JPH0323199Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、未冷却状態のアイロンを収納する
ことが可能なアイロン収納ケース、詳しくはケー
ス本体とケース蓋との錠止機構に関する。

〔従来技術〕

実開昭60−15300号公報に示す従来のアイロン
収納ケースにあつては、ケース本体に対しヒンジ
を介してケース蓋が開閉可能に支持され、前記ヒ
ンジと反対のケース本体側端部に被係合部が一体
成形されるとともに、該被係合部に対応するケー
ス蓋の端縁に、一端に前記被係合部に係合するフ
ツクが形成された錠止板が弾性部材により錠止方
向へ付勢された状態で揺動可能に支持されてい
る。そしてケース本体に対しケース蓋が閉鎖操作
されたとき、被係合部に対するフツクの当接に伴
つて前記錠止板を弾性部材の弾性力に抗して錠止
解除方向へ揺動させた後、前記弾性部材の弾性力
により被係合部にフツクを係合させる。これによ
りケース本体とケース蓋との閉鎖状態が保持され
る。また、弾性部材の弾性力に抗して錠止板を錠
止解除方向へ揺動することにより被係合部に対す
るフツクの係合を解除した後、この状態にてケー
ス蓋を回動操作することによりケース本体からケ
ース蓋が開放される。

〔考案が解決しようとする問題点〕 然し乍、上記した従来のアイロン収納ケースに
おける錠止機構は、一方の手にてケース本体を支
えながら他方の手にて被係合部とフツクとの係合
を解除した後にケース蓋を開放操作しなければな
らず、片手でケース蓋を開放出来なかつた。この
ため、操作性が悪かつた。

〔考案の目的〕

本考案の目的は、上記した従来の欠点に鑑み、
片手にてケース蓋を開放操作することが出来、操
作性を向上し得るアイロン収納ケースを提供する
ことにある。

〔問題点を解決するための手段〕

このため本考案は、内部にアイロン載置台およ
び遮熱体が取り付けられたケース本体の開放側の
一側端にケース蓋が開閉可能に支持されたアイロ
ン収納ケースにおいて、ケース蓋の開放端に設け
られ、ケース本体の内面に沿つて延びる被係合部
と、被係合部と対向するケース本体に、錠止方向
と錠止解除方向との間で揺動可能に支持され、被
係合部に錠止するフツクを有した錠止板と、錠止
板を錠止方向へ付勢する第１のばねと、ケース本
体にケース蓋が閉鎖されたとき、被係合部との当
接により弾性変形し、ケース蓋を開放方向へ付勢
する第２のばねと、一端がケース本体内に取り付
けられるとともに他端部がケース本体の内面に沿
つて錠止板に設けられた突部に至るように弾性変
形しながら延び、突部に摺接するカム部を有した
錠止解除板と、錠止箇所以外のケース本体の適宜
箇所にて軸線方向へ移動可能に支持されるととも
に下端部が錠止解除板に取り付けられた操作釦
と、操作釦を、常には上方へ付勢して錠止解除板
の他端のカム部を錠止板の突部から離間するよう
に付勢する第３のばねとからアイロン収納ケース
を構成している。

〔考案の作用〕

本考案は上記のように構成されるため、ケース
本体に対してケース蓋が閉鎖されると、被係合部
との当接により第１のばねの弾性力に抗して錠止
方向と反対方向へ揺動する錠止板のフツクが被係
合部を乗り越えたのち、第１のばねの弾性力によ
りフツクが被係合部に係合される。また、この錠
止状態においては、第２のばねは被係合部との当
接により弾性変形してケース蓋を、開放方向へ付
勢している。

上記状態にて操作釦が第３ばねの弾性力に抗し
て押圧されると、この操作釦に取り付けられた錠
止解除板はケース本体の内面に沿つて弾性変形し
ながらその他端のカム部を錠止板の突部に摺接さ
せ、この錠止板を第１のばねの弾性力に抗して錠
止解除方向へ揺動させる。これにより被係合部と
フツクとの係合状態が解除されると、ケース本体
に対してケース蓋は、第２のばねの弾性力により
開放される。

そして操作部材の押圧が解除されると、錠止解
除板は、第３のばねの弾性力により、その他端の
カム部が錠止板の突部から離間される。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面に従つて説明す
る。

