JPH03218967A - 高強度アルミナ―ジルコニア系セラミックス焼結体 - Google Patents

高強度アルミナ―ジルコニア系セラミックス焼結体

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JPH03218967A
JPH03218967A JP2301609A JP30160990A JPH03218967A JP H03218967 A JPH03218967 A JP H03218967A JP 2301609 A JP2301609 A JP 2301609A JP 30160990 A JP30160990 A JP 30160990A JP H03218967 A JPH03218967 A JP H03218967A
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JP
Japan
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sintered body
zro2
al2o3
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crystal
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JP2301609A
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Ryoichi Yomo
良一 四方
Yoshitaka Urata
佳孝 浦田
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Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Original Assignee
Osaka Cement Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、強度、靭性、硬度などに優れたアルミナ−ジ
ルコニア系セラミックス焼結体に関する。
この様な焼結体は、工業用刃物、ローラー、ダイス、ノ
ズルなどの製造材料として有用である。
なお、以下の記載においては、単に“%゜および“部”
とあるのは、それぞれ“重量%”および“重量部”を意
味する。
曲げ強度 (MPa) 2400以上 2550以上 1900以上 1800以上 1700以上 1500以上 1400以上 従来技術とその問題点 従来から構造材料用セラミックスとしては、ジルコニア
、アルミナ、窒化ケイ素、炭化ケイ素などが知られてい
る。
これらの中でも、特に高強度および高靭性を備えたセラ
ミックスとしてY−TZP (イットリア安定化ジルコ
ニア多結晶体: Tefragonal2irconi
a Pol7cr7stxlg )がある。このY−T
ZPは、Y203を1.5〜4.5モル%含有していて
、高温安定相であるジルコニア正方晶を室温まで安定化
させた正方晶多結晶体である。このY−TZPは、クラ
ック先端の応力場において、正方晶から単斜晶への応力
誘起変態を生ずるので、高強度および高靭性を発揮する
。しかしながら、Y−TZPには、(イ)常温での強度
には優れているものの、700〜800℃以上の高温で
は、強度か急激に低下する、(口)硬度が低い、(ハ)
100〜300℃という低温度で長時間保持した場合に
、相転位に起因する強度低下が認められる、などの問題
点が存在する。
一方、アルミナは、低コスト、高硬度、優れた安定性な
どの点で有用であり、広く採用されている。しかしなが
ら、アルミナは、Y−TZPに比して、強度および靭性
が1/3〜174程度に止まるために、構造用セラミッ
クスとしての用途は、限定されている。
さらに、ジルコニアとアルミナとの混合原料粉末を成形
し、予備焼結し若しくは予備焼結することなく、HIP
 (熱間静水圧プレス)処理する方法も提案されている
(特開昭60−86073号公報、特開昭60−215
571号公報、特開昭61−26562号公報など)。
しかしながら、これらの方法により得られるセラミック
ス材料も、Y−TZPに比して、曲げ強度が大巾に改善
されているものの、さらに一層高強度で、信頼性の高い
セラミックスの出現が望まれている。
問題点を解決するための手段 本発明者は、Y−TZPとアルミナとの混合系セラミッ
クスにおける上記の如き技術の現状に鑑みて研究を進め
た結果、ジルコニアとアルミナの複合セラミックス焼結
体において、焼結体中の両者の配合比、アルミナおよび
ジルコニア結晶粒子の粒子径、ジルコニア結晶の結晶形
