JPH0313914Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はカード通路の両側に磁気ヘツドを有す
る磁気カードリーダの磁気ヘツド支持構造に関す
るものである。

従来、カード通路の片側だけに磁気ヘツドを設
けた磁気カードリーダにおいては、磁気カードを
カード通路に対して直角方向に折り曲げるように
して傾斜させて走行させたり、磁気ヘツドと反対
側のカード通路の壁面に磁気カードを押しつけて
走行させたりしても、磁気カードの磁気ストライ
プ部分に磁気ヘツドのギヤツプ面が追従するよう
に、磁気ヘツドを、弾性を有する磁気ヘツド支持
部材で揺動自在に支持していた。

ところが最近、磁気ストライプを両面に有する
磁気カードが用いられるようになり、磁気カード
の両面を同時に読み取ることができるようにする
ため、カード通路の両側に磁気ヘツドを設けた磁
気カードリーダが用いられるようになつている。

上記のような磁気カードリーダにおいては、磁
気ヘツドの支持を、両側共従来のように弾性を有
する磁気ヘツド支持部材で支持させるようにした
場合、磁気カードを折り曲げたり、通路の片側に
押し付けたりして走行させると、磁気カードが押
しつけられた側の磁気ヘツドが磁気ヘツド支持部
材の弾性により、カード通路から後退するので、
磁気カードが押しつけられた側と反対側の磁気ヘ
ツドのギヤツプ部が、磁気カードの磁気ストライ
プ部分から浮き上がつてしまうことがあり、これ
によつて片側の情報再生が良好に行えないという
欠点があつた。

このような欠点を解消するためには、磁気カー
ドの通路幅をカード幅と同じ程度に狭くして、磁
気カードの曲がりや、磁気ヘツド方向への移動を
規制することも考えられるが、カード通路の幅を
狭くすると、カードを走行させる時の操作性が悪
くなり、特に湾曲したような変形カードは、カー
ド通路を走行させることが不可能となつてしまう
といつた欠点を有している。

本考案は上記従来の欠点に対して、カード通路
に対向して設けた磁気ヘツドの一方を、剛体の磁
気ヘツド支持部材で揺動自在に支持すると共に、
他方の磁気ヘツドを、弾性を有する磁気ヘツド支
持部材で揺動自在に支持し、上記剛体の磁気ヘツ
ド支持部材に支持された磁気ヘツドと、該磁気ヘ
ツドと対向するカード通路の壁面とで形成される
カード通路が、磁気ヘツド当接時にカード厚より
若干大きい幅に位置規制し、磁気ストライプと磁
気ヘツドのギヤツプ部との接触性を高めるように
したものである。

以下第１図から第５図に基づいて本考案の実施
例の説明を行う。

第１図において、１，２は磁気ヘツド、３はカ
ード通路４を形成するフレームである。磁気ヘツ
ド１は、薄板の側部を折り曲げて形成された剛体
の磁気ヘツド支持部材７の矩形開口部７ａに接着
固定されており、この磁気ヘツド支持部材７の両
端には、円孔７ｂ（第２図参照）が穿設されてい
る。この円孔７ｂは、プリント基板９に固定され
た半球状の凸部８ａ付きの支持ピン８を挿入する
めの円孔で、上記磁気ヘツド支持部材７を支持ピ
ン８に嵌合させたとき、上記支持ピン８の凸部８
ａを支点として揺動動作のみができるような大き
さとなされている。この支持ピン８はプツシユナ
ツト５によつてプリント基板９に固定されてお
り、またプリント基板９はネジ６によつてフレー
ム３に取り付けられているので、磁気ヘツド支持
部材７、即ち磁気ヘツド１はフレーム３上に揺動
可能に保持されている。尚、磁気ヘツド支持部材
７はフレーム３に一体形成されたボス１１と、支
持ピン８との間で位置規制されており、磁気ヘツ
ド支持部材７は支持ピン８の凸部８ａを支点とし
て、カード走行方向と直角方向に揺動することの
みが行えるようになされている。即ち凸部８ａが
カード当接時の支持部材７の揺動支点兼位置規制
部材となつている。

一方、磁気ヘツド２も磁気ヘツド１と同様に磁
気ヘツド支持部材１０の矩形開口部（図示せず）
に接着固定されるが、磁気ヘツド支持部材１０は
板バネで構成してあるため、支持ピン８を磁気ヘ
ツド支持部材１０の支持ピン挿入用円孔（図示せ
ず）に挿入して、フレーム３に取付けた時、磁気
ヘツド支持部材１０は、支持ピン８の凸部８ａに
当接して揺動自在であると共に、カード通路４に
向かつて進退動可能ともなつている。また磁気ヘ
ツド支持部材１０は、フレーム３に一体形成され
たボス１１に対し、予めたわませた状態で突き当
ててあり、磁気ヘツド２が磁気カードによつて第
１図において下方変位するとき、この磁気カード
に充分な圧接力を与えることができるようになつ
ている。

