JPH0623610Y2 - 玄関壁 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 この考案は、外壁から入り込んだ耐力壁構造の玄関壁に
関するものである。

〔背景技術〕

従来、間仕切壁等となる耐力壁パネルとして、第５図に
示すように、両側端面の下部に脚部２を突設した耐力壁
パネル１が用いられている。

このような耐力壁パネル１を、外壁から入り込んだ玄関
の袖壁に用いることにより、袖壁と間仕切壁との部材の
共通化および作業の標準化を図ることを試みた。

しかし、脚部２が突出するため、耐力壁パネル１と外壁
との間に隙間が生じ、また耐力壁パネル１の屋内側端に
沿って設ける柱と耐力壁パネル１の間にも隙間が生じ、
これらの隙間を納めることが困難であった。また、前記
柱を前記耐力壁パネルに固定することが困難であった。

〔考案の目的〕

この考案の目的は、両側端面に突出した脚部を有する耐
力壁パネルを袖壁に用いながら、その脚部の上方に生じ
る隙間の納まりがよく、また耐力壁パネルの屋内側端に
設けるスペーサの固定が簡単な玄関壁を提供することで
ある。

〔考案の開示〕

この考案の玄関壁は、外壁から入り込んだ玄関の袖壁
を、両側端面の下部に脚部が突出した耐力壁パネルで形
成した玄関壁であって、前記脚部の上方で隣接部材との
間に生じる隙間に、外壁側スペーサおよび第１屋内側ス
ペーサを設けたものである。これら外壁側スペーサおよ
び第１屋内側スペーサに各々外壁側目板および屋内側目
板を固定し、かつ第１屋内側スペーサに第２屋内側スペ
ーサを固定する。

このように、脚部の上方に外壁側スペーサおよび第１屋
内側スペーサを設け、これに外壁側目板，屋内側目板，
および第２屋内側スペーサを固定したので、これら外壁
側目板，屋内側目板，および第２屋内側スペーサの固定
が簡単であり、脚部の上方に生じる隙間の納まりが良
い。

実施例 この考案の一実施例を第１図ないし第４図に基づいて説
明する。第２図はこの玄関壁を適用した住宅等の建物の
全体の水平断面を示し、第２図のＩ部分を第１図に拡大
して示す。第２図において、３は建物の外壁であり、複
数枚の外壁パネル４からなる。外壁パネル４の一部また
は全体のものを耐力壁パネルとしてある。５は通柱であ
る。外壁３から入り込んだ玄関６を一対の袖壁７，８と
玄関パネル９とで構成してあり、片方の袖壁７に耐力壁
パネル１を用いている。

第１図に示すように、耐力壁パネル１は両側端面の下部
に突出した脚部２を有するものである。脚部２は外向き
の溝形鋼２ａと底板２ｂからなり、底板２ｂは基礎１０
上の土台金具１１に載せてボルト接合してある。耐力壁
パネル１の本体は、内向の溝形鋼製のパネル枠１ａに各
面材を張ったものである。耐力壁パネル１は第５図に示
したものと同様のものである。

耐力壁パネル１の両側の側端面には各々脚部２の上方で
外壁側スペーサ１２および第１屋内側スペーサ１３をタ
ッピンねじ等で固定し、第１屋内側スペーサ１３にはさ
らに第２屋内側スペーサ１４を固定する。外壁側スペー
サ１２は外壁３の端部に位置して立設された短柱状の形
鋼製の柱１５（第３図）と耐力壁パネル１との間の隙間
を埋める。これら外壁側スペーサ１２および脚部２を覆
う外壁側目板１６を外壁側スペーサ１２に木ねじ等で固
定し、第１屋内側スペーサ１３，第２屋内側スペーサ１
４，および脚部２を覆う屋内側目板１７を第１屋内側ス
ペーサ１３および第２屋内側スペーサ１４に木ねじ等で
固定する。外壁側の脚部２には外壁側目板１６との間の
隙間を埋める脚部スペーサ１８を取付ける。外壁側スペ
ーサ１２，第１屋内側スペーサ１３，および脚部スペー
サ１８は木製であり、これらと耐力壁パネル１との間の
固定部にはシーラントを併用する。第２屋内側スペーサ
１４は、一対の木片１４ａを板材１４ｂに固定したもの
である。

第３図および第４図に示すように、外壁側目板１６およ
び屋内側目板１７は、耐力壁パネル１の下地板２１に縁
部が重なり、外面は耐力壁パネル１の内装材２２の外面
と同一平面になっている。耐力壁パネル１の屋外側には
桟１９，２３を介して外装材２０を設ける。

施工手順を説明する。外壁側スペーサ１２は耐力壁パネ
ル１を設置するときに設けておく。この後、まず脚部ス
ペーサ１８を耐力壁パネル１の脚部２にシーラント併用
で取付け、外壁側目板１６を外壁側スペーサ１２に取付
ける。つぎに、第１屋内側スペーサ１３を耐力壁パネル
１にシーラント併用で取付け、第２屋内側スペーサ１４
を第１屋内側スペーサ１３に取付けた後、屋内側目板１
７を第１屋内側スペーサ１３および第２屋内側スペーサ
１４に取付ける。

この構成によると、脚部２の上方に外壁側スペーサ１２
および第１屋内側スペーサ１３を設け、これに外壁側目
板１６，第２屋内側スペーサ１４，および屋内側目板１
７を固定したので、これら外壁側目板１６，屋内側目板
１７，および第２屋内側スペーサ１４の固定が簡単であ
り、脚部２の上方に生じる隙間の納まりが良い。

〔考案の効果〕

この考案の玄関壁は、脚部の上方に外壁側スペーサおよ
び第１屋内側スペーサを設け、これに外壁側目板，屋内
側目板，および第２屋内側スペーサを固定したので、こ
れら外壁側目板，屋内側目板，および第２屋内側スペー
サの固定が簡単であり、脚部の上方に生じる隙間の納ま
りが良いという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の玄関壁の斜視図、第２図
はその玄関壁を適用した建物全体の水平断面図、第３図
は第１図の上部の水平断面図、第４図は第１図の下部の
水平断面図、第５図は従来の耐力壁パネルの斜視図であ
る。 １…耐力壁パネル、２…脚部、３…外壁、４…外壁パネ
ル、６…玄関、７…袖壁、９…玄関パネル、１２…外壁
側スペーサ、１３…第１屋内側スペーサ、１４…第２屋
内側スペーサ、１６…外壁側目板、１７…屋内側目板、
１８…脚部スペーサ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】外壁から入り込んだ玄関の袖壁を、両側端
   面の下部に脚部が突出した耐力壁パネルで形成し、この
   耐力壁パネルの外壁側の側端面と前記外壁との間の隙間
   を埋める外壁側スペーサを前記脚部の上方に設け、前記
   耐力壁パネルの屋内側の側端面に上端近傍から前記脚部
   近傍まで延びる第１屋内側スペーサを固定し、この第１
   屋内側スペーサの前記耐力壁パネルと反対側の面に第２
   屋内側スペーサを固定し、この第２屋内側スペーサ，前
   記第１屋内側スペーサ，および屋内側の前記脚部の屋内
   面を覆う屋内側目板を前記第１屋内側スペーサに固定
   し、前記外壁側スペーサおよび外壁側の前記脚部の屋内
   面を覆う外壁側目板を前記外壁側スペーサに固定した玄
   関壁。