、ジルコニア粒子の微構造、ジルコニアーアルミナの粒
界強化、ジルコニアおよびアルミナ粒子への残留応力な
どを制御し、且つ両結晶を均一に分散させるの場合には
、高強度且つ高硬度であるというアルミナ−ジルコニア
系セラミックスが得られることを見出した。
すなわち、本発明は、下記のアルミナ−ジルコニア系セ
ラミックス焼結体を提供するものである=[Y203を
1.5 〜4.5モル%含有するZrO290〜30重
量%とA720310〜70重量%とからなるジルコニ
ア系セラミックス焼結体において、?a)焼結体中に平
均粒子径0.3μm以下のZrO2結晶粒子および平均
粒子径2μm以下のA 7 2 0 3結晶粒子が均一
に分散されており、(b)焼結体中のZrO■結晶相が
主として正方晶からなっており、 (c)AA’20B含有量と室温での曲げ強度とが下記
の関係にあることを特徴とする高強度アルミナ−ジルコ
ニア系セラミックス焼結体:A 1 2 0 3   
     曲げ強度(%)           (M
Pa)10          2400以上20  
        2550以上30         
 1900以上40          1800以上
50          1700以上60     
     1500以上70          14
00以上」本発明Zr02  A/2(h焼結体におい
ては、?r02とA72O3との割合は、前者が90〜
30%で、後者が10〜70%となるようにする。
ZrO。が30%未満の場合には、硬度の点では満足す
べきであるが、強度が不充分となる。これに対し、Zr
O2が90%を上回る場合には、A7203を添加した
効果が十分に発揮されなくなる。なお、ZrO2中の安
定化剤としてのY2O3の量は、通常1.5〜4.5モ
ル%の範囲にあるが、ZrO2の適度の安定化、単斜晶
の形成抑制などの観点からは、1.6〜3.2モル%程
度であることがより好ましい。また、その他の安定化剤
(MgO,Cab,Laなど)を最高3モル%程度まで
Y203と併用しても良い。
本発明焼結体中の主として正方晶からなるZrO■結晶
粒子は、平均粒子径Ojμm以下であることを必須とす
る。この平均粒子径が0.3μmを上回る場合には、H
IP処理による効果を抑制するとともに、ZrO2正方
晶の安全性を低下させるので、好ましくない。Zro2
粒子は、10%を超えない範囲で、単斜晶および/また
は立方晶を含有していて′も良い。
一方、本発明焼結体中の12O3結晶粒子は、平均粒子
径2μm以下であることを必須とする。
この平均粒子径が2μmを上回る場合には、原料に由来
する結晶中の欠陥が、焼結体の強度向上を阻害する。
本発明によるアルミナ−ジルコニア系セラミックス焼結
体は、Aノ,03の含有量により異なるものの、室温に
おいて、下記の如き優れた強度を発揮する。
A/203       曲げ強度 (%)           (MPa)10    
      2400以上20          2
550以上30          1900以上40
          1800以上?0       
   1700以上60          1500
以上70          1400以上本発明によ
る焼結体は、通常以下の様にして製造される。まず、Z
r02原料粉末とA120s原料粉末とを所定の割合で
配合した均一な原料混合物を調製した後、所定の形状に
成形する。
成形方法および条件は、公知のものと同様で良く、特に
限定されないが、通常プレス成形、CIP成形、鋳込み
成形、押出成形、射出成形などの方法が採用される。
本発明において原料として使用するy2o.を1.5〜
4.5モル%含有するZrO■の粉末は、5〜50rd
/g程度の比表面積を有することが好ましく、20〜4
0rrf/ g程度の比表面積を有することがより好ま
しい。比表面積が5rrr/g未満の場合には、ZrO
2の焼結温度が高くなり、焼結体の結晶粒径が粗大なも
のとなる。この場合には、Hl?処理による効果を抑制
するとともに、ZrO2正方晶の安全性を低下させるの
で、好ましくない。
一方、比表面積が50dlgを上回る場合には、超微粉
末となるため、成形が困難となり、好ましくない。
この際、必要ならば、原料混合物重量の1%を超えない
範囲で、焼結助剤としての作用を有するMn,Fe,C
o,Ni,  Cu,Znなどの遷移金属を添加したZ
rO■原料粉末を使用しても良い。この焼結助剤は、予
めZr02原料粉末に含有させておいても良い。焼結助
剤の使用量が1%を超える場合には、最終的に得られる
焼結体の強度が低下するので、好ましくない。
本発明において他の原料として使用するα一A/2o.
