JPH0319061B2

JPH0319061B2 -

Info

Publication number: JPH0319061B2
Application number: JP57178289A
Authority: JP
Inventors: Mutsuo Akao
Original assignee: Fuji Photo Film Co Ltd
Current assignee: Fujifilm Holdings Corp
Priority date: 1982-10-13
Filing date: 1982-10-13
Publication date: 1991-03-14
Also published as: JPS5968238A; US4576865A

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は光により劣化する感光物質、特に一般
白黒ハロゲン化銀感光材料をはじめカラーハロゲ
ン化銀感光材料、印刷用ハロゲン化銀感光材料、
Ｘ線ハロゲン化銀感光材料、ジアゾ感光材料等の
写真感光材料用の包装材料に関する。写真感光材料用の包装材料として要求される特
性としては遮光性、物理強度（破断強度、引裂強
度、衝撃穴あけ強度等）、防湿性、ヒートシール
適性（ヒートシール強度、低温シール性、熱間シ
ール強度）、帯電防止性などが挙げられる。これらの諸性質を単一のフイルム材料で兼ね備
えることは困難であり従来、一般には、カーボン
ブラツクや顔料等を練り込んだ低密度ポリエチレ
ンフイルムと紙、アルミ箔、セロハン等のフレキ
シブルシートとの複合、ラミネートフイルムが使
用されてきた。又写真用ロールフイルムの裏打ち態様で用いら
れる遮光紙としては、従来紙等の柔軟性のある支
持体（いわゆる可撓性シート）に熱可塑性樹脂塗
布層を施した複合シートが広く使われている。熱可塑性樹脂塗布層としては各種の樹脂が使用
され、それぞれ一長一短がある。低密度ポリエチレン（以下LDPEと表示）の場
合、柔軟性の欠如に起因する種々の欠陥が生じや
すく、且つヒートシール温度が高く、又ポリスチ
レン製写真フイルム用巻芯とのヒートシール性が
なく、ホコリや粉末等がLDPE表面に付着すると
ヒートシール不良の発生が多い（夾雑物シール性
が悪い）こと、遮光性物質添加に伴なうフイルム
強度の低下、シール強度の低下などが欠点とされ
ている。エチレン酢酸ビニル共重合体（以下EVAと表
示）の場合は、吸湿性が大きいこと、冷却ロール
とのハクリ性が悪く溶融押出し塗布速度をあげる
ことができないばかりか冷却ロール面が平滑な場
合はハクリ困難で支持体への溶融押出し塗布製造
が不可能であるという欠点がある。従つて、EVAを用いる場合には、冷却ロール
面に凹凸をつけ、ハクリ性をよくしても巻き取つ
たまま数日放置するとブロツキングが発生しやす
く且つスリツプ性が悪く機械適性が悪くなり、コ
ーンスターチ等の粉末を溶融押出し塗布フイルム
面に振りかけることによりブロツキング防止とス
リツプ性改良をはからねばならない。しかし、粉
末は写真感光材料に対し斑点やムラを発生させ
る。また、EVAはネツクインが大きく、切味が
悪い等多くの欠点があり、単なるEVA溶融押出
し塗布品は写真感光材料用の包装材料としては用
いられてこなかつた。特にポリスチレンとヒート
シール可能な酢酸ビニル（VA）含有量が10モル
％以上のEVAでは上記の欠点の程度が大きく、
実用化は困難であつた。エチレン・アクリル酸エチル共重合体（EEA）
などのアクリル酸エステル系共重合体の溶融押出
し塗布（特公昭51−49205号等）は、柔軟性、低
温ヒートシール性、夾雑物シール性はよいが、な
