JPH0322323B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は車両のスライド・チルトルーフに関す
る。

（従来の技術） 閉鎖位置では、不動のルーフ面内にあるルーフ
開口部を閉鎖し、選択的に、カバー後端を不動ル
ーフ面の上方に上昇させるか、カバー後端を下降
させた後に不動ルーフ面の下方に摺動させること
ができる剛なカバーと、カバーとともに摺動で
き、カバーとともに少くとも部分的に昇降できる
摺動天蓋とを有する。車両のスライド・チルトル
ーフは、西独公開第2435551号として公知である。

またスライド・チルトルーフのカバーの両側
に、カバーを上昇した際に昇降機構を遮蔽する可
撓性材料製ブラインドを設置することは西独公開
第3308065号（実願昭57−37378号を優先権主張の
基礎にした西独出願）として公知である。

（発明が解決しようとする課題） ところが、前者の欠点は、カバーを上昇した
際、ルーフ開口部の両側に設けた昇降機構が少く
とも部分的に視認できると云う点にある。これ
は、特に、審美的理由から好ましくない。また後
者におけるブラインドは、アコーデオン状のベロ
ーであるが、カバーの縦方向縁と昇降不可能な案
内部材との間に張つた合成樹脂ストリツプであ
る。これら双方の解決法は、カバーの摺動方向に
直角な方向へ比較的多くの組込スペースを必要と
する。更に、ブラインドに張力が作用していない
ので、振動などの作用により、ブラインドの好ま
しくない変形が生ずる。

従つて、上記構成を少なくとも部分的に昇降可
能な摺動天蓋に転用することは、組込スペースの
有無はさて置き、不可能ではないが、問題であ
る。

本発明の目的は、摺動天蓋を少くとも部分的に
上昇した場合も、昇降機構が見えることのないよ
う、冒頭に述べた種類のスライド・チルトルーフ
を改良することにある。この場合、カバーの摺動
方向に直角な方向の所要組込スペースが特に小さ
いよう、構成しなければならない。

（課題を解決するための手段） 前記目的を達成するため、本発明は次の手段を
講じた。即ち、本発明の特徴とする処は、閉鎖位
置では、不動のルーフ面１０内にあるルーフ開口
部１１を閉鎖し、選択的に、後端を不動ルーフ面
１０の上方に上昇するか、後端を下降させた後に
不動ルーフ面１０の下方に摺動させることができ
る剛なカバー１２と、該カバー１２とともに摺動
でき、かつ、該カバー１２とともに少くとも部分
的に昇降できる摺動天蓋１４とを有する車両のス
ライド・チルトルーフにおいて、 前記摺動天蓋１４の昇降自在の摺動天蓋部分１
５の側縁３３と、前記カバー１２の摺動運動には
追従するが昇降運動には追従しない案内部材１７
との間隙を被うため、くさび形の可撓性ブライン
ド２６が設けられており、 前記昇降自在の摺動天蓋部分１５の上面には、
該摺動天蓋部分１５の上下方向各位置で前記ブラ
インド２６を緊張するための緊張装置が設けられ
ており、 前記ブラインド２６の一方の縦方向縁２７は、
前記案内部材１７に固定してあり、他方の縦方向
縁２８は、前記昇降自在の摺動天蓋部分の側縁３
３のまわりに案内されて、前記緊張装置に結合さ
れており、 前記緊張装置は、前記ブラインドの他方の縦方
向縁２８を取付けた脚２９を有する弾性部材３１
を有し、該脚２９は、前記昇降自在の摺動天蓋部
分１５の平面内で、該天蓋部分の側縁３３に対し
て後方へ開いた角をなす位置において、車両の縦
中心側に弾性的に付勢されている点にある。

（作用） ブラインド２６は、当該の弾性部材３１の作用
を受けて、昇降自在の摺動天蓋部分１５の側縁３
３のまわりを通り、摺動天蓋部分１５の上面に沿
つて車両の縦中心方向（内方）へ引張られる。か
くして、くさび状ブラインド２６は、常に緊張状
態に保持される。摺動天蓋部分１５が下降した状
態では（第３，５，７図）、ブラインド２６の大
部分は摺動天蓋部分１５上にある。

カバー１２を上昇して、摺動天蓋部分１５を追
従させると（第１図）、ブラインド２６に張力が
加わる。弾性部材３１の脚２９は、摺動天蓋部分
１５の側縁３３の方向、即ち外方へ弾性的に振ら
れ、その結果、側縁３３に平行な位置に来る（第
４，６，８図）。摺動天蓋部分１５の下降時、弾
性部材３１の脚２９は、第３，５，７図の位置に
もどる。