は、純品のみならず、Mg0,8102などの少量の焼
結助剤(0.05〜1%程度)を含有するものをも包含
する。Al203粉末としては、0.5〜20rrr/
g程度の比表面積を有することが好ましい。比表面積が
0. 5 rrr/ g未満の場合には、焼結温度が高
くなり、焼結体が大きなアルミナ結晶粒子により構成さ
れるため、前述の様にA!203の欠陥が焼結体の強度
向上を阻害する。一方、比表面積が20rd/gを上回
る場合には、ZrO。粉末の場合と同様に、成形が非常
に困難となる。
また、本発明による焼結体の製造に際しては、AI!2
03粉末の焼結温度が、ZrO2粉末の焼結温度と同等
若しくはそれ以上、より好ましくは50〜400℃程度
高くなるようにするために、A 7 2 0 3とZr
02とからなる原料粉末の焼結性をコントロールするこ
とが極めて望ましい。この場合には、ZrO2粉末とし
ては、焼結性に優れた比表面積18rd/g以上の粉末
を使用し、それに応じてZr02粉末の焼結温度と同等
以上の焼結温度、より好ましくは50〜400℃程度高
い焼結温度を有するA72O3粉末を選択使用する。こ
こにいう“粉末の焼結温度”とは、ZrO2粉末および
A7203粉末のいずれの場合にも、同一の成形方法(
例えば、プレス成形法、鋳込み成形法など)で得られた
生成形体を順次昇温しで高温で焼成するに際し、最終的
に得られる焼結体の密度に対して約98%以上の密度が
達成される焼結温度を意味する。より具体的には、AI
l203では、3.90g/cm’以上、Zr02では
、5.95g/cm3以上の焼結体が得られる焼成温度
と考えてよい。
上記の成形原料には、必要に応じて、公知の添加剤乃至
添加物、例えば、結合剤(PVA系、アクリル樹脂系、
ワックス系、セルロース系などの水溶性高分子;ポリス
チレン、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの熱可塑性
樹脂)、解膠剤、潤滑剤、離型剤、可塑剤、界面活性剤
、表面処理剤、消泡剤、水などを配合してもよい。結合
剤の配合量は、通常原料混合物の1〜5%程度であり、
その他の添加剤の配合量は、合計して通常原料混合物の
1〜5%程度である。
次いで、上記の様にして得られた得られた成形体を予備
焼結する。予備焼結も、公知方法と特に変わったところ
はないが、理論密度の90%以上、より好ましくは95
%以上の予備焼結体が得られる温度範囲内の出来るだけ
低い領域で行なうことが好ましく、通常1200〜16
50℃程度で行なわれる。
予備焼結は、酸化性乃至中性雰囲気中で行なえば良く、
通常は空気中で行なう。
次いで、得られた予備焼結体をHIP処理する。
HIP処理時の条件も特に限定されないが、通常温度1
200〜1650℃程度、圧力500〜2 0 0 0
 kg / c+#程度の条件下に行なう。HIP処理
には、金属などのカプセル内に予備焼結体を真空封入し
た後、加圧焼結する態様を採用しても良い。なお、本明
細書において、“HIP処理”なる用語は、酸素の存在
下に行われる“02、HIP処理”をも包含するもので
ある。
本発明によるアルミナ−ジルコニア系セラミックスが優
れた性能を発揮する機構は、以下の様に推測される。ま
ず、予備焼結により、比表面積が大きく、焼結性に優れ
たZr02原料粉末がAI203粒子の周囲を取り囲ん
だ状態で焼結体が形成される。この様なAI!2O3粒
子を小さなZr02粒子が取り囲んだ焼結体をHIP処
理すると、主としてY−TZP粒子が塑性変形し、Y−
TZP粒子同志が相互に有機的に結合したマクロ構造を
有することになる。この様な製造方法による複合体の構
造は、欠陥の無い緻密な焼結体となるとともに、適切な
残留応力の導入、ZrO2とAノ,03間の化学結合の
増加をもたらし、焼結体の靭性、強度などを改善するも
のと考えられる。また、この様な製造方法によれば、Z
rO2粒子は、充分に微細化するとともに、さらに転位
による細分化も期待でき、正方晶から単斜晶への応力誘