お、EVAと同様の欠点が解消できず、且つ微細
ゲルの除去が困難なためカーボンブラツク等の遮
光性物質を添加しても均一分散ができず単一層で
遮光性を持たせるには厚味を大きくする必要があ
つた。その上EVAと同様ブロツキングが発生し
やすく溶融押出し塗布品は写真感光材料の包装材
料としては実用化されていない。単一層から成る熱可塑性樹脂を支持体に積層形
成する従来の方法には、上記の通り多くの問題が
ある。この為写真感光材料用の包装材料の一つで
ある遮光紙は、カーボン等の添加物を20％以上添
加したEVAをトルエン等の溶剤にとかして塗布
する溶液塗布法という製造コストの高い方法によ
つて作られている。本発明は、このような従来法の問題点を解消
し、ブロツキングがなく、スリツプ性もラミネー
ト速度もポリオレフインに劣らず、低温ヒートシ
ール性や夾雑物シール性、切味にすぐれた感光物
質用包装材料を提供することを目的とする。本発明の上記の目的は、支持体に熱可塑性樹脂
層を積層して有する複合シートから成り該複合シ
ートを構成する層の少くとも一層が遮光性を有す
る感光物質用遮光性包装材料であつて、該熱可塑
性樹脂層は溶融共押出された厚さ0.3〜5μｍの表
面層及び厚さ４〜70μｍの中間層から成り、該表
面層は各種のポリオレフイン又は実質的に95モル
％以上のエチレンを含有するエチレン共重合体熱
可塑性樹脂から成り、該中間層はアクリル酸エス
テル、メタアクリル酸エステルの一又は両者７〜
30モル％と残部エチレンとの共重合体、又は酢酸
ビニル７〜20モル％と残部エチレンとの共重合体
（但し上記エステルは炭素数１〜８個のアルキル
基によるエステルとする）から成ることを特徴と
する感光物質用包装材料により達成される。本発明は単一では一長一短を有するため従来実
用化できなかつた二種の熱可塑性樹脂を各々の長
所を生かし短所を除去できる様に組合せて更に特
定の厚さをもつて二層積層することにより、すぐ
れた感光物質用包装材料を実現したものである。即ち、耐ブロツキング性、スリツプ性、ラミネ
ート適性のよいポリオレフイン系熱可塑性樹脂を
厚さ0.3〜5μｍの表面層とし、冷却ロールとの剥
離性が極めて悪くネツクイン、切味等にも欠点の
多いEVAや、引裂き強度、低温ヒートシール性、
夾雑物シール性は良いがネツクイン、切味等の欠
点を有するアクリル酸エステル系樹脂（EEA
等）、メタアクリル酸エステル系樹脂を厚さ0.3〜
5μｍの中間層として溶融共押出しにより支持体
に積層形成することにより、感光物質用包装材料
として必要な諸特性、即ち、製造上の問題である
ネツクイン、ラミネート速度及び製袋又は密封時
に必要なヒートシール性の外、遮光性、低温シー
ル性、夾雑物シール性、耐ブロツキング性、防湿
性、等を満たしたものである。本発明の感光物質用包装材料は光により変化、
変質する感光物質すなわち写真感光材料・薬品・
染料・食品等に用いることができ特に写真感光材
料であるロールフイルムの遮光紙として適してい
る。本発明において表面層の厚さはラミネート時又
は製袋等の加工時は表面層としてネツクインが少
なくロールハクリ性がよく耐ブロツキング性、ス
リツプ性がよく且つヒートシール時には低温シー
ル性のよい中間層が表面層を破つてシールされる
ように0.3〜5μｍにし、中間層は4μｍ以上、70μｍ
以下にし、かつ共押出層の全厚さは安定した塗布
層をもうける上で9μｍ以上が必要である。表面
層と中間層は溶融共押出成形され、支持体（但
し、支持体に遮光層を積層したものを包含する）
に積層される。この際支持体と共押出層との間に
は両者の接着力を向上させる為に必要に応じ接着
向上層等を介在させることもできる。遮光層は複合シートの少なくとも一層に形成さ