第１図は本考案に係るアイロン収納ケースの概
略を示し、ケース蓋が開放した状態を示す正面
図、第２図は錠止機構を示す分解斜視図であり、
アイロン収納ケース１は合成樹脂製からなるケー
ス本体３とケース蓋５とから構成され、これらケ
ース本体３とケース蓋５とは対向する一側端がヒ
ンジ７を介して開閉可能に支持されている。

前記ケース本体３は自立可能な底壁９を有し、
該底壁９にはアイロン載置台１１が固着されてい
る。また、前記ケース３内には耐熱樹脂製の遮熱
体１３が固着されている。前記ケース本体３の上
面には凹部１５が、その両側及び後端に亘つて一
体形成され、両側に位置する凹部１５の側壁には
起立正面がほぼ〓形のハンドル１７が回動可能に
支持されている。前記ケース本体３の上面中央に
は凹所１８が形成され、該凹所１８の中央部には
透孔１９が形成されている。そして該透孔１９に
は操作釦２１が上下動可能に支持されている。該
操作釦２１は前記凹所１８に装着されたばねとし
ての圧縮ばね２３の弾性力により常に上方位置へ
付勢されている。

ヒンジ７と反対のケース本体３側端縁には突所
２５が形成され、該突所２５に応じたケース本体
３の側壁には透孔１９が形成されている。該透孔
２７にはケース本体３の外方から軸ピン２９が挿
入され、該軸ピン２９の端部には合成樹脂製の錠
止板３１が錠止方向と錠止解除方向との間にて揺
動可能に支持されている。前記錠止板３１は前記
軸ピン２９に取付けられた弾性部材としての圧縮
ばね３３により常に錠止方向へ付勢されている。
尚、図中３０は前記軸ピン２９の軸端にねじ止め
されたストツパである。前記錠止板３１にはフツ
ク３１ａが、後述する被係合部４１と対向するよ
うに一体成形されている。また、ケース本体３の
側壁と対向する錠止板３１の側面には突部３１ｂ
が一体成形されている。

前記ケース本体３と錠止板３１との間にはばね
部材としての板ばね３５が固着されている。該板
ばね３５はケース蓋５が閉鎖操作されたとき、そ
の一端が被係合部４１に当接して弾性変形するよ
うに折曲形成されている。

前記ケース本体３内には一端が掛止部３７に掛
止された錠止解除板としてのアーム３９が、ケー
ス本体３の上方内面に沿いかつその他端が前記突
部３１ｂに向つて延びるように取付けられてい
る。そして前記アーム３９には前記操作釦２１の
軸部２１ａが固着されている。また、前記アーム
３９の他端にはカム面３９ａが前記突部３１ｂに
応じて一体形成されている。

前記フツク３１ａと対向するケース蓋５の側端
には被係合部４１が一体成形され、該被係合部４
１には係合孔４１ａが形成されている。そして係
合孔４１ａには前記被係合部４１が突所２５内に
進入したとき、前記フツク３１ａが係合される。

次に上記のように構成されたアイロン収納ケー
ス１の作用を第３図乃至第８に従つて説明する。

ケース本体３とケース蓋５との錠止状態を示す
第３図、第３図のＡ−Ａ線横断面図を示す第４図
及び第３図のＢ−Ｂ線縦断面図を示す第５図にお
いて、操作釦２１は圧縮ばね２３の弾性力により
上方へ押し上げられている。このとき前記操作釦
２１に連結されたアーム３９は上動し、突部３１
ｂに対してそのカム面３９ａが非当接状態に保持
されている。これにより錠止板３１は圧縮ばね３
３の弾性力により錠止方向へ付勢されている。上
記状態にて未冷却或いは冷却したアイロン（図示
せず）が、ケース本体３の開口から遮熱体１３内
へ収容された後に、ケース蓋５がヒンジ７を中心
に被係合部４１とフツク３１ａとが互いに近接す
る方向へ回動操作されると、錠止板３１は被係合
部４１とフツク３１ａとの当接に伴つて前記圧縮
ばね３３の弾性力に抗しながら錠止解除方向へ揺
動し、そして係合孔４１ａとフツク３１ａとが一
致したとき、前記圧縮ばね３３の弾性力により原
位置へ戻される。これによりフツク３１ａは係合
孔４１ａに係合し、ケース本体３とケース蓋５と
が錠止される。また、突所２５内に対する進入し
た被係合部４１先端に対する板ばね３５の当接に
伴つて該板ばね３５が弾性変形するため、ケース
蓋５は板ばね３５の弾性変形量に応じた弾性力に
より開放方向へ付勢される。