起変態を開始する応力をより上昇させることも、強度を
増大させている一つの原因と考えられる。
発明の効果 Y−TZPの優れた特性とA 1 2 0 3の優れた
特性とを併せ持つ本発明セラミックスによれば、下記の
様な顕著な効果が達成される。
(1)セラミックスの結晶粒径が非常に小さいので、公
知のY−TZP系材料に比して、室温での強度が極めて
高い。
(2)本発明によるアルミナ−ジルコニア系セラミック
スは、高温においても、その比較的高い強度を維持し易
い。
(3)公知のY−TZPにおいて認められる低温熱劣化
現象も、大幅に抑制される。
(4)本発明によるアルミナ−ジルコニア系セラミック
スは、硬度、靭性、耐磨耗性、耐蝕性などにも優れてい
る。
(5)従って、本発明によるアルミナ−ジルコニア系セ
ラミックスは、ダイス、ノズル、各種の工具類、ビーズ
、ローラーなどの構造用機械部品製造材料として有用で
ある。
実施例 以下に実施例を示し、本発明の特徴とするところをより
一層明確にする。
実施例I ZrOC12・8H20とY C 1 3 ” 6 H
2 0とを所定の割合で溶解した水溶液を調製し、10
5℃で7日間加熱して加水分解し、さらにアンモニアを
添加することにより、共沈物を形成させた後、該共沈物
を濾過し、乾゜燥し、仮焼し、粉砕して、Y203含有
量と比表面積の異なる各種のZrO2原料粉末(純度9
9.4%以上)を得た。第1表に得られたZrO2原料
粉末の特性を示す。
なお、得られたZrO2原料粉末中の不純物含有量は、
下記の通りであった。
AA’2 0, SiO2 Fe203 T i O2 Na2 0, 焼成減量 005% 004% 005% 005% 005% 5% 第1表 イー1 イー2 イー3 イー4 イー5 ロー1 ロー2 口−3 ロー4 口ー5 Y2 0, (モル%) 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 2.0 2.0 2.0 2.0 2.0 比表面積 (ゴ/g) 5 10 20 30 60 5 10 20 30 60 焼結温度 (”C) 1550 1500 1400 1300 1200 1550 1500 1400 1300 1200 郎 1 表 (続き) ハー1 ハー2 ハー3 ハー4 ハー5 二一1 二一2 二一3 二一4 二づ ホー1 Y2 03 (モル%) 3.0 3.0 3.0 3.0 3.0 4.5 4.5 4.5 4.5 4.5 6.0 比表面積 (耐/g) 5 10 20 30 60 5 10 20 30 40 20 焼結温度 (℃) 1550 1500 1400 1300 1200 1550 1500 1400 1300 1200 1400 次いで、得られたZrO2原料粉末と第2表に示す特性
を有する市販の易焼結性Al20.原料粉末(Aおよび
Bは、純度99. 99%、Cは、純度99.9%)と
を所定の割合となるように配合し、エタノール中で72
時間湿式混合した後、乾燥して、混合粉末原料を得た。
第2表 平均粒径  比表面積   焼結温度 (μm)    (ゴ/g)    (’C)A   
 O,1    14     1300B    O
.4     4.4   1500C    O.4
     4.1   1600ここで、粉末の焼結温
度とは、粉末を1トン/c+ltの圧力で冷間静水圧プ
レス成形して、電気炉で所定の温度まで60℃/ h 
rで昇温し、3時間保持した後、60℃/ h rで降
温したときに最終的に得られる焼結体の密度に対して、
約98%以上の密度が達成される温度をいう。具体的に
は、Zr02では、9.95g/cd以上、l/203
では、3.90g/cTl以上の密度が得られる焼成温
度を意味している。
次いで、この混合粉末原料を1 トン/ cdの圧力で
冷間静水圧プレス成形(CIP)Lて、直径70Inl
llX長さ50mm+の成形体を得た後、所定温度で予
備焼結し、次いでこの予備焼結体をHIP処理に供した
第3表にY−TZP粉末とAl2O3粉末との配合割合