れ、単一の層（アルミニウム等の金属層等）又
は、遮光性物質を分散して含有する複合層であつ
てもよい。表面層は、溶融押出適性が良好で安価な各種ポ
リオレフイン樹脂又は実質的に95モル％以上のエ
チレンを含むエチレン共重合体熱可塑性樹脂を用
いる。中間層は、表面層及び支持体より低温で溶融す
る熱可塑性樹脂（EVA、EEA等）から成る。ロールフイルム用遮光紙は一般に支持体の他面
には印刷を施しその上に保護層を施す。以下本発明について詳述する。本発明の感光物質用包装材料は少なくとも３層
よりなる。このうち支持体は従来の包装材料に使
用されているものでよい。例えば紙、不織布、セ
ロハン、合成紙、アルミ箔等の金属、又は中間層
及び表面層より耐熱性のある熱可塑性樹脂フイル
ム、布、ワリフ、フラツトヤーン等が望ましい。支持体に用いる熱可塑性樹脂フイルムとしては
高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエス
テル、ポリアミド等のフイルムがあり、特に延伸
又は配向したフイルムが望ましい。高密度ポリエチレン−軸延伸フイルムを延伸軸
が交叉するように接着層で貼り合せたクロスラミ
ネートフイルムは特に望ましい。いずれにしても本発明に使用する支持体は表面
層がとけて中間層がシールされるまで耐える必要
があり、特に紙、セロハン、不織布、アルミ箔、
フラツトヤーン等が望ましい。支持体は１層に限定されることなく異質の素材
からなる数層を積層させてもよい。その他支持体
には、板紙、トリアセテートフイルム、PVAフ
イルム、Ｋライナー、金属蒸着したフイルム、紙
等を用いることができる。感光物質用包装材料に要求される遮光性、防湿
性、物理強度、切味、価格、厚味等に応じて適当
な組合せが考えられるが一般に紙、熱可塑性樹脂
フイルム等が用いられる。支持体相互の積層は熱可塑性樹脂溶融押出し塗
布の他溶剤型や溶液型の接着剤塗布又は熱溶着そ
の他公知の手段によりなされる。支持体にはその表面に印刷層及び保護層を設け
ることができる。支持体の上には必要によりアル
ミ蒸着層やアルミ箔を接着層により貼合せたり、
中間層と支持体又は支持体の上にもうけられたア
ルミ箔やアルミ蒸着層と中間層の接着性向上のた
めアンカーコート層や接着層やコロナ放電処理、
火災処理等が施される場合がある。中間層は支持体や表面層よりも低温で溶融する
熱可塑性樹脂、具体的にはEVA又はエチレン−
アクリル酸エステル共重合体（EEA等）、エチレ
ン−メタアクリル酸エステル共重合体のいずれか
１種（又は２種以上）よりなる。又はこれらの共
重合体樹脂と各種ポリオレフインとのブレンド樹
脂よりなる。EVAは酢酸ビニルの含有量が７〜
20％特に好ましくは10〜20％（モル比）のものが
使われる。７％未満ではEVAの特徴を失い、21
％以上では写真性能、ラミネート適性、悪臭、切
味に問題がある。酢酸ビニル量を増大させるとポ
リスチレン製の写真フイルム用巻芯とのヒートシ
ール性は向上するが、ネツクイン、切味、吸湿
性、冷却ロールとの剥離性、ブロツキング、スリ
ツプ性が悪化するため、この範囲のモル比が好ま
しい。エチレン−アクリル酸エステル共重合体、
エチレン−メタアクリル酸エステル共重合体の場
合はエステル含有量が７〜30％（モル比）のもの
が使用され、さらに好ましくは10〜20％（モル
比）である。７％未満では特徴を失い、31％以上
では写真性能、ラミネート適性、切味、悪臭等で
問題がある。エステルは炭素数８個以下のアルキ
ル基によつてエステルをなすものが使用でき、例
示すればアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
アクリル酸ブチル、アクリル酸２−エチル−ブチ
