断正面
図、第３図は第１図の要部拡大横断平面図、第４
図は第２図の要部拡大縦断正面図である。 図中、１……壁パネル、２……屋根パネル、３
……床パネル、４……凹溝、５……凸条、６ａ，
６ｂ，６ｃ……支柱ボルト通し孔、７……支柱ボ
ルト、である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 壁パネル同士の係合部における一方の壁パネル
   に上下方向の凹溝を、他方の壁パネルに凹溝用の
   凸条を夫々設け、かつ各壁パネルの凹溝と凸条と
   の嵌合境界部に支柱ボルト通し孔を上下方向に貫
   通開設し、屋根パネル及び床パネルにおける上記
   支柱ボルト通し孔対応部位にも同様に支柱ボルト
   通し孔を夫々開設し、床パネル上に配置した各壁
   パネルの凹溝と凸条とを嵌合固定し、それら各壁
   パネル上にわたつて屋根パネルを載置し、壁パネ
   ル、屋根パネル、床パネルの各支柱ボルト通し孔
   に貫挿した支柱ボルトの端部にナツトを螺合し、
   該壁パネル、屋根パネル、床パネルを一括して締
   付け構成した組立式建築物。