、予備焼結温度およびHIP条件を示し、第4表にHI
P後の焼結体の物性を示す。
なお、強度試験は、JIS  R  1601に準じて
3点曲げ試験により測定した。
硬度は、ビッカース圧子圧入により測定した。
靭性は、JIS  R  1601に準じて「予亀裂導
入破壊試験法」により測定した。
粒子径は、複合焼結体を適切な温度によりサ−マルエッ
チングを行ない、電子顕微鏡写真から切片法により測定
した。
結晶相の定量は、研摩した複合焼結体をX線回折に供し
、行なった。
即ち、単斜晶は、立方晶と正方晶との(1 1 1)面
と単斜晶の(1 1 1)と(1 1 1)とを用いて
、(1)式より求めた。
立方晶は正方晶の(400)面、(004)面と立方品
の(400)面を用いて (2)式より求めた。
VmSVc:それぞれ単斜晶、立方晶の体積分率 I!=各反射面の積分強度 添字m,t,c:それぞれ単斜晶、正方晶、立方晶 実施例2 実施例1の手法に準じて原料の調製からHIP処理まで
を行なうに際し、ジルコニア粉末中のY203の量、ジ
ルコニア粉末の比表面積、アルミナ粉末の種類およびア
ルミナ配合量を種々変えた場合に、HIP処理条件が焼
結最終製品に及ぼす影響を調べた。
結果は、第5表および第6表に示す通りである。
第 6 表 第 6 表(続き) 実施例3 下記第7表に示すY2O3含有量の異なる2種のジルコ
ニア粉末(大阪セメント株式会社製)と下記第8表に示
す粒度の異なる3種のA!203粉末とを使用し、実施
例1の手法に準じて原料の調製からHIP処理までを行
なった。
0zC−2 02C−3 第7表 Y203含有量   比表面積 (モル%)     (ゴ/g) 2        30 3        30 第8 表 比表面積 (ゴ/g) 4.1 4.4 14 平均粒径 (μm) 0.4 0.5 0.1 純度 (%) 99. 8 (MgO. 1%含む) 99.99,以上 99. 99以上 結果は、 第9表および第10表に示す通りであ る。
第 10 表 実施例4 実施例1で得られた焼結体No.9.12.18および
19の微構造を透過型電子顕微鏡を用いて調べた。
すなわち、各焼結体を切断した後、切断時に導入された
結晶欠陥を除去するために、#100.#600および
#1000のダイヤモンドホイールを用いて、切り込み
深さ1μmで巾100μmの平面研削を行ない、直径3
mmX100μmの試料を調製した。
得られた各試料をエポキシ樹脂により試料補強リングに
接着し、ディンプラーにより研削し、試料厚さを20μ
mとした後、イオンエッチング法(イオン=Ar”  
5KVX0.5mA)により試料厚さを約1000人(
0.1μm)まで薄片化した。
かくして得られた各試料にカーボンを薄く蒸着させ、透
過型電子顕微鏡(“JEM−4000F型゜日本電子(
株)製)により、加速電圧350KVでそれぞれの微構
造を撮影した。
焼結体試料No.9.12.18および19の微構造を
表す写真をそれぞれ参考図1乃至参考図4として示す。
参考図1乃至参考図3から明らかな様に、本発明による
焼結体においては、ZrO2およびAI203粒子が均
一に分散しており、Zr02粒子内に応力による転位(
dislocation )が多数認められる。この転
位は、本発明による複合焼結体に特有なものであり、H
IP加工時の高温下における塑性変型もしくはZr02
とA!203との熱膨張係数の差から発生する応力によ
るものである。
この転位は、Zr02粒子の微細化に寄与し、実際に観
察されたZrO2粒子の結晶粒子径よりも転位により分
割された小さな粒子として作用する。この作用は、Zr
02が正方晶から単斜晶への応力誘起変態を開始する応
力(臨界応力)を著しく上昇させることになり、焼結体
に高い曲げ強度を付与することになると考えられる。
実施例5 実施例1におけると同様にして得た焼結体試料No.9
.12および18の残留応力を測定した。
すなわち、各試料を#100および#800のダイヤモ
ンドホイールで研削した後、表面を15μmおよび0.