ル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸ブチ
ル等である。又は上述のエチレンとの共重合体と
各種ポリオレフイン、各種添加物との混合樹脂で
もよくEVAとの混合樹脂なら実質的に酢酸ビニ
ルの含有量が７〜20モル％特に好ましくは10〜20
モル％、エチレン−アクリル酸エステル共重合
体、エチレン−メタアクリル酸エステル共重合体
との混合樹脂なら実質的にエステル含有量が７〜
30モル％、特に好ましくは10〜20モル％のものが
用いられる。これら上述の中間層熱可塑性樹脂中
に遮光性物質の外公知の各種の帯電防止剤、滑
剤、増量剤、スリツプ剤、酸化防止剤等の添加剤
を添加してもよい。表面層として各種ポリオレフイン樹脂又はエチ
レンを95モル％以上を含むエチレン共重合体熱可
塑性樹脂が用いられる。エチレンが95モル％未満
の共重合体では耐ブロツキング性、防湿性、切
味、スリツプ性、ラミネート適性が悪く実用化が
困難である。上記表面層には、エチレンを95モル％以上含む
各種共重合体（EVA、エチレン−アクリル酸エ
ステル、エチレン−メタアクリル酸エステル、
低、中、高密度ポリエチレン、変性ポリエチレ
ン、各種線状低密度ポリエチレン（Ｌ−LDPE）、
各種ポリプロピレン等がある。これらのポリオレ
フインを単独で使用する他、上記の２種以上をブ
レンドして使用することができる。又上記熱可塑
性樹脂とエチレン95モル％未満の各種共重合体と
ブレンドした結果がエチレン含有量が95モル％以
上になつていれば使用出来る。例えばエチレンを
92モル％含むエチレン−アクリル酸エチル共重合
体50部に低密度ポリエチレン50部をブレンドした
場合でも可、この場合エチレン含有量は96モル％
と考える。中間層と同じ樹脂をブレンドすることは特に中
間層との接着性向上に効果がある。表面層の熱可
塑性樹脂中に遮光性物質の外公知の各種の帯電防
止剤、滑剤、増量剤、スリツプ剤、酸化防止剤等
の添加剤を添加してもよい。エチレン中に他のモノマーを加えて共重合させ
た熱可塑性樹脂も目的に応じて有利に使用でき
る。例えば炭素数３〜13のα−オレフイン0.5〜
10モル％をエチレンと低圧法で共重合させた線状
低密度ポリエチレン（Ｌ−LDPE）は強度にすぐ
れる。その他、表面層にはエチレン含有量95モル
％以上の中間層に使用した熱可塑性樹脂も使用可
能であるが低密度ポリエチレン（LDPE）、中密
度ポリエチレン（MDPE）、高密度ポリエチレン
（HDPE）、線状低密度ポリエチレン（Ｌ−
LDPE）、ポリプロピレン（PP）が望ましい。本発明の包装材料は感光物質用の包装材料であ
るから複合シートの少くとも１層は遮光性を有す
ることが必要である。遮光性は遮光性物質を支持
体又は溶融共押出し樹脂層を内部に混入分散して
もたせてもよいし、層上（通例は支持体表面）に
印刷、含浸塗布、金属蒸着、金属箔の貼合せ等の
形で付着させてもよい。遮光性物質とは可視及び
紫外線を透過させない物質を称し、膜（金属蒸着
膜例えばアルミ蒸着膜等）、箔（アルミ箔、スズ
箔等の金属箔）又は層内分散物であり、具体的に
例示すればカーボンブラツク、酸化鉄、酸化亜
鉛、酸化チタン、雲母、アルミ粉末、アルミペー
スト樹脂分散物、炭酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、カドミウム系顔料、黄鉛、弁柄、コバルトブ
ルー、銅フタロシアニン系顔料、モノアゾ又はポ
リアゾ系顔料、アニリンブラツク等の有機系顔料
や無機系顔料、その他各種顔料及びこれら２つ以
上の混合物等がある。一般に、各種カーボンブラ
ツク、アルミペースト樹脂分散物、雲母、炭酸カ