尚、剛体の磁気ヘツド支持部材７に支持された
磁気ヘツド１と、弾性を有する磁気ヘツド支持部
材１０に支持された磁気ヘツド２はカード通路内
において第４図のような突出量関係となつてい
る。即ち、第４図において、フレーム３に形成さ
れたカード通路４の幅Ｌ１は、磁気カード１２を
走行させるときカード通路４にカードが引つ掛か
つて操作性が悪くならないように、上記磁気カー
ド１２の厚さＬ２の２〜３倍の幅となされてい
る。一方、磁気ヘツド１は、磁気ヘツド１と対向
するカード通路４の壁面４ａから磁気カード１２
の厚さＬ２より僅かに離れた場所に、第１図に示
す支持ピン８の凸部８ａにより位置規制され、磁
気カード１２の走行通路を壁面４ａとの間でカー
ド厚Ｌ２より若干大きい幅に規制して、磁気カー
ドを傾けて走行させたり、磁気カードを第４図に
おいて上下方向にずらせて走行させたりすること
を防ぐようになされている。

尚、この磁気ヘツド１と壁面４ａとの幅は、カ
ード厚とほぼ等しく設定することが好ましいが、
カード厚や部品寸法のばらつきに基づく操作性の
悪化も考慮してカード厚より若干大きい幅に設定
している。

一方、これと対向する磁気ヘツド２は、磁気ヘ
ツド１のギヤツプ部から僅かに離れた位置に対向
して配置されてり、磁気カード１２が挿入される
と、前記磁気ヘツド支持部材１０の弾性力に抗し
てカード通路４から後退すると共に、磁気カード
１４に圧接力を与え、磁気ヘツドのギヤツプ部と
磁気カードの磁気ストライプ部分との接触性を良
好にしている。

上記のごとく磁気ヘツド１，２が配置されたカ
ード通路４に、磁気カード１２を走行させると、
カード通路４の幅Ｌ１はカード厚Ｌ２よりも充分
広く取られているため、磁気カード１２は多少変
形していてもスムーズに走行し、磁気カード１２
が磁気ヘツド部分に至ると、磁気カード１２は磁
気ヘツド２を支持する磁気ヘツド支持部材１０の
弾性力によつて、磁気ヘツド１と磁気ヘツド２と
の間を押圧力を受けながら通過する。このとき、
磁気ヘツド１は、支持ピン８の凸部８ａによつて
揺動のみが可能となつており、上下方向には移動
しないので、磁気ヘツド１の先端とカード通路４
の壁面４ａとによつて形成されるカードの走行通
路幅は、ほぼカード厚Ｌ２に規制され、カードの
曲りやカードの磁気ヘツド方向への移動を抑え磁
気カード１２の磁気ストライプが磁気ヘツドのギ
ヤツプ部から浮き上がるのを防ぐことができる。
また、磁気ヘツド支持部材７，１０が揺動可能と
なつているので、磁気ヘツド１，２のギヤツプ部
と磁気カード１２の磁気ストライプとの接触をよ
り確実にして磁気カード１２を走行させることが
できる。

第５図は、剛体の磁気ヘツド支持部材７とプリ
ント基板９との間に、磁気ヘツド支持部材１０の
弾性に比べて弱い弾性を有するスプリング１３を
配置した実施例で、磁気ヘツド１も、カード通路
に向かつて進退動可能となつているが、磁気カー
ド１２と当接したときに、支持ピン８の凸部８ａ
によつてその揺動位置を規制されるようになつて
いると共に、この揺動位置は、第４図に示される
寸法関係となるように設定されている。磁気ヘツ
ド支持部材７とプリント基板９との間に、磁気ヘ
ツド支持部材１０の弾性より弱い弾性を有するス
プリング１３を配置したことにより、磁気カード
１２挿入時に磁気ヘツド１は、支持ピン８の凸部
８ａを支点として揺動することになるが、磁気ヘ
ツド１が摩耗しても磁気ヘツド１がカード通路４
に向かつて付勢されているので、磁気カード１２
との接触を良好に保つことができる。

本考案によれば、剛体の磁気ヘツド支持部材に
揺動自在に支持された磁気ヘツドと、これと対向
するカード通路の壁面とによつて形成されるカー
ドの走行通路幅をカード当接時にカード厚より若
干大きい幅に規制したものであるから、磁気カー
ドの曲がりや、傾きを規制することができるの
で、磁気ストライプと磁気ヘツドとの接触性を高
めることができるという効果を奏する。

又、磁気カードの両面に磁気ストライプがある
ものに限らず、カードの異なる片面に磁気ストラ
イプがある異種磁気カードのカードリーダとして
も用いられる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案における一実施例の正面構成
図、第２図は磁気ヘツドの取り付け状態を示す平
面図、第３図は磁気ヘツドの取り付け状態を示す
側面図、第４図は磁気ヘツドの位置関係を示すた
めの要部断面図、第５図は本考案の他の実施例の
正面構成図である。 １，２……磁気ヘツド、３……フレーム、４…
…カード通路、７……剛体の磁気ヘツド支持部
材、８……弾性を有する磁気ヘツド支持部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. カード通路の両側にそれぞれ磁気ヘツドを対向
   配置した磁気カードリーダにおいて、上記磁気ヘ
   ツドの一方を剛体の磁気ヘツド支持部材で揺動自
   在に支持する一方、上記磁気ヘツドの他方を弾性
   を有する磁気ヘツド支持部材で揺動自在に支持さ
   せ、上記剛体の磁気ヘツド支持部材で支持された
   磁気ヘツドと対向するカード通路の壁面との間隔
   を、カード当接時にカード厚より若干大きい幅に
   規制する位置規制部材を設けたことを特徴とする
   磁気カードリーダの磁気ヘツド支持構造。