25μmのダイヤモンドペーストにより充分にラッピン
グし、X線回折用の試料とした。X線回折は、回折用デ
ィフラクトメーター(“XD−3A,XD−610”、
島津製作所製)に平行ビームスリットと並傾法入射角設
定機構を取り付けて行なった。
また、応力測定は、正方晶Zr02については、Cr−
Kα線による(133)面からの回折を利用し、三方晶
AI!203については、Cu−Ka線による(146
)面からの回折を利用して、行なった。
これらの測定方法および各残留応力の計算の詳細につい
ては、田中、山本、鈴木、栗村の邦文(材料、第38巻
、第430号、840頁、1989年)および田中、山
本、峰、鈴木、中川(日本機械学会論文集−A編、第5
6巻、第523号、402頁、1990年)を参照され
たい。
結果を第11表に示す。
Zr02およびAA’203の結晶歪みから計算された
相応力をさらに巨視的応力と微視的応力とに分けて以下
に検討する。
巨視的応力は、機械加工時に導入されるもので、焼結体
の強度を増減させるが、基本的な要因ではない。
むしろ、材料の熱膨張率、焼成条件などに由来する微視
的応力の方が重要である。試験した焼結体試料において
は、平均して、Zr02相に約36〜56MPaの引張
り応力が作用し、Al203相に約94〜16MPaの
圧縮応力が作用していることになる。この様な応力は、
Zr02とAl203からなる複合材料において、大き
なAlzO3粒子が破壊源とはならず、圧縮応力が導入
された適当なサイズの AA!203粒子によって、複合材料に発生したクラッ
クが捩じれたり、ピン止めされたりすることにより、ク
ラック先端の応力を緩和させる作用を?揮する。また、
Zr02粒子の引張り応力は、進展してきたクラックを
結合力の強いZrO■粒子内に導く作用を発揮する。
本発明焼結体においては、この様に応力を導入された適
当なサイズの粒子が相互に分散していることにより、Z
rO■量が減少するにもかかわらず、高い靭性が得られ
、その結果、高強度が発揮されるものである。
さらに、ここで測定された応力は、粒子内の平均的な値
であり、粒界近傍では、さらに大きな応力が残留してい
るものと考えられる。
実施例6 実施例1におけると同様にして得た焼結体試料No.9
および18について、分析電子顕微鏡により粒子内の原
子拡散状態を調べた。
すなわち、実施例5で使用した透過型電子顕微鏡用試料
を用いて、エネルギー分散型X線分光器で加速電圧35
0KV,ビーム径70nm,X線?定時間100sec
の条件で、ZrCh粒子およびA It 2 0 3粒
子の内部および粒界の点分析を行なった。
参考図5に焼結体試料阻9の測定位置(A,B,C,D
,E)を示し、それぞれの即定位置における分析結果を
第1図乃至第5図として示す。参考図5と第1図乃至第
5図との対比から、ZrO■相粒子(黒色粒子)内にA
!原子の拡散は、測定位置Bでは拡散の可能性もあるが
、測定位置Aではほとんど認められない。また、A /
 2 0 3粒子(白色粒子)内にZr原子の拡散は、
測定位置D,Eでも認められる。
また、参考図6に焼結体試料No.18の測定位置(A
,B,C,D,E)を示し、それぞれの即定位置におけ
る分析結果を第6図乃至第10図として示す。この場合
にも、測定位置A,Bで示すように、ZrO2粒子内に
A!原子の拡散は認められないが、測定位置D,Hに示
すように、A!203粒子内にZr原子の拡散が認めら
れる。
本発明焼結体においては、上記のように、主としてA1
203粒子中へのZr原子の拡散により、従来の複合セ
ラミックスでは得られない粒子界面の化学的結合が達成
され、焼結体に高強度が付与される。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第5図は、本発明による焼結体試料のZrO
2粒子およびAI203粒子内部へのA!原子およびZ
r原子の拡散情況を示す点分析図である。 第6図乃至第10図は、本発明による他の焼結体試料の
Zr02粒子およびAA’203粒子内部へのA!原子
およびZr原子の拡散情況を示す点分析図である。 (以 上)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1) Y_2O_3を1.5〜4.5モル%含有する
    ZrO_290〜30重量%とAl_2O_310〜7
    0重量%とからなるアルミナ−ジルコニア系セラミック
    ス焼結体において、 (a) 焼結体中に平均粒子径0.3μm以下のZrO
    _2結晶粒子および平均粒子径2μm以下のAl_2O
    _3結晶粒子が均一に分散されており、(b) 焼結体
    中のZrO_2結晶相が主として正方晶からなっており
    、 (c) Al_2O_3含有量と室温での曲げ強度とが
    下記の関係にあることを特徴とする高強度アルミナ−ジ
    ルコニア系セラミックス焼結体: Al_2O_3 曲げ強度 (%) (MPa) 10 2400以上 20 2550以上 30 1900以上 40 1800以上 50 1700以上 60 1500以上 70 1400以上
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