ルシウム、酸化チタン等が用いられるが、価格と
感光材料品質安全性の点から、各種カーボンブラ
ツク、特にフアーネスタイプのカーボンブラツク
が用いられる。分散性遮光性物質は、支持体又は
熱可塑性樹脂中に１〜20％好ましくは１〜10％含
有させる。なお、遮光性物質は支持体、接着層、
中間層、表面層のいずれの層にも含有させること
が出来る。金属蒸着膜（アルミ蒸着が多く使用されてい
る）、金属箔（アルミ箔が多く使用されている）
は一般に遮光層として用いられるだけでなく帯電
防止、防湿、防水、ガスバリヤ材としてもすぐれ
ている。このように構成された包装材料は単に従
来より製造工程上有利というだけでなく、種々の
目的にかなつたすぐれた感光物質用包装材料とし
て有用である。本発明にいう感光物質とは単に写
真感光材料ばかりでなく、光によつて劣化するす
べての物質をいう。カラーハロゲン化銀感光材料
をはじめＸ線ハロゲン化銀感光材料、白黒ハロゲ
ン化銀感光材料、印刷用ハロゲン化銀感光材料、
ジアゾ感光材料など種々の写真感光材料の他チヨ
コレート、マーガリン、ミソ、ビール、ワイン、
等の食料品、光により変色、変質する染料、医薬
品なども含まれる。本発明の包装材料はこれらすべての分野で利用
可能であるが特に写真用ロールフイルム用遮光紙
として有用である。写真用ロールフイルムの裏打
ちの態様で用いられる遮光紙はある定められた長
さの写真フイルムに重ねられてフイルム巻芯に巻
きつけられたり一定の大きさの空胴に巻回収納さ
れたりして用いられるのであるが、そのためには
遮光紙の長さが定められているのでその厚さに限
定があり一般には50μｍ〜150μｍで好ましくは
90μｍ〜120μｍである。本発明によればこの厚さ
範囲の包装用材料が容易に得られる。写真ロールフイルム用遮光紙に要求される性質
として従来品で問題があつたのは主として(1)防湿
性の不足のため高温高湿条件下で遮光紙とフイル
ムが付着を起す。(2)ガス透過によるガスカブリ、
(3)吸湿による寸法不安定、(4)切味不良、(5)表面が
軟らかずぎるため遮光紙どうしでブロツキングを
起す、等がある。本発明品の表面層、中間層は薄層でありながら
遮光性はもとより柔軟性、防湿性、ガス遮断性、
寸法安定性、ブロツキング防止等にすぐれた遮光
紙である。支持体は紙に加えてアルミ層を設ける
ことが防湿効果の点でよい。即ち３〜30μｍのア
ルミニウム箔、0.01〜0.2μｍのアルミニウム蒸着
層、５〜100μｍのアルミニウム分散層等が有効
である。従来ポリオレフインは単一溶融押出塗布では薄
いものを作ることが不可能であつたが、本発明の
ように共押出を行う時は0.3〜5μｍのポリオレフ
イン表面層を容易に製造できる。またロール剥離
性の点で従来溶剤塗布法によらざるをえなかつた
EVA、EEA等の中間層材料の共押出も可能とな
り、これらの点にも本発明の利点がある。写真用ロールフイルムの包装材料等に使用する
場合各層の厚さとしては表面層は0.3〜5μｍにす
る（一般により好ましくは１〜3μｍ、特に写真
ロールフイルム用遮光紙としては0.3〜2μｍ）。こ
れ以上薄くする時は塗布膜切れの発生又は塗布膜
ワレの発生により表面層が存在しない中間層が表
面に表われて冷却ロールとの剥離性、ブロツキン
グの悪化、塗布筋の発生等の点で表面層を設けた
ことの効果が発揮できず、またこれより厚い場合
にはヒートシール時に表面層が破れず中間層がヒ
ートシール層にならないため低温シール性、夾雑
物シール性に欠け、遮光紙として必要な特性であ
るポリスチレン製写真フイルム用巻芯とのヒート
シール性に欠ける等の問題がある。中間層は4μｍ以上とするが、これより薄くす