次に錠止解除状態を示す第６図、第６図Ｃ−Ｃ
線横断面を示す第７図及び第６図Ｄ−Ｄ線縦断面
を示す第８図および錠止解除の操作状態を示す第
９図において、上記錠止状態にて操作釦２１が圧
縮ばね２３の弾性力に抗して下方へ押下操作され
ると、アーム３９の他端はケース本体３の内面に
沿つて弾性変形しながら上下へ移動し、そのカム
面３９ａが突部３１ｂ上に摺動される。これによ
り錠止板３１は圧縮ばね３３の弾性力に抗して錠
止解除方向へ揺動し、係合孔４１ａに対するフツ
ク３１ａの係合が解除される。このとき、ケース
蓋５は被係合部４１の先端に当接する板ばね３５
の弾性力により開放方向へ付勢されているため、
係合孔４１ａとフツク３１ａとの係合が解除され
た際に前記板ばね３５ の弾性力により自動的に
開放される。

このように本実施例は、操作釦２１の非押圧状
態にあつては、圧縮ばね２３の弾性力によりアー
ム３９のカム面３９ａが錠止板３１の突部３１ｂ
から離間するように移動されているため、圧縮ば
ね３３の弾性力により錠止方向へ揺動付勢された
錠止板３１の突部３１ｂとケース蓋５の係合孔４
１ａとの係合状態を保つことができる。そしてケ
ース本体３とケース蓋５の錠止箇所以外の適宜箇
所に設けられた操作釦２１を押圧操作することに
よりアーム３９の他端に設けられたカム面３９ａ
を錠止板３１の突部３１ｂに摺接させて錠止板３
１を錠止解除方向へ揺動させ、係合孔４１ａに対
するフツク３１ａの係合を解除させることができ
る。このため、操作釦２１の押圧操作という簡易
な操作によりケース蓋５を開放させることができ
る。

〔考案の効果〕

このため本考案は、片手にてケース蓋を開放操
作することが出来、操作性を向上し得るアイロン
収納ケースを提供することが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るアイロン収納ケースの概
略を示す正面図、第２図は錠止機構の略体分解斜
視図、第３図乃至第９図は作用を示す説明図であ
る。 図中１はアイロン収納ケース、３はケース本
体、５はケース蓋、７はヒンジ、２１は操作釦、
２３はばねとしての圧縮ばね、３１は錠止板、３
１ａはフツク、３３は弾性部材としての圧縮ば
ね、３５はばね部材としての板ばね、３９はアー
ム、４１は被係合部である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 内部にアイロン載置台および遮熱体が取り付け
   られたケース本体の開放側の一側端にケース蓋が
   開閉可能に支持されたアイロン収納ケースにおい
   て、 ケース蓋の開放端に設けられ、ケース本体の内
   面に沿つて延びる被係合部と、 被係合部と対向するケース本体に、錠止方向と
   錠止解除方向との間で揺動可能に支持され、被係
   合部に錠止するフツクを有した錠止板と、 錠止板を錠止方向へ付勢する第１ばねと、 ケース本体にケース蓋が閉鎖されたとき、被係
   合部との当接により弾性変形し、ケース蓋を開放
   方向へ付勢する第２ばねと、 一端がケース本体内に取り付けられるとともに
   他端部がケース本体の内面に沿つて錠止板に設け
   られた突部に至るように弾性変形しながら延び、
   突部に摺接するカム部を有した錠止解除板と、 錠止箇所以外のケース本体の適宜箇所にて軸線
   方向へ移動可能に支持されるとともに下端部が錠
   止解除板に取り付けられた操作釦と、 操作釦を、常には上方へ付勢して錠止解除板の
   他端のカム部を錠止板の突部から離間するように
   付勢する第３ばねと、 からなることを特徴とするアイロン収納ケース。