（実施例） 添付の図面に示した実施例を参照して以下に本
発明を詳細に説明する。

第１，２図から明らかな如く、不動のルーフ面
１０には、剛なカバー１２によつて閉鎖するか少
くとも部分的に解放できるルーフ開口部１１が設
けてある。カバー１２は、その前縁の範囲におい
てルーフ開口部１１の両側で、例えば各案内部材
によつて縦方向ガイドに摺動自在に案内してあ
り、カバーの摺動方向に直角な旋回軸線のまわり
に旋回自在なよう軸支してある。カバーは、カバ
ー前縁から後方へ離れた範囲において、昇降機構
に結合してある。カバーは、選択的に、カバー後
縁を不動ルーフ面１０の上方へと上昇するか（第
１図）、カバー後縁を下降させた後に後部の不動
ルーフ面の下方に摺動させることができる。この
ため、任意の公知の手段（例えば、西独公開第
3238454号参照）を使用できる。上記手段につい
ては、ここでは説明しない。

カバー１２の下方には、カバー１２とともに昇
降できる前部摺動天蓋部分１５と昇降できない後
部摺動天蓋部分１６とを有する摺動天蓋１４が設
けてある。摺動天蓋部分１５，１６は、摺動天蓋
１４の両側において、それぞれ牽引フレーム１７
を介して相互に結合されている。昇降自在の摺動
天蓋部分１５は、後部摺動天蓋部分１６および牽
引フレーム１７に関して、前端近傍にある軸線の
まわりに旋回させることができる。このため、昇
降自在の摺動天蓋部分１５の後端１８の近傍には
両側に、旋回アーム２０（第７図）を介してカバ
ー１２の昇降機構（図示してない）に連結された
昇降アングル１９が設けてある。カバー１２を閉
鎖した場合およびカバー後端を不動ルーフ面１０
の下方に下降させた場合、昇降自在の摺動天蓋部
分１５は、後部摺動天蓋部分１６と同一の平面内
に位置する。カバー１２を上昇すると、前部摺動
天蓋部分１５は、後部摺動天蓋部分１６に対し
て、第１図に示した位置に旋回される。摺動天蓋
１４は、カバー１２の摺動運動に追従する。この
ため、摺動天蓋１４は、その前端の範囲におい
て、図示してない態様でカバー１２に結合してあ
る。

図示の実施例では、摺動天蓋部分１５は、天蓋
プレート２３を支持する例えば金属板から成る長
方形のフレーム２２を有する。フレーム２２およ
びプレート２３の下面には、２４で示した如く、
天蓋布地が張つてある。対応する態様で、後部摺
動天蓋部分１６も、布地を張つたフレーム２５か
ら構成できる。昇降アングル１９は、フレーム２
２に溶接するのが合目的的である。

昇降自在の摺動天蓋部分１５の両側には、好ま
しくは布地から成る、くさび状の可撓性ブライン
ド２６が設けてある。ブラインド２６の１つの縦
方向縁２７は布地を張つた牽引フレーム１７に、
例えば、接着によつて、取付けてある。各ブライ
ンド２６の別の縦方向縁２８は、ブラインド２６
の全長にわたつて延びる弾性部材であるバネワイ
ヤＵ字部材３１の脚２９のまわりに敷設してあ
る。バネワイヤＵ字部材３１は、摺動天蓋部分１
５の上面の左右両側に一対設けてある。上記バネ
ワイヤＵ字部材３１は、カバー１２の摺動方向に
対して直角方向に延びる別の脚３２を有し、該脚
３２が、摺動天蓋部分１５の前縁の近傍でフレー
ム２２に固定してある。バネワイヤＵ字部材３１
の脚２９，３２は、無負荷状態において、脚２９
が昇降アングル１９の延長部３４に当接して摺動
天蓋部分１５の平面内で摺動天蓋１４の側縁３３
に対して後方へ開いた鋭角をなすまで、各バネワ
イヤＵ字部材の後端が側縁３３から離れて摺動天
蓋１４の中心線の方向へ移動するよう、曲げてあ
る。

ブラインド２６は、当該のバネワイヤＵ字部材
３１の作用を受けて、昇降自在の摺動天蓋部分１
５の側縁３３で折り曲げられ、摺動天蓋部分１５
の上面に沿つて内方へ引張られる。かくして、く
さび状ブラインド２６は、常に緊張状態に保持さ
れる。摺動天蓋部分１５が下降した状態では（第
３，５，７図）、ブラインド２６の大部分は摺動
天蓋部分１５上にある。このときバネワイヤＵ字
部材３１は、昇降アングル１９の延長部３４に当
接する。カバー１２を上昇し、旋回アーム２０お
よび昇降アングル１９によつて摺動天蓋部分１５
を追従させると（第１図）、ブラインド２６に張
力が加わる。バネワイヤＵ字部材３１の脚２９
は、摺動天蓋部分１５の側縁３３の方向すなわち
外方へ弾性的に引張られ、その結果、側縁３３に
平行な位置に来る（第４，６，８図）。摺動天蓋
部分１５の下降時、バネワイヤＵ字部材３１の脚
２９は、第３，５，７図の位置にもどり、ブライ
ンド後縁とともに、フレーム２２上面とフレーム
上に突出する昇降アングル１９の下面とで囲まれ
るスペース内に入る（特に、第７図参照）。