ることは表面層との共押出し塗布層の総厚が9μ
ｍ以上ないと安定した塗布層にならない為表面層
の最高厚味が5μｍであるため中間層が4μｍ以上
必要である。中間層の厚さは４〜70μｍの範囲で
適宜目的に応じて選択される。表面層、中間層
（場合により接着層等の他の層を含む）を含む溶
融共押出層の厚さは9μｍ以上とすることが好ま
しく、これより薄いと安定した塗布層をもうける
ことが困難である。特に写真ロールフイルム用遮光紙としては、表
面層の厚さは0.3〜5μｍ（好ましくは0.3〜2μｍ）、
中間層は４〜70μｍ（好ましくは７〜30μｍ）、こ
れら合計厚さ９〜75μｍ（好ましくは13〜32μｍ）
である。但し、厚さは他の目的には適宜変更可能
である。本発明の実施態様につき以下図面に従つて説明
する。第１図と第２図は特公昭51−49205に開示の従
来の包装材料であり第３図〜第８図は本発明の包
装材料を示す。第１図は遮光性のある支持体１ａの１面に
EEA、EVA等の中間遮光層２ａを塗設し他面に
印刷４を施したのち保護層５を塗設したものであ
る。第２図は着色しない支持体１１と着色した支持
体１２とを抄き合せ又は共押出した支持体１ａを
用い他は第１図の場合と同様に作成したものであ
る。第３図は第１図の２ａの代りに中間遮光層２１
ａと表面遮光層２２ａの溶融共押出し遮光層２ａ
を遮光性を持つた支持体１ａに塗設したものであ
る。第４図は第３図の中間遮光層２１ａと表面遮光
層２２ａの熱溶融共押出し遮光層２ａを第２図の
遮光層２ａの代りに塗設したものである。第５図は遮光性を持つた支持体１ａにアルミニ
ウム箔等の可撓性シート６を接着剤層３により貼
着せしめ可撓性シート６の上に中間層２１と表面
層２２の熱溶融共押出し層２を塗設し支持体１ａ
の他面に印刷４を施したのち保護層５を形成した
ものである。第６図は第５図の遮光性を持つた支持体１ａの
代りに遮光性を持たない支持体１、遮光性を持た
ない中間層２１の代りに遮光性を持つた中間層２
１ａ遮光性を持たない表面層２２の代りに遮光性
を持つた表面層２２ａをもうけ他は第５図と同一
構造のものである。第７図は第２図の単一熱溶融押出し遮光層２ａ
の代りに遮光性を持つた中間層２１ａと遮光性の
ない表面層２２を熱溶融共押出しした層２ａを塗
設したものである。第８図は支持体が異なる以外
は第７図と同じ構造のものである。以上の実施例は、本発明の感光物質用包装材料
の好ましい実施態様の代表例を示したものである
が、本発明は以上に限定されるものではなく他の
公知の素材との組合せも可能である。支持体（１，１ａ又は可撓性シート６を含む）
としては既述の材料を用いることができる。接着剤層３としては各種ポリエチレン、エチレ
ン−アクリル酸エチルコポリマー、エチルン酢酸
ビニルコポリマー、線状低密度ポリエチレン（Ｌ
−LDPE）、ポリプロピレン、アイオノマー等の
熱可塑性樹脂よりなるエクストル−ジヨンラミネ
ート型接着剤、及び公知の水溶性接着剤、感圧型
接着剤、溶剤型接着剤、ホツトメルト型接着剤、
ドライラミネート型接着剤などが使用される。実施例１第３図の層構成をもつ遮光紙（本発明品）を第
１図の従来品と比較試験を行つた。各々の遮光性
を持つた支持体１ａは繊維組織中にカーボンブラ
ツクを８重量％含んでいる厚さ65μｍ、坪量60
ｇ／cm²の晒クラフト紙である。この支持体上に第１図では遮光層としてカーボ
ンブラツクを５重量％含んだエチレン−アクリル
酸エチル共重合体（米国ユニオンカーバイド製
DPD−6169、アクリル酸エチル含有量16モル％、
比重0.931、MI6）を押出成形機によつて塗布層
を厚さが20μｍになるように熱溶融押出し塗布を
行つた。他方、本発明品は中間遮光層２１ａとして第１
図と同じカーボンブラツクを５％含んだエチレン
−アクリル酸エチル共重合体（DPD6169）塗布
層を厚さが19.5μｍ、表面遮光層２２ａとしてカ
ーボンブラツクを５重量％含んだ密度0.923の低
密度ポリエチレン層の厚さが0.5μｍの熱溶融共押
出塗布遮光層２ａをトータル厚味20μｍで設け
た。冷却ロールの表面はフラツト面（光沢面）を
使用した。従来品、本発明品共に、支持体１ａの反対面に
は印刷４を施したのち保護層５を形成した。両者の試験結果を第１表に示す。本発明品はネ
ツクイン、切味、ラミネート速度、ブロツキン
グ、スベリ、コストの点ですぐれており、その他
の点でもほぼ従来品と同等であつた。実施例２第２図の従来品と第４図の本発明品を下記の外
実施例１と同様に製作し、同様に試験した。各々
の遮光製を持つた支持体１ａは繊維組織中にカー
ボンブラツクを含まない紙１１とカーボンブラツ
クを10重量％含んだ紙１２を抄き合せた厚さ65μ
ｍ、坪量60ｇ／cm²の晒クラフト紙１ａである。こ
の晒クラフト紙の上に実施例１と同じ遮光層２ａ
の厚さ20μｍで塗布した。本発明は中間遮光層２
１ａ、19μｍと表面遮光層２２ａ、1μｍを熱溶融
共押出し、塗布遮光層２ａとしてトータル厚味
20μｍで設けた。両者の試験結果を第１表に示す。本発明品はネ
ツクイン、切味、ラミネート速度、ブロツキン
グ、スベリ、コストの点ですぐれており、その他
の点でもほぼ従来品と同等であつた。実施例３実施例１で本発明品の表面遮光層２２ａとして
密度0.960ｇ／cm³の高密度ポリエチレン（三井石
油化学製）を使用し、冷却ロールをマツト面にし
た以外はまつたく実施例１と同一構造の包装材料
を作製し、実施例１と同様に試験した。その試験結果を第１表に表す。表面層に低密度
ポリエチレンを使用した実施例１に比較して、本
発明品は静電気防止、切味、耐ブロツキング、ス
ベリの点ですぐれておりその他の点でもほぼ実施
例１の本発明品と同等であつた。実施例４第３図の層構成をもつ遮光紙（本発明品）を第
１図の従来品と比較試験を行つた。各々の遮光性
を持つた支持体１ａは繊維組織中にカーボンブラ
ツクを８重量％含んでいる坪量60ｇ／cm²の実施例
１と同じ晒クラフト紙の上に従来品の第１図では
遮光層としてカーボンブラツクを4.5重量％含ん
だエチレン酢酸ビニルコポリマー（EVA）（酢酸
ビニル含有量10モル％）を押出成形機によつて塗
布層の厚さが20μｍになるように熱溶融押出し塗
布を行つた。他方本発明品は中間遮光層２１ａとして従来品
と同じカーボンブラツクを4.5重量％含んだエチ
レン酢酸ビニルコポリマー（エチレン含有量（90
モル％）を塗布層の厚さが19μｍ、表面遮光層２
２ａとしてカーボンブラツクを５重量％含んだ線
状低密度ポリエチレン（Ｌ−LDPE）層（三井石
油化学製、ウルドゼツクス2080C）の厚さが1μｍ
の熱溶融共押出しコーテイング遮光層２ａを合計
厚さ20μｍとなるよう設けた。冷却ロールの表面
はセミマツト面を使用した。両者の試験結果を第１表に示す。本発明品は従
来品に比べラミネート速度、ブロツキング、スベ
リ、コストの点ですぐれており、その他の点でも
略従来品と同等である。実施例５第６図の層構成を持つ包装材料（本発明品）
で、支持体１は、厚さ77μｍ、坪量70ｇ／cm²のク
ラフト紙で、このクラフト紙の上に13μｍの低密
度ポリエチレン接着剤層３で可撓製シート６とし
て7μｍのアルミニウム箔を貼着し、このアルミ
ニウム箔の上に７重量％のカーボンブラツクを含
むエチレンアクリル酸メチル（アクリル酸メチル
含有量25モル％）共重合体を中間遮光層２１ａと
して厚さが17μｍ、表面層２２ａとして３重量％
のカーボンブラツクを含む厚さ3μｍ、密度0.96