もちろん、緊張装置は、図示の実施例に限定さ
れるものではない。例えば、バネワイヤＵ字部材
３１の代わりに、ブラインドの縦方向縁を相互に
結合して上記縁に張力を加えるゴムベルトまたは
別の緊張部材を使用できる。

可撓性ブラインドは、基本的に十分な可撓性お
よび耐久性を有する任意の材料から構成できる。
ブラインドは布地から作製するのが好ましい。

案内部材は、摺動天蓋（西独公告第2435551号）
の昇降不可能な後部を昇降自在な摺動天蓋部分の
前端に結合する牽引ロツドであつてもよい。

（発明の効果） 本発明によれば、昇降自在な摺動天蓋部の上面
の厚みの薄いスペース内にブラインドを引き込む
ので、緊張された可撓性ブラインドが必要とする
側方の組込スペースは最小である。このブライン
ドは、弾性部材で常時緊張されているので、車の
振動の作用を受けても、所定の位置を保持する。
従つて、このブラインドは、確実な視界遮蔽を行
う。このブラインドは、常に緊張状態に保持され
るので、事故防止に寄与する。何故ならば、上記
ブラインドは、例えば、子供が昇降機構にはさま
れるのを防止するからである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、カバーを上昇した状態の本発明に係
るスライド・チルトルーフの、第２図の線−
に沿う略縦断面図、第２図は、第１図のルーフの
平面図、第３図は、第２図の鎖線で示した範囲の
摺動天蓋の拡大部分平面図で昇降自在の摺動天蓋
部分が下降位置にある状態を示すもの、第４図
は、摺動天蓋部分を上昇した状態を示す、第３図
に対応する平面図、第５図は、第３図の運転状態
における摺動天蓋部分の斜視図、第６図は、第４
図の運転状態を示す、第５図と同様の斜視図、第
７図は、第３図の線−に沿う拡大断面図、第
８図は、摺動天蓋部分を上昇させたときの第７図
に相当する断面図である。 １０……不動のルーフ面、１１……ルーフ開口
部、１２……カバー、１４……摺動天蓋、１７…
…牽引フレーム、２６……ブラインド、３１……
緊張装置（バネワイヤＵ字部材）。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 閉鎖位置では、不動のルーフ面１０内にある
   ルーフ開口部１１を閉鎖し、選択的に、後端を不
   動ルーフ面１０の上方に上昇するか、後端を下降
   させた後に不動ルーフ面１０の下方に摺動させる
   ことができる剛なカバー１２と、該カバー１２と
   ともに摺動でき、かつ、該カバー１２とともに少
   くとも部分的に昇降できる摺動天蓋１４とを有す
   る車両のスライド・チルトルーフにおいて、 前記摺動天蓋１４の昇降自在の摺動天蓋部分１
   ５の側縁３３と、前記カバー１２の摺動運動には
   追従するが昇降運動には追従しない案内部材１７
   との間隙を被うため、くさび形の可撓性ブライン
   ド２６が設けられており、 前記昇降自在の摺動天蓋部分１５の上面には、
   該摺動天蓋部分１５の上下方向各位置で前記ブラ
   インド２６を緊張するための緊張装置が設けられ
   ており、 前記ブラインド２６の一方の縦方向縁２７は、
   前記案内部材１７に固定してあり、他方の縦方向
   縁２８は、前記昇降自在の摺動天蓋部分の側縁３
   ３のまわりに案内されて、前記緊張装置に結合さ
   れており、 前記緊張装置は、前記ブラインドの他方の縦方
   向縁２８を取付けた脚２９を有する弾性部材３１
   を有し、該脚２９は、前記昇降自在の摺動天蓋部
   分１５の平面内で、該天蓋部分の側縁３３に対し
   て後方へ開いた角をなす位置において、車両の縦
   中心側に弾性的に付勢されていることを特徴とす
   る車両のスライド・チルトルーフ。 ２ 前記弾性部材は、Ｕ字形のバネワイヤ部材３
   １からなり、該バネワイヤＵ字部材３１が、昇降
   自在の摺動天蓋部分１５にその前縁の近傍に固定
   してあつてカバー１２の摺動方向に対して直角に
   延びる第２脚３２を有することを特徴とする特許
   請求の範囲第１項記載の車両のスライド・チルト
   ルーフ。 ３ 昇降自在の摺動天蓋部分１５の後端の近傍に
   は、カバー１２の閉鎖位置では１つの脚２９の後
   部に上から係合して上記脚２９のストツパを形成
   する昇降アングル１９が設置してあることを特徴
   とする特許請求の範囲第１項または第２項記載の
   車両のスライド・チルトルーフ。 ４ 可撓性ブラインド２６が布地から成ることを
   特徴とする特許請求の範囲第１〜３項の１つに記
   載の車両のスライド・チルトルーフ。 ５ 案内部材が、摺動天蓋１４の昇降不可能な後
   部１６を昇降自在な摺動天蓋部分１５の前端と結
   合する牽引フレーム１７であることを特徴とする
   特許請求の範囲第１〜４項の１つに記載の車両の
   スライド・チルトルーフ。