ｇ／cm³の高密度ポリエチレン（三井石油化学製）
を熱溶融共押出し塗布遮光層２ａとして合計20μ
ｍの厚さに設けた。冷却ロールとしてマツト面を
使用した。その試験結果を第１表に示す。本実施例品は静電気防止、ネツクイン、切味、
ラミネート速度、耐ブロツキング、スベリ、コス
トの点ですぐれており、その他の点でも略従来品
並である。

【表】本発明は上記実施例に限定されることなく、広
い範囲での適用が可能である。すなわち感光物質
としては写真感光材料のみならず光により変化・
変質する薬品・染料・食品等に用いることができ
る。又、ロールフイルム用遮光紙の他に遮光袋・
内装紙・自動製袋用紙・紙筒等の利用形態が考え
られる。以下、特許請求の範囲に規定する本発明に関す
る実施の態様について記す。１表面層が0.3〜5μｍ、好ましくは１〜3μｍの
厚さを有する感光物質用包装材料。２中間層が４〜70μｍ、好ましくは10〜30μｍ
の厚さを有する感光物質用包装材料。３表面層と中間層を含む共押出層の合計厚さが
９〜75μｍ、好ましくは13〜32μｍの感光物質
用包装材料。４中間層が、EVA（酢酸ビニル含有量10〜20モ
ル％）又はエチレン・アクリル酸エステル共重
合体若しくはエチレン・メタアクリル酸エステ
ル共重合体（両者共該エステル含有量10〜20モ
ル％）のいずれかから成る、特に写真ロールフ
イルム用遮光紙に適した感光物質用包装材料。５表面層のポリオレフイン系熱可塑性樹脂の厚
さが0.3〜2μｍである上記第４項の感光物質用
包装材料。６支持体が紙である上記第４又は５項の感光物
質用包装材料。７遮光性物質を複合シートの各層の１以上に１
〜20重量％、好ましくは３〜10重量％含有する
感光物質用包装材料。８支持体が延伸又は分子配向された熱可塑性樹
脂フイルムである感光物質用包装材料。９支持体が２枚以上の一軸延伸フイルムを延伸
軸が互いに45〜90度になるように貼着してなる
感光物質用包装材料。 10 前記７の遮光性物質がカーボンブラツクであ
る感光物質用包装材料。 11 前記５の表面層が密度0.95ｇ／c.c.以上の高密
度ポリエチレンである特に写真感光材料用遮光
紙に適した感光物質用包装材料。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第２図は従来の包装材料を示す断面図
である。第３図〜第８図は本発明の包装材料の実
施例である。図中添字ａを付したものは遮光性の
層を示す。図中、１……支持体、２……熱可塑性樹脂層、
３……接着剤層、４……印刷（インク）、５……
保護層、６……アルミニウム箔等の可撓性シー
ト、１１……着色していない支持体を抄き合せた
紙又は共押し出しした熱可塑性フイルムから成る
支持体、１２……着色している支持体を抄き合せ
た紙又は共押し出しした熱可塑性フイルムから成
る支持体、２１……中間層、２２……表面層。

Claims

【特許請求の範囲】

１支持体に熱可塑性樹脂層を積層して有する複
合シートから成り該複合シートを構成する層の少
くとも一層が遮光性を有する感光物質用遮光性包
装材料であつて、該熱可塑性樹脂層は溶融共押出
された厚さ0.3〜5μｍの表面層及び厚さ４〜70μｍ
の中間層から成り、該表面層は各種のポリオレフ
イン又は実質的に95モル％以上のエチレンを含有
するエチレン共重合体熱可塑性樹脂から成り、該
中間層はアクリル酸エステル、メタアクリル酸エ
ステルの一又は両者７〜30モル％と残部エチレン
との共重合体、及び酢酸ビニル７〜20モル％と残
部エチレンとの共重合体（但し上記エステルは炭
素数１〜８個のアルキル基によるエステルとす
る）の１種以上から成ることを特徴とする感光物
質用包装材料。